JP6233017B2 - フッ化カルシウム光学部材、フッ化カルシウム部材の製造方法、及びフッ化カルシウム単結晶の加工方法 - Google Patents

フッ化カルシウム光学部材、フッ化カルシウム部材の製造方法、及びフッ化カルシウム単結晶の加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、フッ化カルシウム光学部材、フッ化カルシウム部材の製造方法、及びフッ化カルシウム単結晶の加工方法に関し、より詳細にはフッ化カルシウム単結晶を含む光学部材、フッ化カルシウム単結晶を含む部材の製造方法、及びフッ化カルシウム単結晶を塑性加工する方法に関する。
フッ化カルシウム(CaF、蛍石)単結晶は、真空紫外領域から赤外線領域にわたる広い波長領域の光に対して高い透過率を有している。そのためCaF単結晶は光学部材として広く使用されており、例えば、エキシマランプの発光管の材料として用いられている(特許文献1)。
特開2009−163965号公報
しかし、CaF単結晶は内部にへき開面を有するためへき開性を示し、振動や衝撃によって割れやすい。またCaF単結晶は熱衝撃に弱く、石英ガラス等とは異なり火炎加工を適用することができない。それゆえ、CaF単結晶を多様な形状へと加工することは困難である。
そこで、本発明は、前記の課題を解決することを目的とし、多様な形状のCaF光学部材を簡単な方法で加工及び製造することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、
フッ化カルシウム部材の製造方法であって、
フッ化カルシウム単結晶を250℃以上に加熱することと、
加熱されたフッ化カルシウム単結晶に圧力を与えて塑性変形させることとを含む製造方法が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、
フッ化カルシウム単結晶からなる光学部材であって、
塑性変形により成形された透光部を備え、
前記透光部は、波長125nmの光に対して33%以上の透過率を有し、波長130nmの光に対して約70%以上の透過率を有する光学部材が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、
フッ化カルシウム単結晶の加工方法であって、
フッ化カルシウム単結晶を250℃以上に加熱することと、
加熱された前記フッ化カルシウム単結晶に圧力を与えて塑性変形させることとを含む加工方法が提供される。
本発明によれば、多様な形状のCaF部材が提供される。また、多様な形状のCaF部材を容易に得ることのできるCaF部材の製造方法及びCaF単結晶の加工方法が提供される。
図1は、本発明の実施形態に係る光学部材を示し、図1(a)は斜視図であり、図1(b)は断面図である。 図2は、光学部材の製造に用いる中空円筒の斜視図である。 図3は、中空円筒と、それが収容されている炉を示す説明図である。 図4(a)は、塑性加工に用いる閉塞具が中空円筒の端部に配置された状態を示す説明図であり、図4(b)は、中空円筒に生じる塑性変形の様子を示す説明図である。 図5は、曲げ試験に用いる試験片の斜視図である。 図6は、CaF単結晶をへき開面に直交する方向に曲げたときに得られる応力−変位関係を、複数の温度について示すグラフである。 図7は、CaF単結晶をへき開面に平行な方向に曲げたときに得られる応力−変位関係を、複数の温度について示すグラフである。 図8は、CaF単結晶の降伏点と温度との関係を示す。 図9は、3点曲げ試験を行った後のCaF単結晶の様子を温度ごとに示す。 図10は、所定の波長の光に対するCaF単結晶の透過率を、アニール処理の前後について示すグラフである。 図11(a)は、加圧具による塑性加工を説明する説明図であり、図11(b)は、加圧具の伸縮部が伸びた状態を示す。 図12は、本発明の変形例に係る光学部材の斜視図である。 図13は、本発明の変形例に係る光学部材の断面図である。 図14は、本発明の他の実施形態に係る光学部材を示し、図14(a)は斜視図、図14(b)はその加工方法を示す説明図である。
<第1実施形態>
図1〜図13を参照して、本願の第1実施形態について説明する。
本実施形態の光学部材1は、内側に気体を収容し、この気体がプラズマ状態に至ったときにプラズマ光を放射させるCaF管であり、図1(a)に示す通り、中心軸Xを共有する第1円筒部1x及び第2円筒部1yと、中心軸X方向において第1円筒部1xと第2円筒部1yに挟まれ、且つ中心軸Xと同軸上に回転軸を有する球殻部1sとを有する。第1円筒部1x、第2円筒部1y及び球殻部1sは、いずれもCaF単結晶から形成されており、そのへき開面({111}結晶面)は、中心軸X方向に平行な方向に延在する。なお本明細書において「CaF単結晶」とは、一つの結晶からなる文字通りの単結晶のみではなく、2つ以上の数えられる程度の数の結晶からなるCaF結晶であって、CaF単結晶と同程度の光学特性を備えるCaF結晶も含むものとする。
