JP6230470B2 - 色処理装置、色処理方法及びプログラム。 - Google Patents

色処理装置、色処理方法及びプログラム。 Download PDF

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本発明は、ある環境において実際に試料を観察した時の試料の色の見えを推定する技術に関する。
プリント物等の試料の色を正確に把握する方法として、分光反射率測定器または分光放射輝度測定器を用いた測色がある。
分光反射率測定器は、光源と受光器を含む測色ユニットが測定器内部に固定されており、定められた光学幾何条件の下、対象物の色を測定することができる。測色ユニットが比較的小さな1つの装置に集約されており、対象物を走査して測定できるため、測定作業が簡易であるという利点がある。しかし、測色ユニットのなかに構築された特定の幾何条件の下での計測であるため、任意の観察環境下における対象物の色の見えは測色できないという問題がある。
一方、分光放射輝度測定器は、非接触型の測色で、観察者の実際の観察条件に応じて測定器を設置することでき、任意の観察環境下における対象物の色を測定することができる。すなわち、任意の観察条件下の色の見えを高精度に測色できる利点がある。しかし、分光反射率測定器に比べて大型であり、観察条件に合わせて対象物と測定器を位置決めする必要がある。また、多数の色の測定をするのには不便で、測定作業に多くの時間を要するという問題がある。そこで、少ない測定工数にて、実際の観察環境下での対象物の色の見えを推定する技術が提案されており、例えば、特許文献1には、分光反射率測定器の測定データを変換することで分光放射輝度測定器での測定データを推定する技術が記載されている。
特許文献1の概要は以下のとおりである。まず、分光反射率測定器と分光放射輝度測定器の両方で、同一のパッチを予め測定する。次に、分光反射率データから得られる三刺激値と、分光放射輝度データから得られる三刺激値とを対応づける変換マトリクスを生成する。そして、分光反射率測定器にて測定した任意の測色データを変換して、分光放射輝度測定器で測定した測定値に相当する値を求める。これにより、分光放射輝度測定器による測定工数を削減しながらも、任意の観察環境下における観察条件に即した対象物の色の見えを推定することを可能にしている。
特開2008―278054号公報
上述した特許文献1の技術の場合、測定器同士の変換マトリクスを、観察環境下における照明の種類や対象物に応じて作成する必要がある。そのため、任意の観察環境や対象物に対応しようとすれば、そのための変換マトリクスを逐次作成することが必要で、その都度、分光放射輝度計での測定を行なうことになる。これは、ユーザにとっては、多くの手間を要する煩雑な作業である。
本発明に係る色処理装置は、任意の環境下での試料の見えに相当する測色値を推定する色処理装置であって、前記試料における色毎の拡散成分を推定する拡散成分推定手段と、前記試料における基準となる色のヘイズ成分を推定するヘイズ成分推定手段と、推定された前記色毎の拡散成分と、推定された前記基準となる色のヘイズ成分とに基づいて、前記任意の環境下での前記試料の見えに相当する測色値を推定する測色値推定手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、少ない測定工数で、任意の観察環境下での試料の色の見えに相当する測色値を推定することができる。
実施例1に係る、色処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 実施例1に係る、色処理装置のソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。 拡散成分とヘイズ成分の概念を説明する図である。 記録媒体上に印刷されたチャートの一例を模式的に示した図である。 実施例1において、照明以外に周囲からの光の影響のある環境下での試料の見えの推定を行なう場合における、照明と試料の位置関係を説明する図である。 実施例1に係る、試料の見えを推定する処理の流れを示すフローチャートである。 処理対象となる試料を選択するためのUI画面の一例を示す図である。 