JP6227522B2 - 高負荷に対してスムーズな応力・歪み応答を示す係留部品 - Google Patents

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Description

本発明は、連結部品、例えば水域で浮遊する又は水中の設備又は構造物を係留するための部品に関するものである。本発明の部品は、特に、小さな占有面積及び小さな範囲に亘る作動が求められる場合に適している。
係留部品はこれまで、沿岸において例えばボート又はポンツーンを桟橋又は岸壁に連結するための使用に限定されてきた。従来の係留ロープは通常、ポリエステル、ナイロン又はケブラー(登録商標)などの合成材料より成るものである。ポリエステル及びナイロン製の係留ロープは高弾性を有するが、10〜25%の僅かな伸長しかもたらすことができない。従来の係留ロープは、ワイヤフィラメント製とすることもできる。斯かるワイヤフィラメントは極めて丈夫ではあるが、取扱い及びメンテナンスが困難である。ワイヤロープ及び合成材料より成る従来の係留部品は、大索と称することが多い。
より近年のロープ及びケーブル技術の発展により、ポリマ材料が鋼ストランド間に使用されており、これにより石油・ガスの採掘に使用するロープを疲労から保護することが助長される。ポリマ材料より成るこのような保護シースは、例えばBridon社のDyform(登録商標)のロープの多くに使用されているが、ポリマの伸長能力を利用するものではない。これは、ケーブルの伸長が鋼ストランドによって限定されているからである。このような保護シースに関しては、特許文献1(米国特許第4534262号明細書)及び特許文献2(米国特許第4597351号明細書)に開示されている。この場合の頑丈なシース材料は、ロープのように編むことができるが、そのために同様の最大伸長を持つロープのように制限される。これら最大伸長は、編み設計に従うものであるが極めて限定的であり、弾性材料で可能とされる100%以上の伸長を発揮するものではない。ナイロン及びポリエステルで編まれた既存のロープを使用すれば、同一の伸長でより大きな負荷能力がもたらされ、より効果的である。更に、このような形式の設計における編み自体は、ロープにおける磨耗の問題につながるため、合繊ロープが周期的な負荷環境下で被るのと同様の磨耗の問題に晒される。
特許文献3(仏国特許第2501739号明細書)には、代替的な牽引索に関して開示されており、コアゴム部分よりも長い非弾性的なバイパスケーブルが、高負荷に対する保護として使用されている。この場合にゴムコアは、鋼製のバイパスケーブルに負荷がかかるまで、大幅に長距離に亘って伸長可能である。しかしながら、鋼製ケーブル自体は非弾性的であり、弾性的なコアに比べてほぼ無限の傾斜(応力・歪み)を示す。このことは、衝撃負荷との関連において重大な問題をもたらすものである。即ち、ゴムコアがその限度まで伸長した後、鋼製ケーブルによる保護がもたらされるが、発生する高衝撃負荷はより大きなピーク負荷をもたらすものであるため、望ましいとされるよりも厚い鋼製ケーブルが必要になる。これら高衝撃負荷は、係留時における負荷及び設備自体への負荷を増加させ、従って疲労損傷及びコストの増加につながる。
Seaflex(登録商標)とは、ポンツーンを固定するための弾性的な係留システムのことである。この場合の係留部品である大索は、1個以上のゴムストランドと、該ゴムの過伸長を防止する硬い合成繊維又はワイヤより成るいわゆるバイパスケーブルとを備える。Seaflex(登録商標)の大索は、10kNを超える力及び100%を超える伸長に耐えることができるため、ある程度の水位変動に対応した係留を可能にするものである。Seaflexのアプローチに類似する特許文献4(米国特許出願公開第2005/103251号明細書)及び特許文献5(米国特許出願公開第2009/202306号明細書)には、鋼製バイパスケーブル(「安全ロックループ」)が使用される弾性的な係留解決手段が開示されている。これらのケースにおいても、弾性的なロープが完全に伸長し、鋼製ケーブルが係合したときに問題が生じる。即ち、鋼製ケーブルは、弾性的なロープに比べてほぼ無限の傾斜を示すため、高衝撃負荷が発生し、従って疲労、損傷及び係留時におけるコストの増加につながる。これら従来の鋼製バイパスによる係留解決手段は通常、複数本の大索に負荷を共有させるものであり、概して、低負荷、沿岸及び保護状態での使用にのみ適している。
とはいえ、大索などによる従来の係留解決手段は、設備を深海底に連結するか、又は浮遊設備が大潮流及び/又は大きな波動運動に晒される環境下で係留する場合には適さない。例えば、スコットランド北岸沖の水深40mの地点において、平均的な波高は2m未満であるが、例年のストーム発生時には平均で4mまで上昇し、100年に一度のストームの発生時には平均で5mを超える。個々の波に関しては平均的な波に比べて何倍も高くなることがあり、(小さな範囲において)波深のかなりの部分に亘って波高の変化が生じる。従来のケーブル及び大索は何れも、潮汐運動や予測不能な高潮が浮遊設備に及ぼす力に耐える強度を有していないか、又はこれらの力に対応可能なシステムを取り付ける上でコストがかかり過ぎるものである。
従って、特に小さな範囲における環境下又は高度に変わりやすい環境下においては、浮遊設備及び水上構造物、例えば波力エネルギ変換設備、潮流タービン及び潮流プラットフォームを含む再生可能エネルギ設備、養魚場、石油採掘機及び沖合いにおけるウィンドファームを連結するために使用される他の種類の係留部品が求められる。斯かる環境下において、通常の波又は潮流では、低傾斜(理想としては平坦)の負荷応答を示しつつ、より激しい環境では、高傾斜に対してスムーズにかみ合い、保護的な弾性応答を示す係留解決手段を提供することが望ましい。理想として、このかみ合ったより高い傾斜に対する応答は、伸長に応じた傾斜の連続的な増加に伴い、非線形である。
係留部品の主目的は、係留されている設備及びその連結点間における相対運動を制御することにある。このような運動は、波動運動及び/又は潮汐運動によって生じるものである。従って、係留部品には、設備の運動に対して復元力を加えることが求められる。係留すべき設備が水深に対して比較的大きな変位を生じる水域においては、係留部品への要求を満たすことは困難なことがある。このような環境下では、係留の範囲が広過ぎないことが望ましく、この場合に「範囲」とは、単位水深当たりの係留長さとして定義される。更に、係留システムの占有面積は最小化することが望ましく、この場合に「占有面積」とは、係留部品が占有する海底領域のことである。
図1は、基本的な一点カテナリ係留を示す略図である。斯かるカテナリ係留は従来、潮流プラットフォームなどの浮遊構造物3を連結するために使用されてきた。カテナリ係留索は、自由垂下索又はケーブル5、典型的には鋼製チェーンを含み、海底に対して水平方向に延在するものである。係留索5の復元力は、主に索における垂下重量及び予張力によって生じる。図1は、大波による水深の増加に伴い、プラットフォーム3が左方に向けて上昇するためにカテナリチェーン5が海底4から持ち上げられることを示すと共に、水深の低下に伴い、チェーン5は海底4に沿って横たわり、プラットフォーム3が右方に向けて下降することを示す。このように、水深が増加・低下したときに、プラットフォームの水平方向への運動を可能にするためには、大量のチェーン及び広いスペース領域が必要である。その結果、係留システムにおける材料コストが極めて嵩むと共に、プラットフォームをアレイ状に位置決めすることが制限される。カテナリ係留システムは、深海においても使用することができるが、索を極めて長くする必要があるため、固定点において垂直方向に負荷が作用することがない。
