以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
まず、造形装置の構成について説明する。造形装置は、溶融させた樹脂材料をノズルから押し出すことによって、三次元物体を造形する装置である。造形装置は、溶融させた樹脂材料を押し出すヘッド部を含み、ヘッド部は、樹脂材料を押し出すノズルと、1つのノズルに対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料を含む複数の樹脂材料をノズルに供給可能な供給部と、樹脂材料を溶融する溶融部等を備えた装置である。なお、本実施形態では、主に熱溶解積層法にかかる造形装置について説明する。以下、具体的に説明する。
図1は、本実施形態にかかる造形装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、造形装置1は、テーブル移動部40と、ヘッド部10と、ヘッド部10が搭載されたキャリッジ50と、キャリッジ移動装置60等と、これらの部材や装置等を制御する制御部(図示せず)を備えている。
テーブル移動部40は、テーブル70と、当該テーブル70をZ軸方向に移動させる移動機構(図示せず)等を備えている。テーブル70は、テーブル70の面70aにヘッド部10から押し出された樹脂材料を積層させるものである。テーブル70の面70aは、平坦面を有し、ほぼ水平方向(X軸方向)に対して平行するように配置されている。移動機構は、動力源を備え、テーブル70をZ軸方向に往復動可能に構成されている。移動機構は、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などを適用することができる。また、本実施形態では、テーブル70をZ軸方向に沿って移動させるための動力源として、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用することができる。そして、上記モーター等からの動力により、移動機構を介してテーブル70に伝達され、テーブル70は、Z軸方向に沿って往復移動することができる。
キャリッジ移動装置60は、キャリッジ50をX軸方向及びY軸方向に移動させる移動機構(図示せず)等を備えている。移動機構は、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などを適用することができる。また、本実施形態では、キャリッジ50をX軸方向及びY軸方向に沿って移動させるための動力源として、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用することができる。そして、上記モーター等からの動力により、移動機構を介してキャリッジ50に伝達され、キャリッジ50は、X軸方向及びY軸方向に沿って往復移動することができる。
キャリッジ50には、ヘッド部10が搭載されている。図2は、本実施形態にかかるヘッド部10の構成を示し、図2(a)は側断面図(図2(b)におけるA−A断面図)であり、図2(b)は平面図である。ヘッド部10は、樹脂材料100,101を押し出すノズル20と、1つのノズルに対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料100を含む複数の樹脂材料100,101をノズル20に供給可能な供給部30と、樹脂材料100,101を溶融する溶融部39等を備えている。
供給部30は、ノズル20に対して複数色の着色樹脂材料100を供給可能に構成されている。さらに、本実施形態では、非着色の樹脂材料としての透明樹脂材料101も供給可能に構成されている。本実施形態の着色樹脂材料100及び透明樹脂材料101は、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン、アクリル、ポリカーボネート、ABSやPLA等の熱可塑性樹脂材料である。そして、着色樹脂材料100は、これらの熱可塑性樹脂材料に顔料を分散したものである。着色樹脂材料100として、本実施形態では、シアン色の着色樹脂材料100C、マゼンタ色の着色樹脂材料100M、イエロー色の着色樹脂材料100Y及び白色の着色樹脂材料100Wを備えている。また、透明樹脂材料101は、上記顔料を含まない熱可塑性樹脂材料である。上記の通り、本実施形態では、4色の着色樹脂材料100(100C,100M,100Y,100W)及び透明樹脂材料101の5種類の樹脂材料100,101が供給可能に備えられている。また、本実施形態の着色樹脂材料100及び透明樹脂材料101は、糸状体(直径1mm〜数mm)に形成されたものであり、図示しないリール形態のカートリッジから供給部30に供給されるように構成されている。糸状の着色樹脂材料100及び透明樹脂材料101を用いることにより、搬送等の取扱いを容易にすることができる。なお、樹脂材料100,101は、熱可塑性樹脂の他、例えば、熱硬化性樹脂であってもよい。
供給部30は、樹脂材料100,101を供給部30の下方に配置されたノズル20に向けて搬送する搬送手段を備えている。本実施形態の供給部30では、各樹脂材料100,101の搬送に対応して一対の搬送ローラー31が配置されている。なお、本実施形態では、図2(a)に示すように、各樹脂材料100,101に対応して、2組の一対の搬送ローラー31が配置されている。それぞれの一対の搬送ローラー31は、供給部30におけるZ軸方向の上方と下方とに配置されている。一対の搬送ローラー31のうち、一方が駆動ローラーであり、他方が受動ローラーである。一対の搬送ローラー31間に挟まれた樹脂材料100,101は、一対の搬送ローラー31が回転すると、樹脂材料100,101と搬送ローラー31との摩擦によってZ軸方向に搬送される。ここで、搬送ローラー31を搬送方向に回転させた場合、樹脂材料100,101は、マイナスZ軸方向に搬送される。一方、搬送ローラー31を搬送方向とは逆側に回転させた場合、樹脂材料100,101は、プラスZ軸方向に搬送される。このように、糸状体の樹脂材料100,101に対して搬送ローラー31を用いて搬送することにより、ノズル20に対して円滑に樹脂材料100,101を供給することができる。
供給部30に対してマイナスZ軸方向にノズル20が配置されている。ノズル20は、開口部20aを有し、当該開口部20aから樹脂材料100,101が押し出されるように構成されている。ノズル20と供給部30とは別体として構成されている。そして、ノズル20に対して供給部30における複数色の着色樹脂材料100と透明樹脂材料101とが割り当てられている。供給部30は、供給部30の中心部においてZ軸方向回りに回転可能に構成されている。そして、ノズル20の配置に対応する位置、すなわち、図2(b)に示すように、平面視において、搬送ローラー31によって搬送される樹脂材料100,101とノズル20の開口部20aとが互いに重なる位置に固定可能に構成されている。
また、樹脂材料100,101を溶融する溶融部39が配置されている。本実施形態の溶融部39は、ノズル20の開口部20a付近に配置されている。溶融部39は、例えば、ノズル20に巻いたニクロム線等の電熱線を利用したヒーターとして構成されている。なお、ノズル20を非磁性かつ導電性を有する金属で形成し、当該ノズル20の外周に電磁コイルを配置して高周波の電流を流すことにより、ノズル20に発生する渦電流により極所加熱する構成であってもよい。さらには、レーザー光をノズル20に照射することにより極所加熱する構成であってもよい。
そして、例えば、複数の樹脂材料100,101の中からシアン色の着色樹脂材料100Cをノズル20から押し出す場合には、まず、ノズル20に対して所望のシアン色の着色樹脂材料100Cが対応するように供給部30を回転させる。そして、シアン色の着色樹脂材料100Cに対応する搬送ローラー31を駆動させ、シアン色の着色樹脂材料100Cをノズル20側に搬送する。そして、シアン色の着色樹脂材料100Cをノズル20側に搬送するとともに溶融部39を駆動させる。すると、ノズル20内部に搬送されたシアン色の着色樹脂材料100Cが溶融され、溶融されたシアン色の着色樹脂材料100Cが開口部20aから押し出される。