照明の分光放射輝度を、分光放射輝度計を用いて測定する様子を示す図である。 代表色パッチの分光放射輝度を測定する様子を示す図である。 周囲からの光の影響をチャートが受けない環境を説明する図である。 代表色パッチの分光放射輝度を測定する様子を示す図である。 囲いの設置条件を示す図である。 パッチの光沢度とヘイズ成分との関係を示す図である。 実施例2に係る、色処理装置のソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。 実施例2に係る、試料の見えを推定する処理の流れを示すフローチャートである。
[実施例1]
図1は、本実施例に係る色処理システムの構成の一例を示すブロック図である。本実施例における色処理システムは、色処理装置としてのPC100、分光反射率測定器110及び分光放射輝度測定器120で構成される。
PC100は、CPU101、ROM102、RAM103、操作部104、HDD105、モニタ106、ネットワークI/F107、内部バス108で構成される。
CPU101は、各種プログラムを実行して各部を統括的に制御するプロセッサである。
ROM102は、各種の制御プログラムや画像処理プログラムを格納するメモリである。
RAM103は、CPU101のための作業領域であって、ROM102等から読み込んだプログラムを一時的に格納したり、プログラム実行の際の一時的なデータを保存するためのメモリである。
操作部104は、マウスやキーボードといったユーザからの入力を受け付けるための入力手段である。
HDD105は、プログラムやデータを格納する記憶装置であり、試料等を測定して得られた分光反射率データのデータベースとしての役割も担う。なお、分光反射率データのデータベースとしての機能を、HDD105に代えて外部のサーバ(不図示)が担う構成としてもよい。
モニタ106は、入力情報や処理結果等の画像表示を行う表示部である。
ネットワークI/F107は、LAN等のネットワークとのインターフェース動作を行う。色処理装置としてのPC100は、このネットワークI/F107を介して、分光反射率測定器110及び分光放射輝度測定器120と接続される。
内部バス109は、上記各部を接続するバスである。
分光反射率測定器110は、上記データベースに蓄積される、様々な試料の分光反射率を測定するための測定器である。
分光放射輝度測定器120は、測色値推定の対象となる試料や照明の分光放射輝度を測定するための測定器である。
図2は、本実施例に係る、色処理装置のソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。色処理装置は、照明情報取得部201、パッチ情報取得部202、拡散成分推定部203、ヘイズ成分推定部204及び測色値推定部205で構成され、任意の環境下での試料の見えを推定する処理を行なう。ここで、「試料の見え」とは、ある観察環境において実際に試料を観察した時の当該試料の色の見えに相当する測色値を意味し、拡散成分とヘイズ成分とからなる。以下、色処理装置を構成する各部について説明する。
照明情報取得部201は、ユーザ指示に基づくCPU101からの指令に応じて、上述の分光放射輝度測定器120で測定された、照明の分光放射輝度のデータを取得する。
パッチ情報取得部202は、ユーザ指示に基づくCPU101からの指令に応じ分光放射輝度測定器120で測定された、試料の分光放射輝度のデータを取得する。また、パッチ情報取得部202は、測色値推定の対象となるパッチの分光反射率データを、データベースとしてのHDD105から取得する。このデータベースには、例えば、プリンタ機種や記録媒体(メディア)の種類が異なる様々なタイプのカラーチャートについての分光反射率データが格納されている。
拡散成分推定部203は、試料の見えに相当する測色値のうちの拡散成分を、当該試料の分光反射率と当該試料を照らしている照明の分光放射輝度とから色毎に推定する。
ヘイズ成分推定部204は、試料の見えに相当する測色値のうちのヘイズ成分を、当該試料のうち基準となる代表的な色(以下、代表色)について測定した分光放射輝度から推定する。
