以下に添付図面を参照して、表示処理装置、表示処理方法、及びプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態の表示処理装置10の模式図である。
表示処理装置10は、プレビュー画像の表示を制御する装置である。表示処理装置10は、携帯可能な携帯端末であってもよいし、固定型の端末であってもよい。
表示処理装置10は、撮影部12、表示処理部14、記憶部16、入力部18、及び表示部20を備える。撮影部12、表示処理部14、記憶部16、入力部18、及び表示部20は、バス22により電気的に接続されている。
なお、表示処理装置10は、少なくとも表示処理部14及び記憶部16を備えた構成であればよく、撮影部12、入力部18、及び表示部20の少なくとも1つを別体として設けた構成であってもよい。
撮影部12は、表示部20に表示されたプレビュー画像の、実空間における観察環境を撮影する。これによって、撮影部12は、実空間における観察環境の撮影画像として、背景画像を取得する。ユーザによって観察される観察環境は、例えば、オフィス、展示会場、駅の構内、駅のホーム、各種建物内等である。
撮影部12は、公知の撮影装置である。撮影部12は、ユーザによる入力部18の操作指示によって撮影が指示されることで、観察環境の撮影を行い、背景画像を得る。なお、表示処理装置10は、撮影部12を備えない構成であってもよい。この場合には、背景画像を、予め記憶部16に記憶すればよい。
入力部18は、ユーザから各種操作を受け付ける。入力部18は、例えば、マウス、マイクによる音声認識、ボタン、リモコン、及びキーボード等である。
表示部20は、各種画像を表示する。表示部20は、LCD(Liquid Crystal Display)や、画像を投影するプロジェクタ等、公知の表示装置である。
本実施の形態では、表示部20には、後述するプレビュー画像が表示される。
なお、入力部18と表示部20とを一体的に構成したタッチパネルとしてもよい。
表示処理部14は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータである。表示処理部14は、表示処理装置10に設けられた装置各部を制御する。なお、表示処理部14は、CPU以外の回路などで構成してもよい。
本実施の形態では、表示処理部14は、OpenGL(Open Graphics Library)などの3Dグラフィックエンジンを用いて、表示制御を行う。
記憶部16は、メモリやハードディスクドライブ装置(HDD)等の記憶媒体であり、後述する各処理を実行するための各種プログラムや、各種データを記憶する。
本実施の形態では、記憶部16は、質感情報テーブルと、環境履歴情報と、を予め記憶する。
図2は、質感情報テーブルのデータ構造の一例を示す模式図である。質感情報テーブルは、質感情報と、反射情報と、を対応づけたテーブルである。なお、質感情報テーブルは、質感情報と反射情報とを対応づけた情報であればよく、テーブルのデータ形式に限定されない。例えば、質感情報テーブルは、データベースであってもよい。
質感情報は、プレビュー画像表示時に用いる質感(視覚的な効果)を示す情報である。本実施の形態では、質感情報は、画像形成対象の記録媒体の紙質の種類を、示すものとして説明する。
紙質の種類は、画像形成された紙を視認したときに、紙質の違いがユーザによって確認される程度に異なる種類毎に予め定められている。本実施の形態では、紙質の種類には、ミラーコート紙、グロス紙、マット紙等があるが、これら以外の種類を含んでいてもよい。
質感情報に対応する反射情報は、対応する質感情報(すなわち、画像形成対象の紙の紙質の種類)に応じた質感を表現するために用いる情報である。反射情報は、例えば、鏡面反射、拡散反射、環境反射、自発光、及び鏡面反射指数を含む。
鏡面反射は、鏡面反射の反射強度を示す。拡散反射は、拡散反射の反射強度を示す。環境反射は、環境反射の反射強度を示す。
自発光は、物体が自ら発光する光の光量を示す。なお、自発光に示される光量は、通常のプレビュー画像表示においては用いないが、画像形成対象の紙が蛍光増白剤を多く含む紙質の種類である場合には、演出として用いてもよい。
鏡面反射指数は、プレビュー画像における、三次元空間上に疑似的に配置した表示面と、表示処理部14でサポートしている光源と、の距離に応じて光量の減衰を制御するためのパラメータである。
なお、本実施の形態では、質感情報テーブルは、予め記憶部16に記憶されている場合を説明する。なお、質感情報テーブルに登録されている各情報は、ユーザによる入力部18の操作指示などによって適宜更新可能である。
環境履歴情報は、過去に入力または設定された環境情報の履歴を示す情報である。環境情報は、背景画像と、光源位置と、光源効果と、明るさと、を含む。
なお、環境情報は、光源効果と、明るさと、を少なくとも含む情報であればよい。なお、本実施の形態では、環境情報は、背景画像と、光源位置と、光源効果と、明るさと、を含む場合を説明する。
図3は、環境履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。環境履歴情報は、環境識別情報(以下、環境IDと称する)と、環境名と、背景画像と、光源位置と、光源効果と、明るさと、を対応づけた情報である。環境履歴情報は、データベースであってもよいし、テーブルであってもよく、そのデータ形式は限定されない。
環境IDは、対応する環境名、背景画像、光源位置、光源効果、及び明るさを、一意に識別する情報である。環境名は、ユーザが原稿データを紙に形成した印刷画像、または、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像を観察する観察環境の名称を示す。
原稿データは、印刷対象、または印刷結果を推定したプレビュー画像の表示対象の、画像データを示す。背景画像は、対応する観察環境名によって特定される観察環境の背景画像である。なお、環境履歴情報は、背景画像を含まない形態であってもよい。この場合、背景画像は、別途、記憶部16に格納すればよい。また、背景画像は、撮影部12から取得した画像であってもよいし、図示を省略する外部装置などから取得した情報であってもよい。
