JP6230988B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池、特に固体高分子形燃料電池(以下PEFCということがある)は高効率で作動温度が低く、メンテナンスも用意であることから、例えば非常用電源システム等の様々な電源システムへの応用が検討されている。
PEFCの燃料としては水素が用いられる。この燃料となる水素を貯蔵する方法としては、液体水素による貯蔵、圧縮ガスによる貯蔵、有機ハイドライドなどに変換しての貯蔵、水素吸蔵合金による貯蔵などがある。このうち水素吸蔵合金により貯蔵する方法は、その体積あたりの貯蔵密度の高さから広く利用が検討されている。このような水素吸蔵合金により水素を貯蔵するシステムとしては、例えば燃料電池と水素吸蔵合金とを一つのケーシングに収めた燃料電池システムの検討がなされている。
水素吸蔵合金における水素貯蔵は、水素吸蔵合金が金属水素化物を形成する水素化反応であるが、この水素化反応は発熱反応である。水素吸蔵量及び水素吸蔵速度は、温度が上昇すると低下するため、水素吸蔵合金の水素吸蔵時には、通常、温度を一定範囲内に保つよう水素吸蔵合金を冷却する。
これとは逆に、水素吸蔵合金の水素放出、つまり金属水素化物からの脱水素化反応は、吸熱反応である。水素吸蔵合金の水素放出量及び水素放出速度は、水素吸蔵合金の温度が低下すると大きく低下する。そこで、水素吸蔵合金の水素放出時には、水素吸蔵合金を加熱することにより、水素吸蔵合金の温度を一定範囲内に保ち、水素放出量及び水素放出速度を維持する必要がある。
また、水素の酸化反応により発電するPEFCの発電効率は、約40%程度であり、残り約60%のエネルギーは、熱として放出される。そこで、PEFCで放出される熱で水素吸蔵合金を加熱することにより、水素吸蔵合金の水素放出による温度低下を補償してその温度を一定範囲内に維持することが考えられる。
定常運転時には、PEFCから放出される熱でも比較的容易に水素吸蔵合金の温度を維持できるが、水素吸蔵合金の水素放出による吸熱とPEFCでの発熱及びその熱の水素吸蔵合金への伝達との間には時間的な遅れが生じる。このため、燃料電池システムの起動時や急激な負荷上昇時には、PEFCから放出される熱量が相対的に小さいので、水素吸蔵合金の温度を維持することができず、PEFCに水素を供給できなくなって発電が停止する場合がある。
そこで、燃料電池システムに水素ボンベを設けて、起動時にはこの水素ボンベから水素を供給することによって、水素吸蔵合金の温度低下を抑制することが提案されている(特開平5−18261号公報参照)。しかしながら、上記公報の構成では、PEFCから放出される熱により水素吸蔵合金だけでなく水素ボンベも加熱する構成となる。このため、水素ボンベの熱容量によってPEFCから放出される熱により水素吸蔵合金を加熱する効果が小さくなる。特に、起動直後に消費電力が急増すると、水素吸蔵合金の加熱に遅れが生じ、水素吸蔵合金の温度低下により発電が停止する場合もある。
特開平5−18261号公報
上記不都合に鑑みて、本発明は、起動が比較的確実であり、消費電力変化に対する追従性に優れる燃料電池システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、水素の吸蔵及び放出を行う水素吸蔵合金並びにこの水素吸蔵合金を収容する容器を有する水素吸蔵モジュールと、この水素吸蔵モジュールから供給される水素の酸化反応により発電する燃料電池モジュールとを備える燃料電池システムであって、上記燃料電池モジュールに熱媒体を接触させる冷却機構と、この冷却機構から排出された熱媒体を集合するダクトと、このダクトで集合した熱媒体との熱交換により上記水素吸蔵モジュールの水素吸蔵合金を加熱する加熱機構と、上記水素吸蔵モジュール及び燃料電池モジュールを収容するケーシングとを備えることを特徴とする燃料電池システムである。
