JP6232265B2 - インクジェット記録用水分散体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録用水分散体の製造方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録部材として普通紙が使用可能、被印字物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
最近では、印刷物に耐候性や耐水性を付与するために、着色剤として顔料を用いるインクが広く用いられている。
特許文献1には、吐出安定性、ノズル目詰まり等の改善を目的として、顔料が水性媒体中に分散しているインク中に、少なくともプロピレングリコールと低級アルコールのプロピレンオキシド付加重合体を同時に含有する水性インクが開示されている。
特許文献2には、高い印字濃度を維持しつつ、発一性、吐出信頼性、保存安定性の改善を目的に、顔料を含有するポリマー粒子を含む水系インクにおいて、ポリマー粒子のポリマーとしてプロピレンオキシド鎖を有するポリマーを用い、特定のジオールを含有する水性インクが開示されている。
特許文献3には、粗大粒子が少なく、再分散性、初期吐出性の改善を目的として、顔料、ポリマー、中和剤、特定の有機溶媒(該ポリマーの良溶媒)、及び水を含有する混合物を分散処理して分散体を得た後、炭素数2以上6以下のポリオールを添加し、その後、当該有機溶媒を除去する工程を有する水分散体の製造方法と、該水分散体から得られる水系インクが開示されている。
特開2001−002964号公報 特開2010−084086号公報 特開2011−127066号公報
近年、インクジェット記録技術の急速な進歩により高画質を得ることが可能となっていることから、インクジェット記録技術の商業印刷等への応用展開が期待されている。最近では、被記録媒体を搬送する方向に対して垂直方向に設置された長尺のラインヘッドを備える記録装置を用いた画像形成の高速化が行われている。
上記のような記録装置に用いられる顔料含有インクにおいては、インク吐出が休止してインク吐出ノズルの孔周辺のインクが乾燥した場合、インク吐出ノズルの孔周辺で凝集増粘物が発生してノズル詰まりが発生し、記録ヘッドのパージ動作を行ってもノズル詰まりが解消されず、インク液滴の吐出方向が曲げられ、画像の乱れを起こす場合があった。このような画像乱れを抑制するためにインク中の顔料濃度を低減することが考えられるが、かかる場合、十分な濃度の画像を形成しにくい。
本発明は、インクに配合した際に、該インクが乾燥しても乾燥後のインク(以下「乾燥インク」ともいう)の粘度増加が少なく、かつ乾燥インクの再分散性にも優れることから、一時的にインクジェット記録装置のノズル詰まりが起きても容易にノズル詰まりが解消される(以下、「ノズル復帰性」ともいう)インクが得られる、インクジェット記録用水分散体の製造方法の提供を課題とする。
本発明者らは、有機溶媒、顔料、水不溶性アニオン性ポリマー、及び水を含有する混合物を分散処理して得られた分散体(1)から、有機溶媒を除去して分散体(2)を得た後、該分散体(2)、特定の多価アルコール及び架橋剤を含有する分散体(3)中で前記水不溶性アニオン性ポリマーを架橋処理して得られるインクジェット記録用水分散体が、インクに配合した際に、乾燥インクの粘度増加を抑制でき、再分散性も良好であるためインクジェット記録装置のノズル復帰性に優れるインクを提供できることを見出した。
本発明は、下記[1]及び[2]に関する。
[1]下記工程(1)〜(3)を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法。
工程(1):有機溶媒(A)、顔料、水不溶性アニオン性ポリマー、及び水を含有する混合物を分散処理して分散体(1)を得る工程
工程(2):分散体(1)から有機溶媒(A)を除去して水分散体(2)を得る工程
工程(3):水分散体(2)、炭素数2以上6以下の多価アルコール(B)及び架橋剤(C)を混合して得られる分散体(3)中で前記水不溶性アニオン性ポリマーを架橋処理して、インクジェット記録用水分散体を得る工程
[2]下記工程(4)を有する、インクジェット記録用インクの製造方法。
工程(4):上記[1]に記載の方法で得られたインクジェット記録用水分散体に、更に水及び有機溶媒(D)から選ばれる1種以上を混合する工程
本発明によれば、インクに配合した際に、乾燥インクの粘度増加を抑制でき、再分散性も良好であるためインクジェット記録装置のノズル復帰性に優れるインクが得られる、インクジェット記録用水分散体の製造方法を提供することができる。
なお本発明において「インクの再分散性が良好」とは、乾燥インクが、乾燥前の元のインクに再分散しやすいことをいう。
本発明は、前記工程(1)〜(3)を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法に関する。本発明の方法によれば、前記工程(1)で得られた分散体(1)から有機溶媒(A)を除去して得られる水分散体(2)、特定の多価アルコール(B)、及び架橋剤(C)の存在下で、水分散体(2)に含まれる水不溶性アニオン性ポリマー(以下、「本発明に用いるポリマー」又は、単に「ポリマー」ともいう)を架橋処理することにより、インクに配合した際に、乾燥インクの粘度増加を抑制でき、再分散性も良好であるためインクジェット記録装置のノズル復帰性に優れたインクが得られる水分散体を提供できる。
本発明の水分散体の製造方法により上記効果が得られる理由は定かではないが、以下のように考えられる。
まず、工程(1)において有機溶媒(A)及び水不溶性アニオン性ポリマーの存在下で顔料を分散することで、顔料表面にポリマーを十分に付着させることができる。その後、工程(2)においてポリマー溶解性が高い有機溶媒(A)を除去することで、顔料表面のポリマーを顔料に強固に付着させることができる。更に、工程(3)において、特定の多価アルコール(B)の存在下で分散体中の前記ポリマーを架橋剤(C)で架橋処理することで、架橋剤(C)の分散性が向上し、架橋反応の均一性が向上するとともに、顔料表面のポリマーをより強固に付着させることができる。これにより、本発明の製造方法により得られる水分散体を含むインクは、インクが乾燥した場合においても顔料表面からのポリマー脱離が起きにくく、乾燥インク中でも分散安定化を保持して乾燥インクの粘度増加を抑制することができると考えられる。
上記水分散体の製造方法において、工程(3)の架橋処理時に多価アルコール(B)が存在していないと、ポリマーの架橋反応が均一に進行せず、顔料表面にポリマーを強固に付着させることができないため本発明の効果が得られない。但し、顔料分散後、有機溶媒(A)を除去する前(すなわち工程(2)の終了よりも前)の段階で多価アルコール(B)を混合すると、有機溶媒(A)を除去する工程で顔料表面のポリマーが多価アルコール(B)中に脱離して顔料分散体が凝集する場合がある。その結果、該分散体をインクに配合しても、乾燥インクの粘度増加を抑制できず、再分散性も低下し、本発明の課題であるノズル詰まりが解消されない場合がある。
以下、本発明に用いられる各成分、各工程について説明する。
〔顔料〕
本発明に用いられる顔料としては、種々の無機顔料及び有機顔料が挙げられる。
無機顔料としては、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられ、これらの中でも、カーボンブラックは黒色顔料として好ましく用いられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ系、ジスアゾ系、フタロシアニン系、ベンズイミダゾロン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、ペリレン系、ペリノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、アントラキノン系及びキノフタロン系顔料が挙げられる。これらの中でも、発色性及び安全性の観点から、好ましくはPY74等のアゾ系、PY128、PY155等のジスアゾ系、PB15:3、PB15:4、PB15:6等のフタロシアニン系、PY180,PY151等のベンズイミダゾロン系、PY109等のイソインドリノン系、PR122、PV19等のキナクリドン系及びPY138等のキノフタロン系である。
本発明において、顔料は、単独で又は2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。また、顔料表面を化学修飾した顔料誘導体、自己分散顔料等を用いることもできる。
顔料を水分散体に使用する場合には、界面活性剤又は後述の水不溶性アニオン性ポリマーを用いて、分散媒体中で安定な微粒子にすることが好ましい。分散安定性、滲みの抑制、耐水性向上の観点から、水不溶性アニオン性ポリマーの粒子中に顔料を含有させることがさらに好ましい。
〔水不溶性アニオン性ポリマー〕
本発明に用いられる水不溶性アニオン性ポリマーは、顔料表面に吸着して顔料同士の凝集を抑制することで、顔料を有機溶媒(A)及び水を含む水系媒体中に分散させ、分散安定性を向上させると考えられる。また、当該ポリマーは、分散体中において、顔料を含有するポリマー粒子(以下、単に「ポリマー粒子」ともいう)を形成すると考えられる。
ここで、「アニオン性」とは、未中和の物質を、純水に分散又は溶解させた場合、pHが7未満となること、又は物質が純水に不溶であり、pHが明確に測定できない場合には、純水に分散させた分散体のゼータ電位が負となることをいう。