光源位置は、対応する観察環境名によって特定される観察環境に応じた、三次元の仮想空間における光源の位置を示す。図3に示すように、光源位置は、三次元座標(XYZ座標)によって表される。なお、光源位置は、例えば、実空間における単位(例えば、cm)で示される。これは、ユーザによる設定のしやすさを考慮したものである。
光源効果は、上記三次元の仮想空間(以下、単に、仮想空間と称する)に配置された光源が、表示対象の原稿データの原稿面に与える光による効果を示す。原稿面は、原稿データを仮想空間に表示した表示画像を示す。
本実施の形態では、光源効果を、仮想空間に配置された光源から原稿面に到る直接光の強度と、該光源から原稿面に到る間接光の強度と、の強度比で表す。
直接光は、太陽やスポットライトや蛍光灯などの光源から照射され、直接原稿面に到る光である。間接光は、光源から照射され、他の物体などによって反射された後に、原稿面に到る光である。このため、直接光の強度が強いほど、光源から照射された光の原稿面への映り込みが強く、直接光の強度が弱いほど、該光の原稿面への映り込みが弱くなる。一方、間接光は散乱するため、原稿面における直接光の照射されない領域についても、明るさを与える。このため、間接光の強度が強いほど、原稿面は明るくなり、間接光の強度が弱いほど、原稿面は暗くなる。
図3に示す例では、環境名「オフィス」に対応する光源効果としての、“直接光「1.0」”と、“間接光「1.0」”と、は、直接光と間接光との強度比が、1.0対1.0であることを示す。
明るさは、仮想空間に配置された光源から原稿面に照射される光の明るさを示す。すなわち、明るさは、原稿面の全体の明るさを示す。
なお、各環境名に対応する、背景画像、光源位置、光源効果、および明るさの各々は、ユーザによる入力部18の操作指示によって適宜変更可能である。
図1に戻り、説明を続ける。表示処理部14は、主に、原稿データのプレビュー画像を表示部20へ表示する制御を行う。
プレビュー画像は、原稿データを編集した画像の表示された表示面を含む。本実施の形態では、プレビュー画像は、背景画像上に、原稿データ等を編集した画像の表示された表示面を重ねた画像である場合を説明する(詳細後述)。本実施の形態では、表示処理部14は、例えば、OpenGLなどの3Dグラフィックエンジンによりプレビュー画像の表示を実現する。
背景画像上に重ねる表示面は、本実施の形態では、原稿表示面である。原稿表示面は、原稿データの表示された原稿面に、観察環境の光属性を設定し、該光属性の設定された原稿面を視点位置から視認した二次元画像に変換した画像である。原稿表示面及びプレビュー画像の表示処理の詳細は、後述する。
なお、本実施の形態では、プレビュー画像は、背景画像上に、原稿表示面を配置した画像である場合を説明する。しかし、プレビュー画像は、原稿表示面を含む画像であればよく、背景画像を含まない形態であってもよい。また、プレビュー画像は、更に、他の表示面を含んだ画像であってもよい。
他の表示面としては、例えば、無色の現像剤を用いて形成する透明画像の表示された表示面や、無色の現像剤を用いて紙に与える表面効果を規定した表面効果画像の表示された表示面等が挙げられるが、これらに限られない。
プレビュー画像が、複数の表示面を含む場合には、プレビュー画像は、これらの複数の表示面を、仮想空間における異なる位置に配置した画像とすればよい。
図4は、表示処理部14の機能ブロック図である。
表示処理部14は、第1取得部14Aと、第2取得部14Bと、算出部14Cと、表示制御部14Dと、第3取得部14Eと、調整部14Fと、を含む。
第1取得部14A、第2取得部14B、算出部14C、表示制御部14D、第3取得部14E、及び調整部14Fの一部または全ては、例えば、CPUなどの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)などのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
第1取得部14Aは、表示対象の原稿データを取得する。表示対象とは、プレビュー画像として表示する対象を意味する。
第1取得部14Aは、例えば、ユーザによる入力部18の操作によって指示された原稿データを取得する。
例えば、表示制御部14Dが、記憶部16に記憶されている原稿データの一覧を表示部20に表示する。ユーザは、表示された原稿データの一覧を参照しながら、入力部18を操作することで、表示対象の原稿データを選択する。入力部18は、選択された原稿データの識別情報を表示処理部14へ出力する。表示処理部14の第3取得部14Eは、入力部18から取得した識別情報に対応する原稿データを記憶部16から読取ることで、原稿データを取得する。
なお、第1取得部14Aは、図示を省略する外部装置などから図示を省略する通信部を介して原稿データを取得してもよい。
第1取得部14Aは、取得した原稿データを、表示対象の原稿データとして記憶部16へ記憶する。
また、第1取得部14Aは、さらに、質感情報を取得してもよい。この場合、第1取得部14Aは、表示対象の原稿データと、原稿データを印刷する紙(記録媒体)の質感情報と、を含む原稿属性情報を取得する。なお、第1取得部14Aは、表示対象の原稿データを取得すればよい。ただし、本実施の形態では、一例として、第1取得部14Aが、表示対象の原稿データと、質感情報と、を含む原稿属性情報を取得する場合を説明する。
本実施の形態では、第1取得部14Aは、原稿属性情報を入力部18から取得する。
第1取得部14Aによる原稿データの取得方法は、上述した通りである。第1取得部14Aによる質感情報の取得は、例えば、以下の方法で行えばよい。例えば、表示制御部14Dが、記憶部16に記憶されている質感情報テーブル(図2参照)に登録されている、質感情報(紙質の種類)の一覧を表示部20に選択可能に表示する。ユーザによる入力部18の操作指示によって、表示部20に表示された質感情報の内の何れかが選択されると、入力部18は、選択された質感情報を第1取得部14Aへ出力する。第1取得部14Aは、入力部18から受け付けた質感情報を取得する。
