以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態を適用可能なOTNフレーマ100の機能ブロック図である。同図に示すOTNフレーマ100は、100G超(B100G、Gはギガビット毎秒)の伝送を行うためのOTN(Optical Transport Network)の規格であるOTUCn(Cnは100G×nを表す。nは2以上の整数。)により通信を行う。同図においては、n=4の場合、すなわち、OTNフレーマ100がOTUC4により通信を行う場合の例を示している。
OTNトランスポート技術では、様々な通信方式のクライアント信号を収容し、光伝送により転送する。OTNでは、固定フレーム構造を利用し、GbE(ギガビット・イーサネット(登録商標))を収容できる最小単位のODU0(ODU:Optical Channel Data Unit)により、1.25GのTS(Tributary Slot、タイムスロットともいう。)単位で(すなわち、その倍数により)クライアント信号を扱う。OTNは、SDH(Synchronous Digital Hierarchy)と同様のパス管理、OAM(Operations, Administration, Maintenance)機能、プロテクション機能を提供する。
OTNフレーマ100は、複数のクライアント信号が多重されたn×100Gの1光チャネルの信号を分離し、n個の100Gのパラレル信号を生成する。これらのn個のパラレル信号は複数の光サブキャリアによりマルチキャリア伝送されるが、物理的には、1つのパラレル信号が1つの光サブキャリアにより伝送されてもよく、複数のパラレル信号が1つの光サブキャリアにより伝送されてもよい。マルチキャリア伝送とは、1チャネルの信号を複数のサブキャリア(搬送波)を使ってパラレル伝送することにより、1チャネルを大容量化する通信方式である。マルチキャリア伝送では、対地(接続先)ごとにサブキャリアを高密度多重し、電気的に分離する。1つのパラレル信号が1つの光サブキャリアにより伝送される場合、その光サブキャリアの帯域は100Gであり、2つのパラレル信号が1つの光サブキャリアにより伝送される場合、その光サブキャリアの帯域は200Gである。光伝送には、4SC−DP−QPSK(4 Subcarrier-Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keying)や、2SC−DP−16QAM(2 Subcarrier-Dual Polarization-Quadrature Amplitude Modulation)などが用いられる。
図1に示すように、OTNフレーマ100は、送信処理部110と受信処理部150とを備える。送信処理部110は、クライアント信号受信部120と、多重処理部130と、ライン側送信処理部140とを備える。
クライアント信号受信部120は、受信部121と、マッピング部122と、OH処理部123とを備える。受信部121は、クライアント信号を受信する。マッピング部122は、受信部121が受信した1クライアント信号をLO−ODU(Lower Order Optical Channel Data Unit)フレームのペイロードにマッピングする。OH処理部123は、マッピング部122がクライアント信号を設定したLO−ODUフレームにOH(オーバーヘッド)を付加する。OH処理部123は、LO−ODUフレームの電気パス信号を、ODU−スイッチ(以下、「ODU−SW」と記載)210に出力する。ODU−SW210は、他のOTNフレーマ100とも接続されており、電気パス信号のパス交換を行う。
多重処理部130は、多重化部131とフレーミング部132とを備える。多重化部131は、ODU−SW210から受信した電気パス信号をLO−ODUフレームに設定する。多重処理部130は、LO−ODUフレームを一旦ODTU(Optical Channel Data Tributary Unit)フレームにマッピングした後、複数のODTUフレームを時間多重してHO−ODU(Higher Order ODU)であるODUCnフレームを生成する。フレーミング部132は、多重処理部130が生成したODUCnフレームにOHとFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)を付加してOTUCnフレームを生成する。フレーミング部132は、OTUCnフレームの信号をライン側送信処理部140に出力する。
ライン側送信処理部140は、インタリーブ部141と、OH処理部142−1〜142−nと、マルチレーン送信部143−1〜143−nとを備える。
インタリーブ部141は、多重処理部130からOTUCnフレームの信号を受信し、受信したn×100GのOTUCnフレームの信号をバイトインタリーブして、n個のOTLCn.nフレームの信号を生成する。OTLCn.nフレームは、100Gのパラレル信号のフレームである。i個目のOTLCn.nフレームを、OTLCn.n#iフレーム(iは1以上n以下の整数)と記載する。インタリーブ部141は、生成したn個のOTLCn.n#iフレームをそれぞれOH処理部142−iに出力する。
OH処理部142−1〜142−nは、インタリーブ部141から受信したOTLCn.nフレームにOHを設定する。OH処理部142−iは、OHを設定したOTLCn.n#iフレームを、マルチレーン送信部143−iに出力する。
マルチレーン送信部143−1〜143−nは、OH処理部142−1〜142−nから受信したOTLCn.nフレームのパラレル信号を送信機220に出力する。例えば、マルチレーン送信部143−iは、4本の28Gの電気配線を使用してパラレルにOTLCn.n#iフレームのパラレル信号を送信機220に出力する。各送信機220は、それぞれ異なる光周波数の光サブキャリアを使用する。送信機220は、受信したパラレル信号を電気信号から光信号に変換し、マルチキャリア伝送する。なお、複数のマルチレーン送信部143−iが1つの送信機220に接続されてもよい。j個(jは2以上n以下)のマルチレーン送信部143−iが1つの送信機220に接続される場合、その送信機220は、j×100Gの光サブキャリアによりj個のパラレル信号を伝送する。
受信処理部150は、ライン側受信処理部160と、分離処理部170と、クライアント信号送信部180とを備える。
ライン側受信処理部160は、マルチレーン受信部161−1〜161−nと、OH処理部162−1〜162−nと、デインタリーブ部163とを備える。
マルチレーン受信部161−1〜161−nは、受信機230がマルチキャリア伝送により受信した光信号を電気信号により受信する。受信機230は、それぞれ異なる光周波数の光サブキャリアにより光信号を受信する。マルチレーン受信部161−iは、例えば4本の28Gの電気配線を使用して受信機230からパラレルに受信した電気信号を、OH処理部162−iに出力する。
OH処理部162−1〜162−nは、受信した信号からOTLCn.nフレームのOHに設定されているFAS(frame alignment signal)やMFAS(multiframe alignment signal)に基づいてフレームの先頭を認識する。OH処理部162−iは、先頭位置を検出することにより、遅延時間差を補償して受信信号からOTLCn.n#iフレームを抽出し、デインタリーブ部163に出力する。
デインタリーブ部163は、OH処理部162−1〜162−nから受信したOTLCn.n#1フレーム〜OTLCn.n#nフレームをデインタリーブし、1つのOTUCnフレームを生成する。
分離処理部170は、デフレーミング部171及び逆多重化部172を備える。
デフレーミング部171は、デインタリーブ部163が生成したOTUCnフレームの信号をFEC復号し、復号したOTUCnフレームからLO−ODUフレームが時間多重されたODUCnフレームを抽出して逆多重化部172に出力する。
逆多重化部172は、デフレーミング部171が抽出したODUCnフレームの信号から各クライアント信号が設定されたLO−ODUフレームを抽出し、LO−ODUフレームの電気パス信号をODU−SW210に出力する。
クライアント信号送信部180は、OH処理部181と、デマッピング部182と、送信部183とを備える。
OH処理部181は、ODU−SW210から電気パス信号を受信し、受信した電気パス信号からLO−ODUフレームを復号する。OH処理部181は、LO−ODUフレームに対してOHに関する処理を行い、デマッピング部182に出力する。
デマッピング部182は、OH処理部181からLO−ODUフレームの電気パス信号を受信し、受信した電気パス信号からクライアント信号を抽出して送信部183に出力する。
送信部183は、デマッピング部182が抽出したクライアント信号を送信する。
なお、クライアント信号受信部120と多重処理部130、及び、分離処理部170とクライアント信号送信部180がODU−SW210を介さずに接続されてもよい。
図2は、OTUCnのフレーム構造を示す図である。OTUCnは、ODUCnに、FACn OH、OTUCn OH、OPUCn OH、及び、OTUCnFECを付加して生成される。OTUCnは、4行、4080×n列で標記される。
OTUCnの(16×n+1)〜3824×n列目のOPUCnペイロード(Payload)には、クライアント信号がマッピングされる。OTUCnフレームの1〜16×n列目には、OHが設定される。1行目の1〜7×n列目には、FACn OHが設定される。FACn OHは、フレーム同期に必要な情報を含む。(7×n+1)〜14×n列目には光チャネルのセクション監視情報を収容するOTUCn OHが挿入される。2〜4行目の1〜14×n列目には、ODUCn OHが挿入され、光チャネルのパス管理運用情報を収容する。(14×n+1)〜16×n列目には、OPUCn OHが挿入され、クライアント信号のマッピング/デマッピングに必要な情報などが収容される。3824×n+1〜4080×n列目のOPUCn FECには、FEC用のパリティチェックバイトが付加される。
図3は、OTLCn.nのフレーム構造を示す図である。
OTLCn.nは、4行、4080列で標記される。OTLCn.n#1〜OTLCn.n#nは、バイトインタリーブによりOTUCnフレームを分割して得られる。
OTUCnのOPUCnペイロードは、OTLCn.n#iの17〜3824列目のOPUCn.n#iペイロードにマッピングされる。
