JP6229505B2 - 温調システム - Google Patents

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Description

本発明は、温調システムに関する。
従来から、複数種類の物質を含有する試料の中から、測定対象となる検体を同定して分析を行うために、容器に収容された試料の温度を調整するための温調システムが提案されている。例えば、液状の上記試料が収容された微細流路を保持するペルチエ温度ステージと、微細流路の温度を測定する熱電対と、微細流路に対してレーザ光を照射する赤外線レーザと、赤外線レーザから照射されたレーザ光を集光するレンズと、赤外線レーザの出力制御を行うコンピュータとを備えた温調システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この温調システムにおいては、レーザ光の照射方向が微細流路の上流から下流に向かう方向に略直交するように、当該レーザ光がレンズを介して微細流路に対して照射されることにより、微細流路に収容された上記試料を加温することが可能となる。
国際公開第2002/090912号パンフレット
しかしながら、上記従来のシステムにおいては、上述したように、レーザ光の照射方向が微細流路の上流から下流に向かう方向に略直交するように、当該レーザ光が微細流路に対して照射されることから、微細流路におけるレーザ光の照射範囲が非常に少ないため、微細流路に収容された上記試料全体を迅速に加温することが難しかった。このような点に鑑みて、加温効率を向上させることができるシステムが要望されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加温効率を向上させることが可能となる、温調システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の温調システムは、少なくとも一部が透光性を有する長尺状の容器に収容された温調対象であり、透光性を有する温調対象の温度を調整するための温調システムであって、前記容器を介して前記温調対象に対してレーザ光を照射するレーザ光源と、前記レーザ光源から照射された前記レーザ光を集光する集光手段を備え、前記レーザ光の照射方向が前記容器の長手方向に略沿うように、当該レーザ光を前記レーザ光源から照射可能とし、前記集光手段にて集光された前記レーザ光の焦点位置が、前記温調対象における当該集光された前記レーザ光によって対流が生じた際の起点となる所定の対流起点位置と一致するように、前記レーザ光源から照射された前記レーザ光を当該集光手段にて集光可能としている。
また、請求項2に記載の温調システムは、請求項1に記載の温調システムにおいて、前記レーザ光源は、前記レーザ光を前記温調対象の一部のみに対して照射可能である。
また、請求項に記載の温調システムは、請求項1又は2に記載の温調システムにおいて、前記容器は、当該容器の長手方向に略沿った少なくとも1つ以上の第1の側部と、当該容器の長手方向に略直交する一対の第2の側部であって、相互に対向する位置に配置された一対の第2の側部と、を備え、前記レーザ光源から照射された前記レーザ光を、前記一対の第2の側部の一方を介して透光可能とし、前記一対の第2の側部の一方から入射された前記レーザ光を、前記少なくとも1つ以上の第1の側部によって反射可能としている。
また、請求項に記載の温調システムは、請求項1からのいずれか一項に記載の温調システムにおいて、前記温調対象は、検体を含む水溶液である。
請求項1に記載の温調システムによれば、レーザ光の照射方向が容器の長手方向に略沿うように、当該レーザ光をレーザ光源から照射可能としたので、レーザ光の照射方向が長手方向に略直交する場合に比べて、温調対象におけるレーザ光の照射範囲が多くなることから、加温効率を向上させることが可能となる。
また、集光手段にて集光されたレーザ光の焦点位置が対流起点位置と一致するように、レーザ光源から照射されたレーザ光を当該集光手段にて集光可能としたので、レーザ光の焦点位置が対流起点位置以外の位置と一致させる場合に比べて温調対象に対流が生じやすくなるため、加温効率をさらに一層高めることが可能となる。
請求項2に記載の温調システムによれば、レーザ光源は、レーザ光を温調対象の一部のみに対して照射可能であるので、レーザ光を容器全体に対して照射する場合に比べて温調対象に対流が生じやすくなるため、加温効率を一層高めることが可能となる。
請求項に記載の温調システムによれば、レーザ光源から照射されたレーザ光を、一対の第2の側部の一方を介して透光可能とし、一対の第2の側部の一方から入射されたレーザ光を、少なくとも1つ以上の第1の側部によって反射可能としたので、一対の第2の側部の一方から入射されたレーザ光が少なくとも1つ以上の第1の側部から漏光することを防止でき、加温効率をさらに一層向上させることができる。
請求項に記載の温調システムによれば、温調対象は、検体を含む水溶液であるので、当該水溶液の加温効率を向上させることが可能となる。
実施の形態1に係る温調システムの構成を、温調対象が収容された容器と共に示す概略図である。 図1における領域Aの拡大部分断面図である。 実施の形態1に係る温調システムの電気的構成を示すブロック図である。 容器を介して温調対象に対してレーザ光がレーザ光源から照射されている状態を示す図である。 容器に収容された温調対象に対流が生じている状態を示す図である。 実施の形態1に係る温調処理のフローチャートである。 図6に続く温調処理のフローチャートである。 実施の形態2に係る温調システムにおける図2に対応する領域Aの拡大部分断面図である。 容器を介して温調対象に対してレーザ光がレーザ光源から照射されている状態を示す図である。 実施の形態1に係る照射機構の変形例であって、容器を介して温調対象に対してレーザ光がレーザ光源から照射されている状態を示す図である。 実施の形態1に係る照射機構の変形例であって、容器を介して温調対象に対してレーザ光がレーザ光源から照射されている状態を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る温調システムに係る各実施の形態を詳細に説明する。最初に、温調システムの構成を説明し、次に、この温調システムが実行する処理について説明し、最後に各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、これら各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(本実施の形態の基本的概念)
まずは、本実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態は、概略的に、容器に収容された温調対象の温度を調整するための温調システムに関するものである。
ここで、「容器」とは、温調対象を収容するための器を意味する。この「容器」は、例えば、キュベット等の略中空筒状の容器やシャーレ等の平皿状の容器等を含む概念であるが、各実施の形態では、略中空筒状の容器として説明する。また、「温調対象」とは、温調システムによって温度が調整される対象を意味する。この「温調対象」は、例えば、検体を含む液体状、ゲル状、固体状、あるいはこれらの状態が混合された状態の試料であって、透光性を有する試料等を含む概念であるが、各実施の形態では、検体を含む水溶液(すなわち、検体と透光性を有する水(例えば純水等)と検体を増幅するために必要な各種試薬とを混合したもの)として説明する。このうち、「検体」とは、分析対象となる材料を意味し、各実施の形態では、デオキシリボ核酸(以下、「DNA」と称する)として説明するが、これに限られず、例えば、リボ核酸(以下、「RNA」と称する)等の核酸等であってもよい。また、「温度を調整する」とは、温調対象の温度が所定温度となるように、温調対象の温度を整えることを意味する。