当該ポリマーは、水分散体及びその水分散体を含むインクの分散安定性の観点から、水不溶性ポリマーである。ここで、「水不溶性」とは、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達した物質を、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下であることをいう。本発明に用いるポリマーにおける前記溶解量は、分散安定性の観点から好ましくは5g以下、より好ましくは1g以下である。前記ポリマーがアニオン性基を有する場合、前記溶解量は、前記アニオン性基を水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
当該ポリマーとしては、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル系ポリマー等が挙げられ、水分散体の保存安定性の観点から、好ましくはビニル系ポリマーであり、より好ましくはビニル化合物、ビニリデン化合物及びビニレン化合物から選ばれる1種以上のビニル系モノマーの付加重合により得られるビニル系ポリマーである。
当該ポリマーとしては、好ましくは、(a)アニオン性モノマー(以下「(a)成分」ともいう)と、(b)疎水性モノマー(以下「(b)成分」ともいう)とを含むモノマー混合物(以下、単に「モノマー混合物」ともいう)の共重合により得られるビニル系ポリマーである。前記ビニル系ポリマーは、好ましくは(a)成分由来の構成単位と(b)成分由来の構成単位を有し、より好ましくは更に(c)マクロマー(以下「(c)成分」ともいう)由来の構成単位を有する。
〔アニオン性モノマー:(a)成分〕
(a)成分は、本発明に用いるポリマーを構成するモノマー成分として好ましく用いられる。(a)成分由来の構成単位は、静電反発によりポリマー粒子を水分散体中で安定に分散させると考えられる。
(a)成分としては、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基を有するモノマー等が挙げられる。
カルボキシ基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
スルホ基を有するモノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
リン酸基を有するモノマーとしては、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
ホスホン酸基を有するモノマーとしては、ビニルホスホン酸等が挙げられる。
上記(a)成分の中では、ポリマー粒子の水分散体中での分散安定性の観点から、好ましくはカルボキシ基を有するモノマー、より好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる1種以上である。
〔疎水性モノマー:(b)成分〕
(b)成分は、ポリマーを構成するモノマー成分として好ましく用いられる。(b)成分由来の構成単位は、顔料表面へのポリマーの吸着を促進させることにより、ポリマー粒子の水分散体中での分散安定性に寄与すると考えられる。
(b)成分としては、ポリマーの製造容易性の観点から、好ましくはアルキル(メタ)アクリレート及びエチレン性二重結合を有する芳香族化合物(以下、「芳香族モノマー」ともいう)から選ばれる1種以上であり、ポリマー粒子の分散安定性の観点から、より好ましくは芳香族モノマーである。
前記アルキル(メタ)アクリレートが有するアルキル基の炭素数は、ポリマー粒子の分散安定性の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは6以上であり、ポリマーの製造容易性の観点から、好ましくは22以下、より好ましくは18以下である。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、デシル基、イソデシル基、ラウリル基、イソドデシル基、ステアリル基、イソステアリル基等が挙げられる。
前記アルキル(メタ)アクリレートとしては、入手容易性の観点から、好ましくはメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上であり、分散安定性の観点から、より好ましくは2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上である。本明細書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる1種以上を示す。
前記芳香族モノマーとしては、好ましくは炭素数6以上、22以下の芳香族基を有するビニル系モノマーであり、ポリマーの製造容易性の観点から、より好ましくはスチレン系モノマー及び芳香族基を有する(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上である。
スチレン系モノマーとしては、入手容易性の観点から好ましくはスチレン、2−メチルスチレン及びジビニルベンゼンから選ばれる1種以上、より好ましくはスチレンである。
芳香族基を有する(メタ)アクリレートとしては、入手容易性の観点から好ましくはベンジル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上、より好ましくはベンジル(メタ)アクリレートである。
また、芳香族モノマーとしては、顔料分散性の観点からスチレン系モノマーと芳香族(メタ)アクリレートとを併用することが好ましく、スチレンとベンジル(メタ)アクリレートとを併用することがより好ましい。
〔マクロマー:(c)成分〕
(c)成分は、片末端に重合性官能基を有する数平均分子量500以上の化合物であり、ポリマー粒子の水分散体中での分散安定性の観点から、ポリマーを構成するモノマー成分として好ましく用いられる。片末端に存在する重合性官能基としては、好ましくはアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基から選ばれる1種以上、より好ましくはメタクリロイルオキシ基である。
(c)成分の数平均分子量は、好ましくは1,000以上であり、また、好ましくは100,000以下、より好ましくは10,000以下である。なお、前記数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
(c)成分としては、ポリマー粒子の水分散体中での分散安定性の観点から、マクロマーの構成単位が芳香族基を有するもの(以下、「芳香族マクロマー」ともいう)及びシリコーン系マクロマーが好ましく、芳香族マクロマーがより好ましい。
芳香族マクロマーの構成単位の由来となるモノマーとしては、前記芳香族モノマーが挙げられ、好ましくはスチレン及びベンジル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上、より好ましくはスチレンである。
スチレン由来の構成単位を有する芳香族マクロマーとしては、東亞合成株式会社製「AS−6(S)」、「AN−6(S)」、「HS−6(S)」等が挙げられる。
シリコーン系マクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有するオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
〔ノニオン性モノマー:(d)成分〕
ノニオン性モノマー(以下、「(d)成分」ともいう)は、本発明に用いるポリマーを構成するモノマー成分として好ましく用いられる。(d)成分由来の構成単位は、ノニオン基による立体反発によって、ポリマー粒子の水分散体中での分散安定性に寄与すると考えられる。
(d)成分としては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006232265
式(1)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2又は3のアルカンジイル基、nは(R2O)で示される構成単位の平均構成単位数を示す1以上100以下の数、R3は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。
2の炭素数は、(d)成分の製造容易性の観点からは、好ましくは2であり、ポリマー粒子の水分散体中での分散安定性の観点からは、好ましくは3である。nは、ポリマー粒子の水分散体中での分散安定性の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは8以上であり、(d)成分の製造容易性の観点から、好ましくは30以下、より好ましくは15以下である。R3は、入手容易性の観点から、好ましくは水素原子、メチル基及びフェニル基から選ばれる1種以上である。
式(1)で表される化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。(d)成分としては、インクの保存安定性の観点から、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート及びフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく、これらを併用することがより好ましい。