従来の埋設されるドラッグアンカー(drag embedded anchors)は、カテナリシステムと共に使用されるものであり、水平方向への負荷反応特性を有するため、ケーブルの範囲は、所与の環境条件下でケーブルが海底から完全に持ち上げられることのないよう選択しなければならない。大波は20mの高さ、即ち水深と同程度の規模にまで達することがあり、従って、このような変化に対応するために必要なチェーンは極めて長くなる。通常は3倍の範囲が必要とされるが、浅海では5倍超の範囲が往々にして必要とされる。斯かる係留システムは、非効率なことが多い上に設備周りにおける海底スペースを大きく占有するため、結果的に高コストで大きな占有面積につながるものである。最も厳しい環境下においては、鋼製カテナリシステムに作用する水平方向の係留力は、5000kN超に達することがある。カテナリシステムにおける更なる欠点は疲労である。これは、係留索が海底の着地点において磨耗しがちだからである。
このように、潮流プラットフォームなどを連結したカテナリ係留システムの使用には多数の問題がある。プラットフォームが波に乗るためには、特に、極めて大きな範囲、海底における占有面積及び水平方向への運動領域が求められる。
水面浮き又は重量物などを使用し、特定の環境下でより適切かつ代替的な係留システムが存在する。しかしながら、これらシステムも付加的コストの大幅増につながると共に、大きな占有面積及び大きな力に関連した類似の問題に晒されることが多い。これら代替的なアプローチの多くは、鋼製ケーブル及びポリエステル製ロープを使用して上述した問題の克服に努めるものであるが、極めて変化しやすい海上環境下で、物体の運動に対する適切な応答を示すことはできない。これら代案は、特に、大きなピーク力又は長期に亘る力の大幅な変動に晒されることにより、大きな疲労を被る。
カテナリ係留システムの代案として、弾性的な係留部品が一部入手可能である。これら係留部品は、カテナリシステムに比べて緊張している。上述したように、これらケーブルは弾性材料、例えばゴム材料を含んでいるため、係留を伸長可能とし、従って例えば潮流による設備の運動に順応するものである。これら係留部品では、1個以上のゴムストランドを、該ゴムストランドの過伸長を防止するいわゆる硬い合成繊維又はワイヤより成るバイパスケーブルと並列に組み合わせることができる。しかしながら、このようなバイパスケーブルは、典型的に非スムーズな応力・歪み応答により、伸長に応答した極めて大きなピーク力を生じる恐れがあり、従って疲労及び損傷をもたらすという大きな問題を有する。
弾性材料を含む係留部品は、沿岸及びドック係留において普及してきている。これら係留部品は、係留システムにおける可撓性を有する部品を、船舶又は設備の上昇に応じて伸長可能とすることにより、従来の係留解決手段に比べて多数の利点を提供するものである。更に、係留システムに付加的な弛みを設けることができるため、海底損傷がより低減される。しかしながら、これら係留システムは、原則的に船舶の漂流を防止するために設計されており、より深海において、小さな範囲及び小さな占有面積との関連で機能するために設計されているわけではない。最新の弾性的な解決手段は、係留システムが使用されている水深に対して、例えば湾内ポンツーン又は潮位変化が小さい入り江の水深に対して、波高の変化が小さい場合にのみ良好に機能する。
過伸長を防止するためにゴム要素及び硬いバイパスケーブルを備える弾性的な係留索では、構成可能な長さが限定されている。これは、合成繊維又は鋼製バイパスケーブルが部品に過度の重量を加えることがあるからである。実際には、これら索の長さは約10m未満であるため、基本的には係留ポンツーン及びマリーナ内のボートに使用される。これらの係留によっては、編み合繊ロープが磨耗の問題を被る恐れもある。
更に、上述したエラストマによる解決手段は全て、根本的かつ同一の問題を有するものである。即ち、波が小さい場合に、復元力を発揮するために必要な弾性材料の直径は、高付加に耐えるために必要な弾性材料の直径に比べて大幅に小さい。通常のゴム材料の場合、激しい海況に必要なメガニュートンオーダーの(〜MN)対抗力であれば、材料に必要な直径は1m超である。この直径は、ゴム部品の全長に亘って同一であるため、部品は扱いが困難又は非経済的となる。この点は、従って、従来のエラストマ部品がもたらし得る非線形力での応答範囲を大幅に限定するものであるが、この非線形力では、例えば高波などの非保護的環境下における係留の要求を満足させることができない。鋼製バイパスケーブルであれば、より小さな直径で上述の力を発揮できることは言うまでもないが、斯かるケーブルが含まれていると力の応答がスムーズではなくなる。
本出願前に公開された特許文献6(国際公開パンフレット第2011/033114号)には、この問題に対処するための解決手段が開示されている。この場合、互いに異なる長さを有する複数個のエラストマが使用され、各エラストマは厚さが異なっているため、負荷に応じた保護をもたらすと共に、伸長に応じて係合する構成としている。この解決手段は実際に機能するものであるが、前記において強調した問題、即ち高負荷に耐えるために必要なエラストマの厚さが極めて大きくなるという問題を有する。更に、最厚のエラストマは、コンポーネントにおける最長の要素でもあるため、装置全体の寸法がより大きい場合には扱いが困難である。
現在入手可能なSupflex(登録商標)などの弾性索は、保護環境下では破断することなく厳しい気象条件に耐え得るかもしれないが、伸長するときに応力・歪み応答が急激に増加するため、係留システムに比較的大きな力を加える。これら弾性索は、加えられた波に対して非線形的な応力・歪み応答を示しながらも、より過酷な係留環境下で必要とされるスムーズな能力及び応答曲線を提供するものではない。沖合いでの多くの使用に必要な能力をこれらの弾性索で達成するには、比較的広い範囲、即ち単位水深当たりの長さと、海底における大きな占有面積とが必要である。このことは、より多くの材料又はより高品質の材料の使用が不可欠であり、コストが大幅に増加することを意味する。
理想として、深海用の係留システムは、設置する地点における海況に順応可能でなくてはならず、従って、極めて短時間に亘って波が加える力に対する応答が調整可能でなければならない。理想として、斯かる係留システムは、自動調整式であるため、過酷な環境下で不具合の生じる恐れが低減される。理想として、係留システムは、負荷力を可及的に最低の破断限界で吸収するのが望ましい。更に、費用効率が高いことが望ましい。
米国特許第4534262号明細書 米国特許第4597351号明細書 仏国特許第2501739号明細書 米国特許出願公開第2005/103251号明細書 米国特許出願公開第2009/202306号明細書 国際公開パンフレット第2011/033114号
本発明は、小さな範囲及び小さな占有面積を有しつつ、波高及び/又は潮汐運動における比較的大きな変化に耐え得る、改良した係留部品及びシステムを提供するものである。
本発明の第1態様によれば、弾性材料で形成された複数個の変形可能な異なる要素を備えると共に、伸長長さLを有し、また要素の少なくとも1個はL未満の長さL’を有する係留部品が提供される。