また、本発明に係る温調システムの適用対象は任意であり、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(以下、「PCR」と称する)増幅法を用いてDNAを増幅させる際に用いられるPCR装置、DNA又はRNAの増幅反応をリアルタイムに測定及び解析する際に用いられるリアルタイムPCR装置等の核酸検査装置等に適用することが考えられるが、以下の各実施の形態では、PCR装置に適用した場合について説明する。
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、集光手段を備える形態である。
(構成)
まず、容器及び温調システムの構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る温調システムの構成を、温調対象が収容された容器と共に示す概略図である。図2は、図1における領域Aの拡大部分断面図である(一部を破断せずに示す。以下、図4、図8〜図11についても同様とする)。なお、以下の説明では、図1のX方向を温調システムの右方向、図1のX’方向を温調システムの左方向、図1のZ方向を温調システムの上方向、図1のZ’方向を温調システムの下方向とする。また、図示は省略するものの、図1のX方向及びZ方向に略直交する方向であって、紙面に対して奥側から手前側に至る方向をY方向とし、図1のX方向及びZ方向に略直交する方向であって、紙面に対して手前側から奥側に至る方向をY’方向とする。
(構成−容器)
容器10は、温調対象Tを収容するものであり、図1、図2に示すように、容器本体11と、鍔部12とを備えている。ここで、容器10の具体的な材質については、容器10に収容されている温調対象Tに対して後述する照射機構30のレーザ光源31からのレーザ光が照射可能となるように、当該容器10の少なくとも一部が透光性を有する材質が望ましく、例えば、アクリル、ポリメチルメタクリレート、環状オレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等が採用されることが望ましい(具体的には、実施の形態1、2では、容器10全体が透光性を有する材質にて形成されている)。また、容器10の形成方法は任意であるが、例えば容器本体11と鍔部12とを一体に形成する方法等が該当する。
(構成−容器−容器本体)
容器本体11は、容器10の基本構造体である。この容器本体11は、上下方向に略沿った側部である1つの第1の側部13と、上下方向に略直交する第2の側部14a、14bであって、相互に対向する位置に配置された第2の側部14a、14b(具体的には、第2の側部14aが第1の側部13の上端部に配置され、第2の側部14bが第1の側部13の下端部に配置されている)とを有する長尺の中空円筒状体にて形成されている。
ここで、容器本体11の形状については、目的に応じた容量(例えば、従来のシステムのように微小量の温調対象Tを温調する場合の容量(具体的には数nLから5uL程度)や、PCR増幅法等の臨床試験用に必要とされる容量(具体的には数十uLから数百uL程度)等)の温調対象Tを収容することが可能となる形状にて設定されている。例えば、PCR増幅法において通常用いられる容量である50μL程度の温調対象Tが収容可能となるように、内径=0.50mmから3.00mmまでの範囲、上下方向の長さ=7.08mmから254.80mmまでの範囲で形状が設定されてもよいが、実施の形態1では、所定のレーザ光の照射長さを確保することができ、且つ容器10の製造性に優れた形状となるように、内径=2.00mm、上下方向の長さ=15.92mmが設定されている。
また、この容器本体11の第2の側部14aには、開口15が設けられている。開口15は、容器本体11に温調対象Tを注入するための貫通口である。
(構成−容器−鍔部)
鍔部12は、後述する容器保持部20と当接する当接手段である。この鍔部12は、略環状体にて形成されており、容器本体11の上方部分の外縁を覆うように配置されている。
ここで、鍔部12の具体的な形状については、後述する容器保持部20によって容器本体11が安定して保持されることが可能な形状に設定されており、例えば、鍔部12の内径が容器本体11の内径と略同一であり、鍔部12の外径が容器本体11の外径よりも大きく、鍔部12の上下方向の長さが容器本体11の上下方向の長さよりも短くなるように設定されている。
(構成−温調システム)
温調システム1は、容器10に収容された温調対象Tの温度を調整するシステムである。図1、図2に示すように、温調システム1は、容器保持部20と、照射機構30と、冷却部40と、温度センサ50と、レベルセンサ60と、制御装置70とを備えて構成されている。
(構成−温調システム−容器保持部)
容器保持部20は、容器10を保持するための容器保持手段である。この容器保持部20は、平面形状が略矩形状の板状体にて形成されており、左右方向に略沿って配置され、図示しない支持構造によって支持されている。
また、この容器保持部20の側面には、複数の開口21が設けられている。複数の開口21は、容器10の長手方向が上下方向に略沿うように、当該容器10を挿通するための貫通孔である。これら複数の開口21は、略円形状に形成されており、相互に間隔(例えば、1mm〜20mm程度等)を隔てて左右方向や前後方向に略沿って並設配置されている。ここで、複数の開口21の各々の具体的な形状については、容器10の容器本体11の外径よりも大きく、鍔部12の外径よりも小さな形状にて設定されている。
ここで、容器保持部20の具体的な材質については任意であるが、実施の形態1では、後述する照射機構30のレーザ光源31から特定の容器10に収容され温調対象Tに対してレーザ光が照射された場合に、当該特定の容器10以外の他の容器10に収容された温調対象Tに対してレーザ光が照射されることを防止できる材質が望ましく、例えばポリブチレンテレフタレート等の非透光性樹脂材料等が採用されている。
(構成−温調システム−照射機構)
照射機構30は、容器10を介して温調対象Tに対してレーザ光を照射するための機構であり、レーザ光源31と、集光部32と、位置調整部33とを備えて構成されている。
(構成−温調システム−照射機構−レーザ光源)
レーザ光源31は、容器10を介して温調対象Tに対してレーザ光を照射する光源である。このレーザ光源31は、例えば公知のレーザ発振器を用いて構成されており、配線2を介して制御装置70と接続されている。
ここで、レーザ光源31から照射されるレーザ光の種類については任意であり、例えば、赤外線レーザ光、可視光線レーザ光、紫外線レーザ光等が挙げられるが、実施の形態1では、赤外線レーザ光として説明する。
また、レーザ光源31から照射されるレーザ光の光波長及び光量については、温調対象Tに対して10℃/秒程度以上の加温効率が得られる光波長及び光量に設定されることが望ましく、例えば、光波長=1450nm、光量=30mWに設定されている。
(構成−温調システム−照射機構−集光部)
集光部32は、レーザ光源31から照射されたレーザ光を集光する集光手段である。この集光部32は、例えば公知の集光レンズ(対物レンズ)を用いて構成されている。
(構成−温調システム−照射機構−位置調整部)
位置調整部33は、レーザ光源31及び集光部32の上下方向の設置位置を調整するための位置調整手段である。この位置調整部33は、例えば、レーザ光源31を押引き可能な公知のアクチュエータ等を用いて構成されており、配線2を介して制御装置70と接続されている。
(構成−温調システム−照射機構−その他の構成)