(d)成分としては、新中村化学工業株式会社製「NKエステル」シリーズの「M−20G」、「40G」、「90G」;日油株式会社製「ブレンマー」シリーズの「PE−90」、「200」、「350」、「PME−100」、「PME−200」、「PME−400」、「PP−500」、「PP−800」、「AP−150」、「AP−400」、「AP−550」、「50PEP−300」、「50POEP−800B」、「43PAPE−600B」等が挙げられる。
上記(a)〜(d)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を用いることができる。
当該ポリマー中における(a)〜(d)成分に由来する構成単位の好ましい含有量は、次のとおりである。
(a)成分の含有量は、インクの保存安定性の観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは4質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
(b)成分の含有量は、インクの印字濃度向上の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは98質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
(c)成分の含有量は、顔料とポリマーの相互作用を高める観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
(d)成分の含有量は、インクの保存安定性及びノズル復帰性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
〔(a)成分/[(b)成分+(c)成分]〕の質量比は、ポリマー粒子の水分散体中での分散安定性、及び水分散体を含むインクの印字濃度の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.03以上であり、好ましくは1以下、より好ましくは0.67以下、更に好ましくは0.50以下である。
(ポリマーの製造)
前記ポリマーは、例えばモノマー混合物を公知の重合法により共重合させることによって製造される。モノマー混合物中における上記(a)〜(d)成分の好ましい含有量は、前述のポリマー中における(a)〜(d)成分に由来する構成単位の好ましい含有量と同じである。
重合法としては溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いる溶媒としては、ポリマー及び分散体の製造容易性の観点から、好ましくは後述する有機溶媒(A)である。また分散性の観点から、溶液重合法で用いる溶媒としては、より好ましくは炭素数4以上8以下の、ケトン、アルコール、エーテル及びエステルから選ばれる1種以上、更に好ましくは炭素数4以上8以下のケトン、より更に好ましくはメチルエチルケトン(以下、「MEK」ともいう)である。
重合においては、公知の重合開始剤や重合連鎖移動剤を用いることができる。重合開始剤としては、好ましくは2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)であり、重合連鎖移動剤としては、好ましくは2−メルカプトエタノールである。
好ましい重合条件は、重合開始剤の種類等によって異なるが、重合温度は50℃以上80℃以下が好ましく、重合時間は1時間以上20時間以下であることが好ましい。重合は、窒素ガス、アルゴン等の不活性ガス雰囲気で行われることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去することができる。
ポリマーの重量平均分子量は、ポリマー粒子の水分散体中での分散安定性の観点から、5,000以上が好ましく、1万以上がより好ましく、2万以上が更に好ましく、50万以下が好ましく、40万以下がより好ましく、30万以下がより好ましく、20万以下が更に好ましい。前記重量平均分子量は、実施例記載の方法により測定される。
〔中和剤〕
本発明においては、中和剤を用いて、前記ポリマーが有するアニオン性基を中和してもよい。中和剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、各種アミン等の塩基が挙げられる。
工程(3)における架橋処理前のポリマーの中和度は、分散安定性の観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上であり、顔料への吸着性及び架橋効率の観点から、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは70モル%以下である。
ポリマーの中和度は、下記式によって求めることができる。
中和度(モル%)={[中和剤の質量(g)/中和剤のグラム当量]/[ポリマーの酸価(KOHmg/g)×ポリマーの質量(g)/(56×1000)]}×100
ポリマーの酸価は、ポリマーの製造時におけるモノマー成分の比から、計算で算出することができる。また、MEK等のポリマーを溶解できる溶媒にポリマーを溶解して、アルカリ剤で滴定する方法で求めることができる。
〔有機溶媒(A)〕
本発明に用いられる有機溶媒(A)は、炭素数2以上6以下の多価アルコール(B)を除く有機溶媒である。工程(1)で顔料表面にポリマーを十分に付着させる観点から、極性を有し、当該ポリマーを溶解しうる有機溶媒が好ましい。有機溶媒(A)は、好ましくは炭素数4以上8以下の、ケトン、アルコール、エーテル及びエステルから選ばれる1種以上であり、より好ましくは炭素数4以上8以下のケトンである。これらの有機溶媒は、水不溶性アニオン性ポリマーを溶解しやすく、極性を有することから顔料への濡れ性にも優れるため、分散に適している。
炭素数4以上8以下のケトンとしては、ポリマーの溶解性、及び除去容易性の観点から、好ましくはMEK、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン等の炭素数4以上6以下のケトン、より好ましくはMEK及びメチルイソブチルケトンから選ばれる1種以上、更に好ましくはMEKである。
炭素数4以上8以下のアルコールとしては、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等が挙げられる。
炭素数4以上8以下のエーテルとしては、ジブチルエーテル等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル等が挙げられる。
炭素数4以上8以下のエステルとしては、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
これらの有機溶媒(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔多価アルコール(B)〕
本発明に用いられる多価アルコール(B)は、炭素数2以上6以下の多価アルコールである。工程(2)で有機溶媒(A)を除去して前記ポリマーの溶解性を低下させ、顔料へポリマーを強固に付着させた分散体(2)を用いて、工程(3)で多価アルコール(B)の存在下で前記ポリマーの架橋処理を行うと、架橋剤(C)の分散性が向上して架橋反応の均一性が向上するので、本発明の効果を発揮させるものと考えられる。
炭素数2以上6以下の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール;ペンタエリスリトール、イノシトール、ソルビトール等が挙げられる。
これらの中では、本発明の効果を得る観点、及びインク中に残存しても良好なインク性能が得られるという観点から、炭素数2以上4以下のジオール及びグリセリンから選ばれる1種以上が好ましく、グリセリン及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上がより好ましい。
これらの多価アルコール(B)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔架橋剤(C)〕
本発明に用いられる架橋剤(C)は、顔料表面に付着したポリマーを架橋して、得られる水分散体及びこれを含むインクの分散安定性を向上させるために用いられる。
架橋剤(C)としては、好ましくは前記ポリマーが有するアニオン性基と反応しうる官能基を、分子中に2以上有する化合物である。架橋剤(C)の分子量は、水分散体をインクに配合した際の乾燥インクの粘度増加の抑制、及びインクの再分散性の観点から、120以上が好ましく、150以上がより好ましく、2000以下が好ましく、1500以下がより好ましく、1000以下が更に好ましい。
前記ポリマーが有するアニオン性基がカルボキシ基の場合、架橋剤(C)は、好ましくは分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物である。
分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル及び水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテルから選ばれる1種以上が挙げられる。これらのなかでも、好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテル及びトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルから選ばれる1種以上、より好ましくはトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルである。
[インクジェット記録用水分散体の製造]