従って、より短い弾性要素を実際に選択して他のより長い弾性要素よりも大きな剛性をもたらし、これによりスムーズかつ複合的な応力・歪み応答の一環として、硬いバイパスループに特徴的な突然の衝撃負荷を発生させることなく、保護を提供することが可能になる。この点は、付加的かつ安全用の連結索又はバイパス索が部品の係留長さよりも大きな従来技術に対して根本的な方向転換をなすものである。
このように、本発明によれば、緊張係留部品が提供される。この緊張係留部品においては、力が作用したときに係留部品を伸長させるために変形する要素が配置される。これは、部品が、例えば潮流及び/又は波動に晒される物体に連結されるからである。係留部品は、それぞれが固有の弾性的な(即ち可逆的な)応力・歪み応答を示す複数個の異なる弾性要素を備えるため、部品における全体的な応答は、複数個の弾性要素における応答を組み合わせた複合的な弾性応答である。更に、要素間における少なくとも長さの違い、そして長さ以外の他の違いにより、全体的な応力・歪み応答は線形ではない。この非線形的な応答の結果、係留部品は、伸長するときにスムーズかつなだらかに係合することができる。
特に、小さな範囲における環境下又は高度に変わりやすい環境下において、通常の波又は潮流では、低傾斜(理想としては平坦)の負荷応答を示しつつ、より激しい環境では、高傾斜に対してスムーズにかみ合い、保護的な応答を示す弾性の係留部品を使用することが望ましい。理想として、このかみ合ったより高い傾斜の応答は、伸長に応じて傾斜が連続的に増加するのに伴い、非線形である。本発明により、単一の変形要素、又は組成及び構成を同一とした複数個の要素に比べて、より複合的な非線形的応力・歪みプロファイルを達成することができる。有利には、互いに異なる要素は、部品における複合的かつ非線形的な応答の全体を、係留システムを使用する地点において予想される環境負荷に適合させるよう選択可能である。
部品の伸長長さLは、作用力に応答して伸長する初期的長さと定義される。この長さLは、非伸長状態で測定され、かつ部品が示す応力・歪み応答曲線におけるゼロ歪み地点に対応するものである。言うまでもなく、部品は、例えば弾性要素が硬い合繊ケーブル又は金属ケーブルなどの非変形的な要素によって端部コネクタに連結されることにより、長さLよりも大きい物理長を有し得る。このような取り付け手段は、部品の非線形的な弾性応答に寄与するものではなく、伸長長さLを測定するときに考慮されることもない。
好適には、複数個の変形可能な異なる要素、又は少なくとも長さL’を有する1個の弾性要素及び長さLを有する1個以上の弾性要素は、係留部品において互いに並列に連結される。このことは、各要素が、生じた引張り応力に応答するよう互いに並列に配置され、従って弾性定数は、各要素が直列に連結された場合のように単に合算されるのではなく、反比例関係に従って合算されることを意味する。従って、その結果としての複合的な応力・歪み応答は、互いに異なる要素の加重寄与によるものである。更に、互いに並列な配置とすることにより、非線形的かつ全体的な弾性応答をもたらす複数個の異なる弾性要素を設けつつ、部品の長さを最小化することができる。一連の実施形態によれば、並列な配置においては、複数個の弾性要素を互いに隣接して延在するよう設けることができ、その際に互いに接触させることが可能であるが、好適にはほぼ非接触とする。このような配置により、部品の設計及び組み立てを簡単にすることができる。他の一連の実施形態によれば、並列な配置においては、互いに取り付けられ、より合わせられ、巻き付けられ、包まれ及び/又は編まれた複数個の弾性要素を設けることができる。このような配置により、絡みの恐れを低減できるが、組み立て及び設計がより複雑になる。言うまでもなく、同一部品に上述の配置を組み合わせることもでき、その際に一部の要素は互いに巻き付け、他の一部の要素は互いに接触しないよう配置する。
本明細書の用語「複合的」とは、応力・歪み曲線が、組み合わせた又は累積した又は混在した、可逆的かつ非線形的な応力・歪み応答であることを意味する。係留部品は、複数個の変形可能な異なる要素を備え、これら要素による非線形的な応答は、複数個の異なる要素における応答を組み合わせたものである。好適には、部品は、複合的な非線形的応力・歪み応答を通常の作動範囲内で示すものとする。望ましくは、部品は、複数の非線形的な応力・歪み応答を作動範囲内で示すものとする。
弾性材料及び/又は要素の構成に関して、ほぼ線形的な弾性応答をもたらすものを一部適用することができるが、各弾性要素が非線形的な弾性応答を示すのが好適である。このことにより、部品における全体的かつ複合的な弾性応答を、より容易に非線形的で高度なものに調整することが可能になる。更に、要素の組み合わせた又は複合的な応答がスムーズであると共に、係留システムに高衝撃負荷をもたらし得る、急な負荷段階又は急激な傾斜変化を含まないのが好適である。
更に、弾性要素が線形又は非線形であるかに関わらず、受動的な弾性応答を示すのが好適である。本明細書の用語「受動的」とは、伸長要素における応力・歪み応答が、伸長要素が含む材料の機能及び/又はその設計、形状及び/又は構成に基づく固有の特性であることを意味する。従って、受動的な応答においては、付加的な入力、例えば空気、油圧又は印加電力又は電圧が不要であることは言うまでもない。
複合的かつ非線形的な応答がもたらされるため、単一の係留部品を、複数の海況又は環境条件に対処すべく効果的に調整することができる。従来の部品に比べて、より複合的な応力・歪みプロファイルが達成可能である。例えば、複合的な応力・歪みプロファイルには非線形的な複数の地点を持たせることができるため、部品は、作用力の複数の閾値又はレベルにおいて、対抗力の急激な増加を示す。ほぼ線形的な応答は、複合的な応力・歪みプロファイルの少なくとも一部、例えば閾値間において示され得るものである。調整された非線形的かつ複合的な応力・歪み応答により、特定の伸長に応じて要素がもたらす所望の反力を有する状態で、係留システムにおける潜在的かつ広範な応答曲線を描くことが可能になる。これにより、係留システムへの作用力が低減される。
係留部品は、互いに異なる弾性要素を組み合わせることにより、広範な作動条件に亘って力を吸収する能力を向上させることができる。少なくとも係留システムにおける一部の弾性要素は、設備の運動に順応するために伸びたときに、例えば300%までの伸長をもたらすことが可能である。各要素を緊張させる構成とし、かつ変形可能とすることにより、係留部品に必要な材料を大幅に低減すると共に、寸法を縮小化することができる。このことは、種々の環境負荷に対してより良好に応答可能としつつ、範囲、水平方向へのスペース領域及び海底における占有面積が縮小可能であることを意味する。従って、係留システムは、コストの低減化及び浮遊設備の配置密度を含めて利点をもたらすものである。
更に、出願人が見出したところによれば、係留部品におけるコストの低減化だけでなく寸法の縮小化及び/又は軽量化を図るためにも、係留部品における弾性材料の量を最小化することが有利である。係留部品の寸法及び重量は、運搬及び取り付けにおける重要な要因になり得る。材料の引張り強度が大きいほど、所望の力を発揮するために必要な直径が縮小する。弾性要素の少なくとも1個が、部品の伸長長さLよりも小さい長さL’を有するものとすることにより、弾性材料を低減することができる。例えば長さL’を有するより短い要素をより大きな伸長でのみ対抗力を発揮する設計とすることによって、係留部品における複合応答に支障があってはならない。例えば、係留部品の伸長長さと同一の長さLを有する少なくとも1個の要素は、張力が作用した直後に伸長し、初期応答を示すものとしつつ、L未満の長さL’を有する他の要素は、所定の張力が作用するまでは応答しないよう配置することができる。これら要素は、鋼製ケーブル、例えば個別的にはLよりも長い非弾性要素と組み合わせることが可能である。