そして、制御部では、三次元物体の形状に基づく積層データと三次元物体の色調に基づく色調データとを含む造形データを含む各種プログラムに基づいて、部材や装置等を駆動制御する。具体的には、ヘッド部10をX軸方向及びY軸方向に移動させながら、さらにテーブル70をZ軸方向移動させながら、テーブル70の面70aに向けて溶融させた樹脂材料100,101をノズル20から押し出す。押し出された樹脂材料100,101はテーブル70の面70aに積層される。このようにして、テーブル70上に所望の色彩を有するフルカラー化された三次元物体を造形(積層形成)することができる。
次に、本実施形態にかかる造形装置の動作方法について説明する。本実施形態では、ノズルから押し出す樹脂材料を他の樹脂材料に切り替える際に、ノズル内に残留した樹脂材料を除去する。図3は、本実施形態にかかる造形装置の動作方法を示す説明図である。具体的には、ノズル20から押し出す樹脂材料100,101の切り替え方法及び切り替え時に伴うノズル20内のクリーニング(除去)方法について説明する。以下、具体例として、シアン色の着色樹脂材料100Cからマゼンタ色の着色樹脂材料100Mに切り替える方法について説明する。
図3(a)は、シアン色の着色樹脂材料100Cがノズル20から押し出されている状態を示している。この場合、搬送ローラー31を搬送方向(マイナスZ軸方向)に駆動させ、着色樹脂材料100Cをノズル20の方向に搬送させる。そして、溶融部39の駆動によってノズル20内部の着色樹脂材料100Cを溶融させて、着色樹脂材料100Cをノズル20の開口部20aから押し出している。
次いで、シアン色の着色樹脂材料100Cからマゼンタ色の着色樹脂材料100Mに切り替える。まず、図3(b)に示すように、搬送ローラー31を逆搬送方向(プラスZ軸方向)に駆動させ、着色樹脂材料100Cをノズル20の方向とは逆方向に搬送させる。このとき、着色樹脂材料100Cは、ノズル20内において溶融された部分と、未だ溶融されていない糸状体の部分とで分断される。そして、ノズル20内において溶融された部分の着色樹脂材料100C’は、ノズル20内に残留する。一方、溶融されていない糸状体の部分の着色樹脂材料100Cは、搬送ローラー31の逆搬送方向への駆動により、プラスZ軸方向の上方に移動する。すなわち、溶融されていない糸状体の部分の着色樹脂材料100Cの先端部は供給部30内部に退避される。
次いで、図3(c)に示すように、ノズル20に対して供給部30の中心部をZ軸回りに回転させる。本実施形態では、ノズル20に対して透明樹脂材料101が対応するように供給部30を回転させる。
次いで、図3(d)に示すように、搬送ローラー31を搬送方向(マイナスZ軸方向)に駆動させ、透明樹脂材料101をノズル20の方向に搬送させる。そして、溶融部39でノズル20内部の透明樹脂材料101を溶融させて、透明樹脂材料101をノズル20の開口部20aから押し出す。そうすると、ノズル20内に残留していた着色樹脂材料100C’は透明樹脂材料101によって押し出される。すなわち、ノズル20内に残留していた着色樹脂材料100C’が除去される。これにより、ノズル20内は透明樹脂材料101のみとなる。換言すれば、ノズル20内は透明樹脂材料101によってクリーニングされる。
次いで、図3(e)に示すように、搬送ローラー31を逆搬送方向(プラスZ軸方向)に駆動させ、透明樹脂材料101をノズル20の方向とは逆方向に搬送させる。このとき、透明樹脂材料101は、ノズル20内において溶融された部分と、未だ溶融されていない糸状体の部分とで分断される。そして、ノズル20内において溶融された部分の透明樹脂材料101は、ノズル20内に残留する。一方、溶融されていない糸状体の部分の透明樹脂材料101は、搬送ローラー31の逆搬送方向への駆動により、プラスZ軸方向の上方に移動する。
次いで、図3(f)に示すように、ノズル20に対して供給部30の中心部をZ軸回りに回転させる。本実施形態では、ノズル20に対してマゼンタ色の着色樹脂材料100Mが対応するように供給部30を回転させる。
次いで、図3(g)に示すように、搬送ローラー31を搬送方向(マイナスZ軸方向)に駆動させ、マゼンタ色の着色樹脂材料100Mをノズル20の方向に搬送させる。そして、溶融部39の駆動によってノズル20内部の着色樹脂材料100Mを溶融させて、溶融させた着色樹脂材料100Mをノズル20の開口部20aから押し出す。そうすると、ノズル20内に残留していた透明樹脂材料101は着色樹脂材料100Mに押し出される。すなわち、ノズル20内に残留していた透明樹脂材料101が除去される。そして、さらに、着色樹脂材料100Mを押し出すことにより、マゼンタ色の着色樹脂材料100Mを積層することができる。
以降、マゼンタ色の着色樹脂材料100Mから他の色の着色樹脂材料100に切り替える場合は、上記同様に、透明樹脂材料101によってノズル20内のクリーニングを行った後に、他の着色樹脂材料100に切り替えるように駆動する。これにより、異なる着色樹脂材料100同士が接触することがなく、混色の発生を防止することができる。
次に、本実施形態にかかる三次元物体の造形方法について説明する。本実施形態にかかる三次元物体の造形方法は、溶融させた複数の樹脂材料を1つのノズルから押し出すことによって、三次元物体を造形する三次元物体の造形方法であって、三次元物体の形状に基づく積層データと前記三次元物体の色調に基づく色調データとを含む造形データを用いて、樹脂材料で層形成を繰り返す層形成工程を含み、層形成工程では、1つのノズルに対して割り当てられる複数色の着色樹脂材料を含む複数の樹脂材料の中から選択される少なくとも1つの樹脂材料を、1つのノズルから押し出すものである。以下、具体的に説明する。なお、本実施形態では、上記の造形装置1を用いて三次元物体を造形する方法について説明する。
図4は、本実施形態にかかる三次元物体の造形方法を示す工程図である。まず、造形する三次元物体の構成例について説明する。本実施形態の三次元物体は、着色樹脂材料100(100C,100M,100Y,100W)等を複数の層に積み重ねて造形されたものである。図4(a)は、三次元物体の外観を示し、図4(b)は、三次元物体の断面を示している。図4(a)に示すように、本実施形態の三次元物体Taの外形は、三角錐を成している。そして、第1表面S1の色は、ブルー(B)であり、第2表面S2の色は、グリーン(G)であり、第3表面S3の色は、レッド(R)である。また、図4(b)に示すように、三次元物体Taは、断面視において、第1〜第3表面S1,S2,S3に対応する表層部C1と、表面層C1よりも三次元物体Taの内部側に設けられた下地層部C2と、下地層部C2よりもさらに三次元物体Taの内部側に設けられた内部層部C3とから構成されている。すなわち、本実施形態の三次元物体Taの断面形態は、三次元物体Taの表面から内部に向けて、表層部C1と下地層部C2と内部層部C3との3層構造を有している。
表層部C1は、第1表面S1に対応する第1表層部C11と、第2表面S2に対応する第2表層部C12と、第3表面S3に対応する第3表層部C13とを有している。そして、第1表層部C11は、下地層部C2の表面方向に対してシアン色の着色樹脂材料100Cとマゼンタ色の着色樹脂材料100Mとを積層し、積層した着色樹脂材料100C及び着色樹脂材料100Mを固化させたものである。これにより、第1表層部C11の第1表面S1の色はブルー(B)となる。また、第2表層部C12は、下地層部C2の表面方向に対してシアン色の着色樹脂材料100Cとイエロー色の着色樹脂材料100Yとが積層されたものである。これにより、第2表層部C12の第2表面S2の色はグリーン(G)となる。そして、第3表層部C13は、下地層部C2の表面方向に対してイエロー色の着色樹脂材料100Yとマゼンタ色の着色樹脂材料100Mとが積層されたものである。これにより、第3表層部C13の第3表面S3の色はレッド(R)となる。このように着色樹脂材料を順次重ね合せて積層することに加え、積層の際の各着色樹脂材料の厚みの比や、各着色樹脂材料と透明樹脂材料101との積層厚みの比をコントロールすることなどによってもフルカラーの三次元物体が造形可能になる。