第2取得部14Bは、環境情報を取得する。環境情報は、第1明るさと、第1強度比と、を含む。
明るさとは、仮想空間に配置された光源から、該仮想空間に配置された表示対象の原稿データの原稿面に照射された光の明るさを示す。第1明るさは、明るさを示し、かつ、第2取得部14Bで取得する環境情報に含まれる明るさである。
強度比とは、仮想空間に配置された光源が原稿面に与える光源効果を示し、光源から原稿面に到る直接光の強度と間接光の強度との強度比を示す。第1強度比は、強度比(すなわち、光源効果)を示し、かつ、第2取得部14Bで取得する環境情報に含まれる強度比である。
第2取得部14Bは、例えば、ユーザによる入力部18の操作によって指示された環境情報を取得する。具体的には、表示制御部14Dが、記憶部16から環境履歴情報(例えば、図3参照)を読取り、選択可能に表示部20に表示する制御を行う。ユーザは、入力部18を操作することで、表示された環境履歴情報から、所望の環境IDまたは環境名などを選択する。入力部18は、受け付けた環境IDまたは環境名を表示処理部14へ出力する。表示処理部14の第2取得部14Bでは、入力部18から受け付けた環境IDまたは環境名に対応する光源効果(強度比)および明るさの各々を、記憶部16に記憶されている環境履歴情報から読取り、第1強度比および第1明るさとして取得する。
なお、第1明るさ及び第1強度比の取得方法は、環境履歴情報から選択される方法に限定されない。
例えば、ユーザによる入力部18の操作指示によって、光源効果としての強度比(第1強度比)や明るさ(第1明るさ)の入力を可能としてもよい。この場合、表示制御部14Dは、例えば、光学効果を調整するための光学効果調整画面を表示部20に表示すればよい。
図5は、光学効果調整画面60の一例を示す図である。光学効果調整画面60は、スライドバー60Bと、スライドバー60Bにおける調整位置を示すサム60Aと、を含む。スライドバー60Bの延伸方向の一端側には、「直接光」の文字が表示され、他端側には、「間接光」の文字が表示されている。
ユーザは、スライドバー60Bにおけるサム60Aの位置を調整することで、「直接光」と「間接光」との強度比を調整することができる。例えば、サム60Aをスライドバー60Bの延伸方向の中央部に位置させることで、「直接光」と「間接光」との強度比を同じ値(1.0:1.0)に調整することができる。
また、ユーザは、入力部18の操作指示によって、スライドバー60Bの延伸方向の「直接光」側にサム60Aを位置させるほど、間接光に対する直接光の比率を増加させ、「間接光」側に位置させるほど、直接光に対する間接光の比率を増加させることができる。
入力部18は、ユーザによる操作によって指示された、スライドバー60Bの延伸方向におけるサム60Aの位置を取得することで、サム60Aの位置に応じた強度比を表示処理部14へ出力する。表示処理部14の第2取得部14Bでは、入力部18から受け付けた強度比を、第1強度比として取得すればよい。
なお、直接光が照射される場合と照射されない場合の強度の相対比は、直接光および間接光の一方を1.0として設定することで、他方を容易に設定しやすい。このため、光源効果を、実際の光の強度の値ではなく、直接光と間接光との比率で示すことで、ユーザは、容易に強度比を調整することができる。
第1明るさについても同様に、明るさの調整画面などを介して、入力部18から取得してもよい。
そして、第2取得部14Bは、取得した、第1明るさ及び第1強度比を含む環境情報を、設定情報として記憶部16に記憶する。
なお、第2取得部14Bは、光源効果(第1強度比)および第1明るさと共に、更に、背景画像と、光源位置と、を含む環境情報を取得してもよい。本実施の形態では、一例として、第2取得部14Bは、光源効果(第1強度比)と、第1明るさと、背景画像と、光源位置と、を含む環境情報を取得する場合を説明する。
第2取得部14Bは、例えば、ユーザによる入力部18の操作によって指示された環境情報を取得する。具体的には、表示制御部14Dが、記憶部16から環境履歴情報(例えば、図3参照)を読取り、選択可能に表示部20に表示する制御を行う。ユーザは、入力部18を操作することで、表示された環境履歴情報から、所望の環境IDまたは環境名を選択する。入力部18は、受け付けた環境IDまたは環境名を表示処理部14へ出力する。表示処理部14の第2取得部14Bでは、入力部18から受け付けた環境IDまたは環境名に対応する、光源効果(強度比)、明るさ、背景画像、および、光源位置の各々を、記憶部16に記憶されている環境履歴情報から読取り、第1強度比、第1明るさ、背景画像、および光源位置として取得する。
そして、第2取得部14Bは、取得した環境情報を、第1取得部14Aで取得した表示対象の原稿データに対する設定情報として、記憶部16に記憶する。
なお、光源位置、及び背景画像の取得方法は、環境履歴情報から選択される方法に限定されない。例えば、ユーザによる入力部18の操作によって、所望の光源位置が入力される。第2取得部14Bは、入力部18から光源位置を受け付けることで、光源位置を取得してもよい。また、ユーザによる入力部18の操作指示によって、入力部18に記憶されている画像の内、背景画像として用いる画像が選択される。すると、第2取得部14Bは、選択された画像を背景画像として取得してもよい、また、ユーザによる撮影部12の操作指示によって撮影された画像を、第2取得部14Bは、背景画像として取得してもよい。
算出部14Cは、第2取得部14Bで取得した、第1明るさと第1強度比とに応じた、光源の色情報を算出する。算出部14Cは、記憶部16に記憶されている設定情報に含まれる、第1明るさ及び第1強度比を読取り、色情報を算出する。
本実施の形態では、色情報は、鏡面光の色情報と、拡散光の色情報と、環境光の色情報と、を含む。そして、算出部14Cは、第1強度比から、間接光に対する直接光の第1比率と、直接光に対する間接光の第2比率と、を算出する。例えば、直接光と間接光との第1強度比が、1.0対0.6である場合、算出部14Cは、第1比率として0.625(1/1.6の値)を算出し、第2比率として0.375(0.6/1.6の値)を算出する。