第1円筒部1xと第2円筒部1yはそれぞれ中空円筒であり、それらの内径及びそれらの外径は互いに等しい。球殻部1sは中空球(球殻)であり、その内径及び外径はそれぞれ、第1円筒部1x、第2円筒部1yの内径及び外径よりも大きい。主に光源として作用する球殻部1sは波長125nmの光に対して約33%以上の透過率を有し、波長130nmの光に対して約70%以上の透過率を有する。なお本明細書において「球」及び「球殻」とは、完全な球及び球殻のみではなく、断面が楕円の回転対称体や、完全な球及び球殻並びに断面が楕円の回転対称体の一部が取り除かれた形状や、中心からの外表面、内表面までの距離が一部において周囲とは異なる略球形や略球殻形も含むものとする。
光学部材1は様々な分野で用いることができるが、例えば半導体製造装置の分野では、露光装置の光源、ウエハ検査装置の光源等において用いることができる。この場合は、光学部材1の両端部の開口1A及び開口1Bの少なくとも一方から、光学部材1の内側に気体を与えた後、開口1A及び開口1Bに不図示の蓋を取り付け、気体を密封する。そして内側に気体が密封された光学部材1を任意の保持部材(不図示)によって保持する。この状態で密封した気体、特に球殻部1sの気体に励起光を照射して気体原子(気体分子)をプラズマ状態に至らせることにより、球殻部1sを介して、光学部材1の外部にプラズマ光を取り出すことができる。
本実施形態の光学部材1の効果は以下の通りである。まず、本実施形態の光学部材1は中空球である球殻部1sを有している。よって球殻部1sの内側に気体を密封してここにプラズマによる点光源を形成することで、点光源から放射状に発生する光を、効率良く光学部材1の外部に取り出すことができる。また球殻部1sは波長125nmの光に対して約33%以上の透過率を有しており、波長130nmの光に対して約70%以上の透過率を有している。よって本実施形態の光学部材1によれば、短波長の光を、球殻部1sを介して効率良く外部へ取り出すことができる。
以下、本実施形態の光学部材1の製造方法を説明する。
[中空円筒の形成]
本実施形態の光学部材1の製造においては、まず、CaF単結晶のインゴットに対して削り出し加工を行い、図2に示すような、中心軸Xを有する中空円筒Cを形成する。CaF単結晶のインゴットは、例えば特許第4569872号、特開第2006−327837号等に記載された単結晶製造方法を用いて製造することができる。CaF単結晶のインゴットに対して削り出し加工を行う工程においては、中空円筒Cの中心軸X方向とCaF単結晶のへき開面({111}結晶面)の延在方向とが一致するように削り出しを行う。
[塑性加工]
次に中空円筒Cに塑性加工を施し、第1円筒部1x、第2円筒部1y及び球殻部1sをそれぞれ形成する。塑性加工は、図3に示す炉50の内部において中空円筒Cを加熱及び加圧し、中空円筒Cの一部に塑性変形を生じさせることにより行う。
まず、図3に示す通り、中空円筒Cを炉50の内部に配置し、中空円筒Cの中心軸X方向の中央部Coを囲むように、円環状のヒータ51を配置する。ヒータ51は、中空円筒Cのうち塑性加工の対象となる部分を加熱するためのヒータであり、一例としてニクロムヒータである。ヒータ51は温度制御部52に接続されており、温度制御部52によって温度や温度上昇速度、温度降下速度を詳細に制御することが可能となっている。なお、温度制御部52は炉50内の温度制御、及び後述する中空円筒Cに導入する気体G(図4(a))の温度制御や加圧具65(図11)の温度制御も行うことができる。
次に、図4に示す通り、中空円筒Cの軸X方向の両端部に、閉塞具60を配置する。閉塞具60は、中空円筒Cの内側に高圧で気体Gを密封して、中空円筒Cの内側を高圧状態に維持するためのシール部材である。閉塞具60を配置した後、閉塞具60のバルブ(不図示)に接続された気体出入口61から、中空円筒Cの内部に気体Gを導入し、バルブを閉じて気体出入口61を閉塞する。これにより、中空円筒Cの内側が高圧状態に保持される。この圧力は、一例として4.5MPa以上であることが好ましい。なお、気体Gとしては、N、Arのような不活性ガスを用いることができる。
次に、炉50の内部の気体を、N、Ar等の不活性ガスによって置換して不活性雰囲気にするか、又は炉内の気体を排気して減圧雰囲気とする。その後、温度制御部52によって、炉50の内部を250℃〜1000℃に上昇させる。急激な温度変化によってCaF単結晶に割れ等の破損が生じることを防止するため温度上昇速度を5℃/h〜200℃/hに制御することが好ましい。
次に、温度制御部52によってヒータ51を制御し、中空円筒Cの中心軸X方向の中央部Coを250℃以上、好ましくは250℃以上で1000℃未満に加熱する。炉50内の温度上昇の場合と同様に、急激な温度変化によってCaF単結晶に割れ等の破損が生じることを防止するため、温度上昇速度を5℃/h〜200℃/hに制御するのが好ましい。なお、ヒータ51は中空円筒Cの中央部Coを包囲しているので、ヒータ51の加熱温度を中央部Coの温度とみなすことができる。
中空円筒Cは、その内部に高圧の気体が封止されているので、その内壁は常に気体Gからの圧力を受けて、半径方向外側に加圧された状態にある。このような状態において、ヒータ51によって中空円筒Cの中央部Cを局部的に加熱することによって、加熱により塑性変形が可能な状態に至った中空円筒Cの中央部Coが外側に膨らみ、図4(b)に示すように球殻部1sが形成される。すなわち、中空円筒Cの中央部Co近傍が塑性変形して、第1円筒部1x、第2円筒部1y、球殻部1sを有する光学部材1の形状が得られる。その後、温度制御部52によって、温度降下速度5℃/h〜100℃/hでCaF単結晶を冷却し、次いで温度降下速度5℃/h〜100℃/hで炉50内の温度を冷却する。そして閉塞具60のバルブを開き、気体Gを気体出入口61から放出する。このように温度降下速度を制御するのは、温度上昇速度の場合と同様に、急激な温度変化によってCaF単結晶に割れ等の破損が生じることを防止するためである。
