JP6230757B2 - 通信装置、及び電力変換装置 - Google Patents

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Description

この発明は、SPI(Serial Peripheral Interface)を用いるシリアル通信方式の通信装置、及びその通信装置を用いた電力変換装置に関する。
従来、SPIを用いたシリアル通信方式の通信装置は、広く用いられていると共に、種々の方式が提案されている。例えば、特許文献1には、コマンドとこのコマンドとは異なる同期識別コードとを1セットの入力データとしてシリアルに受け取る受信部と、この受信部から同期識別コードを受け取り、その同期識別コードが所定の値と一致する場合に、前述のコマンドに基づく応答処理の実行の開始を指示する判定部とを備えた通信回路が提案されており、この通信回路の構成によれば、シリアル通信用端子を3つ備えた3線式のSPI、或いはシリアル通信用端子を4つ備えた4線式のSPIの何れにも適用可能であり、信頼性の高いシリアル通信回路等を実現することができるとされる。
特開2014−86876号公報
しかし、特許文献1に開示された従来の通信装置に於いて、データバスを共通として、通信線数の低減を図る場合、スレーブ毎に通信規定に則った手順で通信を行うと、全ての通信を完了するまでに時間がかかるという課題があった。特に、処理能力の低い回路構成では処理が遅れ、要求を満たすことができないという課題があった。又、通信に時間がかかると、スレーブ毎に、通信後の処置を開始するタイミングにずれが生じ、特に電力変換装置では、複数の電力変換部をスレーブとする場合、電力変換部の動作タイミングのずれが、電力変換部の2次故障を誘発する可能性がある。
この発明は、従来の通信装置に於ける前述のような課題を解決するためになされたものであり、通信時間を短縮し、処理能力の低い回路構成でも通信処理が可能になると共に、スレーブ毎の通信後の動作タイミングのずれを低減することができる通信装置を提供することを目的とする。
又、この発明は、通信時間を短縮し、処理能力の低い回路構成でも通信処理が可能となると共に、スレーブ毎の通信後の動作タイミングのずれを低減することができる通信装置を用い、複数の電力変換部間の動作タイミングのずれを軽減することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
この発明による通信装置は、
マスタとなるマスタ通信部と、前記マスタ通信部に対してスレーブとなる複数のスレーブ通信部とを備え、前記マスタ通信部は、前記複数のスレーブ通信部に対して同時に読み込み指令信号又は書込み指令信号を出力し、前記複数のスレーブ通信部が出力するデータ信号を前記スレーブ通信部毎に順次連続して読み込み又は前記スレーブ通信部毎に順次連続してデータ信号を書き込む、シリアル通信を行う通信装置であって、
前記マスタ通信部と前記スレーブ通信部との通信経路に設置され、入力信号に対して予め定められた論理演算を実施して出力信号を発生する論理演算部を有し、
前記論理演算部は、前記マスタ通信部が通信信号を出力する間、前記論理演算により、予め定められた優先順位に基づいて前記複数のスレーブ通信部のうちの最も優先順位の高いスレーブ通信部の通信信号のみを前記マスタ通信部へ出力する、
ことを特徴とする。
この発明による通信装置によれば、通信時間を短縮し、処理能力の低い回路構成でも通信処理が可能となることでコストが低減できると共に、スレーブごとの通信後の動作タイミングのずれを低減することができる。
又、この発明による電力変換装置によれば、通信時間の短縮と、それによって処理能力の低い回路構成でも通信処理が可能となることでコストが低減できると共に、スレーブごとの通信後の動作タイミングのずれを低減することが可能な電力変換装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る通信装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る通信装置に於ける、論理演算部の一例を示す回路図である。 この発明の実施の形態1に係る通信装置の動作を説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2に係る通信装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る通信装置に於ける、論理演算部の一例を示す回路図である。 この発明の実施の形態2に係る通信装置の動作を説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態3に係る通信装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る通信装置に於ける、論理演算部の一例を示す回路図である。 この発明の実施の形態3に係る通信装置の動作を説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態3に係る通信装置の動作を説明する、別のタイミングチャートである。 この発明の実施の形態3に係る通信装置の動作を説明する、更に、別のタイミングチャートである。 この発明の実施の形態3に係る通信装置の動作を説明する、更に又、別のタイミングチャートである。 この発明の実施の形態4に係る通信装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4に係る通信装置の動作を説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態5に係る電力変換装置の構成を示すブロック図である。
以下、この発明の実施の形態を図面を用いて詳述する。尚、各図に於ける同一の符号は、同一又は相当する構成を示すものとする。又、各図及びその説明に於いて、夫々の信号線又は信号端子と、対応する信号線又は信号端子により送信される信号とは、同一の符号により表示する。更に、信号線又は信号端子を、複雑化を避けるために、単に信号と称する場合もある。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る通信装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、通信装置1は、1つのマスタ通信部2と、2つのスレーブ通信部31、3nとを有し、更に、マスタ通信部2と複数のスレーブ通信部31、3nとの通信経路に挿入された論理演算部4を備える。
マスタ通信部2は、データ出力信号MOSIを夫々のスレーブ通信部3に送信する1本のデータ出力信号線MOSIと、論理演算部4からのデータ入力信号MISOが入力される1本のデータ入力信号線MISOと、同期クロック信号MCLKを論理演算部4に送信する1本の同期クロック信号線MCLKと、スレーブ通信部31、3nの数2と同一の数である2個のスレーブ選択信号CS_1、CS_nを夫々論理演算部4に送信する2本のスレーブ選択信号線CS_1、CS_nを備えている。
一方、夫々のスレーブ通信部31、3nは、マスタ通信部2からのデータ出力信号MOSIが入力される各1本のデータ入力信号線SDIと、データ出力信号SDO_1、SDO_nを論理演算部4に送信する各1本のデータ出力信号線SDO_1、SDO_nと、論理演算部4からの同期クロック信号CLK_1、CLK_nが入力される各1本の同期クロック信号線CLKと、論理演算部4からのスレーブ選択信号CSが入力される各1本のスレーブ選択信号線CSを有し、通信経路及び論理演算部4を介してマスタ通信部2と接続されている。