当該燃料電池システムは、冷却機構において熱媒体によって燃料電池モジュールから熱を奪い、この熱媒体がダクトにおいて集合されて加熱機構に供給され、加熱機構に供給された熱媒体が水素吸蔵合金を加熱するので、燃料電池モジュールの熱を効率よく水素吸蔵合金に伝達できる。これにより、当該燃料電池システムは、起動時や急な消費電力の上昇時にも水素吸蔵合金の温度低下を効果的に抑制することができ、起動が比較的確実であり、消費電力変化に対する追従性に優れる。
上記ダクトが、上記ケーシングの一部であり、上記燃料電池モジュール側から水素吸蔵モジュール側に開口面積が漸減するよう構成されているとよい。このように、ダクトが開口面積が漸減するケーシングの一部であることによって、当該燃料電池システムを小型化できると共に、燃料電池モジュールで生じた熱伝達する熱媒体を効率よく水素吸蔵モジュールに案内することで当該燃料電池システムの起動の確実性及び消費電力に対する追従性をより向上できる。
上記加熱機構が、上記水素吸蔵モジュールの容器を貫通し、収容される水素吸蔵合金内を通る流路を有し、この流路に上記熱媒体が流通するよう構成されているとよい。このように、加熱機構が水素吸蔵合金内を通る流路を有することにより、熱媒体から水素吸蔵合金への熱伝達を促進し、当該燃料電池システムの起動の確実性及び消費電力に対する追従性をさらに向上できる。
上記加熱機構が、上記水素吸蔵モジュールとケーシングとの間に空隙を有し、この空隙に上記熱媒体が流通するよう構成されているとよい。このように、加熱機構が水素吸蔵モジュールとケーシングとの間に熱媒体を流通するよう構成されることで、水素吸蔵合金を収容する容器への熱伝達を促進できる。
上記熱媒体が、燃料電池モジュールの酸化反応に供する空気であるとよい。このように、熱媒体として燃料電池モジュールの酸化反応に供する空気を用いることによって、熱媒体の流通のために必要な内部電力消費を低減して水素消費量を抑制できるので、起動の確実性及び消費電力上昇への追従性をより向上できる。
上記水素吸蔵合金の40℃での水素平衡圧としては、0.2MPa以上1MPa以下が好ましい。このように、水素吸蔵合金の水素平衡圧を上記範囲内とすることによって、不必要にコストを増大させることなく、気温が低い場合にも起動の確実性を向上できる。
上記水素吸蔵合金の単位質量あたりの水素放出速度としては、0.01NL/min/kg以上1NL/min/kg以下が好ましい。このように、水素吸蔵合金の単位質量あたりの水素放出速度を上記範囲内とすることによって、水素吸蔵合金が高価とならず、かつ水素放出による水素吸蔵合金の温度低下が比較的緩慢となる。このため、加熱機構における熱媒体と水素吸蔵合金との熱交換により水素吸蔵合金の温度を補償することが容易となる。
上記水素吸蔵合金の単位質量あたりの燃料電池モジュールの出力としては、100W/kg未満が好ましい。このように、水素吸蔵合金の単位質量あたりの燃料電池モジュールの出力を上記上限未満とすることによって、水素吸蔵合金からの水素の放出量のピークを一定の範囲内に抑制できる。このため、水素吸蔵合金の水素放出から、放出された水素が燃料電池モジュールにおいて酸化することにより生じる熱が熱媒体により水素吸蔵合金に伝達されるまでの時間の遅れを緩和して、水素吸蔵合金の温度が過度に低下することを防止できる。
ここで、「水素平衡圧」とは、JIS−H7201(2007)に準拠して得られる水素吸蔵合金の圧力−組成等温線、いわゆるPCT線において、水素濃度(H/M)が0.5である場合の圧力を指す。
上述のように、本発明の燃料電池システムは、起動が比較的確実であり、消費電力変化に対する追従性に優れる。
本発明の一実施形態の燃料電池システムの構成を示す模式図である。 図1の燃料電池システムの模式的水平断面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