本発明のインクジェット記録用水分散体の製造方法は、下記工程(1)〜(3)を有する。
工程(1):有機溶媒(A)、顔料、水不溶性アニオン性ポリマー、及び水を含有する混合物を分散処理して分散体(1)を得る工程
工程(2):分散体(1)から有機溶媒(A)を除去して水分散体(2)を得る工程
工程(3):水分散体(2)、炭素数2以上6以下の多価アルコール(B)及び架橋剤(C)を混合して得られる分散体(3)中で前記水不溶性アニオン性ポリマーを架橋処理して、インクジェット記録用水分散体を得る工程
〔工程(1)〕
工程(1)は、有機溶媒(A)、顔料、水不溶性アニオン性ポリマー、及び水を含有する混合物を分散処理して分散体(1)を得る工程である。前記混合物には、水不溶性アニオン性ポリマーを中和するために中和剤を添加してもよい。有機溶媒(A)、顔料、水不溶性アニオン性ポリマー、及び中和剤については前述のとおりである。
工程(1)の分散処理は、水不溶性アニオン性ポリマーを有機溶媒(A)に溶解させてポリマーの有機溶媒溶液を調製し、次に顔料、水、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を、得られたポリマー溶液に加えて混合、分散処理して、水中油型の分散体(1)を得る方法が好ましい。顔料、水、中和剤をアニオン性ポリマーの有機溶媒溶液に加える順序に制限はないが、中和剤、水、顔料の順に加えることが好ましい。
前記混合物中の顔料の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。前記混合物中の有機溶媒(A)の含有量は、好ましくは10質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。また、前記混合物中のポリマーの含有量は、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。前記混合物中の水の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、好ましくは70質量%以下である。
工程(1)の混合物中の顔料100質量部に対するポリマーの量は、分散安定性の観点から、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上であり、同様の観点から、好ましくは100質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。
工程(1)の混合物中の、水100質量部に対する有機溶媒(A)の量は、顔料の分散性、インクの再分散性の観点から、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上であり、同様の観点から、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。
中和剤は、最終的に得られる水分散体のpHが7以上11以下であるように、用いることが好ましい。
工程(1)における混合物の分散方法に特に制限はない。本分散だけで顔料粒子の平均粒径を所望の粒径となるまで微粒化することもできるが、好ましくは予備分散させた後、さらに剪断応力を加えて本分散を行い、顔料粒子の平均粒径を所望の粒径とするよう制御することが好ましい。
工程(1)の分散における温度は、好ましくは0℃以上であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは35℃以下である。分散時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上であり、好ましくは30時間以下、より好ましくは25時間以下である。
混合物を予備分散させる際には、アンカー翼、ディスパー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置、なかでも高速撹拌混合装置が好ましい。
本分散の剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ニーダー等の混練機、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ビーズミル等のメディア式分散機が挙げられる。これらの中では、顔料粒子を小粒子径化する観点から、高圧ホモジナイザーが好ましい。
高圧ホモジナイザーとしては、Microfluidics社製「マイクロフルイダイザー」等が挙げられる。メディア式分散機としては、寿工業株式会社製「ウルトラ・アペックス・ミル」、浅田鉄工株式会社製「ピコミル」等が挙げられる。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。
〔工程(2)〕
工程(2)は、分散体(1)から有機溶媒(A)を除去して水分散体(2)を得る工程である。水不溶性アニオン性ポリマーの溶解性が高い有機溶媒(A)を除去することで、顔料表面のポリマーを顔料に強固に付着させることができると考えられる。有機溶媒(A)を除去する際に、一部の水を除去してもよい。工程(2)は、前記工程(1)で得られた分散体から有機溶媒(A)を除去して水分散体(2)にすることで、所望の平均粒径を有するポリマー粒子の水分散体を得ることができる。
分散体(1)に含まれる有機溶媒(A)の除去は、減圧蒸留等による一般的な方法により行うことができる。得られた水分散体(2)中の有機溶媒(A)は実質的に除去されており、水分散体(2)中の有機溶媒(A)の含有量は、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。更に、所望の粒径を有するポリマー粒子を得るために、水分散体(2)をろ過することで、粗大粒子を除去することが好ましい。また、水分散体(2)を遠心分離し、分別してもよい。
工程(2)において用いられる、有機溶媒(A)を除去するための装置としては、例えば、回分式蒸発装置が好ましい。回分式蒸発装置の中でも、撹拌槽回分式蒸発装置を用いることがより好ましく、撹拌槽薄膜式蒸発装置を用いることが更に好ましい。
ここで、「回分式蒸発装置」とは、温水やスチーム等の熱媒体を通水又は通気することができるジャケット部や伝熱ヒーター等の加熱部等が槽の外壁面に配設され、又は、温水やスチーム等の熱媒体を通水又は通気させることができるコイルが槽内部に配設され、加熱によって溶媒を蒸発除去することができる蒸発装置をいう。
「撹拌槽回分式蒸発装置」とは、回分式蒸発装置に撹拌装置が配設され、槽内を撹拌しながら溶媒を蒸発除去することができる蒸発装置をいう。
「撹拌槽薄膜式蒸発装置」とは、撹拌槽回分式蒸発装置において、加熱内壁面を利用して溶液等の薄膜を形成させ、その薄膜面より溶媒を蒸発除去することができる蒸発装置をいう。撹拌槽薄膜式蒸発装置としては、関西化学機械製作株式会社製「ウォールウェッター」等を挙げることができる。
工程(1)における前記混合物、及び工程(2)で用いる分散体(1)は、炭素数2以上6以下の多価アルコール(B)を実質的に含まないことが好ましい。具体的には、工程(1)の混合物中、及び工程(2)で用いる分散体(1)中の多価アルコール(B)の含有量が、いずれも、好ましくは2質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0質量%である。工程(1)において、前記混合物が多価アルコール(B)を実質的に含むと、顔料表面へのポリマーの付着が阻害されたり、ポリマーを顔料表面に付着させることができなくなる場合がある。また、工程(2)で用いる分散体(1)が多価アルコール(B)を実質的に含むと、有機溶媒(A)を除去する工程で顔料表面のポリマーが多価アルコール(B)中に脱離して顔料分散体が凝集する場合がある。その結果、該分散体をインクに配合しても、乾燥インクの粘度増加を抑制できず、再分散性も低下し、本発明の課題であるノズル詰まりが解消されない場合がある。したがって工程(1)における前記混合物及び工程(2)で用いる分散体(1)が多価アルコール(B)を含む場合は、本発明の効果に影響を与えない程度の微量に限られる。
〔工程(3)〕
工程(3)は、工程(2)で得られた水分散体(2)、炭素数2以上6以下の多価アルコール(B)及び架橋剤(C)を混合して得られる分散体(3)中で前記水不溶性アニオン性ポリマーを架橋処理して、インクジェット記録用水分散体を得る工程である。工程(3)において、更にイオン交換水等の水を混合してもよい。
工程(3)における分散体(3)中の前記多価アルコール(B)の含有量は、水分散体をインクに配合した際の乾燥インクの粘度増加の抑制、及びインクの再分散性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、同様の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。また、工程(3)において、前記分散体(3)に対する、前記多価アルコール(B)の好ましい混合量は、前記含有量と同じである。
工程(3)における分散体(3)の固形分は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。
架橋剤(C)の使用量は、分散体の保存安定性、水分散体をインクに配合した際の乾燥インクの粘度増加の抑制、及びインクの再分散性の観点から、ポリマー100質量部に対し、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは35質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、より更に好ましくは25質量部以下、より更に好ましくは20質量部以下である。