測色値推定部205は、照明以外に周囲からの光の影響を受け得る環境において試料を観察した時の試料の見えに相当する測色値を推定する。
上述のとおり、試料の見えに相当する測色値には、拡散成分とヘイズ成分とが含まれる。図3は、この拡散成分とヘイズ成分の概念を説明する図である。
図3の(a)において、破線で示されているのが拡散成分310であり、照明301からの光が試料302に対して直接入射し、試料の表面にて反射した成分であることを表している。図3の(b)において、一点鎖線で示されているのがヘイズ成分320であり、照明301からの光が周囲の壁303などの障害物で反射した後に、試料302に二次的に入射して試料302から反射した成分であることを表している。ここで、本実施例における試料は、N個の色数のパッチが印刷されたカラーチャート(以下、チャート)とする。図4は、普通紙、光沢紙、マット紙といった記録媒体上に印刷されたチャートの一例を模式的に示した図であり、チャート400内の矩形の1つ1つが各色に対応するパッチを示している。例えば、色空間(情報)がRGBであるとすると、RGB各8bitとした場合それぞれ、R=0〜255、G=0〜255、B=0〜255の値をとる。これらR,G,Bがとる値の全ての組み合わせ(256の3乗点の組み合わせ)をすべて持っている訳ではなく、R、G、Bそれぞれを5分割、9分割、17分割した際のR,G,Bの組み合わせたデータを有している。即ち、5分割の場合は5の3乗=125点、9分割の場合は9の3乗=729点、17分割の場合は17の3乗=4913点のデータを有することになる。本実施例では、RGBをそれぞれ5分割した125色のパッチを用いるものとする。これはR=G=B=0からR=G=B=255までの全125通りのRGB値が、各パッチに割り当てられることになる。
図5は、本実施例において、照明以外に周囲からの光の影響のある環境下での試料の見えの推定を行なう場合における、照明と試料の位置関係を説明する図である。以下では、一例として、照明501を設置した部屋500内に置かれたチャート502を、観察者503が視点位置Xから観察した際のチャート502の見えに相当する測色値を推定する場合について説明する。
図6は、本実施例に係る、試料の見えを推定する処理の流れを示すフローチャートである。なお、この一連の処理は、以下に示す手順を記述したコンピュータ実行可能なプログラムをROM102からRAM103上に読み込んだ後、CPU101によって該プログラムを実行することによって実施される。
ステップ601において、パッチ情報取得部202は、測色値を推定する処理の対象としてユーザが指定した試料についての分光反射率データを、上述のデータベース(HDD105)より取得する。ここで、推定対象となる試料の分光反射率データは、R(λ)(i=1、2、・・・、N)で表され、Nはパッチ数(ここでは125)、λは可視光領域の波長(380nm〜780nm)である。また、処理対象となる試料は、例えば、プリンタ機種とメディア種をそれぞれ選択可能なユーザインタフェース(UI)画面を用いてユーザによって指定される。図7は、モニタ106上に表示されるUI画面の一例を示す図である。UI画面700には、プリンタ機種を選択する領域701、メディア種を選択する領域702及びOKボタン703が存在する。ユーザは、領域701及び領域702内にそれぞれリスト表示された項目の中から所望のプリンタ機種とメディア種をそれぞれ選択し、OKボタン703を押下する。図7のUI画面700においては、プリンタ機種としてプリンタ2が選択され、メディア種として光沢紙が選択されている状態である。この状態でOKボタン703が押下されると、光沢紙上にプリンタ2を用いてパッチが形成されたチャートを測定して得られた分光反射率データがHDD105から読み込まれて取得されることになる。
ステップ602において、照明情報取得部202は、壁からの反射光など周囲からの光の影響をチャートが受け得る環境(以下、環境A)の下での照明501の分光放射輝度L(λ)を取得する。なお、λは可視光領域の波長(380nm〜780nm)である。図8は、環境Aの下での照明の分光放射輝度を、分光放射輝度計120を用いて測定する様子を示す図である。例えば、PC100と接続された分光放射輝度測定器120の測定面801を照明方向に向けた状態で、測定者が測定開始ボタンを押下すると照明の分光放射輝度L(λ)が測定され、当該測定された値がPC100に入力されて取得される。