ここで、中空円筒Cの塑性加工における温度条件及び圧力条件を調べるために、CaF単結晶の試験片TP(図5)をへき開面({111}結晶面)に直交する方向に曲げる曲げ試験、及びへき開面({111}結晶面)に平行な方向に曲げる曲げ試験を行った。
CaF単結晶の試験片TPをへき開面({111}結晶面)に直交する方向に曲げる曲げ試験においては、厚さ3mm、幅4mm、長さ40mmの角棒形状であって、長さ方向に平行なへき開面(すなわち、図5のxy平面に平行なへき開面)を有する試験片TPを用いた。そしてこの試験片TPを、25℃、120℃、250℃、500℃、1000℃の各雰囲気下において、曲げ試験機により、支点間距離30mm、曲げクロスヘッド速度0.5mm/minにて、図5の−z方向に荷重を加え、厚さ方向(z方向)へ曲げた。曲げ試験はJISR1604に準拠した。この時、図6に示す通り、25℃及び120℃の雰囲気下で曲げた場合には、試験片TPはそれぞれ曲げ応力が約50MPa、約79MPaとなった時点で、塑性変形を生じることなく破断した。一方で、250℃の雰囲気下で曲げた場合には、試験片TPは約22.1MPaにおいて降伏点を示して塑性変形を生じ、曲げ応力が約40MPaとなった時点で破断した。更に、500℃及び1000℃の雰囲気下で曲げた場合には、試験片TPは約4.5MPa、6.9MPaにおいて降伏点を示して塑性変形を生じ、曲げ試験装置のストロークの範囲内においては破断は観測されなかった。
CaF単結晶の試験片TPをへき開面({111}結晶面)に平行な方向に曲げる曲げ試験においては、厚さ3mm、幅4mm、長さ40mmの角棒形状であって、長さ方向に直交するへき開面(すなわち、図5のyz平面に平行なへき開面)を有する試験片TPを用いた。そしてこの試験片TPを、25℃、120℃、250℃、500℃、1000℃の各雰囲気下において、曲げ試験機により、支点間距離30mm、曲げクロスヘッド速度0.5mm/minにて、図5の−z方向に荷重を加え、厚さ方向(z方向)に曲げた。この時、図7に示す通り、25℃及び120℃の雰囲気下で曲げた場合には、試験片TPはそれぞれ曲げ応力が約83MPa、約93MPaとなった時点で、塑性変形を生じることなく破断した。一方で、250℃の雰囲気下で曲げた場合には、試験片TPは約46.9MPaにおいて降伏点を示して塑性変形を生じ、曲げ応力が約87MPaとなった時点で破断した。更に、500℃及び1000℃の環境下で曲げた場合には、試験片TPは約5.2MPa、6.1MPaにおいて降伏点を示して塑性変形を生じ、曲げ試験装置のストロークの範囲内においては破断は観測されなかった。CaF単結晶の降伏点と温度との関係を示すと図8の通りである。以上のことより、CaF単結晶のへき開面の向きにかかわらず、CaF単結晶は250℃以上で圧力を付与することで塑性変形し、それゆえに250℃以上で圧力を付与することで成形加工が可能であることが分かる。
本実施形態においては、中空円筒Cのへき開面は図4(a)のa−a方向であり、中空円筒Cの中心軸X方向に一致している。よって、中空円筒Cの内側の気体Gによって圧力が付与される方向はa−a方向に直交する方向を含んでおり、換言すれば、光学部材1の球殻部1sを形成すべく中空円筒Cを塑性変形させる方向が、中空円筒Cのへき開面の延在方向に直交する方向を含んでいる。したがって、気体Gによって中空円筒Cに与える圧力、すなわち閉塞具60を用いて中空円筒Cの内側に維持される圧力は、図8を参照すれば、中空円筒Cの温度が約250℃の場合は少なくとも約22.1MPa以上とし、中空円筒Cの温度が約500℃の場合は少なくとも約4.5MPa以上とし、中空円筒Cの温度が約1000℃の場合は少なくとも約6.9MPa以上とすることが望ましい。
なお、塑性加工における温度は、1000℃未満とすることが望ましい。図9に示す通り、CaF単結晶の試験片に対して、室温、120℃、250℃、500℃、1000℃の各雰囲気下で、JISR1604に準拠した三点曲げ試験を行った場合、1000℃において白濁が生じるためである。
[アニール処理]
次に、上記の塑性加工によって得られた光学部材1に対し、炉50内でアニール処理を行う。本発明者は、アニール処理により、塑性加工における加熱及び加圧によって変化した光学的特性を、塑性加工前の数値へと近づけることができることを見出した。