工程(3)における架橋処理は、水分散体(2)、炭素数2以上6以下の多価アルコール(B)及び架橋剤(C)を混合して分散体(3)を調製し、これを加熱条件下で攪拌することにより行うのが好ましい。架橋処理時の温度は、使用する多価アルコール(B)及び架橋剤(C)の種類等により適宜選択することができるが、架橋反応の促進の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、好ましくは100℃以下である。架橋処理時間は、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、更に好ましくは2時間以上であり、好ましくは24時間以下、より好ましくは12時間以下、更に好ましくは8時間以下である。
架橋ポリマーの架橋率は、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上であり、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下、更に好ましくは60モル%以下である。架橋率は、使用した架橋剤(C)の反応性官能基のモル数を、ポリマーが有する架橋剤(C)と反応できる反応性基のモル数で除したものである。
工程(3)の架橋処理後に得られるインクジェット記録用水分散体中のポリマー粒子の平均粒径は、分散性、該分散体を用いて得られるインクの乾燥インクの粘度増加の抑制、及びインクの再分散性の観点から、好ましくは30nm以上、より好ましくは40nm以上、更に好ましくは50nm以上であり、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは150nm以下である。なお、平均粒径は、実施例記載の方法により測定される。
[インクジェット記録用水系インクの製造方法]
また本発明は、下記工程(4)を有するインクジェット記録用水系インクの製造方法を提供する。

工程(4):前記の方法で得られたインクジェット記録用水分散体に、更に水及び有機溶媒(D)から選ばれる1種以上を混合する工程
なお「前記の方法で得られたインクジェット記録用水分散体」とは、前記工程(3)で得られたインクジェット記録用水分散体を意味する。
〔工程(4)〕
工程(4)は、前記工程(3)で得られたインクジェット記録用水分散体に、更に水及び有機溶媒(D)から選ばれる1種以上を混合する工程である。工程(4)を行うことにより、所望の濃度、粘度等のインク物性を有する水系インクを得ることができる。
工程(4)で用いられる有機溶媒(D)としては、多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これらの中では、グリセリン、プロピレングリコール及びジエチレングリコールから選ばれる1種以上が好ましい。
多価アルコールアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
上記有機溶媒(D)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(インクジェット記録用水分散体)
前記工程(1)〜(3)を有する本発明の製造方法により得られたインクジェット記録用水分散体には、乾燥防止のために、保湿剤、有機溶媒を添加することができ、また、水系インクに通常用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等を添加して、そのまま水系インクとして用いることもできる。
本発明の製造方法で得られる水分散体の固形分は、高濃度のインクを得る観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、分散安定性の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
また、本発明の製造方法により得られた水系インクは、該インクを乾燥させて乾燥インクとした後も粘度増加が少なく、かつ再分散性にも優れる。このため、インクの乾燥によるインクジェット記録装置のノズル詰まりが発生しても、容易にノズル詰まりを解消できる。
水系インク中の顔料の含有量は、水系インクの印字濃度を高める観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上である。また、水系インクの粘度及び安定性の観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、より更に好ましくは12質量%以下である。
また、上記水系インクの粘度は、良好な吐出安定性を維持する観点から、20℃において好ましくは2mPa・s以上、より好ましくは2.5mPa・s以上であり、好ましくは20mPa・s以下、より好ましくは16mPa・s以下、更に好ましくは12mPa・s以下である。
上述の実施形態に関し、本発明は以下のインクジェット記録用水分散体の製造方法及びインクジェット記録用水系インクの製造方法を開示する。
<1> 下記工程(1)〜(3)を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法。
工程(1):有機溶媒(A)、顔料、水不溶性アニオン性ポリマー、及び水を含有する混合物を分散処理して分散体(1)を得る工程
工程(2):分散体(1)から有機溶媒(A)を除去して水分散体(2)を得る工程
工程(3):水分散体(2)、炭素数2以上6以下の多価アルコール(B)及び架橋剤(C)を混合して得られる分散体(3)中で前記水不溶性アニオン性ポリマーを架橋処理して、インクジェット記録用水分散体を得る工程
<2> 有機溶媒(A)が、好ましくは炭素数4以上8以下の、ケトン、アルコール、エーテル及びエステルから選ばれる1種以上、より好ましくは炭素数4以上8以下のケトン、更に好ましくはMEK、メチルイソブチルケトン及びジエチルケトンから選ばれる1種以上、更に好ましくはMEK及びメチルイソブチルケトンから選ばれる1種以上、更に好ましくはMEKである、上記<1>に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<3> 分散体(3)中の前記多価アルコール(B)の含有量が、好ましくは分散体(3)に対し1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である、上記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<4> 炭素数2以上6以下の多価アルコール(B)が、好ましくは炭素数2以上6以下のジオール、炭素数2以上6以下のトリオール、ペンタエリスリトール、イノシトール、及びソルビトールから選ばれる1種以上、より好ましくは炭素数2以上4以下のジオール及びグリセリンから選ばれる1種以上、更に好ましくはグリセリン及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上である、上記<1>〜<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<5> 架橋剤(C)の使用量が、水不溶性アニオン性ポリマー100質量部に対し、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは35質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である、上記<1>〜<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<6> 架橋剤(C)が、好ましくは水不溶性アニオン性ポリマーが有するアニオン性基と反応しうる官能基を分子中に2以上有する化合物、より好ましくは分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物、更に好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル及び水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテルから選ばれる1種以上、更に好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテル及びトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルから選ばれる1種以上、更に好ましくはトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルである、上記<1>〜<5>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<7> 架橋剤(C)の分子量が、好ましくは120以上、より好ましくは150以上であり、好ましくは2000以下、より好ましくは1500以下、更に好ましくは1000以下である、上記<1>〜<6>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<8> 水不溶性アニオン性ポリマーが、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達した物質を、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が、好ましくは10g以下、より好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である、上記<1>〜<7>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<9> 