なお、上述した照射機構30のその他の構成については任意であるが、例えば、図1に示すように、1つの照射機構30を用いて、複数の容器10のいずれか1つに収容された温調対象Tに対してレーザ光を照射する場合に、当該照射機構30を搬送することが可能となるように、搬送機構(図示省略)が設けられる(なお、レベルセンサ60の構成についても同様とする)。ここで、搬送機構は、照射機構30を左右方向に略沿って搬送するための搬送手段であり、スライドブロックと、レール部と、駆動部とを備えて構成されている(これら各部の図示は省略する)。
(構成−温調システム−冷却部)
冷却部40は、容器10を冷却するための冷却手段である。この冷却部40は、例えば公知の熱伝素子(具体的にはペルチェ素子等)を用いて構成されている。また、この冷却部40は、略リング状体にて形成されており、容器10の一部を覆うように配置されている。そして、この冷却部40は、配線2を介して制御装置70と接続されている。
また、この冷却部40の側面には、開口41が設けられている。開口41は、温度センサ50を容器10に対して当接させるための貫通孔であり、温度センサ50の外縁形状よりも大きな形状にて形成されている。
ここで、冷却部40の具体的な形状については、容器本体11の第1の側部13における温調対象Tとの接触部分の外縁の一部等を覆うことが可能な形状にて設定されており、例えば、冷却部40の内径が容器10の容器本体11の外径と略同一であり、冷却部40の外径が容器本体11の外径よりも大きく、冷却部40の上下方向の長さが容器本体11の上下方向の長さよりも短くなるように設定されている。また、冷却部40の動作温度については、温調対象Tに対して所定の冷却効率が得られる温度が望ましく、例えば、4℃から20℃程度に設定されている。
(構成−温調システム−温度センサ)
温度センサ50は、温調対象Tの温度を検出し、当該検出値を配線2を介して制御装置70に出力する温度検出手段である。この温度センサ50は、例えば公知の温度センサ(具体的には、熱電対等)を用いて構成されており、冷却部40の開口41を介して容器10と当接するように設置されている。
(構成−温調システム−レベルセンサ)
レベルセンサ60は、温調対象Tにおける液面のレベル(すなわち、レベルセンサ60から温調対象Tの液面に至る距離)を検出し、当該検出値を配線2を介して制御装置70に出力するレベル検出手段である。このレベルセンサ60は、例えば、当該レベルセンサ60が温調対象Tと接触しない状態で、当該温調対象Tにおける液面のレベルを検出することが可能な公知のレベルセンサ(例えば、超音波式レベル計等)を用いて構成されており、容器10よりも上方の位置であって、当該容器10に収容された温調対象Tの液面と対向する位置に設置されている。
(構成−温調システム−制御装置)
図3は、実施の形態1に係る温調システム1の電気的構成を示すブロック図である。制御装置70は、温調システム1を制御する装置であり、図3に示すように、操作部71と、出力部72と、制御部73と、記憶部74とを備えている。なお、この制御装置70は、例えば公知のパーソナルコンピュータ等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
(構成−温調システム−制御装置−操作部)
操作部71は、各種の情報に関する操作入力を受け付けるための操作手段である。この操作部71は、例えば、タッチパネル、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいはハードスイッチ等、公知の操作手段を用いて構成されている。
(構成−温調システム−制御装置−出力部)
出力部72は、制御部73の制御に基づいて各種の情報を出力する出力手段である。この出力部72は、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等の公知の表示手段や、スピーカ等の公知の音声出力手段等を用いて構成されている。
(構成−温調システム−制御装置−制御部)
制御部73は、制御装置70を制御する制御手段である。この制御部73は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されている。特に、実施の形態1に係る温調プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納され、当該記録媒体から制御装置70にインストールされることで、制御部73を実質的に構成する。
また、図3に示すように、制御部73は、機能概念的に、レーザ光源出力制御部73a、及び対流起点位置特定部73bを備えている。レーザ光源出力制御部73aは、レーザ光源31におけるレーザ光の出力制御を行うレーザ光源出力制御手段である。対流起点位置特定部73bは、後述する対流起点位置を特定する対流起点位置特定手段である。なお、これらの制御部73の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−温調システム−制御装置−記憶部)
制御装置70の処理に必要な各種の情報(例えば、後述する繰返し回数、後述するレベルセンサ60の上下方向の位置、後述するレベル基準値、後述する焦点距離値、後述するレーザ光源31と集光部32との相互距離値、後述する第1温度値、後述する第2温度値、及び後述する第3温度値等)を記憶する記憶手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
また、記憶部74は、対流起点位置テーブル(図示省略)を備えている。対流起点位置テーブルは、対流起点位置に関する情報を格納する対流起点位置格納手段である。具体的には、対流起点位置テーブルは、項目「液面位置」、及び項目「対流起点位置」と、各項目に対応する情報とを相互に関連付けて構成されている。ここで、「液面位置」に対応する情報は、容器10に収容された温調対象Tの液面における上下方向の位置を特定する情報である。また、「対流起点位置」は、後述する対流起点位置を特定する情報である。
(照射機構の詳細について)
次に、実施の形態1に係る照射機構30の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。図4は、容器10を介して温調対象Tに対してレーザ光がレーザ光源31から照射されている状態を示す図である。図5は、容器10に収容された温調対象Tに対流が生じている状態を示す図である。
(照射機構の詳細について−照射機構の構成について)
まず、照射機構30の構成については、例えば、レーザ光の照射方向が容器10の長手方向に略沿うように、当該レーザ光をレーザ光源31から照射可能となる構成が採用されている。具体的には、図2、図4に示すように、容器保持部20よりも下方位置であって、当該レーザ光源31の照射口が容器10の容器本体11における第2の側部14bと対向するように、レーザ光源31が配置されている。この場合において、集光部32は、レーザ光源31と容器本体11の第2の側部14bとの相互間に設置される。また、位置調整部33は、当該位置調整部33の押引き部分がレーザ光源31の下端部と当接する位置に配置されており、レーザ光源31に対して固定具等によって固定されている。
このような構成により、レーザ光の照射方向が容器10の長手方向に略沿うように、当該レーザ光をレーザ光源31から照射できるため、レーザ光の照射方向が長手方向に略直交する場合に比べて、温調対象Tにおけるレーザ光の照射範囲が多くなることから、加温効率を向上させることが可能となる。
(照射機構の詳細について−レーザ光源の構成について)
また、レーザ光源31の構成については、レーザ光を温調対象Tの一部のみに対して照射可能となる構成が採用されている。具体的には、図2、図4に示すように、レーザ光源31の照射口の平面形状が容器10の平面形状に比べて小さくなるように(より具体的には、レーザ光源31の照射口の左右方向の長さが容器10の左右方向の長さよりも短くなる等)、レーザ光源31が形成されている。
このような構成により、容器10全体に対して照射する場合に比べて温調対象Tに対流が生じやすくなるため、加温効率を一層高めることが可能となる。