アニール処理においては、まず、上記の塑性加工により成形された光学部材1を、不図示のカーボン容器内に収容する。カーボン容器内には、光学部材1とともに、テフロン(登録商標)、酸性フッ化アンモニウム等の、昇温によりフッ素成分を気化させることができる物質をフッ素化剤として収容する。その後、炉50内及びカーボン容器内の圧力が所望圧力以下となるまで、炉50内の気体を排気する。所望圧力として、一例として1×10−2Pa以下とすることが好ましい。その後、温度制御部52によって炉50内を800℃に昇温し、これにより光学部材1を800℃に昇温する。この時、温度上昇速度は5℃/h〜200℃/hとすることが好ましい。そして、光学部材1の温度を800℃に保ったまま約24時間保持し、次いで温度降下速度1.2℃/h〜3℃/hで徐々に冷却することが好ましい。上記のアニール処理によって、本実施形態の光学部材1が得られる。なおアニール処理は、炉50内の気体をAr、N等の不活性ガスで置換した不活性雰囲気で行ってもよい。
ここで、アニール処理によるCaF単結晶の光学特性の変化を調べるために、CaF単結晶の試験片について、塑性加工を行う前、塑性加工を行った後であってアニール処理を行う前、及びアニール処理を行った後の3つの時点における、透過光の波長[nm]と透過率[%]との関係を調べた。本試験で用いた試験片の塑性加工前の形状は直径30mm、厚さ50mmの円柱形状である。本試験における塑性加工では、この試験片を炉内に設置し、炉内圧力を約10−3Paとした。その後、試験片の上面(円柱の一端部の円形面)に荷重1.5t(面圧20.8MPa)を加圧し、炉内温度を530℃以上に昇温し、試験片を圧縮した。炉内温度は、試験片の圧縮変形に応じて700℃まで上げられた。その後、加圧を停止し、炉内を冷却し、試験片をとりだした。その後、取り出した試験片に対してアニール処理を行った。本試験におけるアニール処理は、前記の塑性加工を施した試験片を炉内に配置し、試験片温度を温度上昇速度を200℃/hで800℃に昇温し、この温度を24時間保持し、次いで温度降下速度3℃/hで冷却して行った。
上記試験後に試験片を直径30mm、厚さ10mmのディスク形状に加工し、表面を研磨加工した。上記の試験片について、塑性加工前、塑性加工後且つアニール処理前、アニール処理後(研磨加工後)の透過率を計測したところ、図10に示す通り、波長125nmの光に対しては、塑性加工前が約54%、塑性加工後且つアニール処理前が約3%、アニール処理後が約33%であった。また波長130nmの光に対しては、塑性加工前が約82%、塑性加工後且つアニール処理前が約41%、アニール処理後が約70%であった。以上のことより、塑性加工を施したCaF単結晶にアニール処理を施すことによって、特に約135nm以下の短波長の光に対する透過率を向上することが可能であることが分かる。
本実施形態の光学部材1の製造方法の効果は以下の通りである。
本実施形態の光学部材1の製造方法においては、CaF単結晶からなる中空円筒Cを塑性加工して、球殻部1sを形成することができた。それゆえ、本実施形態の製造方法によれば、火炎加工では得ることが不可能であり、削り出し加工では得ることが困難な、CaF単結晶の球殻のような曲面を、容易に形成することができる。
本実施形態の光学部材1の製造方法においては、中空円筒Cの内側に保持された、不活性ガスである気体Gによって、中空円筒Cに圧力を与えている。よって本実施形態の光学部材1の製造方法によれば、CaF単結晶からなる中空部材Cに加圧用の工具が接触して、中空円筒Cに不純物が混入することが防止されている。
本実施形態の光学部材1の製造方法においては、温度調整部52によって炉50内の温度、及びヒータ51の温度を調整している。これにより中空円筒に急激な温度変化が与えられ、中空円筒Cに割れ等が生じることが防止されている。
本実施形態の光学部材1の製造方法においては、中空円筒Cのへき開面の延在方向に直交する方向が、気体Gによって加圧される方向に含まれている。よって本実施形態の光学部材1の製造方法によれば、より小さい加圧力で、中空円筒Cに球殻部1sを形成することができる。
本実施形態の光学部材1の製造方法においては、塑性加工の後にアニール処理を行っている。よって、本実施形態の光学部材1の製造方法においては、光学部材1の球殻部1sの、特に約135nm以下の短波長の光に対する透過率を向上することができる。
なお、上記実施形態では、炉50の内部を不活性雰囲気又は減圧雰囲気とする前に、閉塞具60を用いて中空円筒Cの内側を高圧状態としているが、これには限られない。閉塞具60を用いて中空円筒Cの内側を高圧状態とするのは、炉50の内部を不活性雰囲気又は減圧雰囲気とした後であって、炉50の内部の温度を250℃〜1000℃に上昇する前であってもよい。また、炉50の内部の温度を250℃〜1000℃に上昇する途中、又は上昇した後であってもよく、さらにヒータ51によって、中空円筒Cの中心軸X方向の中央部Coを250℃以上に加熱する途中、又は加熱した後であってもよい。いずれの場合においても、CaF単結晶である中空円筒Cに急激な温度変化が生じることを防止するため、温度制御部52を用いて、気体Gの温度を中央部Coの現在温度に近づけるように制御することが望ましく、気体Gの温度と中央部Coの現在温度とが等しくなるように制御することがより望ましい。気体Gを加熱するヒータは、炉50の内部又は外部に備え得る。また、上記実施形態では、炉50内の温度を冷却した後に閉塞具60のバルブを開き、気体Gを気体出入口61から放出しているが、気体Gを放出するタイミングはこれには限られず、CaF単結晶の冷却開始前や冷却中、炉50内の温度の冷却開始前や冷却中
であってもよい。