下地層部C2は、表層部C1に対する下地機能を有する層である。換言すれば、表層部C1の背景画像となる層である。本実施形態の下地層部C2は、白色の着色樹脂材料100Wによって形成されている。従って、例えば、白色の着色樹脂材料100Wによって形成された下地層部C2上に第1表層部C11を形成した場合、第1表層部C11を構成するシアン色の着色樹脂材料100Cの層とマゼンタ色の着色樹脂材料100Mの層とを介して可視光線の波長が白色の下地層部C2によって反射される。従って、下地層部C2を形成することにより、表層部C1における各第1〜第3表面S1,S2,S3の色調を鮮明に表示することができる。
内部層部C3は、下地層部C2によって囲まれた領域である。従って、当該領域は、外観において表層部C1における各第1〜第3表面S1,S2,S3の色調等の画像品質に影響を与えない領域でもある。そこで、本実施形態では、画像品質に関係しない廃棄樹脂によって積層する。具体的には、異なる着色樹脂材料100に切り替える際にノズル20をクリーニングした際に押し出された着色樹脂材料(廃棄樹脂D)で形成する。このようにすれば、内部層部C3に別途新たな樹脂材料100,101を用いて形成する必要が無いので、コストを抑制することができる。
次いで、上記した三次元物体Taの造形方法について説明する。具体的には、各種樹脂材料100C,100M,100Y,100W,101等で層形成を繰り返す層形成工程について説明する。本実施形態の層形成工程では、三次元物体Taの形状に基づく積層データと三次元物体Taの色調に基づく色調データとを含む造形データを用いて、複数色の着色樹脂材料100のうちから異なる着色樹脂材料100に切り替えてノズル20から押し出して層形成を行っていく。
まず、図5(a)に示すように、テーブル70の面70aに下地層部C2の一部となる下地層部C2’を形成する。具体的には、図2に示すように、1つのノズル20に対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料100を含む複数の樹脂材料100,101の中から白色の樹脂材料100Wを選択する。この際、供給部30を中心軸回りに回転させ、ノズル20と白色の樹脂材料100Wとの供給経路を対応させる。そして、白色の樹脂材料100Wの供給経路に設置された搬送ローラー31を駆動させ、白色の樹脂材料100Wをノズル20の開口部20a方向に搬送する。そして、溶融部39を駆動させ、白色の樹脂材料100Wを溶融させてノズル20から押し出す。さらに、ヘッド部10をX軸及びY軸方向に移動させながら一筆書きの要領で白色の樹脂材料100Wを押し出して、テーブル70の面70a上に白色の樹脂材料100Wを塗布する。塗布された白色の樹脂材料100Wは冷めると固化する。これにより、下地層部C2’(100W)(白色の樹脂材料100Wで形成したことを示す)が形成される。
続いて、下地層部C2’(100W)の外周面に沿って着色樹脂材料100を用いて表層部C1を形成していくが、白色の樹脂材料100Wから他の着色樹脂材料100に切り替える際、ノズル20内に残留した白色の樹脂材料100Wを除去する必要がある。白色の樹脂材料100Wを除去せずに、他の着色樹脂材料100をノズル20から押し出した場合、白色の樹脂材料100Wと他の着色樹脂材料100が混色してしまう。そこで、本実施形態では、樹脂材料を切り替える際、ノズル20内に残留した樹脂材料を除去する除去工程を有している。本実施形態では、透明樹脂材料101を用いてノズル20内に残留した樹脂材料を除去する。すなわち、ノズル20内のクリーニングを行う。
具体的には、図3に示したように、白色の樹脂材料101Wをノズル20から供給部30内に退避させた後、ノズル20に対して透明樹脂材料101が対応するように供給部30を回転させる。その後、透明樹脂材料101をノズル20側に搬送させる。そして、透明樹脂材料101を溶融させ、溶融した透明樹脂材料101をノズル20の開口部20aから押し出す。そうすると、ノズル20内に残留していた白色の樹脂材料100Wは透明樹脂材料101に押し出される。すなわち、ノズル20内に残留していた白色の樹脂材料100Wが除去される。これにより、ノズル20内は透明樹脂材料101のみとなる。換言すれば、ノズル20内は透明樹脂材料101によってクリーニングされる。透明樹脂材料101によって押し出された白色の樹脂材料100Wは廃棄樹脂Dであるが、当該廃棄樹脂Dとなった白色の樹脂材料100Wを三次元物体Taの層形成にかかる一部に堆積する。本実施形態では、図3(d)に示すように、透明樹脂材料101によって押し出された白色の樹脂材料100W(廃棄樹脂D)を三次元物体Taの内部層部C3に対応する内部領域CAに堆積する。具体的には、図5(b)に示すように、下地層部C2’(100W)によって囲まれた内部領域CAに堆積する。また、廃棄樹脂Dの堆積(積層)により内部層部C3の一部となる内部層部C3’(D)(廃棄樹脂Dで形成したことを示す)が形成される。
次いで、図5(c)に示すように、下地層部C2’(100W)の外周面に沿って着色樹脂材料100を用いて表層部C1を形成する。詳細には、下地層部C2’(100W)の外周面であって、第1表層部C11と第2表層部C12とに対応する位置にシアン色の樹脂材料100Cを塗布する。これにより、第1表層部C11に対応する位置に第1表層部C11の一部となる第1表層部C11’(100C)(シアン色の樹脂材料100Cで形成されたことを示す)が形成され、第2表層部C12に対応する位置に第2表層部C12の一部となる第2表層部C12’(100C)(シアン色の樹脂材料100Cで形成されたことを示す)が形成される。第1表層部C11’(100C)及び第2表層部C12’(100C)の下地層部C2’(100W)への積層方向における厚みは、10μm〜数百μmである。具体的な形成方法としては、図2に示すように、1つのノズル20に対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料100を含む複数の樹脂材料100,101の中からシアン色の樹脂材料100Cを選択する。この際、供給部30を中心軸回りに回転させ、ノズル20とシアン色の樹脂材料100Cとの供給経路を対応させる。そして、シアン色の樹脂材料100Cの供給経路に設置された搬送ローラー31を駆動させ、シアン色の樹脂材料100Cをノズル20の開口部20aの方向に搬送する。そして、溶融部39を駆動させ、シアン色の樹脂材料100Cを溶融させてノズル20から押し出す。さらに、ヘッド部10をX軸及びY軸方向に移動させながら一筆書きの要領でシアン色の樹脂材料100Cを押し出すことにより、シアン色の第1表層部C11’(100C)及びシアン色の第2表層部C12’(100C)を形成することができる。