ステップ603において、拡散成分推定部203は、ステップ601で取得した対象試料の分光反射率R(λ)とステップ602で測定した照明の分光放射輝度L(λ)とから、各パッチの拡散成分D(λ)(i=1、2、・・・、N)を推定する。具体的には、以下の式(1)によって、Di(λ)を求める。
(λ)=L(λ)×R(λ) ・・・式(1)
本実施例の場合、パッチ数Nは125であるので、λを5nm刻み(380nm,385nm,390nm,・・・775nm,780nm)で推定したとすれば、計9875個(125×79)の拡散成分の値が求められることになる。
ステップ604において、パッチ情報取得部202は、特定の代表色のパッチについての、上記環境Aの下での分光放射輝度I(λ)を取得する。特定の代表色としては、ヘイズ成分が大きいと予測される色を選択することが望ましい。例えばインクジェット方式のプリンタで出力されるプリント物の場合であれば、ヘイズ成分はインクが載っているほど出やすいので、すべてのインクが載る黒が代表色として選択される。
ここで、環境Aの下での代表色パッチの分光放射輝度I(λ)の測定方法について説明する。図9は、選択された代表色のパッチについて、環境Aの下で分光放射輝度I(λ)を測定する様子を示す図である。図9に示すように、分光放射輝度測定器120の測定面801をチャート502に向け、測定器120とチャート502とが非接触の状態で測定を行なう。このようにチャート502と非接触の状態で測定することで、パッチに対し直接入射した照明光の反射成分901と、周囲の壁で反射した後に、代表色のパッチに対して二次的に入射した照明光の反射成分902の双方を測定することができる。すなわち、この分光放射輝度I(λ)は、代表色パッチの見えの拡散成分とヘイズ成分の双方を含む測色値となる。なお、代表色パッチの測定の際は、上述のチャートの中の対応するパッチ部分を測定してもよいし、別途、代表色のパッチのみを印刷したチャートを用意して測定してもよい。
ステップ605において、パッチ情報取得部202は、上記特定の代表色パッチについての、壁からの反射光など周囲からの光の影響をチャートが受けない環境(以下、環境B)の下での分光放射輝度I(λ)を測定する。図10は、環境Bを説明する図である。図10に示すように、環境A下のチャート502の周囲に囲い1001を設置して、チャート502に対して壁からの反射光など、周囲からの光の影響を受けない状況を構築する。環境Bの構築方法の詳細については後述する。図11は、選択された代表色のパッチについて、環境Bの下で分光放射輝度I(λ)を測定する様子を示す図である。上述した環境Bの下で測定した代表色パッチの分光放射輝度I(λ)には、パッチに対して直接入射した照明光の反射成分901が含まれる。しかし、周囲の壁などの障害物にて反射した後に、パッチに向かう照明光の反射成分902は含まれない。すなわち、この分光放射輝度I(λ)は、代表色パッチの拡散成分のみを含む測色値となる。
ステップ606において、ヘイズ成分推定部204は、ステップ604で取得した代表色パッチの分光放射輝度I(λ)とステップ605で取得した代表色パッチの分光放射輝度I(λ)とに基づいて、代表色パッチのヘイズ成分を推定する。上述のとおり、I(λ)には代表色パッチの拡散成分とヘイズ成分の双方を含み、I(λ)には代表色パッチの拡散成分のみを含む。したがって、以下の式(2)を用いて両者の差を求めることで、代表色パッチのヘイズ成分H(λ)を推定することができる。
(λ)=I(λ)−I(λ) ・・・式(2)
ステップ607において、測色値推定部205は、ステップ603で導出した対象試料の拡散成分D(λ)とステップ606で導出した代表色パッチのヘイズ成分H(λ)とから、環境A下での対象試料の見えに相当する測色値を推定する。具体的には、以下の式(3)を用いて両者の和を求めることで、対象試料の見えに相当する測色値I(λ)(i=1、2、・・・、N)を求める。
(λ)=D(λ)+H(λ) ・・・式(3)