OTLCn.n#iの1〜16列目には、OHが設定される。OTLCn.n#iのOHは、OTUCn OH等に基づいて設定される。1行目の1〜7列目には、FALCn.n#i OHが設定される。FALCn.n#i OHは、フレーム同期に必要な情報を含む。8〜14列目には、光チャネルのセクション監視情報を収容するOTLCn.n#i OHが挿入される。2〜4行目の1〜14×n列目には、ODLCn.n#i OHが挿入され、光チャネルのパス管理運用情報を収容する。15〜16列目には、OPLCn.n#i OHが挿入され、クライアント信号のマッピング/デマッピングに必要な情報などが収容される。3825〜4080列目のOTUC#i FECには、FEC用のパリティチェックバイトが付加される。
図4は、光信号の伝送に用いられる光チャネルを示す図である。図4(a)は、400Gの光信号を1光周波数(シングルキャリア)によりシリアル伝送する場合の光チャネルを示す図であり、図4(b)は、400Gの光信号を4つの光サブキャリアによりパラレル伝送(マルチキャリア伝送)する場合の光チャネルを示す図である。従来の電子回路では、動作速度の制約から、図4(a)に示すように、1光周波数によりシリアル伝送することができる帯域を、100Gを超えて拡張し続けていくことは困難である。そこでOTUCnでは、100G超の帯域を複数の光サブキャリアによりパラレル伝送することにより、電子回路の制約を受けずに広帯域伝送を実現する。このパラレル伝送には、偏波多重、多値変調などが用いられる。変調方式によって、光サブキャリアの帯域は異なる。図4(b)は、400Gの1光チャネルを、100Gの4光サブキャリアによりパラレル伝送した場合の例であり、図4(c)は、400Gの1光チャネルを、200Gの2光サブキャリアによりパラレル伝送した場合の例である。また、nを変化させることにより、図4(d)に示すように、100G単位で伝送帯域を増加させていくことができるフレキシビリティを有する。
(本発明の概要)
図5は、本発明の実施形態における光伝送システムの基本構成を示す図である。同図に示すように、光伝送システムは、送信ノードにおける送信システム1と、受信ノードにおける受信システム2とを備える。同図に示す光伝送システムは、M本のチャネルを収容し、各チャネル#m(m=1,2,…,M)はLm本のサブキャリアを含む構成となっている。また、光伝送システムは、共有予備系パスを有しており、共有予備系パスはR本のサブキャリアを含んでいる。すなわち、光伝送システムは、(L+R)本のサブキャリアを用いて伝送を行う。なお、Lは、各チャネル#mが含むサブキャリア数の総和(ΣLm,m=1,2,…,M)である。
送信システム1は、(L+R)個の送信機11、複数の部分パリティ生成器12及び送信パリティ結合器13を備える。部分パリティ生成器12それぞれは、所定数K本のサブキャリアで伝送されるK個の伝送データを入力し、入力するK個の伝送データからR個の部分パリティを算出する。部分パリティ生成器12それぞれは、算出したR個の部分パリティを送信パリティ結合器13へ出力する。
送信パリティ結合器13は、部分パリティ生成器12それぞれから出力される部分パリティを結合してR個のパリティを生成する。送信パリティ結合器13は、生成したR個のパリティを、(L+R)個の送信機11のうちR個の送信機11へ出力する。このR個の送信機11それぞれは、共有予備系パスのR本のサブキャリアに一対一に対応して設けられており、対応するサブキャリアで伝送するパリティを入力する。R個の送信機11それぞれは、入力したパリティを用いた光変調により得られた光信号を受信ノードにおける受信システム2へ送信する。
(L+R)個の送信機11のうちL個の送信機11それぞれは、L本のサブキャリアに一対一に対応して設けられており、対応するサブキャリアで伝送する伝送データを入力する。L個の送信機11それぞれは、入力した伝送データを用いた光変調により得られた光信号を受信ノードにおける受信システム2へ送信する。
受信システム2は、(L+R)個の受信機21、複数の部分パリティ生成器22、受信パリティ結合器23、復号器24及びスイッチ(SW)25を備える。(L+R)個の受信機21は、(L+R)本のサブキャリアに対して一対一に対応して設けられており、対応するサブキャリアの光信号を受信し、受信した光信号を光復調して得られた伝送データとパリティとを出力する。(L+R)個の受信機21のうちL個の受信機21それぞれは、伝送データを2つにコピーして、一方の伝送データを部分パリティ生成器22へ出力し、他方の伝送データをスイッチ25へ出力する。(L+R)個の受信機21のうちR個の受信機21それぞれは、光信号を復調して得られたパリティを受信パリティ結合器23へ出力する。
部分パリティ生成器22は、所定数K本のサブキャリアごとに設けられており、対応するK本のサブキャリアで伝送された伝送データを受信機21から入力し、入力するK個の伝送データからR個の部分パリティを生成する。部分パリティ生成器22それぞれは、生成したR個の部分パリティを受信パリティ結合器23へ出力する。
受信パリティ結合器23は、部分パリティ生成器22から出力される部分パリティと、受信機21から出力される部分パリティとを入力し、入力する部分パリティを結合して復号器24へ出力する。復号器24は、受信パリティ結合器23により結合された部分パリティから、障害の生じたサブキャリアに対応する伝送データを復号し、当該サブキャリアに対応するスイッチ25へ出力する。
スイッチ25は、L本のサブキャリアに一対一に対応して設けられており、対応するサブキャリアの受信機21から伝送データを入力する。また、スイッチ25は、復号器24から伝送データを入力する。スイッチ25は、対応するサブキャリアにおいて障害が生じていない場合、受信機21から入力する伝送データを外部の装置(例えばクライアント装置)へ出力し、対応するサブキャリアにおいて障害が生じている場合、復号器24から入力する伝送データを外部の装置へ出力する。
図5に示す構成では、送信ノード(送信端)において必要であった送信パリティ生成器の機能を、複数の部分パリティ生成器12と送信パリティ結合器13とで実現する。また、受信ノード(受信端)において必要であった受信パリティ生成復号器の機能を、複数の部分パリティ生成器22と受信パリティ結合器23と復号器24とで実現する。以下、部分パリティの生成、部分パリティの結合、伝送データの復号について説明する。
共有予備系パスに含まれるR本のサブキャリアで伝送されるパリティは、式(1)を用いて算出される。式(1)において、Xl(l=1,2,…L)は現用系パスに含まれるL本のサブキャリアで伝送される伝送データであり、Zr(r=1,2,…,R)は共有予備系パスのサブキャリアで伝送されるパリティであり、行列[Pij](i=1,2,…,L;j=1,2,…,R)はパリティ生成行列である。パリティ生成符号化にはMDS(maximum distance separable)符号化などの消失訂正符号化に用いられるパリティ生成行列を用いる。
送信パリティ生成器を、複数の部分パリティ生成器12と送信パリティ結合器13とで実現する際の機能分割の要領を式(2−1)、式(2−2)及び式(2−3)を用いて説明する。
まず、式(2−1)のように現用系パスに含まれるサブキャリアの伝送データXl及びパリティ行列[Pij]それぞれをH個の行となるように区分化する。区分化後の行列をまとめたものが式(2−2)であり、これを整理すると式(2−3)のとおりとなる。式(2−3)の各項は区分化された現用系パスのサブキャリアYh(h=1,2,…,H)に関するR個の成分からなるベクトルとなり、送出されるパリティはそれらH個のベクトルを足し合わせたものである。ここで扱う数学はガロア拡大体の演算であるため、加算はすべて排他的論理和で扱うことができる。
部分パリティ生成器12は、R個の成分からなる各ベクトル(YhQh,1 YhQh,2 … YhQh,R)(h=1,2,…,H)を算出する機能ブロックであり、算出されたベクトルを部分パリティと称することとする。また、送信パリティ結合器13は、部分パリティ生成器12で算出されたH個の部分パリティの排他的論理和演算を行い、R本のサブキャリア分のデータ量を有するパリティを算出する機能ブロックである。
送信ノードにおいてR本のサブキャリアを含む共有予備系パスをM本のチャネルから生成する場合、部分パリティ生成器12は、K本以下の現用系パスに含まれるサブキャリアからそれぞれR本分の部分パリティを算出し、算出した部分パリティを送信パリティ結合器13へ出力する。送信パリティ結合器13は、部分パリティ生成器12それぞれから入力される部分パリティを結合し、結合して得られたパリティをR個の送信機11へ出力して伝送路へと送出する。
次に、受信ノードにおける処理を説明する。式(3)において、ベクトルExは現用系パスの各サブキャリアにおける障害の有無を表すベクトルである。ベクトルEzは共有予備系パスの各サブキャリアにおける障害の有無を表すベクトルである。ベクトルEx、Ezにおける要素はサブキャリアに対応し、対応するサブキャリアにおいて障害が発生している場合に要素の値を1とし、障害が発生していない場合に要素の値を0とする。
式(2−1)はベクトルEx、Ezを導入することで、式(4)のように表せる。なお、式(4)における演算子「*」はベクトルの対応する要素同士の掛け算を表し、例えばベクトルa=(a1,a2,a3),b=(b1,b2,b3)がある場合にa*b=(a1×b1,a2×b2,a3×b3)となる。式(4)におけるEx及びEzそれぞれの上に「 ̄(オーバーライン)」が付されたものは、Ex及びEzそれぞれの0と1とを反転させたものを意味する。また、式(4)において、左辺は伝送経路において障害が発生して消失したサブキャリアのデータを表し、右辺は受信できたサブキャリアのデータを表している。このとき後述の通り、逆行列演算により、式(4)を解くことができる。式(4)の右辺第二項は、式(2−3)のように部分パリティ生成器とパリティ結合器とを設けることにより機能分割が可能である。また、障害が発生したサブキャリアにおいては部分パリティ生成器に「0」を入力し続けるだけでよいことが分かる。
上述の逆行列演算について説明する。共有予備系パスがR個のサブキャリアを有する場合、現用系パス及び共有予備系パスに含まれるサブキャリアのうちR本のサブキャリアに障害が発生しても通信を正常に継続することができる。ここで、|Ex|を現用系パスにおける障害が発生したサブキャリアの数とし、|Ez|を共有予備系パスにおける障害が発生したサブキャリアの数とする。
(i)|Ex|+|Ez|<Rの場合
Ez=0のときは、式(4)の左辺第一項が消去可能である。このとき|Ex|本の消去したサブキャリアに関する式を行列操作により抽出し、消失したサブキャリアのデータ(Xs…Xt)は、式(5)及び式(6)により求めることができる。