論理演算部4は、マスタ通信部2が出力する同期クロック信号MCLKと2つのスレーブ選択信号CS_1、CS_nを入力とし、スレーブ通信部3、3nに対して同期クロック信号CLK_1、CLK_nとスレーブ選択信号CSを出力する。又、論理演算部4は、各スレーブ通信部3、3nが出力するデータ出力信号SDO_1、SDO_nを入力とし、マスタ通信部2に対してデータ入力信号MISOを送信する。
論理演算部4の具体的な回路構成としては、例えばスレーブ選択信号CS_1、CS_nが信号のハイレベルを有意であるとした場合、図2に示す回路構成が考えられる。尚、マスタ通信部2及びスレーブ通信部31、3nの具体的な回路構成については、従来から種々のシリアル通信、SPI通信に関する回路が提案、実現されており、それらの技術を適用できるため、ここでは説明を省略する。
図2はこの発明の実施の形態1に係る通信装置に於ける、論理演算部の一例を示す回路図である。図2に示すように、論理演算部4は、マスタ通信部2が出力する同期クロック信号MCLKと各スレーブ選択信号CS_1、CS_nとを夫々入力とするAND回路5が2つ設けられ、その出力である同期クロック信号CLK_1、CLK_nは、各々のスレーブ通信部31、3nの同期クロック信号線CLKに出力される。又、マスタ通信部2が出力する各スレーブ選択信号CS_1、CS_nを入力とするOR回路6が1つ設けられており、その出力であるスレーブ選択信号CSは分岐して各々のスレーブ通信部31、3nのスレーブ選択信号線CSに出力される。
一方、論理演算部4は、各スレーブ通信部31、3nが出力するデータ出力信号SDO_1、SDO_nを入力する2つのスリーステートバッファ71、7nを備え、各スリーステートバッファ71、7nの出力同士が互いに接続された後、マスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ接続される。
ここで、論理演算部4は、スリーステートバッファ71、7nの出力をハイインピーダンスに切り替える制御信号C1、Cnは、予め決められた2つのスレーブ通信部31、3nの通信優先度に従い、スレーブ選択信号CS_1、CS_nを用いて論理演算処理を実施する。例えば、図2に於いて、優先度の最も高いスレーブ選択信号をスレーブ選択信号CS_1として、そのスレーブ選択信号CS_1に対応するスレーブ通信部31のデータ出力信号SDO_1が入力されるスリーステートバッファ71の制御信号C1にスレーブ選択信号CS_1を接続する。そして、もう一方のスリーステートバッファ7nへは、スレーブ選択信号CS_1の信号レベルを反転させた信号とスレーブ選択信号CS_nとを入力とするAND回路50の出力信号である制御信号Cnを接続する。
次に、この発明の実施の形態1に於ける通信装置1の動作を説明する。図3は、この発明の実施の形態1に係る通信装置の動作を説明するタイミングチャートであり、横軸は時刻、縦軸は、マスタ通信部2からのスレーブ選択信号CS_1、CS_n、マスタ通信部2からの同期クロック信号MCLK、論理演算部4からの同期クロック信号CLK_1、CLK_n、マスタ通信部2からのデータ出力信号MOSI、論理演算部4からのスレーブ選択信号CS、論理演算部4からのデータ入力信号MISOを夫々示している。
図3の時刻T1では、先ず、マスタ通信部2は全てのスレーブ選択信号CS_1、CS_nを有意であるハイレベルに設定すると共に、同期クロック信号MCLK、及びデータ出力信号MOSIを出力する。
論理演算部4では、全てのスレーブ選択信号CS_1、CS_nが有意であるため、スレーブ通信部3のスレーブ選択信号CSを有意にすると共に、マスタ通信部2が出力する同期クロック信号MCLKをそのまま全てのスレーブ通信部31、3nへ同時に出力する。
尚、図3の時刻T1から時刻T2の期間では、マスタ通信部2のデータ出力信号MOSIは、書き込み指令とそれを実施するアドレスのデータとして出力され、続いて書き込みデータとして出力される。この期間中、各スレーブ通信部3では、データ出力信号SDO_1、SDO_nに、スレーブ通信部31、3nのフェイル等の状態を示すデータを載せて出力するので、そのデータ出力信号SDO_1、SDO_nは、論理演算部4にて、最も優先度の高いスレーブ選択信号CS_1に対応するスレーブ通信部31のデータのみが選択され、論理演算部4からデータ入力信号MISOとしてマスタ通信部2に出力される。例えば、図2に示す論理演算部4の回路構成では、データ出力信号SDO_1が選択され、データ入力信号MISOに接続される。
又、図3の時刻T2から時刻T3の期間では、マスタ通信部2のデータ出力信号MOSIは、読み込み指令、及びそれを実施するアドレスのデータとして出力され、前述の時刻T1から時刻T2の期間と同様に、論理演算部4では、最も優先度の高いスレーブ選択信号CS_1に対応するスレーブ通信部31のデータ出力信号SDO_1のみが選択され、マスタ通信部2のデータ入力信号MISOに接続される。
そして、各スレーブ通信部3のデータ出力信号SDO_1、SDO_nを連続して個別に読み込むため、図3の時刻T3にて、マスタ通信部2はデータを読み込みたいスレーブ選択信号CS_1のみを有意にし、他のスレーブ選択信号CS_nは無意に設定する。そしてそれと同時に、マスタ通信部2のデータ出力信号MOSIは、所定のデータビット長のローレベル又はハイレベルの固定出力となる(図3に示す例では、ローレベルの固定出力となる)。
論理演算部4では、図3の時刻T3からT4の期間に於いて、全てのスレーブ通信部31、3nのスレーブ選択信号CSを有意にしたまま、マスタ通信部2が有意に設定しているスレーブ選択信号CS_1に対応するスレーブ通信部31にのみ同期クロック信号CLK_1を出力し続け、無意に設定されているスレーブ選択信号CS_nに対応するスレーブ通信部3nへは同期クロック信号CLK_nの出力を停止、即ち、ハイレベル又はローレベルに固定する(図3に示す例では、ローレベルの固定出力となる)。
そして、無意となっているスレーブ選択信号CS_nに対応するスリーステートバッファ7nの出力をハイインピーダンスに設定すると共に、有意となっているスレーブ選択信号CS_1に対応するスリーステートバッファ71を介して、スレーブ通信部31が出力するデータ出力信号SDO_1をマスタ通信部2のデータ入力信号MISOに接続する。
次に、図3の時刻T4では、マスタ通信部2がそれまで有意に設定していたスレーブ選択信号CS_1を無意にすると共に、それまで無意にしていたスレーブ選択信号CS_nを有意に切り替える。そして図3の時刻T4からT5の期間に於いて、全てのスレーブ通信部31、3nのスレーブ選択信号CSを有意にしたまま、マスタ通信部2が有意に設定したスレーブ選択信号CS_nに対応するスレーブ通信部3nにのみ同期クロック信号CLK_nを出力し続け、無意に設定されたスレーブ選択信号CS_1に対応するスレーブ通信部31へは同期クロック信号CLK_1の出力を停止、即ち、ハイレベル又はローレベルに固定する(図3に示す例では、ローレベルの固定出力となる)。
そして、無意となっているスレーブ選択信号CS_1に対応するスリーステートバッファ71の出力をハイインピーダンスに設定すると共に、有意となっているスレーブ選択信号CS_nに対応するスリーステートバッファ7nを介して、スレーブ通信部3が出力するデータ出力信号SDO_nをマスタ通信部2のデータ入力信号MISOに接続する。
