JP6231852B2 - 洗浄水給水システムと衛生設備 - Google Patents
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Description
また、システムの運転開始時に、ポンプ4内の空気が圧縮されるために配管3内に圧力損失が発生し、洗浄水の瞬間流量が低下してしまい、便器の洗浄不良を生じる恐れがあった。
本発明によれば、便器と浴槽を接続する配管における浴槽の取水口より低い位置に洗浄水の排水手段を設けたため、配管内に残留している洗浄水を排水手段から排出できるので、配管内に残留する洗浄水の汚れが付着したり雑菌が繁殖したりすることを防止できる。しかも、配管は排水手段を設けた部分が取水口より低い位置にあるため、配管の一部が取水口より上方にあっても洗浄後に配管内に存在する空気が少なく、洗浄時に洗浄水に多量の空気を巻き込んで異音が発生することを抑制できると共に、配管内の圧力損失を低減させて洗浄水の瞬間流量を確保できるため便器の洗浄不良を抑制できる。
浴槽の排水口に設けた開閉弁と配管に設けた排水手段とを連動して開弁することで、浴槽内と配管内の洗浄水を全て排出することができて、汚れの付着や雑菌の繁殖を防止できて清潔に維持できる。
配管の最も低い位置に排水手段を設けたことで、配管内の洗浄水を確実に排出できる。
配管の取水口を浴槽の底部に設けた排水口より高い位置に設けたことで、浴槽の底部に沈積する汚れやゴミ等が配管内に流入することを防止できる。
しかも、配管の一部が取水口より上方にあっても排水手段を含む残りの部分が取水口より低い位置にあるため、不使用時や洗浄後に配管内に存在する空気が少なく、洗浄時に洗浄水に空気を巻き込んで異音が発生することや、配管内の圧力損失による便器の洗浄不良を抑制できる。
図1は本発明の第一実施形態による洗浄水給水システム10を示すものであり、この洗浄水給水システム10は、例えば住宅等において、浴槽11内の入浴後の残り湯等の水を洗浄水として、配管12を通して例えば洋式便器等の便器13に供給して便器13内の汚物を洗浄するようにしたものである。
浴槽11は図示しない浴室内に設置され、浴槽11内の底部11aの最も下側に設けた排水口14は例えばゴム栓等で開閉可能とされ、ゴム栓に接続された鎖等を人が操作することで開口し、また閉塞することができる。図1に示す例では、浴槽11内に入浴済みの残り湯である水wが貯留されている。なお、水wは必ずしも残り湯でなくてもよい。
浴槽11に設けた水用の配管12と、配管12の経路に設けたポンプ17と、流量計18とは洗浄水給水系19を構成する。
また、配管12において流量計18の下流側の接続部12cはバキュームブレーカ27と便鉢20の間の給水管25bに接続されて、水wの洗浄水を便鉢20に給水するようになっている。上水管25と上水開閉弁26とバキュームブレーカ27は上水給水系28を構成する。
スイッチ装置30は例えば便器13の側方または住宅の壁面等に設けられ、便器13への給水洗浄を行う洗浄スイッチ32と、電磁弁16を開弁する排水スイッチ33とが設けられている。
また、制御手段31には、流量計18で検出された配管12を通る水wの流量を検知して信号として入力させる配線と、ポンプ17と電磁弁16をそれぞれ作動制御する配線とが接続されている。制御手段31では、流量計18で検出した洗浄水の流量に基づいて、ポンプ17によって便器13に給水する洗浄水の量を制御する。また、制御手段31は、排水スイッチ33を押圧している時間だけ電磁弁16を開弁するように設定してもよいし、電磁弁16をONすることで配管12内の水が完全に排出される程度の十分な時間だけ開弁させるようにしてもよい。
この状態で、便器13の使用後に洗浄スイッチ32が押されると、制御手段31からの指示信号によって配管12のポンプ17が駆動させられ、浴槽11内や下側配管部12aに貯留された水が洗浄水として配管トラップ部12bを介して接続部12cを通って上水管25の給水管25bから便器13の便鉢20内に給水させられる。
洗浄開始時において、配管トラップ部12b内の水面から便器13までの配管12内には空気が存在するため、空気とポンプ17で供給される洗浄水とが混在して便鉢20内に排出されるが、この間の配管12の長さは短く空気の量は少量であるため異音の発生は抑えられる。しかも、配管12内の圧力損失が低減されるために、洗浄水の瞬間流量を確保できて便器13の洗浄不良を防止できる。