例えば、5本のサブキャリアを有する現用系パスと、4本のサブキャリアを有する共有予備系パスとがある場合に、現用系パスのサブキャリアX1,X2に障害が発生した場合の復号について説明する。このとき、ベクトルEx、Ezは式(7)で表される。ベクトルEx、Ezを式(5)に代入することにより、式(8)が得られる。
障害が発生したサブキャリアのデータを復元する方法として、式(6)における任意の2式を選択し逆行列を求める方法と、受信した現用系パスのサブキャリアの1つに障害が発生したこととして扱い障害発生数によらず常に式(8)、式(9)及び式(10)の3つの式を用いる方法とがある。
|Ez|≠0のときには、(Z1,…,ZR)のうち障害が発生したサブキャリアと同じ列以外のパリティ生成行列を抽出することで、結局は式(10)の形へと帰着させることができる。例えば、先の例同様に、5サブキャリアを有する現用系パスと、4サブキャリアを有する共有予備系パスとがある場合、現用系パスのサブキャリアX1,X2と共有予備系パスのサブキャリアZ1とに障害が発生したときの復号を式(11)、式(12)及び式(13)で表す。
(ii)|Ex|+|Ez|=Rの場合
Ez=0のときには、式(4)の左辺第一項が消去可能である。このときR本の消去したサブキャリアに関する式を行列操作により抽出すると式(14)が得られる。また、消失したサブキャリアのデータ(Xs…Xt)は、式(15)により求めることができる。このとき、式(5)と異なり、パリティ生成行列に関してはR列すべての要素について求められる。
例えば、5本のサブキャリアを有する現用系パスと、4本のサブキャリアを有する共有予備系パスとがある場合において、現用系パスのサブキャリアX1,X2,X3,X4に障害が発生したときの復号を式(16)、式(17)及び式(18)に示す。
|Ez|≠0のとき、(Z1,…,ZR)のうち障害が発生したサブキャリアと同じ列以外のパリティ生成行列を抽出することで、式(8)の形へと帰着させることができる。
また、5本のサブキャリアを有する現用系パスと、4本のサブキャリアを有する共有予備系パスとがある場合において、現用系パスのサブキャリアX1,X2と共有予備系パスのサブキャリアZ1,Z2とに障害が発生した場合の復号を式(19)、式(20)及び式(21)に示す。
上述の復号処理と受信システム2における動作との対応を説明する。現用系パスのサブキャリアの伝送データは、各受信機21で受信された後、障害が発生していないサブキャリアの伝送データに関してはスイッチ25を通過してクライアント側へと伝達される。このとき、これらの伝送データは、コピーされて複数のサブキャリアごとに部分パリティ生成器22へ入力される。部分パリティ生成器22は、式(4)の右辺第二項の演算を行う。先に述べたように、障害が発生したサブキャリアの伝送データについては「0」が部分パリティ生成器22へ入力される。受信パリティ結合器23において、部分パリティ生成器22それぞれで算出された部分パリティは、共有予備系パスで伝送されたパリティと結合されることにより、式(4)の右辺の演算が行われる。復号器24において、逆行列演算が行われることにより、障害が発生して消失した伝送データの復号が行われる。
以下、送信システムの構成例を第1〜第4の実施形態において説明し、受信システムの構成例を第5及び第6の実施形態において説明する。光伝送システムとして、送信ノードと受信ノードとを組み合わせる際には、第1〜第4の実施形態における送信システムのいずれかと、第5及び第6の実施形態におけるいずれかとを任意に組み合わせることが可能である。また、第7の実施形態から第12の実施形態に光伝送に用いるプロトコルとしてOTNを用いた例を示すが、この際にも同様に送信システムと受信システムとにおける構成の組み合わせは任意の組み合わせを選ぶことができる。
(第1の実施形態)
図6は、第1の実施形態における送信システム3の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、光伝送システムに用いられる送信システム3は、電気クロスコネクト装置31、2個のボード32(32−1及び32−2)、位相整合器33、送信パリティ結合器34、8個の送信機35及び光クロスコネクト装置36を備える。同図に示す例では、4つのクライアント#1〜#4から伝送するデータを取得し、クライアント#1及び#2から取得したデータを4本のサブキャリアを有するチャネル#1で伝送し、クライアント#3及び#4から取得したデータを2本のサブキャリアを有するチャネル#2で伝送し、2本のサブキャリアを有する共有予備系パスでパリティを伝送する。すなわち、送信システム3は、8本のサブキャリアを用いたマルチキャリア伝送を行う。送信機35は、サブキャリアに一対一に対応して設けられている。ボード32−1は、時分割多重器321と部分パリティ生成器322とを備える。ボード32−2は、時分割多重器325と部分パリティ生成器326とを備える。
電気クロスコネクト装置31は、クライアント#1及び#2から取得されるデータを時分割多重器321へ出力し、クライアント#3及び#4から取得されるデータを時分割多重器325へ出力する。また、電気クロスコネクト装置31は、部分パリティ生成器322及び部分パリティ生成器326から出力される部分パリティを入力し、位相整合器33へ出力する。
時分割多重器321は、電気クロスコネクト装置31を介してクライアント#1及び#2から取得されるデータを時分割多重して、4つのサブキャリアそれぞれで伝送する4つの伝送データ(フレーム)を生成する。時分割多重器321で生成された4つの伝送データそれぞれは、2つにコピーされて部分パリティ生成器322と送信機35とへ入力される。部分パリティ生成器322は、時分割多重器321から入力する4つの伝送データそれぞれのペイロード部分から2本のサブキャリアで伝送可能なデータ量の部分パリティを生成する。部分パリティ生成器322は、電気クロスコネクト装置31を介して、2サブキャリア分の部分パリティを位相整合器33へ出力する。
時分割多重器325は、電気クロスコネクト装置31を介してクライアント#3及び#4から取得されるデータを時分割多重して、2つのサブキャリアそれぞれで伝送する2つの伝送データを生成する。時分割多重器325で生成された2つの伝送データそれぞれは、2つにコピーされて部分パリティ生成器326と送信機35とへ入力される。部分パリティ生成器326は、時分割多重器325から入力する2つの伝送データそれぞれのペイロード部分から2本のサブキャリアで伝送可能なデータ量の部分パリティを生成する。部分パリティ生成器326は、電気クロスコネクト装置31を介して、2サブキャリア分の部分パリティを位相整合器33へ出力する。
位相整合器33は、部分パリティ生成器322から出力される部分パリティと、部分パリティ生成器326から出力される部分パリティとのフレーム位相を同期させて送信パリティ結合器34へ出力する。送信パリティ結合器34は、部分パリティ生成器322で生成された2サブキャリア分の部分パリティと、部分パリティ生成器326で生成された2サブキャリア分の部分パリティと結合して、2サブキャリア分の結合パリティを生成する。送信パリティ結合器34は、生成した2サブキャリア分のパリティを送信機35へ出力する。
送信機35それぞれは、時分割多重器321及び325から出力される伝送データと、送信パリティ結合器34から出力されるパリティとを光変調し、光変調で得られた光信号を送出する。光クロスコネクト装置36は、送信機35それぞれから送出された光信号を伝送路ごとに分けるなどして送出する。
位相整合器33における部分パリティのフレーム位相の検出には、部分パリティ生成器322及び325において付与される専用のヘッダーを用いてもよいし、又は位相の先頭を指示するための信号線を新たに設け、当該信号線を用いてもよい。
なお、送信システム3において、時分割多重器321及び325と、光クロスコネクト装置36とを備えなくともよい。また、電気クロスコネクト装置31を設けずに、部分パリティ生成器322及び326と位相整合器33とはバスなどにより直接配線されも構わない。また、図6においては、4本のサブキャリアを有するチャネル#1と2本のサブキャリアを有するチャネル#2とそれぞれから、2本のサブキャリア分の部分パリティが生成され、送信パリティ結合器34にて2本のサブキャリア分のパリティが生成され、共有予備系パスで伝送される構成が示されている。しかし、共有予備系パスにおいてパリティを伝送するサブキャリア数は、パリティを生成する際に用いるパリティ生成行列のサイズ内であれば任意の数で構わない。
また、送信システム3は、チャネルごとに部分パリティ生成器322、326が配置されているが、チャネルを複数のサブキャリア単位に分割して部分パリティを生成したり、チャネルを跨がったサブキャリアにおける伝送データを用いて部分パリティを生成したりしても構わない。
図7は、第1の実施形態における送信システム3の動作を示す図である。チャネル#1のサブキャリア#1−1〜#1−4において伝送する伝送データは、時分割多重器321において生成される。チャネル#2のサブキャリア#2−1〜#2−2において伝送するデータは、時分割多重器325において生成される。部分パリティ生成器322は、サブキャリア#1−1〜#1−4の伝送データのペイロード部分から部分パリティ#1−1及び#1−2を生成する。部分パリティ生成器326は、サブキャリア#2−1〜#2−2の伝送データのペイロード部分から部分パリティ#2−1及び#2−2を生成する。部分パリティ#1−1〜#1−2及び#2−1〜#2−2は、電気クロスコネクト装置31を介して位相整合器33へと伝達される。
位相整合器33は、部分パリティ#1−1〜#1−2と部分パリティ#2−1〜#2−2とのフレーム位相を同期させる。送信パリティ結合器34は、部分パリティ#1−1と部分パリティ#2−1とを結合して結合パリティ#1を生成し、部分パリティ#1−2と部分パリティ#2−2とを結合して結合パリティ#2を生成する。結合パリティ#1と結合パリティ#2とは、送信機35によりそれぞれ伝送される。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態における送信システム3Aの構成を示すブロック図である。同図に示すように、光伝送システムに用いられる送信システム3Aは、電気クロスコネクト装置31、2個のボード32(32−1及び32−2)、送信パリティ結合器37、8個の送信機35及び光クロスコネクト装置36を備える。送信システム3Aは、第1の実施形態における送信システム3(図6)の変形例であり、送信システム3と同様に、4つのクライアント#1〜#4から伝送するデータを取得し、クライアント#1及び#2から取得したデータを4本のサブキャリアを有するチャネル#1で伝送し、クライアント#3及び#4から取得したデータを2本のサブキャリアを有するチャネル#2で伝送し、2本のサブキャリアを有する共有予備系パスでパリティを伝送する。なお、送信システム3Aにおいて、送信システム3が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