(照射機構の詳細について−集光部の構成について)
また、集光部32の構成については、例えば、集光部32にて集光されたレーザ光の焦点位置が温調対象Tにおける対流起点位置と一致するように、レーザ光源31から照射されたレーザ光を当該集光部32にて集光可能となる構成が採用されている。ここで、「対流起点位置」とは、容器10に収容された温調対象Tにおける集光部32にて集光されたレーザ光によって対流が生じた際の起点となる所定の位置を意味する。この対流起点位置の決定については任意であり、例えば、温調対象Tにおける対流効率が高い位置に決定されるが好ましい。具体的には、図5(a)に示すように、温調対象Tに複数の対流を生じさせることが可能な位置である温調対象Tの重心位置を対流起点位置CPとして決定してもよく、あるいは、図5(b)に示すように、温調対象Tに単数の対流を生じさせることが可能な位置である温調対象Tの重心位置以外の位置(例えば、温調対象Tの上端位置又は下端位置)を対流起点位置CPとして決定してもよいが、実施の形態1では、温調対象Tの重心位置を対流起点位置CPとして決定したものとして説明する。
具体的には、図2、図4に示すように、集光部32にて集光されたレーザ光の焦点位置が容器10に収容された温調対象Tの重心位置(より具体的には、容器10の外形形状が円筒状である場合に、温調対象Tの重心位置は、温調対象Tの液面における上下方向の位置と容器10の容器本体11における第2の側部14bにおける上下方向の位置との中間位置となる)と一致するように、集光部32が配置されている。
このような構成により、レーザ光の焦点位置が対流起点位置以外の位置と一致させる場合に比べて温調対象Tに対流が生じやすくなるため、加温効率をさらに一層高めることが可能となる。
(処理)
次に、このように構成される温調システム1によって実行される温調処理について説明する。図6は、実施の形態1に係る温調処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。図7は、図6に続く温調処理のフローチャートである。この温調処理は、容器10に収容された温調対象Tの温度を調整する処理であり、制御装置70に電源が投入された後に起動される。
温調処理が起動されると、図6、図7に示すように、制御部73は、操作部71を介してユーザの所定指示が受け付けられるまで待機する(SA1、No)。
そして、例えば、温調対象Tが収容された複数の容器10が容器保持部20に保持されると共に、照射機構30、冷却部40、温度センサ50、及びレベルセンサ60が所定位置に設置された後に、所定指示が受け付けられると(SA1、Yes)、制御部73は、SA2からSA20の間のループにおいて、容器保持部20に保持されている複数の容器10のいずれか1つを対象として、SA3からSA19までの処理を順次行う。また、これと同じタイミングで、冷却部40による冷却が開始されると共に、温度センサ50及びレベルセンサ60による検出が開始される(これら冷却部40、温度センサ50、及びレベルセンサ60の動作は、温調処理が終了するまで継続される)。なお、以下では、処理対象となる容器10を、「対象容器10」と称する。
ここで、SA2からSA20の間のループの繰返し回数の設定については任意であり、例えば、記憶部74にあらかじめ記憶されている回数を繰返し回数として設定されてもよく、あるいは、操作部71を介してユーザが入力した回数を繰返し回数として設定されてもよい。なお、「繰返し回数」とは、温調対象Tに含まれる検体を所定個数に増幅させるために、SA3からSA12までの処理を繰り返す必要がある回数を意味し、実施の形態1では、検体であるDNAの個数を100万倍に増幅させるために、繰返し回数=20回〜30回程度として設定されている。
このループにおいては、最初に、集光部32にて集光されるレーザ光の焦点位置を調整するために、制御部73はSA3からSA5の処理を行う。
まず、対流起点位置特定部73bは、レベルセンサ60の検出値に基づいて、対象容器10に収容された温調対象Tの液面が所定位置にあるか否かを判定する(SA3)。具体的には、対流起点位置特定部73bは、記憶部74にあらかじめ記憶されているレベルセンサ60の上下方向の位置からレベルセンサ60から温調対象Tの液面に至る距離を減算することで当該温調対象Tの液面における上下方向の位置を算定し、当該算定した温調対象Tの液面における上下方向の位置が記憶部74にあらかじめ記憶されているレベル基準値と一致するか否かを判定し、一致する場合には温調対象Tの液面が所定位置にあると判定し、一致しない場合には温調対象Tの液面が所定位置にはないと判定する。ここで、「レベルセンサ60の上下方向の位置」とは、所定位置を原点したときのレベルセンサ60の上下方向の座標を意味する。また、「レベル基準値」とは、例えば容器に収容される温調対象Tの容量を50μLとする場合、所定位置を原点としたときの容器10に50μLの温調対象Tが収容された場合の温調対象Tの液面における上下方向の座標を示す値を意味する。
そして、温調対象Tの液面が所定位置にないと判定された場合(SA3、No)、対流起点位置特定部73bは、対流起点位置テーブルを参照して、上記算定された温調対象Tの液面における上下方向の位置に対応する対流起点位置を特定する(SA4)。ここで、上記特定される対流起点位置については、例えば、温調対象Tの外形形状=円柱状、温調対象Tの液面における上下方向の位置=38mm、容器10の容器本体11における第2の側部14bにおける上下方向の位置=30mmであった場合に、対流起点位置=(温調対象Tの液面における上下方向の位置+容器10の容器本体11における第2の側部14bにおける上下方向の位置)/2=(38mm+30mm)/2=34mmが、対流起点位置テーブルに格納されている。
次いで、対流起点位置特定部73bは、集光部32によって集光されるレーザ光の焦点位置が当該特定した対流起点位置と一致するように、レーザ光源31の上下方向の位置を位置調整部33によって調整させる(SA5)。
ここで、上記レーザ光源31の上下方向の位置の調整方法については任意であるが、実施の形態1では、位置調整部33から取得したレーザ光源31の上下方向の位置(具体的には、レーザ光源31の上端部の上下方向の位置)と、記憶部74にあらかじめ記憶されている焦点距離値及びレーザ光源31と集光部32との相互距離値とに基づいて、現時点での焦点位置を算定し、当該算定した現時点での焦点位置とSA4にて特定された対流起点位置との位置ずれ量を算定し、当該算定した位置ずれ量に基づいてレーザ光源31の上下方向の位置を調整する方法等が採用される。ここで、「焦点距離値」とは、集光部32の上端部から当該集光部32によって集光されるレーザ光の焦点に至る距離を示す値を意味する。また、「レーザ光源31と集光部32との相互距離値」とは、レーザ光源31の上端部から集光部32の上端部に至る距離を示す値を意味する。例えば、レーザ光源31の上下方向の位置=17mm、焦点距離値=13mm、レーザ光源31と集光部32との相互距離値=3mm、対流起点位置=34mmであった場合に、現時点での焦点位置=レーザ光源31の上下方向の位置+焦点距離値+レーザ光源31と集光部32との相互距離値=17mm+13mm+3mm=33mmが算定され、対流起点位置と現時点での焦点位置との位置ずれ量=対流起点位置−現時点での焦点位置=34mm−33mm=1mmが算定される。そして、レーザ光源31が、位置調整部33によって1mm上方に移動される。また、上記方法に限られず、例えば、今回のSA3からSA13までの処理においてSA4にて特定された対流起点位置が、前回のSA3からSA13までの処理においてSA4にて特定された対流起点位置よりも低い(又は高い)場合には、これら対流起点位置同士の位置ずれ量を算定し、当該算定した位置ずれ量に基づいてレーザ光源31の上下方向の位置を調整する方法等が採用されてもよい。