次いで、ノズル20内のクリーニングを行う。すなわち、ノズル20内に残留したシアン色の樹脂材料100Cを除去する。具体的には、図3に示したように、シアン色の樹脂材料100Cをノズル20から供給部30内に退避させた後、ノズル20に対して透明樹脂材料101が対応するように供給部30を回転させる。その後、透明樹脂材料101をノズル20側に搬送させる。そして、透明樹脂材料101を溶融させ、溶融した透明樹脂材料101をノズル20の開口部20aから押し出す。そうすると、ノズル20内に残留していたシアン色の樹脂材料100Cは透明樹脂材料101に押し出される。すなわち、ノズル20内に残留していたシアン色の樹脂材料100Cが除去される。これにより、ノズル20内は透明樹脂材料101のみとなる。換言すれば、ノズル20内は透明樹脂材料101によってクリーニングされる。透明樹脂材料101によって押し出されたシアン色の樹脂材料100Cは廃棄樹脂Dであるが、廃棄樹脂Dとなったシアン色の樹脂材料100Cを三次元物体Taの層形成にかかる一部に堆積する。本実施形態では、図5(d)に示すように、透明樹脂材料101によって押し出されたシアン色の樹脂材料100C(廃棄樹脂D)を三次元物体Taの内部層部C3に対応する内部領域CAに堆積する。具体的には、下地層部C2’によって囲まれた内部領域CAに堆積する。また、廃棄樹脂Dの堆積(積層)により内部層部C3の一部となる内部層部C3’(D)が形成される。
次いで、図5(e)に示すように、下地層部C2’(100W)の外周面及び第1表層部C11’(100C)の外周面に沿ってマゼンタ色の樹脂材料100Mを塗布する。これにより、第3表層部C13に対応する位置に第3表層部C13の一部となる第3表層部C13’(100M)(マゼンタ色の樹脂材料100Mで形成されたことを示す)が形成され、第1表層部C11に対応する位置に第1表層部C11の一部となる第1表層部C11’(100M)(マゼンタ色の樹脂材料100Mで形成されたことを示す)が形成される。第3表層部C13’(100M)及び第2表層部C12’(100M)の下地層部C2’への積層方向における厚みは、10μm〜数百μmである。具体的な形成方法としては、具体的には、図2に示すように、1つのノズル20に対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料100を含む複数の樹脂材料100,101の中からマゼンタ色の樹脂材料100Mを選択する。この際、供給部30を中心軸回りに回転させ、ノズル20とマゼンタ色の樹脂材料100Mとの供給経路を対応させる。そして、マゼンタ色の樹脂材料100Mの供給経路に設置された搬送ローラー31を駆動させ、シアン色の樹脂材料100Cをノズル20の開口部20aの方向に搬送する。そして、溶融部39を駆動させ、マゼンタ色の樹脂材料100Mを溶融させてノズル20から押し出す。さらに、ヘッド部10をX軸及びY軸方向に移動させながら一筆書きの要領でマゼンタ色の樹脂材料100Mを押し出すことにより、第3表層部C13’(100M)及び第1表層部C11’(100M)を形成することができる。ここで、第1表層部C11に対応する位置には、第1表層部C11’(100C)と第1表層部C11’(100M)とが積層されるため、第1表面S1の色はブルー(B)となる。
次いで、ノズル20内のクリーニングを行う。すなわち、ノズル20内に残留したマゼンタ色の樹脂材料100Mを除去する。具体的には、図3に示したように、マゼンタ色の樹脂材料100Mをノズル20から供給部30内に退避させた後、ノズル20に対して透明樹脂材料101が対応するように供給部30を回転させる。その後、透明樹脂材料101をノズル20側に搬送させる。そして、透明樹脂材料101を溶融させ、溶融した透明樹脂材料101をノズル20の開口部20aから押し出す。そうすると、ノズル20内に残留していたマゼンタ色の樹脂材料100Mは透明樹脂材料101に押し出される。すなわち、ノズル20内に残留していたマゼンタ色の樹脂材料100Mが除去される。これにより、ノズル20内は透明樹脂材料101のみとなる。換言すれば、ノズル20内は透明樹脂材料101によってクリーニングされる。透明樹脂材料101によって押し出されたマゼンタ色の樹脂材料100Mは廃棄樹脂Dであるが、廃棄樹脂Dとなったマゼンタ色の樹脂材料100M(廃棄樹脂D)を三次元物体Taの層形成にかかる一部に堆積する。本実施形態では、図5(f)に示すように、透明樹脂材料101によって押し出されたマゼンタ色の樹脂材料100M(廃棄樹脂D)を三次元物体Taの内部層部C3に対応する内部領域CAに堆積する。具体的には、下地層部C2’によって囲まれた内部領域CAに堆積する。また、廃棄樹脂Dの堆積(積層)により内部層部C3の一部となる内部層部C3’(D)が形成される。
次いで、図6(g)に示すように、第2表層部C12’(100C)の外周面及び第3表層部C13’(100M)の外周面に沿ってイエロー色の樹脂材料100Yを塗布する。これにより、第2表層部C12に対応する位置に第2表層部C12の一部となる第2表層部C12’(100Y)(イエロー色の樹脂材料100Yで形成されたことを示す)が形成され、第3表層部C13に対応する位置に第3表層部C13の一部となる第3表層部C13’(100Y)(イエロー色の樹脂材料100Yで形成されたことを示す)が形成される。第2表層部C12’(100Y)及び第3表層部C13’(100M)の下地層部C2’への積層方向における厚みは、10μm〜数百μmである。具体的な形成方法としては、具体的には、図2に示すように、1つのノズル20に対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料100を含む複数の樹脂材料100,101の中からイエロー色の樹脂材料100Yを選択する。この際、供給部30を中心軸回りに回転させ、ノズル20とイエロー色の樹脂材料100Yとの供給経路を対応させる。そして、イエロー色の樹脂材料100Yの供給経路に設置された搬送ローラー31を駆動させ、イエロー色の樹脂材料100Yをノズル20の開口部20aの方向に搬送する。そして、溶融部39を駆動させ、イエロー色の樹脂材料100Yを溶融させてノズル20から押し出す。さらに、ヘッド部10をX軸及びY軸方向に移動させながら一筆書きの要領でイエロー色の樹脂材料100Yを押し出すことにより、第2表層部C12’(100Y)及び第3表層部C13’(100Y)を形成することができる。ここで、第2表層部C12に対応する位置には、第2表層部C12’(100C)と第2表層部C12’(100Y)とが積層されるため、第2表面S2の色はグリーン(G)となる。また、第3表層部C13に対応する位置には、第3表層部C13’(100M)と第3表層部C13’(100Y)とが積層されるため、第3表面S3の色はレッド(R)となる。以上の工程を経ることにより、三次元物体Taにおける1層目が形成される。
次いで、ノズル20内のクリーニングを行う。すなわち、ノズル20内に残留したイエロー色の樹脂材料100Yを除去する。具体的には、図3に示したように、イエロー色の樹脂材料100Yをノズル20から供給部30内に退避させた後、ノズル20に対して透明樹脂材料101が対応するように供給部30を回転させる。その後、透明樹脂材料101をノズル20側に搬送させる。そして、透明樹脂材料101を溶融させ、溶融した透明樹脂材料101をノズル20の開口部20aから押し出す。そうすると、ノズル20内に残留していたイエロー色の樹脂材料100Yは透明樹脂材料101に押し出される。すなわち、ノズル20内に残留していたイエロー色の樹脂材料100Yが除去される。これにより、ノズル20内は透明樹脂材料101のみとなる。換言すれば、ノズル20内は透明樹脂材料101によってクリーニングされる。透明樹脂材料101によって押し出されたイエロー色の樹脂材料100Yは廃棄樹脂Dであるが、廃棄樹脂Dとなったイエロー色の樹脂材料100Y(廃棄樹脂D)を三次元物体Taの層形成にかかる一部に堆積する。本実施形態では、図6(h)に示すように、透明樹脂材料101によって押し出されたイエロー色の樹脂材料100Y(廃棄樹脂D)を三次元物体Taの内部層部C3に対応する内部領域CAに堆積する。具体的には、下地層部C2’によって囲まれた内部領域CAに堆積する。また、廃棄樹脂Dの堆積(積層)により内部層部C3の一部となる内部層部C3’(D)が形成される。