上記式(3)からも分かるように、対象試料中の代表色パッチ以外のパッチについても、代表色パッチについて求めたヘイズ成分H(λ)が用いられる。
以上のような処理により、壁からの反射光など周囲からの光の影響をチャートが受け得る環境下において実際に観察した時のパッチの色の見えに相当する測色値が推定される。
インクジェット方式のプリンタで光沢紙に印刷されたチャートを使用した出願人による実験では、以下のような効果が確認できた。まず、拡散成分のみを推定した場合の推定値と対応する各実測値との色差(125色の平均値)が3.61であった。これに対し、本実施例を適用して得られた推定値Ii(λ)と対応する各実測値との色差(125色の平均値)は、0.66となった。このように、本実施例を適用した場合には、より高精度に色の見えを推定できることが分かる。
<環境Bの構築方法>
図10及び図11で示したように、環境Bは、パッチの周囲に囲い1001を設置し、チャート502に直接照射される照明光以外の光の入射を遮断した環境である。以下、チャートの周囲に囲いを設置する際の設置条件について説明する。
周囲に設置する囲い1001は、チャート502に直接照射される照明光以外の光の入射を遮断して、周囲の光の影響を妨げるように設置される。図12は、囲い1001の設置条件を示す図である。環境Bを構築するには、測定方向に対して正反射の方向1201からの光を、少なくとも遮断する必要がある。よって、設置条件としては、分光放射輝度測定器120の測定方向に対して正反射の方向からの光を遮断できるような方向1201に設置する囲いの高さh、測定ポイントとなるチャート上のパッチの位置から囲い1001までの距離dが与えられることになる。例えば、分光放射輝度測定器120の測定角度が45度である場合には、h>dの関係となるような囲い1001を設置すればよいことになる。
また、囲い1001の素材は、反射率が小さく、黒色であることが望ましい。これは、囲い1001自身が反射板となって、囲い1001によって照明光が反射してチャート502に照射するのを防ぐためである。
また、分光放射輝度測定器120の測定方向に対して正反射方向だけでなく、図11に示したように、測定方向を正面としたときの左右の方向にも同様に囲い1001を設置することにより、測定方向の左右からの光も遮断することができる。この場合の囲い1001の大きさや高さ等については、正反射方向と同様でよい。
上記で述べたような設置条件に従って、囲い1001をチャート502の周囲に設けることで、チャート502に直接照射される照明光以外の光の入射を遮断することができる。
なお、本実施例では、基準となる代表色として黒を選択する場合について説明したが、代表色は上述の観点から選択された任意の色であればよく、メディアの種類や色材の種類に応じて決定すればよい。また、代表色は1色に限る必要はなく、複数の色としてもよい。この場合、各パッチに適用するヘイズ成分は、選択された複数の代表色のうち、色度が近い方の代表色のパッチのヘイズ成分とすればよい。この際、どちらの代表色の色に近いのかは、例えばデータベース内にある各パッチの分光反射率のデータから求めればよい。
また、本実施例では、見えに相当する測色値を推定する対象を複数のパッチが印刷されたチャートとしたが、例えば、写真、画用紙、フィルム、絵画などであってもよい。この場合、推定の態様となるもの自体の分光反射率データを測定してデータベースに保持してもよいし、そこに使用される色のチャートを別途用意して測定した分光反射率データを測定して保持してもよい。
さらに、本実施例では、照明の分光放射輝度を都度測定するようにしているが、例えば観察する部屋が特定されているような場合は、分光反射率データと同様、予め測定したものをデータベースに保持しておき、それを用いるようにしてもよい。
本実施例によれば、対象試料(パッチ)の拡散成分に基準となる色(代表色)のパッチのヘイズ成分を加えることで、壁からの反射光など周囲からの光の影響を受け得る環境下でのパッチの見えに相当する測色値が推定される。これにより、パッチの測定工数を削減しながらも、全パッチの見えに相当する測色値を高精度に推定することができる。
[実施例2]