送信パリティ結合器37は、部分パリティ生成器322により生成された部分パリティと部分パリティ生成器326により生成された部分パリティとを、電気クロスコネクト装置31を介して入力する。送信パリティ結合器37は、入力する部分パリティそれぞれの位相同期を合わせずに、入力した順序で部分パリティを結合して結合パリティを生成する。送信パリティ結合器37は、生成した結合パリティをフレームのペイロード部分に割り当てた後に送信機35に出力する。
図9は、第2の実施形態における送信システム3Aの動作を示す図である。チャネル#1のサブキャリア#1−1〜#1−4において伝送する伝送データは、時分割多重器321において生成される。チャネル#2のサブキャリア#2−1〜#2−2において伝送するデータは、時分割多重器325において生成される。部分パリティ生成器322は、サブキャリア#1−1〜#1−4の伝送データのペイロード部分から部分パリティ#1−1及び#1−2を生成する。部分パリティ生成器326は、サブキャリア#2−1〜#2−2の伝送データのペイロード部分から部分パリティ#2−1及び#2−2を生成する。部分パリティ#1−1〜#1−2及び#2−1〜#2−2は、電気クロスコネクト装置31を介して送信パリティ結合器37へ伝達される。
送信パリティ結合器37は、入力される部分パリティを時間軸上で分割し、送信機35へ出力するフレームに割り当てる際に結合してマッピングする。図9に示す例では、送信パリティ結合器37は、部分パリティ#1−1と部分パリティ#2−1と結合して結合パリティ#1を生成し、部分パリティ#1−2と部分パリティ#2−2とを結合して結合パリティ#2を生成する。結合パリティ#1と結合パリティ#2とは、送信機35によりそれぞれ伝送される。どのように分割された部分パリティが結合され結合パリティを構成しているかというマッピングデータは、結合パリティを伝送するフレームのペイロードとは別にオーバーヘッドなどで伝送される。マッピングの際の部分パリティのフレーム位相の検出には、専用のヘッダーを新たに付与してもよいし、位相の先頭を表現するための信号線を新たに設けることで検出してもよい。
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態における送信システム3Bの構成を示すブロック図である。同図に示すように、光伝送システムに用いられる送信システム3Bは、電気クロスコネクト装置31、2個のボード32A(32A−1及び32A−2)、8個の送信機35及び光クロスコネクト装置36を備える。送信システム3Bは、第1の実施形態における送信システム3(図6)の変形例であり、送信システム3と同様に、4つのクライアント#1〜#4から伝送するデータを取得し、クライアント#1及び#2から取得したデータを4本のサブキャリアを有するチャネル#1で伝送し、クライアント#3及び#4から取得したデータを2本のサブキャリアを有するチャネル#2で伝送し、2本のサブキャリアを有する共有予備系パスでパリティを伝送する。なお、送信システム3Bにおいて、送信システム3が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
ボード32A−1は、時分割多重器321と部分パリティ生成結合器328とを備える。ボード32A−2は、時分割多重器325と部分パリティ生成結合器329とを備える。部分パリティ生成結合器328は、時分割多重器321から入力する4つの伝送データそれぞれのペイロード部分から2本のサブキャリアで伝送可能なデータ量の部分パリティを生成する。部分パリティ生成結合器328は、電気クロスコネクト装置31を介して、2サブキャリア分の部分パリティをボード32A−2の部分パリティ生成結合器329へ出力する。部分パリティ生成結合器329は、時分割多重器325から入力する2つの伝送データそれぞれのペイロード部分から2本のサブキャリアで伝送可能なデータ量の部分パリティを生成する。部分パリティ生成結合器329は、生成した2つの部分パリティと、部分パリティ生成結合器328から入力した部分パリティとを結合して、2サブキャリア分の結合パリティを生成する。部分パリティ生成結合器329は、生成した結合パリティを、共有予備系パスの伝送を行う送信機35へ出力する。
図11は、第3の実施形態における送信システム3Bの動作を示す図である。チャネル#1のサブキャリア#1−1〜#1−4において伝送する伝送データは、時分割多重器321において生成される。チャネル#2のサブキャリア#2−1〜#2−2において伝送するデータは、時分割多重器325において生成される。部分パリティ生成結合器328は、サブキャリア#1−1〜#1−4の伝送データのペイロード部分から部分パリティ#1−1及び#1−2を生成する。部分パリティ生成結合器329は、サブキャリア#2−1〜#2−2の伝送データのペイロード部分から部分パリティ#2−1及び#2−2を生成する。また、部分パリティ生成結合器329は、生成した部分パリティ#2−1及び#2−2と、部分パリティ生成結合器328が生成した部分パリティ#1−1及び#1−2とを結合して結合パリティ#1及び#2を生成する。結合パリティ#1と結合パリティ#2とは、送信機35によりそれぞれ伝送される。
上述のように、第3の実施形態における送信システム3Bは、第1及び第2の実施形態における送信システム3及び3Aと異なり、部分パリティを結合する構成要素を一元的に備えるのではなく、部分パリティを生成する処理と部分パリティを結合する処理とを実施する部分パリティ生成結合器328を備える。部分パリティ生成結合器328は、所定の順序でカスケード接続されており、部分パリティの生成と部分パリティの結合とを繰り返すことで、伝送する結合パリティを生成する。
なお、部分パリティ生成結合器328内に第1の実施形態における位相整合器33を設けて、ペイロードのフレーム位相を同期させた後に部分パリティを結合するようにしてもよい。また、第2の実施形態のように、位相整合器33を設けずに部分パリティを時間軸上で分割した後に結合して結合パリティを生成し、マッピングデータをペイロードとは別に伝送するようにしてもよい。部分パリティのフレーム位相の検出のために、専用のヘッダーを新たに付与してもよいし、位相の先頭を表現するための信号線を新たに設けてもよい。
(第4の実施形態)
図12は、第4の実施形態における送信システム4の構成を示すブロック図である。同図に示すように、光伝送システムに用いられる送信システム4は、3個の部分パリティ生成器41−1〜41−3、電気クロスコネクト装置42、送信パリティ結合器43、4個の時分割多重器44−1〜44−4、8個の送信機45及び光クロスコネクト装置46を備える。同図に示す例では、4つのクライアント#1及び#2から伝送するデータを取得し、クライアント#1から取得したデータを4本のサブキャリアを有するチャネル#1で伝送し、クライアント#2から取得したデータを2本のサブキャリアを有するチャネル#2で伝送し、2本のサブキャリアを有する共有予備系パスでパリティを伝送する。すなわち、送信システム3は、8本のサブキャリアを用いたマルチキャリア伝送を行う。送信機45は、サブキャリアに一対一に対応して設けられている。
部分パリティ生成器41−1は、クライアント#1から伝送するデータを取得し、取得したデータを電気クロスコネクト装置42へ出力する。また、部分パリティ生成器41−1は、取得したデータから部分パリティを生成し、生成した部分パリティを電気クロスコネクト装置42へ出力する。部分パリティ生成器41−2は、部分パリティ生成器41−1がクライアント#1から取得するデータと異なるデータをクライアント#1から取得し、取得したデータを電気クロスコネクト装置42へ出力する。また、部分パリティ生成器41−2は、取得したデータから部分パリティを生成し、生成した部分パリティを電気クロスコネクト装置42へ出力する。部分パリティ生成器41−3は、クライアント#2から伝送するデータを取得し、取得したデータを電気クロスコネクト装置42へ出力する。また、部分パリティ生成器41−3は、取得したデータから部分パリティを生成し、生成した部分パリティを電気クロスコネクト装置42へ出力する。
電気クロスコネクト装置42は、部分パリティ生成器41−1から入力されるデータを時分割多重器44−1へ出力し、部分パリティ生成器41−2から入力されるデータを時分割多重器44−2へ出力し、部分パリティ生成器41−3から入力されるデータを時分割多重器44−3へ出力する。また、電気クロスコネクト装置42は、部分パリティ生成器41−1〜41−3それぞれから入力される部分パリティを送信パリティ結合器43へ出力する。
送信パリティ結合器43は、部分パリティ生成器41−1〜41−3それぞれから出力される部分パリティを結合して結合パリティを生成する。送信パリティ結合器43は、生成した結合パリティを時分割多重器44−4へ出力する。時分割多重器44−4は、入力される結合パリティを時分割多重して、2本のサブキャリアで伝送可能なデータ量の2つの伝送データを生成する。時分割多重器44−4は、生成した2つ伝送データを送信機45へ出力する。
時分割多重器44−1は、電気クロスコネクト装置42を介して部分パリティ生成器41−1から入力されるデータを時分割多重して、2本のサブキャリアそれぞれで伝送する2つの伝送データ(フレーム)を生成する。時分割多重器44−1は、生成した伝送データを送信機45へ出力する。時分割多重器44−2は、電気クロスコネクト装置42を介して部分パリティ生成器41−2から入力されるデータを時分割多重して、2本のサブキャリアそれぞれで伝送する2つの伝送データを生成する。時分割多重器44−2は、生成した伝送データを送信機45へ出力する。時分割多重器44−3は、電気クロスコネクト装置42を介して部分パリティ生成器41−3から入力されるデータを時分割多重して、2本のサブキャリアそれぞれで伝送する2つの伝送データを生成する。時分割多重器44−3は、生成した伝送データを送信機45へ出力する。
送信機45それぞれは、時分割多重器44−1〜44−4から出力される伝送データを光変調し、光変調で得られた光信号を送出する。光クロスコネクト装置46は、送信機45それぞれから送出された光信号を伝送路ごとに分けるなどして送出する。