なお、温調処理において最初にSA3に移行した際には、対象容器10に50μLの温調対象Tが収容されていない場合を除いて、温調対象Tの液面が所定位置にないと判定されることはないため、後述するSA6に移行することになる(一方、温調処理において2回以上SA3に移行した際に、対象容器10に収容された温調対象Tの体積が変動することにより温調対象Tの液面における上下方向の位置が低下した場合には、温調対象Tの液面が所定位置にないと判定され、SA4に移行することになる)。
一方、温調対象Tの液面が所定位置にあると判定された場合(SA3、Yes)、温調対象Tの温度を第1温度にするために、制御部73はSA6からSA10の処理を行う。ここで、「第1温度」は、例えば、検体であるDNA(具体的には二本鎖DNA)を、熱変形によって一本鎖DNAに解離させる際の温調対象Tの温度であり、具体的には94℃から98℃程度の温度等に設定されている。
まず、レーザ光源出力制御部73aは、対象容器10を介して温調対象Tに対してレーザ光をレーザ光源31によって照射させる(SA6)。これにより、温調対象Tがレーザ光によって加温される。
次いで、レーザ光源出力制御部73aは、温度センサ50の検出値に基づいて、温調対象Tの温度が第1温度に達したか否かを判定する(SA7、No)。具体的には、レーザ光源出力制御部73aは、温度センサ50の検出値が記憶部74にあらかじめ記憶されている第1温度値と一致するか否かを判定し、一致する場合には温調対象Tの温度が第1温度に達したと判定し、一致しない場合には温調対象Tの温度が第1温度に達していないと判定する。ここで、「第1温度値」とは、第1温度を示す値を意味する。
ここで、温調対象Tの温度が第1温度に達していないと判定された場合(SA7、No)、制御部73aはSA6に移行して、SA6、SA7の処理を再び繰り返す。
一方、温調対象Tの温度が第1温度に達したと判定された場合(SA7、Yes)、レーザ光源出力制御部73aは、レーザ光源31によるレーザ光の照射を中止させる(SA8)。これにより、温調対象Tが冷却部40の冷熱によって冷却される。次いで、レーザ光源出力制御部73aは、SA7において最初に第1温度に達したと判定されてから第1待機時間(例えば、0.05秒から5秒程度等)が経過したか否かを判定する(SA9)。
ここで、第1待機時間が経過していないと判定された場合(SA9、No)、レーザ光源出力制御部73aは、温度センサ50の検出値に基づいて、温調対象Tの温度が第1温度から所定温度(例えば1℃程度等)低下したか否かを判定する(SA10)。ここで、温調対象Tの温度が所定温度低下したと判定された場合(SA10、Yes)、制御部73は、SA6に移行して、SA6からSA10の処理を再び繰り返す。これにより、第1待機時間が経過するまで、温調対象Tの温度を第1温度に維持することができる。一方、温調対象Tの温度が所定温度低下していないと判定された場合(SA10、No)、制御部73は、SA9に移行して、SA9、SA10の処理を再び繰り返す。
一方、第1待機時間が経過したと判定された場合(SA9、Yes)、温調対象Tの温度を第2温度にするために、制御部73はSA11からSA14の処理を行う。ここで、「第2温度」は、例えば、熱変形によって解離された一本鎖DNAにプライマー(核酸の断片)を結合させる際の温調対象Tの温度であり、具体的には55℃から60℃程度の温度に設定されている。
まず、レーザ光源出力制御部73aは、温度センサ50の検出値に基づいて、温調対象Tの温度が第2温度に達したか否かを監視する(SA11、No)。具体的には、レーザ光源出力制御部73aは、温度センサ50の検出値が記憶部74にあらかじめ記憶されている第2温度値と一致するか否かを判定し、一致する場合には温調対象Tの温度が第2温度に達したと判定し、一致しない場合には温調対象Tの温度が第2温度に達していないと判定する。ここで、「第2温度値」とは、第2温度を示す値を意味する。
そして、温調対象Tの温度が第2温度に達すると(SA11、Yes)、レーザ光源出力制御部73aは、SA11において最初に第2温度に達したと判定されてから第2待機時間(例えば、0.05秒から5秒程度等)が経過したか否かを判定する(SA12)。
ここで、第2待機時間が経過していないと判定された場合(SA12、No)、レーザ光源出力制御部73aは、温度センサ50の検出値に基づいて、温調対象Tの温度が第2温度から所定温度(例えば1℃程度等)低下したか否かを判定する(SA13)。ここで、温調対象Tの温度が所定温度低下したと判定された場合(SA13、Yes)、レーザ光源出力制御部73aは、対象容器10を介して温調対象Tに対してレーザ光をレーザ光源31によって所定時間(例えば、0.1秒から0.2秒程度等)照射させる(SA14)。そして、制御部73は、SA11に移行して、SA11からSA14の処理を再び繰り返す。これにより、第2待機時間が経過するまで、温調対象Tの温度を第2温度に維持することができる。一方、温調対象Tの温度が所定温度低下していないと判定された場合(SA13、No)、制御部73は、SA12に移行して、SA12、SA13の処理を再び繰り返す。
一方、第2待機時間が経過したと判定された場合(SA12、Yes)、温調対象Tの温度を第3温度にするために、制御部73はSA15からSA19の処理を行う。ここで、「第3温度」は、例えば、DNAポリメラーゼによって、プライマーに元のDNAの相補鎖が合成される際の温調対象Tの温度であり、具体的には68℃から72℃程度の温度に設定されている。
まず、レーザ光源出力制御部73aは、対象容器10を介して温調対象Tに対してレーザ光をレーザ光源31によって照射させる(SA15)。次いで、レーザ光源出力制御部73aは、温度センサ50の検出値に基づいて、温調対象Tの温度が第3温度に達したか否かを判定する(SA16、No)。具体的には、レーザ光源出力制御部73aは、温度センサ50の検出値が記憶部74にあらかじめ記憶されている第3温度値と一致するか否かを判定し、一致する場合には温調対象Tの温度が第3温度に達したと判定し、一致しない場合には温調対象Tの温度が第3温度に達していないと判定する。ここで、「第3温度値」とは、第3温度を示す値を意味する。
ここで、温調対象Tの温度が第3温度に達していないと判定された場合(SA7、No)、制御部73aはSA15に移行して、SA15、SA16の処理を再び繰り返す。
一方、温調対象Tの温度が第3温度に達したと判定された(SA16、Yes)、レーザ光源出力制御部73aは、レーザ光源31によるレーザ光の照射を中止させる(SA17)。次いで、レーザ光源出力制御部73aは、SA16において最初に第3温度に達したと判定されてから第3待機時間(例えば、0.05秒から5秒程度等)が経過したか否かを判定する(SA18)。
ここで、第3待機時間が経過していないと判定された場合(SA18、No)、レーザ光源出力制御部73aは、温度センサ50の検出値に基づいて、温調対象Tの温度が第3温度から所定温度(例えば1℃程度等)低下したか否かを判定する(SA19)。ここで、温調対象Tの温度が所定温度低下したと判定された場合(SA19、Yes)、制御部73は、SA15に移行して、SA15からSA19の処理を再び繰り返す。これにより、第3待機時間が経過するまで、温調対象Tの温度を第3温度に維持することができる。一方、温調対象Tの温度が所定温度低下していないと判定された場合(SA19、No)、制御部73は、SA18に移行して、SA18、SA19の処理を再び繰り返す。
一方、第3待機時間が経過したと判定された場合(SA18、Yes)、SA2からSA20の間のループにおいて、当該ループが実際に繰り返された回数が記憶部74にあらかじめ記憶された繰返し回数になるまで、制御部73はSA3からSA19までの処理を再び繰り返す。