尚、図3では、全てのスレーブ通信部31、3nに対し、同時に同じデータを書き込む場合について説明したが、この発明による通信装置は、これに限るものではなく、データが異なる場合についても、図3の時刻T2から始まる前述のデータ読み込み時と同じ要領で行うことができる。即ち、マスタ通信部2は、全てのスレーブ選択信号CS_1、CS_nを有意に設定した状態で、データ出力信号MOSIから書き込み指令のみを同時に全てのスレーブ通信部31、3nに対して出力した後、スレーブ選択信号によって通信を行うスレーブ通信部を選択すると共に、スレーブ通信部31、3n毎に異なるデータを出力する。そして、論理演算部4では、マスタ通信部2のスレーブ選択信号に応じて、各スレーブ通信部31、3nに対して個別に同期クロック信号を出力するので、スレーブ通信部31、3n毎に異なるデータを連続して書き込むことができる。
以上のように、この発明の実施の形態1による通信装置によれば、マスタ通信部2は、全てのスレーブ選択信号を有意に設定し、同期クロック信号MCLK、及びデータ出力信号MOSIを出力するので、全てのスレーブ通信部31、3nに同時に書き込み指令及び書き込みデータ、並びに読み込み指令を出力することができ、通信時間の短縮と、それによって処理能力の低い回路構成でも通信処理が可能となることでコストが低減できると共に、スレーブ毎の通信後の動作タイミングのずれを低減することができる。
又、マスタ通信部2は、全てのスレーブ通信部31、3nに対して、同時に書き込み指令、又は読み込み指令を出力した後、通信を行うスレーブ通信部にのみスレーブ選択信号を有意に設定するので、論理演算部4を介して、通信を行うスレーブ通信部に対してのみ同期クロック信号が出力され、スレーブ通信部3毎に異なるデータを連続して書き込む、或いはスレーブ通信部3から個別にデータを連続して読み込むことができる。
更に、論理演算部4は、何れかのスレーブ選択信号が有意であれば、各スレーブ通信部31、3nのスレーブ選択信号CSを有意に設定し続けるので、前述したように、各スレーブ通信部31、3n毎に個別にデータを連続して書き込む、或いはデータを連続して読み込む間も、全てのスレーブ通信部31、3nに於いて、マスタ通信部2からの指令内容を維持できる。従って、全てのスレーブ通信部31、3nに対して、1回のみの指令で済み、通信時間の短縮、即ち通信効率を向上させることができる。
尚、この発明の実施の形態1による通信装置では、スレーブ通信部が2つの場合について示したが、この発明はこれに限るものではなく、スレーブ通信部の数が3つ以上であってもよい。その場合は、スレーブ通信部の数に合わせて、マスタ通信部2のスレーブ選択信号の数、及び論理演算部4の回路構成を変形することで前述と同様の動作、及び効果を得ることができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2による通信装置について説明する。図4は、この発明の実施の形態2に係る通信装置の構成を示すブロック図である。図4に示す実施の形態2による通信装置は、図1に示した実施の形態1による通信装置と比較すると、マスタ通信部2は、スレーブ選択信号CSを送信するスレーブ選択信号線CSが1本のみとなり、論理演算部4を介さず、各スレーブ通信部31、3nのスレーブ選択信号線CSに直接接続されている。マスタ通信部2からのデータ出力信号MOSIは、各スレーブ通信部31、3nのデータ入力信号線SDIに入力される。
又、マスタ通信部2は、2つのスレーブ通信部31、3nの数と同じく2本の同期クロック信号線CLK_1、CLK_nを備え、各同期クロック信号線CLK_1、CLK_nは分岐して、論理演算部4、及び各スレーブ通信部3に接続されている。
論理演算部4は、マスタ通信部2が出力する2本の同期クロック信号CLK_1、CLK_n、及び各スレーブ通信部31、3nが出力するデータ出力信号SDOを入力とし、論理演算を実施して、マスタ通信部2のデータ入力信号線MISOへ出力する。尚、論理演算部4の具体的な回路構成としては、例えば、図5に示す回路構成が考えられる。
即ち、図5はこの発明の実施の形態2に係る通信装置に於ける、論理演算部の一例を示す回路図である。図5に示すように、論理演算部4は、マスタ通信部2が出力する2つの同期クロック信号CLK_1、CLK_nを入力としたXOR回路8が1つ設けられ、その出力、及び2つの同期クロック信号CLK_1、CLK_nの各々を入力とする2つのAND回路51、5nが設けられている。そして、各AND回路51、5nの出力は、夫々、2つのRSラッチ回路91、9nのセット信号Sとして入力される。各RSラッチ回路91、9nの出力Qと、前述のXOR回路8の出力とを入力としたNOR回路10が1つ設けられている。
更に、NOR回路10の出力、及び各RSラッチ回路91、9nの出力Qの各々を入力とするOR回路61、6nが2つ設けられている。そして、各OR回路61、6nの出力は、図2に示しているように、各スレーブ通信部31、3nから出力されるデータ出力信号SDOの干渉を防止する論理演算処理を介して、各スレーブ通信部31、3nのデータ出力信号を入力としたスリーステートバッファ71、7nの制御信号として入力される。スリーステートバッファ71、7nの出力は、前述の図2と同様に、出力同士を接続した後、マスタ通信部2のデータ入力信号線MISOに接続される。
尚、各OR回路61、6n、及びRSラッチ回路91、9n、並びにAND回路51、5nは、その入力される同期クロック信号CLK_1、CLK_nが接続されているスレーブ通信部31、3nに対応した論理演算回路となっており、各OR回路61、6nの出力は、対応するスレーブ通信部31、3nの各データ出力信号SDO_1、SDO_nを入力とする各スリーステートバッファ71、7nに接続されている。
又、前述の干渉防止の論理演算処理として、例えば、同期クロック信号CLK_1が入力されるスレーブ通信部31を最も通信優先度の高いものとして、そのデータ出力信号SDO_1に対しては、OR回路61の出力をそのままスリーステートバッファ71の制御信号C1へ入力し、優先度の低いスレーブ通信部3nのデータ出力信号SDO_nに対しては、NOR回路10の出力の信号レベルを反転した信号と、OR回路6nの出力とを入力としたAND回路50を設け、その出力をスリーステートバッファ7nの制御信号Cnへ接続する構成となっている。
一方、図5に示す論理演算部4には、各同期クロック信号CLK_1、CLK_nに基づいて所定のデータビット長分をカウントするカウンタ回路111、11nを、スレーブ通信部31、3nと同じ数だけ備えている。そして、各カウンタ回路111、11nは、所定のデータビット長をカウントした後に、信号レベルを有意に設定して出力する。そのカウンタ回路111、11nから出力された信号は、遅延処理を施されて各同期クロック信号CLK_1、CLK_nに対応するRSラッチ回路91、9nのリセット信号Rとして入力される。また、各RSラッチ回路91、9nの出力信号Qは、NOR回路10、及びOR回路61、6nに入力されると共に、各カウンタ回路111、11nのリセット信号CLRとしても入力される。
次に、この発明の実施の形態2による通信装置1の動作について説明する。図6は、この発明の実施の形態2に係る通信装置の動作を説明するタイミングチャートであり、横軸は時刻、縦軸は、マスタ通信部2からのスレーブ選択信号CS、マスタ通信部2からの同期クロック信号CLK_1、CLK_n、OR回路61からの制御信号C1、AND回路50からの制御信号Cn、マスタ通信部2からのデータ出力信号MOSI、論理演算部4からのデータ入力信号MISOを夫々示している。
図6に於いて、時刻T1では、先ず、マスタ通信部2はスレーブ選択信号CSを有意であるハイレベルに設定すると共に、各同期クロック信号CLK_1、CLK_nを同じ信号レベルで同期して出力すると共に、データ出力信号MOSIを各スレーブ通信部31、3nに出力する。以上の動作により、前述の実施の形態1と同様に、全てのスレーブ通信部31、3nに対して、同時に書き込み指令及び書き込みデータを出力することができる。