なお、図12に示す構成では、4本のサブキャリアを有するチャネル#1及び2本のサブキャリアを有するチャネル#2それぞれで伝送するデータに対する時分割多重を行う前に部分パリティを生成し、生成したパリティを結合した後に時分割多重して2本のサブキャリアを有する共有予備系パスを用いて伝送している。しかし、共有予備系パスのサブキャリア数は、パリティ生成のためのパリティ生成行列のサイズ内である限り任意の数で構わない。また、図12に示す構成では、チャネルごとに部分パリティ生成器が設けられているが、チャネルを複数のサブキャリア単位に分割して部分パリティを生成したり、チャネルに跨がったサブキャリアで伝送されるデータを用いて部分パリティを生成したりしても構わない。
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態における受信システム5の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、光伝送システムに用いられる受信システム5は、光クロスコネクト装置51、8個の受信機52、制御装置53、ボード54、ボード55、受信パリティ結合器56、復号器57及び電気クロスコネクト装置58を備える。同図に示す例では、4本のサブキャリアを有する現用系パスのチャネル#1と、2本のサブキャリアを有する現用系パスのチャネル#2と、2本のサブキャリアを有する共有予備系パスとの光信号を受信する。すなわち、受信システム5は、8本のサブキャリアを用いたマルチキャリア伝送を行う。受信機52は、サブキャリアに一対一に対応して設けられている。ボード54は、部分パリティ生成器541、スイッチ542及び時分割分離器543を備える。ボード55は、部分パリティ生成器551、スイッチ552及び時分割分離器553を備える。
光クロスコネクト装置51は、受信システム5に伝送される光信号を、各光信号に対応する受信機52へ出力する。チャネル#1の光信号を受信する受信機52は、受信する光信号を光復調して得られた伝送データをボード54へ出力する。チャネル#2の光信号を受信する受信機52は、受信する光信号を光復調して得られた伝送データをボード55へ出力する。共有予備系パスの光信号に対応する受信機52は、受信する光信号を復調して得られた結合パリティを受信パリティ結合器56へ出力する。
ボード54において、受信機52から入力される4つの伝送データは、それぞれが2つにコピーされて部分パリティ生成器541とスイッチ542とへ入力される。部分パリティ生成器541は、入力する4つの伝送データから2サブキャリア分の部分パリティを算出し、算出した部分パリティを電気クロスコネクト装置58へ出力する。
スイッチ542は、入力する4つの伝送データと電気クロスコネクト装置58を介して復号器57から入力する2つの伝送データとのうち、正常に復号された4つの伝送データを時分割分離器543へ出力する。スイッチ542は、入力する4つの伝送データに対応するサブキャリアに障害が発生していない場合、当該4つの伝送データを時分割分離器543へ出力し、入力する4つの伝送データに対応するサブキャリアに障害が発生している場合、入力する4つの伝送データのうち障害が発生していないサブキャリアの伝送データと、復号器57から入力する伝送データとを時分割分離器543へ出力する。
時分割分離器543は、4つの伝送データに対して時分割分離を行い、クライアント#1宛のデータとクライアント#2宛のデータとに分離する。時分割分離器543は、分離して得られたクライアント#1宛及びクライアント#2宛のデータを電気クロスコネクト装置58へ出力する。
ボード55において、受信機52から入力される2つの伝送データは、それぞれが2つにコピーされて部分パリティ生成器551とスイッチ552とへ入力される。部分パリティ生成器551は、入力する2つの伝送データから2サブキャリア分の部分パリティを算出し、算出した部分パリティを電気クロスコネクト装置58へ出力する。
スイッチ552は、入力する2つの伝送データと電気クロスコネクト装置58を介して復号器57から入力する2つの伝送データとのうち、正常に復号された2つの伝送データを時分割分離器553へ出力する。スイッチ552は、入力する2つの伝送データに対応するサブキャリアに障害が発生していない場合、当該2つの伝送データを時分割分離器553へ出力し、入力する2つの伝送データに対応するサブキャリアに障害が発生している場合、入力する2つの伝送データのうち障害が発生していないサブキャリアの伝送データと、復号器57から入力する伝送データとを時分割分離器553へ出力する。
時分割分離器553は、2つの伝送データに対して時分割分離を行い、クライアント#3宛のデータとクラインと#4宛のデータとに分離する。時分割分離器553は、分離して得られたクライアント#3宛及びクライアント#4宛のデータを電気クロスコネクト装置58へ出力する。
受信パリティ結合器56は、部分パリティ生成器541及び部分パリティ生成器551で生成された部分パリティを、電気クロスコネクト装置58を介して入力する。受信パリティ結合器56は、共有予備系パスで伝送された結合パリティと、入力した部分パリティとを結合して得られたパリティを復号器57へ出力する。なお、受信パリティ結合器56は、部分パリティ及び結合パリティを結合する際に、フレームの位相を検出して同期させた後に結合を行ってもよい。また、受信パリティ結合器56は、受信機52それぞれから位相の先頭を指示する信号を取得して同期させた後に結合を行ってもよい。復号器57は、制御装置53の制御を受けて、障害が発生しているサブキャリアに対応する伝送データを、受信パリティ結合器56から入力したパリティに基づいて復号する。復号器57は、復号した伝送データを電気クロスコネクト装置58へ出力する。
電気クロスコネクト装置58は、復号器57から入力される伝送データを、ボード54のスイッチ542とボード55のスイッチ552とへ出力する。また、電気クロスコネクト装置58は、ボード54の時分割分離器543から入力されるデータを、当該データの宛先に応じてクライアント#1とクライアント#2とへ送出する。また、電気クロスコネクト装置58は、ボード55の時分割分離器553から入力されるデータを、当該データの宛先に応じてクライアント#3とクライアント#4とへ送出する。
なお、受信システム5において、部分パリティ生成器541及び551で生成された部分パリティを、電気クロスコネクト装置58を介して受信パリティ結合器56へ入力することに代えて、部分パリティ生成器541及び551と受信パリティ結合器56とを直接バス接続して当該バスで入力してもよい。復号器57とスイッチ542及び552との間は、電気クロスコネクト装置58を介さずに直接バスにより接続しても構わない。
図14は、第5の実施形態における受信システム5の動作を示す図である。光信号の受信前に部分パリティ生成器541及び551、スイッチ542及び552、受信パリティ結合器56、復号器57は、制御装置53からのメッセージにより初期化される。部分パリティ生成器541及び551は部分パリティ生成のためのパラメタを制御装置53から取得する。スイッチ542及び552は、受信データを現用系パスから受け取り、時分割分離器543及び553へ出力するように設定される。受信パリティ結合器56は、共有予備系パスの結合パリティと、部分パリティ生成器541及び551からの部分パリティとをどのように結合させるのかを示すマッピングデータが設定される。復号器57は、復号演算のためのパラメタが設定される。初期設定以降、部分パリティ生成器541及び551は、障害が発生していないサブキャリアの伝送データから部分パリティの生成を開始する。受信パリティ結合器56は、共有予備系パスの結合パリティと、生成された部分パリティとの結合を開始する。
あるサブキャリアにおいて障害が発生した際には、障害が発生したサブキャリアで光信号を受信している受信機52から制御装置53へ障害発生が通知される。制御装置53は、いずれのチャネルのどのサブキャリアで障害が発生したかを、部分パリティ生成器541及び551と復号器57と電気クロスコネクト装置58とに通知する。これにより、部分パリティ生成器541又は部分パリティ生成器551は、障害が発生したサブキャリアの伝送データを部分パリティの生成から除外し、障害が発生していないサブキャリアの伝送データから部分パリティを生成する。障害が発生したサブキャリアの伝送データを入力するスイッチ542又はスイッチ552は、復号器57により復号された伝送データを取得し、時分割分離器543又は時分割分離器553へ出力するように設定される。復号器57は、障害が発生したサブキャリアの伝送データを復号するための演算を行い、復号された伝送データは電気クロスコネクト装置58及びスイッチ542、552を介して時分割分離器543、553へ入力される。
障害が発生したサブキャリアの伝送路における部品交換などにより伝送路が復旧した場合、当該サブキャリアの受信機52において障害復旧が検出されると、復旧通知が制御装置53を介して部分パリティ生成器541及び551、スイッチ542及び552、復号器57及び電気クロスコネクト装置58へと入力される。制御装置53に入力される復旧通知は、ネットワーク全体を制御する上位の装置から入力されても構わない。通知を受けた部分パリティ生成器541及び551は、復旧したサブキャリアの伝送データも含めて部分パリティを生成する。また、スイッチ542及び552は、受信機52で受信した伝送データをそのまま時分割分離器543及び553へ出力するように切り戻しを行う。復号器57は復旧したサブキャリアの伝送データの復号を停止し、電気クロスコネクト装置58は復号された伝送データのスイッチ542又はスイッチ552への転送を停止する。
(第6の実施形態)
図15は、第6の実施形態における受信システム5Aの構成を示すブロック図である。同図に示すように、光伝送システムに用いられる受信システム5Aは、光クロスコネクト装置51、8個の受信機52、制御装置53、ボード54A及び55A、受信パリティ結合器56A、復号器57及び電気クロスコネクト装置58を備える。受信システム5Aは、第5の実施形態における受信システム5(図13)の変形例であり、受信システム5と同様に、4本のサブキャリアを有する現用系パスのチャネル#1と、2本のサブキャリアを有する現用系パスのチャネル#2と、2本のサブキャリアを有する共有予備系パスとの光信号を受信する。なお、受信システム5Aにおいて、受信システム5が備える構成要素と同じ構成要素に対しては同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
ボード54Aは、部分パリティ生成結合器545、スイッチ542及び時分割分離器543を備える。ボード54Aは、部分パリティ生成器541に代えて部分パリティ生成結合器545を備えている点が、第1の実施形態におけるボード54と異なる。部分パリティ生成結合器545は、受信機52から入力する4つの伝送データから2サブキャリア分の部分パリティを算出し、算出した部分パリティをボード55へ出力する。