以上のように、SA2からSA20の間のループにおいて、当該ループが実際に繰り返された回数が記憶部74にあらかじめ記憶された繰返し回数になるまで、SA3からSA19までの処理が順次行われた後、制御部73は、温調処理が終了した旨を出力部72によって出力させる(SA21)。この温調処理が終了した旨の出力方法については任意であるが、具体的には、温調処理が終了した旨を公知の表示手段によって表示させる方法や、あるいは、温調処理が終了した旨を公知の音声出力させる方法が採用されてもよい。これにて、温調処理が終了する。
このように温調処理によって増幅された検体であるDNAは、公知の方法で検出することができる。例えば、増幅されたDNAは、電気泳動によって、当該DNAの大きさに応じて分類される。具体的には、温調処理された温調対象Tの一部と比重を高めるためのバッファーとが混合され、当該混合されたもの(以下、「混合物」と称する)がトレイ(図示省略)に注入される。そして、このトレイに注入された混合物が、公知の泳動装置(図示省略)によって電気泳動される。ここで、電気泳動されたDNAの大きさの確認方法については任意であるが、具体的には、電気泳動されたDNAを染色液(例えばエチジウムブロマイド等)によって染色した後、当該染色されたDNAを公知のUVトランスイルミネーター(図示省略)を用いて写真撮影し、当該撮影された写真に基づいてDNAの大きさを視認する方法等が採用される。あるいは、これに限られず、例えば、増幅されたDNAは、リアルタイムPCR法に用いられるような公知の標識体で、増幅中に直接標識される方法等が採用されてもよい。この方法によれば、増幅されたDNAに含まれる標識体を検出することにより、増幅されたDNAを検出することができる。また、例えば蛍光標識されたプローブを用いて、増幅されたDNAを検出することもできる。
(効果)
このように実施の形態1によれば、レーザ光の照射方向が容器10の長手方向に略沿うように、当該レーザ光をレーザ光源31から照射可能としたので、レーザ光の照射方向が長手方向に略直交する場合に比べて、温調対象Tにおけるレーザ光の照射範囲が多くなることから、加温効率を向上させることが可能となる。
また、レーザ光源31は、レーザ光を温調対象Tの一部のみに対して照射可能であるので、容器10全体に対して照射する場合に比べて温調対象Tに対流が生じやすくなるため、加温効率を一層高めることが可能となる。
また、集光部32にて集光されたレーザ光の焦点位置が対流起点位置と一致するように、レーザ光源31から照射されたレーザ光を当該集光部32にて集光可能としたので、レーザ光の焦点位置が対流起点位置以外の位置と一致させる場合に比べて温調対象Tに対流が生じやすくなるため、加温効率をさらに一層高めることが可能となる。
また、温調対象Tは、検体を含む水溶液であるので、当該水溶液の加温効率を向上させることが可能となる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態1について説明する。この形態は、容器の一部がレーザ光を反射することが可能な形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
(構成)
まず、実施の形態2に係る容器及び温調システムの構成について説明する。図8は、実施の形態2に係る図1における領域Aの拡大断面図である。図9は、容器を介して温調対象に対してレーザ光がレーザ光源から照射されている状態を示す図である。図8、図9に示すように、実施の形態2に係る温調システム101は、実施の形態1に係る温調システム1とほぼ同様に構成されているが、容器の構成については、下記に示す工夫が施されている。
(構成−容器の構成について)
容器10の構成については、例えば、レーザ光源31から照射されたレーザ光を第2の側部14bを介して透光可能とし、第2の側部14bから入射されたレーザ光を第1の側部13によって反射可能とする構成が採用されている。具体的には、図8、図9に示すように、容器10の容器本体11は、アクリル等の透光性材料にて形成された第1の側部13及び第2の側部14a、14bを備えている。また、第1の側部13には、反射膜80が設けられている。
反射膜80は、レーザ光を反射することが可能な反射手段である。この反射膜80は、略環状体にて形成されており、第1の側部13と冷却部40との相互間において、第1の側部13における温調対象Tとの接触部分の外縁の少なくとも一部を覆うように配置されている。
ここで、反射膜80の具体的な形状については、容器本体11の第1の側部13の外縁を覆うことが可能な形状にて設定されており、例えば、反射膜80の内径が容器10の容器本体11の外径と略同一であり、反射膜80の外径が容器本体11の外径よりも大きく、冷却部40の上下方向の長さが第1の側部13の上下方向の長さと略同一に設定されてもよい。この場合において、冷却部40の具体的な形状については、例えば、冷却部40の内径が反射膜80の外径と略同一であり、冷却部40の外径が反射膜80の外径よりも大きく、冷却部40の上下方向の長さが容器本体11の上下方向の長さよりも短くなるように設定される。
また、反射膜80の具体的な材質については、第2の側部14bから入射されたレーザ光を反射することができると共に、冷却部40の冷熱を第1の側部13に伝導することができる材質が望ましく、例えば、アルミニウム、銅、銀、金等の金属材料等が採用されることが望ましい。
また、この反射膜80の側面には、開口81が設けられている。温度センサ50を容器10に対して当接させるための貫通孔である。この開口81は、温度センサ50の外縁形状よりも大きな形状にて形成されており、冷却部40の開口41と対向する位置に配置されている。
このような構成により、第1の側部13に反射膜80を設けない場合に比べて、第2の側部14bから入射されたレーザ光が第1の側部13から漏光することを防止できる。
(効果)
このように実施の形態2によれば、レーザ光源31から照射されたレーザ光を、第2の側部14bを介して透光可能とし、第2の側部14bから入射されたレーザ光を、第1の側部13によって反射可能としたので、第2の側部14bから入射されたレーザ光が第1の側部13から漏光することを防止でき、加温効率をさらに一層向上させることができる。
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。従来のシステムよりも加温効率が向上させることができない場合であっても、本願発明の手段が従来のシステムの手段と異なっている場合には、本願発明の課題が解決されている。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、制御装置70を複数の装置に分散して構成することができる。
(容器について)
上記実施の形態1、2では、容器本体11の外形形状が円柱状となるように、容器10が形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、この外形形状が略角柱状(この場合には、第1の側部13が複数個となる)、略円錐状、略砂時計状、又は略楕円形状になるように、容器10が形成されてもよい。
また、上記実施の形態1では、容器本体11全体が透光性を有するように、容器10が構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、容器本体11の一部のみが透光性を有するように、容器10が構成されてもよい。具体的には、容器本体11の第1の側部13がポリブチレンテレフタレート等の非透光性樹脂材料にて形成され、容器本体11の第2の側部14bがアクリル等の透光性を有する材質にて形成され、容器本体11の第2の側部14aに開口15が設けられる構成が採用されてもよい。あるいは、容器本体11及び鍔部12がポリブチレンテレフタレート等の非透光性樹脂材料に形成されると共に、容器本体11の第2の側部14aに開口15が設けられる構成(すなわち、開口15のみが透光性を有する構成)が採用されてもよい。この場合において、照射機構30の配置については、開口15からレーザ光が入射可能となるように、照射機構30が配置されることが望ましく、例えば、容器10よりも上方の位置において、照射機構30のレーザ光源31の照射口が開口15と対向するように、照射機構30が配置される。