なお、上記実施形態では、閉塞具60を用いて中空円筒Cの内部に気体Gを密封することにより中空円筒Cに圧力を与えているが、中空円筒Cに接触して圧力を与える加圧具65(図11)を用いることも可能である。加圧具65は、中空円筒Cの塑性加工の対象となる部分に物理的な押圧力を与えるための工具であり、柄66と、柄66の一端に取り付けられ、柄66と直交する方向に伸縮する伸縮部67と、伸縮部67の先端に取り付けられた2つの半球部68を有する。半球部68は一例として耐熱性カーボンで形成されている。加圧具65は、図11(b)に示すように、伸縮部67を伸縮させることによって、半球部68を柄66と直交する方向(図11(a)においては中空円筒Cの半径方向)に移動させることが可能である。加圧具65を、中空円筒Cの内部に、加圧具65の柄66と中空円筒Cの中心軸Xを一致させて配置すれば、中空円筒Cの半球部68の近傍に位置する部分(図11(a)においては中央部C)を、中空円筒Cの半径方向に押圧して、中空円筒Cに、半球部68の形状に対応した半球形状の凸部を形成することができる。よって加圧具65を、柄66回りに回転させながら、伸縮部67を伸縮し、半球部68によって中空円筒Cを押圧することで、中空円筒Cの中央部Coに、球形状を形成することができる。なお加圧具65を用いる場合は、温度制御部52を用いて、中空円筒Cと半球部68との温度が互いに近くなるように半球部68の温度を制御することが望ましく、中空円筒Cと半球部68との温度が互いに等しくなるように半球部68の温度を制御することがより望ましい。
なお、上記実施形態ではアニール処理において光学部材1の加熱温度を800℃として24時間保持したが、アニール条件はこれには限らず、例えば800℃〜1300℃の範囲のアニール温度及び、24時間〜48時間の範囲の保持時間から適宜選択し得る。材料のサイズに応じて48時間以上となっても構わない。
なお、上記実施形態ではCaF単結晶のインゴットからの中空円筒Cの削り出しを、CaF単結晶のへき開面の延在方向と、中空円筒Cの中心軸X方向とが一致するように行い、へき開面の延在方向に直交する方向が、気体Gにより中空円筒Cに塑性変形を与える方向に含まれるものとしたが、これには限られない。CaF単結晶のインゴットからの中空円筒Cの削り出しを、CaF単結晶のへき開面の延在方向と中空円筒Cの半径方向(図4(a)のb−b方向)とが一致するように行い、へき開面の延在方向に直交する方向が、気体Gにより中空円筒Cに塑性変形を与える方向に含まれないようにすることも可能である。CaF単結晶のへき開面の延在方向と中空円筒Cの半径方向とを一致させた場合は、光学部材1の内部に密封された気体によって光学部材1が押圧される方向に、CaF単結晶のへき開面の延在方向に直交する方向が含まれないこととなるため、光学部材1は、より高圧の気体を密封することが可能となる。その他、CaF単結晶のインゴットからの中空円筒Cの削り出しは任意の方向において行うことが可能であり、CaF単結晶のへき開面は、中空円筒C内のいかなる方向に延在するものであってもよい。
[変形例1]
第1の実施形態の変形例1として、図12に示す形状の光学部材2を得ることができる。光学部材2はCaF単結晶から形成されており、半球殻状の透光部20と、透光部20が設置される平板部21とを有する。透光部20は、波長125nmの光に対して約33%以上の透過率を有し、波長130nmの光に対して約70%以上の透過率を有する。
光学部材2は様々な用途に用いることができるが、例えば、2つの光学部材2を重ね合わせて、2つの透光部20で球殻を形成し、その内部に気体を密封することができる。この状態で重ね合わせた2つの光学部材2を、不図示の保持部材で保持し、密封した気体に励起光を照射して気体原子(気体分子)をプラズマ状態に至らせることにより、透光部20を介して、光学部材2の外部にプラズマ光を取り出すことができる。
光学部材2は、上記の光学部材1と類似の工程により製造することができる。まず、CaF単結晶のインゴットに対して削り出し加工を行い、平板部材を形成する。次に、上記実施形態と同様の工程により塑性加工を行う。この時、ヒータ51は円環状のヒータではなく、直線状又は点状等のヒータを用いるのが望ましい。ヒータにより平板部材の中央部を加熱し、加熱部分に対して加圧具65の一方の半球部68により圧力を与えることにより、平板部材から、透光部20と平板部21とを有する光学部材2の形状を得ることができる。最後に上記実施形態と同様のアニール処理を行えば、光学部材2が得られる。なお、CaF単結晶のインゴットからの平板の削り出しを、CaF単結晶のへき開面の延在方向と平板の延在方向とが一致するように行えば、へき開面の延在方向に直交する方向が、加圧具65により平板に塑性変形を与える方向に含まれるため、より小さい加圧力で平板に塑性変形を与えることができる。
[変形例2]
第1の実施形態の変形例2として、図13の断面図に示す形状の光学部材3を得ることができる。光学部材3はCaF単結晶から形成されており、中心軸Xを有する中空円筒状の透光部30と、透光部30の中心軸X方向の両端部の第1テーパ部31及び第2テーパ部32とを有する。透光部30は、波長125nmの光に対して約33%以上の透過率を有し、波長130nmの光に対して約70%以上の透過率を有する。第1テーパ部31及び第2テーパ部32はそれぞれ円錐台の輪郭を有し、透光部30から離れるにしたがって、内径及び外径が大きくなる。