ボード55Aは、部分パリティ生成結合器555、スイッチ552及び時分割分離器553を備える。ボード55Aは、部分パリティ生成器551に代えて部分パリティ生成結合器555を備えている点が、第1の実施形態におけるボード55と異なる。部分パリティ生成結合器555は、受信機52から入力する2つの伝送データから2サブキャリア分の部分パリティを算出する。また、部分パリティ生成結合器555は、算出した2サブキャリア分の部分パリティと、ボード54Aの部分パリティ生成結合器545から出力される2サブキャリア分の部分パリティとを結合する。部分パリティ生成結合器555は、結合により得られた結合パリティを受信パリティ結合器56Aへ出力する。
受信パリティ結合器56Aは、部分パリティ生成結合器555から出力される結合パリティと、共有予備系パスで伝送された結合パリティとを結合して得られたパリティを復号器57へ出力する。
第6の実施形態における受信システム5Aでは、部分パリティ生成結合器555は、接続されている受信機52それぞれから入力する伝送データから部分パリティを生成するとともに、カスケード接続された部分パリティ生成結合器545により生成された部分パリティとを結合して結合パリティを生成する。ボード54及び55に備えられた部分パリティ生成結合器545及び555のように、部分パリティの生成と新たな結合パリティの生成とを行う部分パリティ生成結合器555をカスケード接続して、受信パリティ結合器56Aへ出力する結合パリティを生成することで、ボード55Aの増設が容易になる。
図16は、第6の実施形態における受信システム5Aの動作を示す図である。光信号の受信前を部分パリティ生成結合器545及び555と復号器57とは、制御装置53からのメッセージにより初期化される。部分パリティ生成結合器545及び555は、部分パリティ生成のためのパラメタと、生成した部分パリティと入力した結合パリティとを結合するためのマッピングデータとを制御装置53から取得する。スイッチ542及び552は、現用系パスから入力した伝送データを時分割分離器543及び553へ出力するように設定される。受信パリティ結合器56Aは、共有予備系パスの結合パリティと部分パリティ生成結合器555から入力する結合パリティとをどのように結合させるのかを示すマッピングデータが設定される。復号器57は、復号演算のためのパラメタが設定される。初期設定以降、部分パリティ生成結合器545及び555は、障害が発生していないサブキャリアの伝送データを用いた部分パリティの生成を開始し、受信パリティ結合器56Aは、共有予備系パスの結合パリティと、部分パリティ生成結合器555が生成した結合パリティと結合を開始する。
あるサブキャリアにおいて障害が発生した際には、障害が発生したサブキャリアで光信号を受信している受信機52から制御装置53へ障害発生が通知される。制御装置53は、いずれのチャネルのどのサブキャリアで障害が発生したかを、部分パリティ生成結合器545及び555と復号器57と電気クロスコネクト装置58とに通知する。これにより、部分パリティ生成結合器545又は部分パリティ生成結合器555は、障害が発生したサブキャリアの伝送データを部分パリティの生成から除外し、障害が発生していないサブキャリアの伝送データから部分パリティを生成する。障害が発生したサブキャリアの伝送データを入力するスイッチ542又はスイッチ552は、復号器57により復号された伝送データを取得し、時分割分離器543又は時分割分離器553へ出力するように設定される。復号器57は、障害が発生したサブキャリアのデータを復号するための演算を行い、復号された伝送データは電気クロスコネクト装置58及びスイッチ542、552を介して時分割分離器543、553へ入力される。
障害発生したサブキャリアの伝送路における部品交換などにより伝送路が復旧した場合、当該サブキャリアの受信機52において障害復旧が検出されると、復旧通知が制御装置53を介して部分パリティ生成結合器545及び555、スイッチ542及び552、復号器57及び電気クロスコネクト装置58へと入力される。制御装置53に入力される復旧通知は、ネットワーク全体を制御する上位の装置から入力されても構わない。通知を受けた部分パリティ生成結合器545及び555は、復旧したサブキャリアの伝送データも含めて部分パリティを生成する。また、スイッチ542及び552は、受信機52で受信した伝送データをそのまま時分割分離器543及び553へ出力するように切り戻しを行う。復号器57は復旧したサブキャリアの伝送データの復号を停止し、電気クロスコネクト装置58は復号された伝送データのスイッチ542又はスイッチ552への転送を停止する。
(第7の実施形態)
図17は、第7の実施形態における送信システム6の構成を示す図である。同図に示す送信システム6は、ITU−T G.709によって約100Gbit/sを単位とした複数の物理リンクを束ねて1つの広帯域の論理リンクを構成するOTUCnを用いたマルチキャリア伝送を行う構成である。同図に示すように、送信システム6は、マッピング部605、OH処理部610、ODU−SW615、多重化部620、フレーミング部625、インタリーブ部630、複数のOH処理部635、複数のマルチレーン送信部640、複数の部分パリティ生成器645、送信パリティ結合器650、インタリーブ部655、OH処理部660及び複数のマルチレーン送信部665を備える。送信システム6は、4つのサブキャリアを有する現用系パス(チャネル#1及びチャネル#2)と、2つのサブキャリアを有する共有予備系パス(チャネル#3)とを用いた伝送を行う。
マッピング部605は、クライアント信号を入力し、当該クライアント信号をLO−ODU(Lower Order ODU)にマッピングする。OH処理部610は、マッピング部605によりクライアント信号がマッピングされたLO−ODUにオーバーヘッド処理を行う。多重化部620は、OH処理部610によりオーバーヘッド処理が行われたLO−ODUフレームをODUCnフレームにマッピングした後、複数のODTUフレームを時間多重してODUCnフレームを生成する。フレーミング部625は、多重化部620により生成されたODUCnフレームにオーバーヘッド処理とFECの付加とを行うことによりOTUCnフレームを生成する。インタリーブ部630は、フレーミング部625により生成されたOTUCnフレームの信号をバイトインタリーブして、現用系パスのサブキャリア数である4つのレーン分のOTLCn.nフレームを生成する。複数のOH処理部635それぞれは、インタリーブ部630において生成されたOTLCn.nフレームに、オーバーヘッド処理を行ってマルチレーン送信部640へ出力する。マルチレーン送信部640は、OH処理部635から出力される信号を現用系パスのサブキャリアで伝送する信号として出力する。マルチレーン送信部640から出力される信号は、OTLCn.4n#iの信号として送出される。
複数の部分パリティ生成器645それぞれは、フレーミング部625により生成されたOTUCnフレームのペイロード部分のデータから部分パリティを生成する。送信パリティ結合器650は、各部分パリティ生成器645において生成された部分パリティを結合して結合パリティを生成する。インタリーブ部655は、送信パリティ結合器650により生成された結合パリティをバイトインタリーブして、共有予備系パスのサブキャリア数である2つのレーン分のOTLCn.nフレームを生成する。2つのOH処理部660それぞれは、インタリーブ部655で生成されたOTLCn.nフレームに、オーバーヘッド処理を行ってマルチレーン送信部665へ出力する。マルチレーン送信部665は、OH処理部660から出力される信号を共有予備系パスのサブキャリアで伝送する信号として出力する。マルチレーン送信部665から出力される信号は、OTLCn.4n#iの信号として送出される。
なお、送信パリティ結合器650における部分パリティの結合は、第1の実施形態における処理のように部分パリティの位相を整合させた後に結合してもよいし、第2の実施形態における処理のように部分パリティの位相を整合させずに時分割することで複数のフレームに跨がるようにマッピングして結合してもよい。また、部分パリティのフレーム位相の検出には、部分パリティ生成器645において位相検出用のヘッダーを新たに付与してもよいし、部分パリティ生成器645から送信パリティ結合器650へ位相の先頭を表す信号線を新たに設けてもよい。また、第3の実施形態における処理のように、部分パリティ生成結合器をカスケード接続して部分パリティの生成及び結合を繰り返すことで結合パリティを生成するようにしてもよい。
OTNのフレームに含まれるオーバーヘッド(OH)、ペイロード及びFECに対するパリティの生成方法、マッピング方法や、パリティを伝送しているサブキャリアの識別は、特許文献2に記載されている第九の実施形態の処理に準じることで実現可能である。また、ペイロード部分のパリティを生成する際に、第2の実施形態のように部分パリティを複数のフレームにマッピングした後に結合する場合、マッピングデータを伝送する必要がある。例えば、図18に示すテーブルをマッピングデータとして共有予備系パスでフレームごと送出したり、MFAS(Multi-Frame Alignment Signal)を用いたマルチフレーム転送をしたりすることにより、外部手段を用いることなく格納情報の設定や更新を行うことが可能である。図18は、マッピングデータの一例を示す図である。マッピングデータには、チャネル番号とサブキャリア番号とフレーム位相との組み合わせが対応付けて記憶されている。
(第8の実施形態)
図19は、第8の実施形態における送信システム6Aの構成を示す図である。同図に示す送信システム6Aは、ITU−T G.709によって約100Gbit/sを単位とした複数の物理リンクを束ねて1つの広帯域の論理リンクを構成するOTUCnを用いたマルチキャリア伝送を行う構成である。同図に示すように、送信システム6Aは、マッピング部605、OH処理部610、ODU−SW615、多重化部620、フレーミング部625、インタリーブ部630、複数のOH処理部635、複数のマルチレーン送信部640、複数の部分パリティ生成器645、送信パリティ結合器650、OH処理部660及び複数のマルチレーン送信部665を備える。送信システム6Aは、第7の実施形態における送信システム6(図17)の変形例であり、送信システム6と同様に、4つのサブキャリアを有する現用系パス(チャネル#1及びチャネル#2)と、2つのサブキャリアを有する共有予備系パス(チャネル#3)とを用いた伝送を行う。なお、送信システム6Aにおいて、送信システム6が備える構成要素に対しては同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