水不溶性アニオン性ポリマーが、好ましくは(a)アニオン性モノマー由来の構成単位と、(b)疎水性モノマー由来の構成単位を有するビニル系ポリマー、より好ましくは(a)アニオン性モノマー由来の構成単位と(b)疎水性モノマー由来の構成単位を有し、更に(c)マクロマー由来の構成単位を有するビニル系ポリマーである、上記<1>〜<8>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<10> (a)アニオン性モノマーが、好ましくはカルボキシ基、スルホ基、リン酸基、又はホスホン酸基を有するモノマー、より好ましくはカルボキシ基を有するモノマー、更に好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる1種以上である、上記<9>に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<11> (b)疎水性モノマーが、好ましくはアルキル(メタ)アクリレート及びエチレン性二重結合を有する芳香族化合物(芳香族モノマー)から選ばれる1種以上、より好ましくは芳香族モノマーである、上記<9>又は<10>に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<12> アルキル(メタ)アクリレートが、好ましくはメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上、より好ましくは2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上である、上記<11>に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<13> 芳香族モノマーが、好ましくは炭素数6以上、22以下の芳香族基を有するビニル系モノマー、より好ましくはスチレン系モノマー及び芳香族基を有する(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上である、上記<11>又は<12>に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<14> スチレン系モノマーが、好ましくはスチレン、2−メチルスチレン及びジビニルベンゼンから選ばれる1種以上、より好ましくはスチレンである、上記<13>に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<15> 芳香族基を有する(メタ)アクリレートが、好ましくはベンジル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上、より好ましくはベンジル(メタ)アクリレートである、上記<13>又は<14>に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<16> 芳香族モノマーが、好ましくはスチレン系モノマー及び芳香族(メタ)アクリレート、より好ましくはスチレン及びベンジル(メタ)アクリレートである、上記<11>〜<15>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<17> (c)マクロマーが、好ましくは片末端に重合性官能基を有する化合物である、上記<9>〜<16>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<18> (c)マクロマーの数平均分子量が、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは10,000以下である、上記<9>〜<17>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<19> (c)マクロマーが、好ましくは芳香族マクロマー及びシリコーン系マクロマーから選ばれる1種以上、より好ましくは芳香族マクロマー、更に好ましくはスチレン及びベンジル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上に由来する構成単位を有するマクロマー、更に好ましくはスチレンに由来する構成単位を有するマクロマーである、上記<9>〜<18>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<20> 水不溶性アニオン性ポリマーが、好ましくは更に(d)ノニオン性モノマー由来の構成単位を有するビニル系ポリマーである、上記<9>〜<19>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<21> (d)ノニオン性モノマーが、好ましくは前記一般式(1)で表される化合物、より好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上、更に好ましくはポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート及びフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上である、上記<20>に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<22> 水不溶性アニオン性ポリマーの重量平均分子量が、好ましくは5,000以上、より好ましくは1万以上、更に好ましくは2万以上であり、好ましくは50万以下、より好ましくは40万以下、更に好ましくは30万以下、更に好ましくは20万以下である、上記<1>〜<21>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<23> 工程(3)における架橋処理前の水不溶性ポリマーの中和度が、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは70モル%以下である、上記<1>〜<22>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<24> 工程(1)の混合物中の多価アルコール(B)の含有量が、好ましくは2質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0質量%である、上記<1>〜<23>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<25> 工程(2)で用いる分散体(1)中の多価アルコール(B)の含有量が、好ましくは2質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0質量%である、上記<1>〜<24>のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
<26> 下記工程(4)を有する、インクジェット記録用インクの製造方法。
工程(4):上記<1>〜<25>のいずれかに記載の方法で得られたインクジェット記録用水分散体に、更に水及び有機溶媒(D)から選ばれる1種以上を混合する工程
<27> 有機溶媒(D)が、好ましくは多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル、及び含窒素複素環化合物から選ばれる1種以上である、上記<26>に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
以下の製造例、実施例及び比較例において、ポリマー及びインクの評価は下記の方法により行った。
(1)ポリマーの重量平均分子量の測定
ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう)法を用いた。溶離液として、リン酸濃度60mmol/L、臭化リチウム濃度50mmol/LのN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」ともいう)溶液を用いた。試料をDMFで希釈して、固形分0.3質量%の溶液とし、その500μLを、GPC〔装置:東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」、カラム:東ソー株式会社製「TSK−GEL、α−M」×2本、カラム温度:40℃、流速:1mL/min〕にて測定した。標準物質としては、単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製:重量平均分子量 842万、500万、9.64万;西尾工業株式会社製:重量平均分子量 90万、3万、0.4万)を用いた。
(2)固形分の測定
シャーレに乾燥無水硫酸ナトリウム10g及びガラス棒を入れ、シャーレ+ガラス棒+乾燥無水硫酸ナトリウムの質量:a(g)を測定した。ここに試料1gを量り採り(試料の質量:b(g))、ガラス棒で混合し、105℃で2時間乾燥した。これをデシケータ中で室温まで冷却した後、乾燥後の質量:c(g)を測定し、次式より固形分を算出した。
固形分(質量%)={〔(乾燥後の質量c(g))−(シャーレ+ガラス棒+乾燥無水硫酸ナトリウムの質量a(g))〕/(試料の質量b(g))}×100
(3)インク粘度の測定