又、図6の時刻T1から時刻T2の期間中、論理演算部4では、XOR回路8の出力がローレベルとなり、各RSラッチ回路91、9nの出力もローレベルとなるため、各カウンタ回路111、11nのリセット信号CLRが有意に設定され、各カウンタ回路111、11nはカウント動作をしない。そして、NOR回路10は入力信号がすべてローレベルのため、その出力はハイレベルに設定され、後段の各OR回路61、6nの出力もハイレベルに設定される。更に、OR回路61、6nの後段の前述の干渉防止回路によって、最も優先度の高いスレーブ通信部31のデータ出力信号SDO_1のみを選択し、その選択したデータ出力信号SDO_1をマスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力するように、各スリーステートバッファ71、7nが制御される。
次に、図6の時刻T2から時刻T3の期間では、マスタ通信部2のデータ出力信号MOSIは、読み込み指令、及びそれを実施するアドレスのデータが出力され、前述の時刻T1から時刻T2の期間と同様に、論理演算部4では、最も優先度の高いスレーブ選択信号CSに対応するスレーブ通信部31のデータのみが選択され、マスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力される。
そして、各スレーブ通信部31、3nのデータ出力信号SDO_1、SDO_nを連続して個別に読み込むため、図6の時刻T3にて、マスタ通信部2は、データを読み込みたいスレーブ通信部31に対する同期クロック信号CLK_1のみを出力し、他の同期クロック信号CLK_nは出力を停止、即ちローレベルに固定する。そしてそれと同時に、マスタ通信部2のデータ出力信号MOSIは、所定のデータビット長のローレベル又はハイレベル固定出力とする(図6に示す例では、ローレベルの固定出力となる)。
論理演算部4では、図6の時刻T3から時刻T4の期間に於いて、マスタ通信部2が出力している同期クロック信号CLK_1に対応するRSラッチ回路91のセット信号Sに同期クロック信号CLK_1が入力され、そのRSラッチ回路91の出力信号Qがハイレベルに設定されるので、その出力信号Qが接続されているカウンタ回路111のリセット信号CLRが無意に設定されると共に、そのカウンタ回路111が同期クロック信号CLK_1に同期してカウントを始める。又、そのカウンタ回路111の出力信号Qがハイレベルに設定されるので、NOR回路10の出力はローレベルとなる。
一方、マスタ通信部2が出力を停止、即ちローレベルに固定している同期クロック信号CLK_nに対応するRSラッチ回路9nは、出力信号Qもローレベルとなり、対応するカウンタ回路11nのリセット信号CLRが有意に設定されるため、カウント動作をしない。そして、出力がハイレベルに設定されているRSラッチ回路91に対応するOR回路61を介してスリーステートバッファ71の制御信号C1が有意に設定され、スレーブ通信部31のデータ出力信号SDO_1がマスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力される。
尚、論理演算部4に於いて、カウンタ回路111、11nが所定のデータビット長をカウントした後、RSラッチ回路91、9nのリセット信号Rを有意に設定し、ラッチを解除すると共に、カウンタ回路111、11nのリセット信号(CLR)が有意に設定されるので、各RSラッチ回路91、9nはラッチアップすることがなく、後述の同期クロック信号の切り替えによって、マスタ通信部2へ出力するスレーブ通信部31、3nのデータ出力信号を、同期クロック信号に応じて適切に選択することができる。
又、論理演算部4に於いて、カウンタ回路111、11nからRSラッチ回路91、9nのリセット信号Rの間に設けられている遅延回路Delay_1、Delay_nは、RSラッチ回路91、9nのセット信号Sとリセット信号Rが同時にハイレベルになることでRSラッチ回路91、9nの出力が不定になることを避ける目的があり、遅延回路Delay_1、Delay_nによる遅延時間は、例えば、各信号の伝搬時間から設定することができる。或いは、同期クロック信号CLK_1、CLK_nの立ち下がりエッジによってマスタ通信部2がデータを読み込むことを鑑み、遅延時間を同期クロック信号CLK_1、CLK_nの半周期分に設定するようにしても良い。
図6の時刻T4では、マスタ通信部2が同期クロック信号を切り替えて、同様の動作が繰り返されるので、マスタ通信部2のデータ入力信号MISOでは、論理演算部4の論理演算処理を介して、スレーブ通信部3nのデータ出力信号SDO_nが入力される。
尚、図6では、全てのスレーブ通信部31、3nに対し、同時に同じデータを書き込む場合について説明したが、この発明はこれに限るものではなく、データが異なる場合についても、図6の時刻T2から始まるデータ読み込み時と同じ要領で行うことができる。即ち、マスタ通信部2は、各同期クロック信号CLK_1、CLK_nを同じ信号レベルで出力すると共に、データ出力信号MOSIから書き込み指令のみを同時に全てのスレーブ通信部3に対して出力した後、通信を行いたいスレーブ通信部31、3nに接続されている同期クロック信号のみ出力すると共に、スレーブ通信部31、3n毎に異なるデータを出力する。そして、論理演算部4では、マスタ通信部2の同期クロック信号に応じて、通信を行っているスレーブ通信部3のデータ出力信号SDOのみをマスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力するので、各スレーブ通信部3のデータ出力信号SDOが干渉することなく、マスタ通信部2は、通信を行っているスレーブ通信部31、3nへデータ書き込みと同時に、フェイルなどの状態を示すデータを読み出すこともできる。
以上のように、この発明の実施の形態2による通信装置によれば、マスタ通信部2は、スレーブ選択信号CSを有意に設定し、各同期クロック信号CLK_1、CLK_nを同じ信号レベルで同時に出力すると共に、データ出力信号MOSIを出力するので、全てのスレーブ通信部31、3nに同時に書き込み指令及び書き込みデータ並びに読み込み指令を出力することができ、通信時間の短縮と、それによって処理能力の低い回路構成でも通信処理が可能となることでコストが低減できると共に、スレーブごとの通信後の動作タイミングのずれを低減することができる。
又、マスタ通信部2は、全てのスレーブ通信部31、3nに対して、同時に書き込み指令を出力した後、通信を行うスレーブ通信部のみに同期クロック信号を出力すると共に、データ出力信号MOSIから書き込みデータを出力するので、全てのスレーブ通信部31、3nに対して、1回のみの指令で済み、通信時間の短縮、即ち通信効率を向上させることができる。
更に、論理演算部4は、マスタ通信部2が、全てのスレーブ通信部31、3nに対して同時に書き込み指令、及び書き込みデータ、並びに読み込み指令を出力している期間中、各スレーブ通信部31、3nから出力されるデータ出力信号SDOのうちの最も高い優先度のスレーブ通信部のみのデータ出力信号SDOをマスタ通信部2へ出力するので、データ出力信号SDO同士の干渉を防止することができる。
更に、論理演算部4は、マスタ通信部2がデータを読み込みたいスレーブ通信部のみに出力する同期クロック信号に基づいて、所定のデータビット長だけ、同期クロック信号が出力されているスレーブ通信部3から出力されるデータ出力信号SDOをマスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力するように、論理演算処理をするので、スレーブ通信部3か1、3nから個別にデータを連続して読み込むことができる。