配管12を通る水の洗浄水は流量計18で流量が計測され、所定量の洗浄水が供給されると制御手段31でポンプ17を停止させる。そして、便器13内の汚物の排出が終了した後、制御手段31では、上水開閉弁26とバキュームブレーカ27を開弁して上水管25を通して便器13内の底部に上水を溜めて封水を形成する。
そして、配管12内の水がある程度の時間貯留された状態で、スイッチ装置30の排水スイッチ33を押すと電磁弁16が開弁され、下側配管部12a内の水は全て排出される。このとき、浴槽11の取水口15は常時開口であるから、電磁弁16だけを開弁した場合には、浴槽11の水面は取水口15まで低下する。また、排水スイッチ33と共に浴槽11の排水口14を開弁しておけば浴槽11内の水は全て排出される。
なお、配管12内の水wを排水した後で、配管12の内壁を洗浄するには、上水を配管12内に所定時間流すようにすればよい。
しかも、洗浄水給水システム10の不使用時に、配管12内に残存する空気が少なく、便器13の洗浄開始時に、配管12内の空気を水に巻き込んだ異音が発生することを防止できると共に、配管12内の圧力損失が低減されるため、洗浄水の瞬間流量を確保できて便器13の洗浄不良を抑制できる。
そして、スイッチ装置30には洗浄スイッチ32と、開閉弁34及び電磁弁16を連動してまたは同時に開閉する浴槽排水スイッチ35とが設置されている。浴槽排水スイッチ35をONすることで、開閉弁34を開弁して浴槽11内の水を排水口14から排出すると共に電磁弁16を開弁して配管12内の洗浄水を排出することができる。
また、スイッチ装置30内に排水スイッチ33を設置しておいてもよく、この場合には、浴槽11の排水とは別に、電磁弁16によって配管12内に残留する洗浄水を随時排出することができる。
即ち、図3はある家庭における生活サイクルと浴槽11内の水位との関係を示すタイムチャートである。例えば、夜20時頃から22時頃まで入浴するために浴槽11内に湯が供給されて水位が高く維持され、就寝前にトイレを使用することで、洗浄水給水システム10、10Aによって水wを便器13に供給するため水位が一段低下する。そして、就寝時に浴槽11内の水wが所定水位に保持され、朝、家人が起きてトイレ(や洗濯)等で浴槽11内の水wを使用して水位が低下し、外出時には水位が同一レベルに維持される。そして、夕方、帰宅後にトイレを使用すると浴槽11の水位がまた低下する。その後、予め設定した入浴前の時間(例えば18時)に、制御手段31によって開閉弁34と電磁弁16を自動的に開弁することで浴槽11と配管12内の水wを排出する。
なお、上述した変形例では、浴槽11と配管12を定期的に自動排水するようにしたが、制御手段31によって、配管12の電磁弁16だけを定期的に自動排水するようにしてもよい。そのサイクルは1日1回に限定されることなく、適宜決定することができる。
また、上述した各実施形態や変形例による洗浄水給水システム10、10A等は衛生設備を構成する。
11 浴槽
12 配管
12a 下側配管部
12b 配管トラップ部
13 便器
14 排水口
15 取水口
16 電磁弁
17 ポンプ
18 流量計
20 便鉢
23 トラップ部
25 上水管
26 上水開閉弁
30 スイッチ装置
31 制御手段
32 洗浄スイッチ
33 排水スイッチ
34 開閉弁
35 浴槽排水スイッチ
Claims (5)
- 浴槽と便器を配管によって連結し、前記浴槽の水を洗浄水として前記便器に給水する洗浄水給水システムであって、
前記浴槽の取水口に接続された前記配管は前記取水口より低い位置に洗浄水の排水手段をなす電磁弁を設け、
前記電磁弁の開弁操作を所定時間毎に定期的に行うように電気的に開閉制御する制御手段を設けたことを特徴とする洗浄水給水システム。 - 前記電磁弁は前記浴槽の底部に設けた排水口の開閉弁と連動して開弁するようにした請求項1に記載された洗浄水給水システム。
- 前記電磁弁は、前記配管の最も低い位置に設けられている請求項1または2に記載された洗浄水給水システム。
- 前記取水口は、前記浴槽の排水口より高い位置に設定されている請求項1から3のいずれか1項に記載された洗浄水給水システム。
- 浴槽と便器を配管によって連結し、前記浴槽の水を洗浄水として前記便器に給水するようにした衛生設備であって、
前記浴槽の取水口に接続された前記配管は前記取水口より低い位置に洗浄水の排水手段をなす電磁弁を設け、
前記電磁弁の開弁操作を所定時間毎に定期的に行うように電気的に開閉制御する制御手段を設けたことを特徴とする衛生設備。
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