JP6234508B1 - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、抗菌性を有する金属を含むカンクリナイト様鉱物、粘土鉱物、針葉樹晒しクラフトパルプ及び広葉樹晒しクラフトパルプを含む消臭抗菌繊維製品、並びに表面シートと吸収体との間、該吸収体内、又は該吸収体と裏面シートとの間に、シート状の形態をした消臭抗菌繊維製品を配した吸収性物品が記載されている。
従って、本開示は、カルボキシル基を有する高分子吸収剤を含む吸収性物品において、抗菌性と、吸液性とに優れる吸収性物品を提供することを目的とする。
・カチオン性抗菌剤配置シート
「カチオン性抗菌剤配置シート」は、布帛シートに、カチオン性抗菌剤を配置することにより形成される。
上記布帛シートとしては、吸収性物品を構成する資材のうち、布帛、例えば、不織布、織布、織物等であれば特に制限されず、例えば、液透過性シート、液不透過性シート、コアラップ(上方コアラップ、下方コアラップ)、追加シート、セカンドシート等が挙げられる。
本明細書では、「上方」及び「下方」は、2つの対比すべき要素の厚さ方向の位置関係を表し、一方の要素が、他方の要素の上方にあるとは、一方の要素が、他方の要素よりも、液透過性シートの肌当接面よりにあることを意味し、そして一方の要素が、他方の要素の下方にあるとは、一方の要素が、他方の要素よりも液不透過性シートの着衣当接面よりにあることを意味する。
[態様1]
液透過性シートと、液不透過性シートと、上記液透過性シート及び液不透過性シートの間の吸収コアとを備える吸収性物品であって、
上記吸収コアが、カルボキシル基を有する高分子吸収剤を含み、
上記吸収性物品が、上記吸収コアと、上記液不透過性シートとの間に、カチオン性抗菌剤が配置されたカチオン性抗菌剤配置シートを備える、
ことを特徴とする、上記吸収性物品。
上記カチオン性抗菌剤が、上記カチオン性抗菌剤配置シートに、カチオン性抗菌剤溶液として配置されている、態様1に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品では、カチオン性抗菌剤が、カチオン性抗菌剤配置シートにカチオン性抗菌剤溶液として配置されているので、体液等の液体が、カチオン性抗菌剤配置シートに到達した際に、カチオン性抗菌剤溶液中に溶解したカチオン性抗菌剤が、迅速に体液等の液体に作用することができる。
上記吸収コアが、セルロース系繊維をさらに含む、態様1又は2に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品では、吸収コアがセルロース系繊維をさらに含むので、吸収性物品の使用時間が長くなる等により、カチオン性抗菌剤配置シートに含まれるカチオン性抗菌剤が、吸収した液体に溶解して吸収コアに移動した場合であっても、セルロース系繊維(のヒドロキシル基)が、カチオン性抗菌剤を吸着することができるので、カルボキシル基を有する高分子吸収剤の吸液性が、カチオン性抗菌剤により阻害されにくい。また、カチオン性抗菌剤が、カチオン性抗菌剤配置シートにカチオン性抗菌剤溶液として配置されている場合には、カチオン性抗菌剤溶液が、吸収コアに移動したときに、セルロース系繊維(のヒドロキシル基)が、カチオン性抗菌剤を吸着することができるので、カルボキシル基を有する高分子吸収剤の吸液性が、カチオン性抗菌剤により阻害されにくい。
上記吸収コアが、上記吸収コアの厚さ方向の中心面を境界にして、上方領域及び下方領域に区画され、上記上方領域における上記高分子吸収剤の比率が、上記下方領域における上記高分子吸収剤の比率よりも高い、態様1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
上記吸収コアと、上記カチオン性抗菌剤配置シートとの間に追加シートをさらに含む、態様1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品は、吸収コアと、カチオン性抗菌剤配置シートとの間に追加シートをさらに含むので、カチオン性抗菌剤配置シートに配置されたカチオン性抗菌剤が、カチオン性抗菌剤配置シートから、追加シートを超えて吸収コアに移動しにくくなり、高分子吸収剤の吸液性が、カチオン性抗菌剤により阻害されにくい。また、(i)液透過性シート及び吸収コアを透過し、カチオン性抗菌剤配置シートに到達した液体が、カチオン性抗菌剤を溶解した場合、並びに(ii)カチオン性抗菌剤が、カチオン性抗菌剤配置シートにカチオン性抗菌剤溶液として配置されている場合においても、同様の効果が得られる。
上記追加シートのシート密度が、上記カチオン性抗菌剤配置シートのシート密度よりも低い、態様5に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品では、上記追加シートのシート密度が、カチオン性抗菌剤配置シートのシート密度よりも低い、すなわち、追加シートの毛細管力が、カチオン性抗菌剤配置シートの毛管力より弱い。従って、液透過性シート及び吸収コアを透過し、カチオン性抗菌剤配置シートに到達した液体が、カチオン性抗菌剤を溶解した場合に、液体に溶解したカチオン性抗菌剤が、カチオン性抗菌剤配置シートから追加シートに移動しにくくなり、ひいては液体に溶解したカチオン性抗菌剤が、追加シートを超えて吸収コアに移動しにくくなる。その結果、高分子吸収剤の吸液性が、カチオン性抗菌剤により阻害されにくい。