光学部材3は様々な用途に用いることができるが、例えば、光学部材3の軸方向の両端部の開口3A及び開口3Bの少なくとも一方を介して光学部材3の内部に気体を与え、開口3A及び開口3Bに不図示の蓋を取り付けて気体を密封することができる。この状態で光学部材3を不図示の保持部材で保持し、密封した気体に励起光を照射して気体原子(気体分子)をプラズマ状態に至らせると、透光部30を介して、光学部材3の外部にプラズマ光を取り出すことができる。
光学部材3は、上記の光学部材1と類似の工程により製造することができる。まず、CaF単結晶のインゴットに対して削り出し加工を行い、図2に示す中空円管Cを形成する。次に、上記実施形態と同様の工程により塑性加工を行う。この時、2つのヒータ51を中空円管Cの中心軸X方向の両端部近傍に配置する。その後、温度制御部52によって、炉50内の温度、ヒータ51の温度を上記実施形態と同様に制御し、加圧具65と同様に中空円筒Cを物理的に押圧することが可能な加圧具を2つ用いて、第1テーパ部31及び第2テーパ部の形状が形成されるように、中空円管Cに押圧力を与える。これにより、透光部30と第1テーパ部31、第2テーパ部32とを有する光学部材3の形状を得ることができる。最後に上記実施形態と同様のアニール処理を行えば、光学部材3が得られる。
<第2実施形態>
図14を参照して、本願の第2実施形態について説明する。
本実施形態の光学部材4は、内側に気体を収容し、この気体がプラズマ状態に至ったときプラズマ光を外側に放射させるCaF管であり、中心軸Xを有し、中心軸Xに垂直な方向の断面が長円形の中空円管である。より詳細には、図14(a)に示す通り、中心軸X方向に垂直な面の断面が、対向する2つの直線部40a、40bと、2つの直線部40a、40bとをそれぞれつなぐ2つの曲線部41a、41bからなる長円である。直線部40a、40b、曲線部41a、41bは、いずれも波長125nmの光に対して約33%以上の透過率を有し、波長130nmの光に対して約70%以上の透過率を有する。
光学部材4は様々な用途に用いることができるが、例えば、光学部材4の中心軸X方向の両端部の開口4A及び開口4Bの少なくとも一方を介して光学部材4の内部に気体を与え、開口4A及び開口4Bに不図示の蓋を取り付けて気体を密封することができる。この状態で光学部材4を不図示の保持部材で保持し、密封した気体に励起光を照射して気体原子(気体分子)をプラズマ状態に至らせると、直線部40a、40b、曲線部41a、41bを介して光を取り出すことができる。
本実施形態の光学部材4によれば、内側に密封した気体がプラズマ状態に至って発せられるプラズマ光を、直線部40a、40bを介して、光学部材4の中心軸X方向に延びる直線状の光として取り出すことができる。したがって本実施形態の光学部材4を用いれば、直線状のプラズマ光を供給する光源を得ることができる。
光学部材4は、第1実施形態の光学部材1と類似の工程により製造することができる。以下においては主に第1実施形態の光学部材1の製造方法と異なる点について説明し、その他の点については光学部材1の製造方法と同様とする。
光学部材4の製造工程においては、まず、CaF単結晶のインゴットに対して削り出し加工を行い、中心軸Xを有する中空円管Cを形成する。CaF単結晶のインゴットに対して削り出し加工を行う工程においては、中空円筒Cの中心軸X方向とCaF単結晶のへき開面({111}結晶面)の延在方向とが一致するように削り出しを行う。
次に中空円筒Cに塑性加工を行い、直線部40a、40b、曲線部41a、41bを形成する。塑性加工は、第1実施形態と同様に炉50の内部において中空円筒Cを加熱及び加圧し、中空円筒Cに塑性変形を生じさせることにより行う。塑性加工においては、まず、第1実施形態と同様に、中空円筒Cを炉50の内部に配置する。本実施形態においては、円環状のヒータ51に代えて2本の棒状のヒータ53(図14(b))を用い、ヒータ53を中空円筒Cの周方向において互いに180°離れた位置において、中空円筒Cの中心軸X方向に沿って配置する。
次に、図14(b)に示す通り、中空円筒Cの上下側に一組のプレス70を配置する。プレス70は、中空円筒Cを半径方向に押圧するための工具であり、図14(b)に示した板状の工具のみならず、任意のものを用いることができる。ここで、プレス70は一例として、カーボンで形成されており、上下のプレス70と中空円筒Cとの接触位置を結ぶ直線が、2本のヒータ53を結ぶ直線と直交するように設けることができる。
次に、第1実施形態と同様に、炉50の内部の気体をN、Ar等の不活性ガスによって置換して不活性雰囲気にするか、又は炉内の気体を排気して減圧雰囲気とする。その後、温度制御部52によって、炉50の内部を例えば温度上昇速度5℃/h〜200℃/hで昇温し、250℃〜1000℃程度とする。次に、温度制御部52によってヒータ53を作動させて、温度上昇速度が例えば5℃/h〜200℃/hとなるように、中空円筒Cを250℃以上、好ましくは250℃以上1000℃未満に加熱する。なお、ヒータ53は中空円筒Cの近傍に配置されているので、ヒータ53の加熱温度を中空円筒Cの温度とみなすことができる。