それぞれの変形可能な異なる要素は、生じた歪みに応答して伸長又は圧縮することができる。言うまでもなく、伸長可能かつ設備を特定の運動領域内で移動させる係留部品では、全体的な応答が伸長的でなければならない。好適には、長さLを有する少なくとも1個の要素は、伸長要素とする。しかしながら、複合的かつ非線形的な弾性応答は、伸長及び/又は圧縮の寄与によるものであることは言うまでもない。
部品は、生じた引張り応力に対して伸長応答を示すよう配置された少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個以上の弾性要素を備えるのが好適である。
代替的又は付加的には、部品は、生じた引張り応力に対して圧縮応答を示すよう配置された少なくとも1個、2個又は3個以上の弾性要素を備えるのが好適である。
一連の好適な実施形態において、係留部品は、該係留部品の伸長長さに等しい長さLを有する少なくとも1個の伸長弾性要素と、L未満の長さL’を有する変形可能な弾性要素とを備える。長さL’を有するこの変形可能な要素は、弾性材料で形成された伸長要素又は圧縮要素とすることができる。好適には、部品が非伸長長さLにある場合、要素は何れも予伸長されていない。
長さL’を有する弾性要素が伸長応答を示す実施形態において、弾性要素は、単に係留部品に連結することにより、係留部品が特定の閾値を超えて伸びたときに伸長することができる。長さL’を有する弾性要素が圧縮応答を示す実施形態において、要素は、係留部品に連結することにより、不動部分及び部品における特定の閾値を超えた伸長に応答して移動する部分間で圧縮することができる。このことが可能なのは、係留部品の一端が基本的には例えば海底のアンカーに(直接的又は間接的)連結され、従って不動とされるのに対して、他端が水面又は水面近傍において移動する設備に(直接的又は間接的)に連結されるからである。係留部品を係留システムにいかに連結できるかについての更なる詳細は、以下に記載する。
長さL’を有する弾性要素と、初期的な伸長長さLを含む長さとした他の任意の要素とは、作動連結することにより、部品における非線形的な弾性応答を適切かつ任意にもたらし得るものである。好適には、各弾性要素は、係留部品に連結することにより、部品が初期的な伸長長さから特定の伸長に達したときに、伸長又は圧縮弾性応答をもたらす。好適には、部品がその初期的な伸長長さLから伸びた直後に伸長応答を示す、少なくとも1個の要素を設ける。他の伸長要素を配置して、部品が伸長したときに複合応答をもたらすことも可能である。
係留部品の弾性要素における異なる長さと、好適には(例えば任意の端部コネクタを含めた後の)初期的な伸長長さLとほぼ同一である、部品全体の長さとは、水深、係留システム統合、部品運搬、取り付け及び/コストの複数の要因に応じて選択することができる。部品の所望の長さを選択した後、この長さを、平均的な波高及び部品を使用する地点において予想される波高変動と比較することができる。その後、部品に必要であり、かつ海洋環境に基づいて決定する伸長範囲及び応力・歪み応答によって、弾性要素を選択する。
係留部品に必要な伸長範囲の決定に際して、実際の波浪状態による係留物体の軌道運動を、部品の長さと比較することができる。好適には、部品は、予想される運動の変化に順応するよう伸長しつつ、その弾性応答に安全率を持たせて設計される。この安全率は、例えば要素の材料に応じて部品毎に異ならせることができるが、部品の最大伸長に関連付けることができるものである。この最大伸長を超える伸びでは、部品の使用期間に対して許容できないレベルの疲労を被ることが予想される。
複数の実施形態において、複合的で可逆的かつ非線形的な応力・歪み応答は、部品の伸長長さから10〜20%までの伸長に対して、復元力の初期的な増加を含む。付加的又は代替的には、この場合の応答は、好適には、少なくとも部品における通常の作動範囲の一部において基本的に一定の復元力を示すものであり、通常の作動範囲とは、基本的に20%〜200%までの伸長、又は特定の状況下では200%以上の伸長に対応する。この通常の作動範囲は、例えば通常の波高及び/又は潮流を考慮した一般的な条件下において、連結された設備に関して予想される水平方向への運動領域に対応し得るものである。少なくとも複数の実施形態において、要素は、(i)20〜30%,(ii)30〜40%,(iii)40〜50%,(iv)50〜60%,(v)60〜70%,(vi)70〜80%,(vii)80〜90%,(viii)90〜100%,(ix)100〜110%,(x)110〜120%,(xi)120〜130%,(xii)130〜140%,(xiii)140〜150%,(xiv)150〜160%,(xv)160〜170%,(xvi)170〜180%,(xvii)180〜190%及び(xviii)190〜200%の1つ以上の範囲の伸長に対して基本的に一定の復元力を含む応答を示すよう配置される。従って有利には、部品は、通常の条件化における設備を拘束するほぼ一定の係留力を発揮するよう調整することができる。
上述したように、所定の長さを有する係留部品は、係留地点に応じて必要な伸長範囲を実現するため、互いに異なる弾性要素を適切に選択することによって設計することができる。この伸長範囲は、予想される平均的な波高に対する部品の長さ比から決定することができる。この範囲は、一般的にそれほど小さくならないよう選択されるため部品の弾性材料が浪費されるが、範囲を限定して経時的な疲労を回避し、特定の安全率を含めてもよい。少なくとも複数の実施形態において、部品は、約50〜100%の伸長という通常の作動範囲に亘って基本的に一定の復元力を発揮することができるが、これは部品の設計によって決まるものであり、単なる例示にすぎない。
理想として、所定の係留システムにおける部品の伸長弾性応答は、通常の作動範囲に亘ってほぼ一定の復元力を発揮するよう選択する。従って、部品の長さLは、所望の最大伸長が、エラストマにおいて疲労が最小である通常の作動伸長(例えばゴムであればLの100〜150%)内に収まるよう選択する。付加的な要素については、この通常の作動範囲を超えたときにスムーズにかみ合うよう設計することにより、更なる伸長をもたらすものの、負荷が大幅に増加するため、より過酷な環境条件下で係留されている設備が保護されることになる。多くの係留において、通常の作動伸長とは、潮流負荷及び波の軌道運動(即ち波長)の組み合わせで規定される。
好適には、長さL’を有する1個以上の要素は、部品が初期的な伸長長さから特定の伸びに達したときにのみ、付加的な応答(伸長又は圧縮)を示すものである。従って、これら要素は、係留されている設備が通常とは異なる条件、例えば大きな高潮及び/又は潮流に晒されているときに、設備を拘束するよう設計することができる。好適な実施形態において、複合応答は、100%、120%、140%、160%、180%、200%、220%、240%又は250%を超える伸長に対して、復元力の急激な増加を含む。これらの値も単なる例示にすぎず、係留地点及び部品に関して選択した設計に依存する。好適には、この部分の応答は、長さL’を有する1個以上の要素が示すものである。