上記追加シートが、セルロース系繊維を含む、態様5又は6に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品では、追加シートがセルロース系繊維を含むので、カチオン性抗菌剤が、カチオン性抗菌剤配置シートから追加シートに移動した場合であっても、カチオン性抗菌剤が、セルロース系繊維(のヒドロキシル基)に吸着されやすく、カチオン性抗菌剤が、吸収コアに移動しにくくなり、ひいてはカチオン性抗菌剤が、追加シートを超えて吸収コアに移動しにくくなる。その結果、高分子吸収剤の吸液性が、カチオン性抗菌剤により阻害されにくい。また、(i)液透過性シート及び吸収コアを透過し、カチオン性抗菌剤配置シートに到達した液体が、カチオン性抗菌剤を溶解した場合、並びに(ii)カチオン性抗菌剤が、カチオン性抗菌剤配置シートにカチオン性抗菌剤溶液として配置されている場合においても、同様の効果が得られる。
上記追加シートが疎水性を有する、態様5〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品では、追加シートが疎水性を有するので、液透過性シート及び吸収コアを透過し、カチオン性抗菌剤配置シートに到達した、体液等の液体が、カチオン性抗菌剤を溶解した場合に、カチオン性抗菌剤を含む液体が、カチオン性抗菌剤配置シートから、疎水性を有する追加シートを超えて、吸収コアに移動しにくくなる。また、カチオン性抗菌剤が、カチオン性抗菌剤配置シートにカチオン性抗菌剤溶液として配置されている場合にも、カチオン性抗菌剤溶液が、カチオン性抗菌剤配置シートから、疎水性を有する追加シートを超えて、吸収コアに移動しにくくなる。その結果、高分子吸収剤の吸液性が、カチオン性抗菌剤により阻害されにくい。
上記吸収コアと、上記カチオン性抗菌剤配置シートとの間に、液不透過性材料層を有する、態様1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
上記液透過性シートの肌当接面と、上記吸収コアの着衣側面との間にカチオン性抗菌剤が配置されていない、態様1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品では、上記液透過性シートの肌当接面と、上記吸収コアの着衣側面との間にカチオン性抗菌剤が配置されていないので、液透過性シートを透過し、吸収コアに到達する液体が、カチオン性抗菌剤を含みにくい。その結果、高分子吸収剤の吸液性が、カチオン性抗菌剤により阻害されにくい。
[第1実施形態]
図1及び図2は、本開示の実施形態の1つ(以下、「第1実施形態」と称する)に従う吸収性物品1、具体的には、生理用ナプキンを説明するための図である。具体的には、図1は、第1実施形態に従う吸収性物品1の平面図である。図2は、図1に示される吸収性物品1のII−II端面における部分端面図である。
なお、吸収性物品1が、少量から通常量の液体を吸収した場合には、液透過性シート3を透過して吸収コア11に到達した液体は、吸収コア11に含まれる高分子吸収剤17に吸収されるので、液体に菌が繁殖しにくく、液体から悪臭が発生しにくい。
なお、高分子吸収剤17の比率は、吸収コア11、具体的には、高分子吸収剤17及びパルプ繊維19に対する、高分子吸収剤17の質量比を意味する。
図3は、本開示の別の実施形態(以下、「第2実施形態」と称する)に従う吸収性物品1を説明するための図である。具体的には、図3は、図1のII−II端面における部分端面図に相当する。
第2実施形態に従う吸収性物品1は、液透過性シート3と、第1吸収体29と、布帛シート9と、第2吸収体31と、液不透過性シート5とをその順番で備える。
また、第1吸収体29と、第2吸収体31との間には、カチオン性抗菌剤を含むカチオン性抗菌剤配置シート21を構成する布帛シート9が配置されている。なお、第2実施形態に従う吸収性物品1は、第1吸収体29と、布帛シート9とをエンボスすることにより形成されたエンボス部105を備える。
その他の部分は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図4は、本開示の別の実施形態(以下、「第3実施形態」と称する)に従う吸収性物品1を説明するための図である。具体的には、図4は、図1のII−II端面における部分端面図に相当する。
第3実施形態に従う吸収性物品1は、液透過性シート3と、吸収体7と、液不透過性材料層39と、カチオン性抗菌剤配置シート21を構成する布帛シート9と、液不透過性シート5とをその順番で備える。また、吸収体7は、吸収コア11の液透過性シート3よりに配置された上方コアラップ13と、吸収コア11と、吸収コア11の液不透過性シート5よりに配置された下方コアラップ15とを備える。
その他の部分は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
[R(CH3)3N+]lX 式(1)
[R(CH3)N+(CH2CH2O)mH[(CH2CH2O)nH]]lX 式(2)
[R(CH3)2N+CH2C6H5]lX 式(3)
[RPy+]lX 式(4)