図1及び図2の燃料電池システムは、水素の吸蔵及び放出を行う水素吸蔵合金1並びにこの水素吸蔵合金1を収容する容器2を有する水素吸蔵モジュール3と、この水素吸蔵モジュール3から供給される水素の酸化反応により発電する燃料電池モジュール4と、この燃料電池モジュール4に熱媒体を接触させる冷却機構5と、この冷却機構5から排出された熱媒体を集合するダクト6と、このダクト6で集合した熱媒体との熱交換により上記水素吸蔵モジュール3の水素吸蔵合金1を加熱する加熱機構7と、上記水素吸蔵モジュール3及び燃料電池モジュール4を収容するケーシング8とを備える。
<水素吸蔵合金>
水素吸蔵合金1は、圧力又は温度を制御することで水素を吸蔵及び放出できる合金である。このような水素吸蔵合金1としては、公知のものを用いることができ、例えば2元系合金、3元系合金、4元系合金、5元系合金等が挙げられる。
上記2元系合金としては、例えばLaNi等のLaNi系合金、TiFe系合金、MmNi系合金、CaNi系合金、TiMn系合金、TiZr系合金、ZrMn系合金などを挙げることができる。
上記3元系合金としては、例えばTi25Cr5025、Ti25Cr2550等のTiCrV系合金、Ti36Cr32Mn32、Ti30Cr35Mn35等のTiCrMn系合金、Ti20Cr4535等のTiCrV系合金、TiVMo系合金などを挙げることができる。
上記4元系合金としては、例えばTi30Cr4510Mo15、Ti25Cr5020Mo等のTiCrVMo系合金、Ti25Cr4425Fe等のTiCrVFe系合金、Ti25Cr5020Ni等のTiCrVNi系合金などを挙げることができる。
上記5元系合金としては、例えばTi11Cr1271MoNi等のTiCrVMoNi合金などを挙げることができる。
水素吸蔵合金1としては、これらの中の1種又は複数種を混合したものを使用することができ、後述する水素平衡圧、水素放出速度等の異なる2種以上の合金を混合したものであってもよい。好ましい水素吸蔵合金1としては、MmNi系水素吸蔵合金及びLaNi系水素吸蔵合金を挙げることができ、中でもMmNi4.8Al0.2及びLaNiが特に好ましい。また、水素吸蔵合金1として複数種の合金を混合したものを用いる場合、その混合比は、水素吸蔵モジュール3の大きさ、使用環境等に応じて適宜調節することができる。
容器2内の水素吸蔵合金1全体としての40℃での水素平衡圧の下限としては、0.2MPaが好ましく、0.3MPaがより好ましい。一方、水素吸蔵合金1の40℃での水素平衡圧の上限としては、1MPaが好ましく、0.8MPaがより好ましい。水素吸蔵合金1の40℃での水素平衡圧が上記下限に満たない場合、容器2内の温度の低下により水素の放出効率が低下し、水素吸蔵モジュール3が低温下での使用に適さなくなるおそれがある。逆に、水素吸蔵合金1の40℃での水素平衡圧が上記上限を超える場合、容器2等に耐圧性が要求され、当該燃料電池システムが不必要に高価となるおそれがある。
水素吸蔵合金1の単位質量あたりの水素放出速度の下限としては、0.01NL/min/kgが好ましく、0.05NL/min/kgがより好ましい。一方、水素吸蔵合金1の単位質量あたりの水素放出速度の上限としては、1NL/min/kgが好ましく、0.8NL/min/kgがより好ましい。水素吸蔵合金1の単位質量あたりの水素放出速度が上記下限に満たない場合、水素放出量の不足により当該燃料電池システムの出力が不十分となるおそれや、水素吸蔵合金1の量が増加することにより当該燃料電池システムの製造コスト及び維持コストが不必要に増大するおそれがある。逆に、水素吸蔵合金1の単位質量あたりの水素放出速度が上記上限を超える場合、水素の放出に伴う温度変化が大きくなることにより水素吸蔵合金1の温度を維持することが難しくなるおそれがある。
また、水素吸蔵合金1の形状としては、例えば粉体、ペレット状等が挙げられ、これらの中で粉体が好ましい。水素吸蔵合金1の製造方法としては、公知のものを採用でき、例えば金属粉を所望の組成となるように混合、溶接して粗合金を製造し、この合金を粉砕機により所望の大きさに粉砕する方法等が挙げられる。