一連の実施形態において、長さL’を有する要素は、部品において1個以上の非弾性的で付加的な伸長要素によって作動連結される。一連の実施形態において、長さL’を有する要素は、1個以上の非弾性的で付加的な伸長要素によって作動連結される。これら非弾性要素は、鋼製ケーブルなどの、より安価な又はより大きな引張り強度を有する材料で構成することができる。これら付加的な伸長要素は、全体的かつ複合的な応答に何らかの形で寄与するものであるが、比較的小さく、好適には一定又は線形の弾性的な復元力を発揮するよう設計可能であり、その復元力が、調整された非線形的な応答に大きな影響を及ぼすことはない。従って、好適には、複合的かつ非線形的な応答の大部分を調整するのは弾性要素である。
一連の好適な実施形態において、長さL’を有する弾性要素は、1個以上の非弾性的で付加的な伸長要素に直列に作動連結される。これら弾性的で付加的な要素は、係留部品の伸長長さLに一致させるために、弾性要素の長さL’に合わせた初期的な伸長長さを有することができる。即ち、1個以上の非弾性要素は、総伸長長さL〜L’を有することができる。1個以上の非弾性要素は、L〜L’の距離に広がることができるものとし、好適には、長さL’を有する弾性要素を係留部品の端部に連結する。
好適には、付加的な伸長要素は、引張り応力に対して弾性的な応答を示すものである。複数の実施形態において、付加的な弾性要素は、合成材料又は金属材料より成る緩んだケーブルを含み、所望の伸長長さL〜L’よりも大きな物理長を持たせることにより、伸長を可能にするものである。従って、連結ケーブルが引張られて張力が作用したときにのみ、長さL’を有する短い弾性要素に歪みが生じ始める。好適には、ケーブルは、細く及び/又は比較的軽量な金属で構成する。このことは、材料コスト及び重量の軽減に寄与し得るものである。他の実施形態において、付加的な伸長要素は、金属ばねなどの非弾性ばねを含むことができる。好適には、ばねは、長さL’の弾性要素よりも小さな弾性係数を有する。従って、非弾性ばねは力が部品に作用してから伸長し、弾性要素は、より大きな伸長時にのみ歪みを生じる。好適には、非弾性的な伸長要素は、丈夫で大きな最大引張り強度を有するものとすることにより、引張られたときに破断することなく、弾性要素に力を伝達することが可能である。
好適には、L未満の長さL’を有する1個以上の弾性要素は、係留部品において作動連結されていることにより、係留部品の伸長が少なくとも50%,100%,200%,250%又は300%以上のときにのみ歪みを生じる。上述したように、このことは少なくとも一連の実施形態において、弾性要素を、より小さな弾性係数(又はより大きな引張り強度)を有する伸長要素、例えば金属ばねに直列に連結することにより達成される。長さL’の弾性要素は、正の(引張り)歪み又は負の(圧縮)歪みを生じるよう配置することができる。例えば後者の場合、圧縮要素に直列に連結される非弾性要素により、圧縮要素を不動部材に対して押圧する可動部材が引張られる。何れの場合にせよ、係留部品における所定の歪み閾値に達したときに、非弾性要素がより短い弾性要素に歪みを伝達するよう配置されるため、これらより短い弾性要素が複合的かつ非線形的な応答をもたらし始め得る。これにより、応答を極度の伸長に対処するよう調整し、従って係留が例えば暴風雨や異常な波に反応することが可能になる。
このように、本発明によれば、調整された複合的かつ非線形的な応答は、好適には並列に連結される、複数個の異なる弾性要素を選択しながらも、1個以上のより短い弾性要素を、所定の伸長閾値に達したときにより短い弾性要素に歪みを伝達する非弾性要素に対して直列に配置し、これにより部品における弾性材料の量が低減した状態で達成できることは言うまでもない。より短い要素は、より大きな応答をもたらすよう、より厚くすることができるにも関わらず、材料の量はより低減することが可能である。従って、弾性材料との関連において、部品の重量及びコストが低減可能である。
L未満の長さL’を有する複数個の弾性要素は、異なる長さ及び/若しくは厚さ、並びに/又は材料で互いに並列に配置することができる。少なくとも複数の実施形態においては、個々の要素に同一の材料を使用することが好適な場合がある。このような実施形態における弾性要素は、長さ及び/又は厚さに関して異ならせることができる。
一連の好適な実施形態において、係留部品は、弾性材料を含む複数個の変形可能な要素を備え、少なくとも1個の伸長要素は、(i)4〜6 m,(ii)6〜8m,(iii)8〜10m,(iv)10〜12m,(v)12〜14m,(vi)14〜16m,(vii)16〜18 m,(viii)18〜20m又は(ix)20m超の何れかより選択した長さLを有し、少なくとも1個の要素は、(i)1〜2m,(ii)2〜4 m,(iii)4〜6 m,(iv)6〜8m,(v)8〜10m,(vi)10〜12m又は(vii)12〜14mの何れかより選択されているL未満の長さL’を有する。この場合に要素における長さL及びL’の選択は、係留地点及び波高に大きく依存するものである。好適には、伸長長さLは、極めて一般的な波浪状態においては、波高と同等又はより大きくすることにより、この海況下で100%以下の伸長をもたらすものとしつつ、より激しい海況下ではより大きな伸長を、またより穏やかな海況下ではより小さな伸長をもたらすものとする。少なくとも複数の実施形態において、部品は、それぞれ異なるL未満の長さL’を有する複数個の弾性材料を備える。これら要素は、伸長長さLに相当する長さ範囲を含むことができる。好適には、弾性材料は、互いに並列に連結する。従って、この場合に複合応答は、長さをそれぞれ異ならせた要素による応答の組み合わせとして調整することができる。言うまでもなく、係留部品は、このような弾性要素を組み合わせることにより、既存の製品に比べて大幅に短縮することが可能である。
他の実施形態において、代替的又は付加的には、L未満の長さL’を有する少なくとも1個の要素における断面積(厚さ)は、他の1個以上の要素と異ならせることができるため、この場合に複合応答は、厚さをそれぞれ異ならせた要素による応答の組み合わせである。互いに異なる弾性要素の厚さ又は直径は、好適には、(i)0.05〜0.1m,(ii)0.1〜0.2m,(iii)0.2〜0.3m,(iv)0.3〜0.4m,(v)0.4〜0.5m,(vi)0.5〜0.6m,(vii)0.6〜0.7m,(viii)0.7〜0.8m,(ix)0.8〜0.9m及び(x)0.9〜1.0mの範囲の1つ以上から選択される。
言うまでもなく、各要素に選択する厚さ及び/又は材料は、規模に大きく依存するものである。例えば、大規模な波力エネルギ変換設備用の係留部品であれば、力は1〜10MNの範囲内であることが多く、通常の作動では、例えば100%の伸長で約3MNの力が予想される。部品における全体的な材料厚さは、選択した材料及び求められる伸長に依存する。伸長が約100%の弾性要素は、一般的に1.2MPaの引張り強度をもたらすことができるため、約3MNの力に関しては、3MN/1.2MPa=2.5m2の総断面積が利用可能である。それぞれ例えば0.75mの直径を有する6個の同一要素間で力を共有するのではなく、これら要素は、部品における全体の複合的な応力・歪み応答を調整するため、例えば異なる厚さ及び/又は材料を有することができる。
出願人が見出したところによれば、特に長さL’のより短い弾性要素における弾性材料の量は、例えば他の弾性要素に比べてより大きな引張り強度を有するより硬いエラストマを使用することにより更に低減することができる。従って、付加的又は代替的には、L未満の長さL’を有する1個以上の変形可能な要素は、長さL(又はL’よりも大きいがLよりは小さい長さ)を有する要素における弾性材料に比べて、より大きな弾性係数を有する弾性材料を含むのが好適である。従って、これらより短い要素は、より軟らかくかつ長い弾性要素が完全に伸びた後のより大きな伸長においてのみ、複合的な応力・歪み応答に寄与するよう設計することができる。最短の各要素は、例えば高潮によって生じた極端な変位に対する保護をもたらすことができる。