(式中、Rは、それぞれ独立して、アルキル基を表し、Xは、それぞれ独立して、1価または2価の陰イオンを表す。lは、それぞれ独立して、1又は2の整数を表し、m及びnは、それぞれ独立して、2〜40の整数を表し、Pyはピリジン環を表す。)
第4級アンモニウム塩は、F-、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物イオン、NO-、およびSO4 2-等との塩であり、電気陰性度が高いCl-等との塩であることが好ましい。
第4級アンモニウム塩の好ましい具体例としては、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化デカリニウム等が挙げられる。
上記金属塩しては、例えば、硝酸塩、例えば、硝酸銀、硝酸アルミニウム、硝酸コバルト、硝酸ジルコニウム、硝酸セリウム、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸ニッケル、酢酸塩、例えば、酢酸銀、塩酸塩、例えば、塩化セリウム、塩化鉄、塩化亜鉛、塩化銅、硫酸塩、例えば、硫酸銀、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸亜鉛等が挙げられる。
上記天然セルロース繊維としては、植物繊維、例えば、パルプ繊維(例えば、木材パルプ、非木材パルプ)、種子毛繊維(例えば、コットン)、じん皮繊維(例えば、麻)、葉脈繊維(例えば、マニラ麻)、果実繊維(例えば、やし)が挙げられる。
上記半合成繊維としては、半合成セルロース、例えば、アセテート繊維、例えば、トリアセテート及びジアセテート等の繊維が挙げられる。
吸収コアの厚さ方向において、高分子吸収剤の比率が一定でない場合には、第1実施形態に示されるように、吸収コアの上方領域における高分子吸収剤の比率が、吸収コアの下方領域における高分子吸収剤の比率よりも好ましくは高く、より好ましくは1.1〜2.0倍高く、そしてさらに好ましくは1.2〜1.8倍高い。吸液性と、抗菌性との両立の観点からである。
また、シートの厚さは、以下の通り測定する。
株式会社大栄科学精器製作所製のFS−60DS(測定子の面積:15cm2)を用いて、シートを、定圧:3g/cm2で加圧し、加圧10秒後の高さを、シートの厚さとして採用する。
上記作用は、カチオン性抗菌剤配置シートが、カチオン性抗菌剤を、カチオン性抗菌剤水溶液として含む場合により顕著である。
上記作用は、カチオン性抗菌剤配置シートが、カチオン性抗菌剤を、カチオン性抗菌剤水溶液として含む場合により顕著である。
3 液透過性シート
5 液不透過性シート
7 吸収体
9 布帛シート
11 吸収コア
13 上方コアラップ
15 下方コアラップ
17 高分子吸収剤
19 パルプ繊維
21 カチオン性抗菌剤配置シート
23 上方領域
25 下方領域
29 第1吸収体
31 第2吸収体
33 高分子吸収剤層
35 第2上方コアラップ
37 第2下方コアラップ
39 液不透過性材料層
101 サイドシート
103 シール部
105 エンボス部
107 固定部
L 長手方向
W 幅方向
T 厚さ方向
Claims (10)
- 液透過性シートと、液不透過性シートと、前記液透過性シート及び液不透過性シートの間の吸収コアとを備える吸収性物品であって、
前記吸収コアが、カルボキシル基を有する高分子吸収剤を含み、
前記吸収性物品が、前記吸収コアと、前記液不透過性シートとの間に、カチオン性抗菌剤が配置されたカチオン性抗菌剤配置シートを備える、
ことを特徴とする、前記吸収性物品。 - 前記カチオン性抗菌剤が、カチオン性抗菌剤溶液として、前記カチオン性抗菌剤配置シートに配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記吸収コアが、セルロース系繊維をさらに含む、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記吸収コアが、前記吸収コアの厚さ方向の中心面を境界にして、上方領域及び下方領域に区画され、前記上方領域における前記高分子吸収剤の比率が、前記下方領域における前記高分子吸収剤の比率よりも高い、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収コアと、前記カチオン性抗菌剤配置シートとの間に追加シートをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
- 前記追加シートのシート密度が、前記カチオン性抗菌剤配置シートのシート密度よりも低い、請求項5に記載の吸収性物品。
- 前記追加シートが、セルロース系繊維を含む、請求項5又は6に記載の吸収性物品。
- 前記追加シートが疎水性を有する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収コアと、前記カチオン性抗菌剤配置シートとの間に、液不透過性材料層を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
- 前記液透過性シートの肌当接面と、前記吸収コアの着衣側面との間にカチオン性抗菌剤が配置されていない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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