水素吸蔵合金1が粉体である場合、水素吸蔵合金1の平均粒径の下限としては、0.1mmが好ましく、0.3mmがより好ましい。一方、水素吸蔵合金1の平均粒径の上限としては、3mmが好ましく、1mmがより好ましい。水素吸蔵合金1の平均粒径が上記下限に満たない場合、水素吸蔵合金1の取り扱い性が不十分となるおそれがある。逆に、水素吸蔵合金1の平均粒径が上記上限を超える場合、水素吸蔵合金1の単位体積あたりの水素吸蔵量及び放出量が不十分となるおそれがある。なお、「平均粒径」とは、JIS−Z8815(2013)に準拠しレーザ回折・散乱法により測定した粒径分布に基づき、JIS−Z8819−2(2001)に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値である。
水素吸蔵合金1が粉体である場合、水素吸蔵合金1の粒径の標準偏差の上限としては、水素吸蔵合金1の平均粒径の0.5倍が好ましく、平均粒径の0.1倍がより好ましい。水素吸蔵合金1の粒径の標準偏差が上記上限を超える場合、水素吸蔵合金1の混合及び容器2への充填において、水素吸蔵合金1が均一に分布し難くなり、水素の吸蔵放出効率が不十分となるおそれがある。なお、「粒径の標準偏差」とは、JIS−Z8815(2013)に準拠しレーザ回折・散乱法により測定した粒径分布に基づき算出される標準偏差である。
<容器>
容器2は、水素吸蔵合金1を収容し、水素吸蔵合金1の水素の放出を制御する圧力に耐えるものとされる。また、容器2は、水素吸蔵合金1が放出した水素を排出する排出口9を有する。容器2は、水素吸蔵合金1の上方に水素吸蔵合金1が放出した水素を貯留するヘッドスペースを形成することが好ましく、上記排出口9がこのヘッドスペースに開口することが好ましい。
容器2の形状としては、例えば両端が閉鎖された円筒状、直方体箱状等とされる。また容器2は、後述する加熱機構7による加熱効率を促進するために、水素吸蔵モジュール3と燃料電池モジュール4とを結ぶ方向の寸法が他の方向に対して相対的に長いことが好ましい。容器2は、例えば上記方向の長さが20cm、燃料電池モジュール4に対向する面の幅が20cm、高さが10cmの直方体箱型とすることができる。
容器2としては、公知の水素吸蔵放出装置に用いられるタンクを採用できる。容器2の材質としては、例えばステンレス鋼、炭素鋼、アルミニウム合金等が挙げられ、これらの中でステンレス鋼が好ましい。
<水素吸蔵モジュール>
上記水素吸蔵合金1及び容器2を有する水素吸蔵モジュール3は、上記排出口9から水素供給流路10を介して後述の燃料電池モジュール4に水素を供給する。
<燃料電池モジュール>
燃料電池モジュール4としては、固体高分子形燃料電池(PEFC)、りん酸形燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、固体酸化物形燃料電池(SOFC)、アルカリ電解質形燃料電池(AFC)等の公知の燃料電池モジュールが用いられ、中でも比較的低い温度で発電できる固体高分子形燃料電池が好適に用いられる。
燃料電池モジュール4は、一般に、PEFCの場合には、図2に示すように、固体高分子膜で形成される電解質11を燃料極12と空気極13とで挟み込んだ膜電極接合体(MEA)14をセパレータ15を介して積層したセルスタック構造のものとされる。上記セパレータ15には、燃料極12に水素を供給する燃料溝16と、空気極13に燃料電池モジュール4の酸化反応に供する酸素を含む空気を供給する空気溝17とが形成される。
燃料電池モジュール4において、燃料極12に供給された水素は、燃料極12中に電子を放出して水素イオンとなり、電解質11中を移動して、空気極13において供給された酸素及び空気極13中の電子と結合することにより水を生成する。これにより燃料極12から電力需要設備を有する外部回路を介して空気極13へと電子が移動する。
また、燃料電池モジュール4は、空気極13に空気を供給するためにファン18を有する。このファン18は、空気極13に酸素を供給すると共に、燃料電池モジュール4を冷却する冷却機構5の一部を構成する。