E型粘度計(東機産業株式会社製)を用い、標準ローター(1°34′×R24)を使用し、測定温度20℃、測定時間1分、回転数20〜100rpmのうち、該インクで装置が許容する最高回転数の条件で測定した。
(4)平均粒径の測定
大塚電子株式会社製レーザー粒子解析システム「ELS−8000」を用い、キュムラント解析(温度:25℃、入射光と検出器との角度:90°、積算回数:100回、分散溶媒の屈折率:1.333)によって測定した。試料は、イオン交換水にて約5×10-3質量%に濃度調整して、測定を行った。
(5)乾燥インクの粘度の測定
調製したインク100gをガラス容器に入れ、インク質量が75gになるまでインク中の水分を揮発させてインクを乾燥させた。乾燥させたインクの粘度を、E型粘度計(東機産業株式会社製)を用い、標準ローター(1°34′×R24)を使用し、測定温度20℃、測定時間1分、回転数0.5〜100rpmのうち、該インクで装置が許容する最高回転数の条件で測定した。
(6)インクの再分散性評価
予め質量を測定したガラス製シャーレに、インクを5g入れ、60℃の恒温槽にて2週間放置した。シャーレを恒温槽から取り出し、室温(25℃)に戻した後、乾燥後のシャーレの質量を測定して乾燥インクの質量aを算出した。乾燥インクは、水が揮発してペースト状になっていた。
次いで、上記乾燥インク入りのシャーレに同じ組成の新しいインクを5g加え、室温(25℃)で30分放置した。シャーレを傾けて20秒静止してインクを流出させた後、シャーレの質量を測定し、流出せずにシャーレに残存したインクの質量bを測定した。
インクの再分散率を下記式より算出した。再分散率が100%に近いほど、インクの再分散性に優れる。
再分散率(%)=[1−(シャーレに残存したインクの質量b)/(乾燥インクの質量a)]×100
(7)ノズル復帰性の評価
インクジェットヘッド(京セラ株式会社製「KJ4B−HD06MHG−STDV」)を装備した印刷装置(株式会社トライテック製「One Pass Jet」)に実施例及び比較例で得られたインクを充填し、解像度:普通、出力値:2値、多値化:ベイヤーティザ、出力サイズ:小、ヘッド電圧:26V、周波数:20kHz、ヘッド温度:20℃に設定し、記録媒体としてA4写真用紙(エプソン製「クリスピア」)1枚を用い、記録媒体を50m/分で移動させながら、3cm×3cmの領域に、1画素当たり11pLに相当する量のインクを吐出して、前記写真用紙に均一画像を形成することでノズル内をクリーニングした。ノズル面をノンキャップ状態として、室温(25℃)で30分間放置した後、前記と同じ印刷を2回行った。得られた印刷物のドットを顕微鏡にて観察し、以下の基準で評価した。
○:1回目の印刷で全ノズルの吐出が確認された。
△:2回目の印刷で全ノズルの吐出が確認された。
×:2回目の印刷で不吐出のノズルが確認された。
製造例1(水不溶性アニオン性ポリマーAの製造)
反応容器内に、MEK 200g、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.3g、及び表1に示す質量比のモノマー混合物200gを入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
滴下ロートに、表1に示す質量比のモノマー混合物1800g、前記重合連鎖移動剤2.7g、MEK 600g、及びラジカル重合開始剤〔2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〕12gを入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、ここに滴下ロート中の混合溶液を3時間で滴下した。滴下終了後、65℃で2時間攪拌した後、前記ラジカル重合開始剤3gをMEK 50gに溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間撹拌した。反応容器内の溶液の固形分が50質量%となるように、MEKを加え、更に30分間攪拌し、水不溶性アニオン性ポリマーAの50質量%溶液を得た。得られたポリマーAの重量平均分子量は150,000であった。
Figure 0006232265
なお、表1に示すモノマーの詳細は以下のとおりである。
・スチレンマクロマー:東亜合成株式会社製「AS−6(S)」(数平均分子量:6,000、重合性官能基:メタクリロイルオキシ基)
・PP−800(ポリプロピレングリコールモノメタクリレート):日油株式会社製「ブレンマーPP−800」(プロピレンオキシド平均付加モル数=12、末端:ヒドロキシ基)
・43PAPE−600B(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート):日油株式会社製「ブレンマー43PAPE−600B」(エチレンオキシド平均付加モル数=6、プロピレンオキシド平均付加モル数=6、末端:フェニル基)
実施例1
(インクジェット記録用水分散体1の製造)
<工程(1)>
外周にジャケットを備えたステンレス製ペール型容器(内寸直径35cm、)に、製造例1で得られた水不溶性アニオン性ポリマーAの50質量%溶液1714gと、有機溶媒(A)であるMEK 1313gとを入れた。以降、前記ジャケット中に0〜10℃の冷却水を循環させ、ディスパー翼(プライミクス株式会社製「T.K.ホモディスパー 40型」、直径:0.11m)にて1400rpmで撹拌しながら、5N水酸化ナトリウム水溶液160g(ポリマーの中和度61モル%に相当する量)、イオン交換水8285gを添加し、更に2000rpmで15分間撹拌した。次いで、顔料としてDIC社製「クロモファインレッド P.R.122」 2000gを加え、容器内の混合物の温度を15℃に保ち、2600rpmで7時間撹拌した。得られた混合物に対し、Microfluidics社製「マイクロフルイダイザー」を用いて、混合物温度15℃、圧力150MPaで分散処理を15パス行い、分散体(1)を得た。固形分は21.4質量%であった。
<工程(2)>
前記工程(1)で得られた分散体(1)13472gに、イオン交換水5442gを加え、固形分を15.2質量%に調整して攪拌槽薄膜式蒸発装置(関西化学機械製作株式会社製「ウォールウェッター」、容器:45L)に投入した。前記蒸発装置の温度を54℃に設定し、200rpmで撹拌し、圧力10kPaの減圧下でMEKを除去して水分散体(2)を得た。固形分は25.0質量%であった。
<工程(3)>
前記工程(2)で得られた水分散体(2)11534gに対し、架橋剤(C)としてエポキシ架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル「デナコールEX321」、エポキシ当量129)を55g(架橋率38モル%に相当する量)、多価アルコール(B)としてグリセリンを1216g、イオン交換水を659g添加して混合し、得られた分散体(3)を、90℃で5時間撹拌して架橋処理を行った。25℃に冷却後、孔径3μmのフィルターでろ過し、固形分が21.8質量%、グリセリン含有量が9.0質量%のインクジェット記録用水分散体1を得た。
(インク1の製造)
100gのインクジェット記録用水分散体1に対し、グリセリンを7.7g、プロピレングリコールを20.6g、2−ピロリドンを13.1g、日信化学工業株式会社製「オルフィンE1010」を0.9g、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを1.9g、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを13.1g、イオン交換水を30g加えて混合した。得られた混合液をフィルター(富士フイルム株式会社製 アセチルセルロース膜、孔径1.2μm)でろ過して、顔料濃度が8.0質量%のインク1を調製した。
実施例2
(インクジェット記録用水分散体2の製造)
実施例1の工程(3)において、グリセリンの添加量を676g、イオン交換水の添加量を1200gに変更した以外は実施例1と同様の方法で、固形分が21.8質量%、グリセリン含有量が5.0質量%のインクジェット記録用水分散体2を得た。
(インク2の製造)
インク1の製造において、インクジェット記録用水分散体1をインクジェット記録用水分散体2に変更し、グリセリンの添加量を11.9g、イオン交換水の添加量を26.0gに変更した以外はインク1の製造と同様の方法でインク2を調製した。
実施例3
(インクジェット記録用水分散体3の製造)
実施例1の工程(3)において、グリセリンの添加量を270g、イオン交換水の添加量を1605gに変更した以外は実施例1と同様の方法で、固形分が21.8質量%、グリセリン含有量が2.0質量%のインクジェット記録用水分散体3を得た。
(インク3の製造)
インク1の製造において、インクジェット記録用水分散体1をインクジェット記録用水分散体3に変更し、グリセリンの添加量を14.9g、イオン交換水の添加量を23.0gに変更した以外はインク1の製造と同様の方法でインク3を調製した。
実施例4
(インクジェット記録用水分散体4の製造)
実施例1の工程(3)において、グリセリンを多価アルコール(B)であるプロピレングリコールに変更した以外は実施例1と同様の方法で、固形分が21.8質量%、グリセリン含有量が9.0質量%のインクジェット記録用水分散体4を得た。
(インク4の製造)
インク1の製造において、インクジェット記録用水分散体1をインクジェット記録用水分散体4に変更し、グリセリンの添加量を16.9g、イオン交換水の添加量を11.6gに変更した以外はインク1の製造と同様の方法でインク4を調製した。