次いで、三次元物体Taの2層目を形成する。まず、図6(i)に示すように、図5(a)において形成された下地層部C2’(100W)上に、さらに白色の樹脂材料100Wを塗布する。これにより、高さ方向(Z軸方向)に1段厚く(高く)なった下地層部C2’(100W)が形成される。具体的には、図5(a)と同様にして、1つのノズル20に対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料100を含む複数の樹脂材料100,101の中から白色の樹脂材料100Wを選択する。この際、供給部30を中心軸回りに回転させ、ノズル20と白色の樹脂材料100Wとの供給経路を対応させる。そして、白色の樹脂材料100Wの供給経路に設置された搬送ローラー31を駆動させ、白色の樹脂材料100Wをノズル20の開口部20aの方向に搬送する。そして、溶融部39を駆動させ、白色の樹脂材料100Wを溶融させてノズル20から押し出す。さらに、ヘッド部10をX軸及びY軸方向に移動させながら一筆書きの要領で白色の下地層部C2’(100W)を形成する。以降、三次元物体Taの2層目の形成は、図5(b)〜図6(h)を繰り返す。これにより、ブルー(B)色の第1表面S1と、グリーン(G)色の第2表面S2と、レッド(R)色の第3表面S3とを有する三次元物体Taを形成することができる。
次に、他の三次元物体の造形方法について説明する。前述の三次元物体Taでは、表層部C1と下地層部C2と内部層部C3とから構成され、内部層部C3は、ノズル20のクリーニングの際に発生する廃棄樹脂Dの堆積により形成されたものであった。これに対し、以下では、造形の過程において支持部を要する場合の三次元物体Tbの造形方法について説明する。そして、支持部にノズル20のクリーニングの際に発生する廃棄樹脂Dを用いる場合について説明する。
図7は、他の三次元物体の造形方法を示す工程図である。三次元物体の造形方法では、各種樹脂材料100C,100M,100Y,100W,101等で層形成を繰り返す層形成工程について説明する。本実施形態の層形成工程では、三次元物体Tbの形状に基づく積層データと三次元物体Tbの色調に基づく色調データとを含む造形データを用いて、複数色の着色樹脂材料100のうちから異なる着色樹脂材料100に切り替えてノズル20から押し出して層形成を行っていく。
まず、図7(a)に示すように、テーブル70の面70aに積層部Lの一部となる積層部L1を形成する。具体的には、図2に示すように、1つのノズル20に対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料100を含む複数の樹脂材料100,101の中からシアン色の樹脂材料100Cを選択する。この際、供給部30を中心軸回りに回転させ、ノズル20とシアン色の樹脂材料100Cとの供給経路を対応させる。そして、シアン色の樹脂材料100Cの供給経路に設置された搬送ローラー31を駆動させ、シアン色の樹脂材料100Cをノズル20の開口部20a方向に搬送する。そして、溶融部39を駆動させ、シアン色の樹脂材料100Cを溶融させてノズル20から押し出す。さらに、ヘッド部10をX軸及びY軸方向に移動させながら一筆書きの要領でシアン色の樹脂材料100Cを押し出して、テーブル70の面70a上にシアン色の樹脂材料100Cを塗布する。塗布されたシアン色の樹脂材料100Cは冷めると固化する。これにより、第1層目の積層部L1(100C)(シアン色の樹脂材料100Cで形成したことを示す)が形成される。
次いで、ノズル20内のクリーニングを行う。すなわち、ノズル20内に残留したシアン色の樹脂材料100Cを除去する。具体的には、図3に示したように、シアン色の樹脂材料100Cをノズル20から供給部30内に退避させた後、ノズル20に対して透明樹脂材料101が対応するように供給部30を回転させる。その後、透明樹脂材料101をノズル20側に搬送させる。そして、透明樹脂材料101を溶融させ、溶融した透明樹脂材料101をノズル20の開口部20aから押し出す。そうすると、ノズル20内に残留していたシアン色の樹脂材料100Cは透明樹脂材料101に押し出される。すなわち、ノズル20内に残留していたシアン色の樹脂材料100Cが除去される。これにより、ノズル20内は透明樹脂材料101のみとなる。換言すれば、ノズル20内は透明樹脂材料101によってクリーニングされる。透明樹脂材料101によって押し出されたシアン色の樹脂材料100Cは廃棄樹脂Dであるが、廃棄樹脂Dとなったシアン色の樹脂材料100Cを三次元物体Tbの層形成にかかる一部に堆積する。本実施形態では、図7(b)に示すように、透明樹脂材料101によって押し出されたシアン色の樹脂材料100C(廃棄樹脂D)を三次元物体Tbの造形にかかる支持部Fとして堆積する。これにより、支持部Fの一部となる支持部F1(D)(廃棄樹脂Dで形成したことを示す)が形成される。
次いで、積層部L1上にマゼンタ色の樹脂材料100Mからなる積層部L2(100M)(マゼンタ色の樹脂材料100Mで形成したことを示す)を形成する。具体的には、図2に示すように、1つのノズル20に対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料100を含む複数の樹脂材料100,101の中からマゼンタ色の樹脂材料100Mを選択する。この際、供給部30を中心軸回りに回転させ、ノズル20とマゼンタ色の樹脂材料100Mとの供給経路を対応させる。そして、マゼンタ色の樹脂材料100Mの供給経路に設置された搬送ローラー31を駆動させ、マゼンタ色の樹脂材料100Mをノズル20の開口部20aの方向に搬送する。そして、溶融部39を駆動させ、マゼンタ色の樹脂材料100Mを溶融させてノズル20から押し出す。さらに、ヘッド部10をX軸及びY軸方向に移動させながら一筆書きの要領でマゼンタ色の樹脂材料100Mを押し出して、積層部L1(100C)上に塗布する。そして、塗布されたマゼンタ色の樹脂材料100Mは冷えて固化される。これにより、図7(c)に示すように、積層部L1(100C)上に積層部L2(100M)が形成される。
次いで、ノズル20内のクリーニングを行う。すなわち、ノズル20内に残留したマゼンタ色の樹脂材料100Mを除去する。具体的には、図3に示したように、マゼンタ色の樹脂材料100Mをノズル20から供給部30内に退避させた後、ノズル20に対して透明樹脂材料101が対応するように供給部30を回転させる。その後、透明樹脂材料101をノズル20側に搬送させる。そして、透明樹脂材料101を溶融させ、溶融した透明樹脂材料101をノズル20の開口部20aから押し出す。そうすると、ノズル20内に残留していたマゼンタ色の樹脂材料100Mは透明樹脂材料101に押し出される。すなわち、ノズル20内に残留していたマゼンタ色の樹脂材料100Mが除去される。これにより、ノズル20内は透明樹脂材料101のみとなる。換言すれば、ノズル20内は透明樹脂材料101によってクリーニングされる。透明樹脂材料101によって押し出されたマゼンタ色の樹脂材料100Mは廃棄樹脂Dとなるが、図7(c)に示すように、透明樹脂材料101によって押し出されたマゼンタ色の樹脂材料100Mを含む廃棄樹脂Dを支持部F1(D)上に堆積する。
以降、図7(d)に示すように、選択された色の着色樹脂材料100を用いて積層部Lの積層と、着色樹脂材料100が異なる色の着色樹脂材料100に切り替わる場合には、透明樹脂材料101を用いてノズル20内をクリーニングし、その際、排出される廃棄樹脂Dを支持部F(D)上への堆積とを繰り返す。これにより、支持部Fを含む三次元物体Tbが造形される。
次いで、支持部Fを切断することにより除去し、図7(e)に示すように三次元物体Tbの造形が完了する。
次に、他のヘッド部の構成について説明する。図8は、他のヘッド部の構成を示す構成図である。図8に示すように、ヘッド部200は、樹脂材料を押し出すノズル220と、1つのノズルに対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料を含む複数の樹脂材料をノズル220に供給可能な供給部230と、樹脂材料を溶融する溶融部239等を備えている。