燃料電池モジュール4の上記水素吸蔵合金1の単位質量あたりの出力としては、10W/kg以上が好ましく、20W/kg以上がより好ましい。また、燃料電池モジュール4の上記水素吸蔵合金1の単位質量あたりの出力としては、100W/kg未満が好ましく、80W/kg未満がより好ましい。燃料電池モジュール4の水素吸蔵合金1の単位質量あたりの出力が上記下限未満の場合、当該燃料電池システムの出力が不十分となるおそれや、必要な出力を得るために当該燃料電池システムが不必要に大きくなるおそれがある。逆に、燃料電池モジュール4の水素吸蔵合金1の単位質量あたりの出力が上記上限以上の場合、時間当たりの水素の消費量が多くなり、燃料電池モジュール4における水素の酸化により生じる熱を水素吸蔵合金1に伝達するまでの時間的遅れの間に、水素吸蔵合金1が急激に水素を放出して過大な温度低下が生じるおそれがある。
<冷却機構>
冷却機構5は、熱媒体としての空気を供給するファン18と、ファン18によって空気が供給されるセパレータ15の空気溝17とから構成される。この冷却機構5により、燃料電池モジュール4内を流通する空気は、その流通中に燃料電池モジュール4の熱を奪い取る。
ファン18によって供給される空気の燃料電池モジュール4の定格出力当たりの流量の下限としては、0.1L/min/Wが好ましく、0.3L/min/Wがより好ましい。一方、ファン18によって供給される空気の燃料電池モジュール4の定格出力当たりの流量の上限としては、10L/min/Wが好ましく、5L/min/Wがより好ましい。ファン18によって供給される空気の燃料電池モジュール4の定格出力当たりの流量が上記下限に満たない場合、燃料電池モジュール4の冷却が不十分となるおそれがある。逆に、ファン18によって供給される空気の燃料電池モジュール4の定格出力当たりの流量が上記上限を超える場合、燃料電池モジュール4を通過した空気の温度上昇が不十分となり、水素吸蔵モジュール3での熱交換の効率が低くなる結果、水素吸蔵合金1の加熱が不十分となるおそれがある。
<ダクト>
ダクト6は、上記冷却機構5において燃料電池モジュール4を冷却した熱媒体である空気を集めて、後述の加熱機構7に供給する。本実施形態におけるダクト6は、ケーシング8の一部であり、燃料電池モジュール4側から水素吸蔵モジュール3側に開口面積が漸減するよう構成されている。
開口面積が漸減するダクト6は、当該燃料電池システムの小型化に寄与し、燃料電池モジュール4で生じた熱を伝達する熱媒体をスムーズに案内することにより水素吸蔵合金1の加熱効率を向上し、当該燃料電池システムの起動の確実性及び消費電力に対する追従性を向上させる。
<加熱機構>
加熱機構7は、ダクト6で集合した空気によって水素吸蔵モジュール3中の水素吸蔵合金1を加熱するよう構成される。具体的には、加熱機構7は、水素吸蔵モジュール3の容器2を貫通し、収容されている水素吸蔵合金1の中を通り、内部を熱媒体としての空気が流通する複数の流路19と、水素吸蔵モジュール3とケーシング8との間に形成され、熱媒体としての空気が流通する空隙20とを有する。加熱機構7を通過した空気は、ケーシング8の端部に形成された開口から大気に放出される。
加熱機構7、つまり流路19及び空隙20における熱媒体としての空気の平均流速の下限としては、0.01m/secが好ましく、0.02m/secがより好ましい。一方、加熱機構7における空気の平均流速の上限としては、20m/secが好ましく、10m/secがより好ましい。加熱機構7における空気の平均流速が上記下限に満たない場合、流路19及び空隙20の断面積が大きく、水素吸蔵モジュール3が不必要に大きくなるおそれや、空気と水素吸蔵合金1との間の熱交換効率が不十分となるおそれがある。逆に、加熱機構7における空気の平均流速が上記上限を超える場合、加熱機構7における空気の滞留時間が短く、やはり、空気と水素吸蔵合金1との間の熱交換効率が不十分となるおそれがある。
(流路)