また、上記実施の形態1、2では、容器10は、容器本体11と、鍔部12とを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、検体を含む水溶液が加温により蒸発することを防ぐために、容器本体11の開口15を塞ぐ蓋部をさらに備えてもよい。この蓋部は、開口15の外縁形状よりも小さい外縁形状にて形成された突起部分と、開口15の外縁形状よりも大きな外縁形状にて形成されたベース部分とを有する凸状体である。また、蓋部の突起部分の少なくとも一部が容器本体11の内部に収容されると共に、蓋部の基礎部分が容器本体11の上端部と当接するように、当該蓋部が配置されている。ここで、蓋部の材質については、例えば、光学式レベル計を用いて構成されたレベルセンサ60によって容器10に収容されている温調対象Tにおける液面レベルが測定可能となるように、蓋部の少なくとも一部が透光性を有する材質が望ましく、例えば、アクリル、ポリメチルメタクリレート、環状オレフィンコポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等が採用される。また、蓋部の具体的な構成については任意であるが、例えば、蓋部と鍔部12とが一体形成される構成が採用されてもよい。この場合には、蓋部及び鍔部12は、容器本体11とは別体にて形成される。
また、上記実施の形態1、2では、容器本体11の形状が50μL程度の温調対象Tが収容可能となる形状にて設定されていると説明したが、これに限られない。例えば、容器本体11の形状が50μL以外の他の容量(具体的には20μL、100μL程度等)の温調対象Tが収容可能となる形状にて設定されてもよく、具体的には、温調対象Tの上記他の容量に応じた容器本体11の内径及び上下方向の長さが設定される。
また、上記実施の形態1では、温調システム1には、照射機構30及びレベルセンサ60を搬送するための搬送機構が設けられていると説明したが、これに限られず、この搬送機構を省略し、容器10を照射機構30及びレベルセンサ60と対応する位置に搬送するための搬送機構が設けられてもよい。
(容器保持部について)
上記実施の形態2では、容器保持部は、ポリブチレンテレフタレート等の非透光性樹脂材料にて形成されていると説明したが、これに限られず、例えば、アクリル等の透光性を有する材質にて形成されてもよい。
(照射機構について)
上記実施の形態1では、照射機構30は、集光部32を備えていると説明したが、例えば、集光部32を省略してもよい(なお、実施の形態2についても同様とする)。この場合において、レーザ光源31の構成については任意であるが、例えば、図10に示すように、レーザ光源31の照射口の平面形状が容器10の平面形状よりも小さくなるように(具体的には、レーザ光源31の照射口の左右方向の長さが容器10の左右方向の長さよりも短くなる等)、レーザ光源31が形成されてもよい。これにより、レーザ光を温調対象Tの一部のみに対して照射することが可能となる。あるいは、図11に示すように、レーザ光源31の照射口の平面形状が容器10の平面形状と略同一となるように(又は容器10の平面形状よりも大きくなるように)、レーザ光源31が形成されてもよい。これにより、レーザ光を温調対象T全体に対して照射することが可能となる。
また、上記実施の形態1、2では、1つの照射機構30を用いて、複数の容器10のいずれか1つに収容された温調対象Tに対してレーザ光を照射すると説明したが、これに限られない。例えば、複数の容器10に収容された温調対象Tに対してレーザ光を同時に照射することが可能となるように、各容器10毎に照射機構30が設けられてもよい。この場合において、複数の容器10に収容された温調対象Tにおける液面のレベルを同時に検出することが可能となるように、各容器10毎にレベルセンサ60が設けられてもよい。そして、これら照射機構30及びレベルセンサ60に設けられている図示しない搬送機構を省略してもよい。
また、上記実施の形態1、2では、照射機構30は、容器10の真下位置に配置されていると説明したが、これに限られず、例えば、容器10の真下位置以外の位置(例えば、容器10よりも下方位置であって、容器10よりも左側に位置するように配置されてもよい。この場合において、照射機構30は、レーザ光源31から照射されるレーザ光の照射方向を容器10の長手方向に略沿うように反射可能な図示しない反射部(例えば反射ミラー等)を備え、この図示しない反射部は、レーザ光源31から照射されたレーザ光を容器10に中継することが可能な位置であって、容器10の真下位置に配置される。このような構成により、レーザ光源31からのレーザ光が反射部に向けて照射されると、当該照射されたレーザ光が図示しない反射部によって反射されることで、当該反射されたレーザ光の照射方向が容器10の長手方向に略沿わせることが可能となる。
また、上記実施の形態1、2では、位置調整部33は、レーザ光源31及び集光部32の上下方向の設置位置を調整するものであると説明したが、これに限られず、例えば、集光部32の上下方向の設置位置のみを調整するものであってもよい。
(冷却部について)
冷却部40は、公知の熱伝素子を用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、容器本体11の第1の側部13における温調対象Tとの接触部分の外縁の一部を浸すことが可能な水槽であって、所定温度(具体的には4℃から20℃程度等)で管理可能な水槽を用いて構成されてもよい。この場合において、照射機構30は、容器10よりも上方の位置において、照射機構30のレーザ光源31の照射口が開口15と対向するように配置されることが望ましい。
(反射膜について)
上記実施の形態2では、反射膜80は、第1の側部13と冷却部40との相互間において、第1の側部13における温調対象Tとの接触部分の外縁の少なくとも一部を覆うように配置されていると説明したが、これに限られない。例えば、反射膜80は、第1の側部13の内側であって、当該反射膜80が温調対象Tの少なくとも一部と接触するように配置されてもよい。この場合において、反射膜80の具体的な形状については、例えば、反射膜80の外径が容器10の容器本体11の内径と略同一であり、反射膜80の内径が容器本体11の外径よりも小さく、冷却部40の上下方向の長さが第1の側部13の上下方向の長さと略同一に設定されてもよい。また、冷却部40の具体的な形状については、実施の形態1に係る冷却部40の形状と略同一に設定される。
また、上記実施の形態2では、反射膜80は、容器10と別体に形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、容器10における第1の側部13と一体に形成されてもよく、具体的には、第1の側部13が、レーザ光を反射することができると共に、冷却部40の冷熱を第1の側部13に伝導することができる材質(例えばアルミニウム等の金属材料)にて形成される。
(レベル基準値について)