尚、この発明の実施の形態2による通信装置では、スレーブ通信部が2つの場合について示したが、この発明はこれに限るものではなく、スレーブ通信部の数が3つ以上であってもよい。その場合は、スレーブ通信部の数に合わせて、マスタ通信部2の同期クロック信号の数、及び論理演算部4の回路構成を変形することで同様の動作、及び効果を得ることができる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3による通信装置について説明する。図7は、この発明の実施の形態3に係る通信装置の構成を示すブロック図である。図1に示した実施の形態1による通信装置と比較すると、図7に示すこの発明の実施の形態3による通信装置では、マスタ通信部2は、スレーブ選択信号CSが1本のみとなり、このスレーブ選択信号CSは分岐して、論理演算部4、及び各スレーブ通信部31、3nのスレーブ選択信号CSに直接接続されている。
又、マスタ通信部2は、スレーブ通信部31、3nと同じく2本のデータ出力信号線MOSI_1、MOSI_nを備え、各データ出力信号線は分岐して、論理演算部4、及び各スレーブ通信部31、3nに接続されている。
論理演算部4は、マスタ通信部2、及び各スレーブ通信部31、3nが出力する全ての信号を入力として論理演算を実施し、各スレーブ通信部31、3nの同期クロック信号、及びマスタ通信部2のデータ入力信号MISOを出力する。尚、論理演算部4の具体的な回路構成としては、例えば、図8に示すようなものが考えられる。
即ち、図8は、この発明の実施の形態3に係る通信装置に於ける、論理演算部の一例を示す回路図である。図8に示すように、論理演算部4は、第1のカウンタ回路12と、第2のカウンタ回路13と、第3のカウンタ回路14の、3つのカウンタ回路が設けられている。第1のカウンタ回路12は、マスタ通信部2が出力する同期クロック信号MCLKをカウントして、予め決められた所定のビット長の読み込み指令又は書き込み指令の、節目を計測する目的があり、読み込み指令信号又は書き込み指令信号の出力が終わるタイミングで、有意であるハイレベルにラッチされるラッチ信号SF、及びローレベルにラッチされるラッチ信号NSFを出力する。
又、第1のカウンタ回路12は、指令信号の所定位置のビットの信号レベルを抽出し、その抽出した指令信号が読み込み指令信号か書き込み指令信号かを判断する回路を有しており、図8の例では、各指令信号の所定位置のビット(7ビット目)がハイレベルであれば書き込み指令であると判断して、更にハイレベルの信号をラッチし、指令検知出力CMOSI_1、CMOSI_nを論理演算部4内の他の回路するに出力する。尚、第1のカウンタ回路12は、スレーブ選択信号CSが無意のとき同期クロック信号MCLKのカウントをリセットすると共に、ラッチ信号SF、及び指令検知出力CMOSI_1、CMOSI_nのハイレベルへのラッチを解除する構成になっている。
第2のカウンタ回路13は、マスタ通信部2が出力する同期クロック信号MCLKをカウントして、予め決められた所定のビット長のデータ出力信号の節目を計る目的があり、第1のカウンタ回路12が、指令信号の出力が終わるタイミングで出力するラッチ信号SFを受けて、リセットが解除されカウント動作を開始する。
第3のカウンタ回路14は、第2のカウンタ回路13がデータ出力信号の節目に出力するパルス信号をカウントして、マスタ通信部2が出力したデータ出力信号数を計る目的があり、スレーブ通信部31、3nの数だけカウントができる構成となっており、カウントした数をデータ数カウント信号DCntとして、論理演算部4内の他の回路に出力する。又、スレーブ選択信号CSが無意のとき、前述のパルス信号のカウントをリセットする。
一方、論理演算部4は、各スレーブ通信部3が出力するデータ出力信号SDO_1、SDO_nを、各々のスリーステートバッファ71、7nへ入力し、各スリーステートバッファ71、7nの出力同士を接続した後、マスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ接続される。
ここで、制御信号C1、Cnは、予め決められたスレーブ通信部31、3nの通信優先度、及び書き込み指令を出力しているスレーブ通信部を優先するように、各スリーステートバッファ71、7nの出力をハイインピーダンスに切り替え、論理演算部4は、第1のカウンタ回路12が出力する指令検知出力CMOSI_1、CMOSI_n、及び第3のカウンタ回路14が出力するデータ数カウント信号DCntを用いて論理演算を行なうように構成されている。例えば、図8では、スレーブ通信部31のデータ出力信号SDO_1を優先する構成になっている。
更に、論理演算部4は、各スレーブ通信部31、3nが出力するデータ出力信号SDO_1、SDO_nを個別に、連続してマスタ通信部2へ出力する目的で、第1のカウンタ回路12が出力する指令検知出力CMOSI_1、CMOSI_n、及びラッチ信号NSF、並びにスリーステートバッファ71、7nの制御信号C1、Cn、マスタ通信部2の同期クロック信号MCLKを用いて、論理演算を行なう論理演算回路を構成し、各スレーブ通信部31、3nの同期クロック信号CLK_1、CLK_nを生成する。
例えば、図8では、マスタ通信部2が、読み込み指令信号、又は書き込み指令信号を出力している期間は、全てのスレーブ通信部31、3nに対して、同期クロック信号CLK_1、CLK_nを出力する。そして書き込み指令の場合は、書き込み指令信号に続いて、マスタ通信部2がデータを出力している期間は、対応するスレーブ通信部31、3nに対して同期クロック信号を出力する。一方、読み込み指令の場合は、予め決められた通信優先度の高い順に同期クロック信号を出力し、各スレーブ通信部31、3nが出力するデータ出力信号を個別に、連続してマスタ通信部2で読めるようにする。
次に、この発明の実施の形態3による通信装置1の動作についてタイミングチャートを用いて説明する。図9Aはこの発明の実施の形態3に係る通信装置の動作を説明するタイミングチャート、図9Bはこの発明の実施の形態3に係る通信装置の動作を説明する別のタイミングチャート、図9Cはこの発明の実施の形態3に係る通信装置の動作を説明する更に別のタイミングチャート、図9Dはこの発明の実施の形態3に係る通信装置の動作を説明する更に又別のタイミングチャートである。これ等の各図に於いて、横軸は時刻、縦軸は、マスタ通信部2からのスレーブ選択信号CS、マスタ通信部2からの同期クロック信号MCLK、論理演算部からの同期クロック信号CLK_1、CLK_n、マスタ通信部2からのデータ出力信号MOSI_1、MOSI_n、第1のカウンタ回路12からの指令検知出力CMOSI_1、CMOSI_n、第1のカウンタ回路12からのラッチ信号SF、第3のカウンタ回路14からのデータ数カウント信号DCnt、OR回路6からの制御信号C1、AND回路5からの制御信号Cn、論理演算部4からのデータ入力信号MISOを夫々示している。
図9Aの時刻T1に於いて、先ず、マスタ通信部2は、スレーブ選択信号CSを有意であるハイレベルに設定すると共に、同期クロック信号MCLK、及び、読み込み指令信号又は書き込み指令信号を各データ出力信号MOSI_1、MOSI_nに出力する。
そして、図9Aの時刻T1から時刻T2の期間では、各データ出力信号MOSI_1、MOSI_nが書き込み指令であるため、論理演算部4は、第1のカウンタ回路12が、各指令検知出力CMOSI_1、CMOSI_nとしてハイレベルの信号を出力し、マスタ通信部2が出力する同期信号クロックを、そのまま各スレーブ通信部31、3nの同期クロック信号CLK_1、CLK_nを出力する。マスタ通信部2は、書き込み指令に続いて、書き込みデータを各データ出力信号MOSI_1、MOSI_nに出力する。時刻T1から時刻T2の期間の最後である時刻T2に於いて、マスタ通信部2は、スレーブ選択信号CSを無意であるローレベルに設定し、通信を終了する。以上の動作により、前述の実施の形態1と同様に、全てのスレーブ通信部31、3nに対して、同時に書き込み指令及び書き込みデータを出力することができる。
