JP6237410B2 - 活性エネルギー線硬化型インキおよび印刷物 - Google Patents
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Description
すなわち、特許文献2〜4では、光開裂型のラジカル重合開始剤および水素引き抜き型ラジカル重合開始剤が挙げられ、それぞれの型に多数の化合物が例示されている。しかしながら、各々の型のラジカル重合開始剤は、それぞれ均等な特性を有するものとして認識されていると考えられ、実施例には2種類以上の光重合開始剤を組合わせた例が開示されているものの、意味のある特定の光重合開始剤の組み合わせについては、開示されていない。
このように、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、さらには、発光ダイオードによる硬化に適し、高硬化性のインキ組成物が求められている。
さらに、最近では、環境に配慮した植物油由来成分を一定以上含有するいわゆる環境対応型植物油インキ(例えば大豆油インキ(ソイインキ))の市場での要求が強い。
(1)光重合開始剤(A)が、α−(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物(A1−1)および/またはα−モルフォリノアルキルフェノン化合物(A1−2)と、
ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物(A2−1)および/またはチオキサントン化合物(A2−2)とからなる。
(2)アクリレートモノマー(B)は、表面張力が28〜35mN/mであり、尚且つアクリル当量(アクリロイル基1個あたりの分子量)が140以上である。
(3)活性エネルギー線硬化型インキ組成物全量中、アクリレートモノマー(B)を25〜50重量%含有する。
より具体的には、α−(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物(A−1)として、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1または2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられ、α−モルフォリノアルキルフェノン化合物(A−1)として、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。これらは単独あるいは併用されてもよい。
より具体的には、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物(A2−1)として、4,4´−ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4´−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノン類、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。これらの中では、安全性面から、4,4´−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
これらのチオキサントン化合物(A2−2)は単独で使用しても良いし、2種類以上を併用してもよい。
例えばメタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、以下同様)(メタ)アクリレート、
エタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(メタ)アクリレート、
ブタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(メタ)アクリレート、
ヘキサノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(メタ)アクリレート、
オクタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(メタ)アクリレート、
ドデカノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(メタ)アクリレート、
ステアリルモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(メタ)アクリレート等がある。
さらに、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノールまたはドデシルフェノールのポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(メタ)アクリレート等が例示される。
ジエチレングリコールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
ジプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
ブチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、
ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,7−ヘプタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,2−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、
1,9−ノナンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,10−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,12−ドデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,2−ドデカンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,14−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,2−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,16−ヘキサデカンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
1,2−ヘキサデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
2−メチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
3−メチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
ジメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
2−メチル−1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート等が例示される。
トリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート等が例示される。
ペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレンオキサイドテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート
ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールブタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールポリ(5〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ペンタ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ヘキサ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ヘキサ(メタ)アクリレート
トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体ヘプタ(メタ)アクリレート、
トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体オクタ(メタ)アクリレート、
トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体ヘキサ(メタ)アクリレート、
等が例示されるがこれに限るものではない。
なお、本発明において、植物変性(メタ)アクリレート(D)であり、尚且つアクリレートモノマー(B)でもあるアクリレートモノマーは、アクリレートモノマー(B)(植物変性(メタ)アクリレート(D)では無いもとする)である。さらに、植物変性(メタ)アクリレート(D)では無く、尚且つアクリレートモノマー(B)でも無いアクリレートモノマーは、その他アクリレートモノマーと称する。
この際、エステル化反応法は、そのカルボン酸のモル数/ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのモル数=0.8〜1.2の反応比で70〜120℃でエステル化反応される。さらに必要に応じ、0.01〜5重量%の触媒が使用される。触媒としては、硫酸、メタンスルフォン酸、エタンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸等のスルフォン酸化合物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、三フッ化ホウ素等のルイス酸が挙げられる。反応還流溶媒としてトルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン等が使用される。重合禁止剤アルキルフェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p −メトキシフェノール、t −ブチルカテコール、t −ハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p −ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p −ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p −ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が用いられる。得られた植物油変性(メタ)アクリレートを、さらに、0〜75KPaの減圧脱溶媒し、粘度0.1〜1Pa・s程度の淡黄色、淡褐色の液体が得られる。
上記で述べた表面張力とは、協和界面科学(株)製自動表面張力計(CBVP−Z型)を使用し、Wilhelmey法で測定したものである。
例えば、耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を付与する添加剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックス等を例示することができる。
(1)α−(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物および/またはα−モルフォリノアルキルフェノン化合物:0.1〜10重量%
(2)ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物および/またはチオキサントン化合物:0.1〜10重量%
(3)表面張力28〜35mN/m、アクリル当量140以上のアクリレートモノマー:25〜50重量%
(4)植物油変性(メタ)アクリレート:5〜20重量%
(5)表面張力28〜35mN/m、アクリル当量140以上のアクリレートモノマーおよび植物油変性(メタ)アクリレート以外のエチレン性二重結合を有する化合物(例えば(メタ)アクリル基含有化合物):0〜40重量%
(6)バインダー樹脂:5〜30重量%
(7)顔料:0〜30重量%
(8)その他添加剤:0〜10重量%
などが好ましい組成として挙げられるが、この範囲に限定されるわけではない。ただし、顔料含有量0重量%は、OPニスとなるが、当然に本発明の権利範囲である。
活性エネルギー線硬化型インキを製造するに先立ち、ワニス、植物油変性(メタ)アクリレートを製造した。
ジアリルフタレート樹脂(ダイソー社製、イソダップ、固形分100%)/アクリレートモノマー/ハイドロキノンを30〜40/70〜60/0.1の比率で仕込み、空気気流下、100℃で熱溶解させて製造した。
攪拌機、水分離管、温度計付き四つ口フラスコに大豆油KT(カネダ(株)製回収生成大豆油)880部、無水マレイン酸196部を仕込み170℃1時間ディールスアルダー反応させる。その後ハイドロキノン1.5部、2ヒドロキシエチルアクリレート414部、p−トルエンスルフォン酸12部、トルエン75部を仕込み100℃から徐々に昇温し120℃で15時間反応させ酸価が20以下になり、減圧脱溶剤させ、汲み出し、大豆油変性アクリレート(D1)を製造した。なお、大豆油変性アクリレート(D1)は、淡褐色、粘度0.2Pa・s/25℃の液体であった。
攪拌機、水分離管、温度計付き四つ口フラスコに大豆油KT(カネダ(株)製回収生成大豆油)880部、無水マレイン酸98部を仕込み170℃1時間ディールスアルダー反応させる。その後ハイドロキノン1.5部、2ヒドロキシエチルアクリレート210部、p−トルエンスルフォン酸10部、トルエン75部を仕込み100℃から徐々に昇温し120℃で15時間反応させ酸価が20以下になり、減圧脱溶剤させ、汲み出し、大豆油変性アクリレート(D2)を製造した。なお、大豆油変性アクリレート(D2)は、淡褐色、粘度0.2Pa・s/25℃の液体であった。
攪拌機、水分離管、温度計付き四つ口フラスコに大豆油白絞油(日清オリオ(株)製)880部、無水マレイン酸196部を仕込み170℃1時間ディールスアルダー反応させる。その後ハイドロキノン1.5部、ヒドロキシプロピルアクリレート460部、p−トルエンスルフォン酸12部、トルエン75部を仕込み100℃から徐々に昇温し120℃で15時間反応させ酸価が20以下になり、減圧脱溶剤させ、汲み出し、大豆油変性アクリレート(D3)を製造した。なお、大豆油変性アクリレート(D3)は、淡褐色、粘度0.2Pa・s/25℃の液体であった。
得られた活性エネルギー線硬化型インキ組成物を、ポリエチレンコート紙(北越製紙社製、トーエーパックカートン)に0.2ml/1000cm2展色させ、「表面硬化性」について評価した。その結果をあわせて表1〜2に示す。なお、RIテスターとは、紙やフィルムにインキを展色させる試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することができる。
メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)あるいは高圧水銀ランプ(アイグラフィックス(株)製)照射装置を使用し、コンベア速度(m/分)を変化させながら、紫外線を照射し、表面を指で触ってタックの有無を確認し、タックが無い最速のコンベア速度を「表面硬化性」とし、下記評価基準に基づいて評価を行った。ここで、コンベア速度の速いもの、すなわち、照射光量が少ないものほど表面硬化性が良好なるものであると判断できる。
(評価基準)
○:50m/分以上
△:30m/分以上、50m/分未満
×:50m/分未満
実用域は、「○」である。
インコメーター(TOYOSEIKI社製、デジタルインコメーター)、400rpm、1分値の条件下にて、30℃での測定値と20℃での測定値を比較して温度依存性を評価した。
(評価基準)
○:20℃測定値/30℃測定値=1.2未満
△:20℃測定値/30℃測定値=1.2以上1.25未満
×:20℃測定値/30℃測定値=1.25以上
インコメーター、30℃、1分値の条件下にて、400rpmでの測定値と1200rpmでの測定値を比較して速度依存性を評価した。
(評価基準)
○:1200rpm測定値/400rpm測定値=1.4未満
△:1200rpm測定値/400rpm測定値=1.4以上1.5未満
×:1200rpm測定値/400rpm測定値=1.5以上
(1)表1(実施例1〜8)
1)光重合開始剤:本発明における光重合開始剤を4種類使用。
2)エチレン性二重結合を有する化合物
:表面張力28〜35mN/m、アクリル当量140以上のアクリレート モノマーを
25〜50%および植物油変性(メタ)アクリレートを使用。
1)光重合開始剤:本発明における光重合開始剤を3種類使用。
2)エチレン性二重結合を有する化合物
:表面張力28〜35mN/m、アクリル当量140以上のアクリレート モノマーを
25〜50%および植物油変性(メタ)アクリレートを使用。
1)光重合開始剤:本発明における光重合開始剤を2種類使用。