次に、算出部14Cは、色情報として、鏡面光の色情報、間接光の色情報、および環境光の色情報の各々を算出する。具体的には、算出部14Cは、第1明るさと第1比率との乗算値を、鏡面光の色情報として算出する。また、算出部14Cは、第1明るさと第1比率との乗算値を、拡散光の色情報として算出する。また、算出部14Cは、第1明るさと第2比率との乗算値を、環境光の色情報として算出する。
具体的には、算出部14Cは、下記式(1)〜式(3)を用いて、色情報を算出する。
鏡面光の色情報=S×T ・・・式(1)
拡散光の色情報=S×T ・・・式(2)
環境光の色情報=S×K ・・・式(3)
なお、式(1)〜式(3)中、Sは、明るさを示す。なお、Sは、0.0≦S≦1.2である。式(1)または、式(2)中、Tは、間接光に対する直接光の第1比率を示す。なお、Tは、0.0≦T≦1.0である。また、式(3)中、Kは、直接光に対する間接光の第2比率を示す。なお、Kは、0.0≦K≦1.0である。
算出部14Cは、式(1)〜式(3)中のSに、明るさとして、設定情報に含まれる第1明るさを代入し、Tに、強度比として、上記第1強度比から算出した第1比率を代入し、Kに、強度比として、上記第1強度比から算出した第2比率を代入することで、上記色情報を算出する。
表示制御部14Dは、プレビュー画像を表示部20に表示する制御を行う。プレビュー画像は、表示対象として受け付けた原稿データの印刷結果を推定した画像である。
表示制御部14Dは、3Dグラフィックエンジン(本実施の形態では、OpenGL)を用いて、プレビュー画像を生成し、表示部20へ表示する制御を行う。
詳細には、表示制御部14Dは、算出部14Cによって色情報が算出されると、まず、仮想空間内に、第1取得部14Aによって取得された表示対象の原稿データの原稿面を配置する。
そして、表示制御部14Dは、算出部14Cによって算出された色情報の色の光源を、仮想空間における予め定めた位置に配置する。
なお、第2取得部14Bが、光源位置を含む環境情報を取得した場合には、表示制御部14Dは、取得した環境情報に含まれる光源位置に光源を配置する。このとき、上述したように、光源位置は、実空間における単位で示されている。このため、表示制御部14Dは、取得した光源位置の単位を、仮想空間で用いる単位に変換し、単位変換後の光源位置に光源を配置する。
さらに、表示制御部14Dは、この仮想空間内に配置した原稿面に、取得した質感情報に対応する反射情報と光属性とを設定する。
詳細には、表示制御部14Dは、第1取得部14Aで取得した原稿データを表示した原稿面に、第2取得部14Bで取得した質感情報に対応する反射情報と、第2取得部14Bで取得した環境情報によって特定される光属性と、を設定する。
表示制御部14Dは、第2取得部14Bで取得した質感情報に対応する反射情報を、質感情報テーブル(図2参照)から読取ることで取得し、原稿面に設定する。
光属性は、3Dエンジンにおける、光源の位置、光源の光の色を示す色情報、及び光源の方向を含む。本実施の形態では、光源の方向は、予め設定されているものとする。表示制御部14Dは、光源の光の色を示す色情報として、算出部14Cで算出された色情報を設定する。また、表示制御部14Dは、光源の位置として、第2取得部14Bで取得した環境情報に含まれる光源位置を設定する。このとき、上述したように、単位変換を行う。
次に、表示制御部14Dは、原稿面の表示時の法線ベクトル、および仮想空間における原稿面の配置位置を設定する。例えば、表示制御部14Dは、原稿面の法線ベクトル及び配置位置を記憶部16から読み取る。なお、本実施の形態では、原稿面の法線ベクトル及び配置位置は、予め定められており、記憶部16に記憶されているものとする。
なお、原稿面の配置位置や、プレビュー画像が複数の表示面を含む場合の各表示面の間隔は、ユーザによる入力部18の操作指示によって、任意の間隔に変更可能としてもよい。
次に、表示制御部14Dは、仮想空間における予め定めた配置位置に、質感情報に対応する反射情報、および、光属性の設定された原稿面をテクスチャマッピングする。
そして、表示制御部14Dは、この原稿面を視点位置から視認した二次元画像に変換した原稿表示面を含む画像を、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像として表示部20に表示する制御を行う。なお、本実施の形態では、一例として、視点位置が、原稿面の法線に位置するものとして説明する。なお、視点位置は、原稿面の法線に位置するものに限定されない。
仮想空間内に配置した原稿面の、視点位置から視認した二次元画像への変換には、3Dグラフィックエンジンを利用すればよい。
本実施の形態では、表示制御部14Dは、取得した環境情報に含まれる背景画像を、仮想の三次元空間の表示領域に合わせて原稿面の背後に配置する。そして、表示制御部14Dは、背景画像上に、該原稿面を重ねる。そして、表示制御部14Dは、背景画像上に、該原稿面を該原稿面の法線に位置する視点位置から視認した二次元画像に変換した原稿表示面を含む画像を、前記原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像として表示部20に表示する制御を行う。
このため、原稿表示面には、設定された明るさのもとで、記録媒体の質感情報に応じた反射率と、光源と原稿面と視点との位置関係と、に応じた光源による光が映り込んだ状態となる。すなわち、表示部20には、取得した環境情報に応じたプレビュー画像が表示される。
図6は、プレビュー画像を構成するための仮想空間(仮想の三次元空間)Sを示す模式図である。表示制御部14Dは、仮想空間Sに原稿面31を配置する。そして、表示制御部14Dは、この原稿面31に、取得した質感情報に対応する反射情報と、光属性と、を設定する。また、表示制御部14Dは、原稿面31の背後に、背景画像30を配置する。また、表示制御部14Dは、仮想空間における光源Lを、取得した環境情報に含まれる光源位置に配置する。また、表示制御部14Dは、該光源Lの色情報として、算出部14Cで算出された色情報を用いる。