又、図9Aの時刻T1から時刻T2の期間中、論理演算部4では、各データ出力信号MOSI_1、MOSI_nが書き込み指令であるため、各スレーブ通信部31、3nが出力するデータ出力信号のうち、予め決められた通信優先度の高いデータ出力信号SDO_1を選択するように各スリーステートバッファ71、7nが制御信号C1、Cnにより制御され、マスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力される。
次に、図9Bに示す時刻T3から時刻T4の期間では、マスタ通信部2が出力する各データ出力信号MOSI_1、MOSI_nは、読み込み指令となっている。従って、先ず、マスタ通信部2はスレーブ選択信号CSを有意であるハイレベルに設定すると共に、同期クロック信号MCLK、及び読み込み指令を各データ出力信号MOSI_1、MOSI_nに出力する。
続いて、論理演算部4は、第1のカウンタ回路12に於いて、読み込み指令を検知して、各指令検知出力CMOSI_1、CMOSI_nをローレベルの信号を出力し、予め決められた通信優先度の高いスレーブ通信部31から先に、マスタ通信部2が出力する同期信号クロックをスレーブ通信部31の同期クロック信号CLKへ出力し、次にスレーブ通信部3nに、マスタ通信部2が出力する同期信号クロックをスレーブ通信部3nの同期クロック信号CLKへ出力する。図9Bの例では、論理演算部4の出力する同期クロック信号CLK_1の優先度が高く設定されているため、先ず、スレーブ通信部31に同期クロック信号CLK_1が出力される。このとき、各スリーステートバッファ71、7nの制御信号C1、Cnは、優先度の高いスレーブ通信部31のデータ出力信号SDO_1が選択されるように制御され、マスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力される。
そして、第2のカウンタ回路13では、マスタ通信部2からの同期クロック信号MCLKをカウントして、所定のデータビット長が出力された時刻、若しくはその後の同期クロック信号MCLKの立ち下りに同期してパルス信号を第3のカウンタ回路14へ出力する。これにより、第3のカウンタ回路14では、データ数カウント信号DCntを1つ繰り上げ、それに応じて、各スリーステートバッファ71、7nの制御、及び各同期クロック信号が切り替えられ、今度は、優先度の低い同期クロック信号CLK_nがスレーブ通信部3nに出力されると共に、優先度の低いスレーブ通信部3nのデータ出力信号SDO_nが選択されるように制御され、マスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力される。時刻T3から時刻T4の期間の最後である時刻T4に於いて、マスタ通信部2は、スレーブ選択信号CSを無意であるローレベルに設定し、通信を終了する。以上の動作により、前述の実施の形態1と同様に、全てのスレーブ通信部31、3nに対して、同時に書き込み指令及び書き込みデータを出力することができる。
図9Cの時刻T5から時刻T6の期間、及び、図9Dの時刻T7から時刻T8の期間では、マスタ通信部2が出力する各データ出力信号MOSI_1、MOSI_nのどちらか一方が書き込み指令の場合を示している。即ち、先ず、図9Cの時刻T5から時刻T6の期間、及び、図9Dの時刻T7から時刻T8の期間の夫々の期間に於いて、マスタ通信部2はスレーブ選択信号CSを有意であるハイレベルに設定すると共に、同期クロック信号MCLK、及び読み込み指令、又は書き込み指令信号を各データ出力信号MOSI_1、MOSI_nに出力する。
続いて、論理演算部4は、第1のカウンタ回路12に於いて、読み込み指令、又は書き込み指令を検知して、各指令検知出力CMOSI_1,CMOSI_nとして、ハイレベル又はローレベルの信号を出力し、書き込み指令を通信優先度の高いスレーブ通信部として、マスタ通信部2が出力する同期信号クロックを、順番に各スレーブ通信部31、3nの同期クロック信号へ出力する。
図9Cの時刻T5から時刻T6の期間では、指令検知出力CMOSI_1が書き込み指令の場合を示しており、論理演算部4は、先ず対応する同期クロック信号CLK_1を出力する。このとき、各スリーステートバッファ71、7nの制御信号C1、Cnも、書き込み指令を出されているスレーブ通信部31のデータ出力信号SDO_1が選択されるように制御され、スレーブ通信部31のデータ出力信号SDO_1はマスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力される。
そして、第2のカウンタ回路13では、マスタ通信部2からの同期クロック信号MCLKをカウントして、所定のデータビット長が出力された時刻、若しくは、その後の同期クロック信号の立ち下りに同期してパルス信号を第3のカウンタ回路14へ出力する。これにより、第3のカウンタ回路14では、データ数カウント信号DCntを1つ繰り上げ、それに応じして、各スリーステートバッファ71、7nの制御、及び各同期クロック信号が切り替えられ、今度は、読み込み指令が出されているほうの同期クロック信号CLK_nが出力されると共に、それに対応するスレーブ通信部3nのデータ出力信号SDO_nが選択されるように制御され、マスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力される。時刻T5から時刻T6の期間の最後である時刻T6に於いて、マスタ通信部2はスレーブ選択信号CSを無意であるローレベルに設定し、通信を終了する。
尚、図9Dの時刻T7から時刻T8の期間では、指令検知出力CMOSI_nが書き込み指令の場合を示しており、論理演算部4は、先ず対応する同期クロック信号CLK_nを出力する。このとき、各スリーステートバッファ71、7nの制御信号C1、Cnも、書き込み指令を出されているスレーブ通信部3nのデータ出力信号SDO_nが選択されるように制御され、スレーブ通信部3nのデータ出力信号SDO_nはマスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力される。
そして、第2のカウンタ回路13では、マスタ通信部2からの同期クロック信号MCLKをカウントして、所定のデータビット長が出力された時刻、若しくは、その後の同期クロック信号の立ち下りに同期してパルス信号を第3のカウンタ回路14へ出力する。これにより、第3のカウンタ回路14では、データ数カウント信号DCntを1つ繰り上げ、それに応じして、各スリーステートバッファ71、7nの制御、及び各同期クロック信号が切り替えられ、今度は、読み込み指令が出されているほうの同期クロック信号CLK_1が出力されると共に、それに対応するスレーブ通信部31のデータ出力信号SDO_1が選択されるように制御され、マスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力される。時刻T7から時刻T8の期間の最後である時刻T8に於いて、マスタ通信部2はスレーブ選択信号CSを無意であるローレベルに設定し、通信を終了する。