2)エチレン性二重結合を有する化合物
:表面張力28〜35mN/m、アクリル当量140以上のアクリレート モノマーを
25〜50%使用および植物油変性(メタ)アクリレートを使用。
1)光重合開始剤:本発明における光重合開始剤を4種類使用。
2)エチレン性二重結合を有する化合物
:表面張力28〜35mN/m、アクリル当量140以上のアクリレート モノマーを
25%未満および植物油変性(メタ)アクリレートを使用。
1)光重合開始剤:本発明における光重合開始剤を4種類使用。
2)エチレン性二重結合を有する化合物
:表面張力28〜35mN/m、アクリル当量140未満のアクリレート モノマーを
25〜50%および植物油変性(メタ)アクリレートを使用。
1)光重合開始剤:本発明における光重合開始剤を4種類使用。
2)エチレン性二重結合を有する化合物
:表面張力36mN/m以上、アクリル当量140以上のアクリレートモ ノマーを
25〜50%および植物油変性(メタ)アクリレートを使用。
1)光重合開始剤:本発明における光重合開始剤を1種類使用。
2)エチレン性二重結合を有する化合物
:表面張力28〜35mN/m、アクリル当量140以上のアクリレート モノマーを
25〜50%および植物油変性(メタ)アクリレートを使用。
なお、比較例において下記のことが、分かる。
(I)表2(比較例1〜3)
エチレン性二重結合を有する化合物が表面張力28〜35mN/m、アクリル当量140以上のアクリレートモノマーの使用量が25%未満では、インキタックの温度依存性、速度依存性を低減させることが出来ない事が分かる。
(II)表2(比較例4)
エチレン性二重結合を有する化合物が表面張力28〜35mN/mでも、アクリル当量140以下のアクリレートモノマーでは、25〜50%使用しても、インキタックの温度依存性、速度依存性を低減させることが出来ない事が分かる。
(II)表2(比較例5)
エチレン性二重結合を有する化合物が、アクリル当量140以上でも、表面張力が36mN/m以上のアクリレートモノマーでは、25〜50%使用しても、インキタックの温度依存性、速度依存性を低減させることが出来ない事が分かる。
(IV)表2(比較例6〜9)
本発明の特定の光重合開始剤の使用方法でない場合には硬化性が劣ることが分かる。
Claims (7)
- 光重合開始剤(A)、アクリレートモノマー(B)(ただし、植物油変性(メタ)アクリレート(D)である場合を除く)、バインダー樹脂(C)および植物油変性(メタ)アクリレート(D)を含有する活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物であって、バインダー樹脂(C)が、ジアリルフタレート樹脂であり、植物油変性(メタ)アクリレート(D)が、植物油またはその脂肪酸モノエステルとα、βエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物とのディールスアルダーまたは重合反応物と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、のエステル化反応物であり、下記(1)〜(3)を特徴とする活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物。
(1)光重合開始剤(A)が、α−(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物(A1−1)および/またはα−モルフォリノアルキルフェノン化合物(A1−2)と、
ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物(A2−1)および/またはチオキサントン化合物(A2−2)とからなる。
(2)アクリレートモノマー(B)は、表面張力が28〜35mN/mであり、尚且つアクリル当量(アクリロイル基1個あたりの分子量)が140以上である。
(3)活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物全量中、アクリレートモノマー(B)を25〜50重量%含有する。 - α、βエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物が、無水マレイン酸であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物。
- (3)活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物全量中、バインダー樹脂を5〜30重量%含有することを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物。
- 活性エネルギー線硬化型インキ組成物が、α−(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物(A1−1)を含有し、
α−(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物が、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1または2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンであり、
α−モルフォリノアルキルフェノン化合物が、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンであり、
ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物が、4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンであり、
チオキサントン化合物が、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンおよび2−イソプロピルチオキサントンから選択される1以上の化合物
であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物。 - 植物油変性(メタ)アクリレート(D)が、大豆油変性(メタ)アクリレート、亜麻仁油変性(メタ)アクリレートおよび桐油変性(メタ)アクリレートから選択される1以上の植物油変性(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物。
- 光重合開始剤(A)、アクリレートモノマー(B)(ただし、植物油変性(メタ)アクリレート(D)である場合を除く)、バインダー樹脂(C)および植物油変性(メタ)アクリレート(D)を含有する活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物の製造方法であって、バインダー樹脂(C)が、ジアリルフタレート樹脂であり、植物油変性(メタ)アクリレート(D)が、植物油またはその脂肪酸モノエステルと、α、βエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物とをディールスアルダーまたは重合反応させ、その後ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとエステル化反応させ、下記(1)〜(3)を特徴とする活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物の製造方法。
(1)光重合開始剤(A)が、α−(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物(A1−1)および/またはα−モルフォリノアルキルフェノン化合物(A1−2)と、
ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物(A2−1)および/またはチオキサントン化合物(A2−2)とからなる。
(2)アクリレートモノマー(B)は、表面張力が28〜35mN/mであり、尚且つアクリル当量(アクリロイル基1個あたりの分子量)が140以上である。
(3)活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物全量中、アクリレートモノマー(B)を25〜50重量%含有する。 - 請求項1〜6いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物を、基材に印刷してなる印刷物。
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