そして、表示制御部14Dは、この仮想空間S内に配置した原稿面31を、3Dグラフィックエンジンを利用して、原稿面31の法線(法線上における、原稿表示面32に対して背景画像30の対向側)に位置する視点位置Pから視認した二次元画像に変換し、原稿表示面32とする。そして、表示制御部14Dは、この原稿表示面32を含む画像を、プレビュー画像34として表示部20に表示する制御を行う。
なお、本実施の形態では、表示制御部14Dは、仮想空間S内に配置した原稿面31と、原稿面31の背後に配置した背景画像30と、を視点位置Pから視認した二次元画像を、背景画像30上に原稿表示面32を配置したプレビュー画像34として、表示部20に表示する制御を行う。
図7〜図9は、プレビュー画像34に含まれる原稿表示面32の一例を示す図である。なお、図7〜図9は、環境情報に含まれる明るさである第1明るさは同じであるが、第1強度比の値が互いに異なる、プレビュー画像34の一例である。
ここで、上述したように、本実施の形態では、第2取得部14Bは、光源効果を含む環境情報を取得する。本実施の形態では、光源効果は、上述したように、仮想空間に配置された光源から原稿面に到る直接光の強度と、該光源から原稿面に到る間接光の強度と、の強度比で表す。そして、算出部14Cは、取得した環境情報に含まれる明るさである第1明るさと、該環境情報に含まれる強度比である第1強度比と、に応じた、光源の色情報を算出する。さらに、表示制御部14Dは、算出された色情報の色の光源を仮想空間における予め定めた位置に配置し、仮想空間に配置した原稿面を、視点位置から視認した二次元画像に変換した原稿表示面32を含む画像を、プレビュー画像34として用いる。
このため、原稿表示面32には、取得した第1明るさと、取得した光源効果としての第1強度比と、を含む光属性が設定された状態となる。
このため、例えば、第1強度比によって示される、直接光の強度と間接光の強度との比が同じである場合、表示制御部14Dは、例えば、図7に示す原稿表示面32Aを生成する。原稿表示面32Aは、原稿表示面32Aにおける直接光の反射領域Aと、原稿表示面32Aにおける該領域以外の反射領域(間接光の反射領域)Bと、の双方が明るい状態となる。光源の直下などに、原稿データを印刷した記録媒体を配置した場合には、図7のような見え方で記録媒体が視認される場合が多い。
一方、第1強度比によって示される強度が、「直接光の強度>間接光の強度」(直接光の強度が間接光の強度より強い)ことを示す場合、表示制御部14Dは、例えば、図8に示す原稿表示面32Bを生成する。原稿表示面32Bにおける直接光の反射領域Aは明るいが、原稿表示面32Bにおける間接光の反射領域Bは、暗い状態となる。なお、上述したように、原稿表示面32Bの第1明るさは、原稿表示面32A(図7参照)と同じである。原稿データを印刷した記録媒体を視認するときに、該記録媒体の周囲に乱反射する物体が少なかったり、周囲の壁の色が濃く反射しにくかったりするような場合などでは、図8のような見え方で、該記録媒体が視認される場合が多い。
また、第1強度比によって示される強度が、「直接光の強度<間接光の強度」(直接光の強度が間接光の強度より弱い)ことを示す場合、表示制御部14Dは、例えば、図9に示す原稿表示面32Cを生成する。原稿表示面32Cにおける直接光の反射領域Aは、図7及び図8に比べて暗く、間接光の反射領域Bは、図7及び図8に比べて明るくなる。なお、上述したように、原稿表示面32Cの第1明るさは、原稿表示面32A(図7参照)と同じである。原稿データを印刷した記録媒体を、曇り空の屋外などで視認する場合には、図9に示す見え方で視認される場合が多い。
このように、本実施の形態では、表示制御部14Dは、直接光の強度と間接光の強度との強度比を考慮したプレビュー画像34を、表示部20に表示させることができる。
図4に戻り、第3取得部14Eは、表示部20に表示されたプレビュー画像34について、環境情報、または原稿属性情報の変更指示を取得する。
詳細には、第3取得部14Eは、表示部20に表示されたプレビュー画像34について、環境情報に含まれる各項目(背景画像、光源位置、光源効果、明るさ)の少なくとも1つ、または、原稿属性情報に含まれる各項目(原稿データ、質感情報)の少なくとも1つ、の変更指示を取得する。
第3取得部14Eは、例えば、明るさの変更指示を取得する。なお、具体的には、第3取得部14Eは、第1変更指示を取得する。第1変更指示は、プレビュー画像34の表示に用いた明るさ(第1明るさ)の、第2明るさへの変更指示である。すなわち、本実施の形態では、変更指示の内、明るさの変更指示を、第1変更指示と称して説明する。また、第1変更指示に含まれる、変更後の明るさを、第2明るさ、と称して説明する。
第1変更指示は、例えば、調整画面を介して入力される。例えば、表示処理装置10における、明るさの変更指示を入力するための予め定めた領域が、ユーザによる入力部18の操作によって指示されたとする。すると、表示制御部14Dは、明るさの調整画面を表示部20に表示する。
図10は、明るさの調整画面62の一例を示す図である。明るさの調整画面62は、スライドバー62Bと、スライドバー62Bにおける調整位置を示すサム62Aと、を含む。スライドバー62Bの延伸方向の一端側には、「明るい」の文字が表示され、他端側には、「暗い」の文字が表示されている。
ユーザは、スライドバー62Bにおけるサム62Aの位置を調整することで、原稿面31の全体の明るさを調整する。例えば、ユーザは、入力部18の操作指示によって、スライドバー62Bの延伸方向の「明るい」側にサム62Aを位置させるほど、明るさを向上させ、「暗い」側に位置させるほど、暗くなるように、明るさを調整することができる。
入力部18は、ユーザによる操作によって指示された、スライドバー62Bの延伸方向におけるサム62Aの位置を取得することで、サム62Aの位置に応じた明るさを示す値を表示処理部14へ出力する。表示処理部14の第3取得部14Eでは、入力部18から受け付けた明るさを、第2明るさとして取得する。
同様に、第3取得部14Eは、環境情報に含まれる、明るさ以外の項目の変更指示を入力部18から取得する。また、第3取得部14Eは、原稿属性情報の各項目の変更指示を入力部18から取得する。