次に、250℃以上に加熱された中空円筒Cに対して、プレス70により圧力を与える。プレス70の温度は、加熱された中空円筒Cの温度に近づけることが望ましく、同一の温度とすることがより望ましい。これにより、急激な温度変化によってCaF単結晶に割れ等の破損が生じることが防止される。なお、中空円筒Cへの加熱及び圧力の付与は、どちらを先に開始してもよく、プレス70による中空円筒Cへの圧力の付与を先に開始し、プレス70によって圧力を付与しながら、ヒータ53によって中空円筒Cを加熱してもよい。この場合は、温度制御部52は、プレス70の温度を中空円筒Cの現在温度に近づけるように制御することが望ましく、プレス70の温度と中空円筒Cの現在温度とが常に等しくなるように制御することがより望ましい。
上述したプレス70による加圧によって、中空円筒Cは、半径方向の一方向において圧縮され、中空円筒Cより、直線部40a、40b、曲線部41a、41bを有する光学部材4の形状が得られる。その後、温度制御部52によって、温度降下速度5℃/h〜100℃/hでCaF単結晶を冷却し、次いで温度降下速度5℃/h〜100℃/hで炉50内の温度を冷却する。
次に、上記の塑性加工によって得られた光学部材4に対し、炉50内でアニール処理を行い、アニール処理の後、光学部材4の内面及び外面に光学研磨処理を施す。アニール処理の工程、処理条件は第1実施形態と同様である。このアニール処理により、2つの直線部40a、40bと、2つの曲線部41a、41bとを有し、直線部40a、40b、曲線部41a、41bは、いずれも波長125nmの光に対して約33%以上の透過率を示し、波長130nmの光に対して約70%以上の透過率を示す、光学部材4が得られる。
本実施形態の光学部材1の製造方法の効果は以下の通りである。
本実施形態の光学部材4の製造方法においては、CaF単結晶からなる中空円筒Cを塑性加工して、直線部40a、40b、曲線部41a、41bを形成している。よって本実施形態によれば、火炎加工では得ることが不可能であり、削り出し加工によっては得ることが困難な、長円形の断面を有するCaF単結晶の筒状部材を、容易に形成することができる。
本実施形態の光学部材4の製造方法においては、温度調整部52によって炉50内の温度、及びヒータ53の温度を調整している。これにより中空円筒Cに急激な温度変化が与えられ、中空円筒Cに割れ等が生じることが防止されている。
本実施形態の光学部材4の製造方法においては、プレス70による加圧の方向を、中空円筒Cのへき開面の延在方向に直交する方向としている。よって本実施形態の光学部材4の製造方法によれば、より小さい加圧力で、中空円筒Cを塑性変形させて、直線部40a、40b、曲線部41a、41bを有する光学部材4を形成することができる。
本実施形態の光学部材4の製造方法においては、塑性加工の後にアニール処理を行っている。よって、本実施形態の光学部材4の製造方法によれば、光学部材4の、特に約135nm以下の短波長の光に対する透過率を向上することができる。
なお、上記実施形態ではCaF単結晶のインゴットからの中空円筒Cの削り出しを、CaF単結晶のへき開面の延在方向と、中空円筒Cの中心軸X方向とが一致するように行い、へき開面の延在方向に直交する方向が、プレス70により中空円筒Cに塑性変形を与える方向に含まれるものとしたが、これには限られない。CaF単結晶のインゴットからの中空円筒Cの削り出しを、CaF単結晶のへき開面の延在方向と中空円筒Cの半径方向とが一致するように行い、へき開面の延在方向に直交する方向が、プレス70により中空円筒Cに塑性変形を与える方向に含まれないようにすることも可能である。CaF単結晶のへき開面の延在方向と中空円筒Cの半径方向とを一致させた場合は、光学部材4の内部に密封された気体によって光学部材4が押圧される方向に、CaF単結晶のへき開面の延在方向に直交する方向が含まれないこととなるため、光学部材4は、より高圧の気体を密封することが可能となる。その他、CaF単結晶のインゴットからの中空円筒Cの削り出しは任意の方向において行うことが可能であり、CaF単結晶のへき開面は、中空円筒C内のいかなる方向に延在するものであってもよい。
なお、上記実施形態において、中空円筒Cを半径方向に圧縮する工程に先立って又は平行して、光学部材4の内部にプラズマ光を発するための気体を与えてもよい。気体を中空円筒Cの内部に与えたのちに、中空円筒Cの中心軸X方向の両端部をさらに圧縮し、開口部4A及び開口部4Bを密閉することによって、光学部材4の内部に気体を密封することができる。これにより、光学部材4の製造後に、改めてプラズマ光を発するための気体を与える手間を省くことができる。
なお、上記の実施形態において、気体はプラズマ光を発するための気体には限られず、エキシマ光等、真空紫外領域から赤外線領域にわたる波長領域の光を発するための任意の気体であればよい。また、上記の各実施形態においては光学部材は内側に気体を収容する部材であったが、これには限られず、上記の塑性加工によって、様々な態様で用いられる光学部材を成形することができる。
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