流路19としては、容器2を貫通するよう略平行に配設した複数のパイプを用いることができる。流路19を形成するパイプの材質としては、熱電伝導率が大きく、強度を有するものが好ましく、例えば銅、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属が好適に用いられる。
流路19の平均内径の下限としては、2mmが好ましく、3mmがより好ましい。一方、流路19の平均内径の上限としては、10mmが好ましく、8mmがより好ましい。流路19の平均内径が上記下限に満たない場合、流路19内に十分な量の空気を導入できず、水素吸蔵合金1の加熱が不十分となるおそれがある。逆に、流路19の平均内径が上記上限を超える場合、水素吸蔵モジュール3が不必要に大きくなるおそれがある。
流路19の平均肉厚の下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、流路19の平均肉厚の上限としては、5mmが好ましく、3mmがより好ましい。流路19の平均肉厚が上記下限に満たない場合、流路19の耐圧性が不十分となるおそれがある。逆に、流路19の平均肉厚が上記上限を超える場合、熱伝達率が小さくなり、水素吸蔵合金1の加熱が不十分となるおそれがある。
流路19の平均間隔、つまり流路19を形成するパイプ間の隙間の下限としては、1cmが好ましく、2cmがより好ましい。一方、流路19の平均間隔の上限としては、10cmが好ましく、8cmがより好ましい。流路19の平均間隔が上記下限に満たない場合、水素吸蔵モジュール3が不必要に大きくなるおそれがある。逆に、流路19の平均間隔が上記上限を超える場合、水素吸蔵合金1の加熱が不十分となるおそれがある。
また、流路19は、図示するように、流路19を介した空気と水素吸蔵合金1との熱交換を促進するために、流路19の延在方向に垂直に水素吸蔵合金1内に突出する複数の板状の放熱フィン21を有することが好ましい。放熱フィン21の大きさとしては、容器2や隣接する放熱フィン21と干渉しない大きさであればよい。
この放熱フィン21の平均間隔の下限としては、0.1cmが好ましく、0.3cmがより好ましい。一方、放熱フィン21の平均間隔の上限としては、10cmが好ましく、8cmがより好ましい。放熱フィン21の平均間隔が上記下限に満たない場合、放熱フィンの間に水素吸蔵合金1が充填されず、却って水素吸蔵合金1の加熱が不十分となるおそれがある。逆に、放熱フィン21の平均間隔が上記上限を超える場合、空気と水素吸蔵合金1との熱交換の促進効果が不十分となるおそれがある。
(空隙)
空隙20の平均幅、つまり水素吸蔵モジュール3の容器2とケーシング8との間の平均間隔の下限としては、1mmが好ましく、2mmがより好ましい。一方、空隙20の平均幅の上限としては、5cmが好ましく、3cmがより好ましい。空隙20の平均幅が上記下限に満たない場合、空隙20における空気の圧力損失が大きくなり、ファン18のエネルギー消費が不必要に大きくなるおそれがある。逆に、空隙20の平均幅が上記上限を超える場合、空気と水素吸蔵合金1との熱交換が不足して水素吸蔵合金1の加熱が不十分となるおそれがある。
<利点>
当該燃料電池システムでは、冷却機構5において熱媒体である空気によって燃料電池モジュール4から熱を奪い、この空気がダクト6において集合されて加熱機構7に供給され、加熱機構7に供給された空気が水素吸蔵合金1を加熱する。このため、燃料電池モジュール4において発生する熱を効率よく水素吸蔵合金1に伝達することができる。これにより、当該燃料電池システムは、起動時や急な消費電力の上昇時にも水素吸蔵合金1の温度低下を効果的に抑制することができ、起動が比較的確実であり、消費電力変化に対する追従性に優れる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
例えば、当該燃料電池システムにおいて、熱媒体の流れ方向に垂直な燃料電池モジュールの断面積よりも水素吸蔵モジュールの断面積が小さく、両者を接続するダクトの断面積が漸減するよう構成されることが好ましいが、ダクトの断面積が漸減しなくてもよく、水素吸蔵モジュールの断面積が燃料電池モジュールの断面積以上であってもよい。