図4に戻り、調整部14Fは、第3取得部14Eが変更指示を取得すると、変更指示によって特定される各項目を反映させたプレビュー画像34を再生成するように、算出部14C、および表示制御部14Dを制御する。
具体的には、第3取得部14Eで取得した変更指示が、プレビュー画像34の明るさを第2明るさへ変更する第1変更指示であったとする。
この場合、調整部14Fは、第1変更指示を取得したときに、該第1変更指示によって示される変更後の明るさである第2明るさと、第1強度比とに応じた、色情報を算出するように、算出部14Cを制御する。すなわち、調整部14Fは、強度比については、現在表示部20に表示しているプレビュー画像34における原稿表示面32の色情報の算出に用いた強度比である第1強度比を用い、明るさについては、第1明るさに代えて第2明るさを用いて、色情報を算出するように、算出部14Cを制御する。
このため、算出部14Cは、強度比については前回のプレビュー画像34の表示時に用いられた第1強度比を維持したまま、明るさについてのみ、第1変更指示によって示される第2明るさに変更する。そして、算出部14Cは、第1強度比と、第2明るさと、を用いて、上記式(1)〜式(3)を用いて、新たな色情報を算出する。
すなわち、算出部14Cは、上記式(1)〜式(3)を用いた色情報の算出において、明るさSとして、第1明るさに代えて、第2明るさを用いればよい。
また、調整部14Fは、新たに算出された色情報を用いたプレビュー画像34を表示部20へ表示するように、表示制御部14Dを制御する。このため、表示制御部14Dは、強度比については変更せず、明るさを第1明るさから第2明るさへ変更した、プレビュー画像34を生成する。
すなわち、第3取得部14Eが、仮想空間に配置された光源の明るさの変更指示を取得した場合、表示制御部14Dは、光源効果としての直接光の強度と間接光の強度との強度比については維持したまま、環境情報によって示される第1明るさを第2明るさに変更した、表示部20に表示する制御を行う。
図11〜図12は、明るさを変更した原稿表示面32の一例を示す図である。図11は、図7に示す、直接光の強度と間接光の強度との比が1.0対1.0である原稿表示面32Aに設定されている明るさを、該原稿表示面32Aの第1明るさより明るい第2明るさに変更した場合の、原稿表示面32Dの一例を示す図である。
図12は、図7に示す、直接光の強度と間接光の強度との比が1対1である原稿表示面32Aに設定されている明るさを、原稿表示面32Aの第1明るさより暗い第2明るさに変更した場合の、原稿表示面32Eの一例を示す図である。
なお、第3取得部14Eは、変更指示を取得する度に、変更指示に含まれる各項目と、該変更指示に応じて生成されたプレビュー画像34に用いた他の項目(例えば、背景画像、光源位置、光源効果、及び明るさ)と、に、新たな環境ID及び環境名を付与して、環境履歴情報(図3参照)に登録する。これにより、環境履歴情報が、随時更新される。
また、第3取得部14Eが、明るさ以外の観察環境の変更指示を取得した場合、調整部14Fは、変更指示によって示される各項目を反映させたプレビュー画像34を再生成するように、表示制御部14Dを制御する。
なお、第3取得部14Eが、光源効果(直接光の強度と間接光の強度との比率)の変更指示を取得した場合、調整部14Fは、変更後の強度比である第2強度比と、変更前の明るさである第1明るさと、を用いて、色情報を算出するように、算出部14Cを制御する。そして、表示制御部14Dは、新たに算出された色情報を用いて、上記と同様の方法により、プレビュー画像34を生成すればよい。
また、第3取得部14Eが、原稿属性情報の変更指示を取得した場合、調整部14Fは、変更指示によって示される各項目(原稿データ、質感情報)を用いたプレビュー画像34を再生成するように、表示制御部14Dを制御する。
次に、表示処理装置10で実行する表示処理の流れを説明する。図13は、表示処理装置10で実行する表示処理の手順を示すフローチャートである。
まず、第1取得部14Aが、原稿属性情報を入力部18から取得する(ステップS100)。本実施の形態では、原稿属性情報は、上述したように、表示対象の原稿データと、質感情報と、を含む。
次に、第2取得部14Bが、環境情報を取得する(ステップS102)。本実施の形態では、環境情報は、上述したように、第1明るさと、第1強度比(光源効果)と、背景画像と、光源位置と、を含む。
次に、算出部14Cが、上記ステップS102で取得した環境情報に含まれる、第1明るさと第1強度比とに応じた、光源Lの色情報を算出する(ステップS104)。
次に、表示制御部14Dが、ステップS100で取得した原稿属性情報と、ステップS102で取得した環境情報と、ステップS104で算出された色情報と、を用いて、プレビュー画像34を表示部20に表示する制御を行う(ステップS106)。
次に、第3取得部14Eが、ステップS106で表示部20に表示されたプレビュー画像34について、環境情報、または原稿属性情報の変更指示を取得したか否かを判断する(ステップS108)。ステップS108で否定判断すると(ステップS108:No)、後述するステップS116へ進む。
一方、ステップS108で肯定判断すると(ステップS108:Yes)、ステップS110へ進む。
ステップS110では、第3取得部14Eは、上記ステップS108で取得した変更指示が、明るさの変更指示である第1変更指示であるか否かを判断する(ステップS110)。ステップS110で肯定判断すると(ステップS110:Yes)、ステップS112へ進む。
ステップS112では、調整部14Fが、ステップS108で取得した変更指示としての第1変更指示によって示される変更後の明るさである第2明るさと、ステップS102で取得した環境情報に含まれる第1強度比と、に応じた色情報を算出するように、算出部14Cを制御する(ステップS112)。
次に、調整部14Fは、ステップS112で新たに算出された色情報を用いたプレビュー画像34を表示部20へ表示するように、表示制御部14Dを制御する(ステップS114)。このため、表示制御部14Dは、強度比については変更せず、明るさを第1明るさから第2明るさへ変更した、プレビュー画像34を表示部20へ表示する。