実施例5
(インクジェット記録用水分散体5の製造)
実施例2の工程(3)において、グリセリンをプロピレングリコールに変更した以外は実施例2と同様の方法で、固形分が21.8質量%、プロピレングリコール含有量が5.0質量%のインクジェット記録用水分散体5を得た。
(インク5の製造)
インク1の製造において、インクジェット記録用水分散体1をインクジェット記録用水分散体5に変更し、グリセリンの添加量を16.9g、イオン交換水の添加量を15.6gに変更した以外はインク1の製造と同様の方法でインク5を調製した。
実施例6
(インクジェット記録用水分散体6の製造)
実施例3の工程(3)において、グリセリンをプロピレングリコールに変更した以外は実施例3と同様の方法で、固形分が21.8質量%、プロピレングリコール含有量が2.0質量%のインクジェット記録用水分散体6を得た。
(インク6の製造)
インク1の製造において、インクジェット記録用水分散体1をインクジェット記録用水分散体6に変更し、グリセリンの添加量を16.9g、イオン交換水の添加量を18.6gに変更した以外はインク1の製造と同様の方法でインク6を調製した。
比較例1
(インクジェット記録用水分散体7の製造)
実施例1の工程(3)において、グリセリンを使用せず、イオン交換水の使用量を1870gに変更した以外は実施例1と同様の方法で、固形分が21.8質量%のインクジェット記録用水分散体7を得た。
(インク7の製造)
インク1の製造において、インクジェット記録用水分散体1をインクジェット記録用水分散体7に変更し、グリセリンの添加量を16.9g、イオン交換水の添加量を21.1gに変更した以外はインク1の製造と同様の方法でインク7を調製した。
比較例2
(インクジェット記録用水分散体8の製造)
<工程(1)>
外周にジャケットを備えたステンレス製ペール型容器(内寸直径35cm)に、製造例1で得られた水不溶性アニオン性ポリマーAの50質量%溶液1714gと、有機溶媒(A)であるMEK 1313gとを入れた。以降、前記ジャケット中に0〜10℃の冷却水を循環させ、前記ディスパー翼にて1400rpmで撹拌しながら、5N水酸化ナトリウム水溶液160g(ポリマーの中和度61モル%に相当する量)、イオン交換水7607g、多価アルコール(B)であるグリセリン676gを添加し、更に2000rpmで15分間撹拌した。次いで、顔料としてDIC社製「クロモファインレッド P.R.122」 2000gを加え、容器内の混合物の温度を15℃に保ち、2600rpmで7時間撹拌した。得られた混合物に対し、Microfluidics社製「マイクロフルイダイザー」を用いて、混合物温度15℃、圧力150MPaで分散処理を15パス行い、分散体(1’)を得た。固形分は21.4質量%であった。
<工程(2)>
前記工程(1)で得られた分散体(1’)13470gに、イオン交換水5442gを加え、固形分を15.2質量%に調整して攪拌槽薄膜式蒸発装置(関西化学機械製作株式会社製「ウォールウェッター」、容器:45L)に投入した。前記蒸発装置の温度を54℃に設定し、200rpmで撹拌し、圧力10kPaの減圧下でMEKを除去して分散体(2’)を得た。固形分は25.0質量%であった。
<工程(3)>
前記工程(2)で得られた分散体(2’)11532gに対し、架橋剤(C)としてエポキシ架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル「デナコールEX321」、エポキシ当量129)を55g(架橋率38モル%に相当する量)、イオン交換水を1873g添加して混合し、得られた分散体(3’)を、90℃で5時間撹拌して架橋処理を行った。25℃に冷却後、孔径3μmのフィルターでろ過し、固形分が21.8質量%のインクジェット記録用水分散体8を得た。
(インク8の製造)
インク2の製造において、インクジェット記録用水分散体2をインクジェット記録用水分散体8に変更した以外は、インク2の製造と同様の方法でインク8を調製した。
比較例3
(インクジェット記録用水分散体9の製造)
比較例2の工程(1)において、多価アルコール(B)であるグリセリンをプロピレングリコールに変更した以外は比較例2と同様の方法で、固形分が21.8質量%のインクジェット記録用水分散体9を得た。
(インク9の製造)
インク5の製造においてインクジェット記録用水分散体5をインクジェット記録用水分散体9に変更した以外は、インク5の製造と同様の方法でインク9を調製した。
比較例4
(インクジェット記録用水分散体10の製造)
<工程(1)>
実施例1に記載の<工程(1)>と同様の方法で分散体(1)を得た。
<工程(2)>
前記工程(1)で得られた分散体(1)13472gに、イオン交換水4766g、多価アルコール(B)であるグリセリン676gを加え、固形分を15.2質量%に調整して攪拌槽薄膜式蒸発装置(関西化学機械製作株式会社製「ウォールウェッター」、容器:45L)に投入した。前記蒸発装置の温度を54℃に設定し、200rpmで撹拌し、圧力を10kPaの減圧下でMEKを除去して、分散体(2’’)を得た。固形分は25.0質量%であった。
<工程(3)>
前記工程(2)で得られた分散体(2’’)11534gに対し、架橋剤(C)としてエポキシ架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル「デナコールEX321」、エポキシ当量129)を55g(架橋率38モル%に相当する量)、イオン交換水を1873g添加して混合し、得られた分散体(3’’)を、90℃で5時間撹拌して架橋処理を行った。25℃に冷却後、孔径3μmのフィルターでろ過し、固形分が21.8質量%のインクジェット記録用水分散体10を得た。
(インク10の製造)
インク2の製造において、インクジェット記録用水分散体2をインクジェット記録用水分散体10に変更した以外はインク2の製造と同様の方法でインク10を調製した。
比較例5
(インクジェット記録用水分散体11の製造)
比較例4において、工程(2)のグリセリンをプロピレングリコールに変更した以外は比較例4と同様の方法で、固形分が21.8質量%のインクジェット記録用水分散体11を得た。
(インク11の製造)
インク5の製造において、インクジェット記録用水分散体5をインクジェット記録用水分散体11に変更した以外はインク5の製造と同様の方法でインク11を製造した。
得られたインクを用いて、前記評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006232265
本発明の方法で得られた実施例1〜6の水分散体を用いて製造したインク1〜6は、多価アルコール(B)を使用せずに製造した水分散体7を用いた比較例1のインク7、及び工程(2)の終了よりも前の段階で多価アルコール(B)を混合して製造した水分散体を用いた比較例2〜5のインク8〜11と比べて、水分揮発に伴う乾燥インク粘度の増加が抑制されており、また再分散性が改善されていることがわかる。また実施例のインク1〜6は、比較例のインク7〜11と比較してノズル復帰性が優れている。
本発明によれば、インクに配合した際に、乾燥インクの粘度増加を抑制でき、再分散性も良好であるためノズル復帰性に優れるインクが得られる、インクジェット記録用水分散体の製造方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. 下記工程(1)〜(3)を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法。
    工程(1):有機溶媒(A)、顔料、水不溶性アニオン性ポリマー、及び水を含有する混合物を分散処理して分散体(1)を得る工程
    工程(2):分散体(1)から有機溶媒(A)を除去して水分散体(2)を得る工程
    工程(3):水分散体(2)、炭素数2以上6以下の多価アルコール(B)及び架橋剤(C)として分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物を混合して得られる分散体(3)中で前記水不溶性アニオン性ポリマーを架橋処理して、インクジェット記録用水分散体を得る工程
  2. 有機溶媒(A)が、炭素数4以上8以下の、ケトン、アルコール、エーテル及びエステルから選ばれる1種以上である、請求項1に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  3. 分散体(3)中の前記多価アルコール(B)の含有量が、1質量%以上10質量%以下である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  4. 前記多価アルコール(B)が、炭素数2以上4以下のジオール及びグリセリンから選ばれる1種以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  5. 架橋剤(C)の使用量が、前記水不溶性アニオン性ポリマー100質量部に対し、0.3質量部以上50質量部以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  6. 下記工程(4)を有する、インクジェット記録用インクの製造方法。
    工程(4):請求項1〜5のいずれかに記載の方法で得られたインクジェット記録用水分散体に、更に水及び有機溶媒(D)から選ばれる1種以上を混合する工程
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