複数の部分パリティ生成器645それぞれは、インタリーブ部630により生成されたOTUCn.nフレームのペイロード部分のデータから部分パリティを生成する。送信パリティ結合器650は、各部分パリティ生成器645において生成された部分パリティを結合して結合パリティを生成し、共有予備系パスのサブキャリア数である2つのレーン分のOTLCn.nフレームを生成する。2つのOH処理部660それぞれは、送信パリティ結合器650で生成されたOTLCn.nフレームに、オーバーヘッド処理を行ってマルチレーン送信部665へ出力する。マルチレーン送信部665は、OH処理部660から出力される信号を共有予備系パスのサブキャリアで伝送する信号として出力する。マルチレーン送信部665から出力される信号は、OTLCn.4n#iの信号として送出される。
なお、送信パリティ結合器650における部分パリティの結合は、第1の実施形態における処理のように部分パリティの位相を整合させた後に結合してもよいし、第2の実施形態における処理のように部分パリティの位相を整合させずに時分割することで複数のフレームに跨がるようにマッピングして結合してもよい。また、部分パリティのフレーム位相の検出には、部分パリティ生成器645において位相検出用のヘッダーを新たに付与してもよいし、部分パリティ生成器645から送信パリティ結合器650へ位相の先頭を表す信号線を新たに設けてもよい。また、第3の実施形態における処理のように、部分パリティ生成結合器をカスケード接続して部分パリティの生成及び結合を繰り返すことで結合パリティを生成するようにしてもよい。
OTNのフレームに含まれるオーバーヘッド(OH)、ペイロード及びFECに対するパリティの生成方法、マッピング方法や、パリティを伝送しているサブキャリアの識別は、特許文献2に記載されている第九の実施形態の処理に準じることで実現可能である。また、ペイロード部分のパリティを生成する際に、第2の実施形態のように部分パリティを複数のフレームにマッピングした後に結合する場合、マッピングデータを伝送する必要が場合には第7の実施形態の処理に準じることで実現可能である。
(第9の実施形態)
図20は、第9の実施形態における送信システム6Bの構成を示す図である。同図に示す送信システム6Bは、ITU−T G.709によって約100Gbit/sを単位とした複数の物理リンクを束ねて1つの広帯域の論理リンクを構成するOTUCnを用いたマルチキャリア伝送を行う構成である。同図に示すように、送信システム6Bは、マッピング部605、OH処理部610、ODU−SW615、多重化部620、フレーミング部625、インタリーブ部630、複数のOH処理部635、複数のマルチレーン送信部640、複数の部分パリティ生成器645、送信パリティ結合器650及び複数のマルチレーン送信部665を備える。送信システム6Bは、第7の実施形態における送信システム6(図17)の変形例であり、送信システム6と同様に、4つのサブキャリアを有する現用系パス(チャネル#1及びチャネル#2)と、2つのサブキャリアを有する共有予備系パス(チャネル#3)とを用いた伝送を行う。なお、送信システム6Bにおいて、送信システム6が備える構成要素に対しては同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
複数の部分パリティ生成器645それぞれは、OH処理部635により生成されたOTLCn.n#iフレームのペイロード部分のデータから部分パリティを生成する。送信パリティ結合器650は、各部分パリティ生成器645において生成された部分パリティを結合して結合パリティを生成し、共有予備系パスのサブキャリア数である2つのレーン分のOTLCn.n#iフレームを生成し、マルチレーン送信部665へ出力する。マルチレーン送信部665は、送信パリティ結合器650から出力される信号を共有予備系パスのサブキャリアで伝送する信号として出力する。マルチレーン送信部665から出力される信号は、OTLCn.n#iの信号として送出される。
なお、送信パリティ結合器650における部分パリティの結合は、第1の実施形態における処理のように部分パリティの位相を整合させた後に結合してもよいし、第2の実施形態における処理のように部分パリティの位相を整合させずに時分割することで複数のフレームに跨がるようにマッピングして結合してもよい。また、部分パリティのフレーム位相の検出には、部分パリティ生成器645において位相検出用のヘッダーを新たに付与してもよいし、部分パリティ生成器645から送信パリティ結合器650へ位相の先頭を表す信号線を新たに設けてもよい。また、第3の実施形態における処理のように、部分パリティ生成結合器をカスケード接続して部分パリティの生成及び結合を繰り返すことで結合パリティを生成するようにしてもよい。
OTNのフレームに含まれるオーバーヘッド(OH)、ペイロード及びFECに対するパリティの生成方法、マッピング方法や、パリティを伝送しているサブキャリアの識別は、特許文献2に記載されている第九の実施形態の処理に準じることで実現可能である。また、ペイロード部分のパリティを生成する際に、第2の実施形態のように部分パリティを複数のフレームにマッピングした後に結合する場合、マッピングデータを伝送する必要が場合には第7の実施形態の処理に準じることで実現可能である。
(第10の実施形態)
図21は、第10の実施形態における受信システム7の構成を示す図である。同図に受信システム7は、ITU−T G.709によって約100Gbit/sを単位とした複数の物理リンクを束ねて1つの広帯域の論理リンクを構成するOTUCnを用いたマルチキャリア伝送を行う構成である。同図に示すように、受信システム7は、制御装置705、複数のマルチレーン受信部710、複数のOH処理部715、複数のデインタリーブ部720、複数のデフレーミング部760、複数のマージ部725、複数のマルチレーン受信部730、複数のOH処理部735、複数の部分パリティ生成器745、受信パリティ結合器750、復号器755、複数の逆多重化部770、ODU−SW765、複数のOH処理部775及び複数のデマッピング部780を備える。受信システム7は、4つのサブキャリアを有する現用系パス(チャネル#1及びチャネル#2)と、2つのサブキャリアを有する共有予備系パス(チャネル#3)とを用いた伝送を行う。
制御装置705は、受信システム7に備えられる構成要素それぞれを制御し、現用系パス(チャネル#1及びチャネル#2)のサブキャリアに障害が発生した場合に障害の影響を受けない伝送データと共有予備系パス(チャネル#3)で伝送されるパリティとを用いて障害の発生したサブキャリアの伝送データを復元し、正常な受信処理を継続させる。
現用系パスの各サブキャリアに対応する複数のマルチレーン受信部710は、OTLCn.4n#iの信号を受信し、受信した信号をOH処理部715へ出力する。OH処理部715は、マルチレーン受信部710が出力するOTLCn.4n#iのOHに設定されているFASやMFASに基づいてフレームの先頭を検出する。OH処理部715は、フレームの先頭を検出することにより、遅延時間差を補償したOTLCn.n#iのフレームをデインタリーブ部720へ出力する。デインタリーブ部720は、各OH処理部715から出力されるOTLCn.nのフレームをデインタリーブし、1つのOTUCnフレームを生成する。
なお、現用系パスのサブキャリアにおいて障害が発生している場合、デインタリーブ部720は障害発生現用系パスのサブキャリアのデータとしてスタッフバイトを挿入する。図22は、現用系パスチャネル#1又は#2のサブキャリアにおいて障害が発生した場合におけるフレームの概要を示す図である。図22に示すように、デインタリーブ部740は、現用系パスチャネルのサブキャリアにおいて障害が発生すると、当該サブキャリアに対応するデータとしてスタッフバイト(図においてハッチングされた部分)を挿入して、OTUCnフレームを生成する。
デインタリーブ部720は、生成したOTUCnフレームをデフレーミング部760と部分パリティ生成器745とへ出力する。デフレ―ミング部760は、入力されるOTUCnフレームに対してFEC復号を行い、復号したOTUCnフレームから、LO−ODUフレームが時間多重されたODUCnフレームを抽出し、マージ部725へ出力する。
共有予備系パス(チャネル#3)の各サブキャリアに対応する複数のマルチレーン受信部730は、OTLCn.4n#iの信号を受信し受信した信号をOH処理部735へ出力する。OH処理部735は、マルチレーン受信部730が出力するOTLCn.n#iのOHに設定されているFASやMFASに基づいてフレームの先頭を検出する。OH処理部735は、フレームの先頭を検出することにより、遅延時間差を補償したOTLCn.n#iのフレームを受信パリティ結合器750へ出力する。
複数の部分パリティ生成器745それぞれは、デインタリーブ部720により生成されたOTUCnフレームのうち障害の発生していないサブキャリアのOTUCnフレームのペイロード部分のデータから部分パリティを生成する。受信パリティ結合器750は、部分パリティ生成器745それぞれで生成された部分パリティと、OH処理部735から出力される結合パリティとを結合する。受信パリティ結合器750は、結合して得られたパリティを復号器755へ出力する。復号器755は、制御装置705の制御を受けて、障害が発生しているサブキャリアに対応する伝送データ(OTUCnフレーム)を、受信パリティ結合器750から入力するパリティに基づいて復号する。復号器755は、復号した伝送データをマージ部725へ出力する。
マージ部725は、現用系パスのサブキャリアにおいて障害が発生していない場合、制御装置705の制御を受けて、デフレーミング部760から入力されるODUCnフレームを逆多重化部770へ出力する。マージ部725は、現用系パスのサブキャリアにおいて障害が発生している場合、制御装置705の制御を受けて、図22に示したように障害発生によりデータの欠損が発生しているODUCnと、復号器755から入力されるOTUCn.n#iのデータとをマージすることにより、現用系パスのサブキャリアにおいて発生した障害の復旧を行う。マージ部725は復旧を行ったODUCnフレームを逆多重化部770へ出力する。
逆多重化部770は、マージ部725から出力されるODUCnフレームから、クライアント信号が収容されたLO−ODUフレームを抽出し、各LO−ODUフレームをOH処理部775へ出力する。OH処理部775は、逆多重化部770から出力されるLO−ODUフレームに対してオーバーヘッド処理を行い、デマッピング部780へ出力する。デマッピング部780は、OH処理部775から出力されるLO−ODUフレームからクライアント信号を抽出して出力する。