次に、表示処理部14は、表示処理を終了するか否かを判断する(ステップS116)。例えば、表示処理部14は、表示処理の終了を示す信号を入力部18から受け付けたか否かを判別することで、ステップS116の判断を行う。表示処理の終了を示す信号は、例えば、ユーザによる入力部18の操作によって、表示処理装置10における予め定めた領域が指示されることで、入力部18から表示処理部14へ出力される。表示処理部14は、この信号を受け付けたか否かを判別することで、ステップS116の判断を行えばよい。
ステップS116で肯定判断すると(ステップS116:Yes)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS116で否定判断すると(ステップS116:No)、上記ステップS100へ戻る。なお、ステップS116で否定判断すると(ステップS116:No)、上記ステップS108へ戻ってもよい。
一方、上記ステップS110で否定判断すると(ステップS110:No)、ステップS118へ進む。ステップS118では、第3取得部14Eが、明るさ以外の観察環境の変更指示をステップS108で取得したか否かを判断する(ステップS118)。ステップS118で肯定判断すると(ステップS118:Yes)、ステップS120へ進む。
ステップS120では、調整部14Fは、変更指示によって示される各項目を反映させたプレビュー画像34を再生成するように、表示制御部14Dを制御する(ステップS120)。そして、上記ステップS116へ進む。なお、第3取得部14Eが、光源効果(直接光の強度と間接光の強度との比率)の変更指示を取得した場合、調整部14Fは、変更後の強度比である第2強度比と、変更前の明るさである第1明るさと、を用いて、色情報を算出するように、算出部14Cを制御する。そして、表示制御部14Dは、新たに算出された色情報を用いて、上記と同様の方法により、プレビュー画像34を生成すればよい。
一方、ステップS118で否定判断すると(ステップS118:No)、ステップS122へ進む。ステップS122では、第3取得部14Eが、原稿属性情報の変更指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS122)。ステップS122で否定判断すると(ステップS122:No)、上記ステップS116へ進む。
ステップS122で肯定判断すると(ステップS122:Yes)、ステップS124へ進む。ステップS124では、調整部14Fは、変更指示によって示される各項目(原稿データ、質感情報)を用いたプレビュー画像34を再生成するように、表示制御部14Dを制御する(ステップS124)。そして、上記ステップS116へ進む。
以上説明したように、本実施の形態の表示処理装置10は、第1取得部14Aと、第2取得部14Bと、算出部14Cと、表示制御部14Dと、第3取得部14Eと、調整部14Fと、を備える。
第1取得部14Aは、表示対象の原稿データを取得する。第2取得部14Bは、三次元の仮想空間Sに配置された光源Lから該仮想空間Sに配置された原稿データの原稿面31に照射される光の第1明るさと、光源Lが原稿面31に与える光源効果としての、光源Lから原稿面31に到る直接光の強度と間接光の強度との第1強度比と、を含む環境情報を取得する。算出部14Cは、第1明るさと第1強度比とに応じた、光源Lの色情報を算出する。表示制御部14Dは、仮想空間Sに原稿面31を配置すると共に、算出された色情報の色の光源Lを予め定めた位置に配置し、該原稿面31を視点位置Pから視認した二次元画像に変換した原稿表示面32を含む画像を、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像34として表示部20に表示する制御を行う。第3取得部14Eは、第2明るさへの第1変更指示を取得する。調整部14Fは、第1変更指示を取得したときに、第2明るさと第1強度比とに応じた色情報を算出するように算出部14Cを制御すると共に、該色情報を用いたプレビュー画像34を表示部20へ表示するように表示制御部14Dを制御する。
このように、本実施の形態の表示処理装置10では、光源Lが原稿面31に与える光源効果としての、光源Lから原稿面31に到る直接光の強度と間接光の強度との強度比を加味した、プレビュー画像34を表示部20に表示することができる。また、光源Lの明るさを変更する場合、強度比については前回設定した値(第1強度比)を維持したまま、明るさのみを変更した、プレビュー画像34を再生成し、表示部20に表示することができる。このため、プレビュー画像34に含まれる原稿表示面32における、光源Lの上記強度比を維持したまま、原稿表示面32の全体の明るさを調整することができる。
従って、本実施の形態の表示処理装置10は、実際の観察環境に近い自然なプレビュー画像34を提供することができる、という効果を奏する。
また、本実施の形態では、光源Lが原稿面31に与える光源効果として、光源Lから原稿面31に到る直接光の強度と間接光の強度との強度比を用いる。このように、本実施の形態では、光源効果を、直接光と、間接光と、の2種類の光に分類して用いる。このため、間接光による効果も含むプレビュー画像34を提供することができる。
また、ユーザは、観察環境に応じて、光源Lによる強度比を維持したまま、原稿表示面32の全体の明るさを容易に調整することができる。
また、本実施の形態では、第3取得部14Eが、明るさ以外の観察環境の変更指示や、原稿属性情報の変更指示を取得した場合、調整部14Fは、変更指示によって示される各項目を反映させたプレビュー画像34を再生成するように、表示制御部14Dを制御する。
このため、表示制御部14Dは、変更指示に示される各項目のみを変更したプレビュー画像34を再生成することができる。これにより、同じ環境(環境名または環境ID)について、原稿データや光属性などを適宜変更したプレビュー画像34を再生成し、表示部20に表示することができる。