ノズル220は、尖った先端部を有する中心部221と、中心部221の外側に配置された外装部222とを備えている。中心部221の先端部には、中心部221の先端部と外装部222との間の隙間による開口部220aが配置されている。
外装部222の開口部220aとは反対方向には、ノズル220に対して複数色の着色樹脂材料100を含む樹脂材料を供給可能に構成された供給部230が配置されている。本実施形態では、着色樹脂材料100の他に非着色樹脂材料としての透明樹脂材料101も供給可能に構成されている。本実施形態の着色樹脂材料100及び透明樹脂材料101は、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン、アクリル、ABSやPLA等の熱可塑性樹脂材料である。そして、着色樹脂材料100は、これらの熱可塑性樹脂材料に顔料を分散したものである。着色樹脂材料100として、本実施形態では、シアン色の着色樹脂材料100C、マゼンタ色の着色樹脂材料100M、イエロー色の着色樹脂材料100Y及び白色の着色樹脂材料100Wを備えている。また、透明樹脂材料101は、上記顔料を含まない樹脂材料である。上記の通り、本実施形態では、4色の着色樹脂材料100(100C,100M,100Y,100W)及び透明樹脂材料101の5種類の樹脂材料が配置されている。また、本実施形態の着色樹脂材料100及び透明樹脂材料101は、糸状体(直径1mm〜数mm)に形成されたものであり、図示しないリール形態のカートリッジから供給部230に供給されるように構成されている。糸状体の着色樹脂材料100及び透明樹脂材料101を用いることにより、搬送等の取扱いを容易にすることができる。
供給部230は、樹脂材料100,101を供給部230の下方に配置されたノズル220に向けて搬送する搬送手段を備えている。本実施形態の供給部230では、各樹脂材料100,101の搬送に対応して一対の搬送ローラー31が配置されている。例えば図8に示すように、各樹脂材料100,101に対応して、2組の一対の搬送ローラー31が配置されている。一対の搬送ローラー31のうち、一方が駆動ローラーであり、他方が受動ローラーである。一対の搬送ローラー31間に挟まれた樹脂材料100,101は、一対の搬送ローラー31が回転すると、樹脂材料100,101は、搬送ローラー31との摩擦によってノズル220の方向に搬送される。さらに、外装部222に設けられた導入孔223を介して開口部220a側に搬送される。導入孔223は、樹脂材料100,101毎に対応して設けられている。これにより、複数の樹脂材料100,101を同時期にノズル220に搬送させることができる。また、供給部230には樹脂材料ごとに導入孔223から開口部220a近傍に至る仕切り壁を設けてもよい。
そして、搬送ローラー31を搬送方向に回転させた場合、樹脂材料100,101は、ノズル220方向に搬送される。一方、搬送ローラー31を搬送方向とは逆側に回転させた場合、樹脂材料100,101は、ノズル220とは反対方向に搬送される。このように、搬送ローラー31を用いることにより、ノズル220に対して円滑に樹脂材料100,101を供給及び退避させることができる。
溶融部239は、中心部221の先端部の内部に設けられている。溶融部239は、例えば、ヒーターである。また、溶融部239には温度検出素子が配置されており、リード線240を介して制御部に接続され、溶融部239が駆動制御されるように構成されている。また、ノズル220の導入孔223を開閉する開閉機構226が設けられている。そして、樹脂材料100,101をノズル220側に搬送しない場合には開閉機構226により導入孔223が閉められる。これにより、樹脂材料100,101への溶融部239において発生した熱の移動が遮断されるため、樹脂材料100,101の熱からの影響を低減することができる。
そして、例えば、複数の樹脂材料100,101の中からシアン色の着色樹脂材料100Cをノズル220から押し出す場合には、まず、シアン色の着色樹脂材料100Cが対応する開閉機構226を開く。そして、シアン色の着色樹脂材料100Cに対応する搬送ローラー31を駆動させ、シアン色の着色樹脂材料100Cをノズル220側に搬送する。そして、シアン色の着色樹脂材料100Cをノズル220側に搬送するとともに溶融部239を駆動させる。すると、溶融部239の熱が中心部221の表面に伝わる。そして、導入孔223から導入された着色樹脂材料100Cが中心部221の表面に当接する。これにより、着色樹脂材料100Cが溶融され、溶融された着色樹脂材料100Cが開口部220aから押し出される。
そして、制御部では、三次元物体の形状に基づく積層データと三次元物体の色調に基づく色調データとを含む造形データを含む各種プログラムに基づいて、部材や装置等を駆動制御する。具体的には、ヘッド部200をX軸方向及びY軸方向に移動させながら、さらにテーブル70をZ軸方向移動させながら、テーブル70の面70aに向けて溶融させた樹脂材料100,101をノズル220から押し出させる。押し出された樹脂材料100,101はテーブル70の面70aに積層される。このようにして、テーブル70上に所望の三次元物体を造形(積層形成)することができる。
なお、上記のヘッド部200では、複数色の着色樹脂材料100を同時に開口部220aから押し出すことが可能である。例えば、シアン色の着色樹脂材料100Cとマゼンタ色の着色樹脂材料100Mとをノズル220から押し出す場合、シアン色の着色樹脂材料100Cに対応する開閉機構226を開けるとともに、とマゼンタ色の着色樹脂材料100Mに対応する開閉機構226を開ける。そして、搬送ローラー31を駆動させ、シアン色の着色樹脂材料100C及びマゼンタ色の着色樹脂材料100Mをノズル220側に搬送するとともに、溶融部239を駆動させる。そして、シアン色の着色樹脂材料100C及びマゼンタ色の着色樹脂材料100Mが中心部221の表面に当接する。これにより、着色樹脂材料100C,100Mが溶融され、溶融された着色樹脂材料100C,100Mが開口部220aから押し出される。そして、ヘッド部200をX軸及びY軸方向に移動させながら一筆書きの要領で着色樹脂材料100C,100Mを押し出して、テーブル70の面70a上に着色樹脂材料100C,100Mを塗布する。塗布された着色樹脂材料100C,100Mは冷えて積層体が形成される。この場合、シアン色の着色樹脂材料100Cから形成された層とマゼンタ色の着色樹脂材料100Mから形成された層とが重なるため、ブルー色(B)の積層体が形成される。同様にして、例えば、シアン色の着色樹脂材料100C及びイエロー色の着色樹脂材料100Yを押し出すことにより、グリーン色(G)の積層体を形成することができる。また、マゼンタ色の着色樹脂材料100M及びイエロー色の着色樹脂材料100Yを押し出すことにより、レッド色(R)の積層体を形成することができる。このようにして、フルカラーの三次元物体を形成することができる。また、複数色の着色樹脂材料100を同時に塗布することが可能となり、三次元物体の形成工数を低減させることができる。
次に、ヘッド部200のクリーニング方法について説明する。異なる色の着色樹脂材料100に切り替える場合、ノズル220に残留した着色樹脂材料100を除去する必要がある。そこで、例えば、透明樹脂材料101を用いてクリーニングを行う。まず、透明樹脂材料101に対応する開閉機構226を開ける。そして、搬送ローラー31を駆動させ、透明樹脂材料101をノズル220側に搬送すするとともに、溶融部239を駆動させる。そして、透明樹脂材料101が中心部221の表面に当接し、透明樹脂材料101が溶融され、溶融された透明樹脂材料101を開口部220aから押し出す。そうすると、ノズル220内に残留していた着色樹脂材料100が透明樹脂材料101に押し出される。すなわち、ノズル220内に残留していた着色樹脂材料100が除去される。これにより、ノズル220内は透明樹脂材料101のみとなる。換言すれば、ノズル220内は透明樹脂材料101によってクリーニングされる。また、供給部230には樹脂材料ごとに導入孔223から開口部220a近傍に至る仕切り壁を設けてもよい。