以上述べたように、この発明の実施の形態3による通信装置によれば、マスタ通信部2は、スレーブ選択信号CSを有意に設定すると共に、同期クロック信号MCLK、及び各データ出力信号MOSI_1、MOSI_nを出力するので、全てのスレーブ通信部31、3nに同時に書き込み指令及び書き込みデータ並びに読み込み指令を出力することができ、通信時間の短縮と、それによって処理能力の低い回路構成でも通信処理が可能となることでコストが低減できると共に、スレーブごとの通信後の動作タイミングのずれを低減することができる。
又、マスタ通信部2は、スレーブ通信部31、3nと同じ数のデータ出力信号MOSI_1、MOSI_nを有するので、各スレーブ通信部31、3nに対し、異なる指令、及び異なるデータを同時に書き込むことができ、通信時間の短縮すなわち、通信効率を向上させることができる。
更に、論理演算部4は、マスタ通信部2が、全てのスレーブ通信部31、3nに対して同時に書き込み指令及び書き込みデータ並びに読み込み指令を出力している期間中、各スレーブ通信部31、3nから出力されるデータ出力信号SDOに対して、最も高い優先度のスレーブ通信部のみを、データ出力信号SDOをマスタ通信部2へ出力するので、データ出力信号同士の干渉を防止することができる。
加えて、論理演算部4は、マスタ通信部2が各スレーブ通信部31、3nに対して同時に読み込み指令を出力した場合、通信優先度の高い順番に、同期クロック信号をスレーブ通信部31、3nに出力すると共に、スレーブ通信部31、3nから出力されるデータ出力信号SDOをマスタ通信部2のデータ入力信号MISOへ出力するように論理演算処理をするので、スレーブ通信部31、3nから個別にデータを連続して読み込むことができる。
又、論理演算部4は、マスタ通信部2が各スレーブ通信部31、3nに対して書き込み指令と読み込み指令とを同時に出力した場合、書き込み指令を出力したスレーブ通信部を優先して個別に同期クロック信号を出力して通信を行うので、データ書き込み中のスレーブ通信部から出力されるフェイルなどの状態を示すデータと、読み込み指令を受けたスレーブ通信部から出力されるデータ出力信号SDOが干渉することなく、マスタ通信部2は、それぞれ個別に連続して、各スレーブ通信部31、3nからのデータを読み込むことができる。
尚、この発明の実施の形態3による通信装置では、スレーブ通信部が2つの場合について示したが、この発明はこれに限るものではなく、スレーブ通信部の数が3つ以上であってもよい。その場合は、スレーブ通信部の数に合わせて、マスタ通信部2のデータ出力信号の数および、論理演算部4の回路構成を変形することで、同様の動作および、効果を得ることができる。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4による通信装置について説明する。図10は、この発明の実施の形態4に係る通信装置の構成を示すブロック図である。図1に示した実施の形態1による通信装置と比較すると、図10では、論理演算部4がなく、マスタ通信部2は、スレーブ選択信号CSが1本のみとなり、スレーブ通信部31、3nの数と同じく2本のデータ入力信号線MISO_1、MISO_nを備え、各データ入力信号線は、夫々スレーブ通信部31、3nのデータ出力信号SDOに接続されている。
次に、この発明の実施の形態4による通信装置1の動作についてタイミングチャートを用いて説明する。図11は、この発明の実施の形態4に係る通信装置の動作を説明するタイミングチャートである。図11に於いて、横軸は時刻、縦軸は、マスタ通信部2からのスレーブ選択信号CS、マスタ通信部2からの同期クロック信号CLK、マスタ通信部2からのデータ出力信号MOSI、スレーブ通信部31、3nからのデータ入力信号MISO_1、MISO_nを夫々示している。
図11に示す時刻T1では、先ず、マスタ通信部2はスレーブ選択信号CSを有意であるハイレベルに設定すると共に、同期クロック信号CLKを出力すると共に、データ出力信号MOSIを出力する。以上の動作により、前述の実施の形態1と同様に、全てのスレーブ通信部31、3nに対して、同時に書き込み指令及び書き込みデータ並びに読み込み指令を出力することができる。
又、図11の時刻T1から時刻T2の期間中、各スレーブ通信部31、3nでは、データ出力信号SDOに、スレーブ通信部31、3nのフェイル等の状態を示すデータをマスタ通信部2へ出力するので、マスタ通信部2では、そのデータ出力信号を夫々、データ入力信号MISO_1、MISO_nへ同期クロック信号に同期して入力し、マスタ通信部2内に用意された、所定のデータビット長分の数を有すると共に、スレーブ通信部の数と同じビットデータ長のレジスタに蓄える。そして、図11の時刻T2に於いて、蓄えたレジスタからデータを復元することで、各スレーブ通信部31、3nの状態を読み出すことができる。
以上のように、この発明の実施の形態4による通信装置によれば、 マスタ通信部2は、スレーブ選択信号CSを有意に設定すると共に、同期クロック信号CLK、及びデータ出力信号MOSIを出力するので、全てのスレーブ通信部31、3nに同時に書き込み指令及び書き込みデータ並びに読み込み指令を出力することができ、通信時間の短縮と、それによって処理能力の低い回路構成でも通信処理が可能となることでコストが低減できると共に、スレーブごとの通信後の動作タイミングのずれを低減することができる。
又、マスタ通信部2は、スレーブ通信部31、3nの数同じ数のデータ入力信号MISO_1、MISO_nを有するので、各スレーブ通信部31、3nから同時にデータを読み込むことができ、通信時間の短縮すなわち、通信効率を向上させることができる。
更に、マスタ通信部2は、スレーブ通信部と同じ数のデータ入力信号(MISO_1、MISO_nを有するので、論理演算部4を不要にすることができ、回路規模の削減および、コストを低減させることができる。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5による電力変換装置について説明する。図12は、この発明の実施の形態5に係る電力変換装置の構成を示すブロック図である。図12に示すように、電力変換装置15は、パワー半導体スイッチング素子161からなるU相上アームとパワー半導体スイッチング素子162からなるU相下アームとを直列接続したU相アームとしてのU相ブリッジ回路191を備えている。同様に、パワー半導体スイッチング素子(図示せず)からなるV相上アームとパワー半導体スイッチング素子(図示せず)からなるV相下アームとを直列接続したV相アームとしてのV相ブリッジ回路192と、パワー半導体スイッチング素子(図示せず)からなるW相上アームとパワー半導体スイッチング素子(図示せず)からなるW相下アームとを直列接続したW相アームとしてのW相ブリッジ回路193を備えている。
上記のように構成した各相のブリッジ回路からなる三相ブリッジ回路の一対の直流端子は、充放電可能な直流電源17に接続され、各相のブリッジ回路の上アームのパワー半導体スイッチング素子161と下アームのパワー半導体スイッチング素子162の接続点は、多相回転電機18の電機子巻線の交流端子に個別に接続されている。このように構成された電力変換装置15は、直流電源17と多相回転電機18との間で、交流―直流の電力変換、或いは直流―交流電力変換を行う。図12では、多相回転電機18の相数が三相であるため、電力変換装置15は、U相ブリッジ回路としての相ブリッジ回路191、V相ブリッジ回路としての相ブリッジ回路192、及びW相ブリッジ回路としての相ブリッジ回路193を備える。
そして、各相ブリッジ回路191、192、193は、パワー半導体スイッチング素子161、162をオン又はオフするゲート駆動部20を有し、更にゲート駆動部20内にSPI通信のスレーブとなるスレーブ通信部3を備えている。