実施例1では、試料の色の見えに相当する測色値を推定するにあたり、各パッチのヘイズ成分については一律に基準となる色(代表色)のパッチのヘイズ成分H(λ)とした。そもそもヘイズ成分は、様々な方向から入射する光が試料の中で散乱したのちに出射して発生する光の成分であり、一般的には“写像性”や“浮き”とも呼ばれ、光沢成分の一つである。光沢成分は試料の光沢度に依存するため、光沢成分の一種であるヘイズ成分は、試料の光沢度に依存する成分であるといえる。図13は、パッチの光沢度とヘイズ成分との関係を示す図であり、横軸はともにパッチ数である。図13から、ヘイズ成分の値が高い部分では光沢度の値が低いことが分かる。
そこで、各パッチについて、その光沢度Gに応じたヘイズ成分を推定した上で、各パッチの色の見えに相当する測色値を推定する態様について、実施例2として説明する。なお、各パッチの拡散成分の推定については実施例1と同様であるため説明を省略することとし、以下では差異点であるヘイズ成分の推定を中心に説明するものとする。
図14は、本実施例に係る、色処理装置のソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。色処理装置の構成要素は実施例1と同じであるが、パッチ情報取得部202からヘイズ成分推定部204へと光沢度の情報が送られる点で異なっている。すなわち、本実施例におけるパッチ情報取得部202は、ユーザ指示に基づくCPU101からの指令に応じて各パッチの光沢度が取得され、取得した光沢度のデータはヘイズ成分推定部204においてヘイズ成分の推定に用いられる。
光沢度の測定方法についてはJIS Z8741で、試料に対する光の照射角、測定する受光角に応じた複数の測定幾何学系が規定されている。本実施例で用いる光沢度としては、上記JISで規定されている任意の幾何学系にて測定した光沢度データや、あるいは実際の環境における観察条件と近い条件にて測定した光沢度データを用いればよい。
図15は、本実施例に係る、試料の見えを推定する処理の流れを示すフローチャートである。なお、この一連の処理は、以下に示す手順を記述したコンピュータ実行可能なプログラムをROM102からRAM103上に読み込んだ後、CPU101によって該プログラムを実行することによって実施される。
ステップ1501〜ステップ1506は、実施例1の図6のフローチャートにおけるステップ601〜ステップ606と同じである。
ステップ1507において、パッチ情報取得部202は、対象試料についての光沢度データを取得する。例えば、上述のような方法で予め測定・保持しておいた光沢度データをデータベース(HDD105)から取得することが考えられる。ここで、推定対象となる試料の光沢度データは、G(λ)(i=1、2、・・・、N)で表され、Nはパッチ数、λは可視光領域の波長である。
ステップ1508において、ヘイズ成分推定部204は、ステップ1506で取得した代表色パッチのヘイズ成分H(λ)とステップ1507で取得した各パッチの光沢度G(λ)とに基づいて、各パッチのヘイズ成分を推定する。具体的には、光沢度とヘイズ成分とは線形の関係であるとみなし、パッチのヘイズ成分H(λ)(i=1、2、・・・、N)を、次の式(4)より求める。
(λ)=H(λ)*G/G ・・・式(4)
上記式(4)において、Gはパッチの光沢度、Gは代表色パッチの光沢度を示す。
ステップ1509において、測色値推定部205は、ステップ1503で導出した対象試料の拡散成分D(λ)とステップ1508で導出した各パッチのヘイズ成分H(λ)とから、環境A下での対象試料における見えの測色値を推定する。具体的には、各パッチの色の見えに相当する測色値I(λ)(i=1、2、・・・、N)を、次の式(5)によって求める。
(λ)=D(λ)+H(λ) ・・・式(5)
前述のとおり、インクジェット方式のプリンタで光沢紙に印刷されたチャートにおける、拡散成分のみを推定した場合の推定値と対応する各実測値との色差(125色の平均値)が3.61であったとき、実施例1を適用した場合には0.66まで改善した。同様のケースで、本実施例を適用して得られた推定値I(λ)と対応する各実測値との色差(125色の平均値)は0.58となり、実施例1よりもさらに高精度な推定が可能であることが確認された。