本発明のフッ化カルシウム光学部材、フッ化カルシウム部材の製造方法、及びフッ化カルシウム単結晶の加工方法によれば、多様な形状のフッ化カルシウム部材を容易に得ることができる。よって半導体製造装置等の様々な分野に、フッ化カルシウム単結晶を有する多様な形状の部材を提供することが可能となり、各分野における部品設計の自由度を向上させることができる。
1、2、3、4 光学部材
1x 第1円筒部
1y 第2円筒部
1s 球殻部
20、30 透光部
50 炉
51 ヒータ
52 温度制御部
60 閉塞具
61 気体出入口
65 加圧具
66 柄
67 伸縮部
68 半球部
70 プレス
C 中空円筒
G 気体




Claims (18)

  1. フッ化カルシウム部材の製造方法であって、
    フッ化カルシウム単結晶を250℃以上に加熱することと、
    加熱されたフッ化カルシウム単結晶に圧力を与えて塑性変形させることとを含み、
    前記圧力を与える方向は、前記フッ化カルシウム単結晶のへき開面の延在方向に直交する方向を含む製造方法。
  2. 前記フッ化カルシウム単結晶の加熱は、5℃/h〜200℃/hの温度上昇速度で行われる請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記フッ化カルシウム単結晶への圧力の付与は、気体による加圧である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記気体の温度を、前記加熱されたフッ化カルシウム単結晶の温度にほぼ等しくなるように制御することを含む請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記フッ化カルシウム単結晶への圧力の付与は不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中で行われる請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記塑性変形を与えたフッ化カルシウム単結晶をアニール処理することを更に含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記アニール処理は、前記フッ化カルシウム単結晶を800℃〜1300℃に昇温して行われる請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記塑性変形によって、前記フッ化カルシウム単結晶の曲面が形成される請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記塑性変形によって、前記フッ化カルシウム単結晶の球殻が形成される請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記フッ化カルシウム単結晶は中空筒であり、
    前記中空筒の内部に気体を密封することを更に含み、
    前記加熱された前記フッ化カルシウム単結晶に圧力を与えて塑性変形させることは、前記密封された気体によって、前記中空筒の内部から、前記中空筒に対して圧力を与えて、前記中空筒の一部を塑性変形させて前記球殻を形成することである請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記アニール処理を与えたフッ化カルシウム単結晶が、波長125nmの光に対して33%以上の透過率を有し、波長130nmの光に対して約70%以上の透過率を有する請求項6又は7に記載の製造方法。
  12. フッ化カルシウム単結晶からなる気体密封用部材であって、
    塑性変形により成形された透光部を備え、
    前記透光部は、波長125nmの光に対して33%以上の透過率を有し、波長130nmの光に対して約70%以上の透過率を有する気体密封用部材。
  13. 前記透光部が球殻である請求項12に記載の気体密封用部材。
  14. 前記気体密封用部材は更に第1円筒部、第2円筒部を有し、前記透光部が前記第1円筒部及び前記第2円筒部に接続しており、前記第1円筒部の中心軸、前記第2円筒部の中心軸、及び前記透光部の回転軸が同一軸である請求項13に記載の気体密封用部材。
  15. 前記透光部は中空筒の一部であり、
    前記中空筒は、軸方向に延在して前記軸方向に交差する方向において対向する一対の平板部と、前記一対の平板部を連結する一対の曲面とを有し、
    前記透光部は前記一対の平板部である請求項12に記載の気体密封用部材。
  16. 前記フッ化カルシウム単結晶のへき開面の延在方向が、前記軸に直交する方向である請求項14又は15に記載の気体密封用部材。
  17. フッ化カルシウム単結晶の加工方法であって、
    フッ化カルシウム単結晶を250℃以上に加熱することと、
    加熱された前記フッ化カルシウム単結晶に圧力を与えて塑性変形させることとを含み、
    前記圧力を与える方向は、前記フッ化カルシウム単結晶のへき開面の延在方向に直交する方向を含む加工方法。
  18. 前記フッ化カルシウム単結晶への圧力の付与は、気体による加圧である請求項17に記載の加工方法。
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