又、電力変換装置15は、多相回転電機18の運転状態や、電力変換装置15内のフェイル情報を含む各種情報をもとに、各相ブリッジ回路191、192、193を制御する制御部21を有しており、制御部21内には、各相ブリッジ回路191、192、193に指令を送る、或いは各相ブリッジ回路191、192、193からデータを読み込むために、SPI通信のマスタとなるマスタ通信部2を備えている。尚、マスタ通信部2の構成に従って、前述の実施の形態1から実施の形態3で説明したように、必要に応じて論理演算部4を制御部21内に備える。
多相回転電機18の運転方法や、電力変換装置15の具体的な交流―直流電力変換、或いは直流―交流電力変換を行う方法については、従来から種々の方法が提案、及び実現されており、それらの技術を適用できるため、ここでは説明を省略する。又、マスタ通信部2及びスレーブ通信部3並びに論理演算部4の通信方法についても、前述の実施の形態1から3で説明してきた内容が適用できるため、説明を省略する。
以上のように、この発明の実施の形態5による電力変換装置によれば、制御部21内のマスタ通信部2、及び各相ブリッジ回路191、192、193内のスレーブ通信部3を介して、制御部21と各相ブリッジ回路191、192、193とのSPI通信を行うものであり、その構成に於いて、マスタ通信部2は、全ての各相のブリッジ回路191、192、193内のスレーブ通信部3に同時に書き込み指令及び書き込みデータ並びに読み込み指令を出力するので、通信時間の短縮と、それによって処理能力の低い回路構成でも通信処理が可能となることでコストが低減できると共に、スレーブごとの通信後の動作タイミングのずれを低減することができる。
又、マスタ通信部2は、全てのスレーブ通信部3に同時に、書き込み指令及び書き込みデータを出力するので、電力変換装置15に於いて、各相ブリッジ回路間で時間のばらつきなく、同時に停止させることができる。加えて、停止にかかる時間のばらつきによって生じる各相ブリッジ回路191、192、193の電力集中によるパワー半導体スイッチング素子161、162の2次故障を防止することができる。
更に、マスタ通信部2は、各スレーブ通信部3から同時に読み込み指令を出したのち、各スレーブ通信部3からデータを連続して個別に読み込むので、通信時間の短縮すなわち、通信効率を向上させることができる。
尚、この発明は、その発明の範囲内に於いて、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
この発明は、全二重通信方式のSPI通信を行う通信装置、特に、1つのマスタに対して、少なくとも2つ以上のスレーブを有する通信装置の分野、及び、これを使用した電力変換装置の分野に利用することが出来るに関するものである。
1 通信装置、2 マスタ通信部、3、31、3n スレーブ通信部、4 論理演算部、5、51、5n、50 AND回路、6、61、6n OR回路、71、7n スリーステートバッファ、8 XOR回路、91、9n RSラッチ回路、10 NOR回路、111、11n カウンタ回路、12 第1のカウンタ回路、13 第2のカウンタ回路、14 第3のカウンタ回路、15 電力変換装置、161、162 パワー半導体スイッチング素子、17 直流電源、18 多相回転電機、191、192、193 相ブリッジ回路、20 ゲート駆動部、21 制御部。

Claims (6)

  1. マスタとなるマスタ通信部と、前記マスタ通信部に対してスレーブとなる複数のスレーブ通信部とを備え、前記マスタ通信部は、前記複数のスレーブ通信部に対して同時に読み込み指令信号又は書込み指令信号を出力し、前記複数のスレーブ通信部が出力するデータ信号を前記スレーブ通信部毎に順次連続して読み込み又は前記スレーブ通信部毎に順次連続してデータ信号を書き込む、シリアル通信を行う通信装置であって、
    前記マスタ通信部と前記スレーブ通信部との通信経路に設置され、入力信号に対して予め定められた論理演算を実施して出力信号を発生する論理演算部を有し、
    前記論理演算部は、前記マスタ通信部が通信信号を出力する間、前記論理演算により、予め定められた優先順位に基づいて前記複数のスレーブ通信部のうちの最も優先順位の高いスレーブ通信部の通信信号のみを前記マスタ通信部へ出力する、
    ことを特徴とする通信装置
  2. 前記マスタ通信部と前記スレーブ通信部との通信経路に設置され、入力信号に対して予め定められた論理演算を実施して出力信号を発生する論理演算部を備え、
    前記マスタ通信部は、前記複数のスレーブ通信部の数と同一の数のスレーブ選択信号線を有し、
    前記論理演算部に入力される前記入力信号は、前記マスタ通信部が前記スレーブ選択信号線を介して出力するスレーブ選択信号と、前記マスタ通信部が出力する同期クロック信号とを含み、
    前記論理演算部は、前記スレーブ選択信号と前記同期クロック信号に対して前記論理演算を実施し、前記論理演算に基づく同期クロック信号を前記スレーブ通信部へ出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記マスタ通信部は、前記複数のスレーブ通信部の全てに接続される1本のスレーブ選択信号線と、前記複数のスレーブ通信部の数と同一の数の同期クロック信号線とを有し、前記スレーブ選択信号線により送信するスレーブ選択信号を有意にした状態で、前記複数のスレーブ通信部に個別に前記同期クロック信号線を介して同期クロック信号を出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  4. 前記マスタ通信部と前記スレーブ通信部との通信経路に設置され、入力信号に対して予め定められた論理演算を実施して出力信号を発生する論理演算部を備え、
    前記論理演算部は、前記マスタ通信部が出力する前記同期クロック信号と、前記スレーブ通信部が出力するデータ信号とを入力とし、前記複数のスレーブ通信部毎に個別に前記同期クロック信号が出力されている間、前記複数のスレーブ通信部のうち通信対象のスレーブ通信部のデータ信号のみを前記マスタ通信部へ出力するように前記論理演算を実施する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
  5. 前記マスタ通信部は、前記複数のスレーブ通信部の数と同一の数のデータ信号線を有し、
    前記論理演算部は、前記マスタ通信部と前記スレーブ通信部が出力する全ての信号を入力とし、前記マスタ通信部が出力する指令が書き込み指令であると判断したときは、前記マスタ通信部が出力する同期クロック信号をそのまま前記複数のスレーブ通信部へ出力し、前記マスタ通信部が出力する指令が読み込み指令であると判断したときは、予め決められた優先順位に基づいて通信対象となる前記スレーブ通信部毎に前記マスタ通信部が出力する前記同期クロック信号を出力すると共に、前記スレーブ通信部が出力するデータ信号を前記マスタ通信部へ出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  6. マスタとなるマスタ通信部と、前記マスタ通信部に対してスレーブとなる複数のスレーブ通信部とを備え、前記マスタ通信部は、前記複数のスレーブ通信部に対して同時に読み込み指令信号を出力し、前記複数のスレーブ通信部が出力するデータ信号を前記スレーブ通信部毎に順次連続して読み込む、シリアル通信を行う通信装置であって、
    前記マスタ通信部は、前記複数のスレーブ通信部の全てに接続される1本の出力信号線と、前記複数のスレーブ通信部の数と同一の数の入力信号線を備える、
    ことを特徴とする通信装置。
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