すなわち、原稿データに関する原稿属性情報については同じで、環境情報に含まれる各項目の少なくとも一部を変更した様々なプレビュー画像34を容易に提供することができる。また、同用に、環境情報については同じで、原稿データに関する原稿属性情報に含まれる各項目(原稿データ、質感情報)の少なくとも一部を変更した様々なプレビュー画像34を容易に提供することができる。
なお、本実施の形態では、表示処理装置10は、撮影部12を備えた構成である場合を説明した。しかし、表示処理装置10は、撮影部12を備えない構成であってもよい。なお、表示処理装置10を、撮影部12を備えた構成とすることで、背景画像を撮影部12から取得することが可能となる。このため、ユーザは、印刷結果を観察したい場所で、即座に、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像34を確認することができる。
また、表示処理装置10を、撮影部12を備えた構成とすることで、表示処理装置10を、カメラ機能付きの携帯端末や、カメラ機能付きのタブレットPC(パーソナルコンピュータ)等に適用可能である。
なお、本実施の形態では、記憶部16は、質感情報テーブルや、環境履歴情報を、予め記憶する形態を説明した。しかし、記憶部16は、質感情報テーブルや、環境履歴情報を、記憶しない形態であってもよい。
記憶部16に、質感情報テーブルを予め記憶しない場合、第1取得部14Aは、原稿属性情報として、原稿データを取得し、質感情報を取得しない形態とすればよい。また、表示制御部14Dは、質感情報に応じた反射情報の設定を行わない形態とすればよい。
但し、より実際の観察環境に近い状態のプレビュー画像34を提供する観点からは、質感情報を用いる形態が好ましい。
また、記憶部16は、環境履歴情報を記憶しない形態であってもよいが、記憶部16が環境履歴情報を記憶することが好ましい。記憶部16が、環境履歴情報を記憶することで、表示制御部14Dは、ユーザに対して、過去に選択された環境情報の履歴を選択可能に提供することができる。
また、本実施の形態では、環境情報が、背景画像と、光源位置と、光源効果と、明るさと、を含む情報である場合を説明した。しかし、上述したように、環境情報は、光源効果と、明るさと、を少なくとも含む情報であればよい。ただし、環境情報が、背景画像と、光源位置と、光源効果と、明るさと、を含む情報であると、表示制御部14Dは、ユーザによる入力部18の操作指示によって取得した、背景画像と、光源位置と、光源効果と、明るさと、を用いて、プレビュー画像34を生成することができる。このため、より実際の観察環境に近い状態のプレビュー画像34を提供する観点からは、環境情報が、背景画像と、光源位置と、光源効果と、明るさと、を含む情報であることが好ましい。
(第2の実施の形態)
なお、上記実施の形態の表示処理装置10で行っていた処理の少なくとも一部を、表示処理装置10とネットワーク等を接続されたクラウド上の一以上の装置で行ってもよい。
図14は、クラウドを備えた表示処理システムの一例を示す模式図である。
図14に示すように、表示処理システムは、表示処理装置10B、及びサーバ装置54がネットワーク52により接続された構成である。
表示処理装置10Bは、撮影部12、表示処理部14、入力部18、表示部20、及び通信部50を備える。撮影部12、表示処理部14、入力部18、表示部20、及び通信部50は、バス22で接続されている。なお、撮影部12、表示処理部14、入力部18、および表示部20は、上記実施の形態と同様である。
サーバ装置54は、クラウド上の位置の装置である。サーバ装置54は、上記で説明した記憶部16を備える。記憶部16の機能は、上記実施の形態と同様である。
なお、上記実施の形態と異なる点は、本実施の形態においては、表示処理部14は、記憶部16から各種情報を取得し、環境履歴情報の更新や設定情報の記憶などを、サーバ装置54に格納された記憶部16に対して行う。
なお、サーバ装置54が行う処理は本例に限定されるものではなく、サーバ装置54は、本実施の形態にかかる表示処理システムが行う処理の一部を行うことができる。
また、表示処理システムは、2以上のサーバ装置を備えてもよい。この場合には、実施の形態にかかる表示処理システムが行う処理の一部を、各サーバ装置に分散させる。さらに、各サーバに分散させる処理については、任意に設定することができる。
(第3の実施の形態)
次に、上述した表示処理装置10、10B、およびサーバ装置54のハードウェア構成について説明する。
図15は、表示処理装置10、10B、およびサーバ装置54のハードウェア構成図である。表示処理装置10、10B、およびサーバ装置54は、ハードウェア構成として、装置全体を制御する制御装置(例えば、CPU)2901と、各種データや各種プログラムを記憶する主記憶装置(例えば、ROM)2902と、各種データや各種プログラムを記憶する補助記憶装置(例えば、RAM)2903と、キーボードやマウス等の入力装置2905と、ディスプレイ装置等の表示装置2904とを主に備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。なお、入力装置2905は、図1の入力部18に相当し、表示装置2904は、図1の表示部20に相当する。
上記実施の形態の表示処理装置10、10B、及びサーバ装置54で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供される。
また、上記実施の形態の表示処理装置10、10B、及びサーバ装置54で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施の形態の表示処理装置10、10B、及びサーバ装置54で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
また、上記実施の形態の表示処理装置10、10B、及びサーバ装置54で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
上記実施の形態の表示処理装置10、10B、及びサーバ装置54で実行されるプログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、種々の変形が可能である。