次に、さらに、他のヘッド部の構成について説明する。図9は、他のヘッド部の構成を示す構成図である。図9に示すように、ヘッド部300は、樹脂材料を押し出すノズル320と、1つのノズルに対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料を含む複数の樹脂材料をノズル320に供給可能な供給部330と、樹脂材料を溶融する溶融部339等を備えている。本ヘッド部300は、粉体状の樹脂材料を用いた構成を有している。
ノズル320は、軸部に羽根が設けられたスクリュー軸321と、スクリュー軸321の外側に配置された外装部322とを備えている。スクリュー軸321は軸回りに回転可能に構成され、先端部が徐々に細くなるように形成されている。また、スクリュー軸321の先端部には、スクリュー軸321の先端部と外装部322との間の隙間による開口部320aが設けられている。
また、ノズル320に対して複数色の着色樹脂材料400’や透明樹脂材料401等を含む樹脂材料400’,401を供給可能に構成された供給部330が配置されている。供給部330は、粉体状の樹脂材料400’,401を貯留するカートリッジ333と、カートリッジ333からノズル320に樹脂材料を供給するための経路となる供給チューブ335を有している。供給チューブ335は、ノズル320に設けられた導入孔323に接続されている。そして、カートリッジ333に貯留された粉体状の樹脂材料400’,401は、供給チューブ335を通じ、導入孔323を介してノズル320内部に供給可能に構成されている。
本ヘッド部300では、粉体状の着色樹脂材料400’が貯留されたカートリッジ333aと、粉体状の透明樹脂材料401が貯留されたカートリッジ333bとを備えている。着色樹脂材料400’及び透明樹脂材料401は、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン、アクリル、ABSやPLA等の熱可塑性樹脂材料である。なお、着色樹脂材料400’は、上記の熱可塑性樹脂材料中に所定濃度(例えば、20%)の顔料が分散されたものである。着色樹脂材料400’としては、例えば、シアン色の顔料が分散された着色樹脂材料400C’、マゼンタ色の顔料が分散された着色樹脂材料400M’、イエロー色の顔料が分散された着色樹脂材料400Y’及び白色の顔料が分散された着色樹脂材料400W’を備えた各色のカートリッジ333aを備えている。
溶融部339は、ノズル320の開口部320a付近の外装部322に配置されている。溶融部339は、例えば、外装部322に巻いたニクロム線等の電熱線を利用したヒーターを構成している。なお、ノズル320を非磁性かつ導電性を有する金属で形成し、当該ノズル320の外周に電磁コイルを配置して高周波の電流を流すことにより、ノズル320に発生する渦電流により極所加熱する構成であってもよい。さらには、レーザー光をノズル320に照射することにより極所加熱する構成であってもよい。
そして、例えば、シアン色の着色樹脂材料400C’から形成されるシアン色の着色樹脂材料400Cをノズル320から押し出す場合には、まず、シアン色の着色樹脂材料400C’が貯留されたカートリッジ333aからノズル320内にシアン色の着色樹脂材料400C’を供給するとともに、透明樹脂材料401が貯留されたカートリッジ333bからノズル320内に透明樹脂材料401を供給する。そして、スクリュー軸321を所定の方向に回転させる。これにより、ノズル320内において、シアン色の着色樹脂材料400C’と透明樹脂材料401とが混合される。これにより、シアン色の着色樹脂材料400Cが形成されるとともにシアン色の着色樹脂材料400Cが開口部320a側に移動される。そして、溶融部339を駆動する。すると、ノズル320内において形成されたシアン色の着色樹脂材料400Cが溶融され、溶融されたシアン色の着色樹脂材料400Cが開口部320aから押し出される。
また、透明樹脂材料401をノズル320から押し出す場合には、まず、透明樹脂材料401が貯留されたカートリッジ333bからノズル320内に透明樹脂材料401を供給する。そして、スクリュー軸321を所定の方向に回転させる。これにより、ノズル320内において、透明樹脂材料401が開口部320a側に移動される。そして、溶融部339を駆動する。すると、ノズル320内において形成された透明樹脂材料401が溶融され、溶融された透明樹脂材料401が開口部320aから押し出される。
そして、制御部では、三次元物体の形状に基づく積層データと三次元物体の色調に基づく色調データとを含む造形データを含む各種プログラムに基づいて、部材や装置等を駆動制御する。具体的には、ヘッド部300をX軸方向及びY軸方向に移動させながら、さらにテーブル70をZ軸方向移動させながら、テーブル70の面70aに向けて溶融させた樹脂材料400,401をノズル320から押し出させる。押し出された樹脂材料400,401はテーブル70の面70aに積層される。このようにして、テーブル70上に所望の三次元物体を造形(積層形成)することができる。
なお、本ヘッド部300では、ノズル320の内部で複数色の着色樹脂材料400’を混合させた着色樹脂材料400を開口部320aから押し出すことが可能である。例えば、シアン色の着色樹脂材料400C’が貯留されたカートリッジ333aからノズル320内にシアン色の着色樹脂材料400C’を供給する。また、マゼンタ色の着色樹脂材料400M’が貯留されたカートリッジ333aからノズル320内にマゼンタ色の着色樹脂材料400M’を供給する。さらに、透明樹脂材料401が貯留されたカートリッジ333bからノズル320内に透明樹脂材料401を供給する。そして、スクリュー軸321を所定の方向に回転させる。これにより、ノズル320内において、シアン色の着色樹脂材料400C’とマゼンタ色の着色樹脂材料400M’と透明樹脂材料401とが混合される。これにより、ブルー色の着色樹脂材料400が形成され、ブルー色の着色樹脂材料400が開口部320a側に移動する。そして、溶融部339を駆動する。すると、ノズル320内において形成されたブルー色の着色樹脂材料400が溶融され、溶融されたブルー色の着色樹脂材料400が開口部320aから押し出される。そして、ヘッド部300をX軸及びY軸方向に移動させながら一筆書きの要領でブルー色の着色樹脂材料400を押し出して、テーブル70の面70a上に着色樹脂材料400C,400Mを塗布する。塗布されたブルー色の着色樹脂材料400は冷えて積層体が形成される。これにより、ブルー色(B)の積層体が形成される。同様にして、例えば、シアン色の着色樹脂材料400C’とイエロー色の着色樹脂材料400Y’及び透明樹脂材料401を混合してグリーン色の着色樹脂材料400を形成して開口部320aから押し出すことにより、グリーン色(G)の積層体を形成することができる。また、マゼンタ色の着色樹脂材料400M’とイエロー色の着色樹脂材料400Y’及び透明樹脂材料401を混合してレッド色の着色樹脂材料400を形成して開口部320aから押し出すことにより、レッド色(R)の積層体を形成することができる。このようにして、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の着色樹脂材料と透明樹脂材料の混合を行い、また混合の際に混合比を制御することで中間階調を含むフルカラーの三次元物体を形成することができる。また、粉状態の着色樹脂材料400’を用いて所望の色の着色樹脂材料400を塗布することが可能となり、三次元物体の形成工数を低減させることができる。