なお、部分パリティ生成器745及び受信パリティ結合器750の構成は、第5の実施形態のように部分パリティ生成器で生成された受信パリティ結合器にて一括で結合する構成でもよいし、第6の実施形態のように部分パリティ生成合成器をカスケード接続して逐次部分パリティの生成と結合を繰り返す構成でもよい。また、部分パリティのフレーム位相の検出には、部分パリティ生成器745において専用のヘッダーを新たに付加してもよいし、部分パリティ生成器745から受信パリティ結合器750へ位相の先頭を示す信号を新たに設けることで検出してもよい。同様に、受信システム7における初期設定時、障害発生時及び復旧時における各構成要素の動作は、第5の実施形態における図14又は第6の実施形態における図16において説明した動作に準じた動作で実現できる。なお、障害検出は、光信号が直接的に検出できなくなるLoS(Loss of Signal)や、FASが検出できずフレームの同期が外れるLoF(Loss of Frame)、フレームに含まれるFECやBIP(Bit interleaved Parity)により行うことができる。
(第11の実施形態)
図23は、第11の実施形態における受信システム7Aの構成を示す図である。同図に受信システム7Aは、ITU−T G.709によって約100Gbit/sを単位とした複数の物理リンクを束ねて1つの広帯域の論理リンクを構成するOTUCnを用いたマルチキャリア伝送を行う構成である。同図に示すように、受信システム7Aは、制御装置705、複数のマルチレーン受信部710、複数のOH処理部715、複数のデインタリーブ部720、複数のデフレーミング部760、複数のマージ部725、複数のマルチレーン受信部730、複数のOH処理部735、複数の部分パリティ生成器745、受信パリティ結合器750、復号器755、複数の逆多重化部770、ODU−SW765、複数のOH処理部775及び複数のデマッピング部780を備える。受信システム7Aは第10の実施形態における受信システム7(図21)の変形例であり、受信システム7同様に、4つのサブキャリアを有する現用系パス(チャネル#1及びチャネル#2)と、2つのサブキャリアを有する共有予備系パス(チャネル#3)とを用いた伝送を行う。なお、受信システム7Aにおいて、受信システム7が備える構成要素に対しては同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
現用系パスの各サブキャリアに対応する複数のマルチレーン受信部710は、OTLCn.4n#iの信号を受信し、受信した信号をOH処理部715へ出力する。OH処理部715は、マルチレーン受信部710が出力するOTLCn.4n#iのOHに設定されているFASやMFASに基づいてフレームの先頭を検出する。OH処理部715は、フレームの先頭を検出することにより、遅延時間差を補償したOTLCn.nのフレームをデインタリーブ部720及び部分パリティ生成器745へ出力する。複数の部分パリティ生成器745は、OH処理部715から出力されるOTLCn.nフレームのうち障害の発生していないサブキャリアにおけるOTLCn.nフレームのペイロード部分から部分パリティを生成し、受信パリティ結合器750へ出力する。その他、受信システム7Aにおける、制御装置705、複数のデインタリーブ部720、複数のマージ部725、複数のマルチレーン受信部730、複数のOH処理部735、複数の部分パリティ生成器745、受信パリティ結合器750、復号器755、複数のデフレーミング部760、ODU−SW765、複数の逆多重化部770、複数のOH処理部775及び複数のデマッピング部780の機能及び処理は第10の実施形態における受信システム7に準じることで実現可能である。
(第12の実施形態)
図24は、第12の実施形態における受信システム7Bの構成を示す図である。同図に受信システム7Bは、ITU−T G.709によって約100Gbit/sを単位とした複数の物理リンクを束ねて1つの広帯域の論理リンクを構成するOTUCnを用いたマルチキャリア伝送を行う構成である。同図に示すように、受信システム7Bは、制御装置705、複数のマルチレーン受信部710、複数のOH処理部715、複数のデインタリーブ部720、複数のデフレーミング部760、複数のマージ部725、複数のマルチレーン受信部730、複数のOH処理部735、複数の部分パリティ生成器745、受信パリティ結合器750、復号器755、複数の逆多重化部770、ODU−SW765、複数のOH処理部775及び複数のデマッピング部780を備える。受信システム7Bは第10の実施形態における受信システム7(図21)の変形例であり、受信システム7同様に、4つのサブキャリアを有する現用系パス(チャネル#1及びチャネル#2)と、2つのサブキャリアを有する共有予備系パス(チャネル#3)とを用いた伝送を行う。なお、受信システム7Bにおいて、受信システム7が備える構成要素に対しては同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
現用系パスの各サブキャリアに対応する複数のマルチレーン受信部710は、OTLCn.4n#iの信号を受信し、受信した信号をOH処理部715及び部分パリティ生成器745へ出力する。複数の部分パリティ生成器745はマルチレーン受信部710から出力されたOTLCn.n#iフレームのうち障害の発生していないサブキャリアにおけるOTLCn.n#iフレームのペイロード部分から部分パリティを生成し、受信パリティ結合器750へ出力する。その他、受信システム7Bにおける、制御装置705、複数のOH処理部715、複数のデインタリーブ部720、複数のマージ部725、複数のマルチレーン受信部730、複数のOH処理部735、複数の部分パリティ生成器745、受信パリティ結合器750、復号器755、複数のデフレーミング部760、ODU−SW765、複数の逆多重化部770、複数のOH処理部775及び複数のデマッピング部780の機能及び処理は第10の実施形態における受信システム7に準じることで実現可能である。
上述した各実施形態における送信システム及び受信システムを組み合わせた光伝送システムによれば、送信システムから受信システムへ伝送する送信パリティ(結合パリティ)を生成する際に、すべてのサブキャリアの伝送データから一度の処理で送信パリティを算出せずに、所定数のサブキャリアの伝送データごとに算出した部分パリティを結合することにより算出する。部分パリティを算出した後に送信パリティを算出する構成にしたことにより、演算対象とする伝送データの数を減らすことができ、回路規模の削減と伝送データを引き回す際の配線及び入出力ポート数を削減することができる。このように、消失訂正符号化に基づいたパリティを用いた信頼性向上を適用したマルチキャリア伝送において、サブキャリア増加に対する障害となっていた、回路規模、配線領域及び入出力ポートの増加を抑えることができるので、信頼性を保ちつつサブキャリアの増加に対応することが容易になる。
具体的には、図26における送信ノードの構成では、送信パリティ生成器92の回路規模と、送信パリティ生成器92に設けられる入力ポート数の上限とによって、消失訂正符号化に基づいたパリティを用いた信頼性向上を適用できるサブキャリア数が制限され、サブキャリア数の増加に対するスケーラビリティが欠如していた。これに対して、図5における送信ノードの構成では、送信パリティ生成器92が行う処理を、複数の部分パリティ生成器12と送信パリティ結合器13とに機能分割している。サブキャリア数を増加させる場合には、増加数に応じた数の部分パリティ生成器12を追加し、追加した部分パリティ生成器12に応じて送信パリティ結合器13を変更することになる。回路ブロックの数は増加するものの、部分パリティ生成器12は分散して配置することが可能である。また、部分パリティ生成器12は、部分パリティを算出する際に用いる伝送データの数を伝送データの一部としているため、その回路規模は伝送データすべてを対象とする場合よりも小さく抑えることが可能である。このように、サブキャリアの増加に対してスケーラブルに対応することが容易になっている。
また、図5における部分パリティ生成器12は、K本以下のサブキャリアをまとめてR本の部分パリティを生成するので、R<Kの場合にはサブキャリアの信号を送信パリティ結合器13へ直接入力する構成に比べ送信パリティ結合器13へ入力する信号の数を減らすことができ、送信パリティ結合器13へ入力する信号の引き回しに必要な配線数を削減することができる。これにより、配線数の削減や電気クロスコネクト装置のスループットの節約に寄与することができる。このように、高信頼化が可能な現用系パスのサブキャリア数に対するスケーラビリティ欠如の原因の一つ送信パリティ結合器13の入力ポート数の制約も緩和することができる。なお、受信パリティ結合器23においても同様である。
また、第3の実施形態における送信システム(図10)では、各ボード32に設けられる部分パリティ生成結合器328が、自身が生成した部分パリティと、他のボード32に設けられる部分パリティ生成結合器328で生成された部分パリティとを結合して出力する構成となっている。この構成により、ボード32を増設する際のパリティに関する変更は、送信機35に入力されている結合パリティを増設するボード32の部分パリティ生成結合器328へ入力し、増設するボード32の部分パリティ生成結合器328が出力する部分パリティを当該送信機35に入力する変更となる。これにより、第1の実施形態の送信システム3や第2の実施形態の送信システム3Aに比べ、サブキャリアの増設又はチャネルの増設が容易になっている。
なお、各実施形態における送信システム又は受信システムにおいて、現用系パスとして2つのチャネル#1及び#2と共有予備系パスとを用いる構成を説明したが、現用系パスとして設けるチャネル数は3つ以上であってもよい。また、各実施形態における現用系パスにおけるサブキャリア数と共有予備系パスにおけるサブキャリア数は一例であり、現用系パス及び共有予備系パスにおけるサブキャリア数は任意である。
また、上述の実施形態では、ODUCnが1.25Gのタイムスロットを有する構成を説明したが一例であり、ODUCnが有するタイムスロット当たりの容量は、1.25G以外であってもよい。
上述した実施形態における送信システムと受信システムとをコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、送信システムと受信システムとが有する構成要素それぞれを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した構成要素の一部を実現するためのものであってもよく、更に前述した構成要素をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。