上記実施の形態1、2では、レベル基準値は、容器に収容される温調対象Tの容量を50μLとする場合、所定位置を原点したときの容器10に50μLの温調対象Tが収容された場合の温調対象Tの液面における上下方向の座標を示す値であると説明したが、これに限られない。例えば。容器10に収容される温調対象Tの容量を50μL以外の容量(具体的には20μL程度等)とする場合、所定位置を原点としたときの容器10に上記50μL以外の容量の温調対象Tが収容された場合の温調対象Tの液面における上下方向の座標を示す値に変更されてもよい。この場合において、レベル基準値の変更については、容器に収容される温調対象Tの容量をユーザがあらかじめ知りえる場合(具体的には、公知の試薬分注装置によって容器10に分注される温調対象Tの容量をあらかじめ知りえる場合等)には、例えば、記憶部74に記憶されているレベル基準値が当該容量に応じた値にあらかじめ変更されてもよい。一方、容器に収容される温調対象Tの容量をユーザがあらかじめ知りえない場合には、記憶部74に記憶されているレベル基準値の変更ができないため、例えば、SA3において、単に対象容器10に収容された温調対象Tの液面における上下方向の位置が算定され、SA4及びSA5の処理が常に行われるようにしてもよい。
(温調処理について)
上記実施の形態1、2では、SA3からSA5の処理が行われると説明したが、これに限られず、例えば、温調対象Tの液面の変動に関わらず、対流起点位置を変えない場合には(すなわち、対流起点位置を固定位置とした場合には)、SA3からSA5を省略してもよい。この場合には、温調システムはレベルセンサ60を省略して構成されてもよい。
また、上記実施の形態1、2では、SA6からSA19までの処理を行うと説明したが、これに限られず、例えば、検体であるRNAを増幅させる場合等の様々な用途に応じて、SA6からSA19までの処理の一部を省略又は追加してもよい。例えば、SA6からSA10の処理の少なくとも一部(あるいは、SA11からSA14の処理の少なくとも一部、又はSA15からSA19の処理の少なくとも一部)を省略してもよい。また、SA6からSA10の処理(あるいは、SA11からSA14の処理、又はSA15からSA19の処理)をさらに追加してもよい。これらの場合において、記憶部74に記憶されている第1温度値、第2温度値、又は第3温度値については、様々な用途に応じて変更されてもよい。
(付記)
付記1に記載の温調システムは、少なくとも一部が透光性を有する長尺状の容器に収容された温調対象であり、透光性を有する温調対象の温度を調整するための温調システムであって、前記容器を介して前記温調対象に対してレーザ光を照射するレーザ光源を備え、前記レーザ光の照射方向が前記容器の長手方向に略沿うように、当該レーザ光を前記レーザ光源から照射可能としている。
また、付記2に記載の温調システムは、付記1に記載の温調システムにおいて、前記レーザ光源は、前記レーザ光を前記温調対象の一部のみに対して照射可能である。
また、付記3に記載の温調システムは、付記1又は2に記載の温調システムにおいて、前記レーザ光源から照射された前記レーザ光を集光する集光手段をさらに備え、前記集光手段にて集光された前記レーザ光の焦点位置が、前記温調対象における当該集光された前記レーザ光によって対流が生じた際の起点となる所定の対流起点位置と一致するように、前記レーザ光源から照射された前記レーザ光を当該集光手段にて集光可能としている。
また、付記4に記載の温調システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の温調システムにおいて、前記容器は、当該容器の長手方向に略沿った少なくとも1つ以上の第1の側部と、当該容器の長手方向に略直交する一対の第2の側部であって、相互に対向する位置に配置された一対の第2の側部と、を備え、前記レーザ光源から照射された前記レーザ光を、前記一対の第2の側部の一方を介して透光可能とし、前記一対の第2の側部の一方から入射された前記レーザ光を、前記少なくとも1つ以上の第1の側部によって反射可能としている。
また、付記5に記載の温調システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の温調システムにおいて、前記温調対象は、検体を含む水溶液である。
(付記の効果)
付記1に記載の温調システムによれば、レーザ光の照射方向が容器の長手方向に略沿うように、当該レーザ光をレーザ光源から照射可能としたので、レーザ光の照射方向が長手方向に略直交する場合に比べて、温調対象におけるレーザ光の照射範囲が多くなることから、加温効率を向上させることが可能となる。
付記2に記載の温調システムによれば、レーザ光源は、レーザ光を温調対象の一部のみに対して照射可能であるので、レーザ光を容器全体に対して照射する場合に比べて温調対象に対流が生じやすくなるため、加温効率を一層高めることが可能となる。
付記3に記載の温調システムによれば、集光手段にて集光されたレーザ光の焦点位置が対流起点位置と一致するように、レーザ光源から照射されたレーザ光を当該集光手段にて集光可能としたので、レーザ光の焦点位置が対流起点位置以外の位置と一致させる場合に比べて温調対象に対流が生じやすくなるため、加温効率をさらに一層高めることが可能となる。
付記4に記載の温調システムによれば、レーザ光源から照射されたレーザ光を、一対の第2の側部の一方を介して透光可能とし、一対の第2の側部の一方から入射されたレーザ光を、少なくとも1つ以上の第1の側部によって反射可能としたので、一対の第2の側部の一方から入射されたレーザ光が少なくとも1つ以上の第1の側部から漏光することを防止でき、加温効率をさらに一層向上させることができる。
付記5に記載の温調システムによれば、温調対象は、検体を含む水溶液であるので、当該水溶液の加温効率を向上させることが可能となる。
1、101 温調システム
2 配線
10 容器
11 容器本体
12 鍔部
13 第1の側部
14a、14b 第2の側部
15 開口
20 容器保持部
21 開口
30 照射機構
31 レーザ光源
32 集光部
33 位置調整部
40 冷却部
41 開口
50 温度センサ
60 レベルセンサ
70 制御装置
71 操作部
72 出力部
73 制御部
73a レーザ光源出力制御部
73b 対流起点位置特定部
74 記憶部
80 反射膜
81 開口
T 温調対象
CP 対流起点位置

Claims (4)

  1. 少なくとも一部が透光性を有する長尺状の容器に収容された温調対象であり、透光性を有する温調対象の温度を調整するための温調システムであって、
    前記容器を介して前記温調対象に対してレーザ光を照射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から照射された前記レーザ光を集光する集光手段を備え、
    前記レーザ光の照射方向が前記容器の長手方向に略沿うように、当該レーザ光を前記レーザ光源から照射可能とし
    前記集光手段にて集光された前記レーザ光の焦点位置が、前記温調対象における当該集光された前記レーザ光によって対流が生じた際の起点となる所定の対流起点位置と一致するように、前記レーザ光源から照射された前記レーザ光を当該集光手段にて集光可能とした、
    温調システム。
  2. 前記レーザ光源は、
    前記レーザ光を前記温調対象の一部のみに対して照射可能である、
    請求項1に記載の温調システム。
  3. 前記容器は、
    当該容器の長手方向に略沿った少なくとも1つ以上の第1の側部と、
    当該容器の長手方向に略直交する一対の第2の側部であって、相互に対向する位置に配置された一対の第2の側部と、を備え、
    前記レーザ光源から照射された前記レーザ光を、前記一対の第2の側部の一方を介して透光可能とし、
    前記一対の第2の側部の一方から入射された前記レーザ光を、前記少なくとも1つ以上の第1の側部によって反射可能とした、
    請求項1又は2に記載の温調システム。
  4. 前記温調対象は、検体を含む水溶液である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の温調システム。
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