L未満の長さL’を有する1個以上の変形可能な要素は、少なくとも1MPa,2MPa,3MPa,4MPa,5MPa又は6MPa以上の弾性係数を有する弾性材料を含む。好適には、L未満の長さL’を有すると共に、少なくとも6MPaの弾性係数を有する弾性材料を含む少なくとも1個の変形可能な要素を設けるものとする。例えば、熱可塑性材料を最短の要素に使用すれば、ゴムをベースとした材料に比べて20〜30倍大きい引張り強度を付与することができるため、要素の直径をより縮小することが可能である。更に、このような大きな引張り強度を有する材料は、短い衝撃時間/距離に亘ってではなく、波高との関連における変形可能な長さの大部分に亘って上記の引張り強度を付与できることが重要である。このような高強度の要素を含めることにより、係留部品をより効果的に構成し、従って高負荷を吸収すると共に、巨大な波又は極端な漂流から保護することが可能になる。少なくとも複数の実施形態において、長さLを有する1個以上の要素も、6Mpaまでの弾性係数を有する弾性材料を含むことができる。このようにして弾性要素の強度を高めれば、部品の重量及び体積を低減することができるが、より小さな伸長における「緩やか」な応答を複合的な応力・歪み曲線に含めることがより困難になる可能性がある。重量の低減化も、より高強度な材料のコストとのバランスを保たなければならない場合がある。
伸長/圧縮要素用の弾性材料には、特定の係留部品にとって所望の伸長量をもたらす弾性係数を有する材料を選択することができる。この弾性材料は、熱可塑性又は熱硬化性とすることができる。適切な弾性材料には、ポリウレタン又はSBRなどの、天然ゴム及び合成ゴムと、ネオプレン(登録商標)又はバイトン(登録商標)などの、より大きな引張り強度を有する材料とが含まれる。これら材料は、海洋での使用に適しており、20年以上という極めて長い寿命を有するものである。好適には、少なくとも幾つかの要素、特に長さLを有する要素は、少なくとも75%,100%,150%,200%又は250%以上の伸長が可能な材料で形成される。
比較的大きな弾性係数を付与しつつ、引張り又は圧縮で作動するかを問わず、部品における短くかつ硬い要素を形成するために使用できる材料としては、種々の弾性材料が入手可能である。しかしながら、出願人が見出したところによれば、高強度を有し、かつ材料の量が少ない弾性要素の特に有利な形態とは、部品に生じている引張り応力に応答して(負の)歪みを生じるよう配置される圧縮要素である。好適には、L未満の長さL’を有するこのような圧縮弾性要素は、少なくとも10MPa,15MPa,20MPa,25MPa又は30MPa以上の弾性係数を有する。これら要素は、部品における極めて大きな伸長に対して、大きな対抗力をもたらすよう使用することができる。
出願人が見出したところによれば、材料及びコストの節減に関する上述した利益は、L未満の長さL’を有する1個以上の圧縮弾性要素を、係留部品に含めることによって実現される。これら圧縮要素は、伸長要素に比べてより高強度を有し、従ってより少ない量の材料を使用しつつ、例えば極めて大きな潮流又は波に対して、より大きな復元力を発揮することが可能である。係留部品においては、伸長及び圧縮要素の両方を組み合わせることが有益であり得る。なぜなら、このことにより、互いに異なる要素を最小の個数としつつ、部品における複合的な応力・歪み応答が容易に調整できるからである。伸長要素は、200%、250%以上の伸長をもたらすと共に、例えば10m/s以上の大きな伸長率で海況の変化に迅速に応答できるのに対して、圧縮要素は、伸長要素がその伸長限界に達し、大きな歪みが生じた場合に、極めて大きな変位に対する大きな対抗力を付加的に発揮することができる。即ち、伸長要素は、力がより小さい場合に係留部品の主伸長をもたらすことができるのに対して、圧縮要素は、大きな伸長が生じた場合に最大の力を発揮することができる。その結果による複合的な応力・歪み応答は、使用する材料に関わらず達成可能である。
圧縮要素は、圧縮ばねなどの、適切かつ任意の形状とすることができる。しかしながら、構造的な安定性及び製造上の容易さにより、圧縮要素は、弾性材料で形成された円筒かつ波形状又はベローズ状部材を含むのが好適である。従って、一連の好適な実施形態において、L未満の長さL’の弾性要素は、弾性材料で形成された円筒かつ波形状又はベローズ状部材を含む圧縮要素の形状とする。
圧縮部材は中実の円筒状とすることができるが、好適には、側壁に波形状部分又はベローズを有する中空の円筒又は管状とし、これにより運動範囲を伸長可能とする。このような中空構造により、変形長さの大部分に亘って、大きな引張り強度を有する材料による調整された応力・歪み応答がもたらされ、従って部品が、その長さに対する波高の大きな変動に応答することが可能になる。円筒状部材は、軸線方向への(即ち、圧縮力が円筒状部材の長手方向軸線に沿って作用する)圧縮に従って作動することにより、非線形的な応答を示すことができる。波形状部分/ベローズ及び弾性要素自体は、圧縮量の増加に伴って、減衰手段を圧縮するために必要な力がより急激に増加するよう軸線方向に圧縮可能である。従って、このような圧縮要素は、係留部品における複合的かつ非線形的な応力・歪み応答に関連して、大きな変位に対する対抗力を発揮する上で特に適している。
圧縮要素のベローズ構造と、圧縮要素が弾性材料で形成されるという事実とにより、係留対抗力を、作用力及び作用力の変化率の何れに対しても非線形的に増加させることが可能になる。係留対抗力は通常の波では極めて小さく、波に応答した係留物体の運動が、係留部品の圧縮要素によって大きな影響を受けることはない。しかしながら、作用力(又は作用力の変化率)が、例えば波が極めて大きい場合に、閾値を超えると、係留対抗力が大幅に増加し得るため、通常の運動領域を超えた、係留物体の極めて大きな運動が回避される。このように、圧縮要素は、過酷な条件化における係留部品の破断を防止することができる。
言うまでもなく、弾性材料で形成された円筒かつ波形状又はベローズ状部材を含む圧縮要素を係留部品に含めることにより、弾性材料で形成された他の要素が設けられているかに関わらず、部品が過酷な環境下で応答することを有利に可能にする場合がある。従って、この特徴は、それ自体で新規性及び進歩性を有するものと見なされるため、本発明の第2態様によれば、少なくとも1個の伸長要素及び少なくとも1個の圧縮要素を備えると共に、これら要素の何れもが引張り応力に応答して歪みを生じるよう配置される係留部品が提供される。好適には、少なくとも1個の伸長要素及び少なくとも1個の圧縮要素は、互いに並列に連結される。付加的又は代替的には、少なくとも1個の伸長要素及び/又は少なくとも1個の圧縮要素は、弾性材料で形成するのが好適である。
言うまでもなく、本発明のこの態様に係る係留部品は、生じている引張り応力に応答して伸びる伸長要素のみを備える標準的な係留部品の構造に対して、大幅な逸脱を呈するものである。出願人の認識によれば、伸長及び圧縮要素の両方を、係留部品において好適には並列に組み合わせ、その際に両方の要素が引張り応力に応答、即ち部品の伸長に反応することは、これまで提案されたことはない。上述したように、要素の1個、例えば圧縮要素が特定の歪み閾値を超えた場合にのみ作動するよう配置できることは言うまでもない。伸長及び圧縮要素の両方が、複合的かつ伸長的な応力・歪み応答に寄与することの利点は、応答を、係留地点における海洋条件により良好に適合できることにある。伸長要素は、部品のより小さな歪みで主伸長をもたらすことができるのに対して、圧縮要素は、より大きな歪みでより大きな対抗力をもたらすことができる(又は逆も然り)。