次に、ヘッド部300のクリーニング方法について説明する。異なる色の着色樹脂材料400’に切り替える場合、ノズル320に残留した着色樹脂材料400’,400を除去する必要がある。そこで、例えば、透明樹脂材料401を用いてクリーニングを行う。まず、透明樹脂材料401が貯留されたカートリッジ333bからノズル320内に透明樹脂材料401を供給する。そして、スクリュー軸321を所定の方向に回転させる。これにより、ノズル320内において、透明樹脂材料401が開口部320a側に移動される。そして、溶融部339を駆動する。すると、ノズル320内において形成された透明樹脂材料401が溶融され、溶融された透明樹脂材料401が開口部320aから押し出される。すなわち、ノズル320内に残留していた着色樹脂材料400が除去される。これにより、ノズル320内は透明樹脂材料401のみとなる。換言すれば、ノズル320内は透明樹脂材料401によってクリーニングされる。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)複数色の着色樹脂材料100(400)をノズル20(220,320,420)から容易に押し出すことが可能となる。これにより、フルカラー化された三次元物体Taを造形することができる。
(2)色が異なる着色樹脂材料100(400)に切り替える場合、透明樹脂材料101(401)をノズル20(220,320)に供給して、ノズル20(220,320)に残留した着色樹脂材料100(400)を除去した。これにより、混色せず色彩に優れた三次元物体Taを形成することができる。
(3)色が異なる着色樹脂材料100(400)に切り替える場合、透明樹脂材料101(401)によって除去された廃棄樹脂Dを、三次元物体Taの内部層部C3に対応する内部領域CAや支持部F上に堆積した。これにより、廃棄樹脂Dが有効利用され、三次元物体Taの造形にかかる費用を抑制することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)三次元物体Taの造形方法では、まず、下地層部C2’(100W)から形成したが、この方法に限定されない。例えば、シアン色の第1表層部C11’(100C)或いはシアン色の第2表層部C12’(100C)から形成してもよい。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。
(変形例2)三次元物体Taの造形方法では、ノズル20のクリーニングにおいて透明樹脂材料101を用いたが、これに限定されない。例えば、シアン色の樹脂材料100Cの塗布の後に、マゼンタ色の樹脂材料100Mを使用する場合、マゼンタ色の樹脂材料100Mを用いてノズル20のクリーニングを行ってもよい。すなわち、切り替える色の着色樹脂材料100でクリーニングを行ってもよい。このようにしても、混色の発生を防止することができる。
(変形例3)三次元物体Taの造形方法では、三次元物体Taの内部層部C3に対応する内部領域CAに廃棄樹脂Dを堆積させたが、これに限定されない。例えば、内部層部C3を所定の着色樹脂材料100或いは透明樹脂材料101を用いて造形してもよい。このようしても、所望の三次元物体Taを造形することができる。
(変形例4)上記造形装置1では、Z軸方向にテーブル70を移動させる移動機構を備えたが、この構成に限定されない。例えば、ヘッド部10をZ軸方向に移動させる移動機構を備えてもよい。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。
(変形例5)上記ヘッド部10では、ノズル20に対して供給部30が回転する構成としたが、これに限定されない。供給部30に対してノズル20が回転する構成であってもよい。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。
(変形例6)上記実施形態のヘッド部10では、供給部30を回転させてノズル20に対して着色樹脂材料100を供給したが、この構成に限定されない。例えば、供給部30を複数の部品として構成してもよい。図10は、変形例にかかるヘッド部の構成を示す構成図である。図10に示すように、ヘッド部400は、樹脂材料を押し出すノズル20と、1つのノズルに対して割り当てられた複数色の着色樹脂材料を含む複数の樹脂材料をノズル20に供給可能な供給部30と、樹脂材料を溶融する溶融部39等を備えている。
供給部30は、第1供給部30aと第2供給部30bとで構成されている。第1供給部30aは、第2供給部30bに樹脂材料100,101を搬送する搬送手段としての一対の搬送ローラー31が配置されている。一対の搬送ローラー31のうち、一方が駆動ローラーであり、他方が受動ローラーである。一対の搬送ローラー31間に挟まれた樹脂材料100,101は、一対の搬送ローラー31が回転すると、樹脂材料100,101と搬送ローラー31との摩擦によってZ軸方向に搬送される。
第2供給部30bは、ノズル20に対して固定されている。そして、第2供給部30bは、ノズル20に樹脂材料100,101を搬送する搬送手段としての一対の搬送ローラー31が配置されている。本変形例では、各樹脂材料100,101に対応して、2組の一対の搬送ローラー31が配置されている。それぞれの一対の搬送ローラー31は、供給部30におけるZ軸方向の上方と下方とに配置されている。一対の搬送ローラー31のうち、一方が駆動ローラーであり、他方が受動ローラーである。一対の搬送ローラー31間に挟まれた樹脂材料100,101は、一対の搬送ローラー31が回転すると、樹脂材料100,101と搬送ローラー31との摩擦によってZ軸方向に搬送される。
ノズル20は、開口部20aを有し、当該開口部20aから樹脂材料100,101が押し出されるように構成されている。そして、ノズル20に対して第1供給部30aにおける複数色の着色樹脂材料100と透明樹脂材料101とが割り当てられている。第1供給部30aは、第1供給部30aの中心部においてZ軸方向に回転可能に構成されている。
また、樹脂材料100,101を溶融する溶融部39を備えている。本実施形態の溶融部39は、ノズル20の開口部20a付近に配置されている。溶融部39は、例えば、ノズル20に巻いたニクロム線等の電熱線を利用したヒーターを構成している。なお、ノズル20を非磁性かつ導電性を有する金属で形成し、当該ノズル20の外周に電磁コイルを配置して高周波の電流を流すことにより、ノズル20に発生する渦電流により極所加熱する構成であってもよい。さらには、レーザー光をノズル20に照射することにより極所加熱する構成であってもよい。
そして、例えば、複数の樹脂材料100,101の中からシアン色の着色樹脂材料100Cをノズル20から押し出す場合には、まず、ノズル20に対して所望のシアン色の着色樹脂材料100Cが対応するように第1供給部30aを回転させる。そして、シアン色の着色樹脂材料100Cに対応する搬送ローラー31を駆動させ、シアン色の着色樹脂材料100Cを第2供給部30b側に搬送する。さらに、第2供給部30bからノズル20側に搬送する。そして、溶融部39を駆動させる。これにより、ノズル20内部に搬送されたシアン色の着色樹脂材料100Cは溶融され、溶融されたシアン色の着色樹脂材料100Cが開口部20aから押し出される。このようにすれば、供給部30の構成を小さくすることができる。
(変形例7)上記実施形態のヘッド部10では、複数色の着色樹脂材料100を含む複数の樹脂材料100,101に対して1つのノズル20を備えた構成としたが、この構成に限定されない。例えば、複数のノズル20を備えてもよい。図11は、他の変形例にかかるヘッド部の構成を示す構成図である。図11に示すように、ヘッド部500は、複数色の着色樹脂材料100を含む複数の樹脂材料100,101に対して2つのノズル20を備えている。なお、他の構成は、上記実施形態のヘッド部10の構成と同様なので説明を省略する。このようにすれば、同時に複数の樹脂材料100,101を塗布することが可能となり、加工工数を低減することができる。