なお、本実施例においては、光沢度とヘイズ成分が線形関係にあるとの前提で説明を行なったが、両者の関係を、二次関数などの関係式で定義してもよい。
以上のとおり本実施例では、各パッチの光沢度に応じたヘイズ成分を推定することで、より高精度に、パッチの見えを推定することができる。
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (11)

  1. 任意の環境下での試料の見えに相当する測色値を推定する色処理装置であって、
    前記試料における色毎の拡散成分を推定する拡散成分推定手段と、
    前記試料における基準となる色のヘイズ成分を推定するヘイズ成分推定手段と、
    推定された前記色毎の拡散成分と、推定された前記基準となる色のヘイズ成分とに基づいて、前記任意の環境下での前記試料の見えに相当する測色値を推定する測色値推定手段と
    を備えることを特徴とする色処理装置。
  2. 前記測色値推定手段は、推定された前記色毎の拡散成分と、推定された前記基準となる色のヘイズ成分との和を求めることにより、前記任意の環境下での前記試料の見えに相当する測色値を推定することを特徴とする請求項1に記載の色処理装置。
  3. 前記ヘイズ成分推定手段は、推定された前記基準となる色のヘイズ成分と前記試料の色毎の光沢度とに基づいて、前記試料の色毎のヘイズ成分をさらに推定し、
    前記測色値推定手段は、推定された前記色毎の拡散成分と、推定された前記試料の色毎のヘイズ成分との和を求めることにより、前記任意の環境下での前記試料の見えに相当する測色値を推定することを特徴とする請求項1に記載の色処理装置。
  4. 前記ヘイズ成分推定手段は、照明光以外の周囲からの光の影響を前記試料が受け得る環境にて得られた前記基準となる色の分光放射輝度と、照明光以外の周囲からの光の影響を前記試料が受けないようにした環境にて得られた前記基準となる色の分光放射輝度との差を、前記基準となる色のヘイズ成分として推定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の色処理装置。
  5. 照明光以外の周囲からの光の影響を前記試料が受けないようにした前記環境は、前記試料の周囲に、測定方向に対して少なくとも正反射の方向からの光を遮断するような囲いを構築することによって実現されることを特徴とする請求項4に記載の色処理装置。
  6. 前記拡散成分推定手段は、前記任意の環境下での照明の分光放射輝度及び前記試料の色毎の分光反射率に基づいて、前記試料の色毎の拡散成分を推定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の色処理装置。
  7. 前記基準となる色は、ヘイズ成分が大きいと予測される色であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の色処理装置。
  8. 前記基準となる色は、黒であることを特徴とする請求項7に記載の色処理装置。
  9. 前記基準となる色が複数の場合、前記測色値推定手段は、当該複数の基準となる色のうち色度が近い方の色のヘイズ成分を適用して、前記測色値を推定することを特徴とする請求項1に記載の色処理装置。
  10. 任意の環境下での試料の見えに相当する測色値を推定する色処理方法であって、
    前記試料における色毎の拡散成分を推定する拡散成分推定ステップと、
    前記試料における基準となる色のヘイズ成分を推定するヘイズ成分推定ステップと、
    推定された前記色毎の拡散成分と、推定された前記基準となる色のヘイズ成分とに基づいて、前記任意の環境下での前記試料の見えに相当する測色値を推定する測色値推定ステップと
    を含むことを特徴とする色処理方法。
  11. コンピュータを、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の色処理装置として機能させるためのプログラム。
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