また、当該燃料電池システムにおいて、ダクトは、ケーシングから独立して設けられてもよく、例えばケーシングの内側に配設されてもよい。
また、当該燃料電池システムにおいて、加熱機構の熱交換効率を向上させるために、水素吸蔵モジュールの容器の外面に加熱機構を構成する隙間に突出し、空気の流れ方向に略平行なフィンを配設してもよい。
当該燃料電池システムにおいて、加熱機構は、水素吸蔵モジュールの容器を貫通する流路又は容器とケーシングとの間の隙間を有しないものであってもよい。また、容器を貫通する流路の放熱フィンを省略することもできる。また、加熱機構は、上記流路及び隙間とは異なる形態の熱媒体の流通路、例えば水素吸蔵モジュールの容器の周囲を螺旋状に周回する流通路等を有するものであってもよい。
また、水素吸蔵モジュールから熱を奪い、この熱により水素吸蔵モジュールを加熱する熱媒体として、燃料電池モジュールの酸化反応に供する空気以外の任意の熱媒体を使用してもよい。
本発明は、特に、非常用電源等の小規模の発電システムとして好適に利用できる。
1 水素吸蔵合金
2 容器
3 水素吸蔵モジュール
4 燃料電池モジュール
5 冷却機構
6 ダクト
7 加熱機構
8 ケーシング
9 排出口
10 水素供給流路
11 電解質
12 燃料極
13 空気極
14 膜電極接合体
15 セパレータ
16 燃料溝
17 空気溝
18 ファン
19 流路
20 空隙
21 放熱フィン

Claims (7)

  1. 水素の吸蔵及び放出を行う水素吸蔵合金並びにこの水素吸蔵合金を収容する容器を有する水素吸蔵モジュールと、この水素吸蔵モジュールから供給される水素の酸化反応により発電する燃料電池モジュールとを備える燃料電池システムであって、
    上記燃料電池モジュールに熱媒体を接触させる冷却機構と、
    この冷却機構から排出された熱媒体を集合するダクトと、
    このダクトで集合した熱媒体との熱交換により上記水素吸蔵モジュールの水素吸蔵合金を加熱する加熱機構と、
    上記水素吸蔵モジュール及び燃料電池モジュールを収容するケーシングと
    を備え、
    上記ダクトが、上記ケーシングの一部であり、上記燃料電池モジュール側から水素吸蔵モジュール側に開口面積が漸減するよう構成されていることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 上記加熱機構が、上記水素吸蔵モジュールの容器を貫通し、収容される水素吸蔵合金内を通る流路を有し、この流路に上記熱媒体が流通するよう構成されている請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 上記加熱機構が、上記水素吸蔵モジュールとケーシングとの間に空隙を有し、この空隙に上記熱媒体が流通するよう構成されている請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 上記熱媒体が、燃料電池モジュールの酸化反応に供する空気である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 上記水素吸蔵合金の40℃での水素平衡圧が0.2MPa以上1MPa以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 上記水素吸蔵合金の単位質量あたりの水素放出速度が0.01NL/min/kg以上1NL/min/kg以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 上記水素吸蔵合金の単位質量あたりの燃料電池モジュールの出力が100W/kg未満である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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