好適には、圧縮要素は、弾性材料で形成された円筒かつ波形状又はベローズ状部材を含む。上述したように、このような要素は、必要な弾性材料の量を最小化しつつ、極めて大きな弾性係数を付与し得ることが判明している。
1個以上の伸長要素は、合成及び/又は金属繊維を含む適切かつ任意の材料で形成することができる。弾性ばねを使用することができる。しかしながら、一連の好適な実施形態の少なくとも1つにおいて、少なくとも1個の伸長要素は、部品に例えば200%以上の、高度な伸長性を付与するために弾性材料を含む。弾性材料を含む複数個の異なる伸長要素を設けることが可能である。このように、相容れない場合を除き、上述した好適な特徴の何れもは、単独で又は組み合わせて本発明の第2態様に含めることができる。従って、一連の好適な実施形態によれば、部品は、弾性材料で形成された少なくとも1個以上の伸長要素に並列に配置され、かつ弾性材料で形成された円筒かつ波形状又はベローズ状部材を含む少なくとも1個の圧縮要素を備える。この圧縮要素は、部品の伸長長さLに比べてより小さい長さL’を有することができる。このような組み合わせは、材料の量を低減しつつ、高度に調整可能な複合的かつ非線形的な応力・歪み応答の利点をもたらすことが判明している。
従って、本発明の更なる態様によれば、弾性材料で形成され、かつ互いに並列に配置されて引張り応力に応答する複数個の変形可能な異なる要素を備え、これら弾性要素の少なくとも1個は、係留部品の非伸長状態における長さLに対応する長さLを有する伸長要素とし、弾性要素の少なくとも他の1個は、L未満の長さL’を有する圧縮要素とする係留部品が提供される。好適には、圧縮要素は、弾性材料で形成された円筒かつ波形状又はベローズ状部材を含む。上述した好適な実施形態の何れもは、単独で又は組み合わせて本発明のこの更なる態様に適用することができる。
好適にはより低強度で大きな伸長を有する伸長弾性要素を、好適にはより高強度を有する圧縮弾性要素と組み合わせることにより、大きな伸長性(基本的には100%超)を示しつつ、数MNの力にも耐え得る複合的かつ非線形的な応力・歪み応答が達成される。このような伸長/圧縮要素が混在した係留部品は、高度にカスタマイズできる複合的な応力・歪み応答を示しつつ、例えば伸長要素のみを備える係留部品に比べて、使用されている材料の量/重量も限定する。
以下、上述した本発明の各態様における実施形態に適用可能とした、円筒状の圧縮弾性要素における複数の好適な特徴を記載する。
本発明の用語「円筒」及び「円筒状」とは、軸線方向に沿って移動するときに一定かつ平均的な断面外周を有する部材だけでなく、円錐状円筒及び円錐台など、軸線方向に沿って移動するときに断面が変化する部材も含む。一連の実施形態において、圧縮部材は、側壁外周にベローズを有する中空円錐台状とする(即ち、ベローズの平均的な断面外周は、部材が軸線方向に沿って移動するときに増大する)。代替的には、圧縮部材は、側壁外周にベローズを有する中空管状としてもよい(即ち、ベローズの平均的な断面外周は、軸線方向に沿って部材が移動するときに大幅に増大することはない)。上述の用語は、非円形断面、例えば楕円形断面又は(四角形、矩形、六角形、八角形などの)多角形断面のような形状も含む。更に、非中空のシリンダを含む。
ベローズかつ円筒状部材の負荷応答は、波形状部分(回旋状部分の直径)の設計によって制御することができる。円筒状部材の応答は、山の直径及び谷の直径を変えて山の直径に対する谷の直径比を異ならせることにより、ベローズ又は回旋状部分の個数を異ならせることにより、ピッチを異ならせることにより、又はベローズにおける最小外径のフィレット半径及びベローズにおける最大外径のフィレット半径を異ならせることにより変えることができる。中空円筒状部材の応答は、壁厚を異ならせることによっても変えることができる。円筒状部材は、外周の全長に亘って波形部分、ベローズ又は回旋状部分を有するか、又はスムーズな領域によって中断されている波形状部分、ベローズ又は回旋状部分を有することができる。
一連の実施形態において、係留部品は、弾性材料で形成され、かつ(i)0.5m未満,(ii)0.5〜1m,(iii)1〜2m,(iv)2〜3m,(v)3〜4m,(vi)4〜5m又は(vii)5m超の何れかより選択されたL未満の長さL’を有する円筒かつ波形状又はベローズ状部材を備える。弾性材料で形成されたこの少なくとも1個の円筒かつ波形状又はベローズ状部材の直径は、好適には、(i)0.1m未満,(ii)0.1〜0.2m,(iii)0.2〜0.4m,(iv)0.4〜0.6m,(v)0.6〜0.8m,(vi)0.8〜1.0m,(vii)1.0〜1.2m,(viii)1.2〜1.4m,(ix)1.4〜1.6m,(x)1.6〜1.8 m,(xi)1.8〜2.0m又は(xii)2.0m超の何れかより選択される。好適には、この少なくとも1個の円筒かつ波形状又はベローズ状部材は、1個以上の弾性要素、好適には伸長要素に並列に連結される。伸長要素は、伸長長さLまで達する異なる長さ範囲、例えば2〜20mの長さ範囲を有することができる。これら伸長要素は、異なる厚さ範囲、例えば0.1〜1.0mの厚さ範囲を有することができるが、好適には、少なくとも1個の円筒かつ波形状又はベローズ状部材に比べてより薄い。従って、この場合に複合応答は、長さをそれぞれ異ならせた要素による応答の組み合わせとして調整することができる。言うまでもなく、係留部品は、円筒かつ波形状又はベローズ状部材を含む少なくとも1個の弾性圧縮要素を、1個以上の弾性伸長要素と組み合わせることにより、既存の製品に比べて大幅に短縮することが可能である。
波形かつ円筒状部材に使用する弾性材料の選択は重要であり得る。弾性材料は、熱可塑性又は熱硬化性とすることができるが、製造を容易にし、かつ製造コストを低減するため、好適には熱可塑性とする。熱可塑性材料は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、連続的な熱可塑性相に加硫エラストマ相を分布させた熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマ(TPO)、スチレン熱可塑性エラストマ(TPS)、熱可塑性ポリアミドブロック共重合体(TPA)又はコポリエーテルエステル又はコポリエステルエステルなどのコポリマとすることができる。TPVにおいては、架橋ゴムにおける多数かつ好適な特徴が、熱可塑性エラストマにおける加工性などの特徴と結び付けられる。
波形かつ円筒状部材には、熱硬化性及び弾性材料、例えば天然ゴムなどの架橋ゴム、スチレンブタジエンゴム、ネオプレンCR、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマ)、HNBR(水素添加ニトリルブタジエンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、ACM、AEM、EVA、CM、CSM、COも使用することができる。
波形かつ円筒状部材に好適な熱可塑性材料は、デラウェア州ウィルミントン市所在のE.I.du Pont de Nemours and Companyが市販するハイトレル(登録商標)である。ハイトレル(登録商標)とは、ゴムの柔軟性、合成樹脂の強度及び熱可塑性樹脂の加工性が結び付けられた熱可塑性コポリエーテルエステルエラストマである。ハイトレル(登録商標)は、広い温度範囲に亘って、耐化学性を含む極めて優れた環境安定性、海水親和性、老化及び圧縮永久歪みに対する抵抗性を有するものである。更に、ゴムに比べてより容易かつより高い費用効率で加工することができ、しかもゴム及び熱硬化性エラストマと異なり再利用可能である。また、射出成形、押出成形、ブロー成形、回転成形及び溶融鋳造を含む種々の熱可塑性加工技術によって、容易に圧縮要素に形成することができる。特に、波形管押出成形により、回旋状部分を有する中空管が容易かつ高い費用効率で製造可能である。加工温度は、177〜260℃とする。
一連の実施形態によれば、波形かつ円筒状部材は、コポリエーテルエステル又はコポリエステルエステルなどの、コポリエステル熱可塑性エラストマ(TPC)を含む、ポリマ又はポリマブレンドより成るものであり、コポリエーテル又はコポリエステルエステルは、エステル結合によって頭尾結合された多数の再硬化性の長鎖エステル単位及び短鎖エステル単位を有する。上述の長鎖エステル単位は、化学式(A)で表される:

(A)
また、上述の短鎖エステル単位は、化学式(B)で表される:

(B)
ここに、
Gは、末端のヒドロキシル基を、好適には約400〜約6000の数平均分子量を有するポリ(アルキレンオキシド)グリコールから除去した後に残存する2価の基であり、
Rは、カルボキシル基を、約300未満の分子量を有するジカルボン酸から除去した後に残存する2価の基であり、
Dは、ヒドロキシル基を、好適には約250未満の分子量を有するジオールから除去した後に残存する2価の基であり、更に、
上述のコポリエーテルエステルは、好適には、約15〜約99重量%の短鎖エステル単位と、約1〜約85重量%の長鎖エステル単位とを含む。
コポリエーテルエステルにおけるポリマ鎖単位に適用される本明細書の用語「長鎖エステル単位」とは、ジカルボン酸を有する長鎖グリコール反応生成物を指す。適切な長鎖グリコールは、末端(又は可及的に末端)のヒドロキシル基を有し、かつ約400〜約6000、好適には約600〜約3000の数平均分子量を有するポリ(アルキレンオキシド)グリコールである。好適なポリ(アルキレンオキシド)グリコールには、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、これらアルキレンオキシドのコポリマグリコール及びブロックコポリマ、例えばエチレンオキシドでキャップされたポリ(プロピレンオキシド)グリコールが含まれる。これらグリコールの2個以上による混合物を使用することができる。
コポリエーテルエステル鎖におけるポリマ鎖単位に適用される本明細書の用語「短鎖エステル単位」とは、低分子量の化合物又はポリマ鎖単位を指す。これらは、低分子量のジオール又はジカルボン酸を有するジオールの混合物を反応させることで作成され、これにより上述の化学式(B)で表されるエステル単位を形成する。コポリエーテルエステルを調製するために適切な短鎖エステル単位を形成する低分子量のジオールには、非環式化合物、脂環式化合物及び芳香族ジヒドロキシ化合物が含まれる。好適な化合物は、約2〜15個の炭素原子を有するジオール、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、テトラメチレン、1,4‐ペンタメチレン、2,2‐ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン及びデカメチレングリコール、ジヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,5ジヒドロキシナフタレンである。特に好適なジオールは、2〜8個の炭素原子を含む脂肪族ジオールであり、更に好適なジオールは、1,4‐ブタンジオールである。
好適には、波形かつ円筒状部材の弾性材料は、5〜100Mpa、好適には約30Mpaの(降伏)引張り強度を有する。(例えばISO527-1/-2)に従って測定した引張り弾性係数は20,000Mpaまでとすることができるが、好適には25Mpa〜1200Mpa、最適には100〜600Mpaとする。
以下、係留部品の基本的な特徴の幾つかを記載する。これら特徴は、上述した本発明の全ての態様に適用可能である。
変形可能な要素に複数個の伸長及び/又は圧縮要素が含まれるかに関わらず、弾性要素は、少なくとも係留部品の端部において共に連結するのが好適である。このことにより、部品に生じた引張り応力が、互いに異なる要素間で確実に共有され得る。好適には、取り付け手段は、部品の端部に設けるものとする。このような取り付け手段は、係留部品を係留システムにおける他の部品、例えば連結索及びアンカーに連結するために設計かつ最適化することができる。一連の実施形態において、複数個の弾性要素は、取り付け手段間に、好適には並列な配置で連結される。この場合に並列な配置とは、各要素が、生じた伸長応力に応答するよう互いに並列に配置されることを意味する。各要素は、物理的に互いに並列に配置することができるが、上述したように、互いにより合わせ、巻き付け又は編まれた状態としてもよい。やはり上述したように、他の非弾性的な各要素は弾性要素に直列に連結でき、従って弾性要素が取り付け手段に連結可能である。好適には、取り付け手段は、非弾性的であると共に、引張り応力を係留部品の各要素に伝達するために機能する。
係留部品の端部に設けられた取り付け手段は、伸長及び/又は圧縮要素に対して分離した端部コネクタ状とすることができる。このことにより、部品製造業者は、端部コネクタを、部品における引張り応答をもたらす各要素とは独立して設計することが可能になる。代替的には、取り付け手段は、1個以上の伸長及び/又は圧縮要素によって、一体的に設けてもよい。一連の好適な実施形態において、係留部品は、一体的に形成された端部コネクタを含み、かつ長さLを有する1個以上の伸長弾性要素を備える。例えば、端部コネクタは、鋳造によって弾性要素に成形することができる。1個以上のこのような端部コネクタは、取り付け手段を構成し得るものであるため、分離した端部コネクタ及び各要素への連結部を設ける必要がない。端部コネクタは、弾性材料の増厚部によって形成することができるため、主要素に比べて硬さがより大きい。
好適な実施形態において、非伸長状態の係留部品は比較的短い。例えば、40mに伸長可能な15mの部品により、係留システムの占有面積が150mから40mに縮小可能である。部品の伸長は、波の大きさ及び/又は潮流などの作動条件に左右される。本発明の実施形態に係る係留部品によって連結される設備の軌道運動は、従来の例えばカテナリ係留システムよりも抑制され得るため、部品自体に亘る応力がほぼ一定であることが保障され得る。少なくとも一連の実施形態において、係留部品は、好適には、(i)5〜10m,(ii)10〜15m,(iii)15〜20m,(iv)20〜25m又は(v)25〜30mの伸長長さLを有する。この長さは、非伸長状態で測定した場合の係留部品の長さである。一連の実施形態における係留部品の好適な長さは、12m〜16mである。
本発明は、上述した係留部品を備える係留システムにも関するものである。一連の好適な実施形態において、部品は、水中に沈められると共に、浮体及び海底間に直接的又は間接的に連結される。例えば、部品は、浮遊養魚場、浮遊プラットフォーム又は浮遊ウィンドファーム及び海底間に連結することができる。係留システムは、1個以上の係留部品を備えることができ、また組み合わせを異ならせた係留部品が使用可能である。係留システムは、深海環境、潮流環境又は潮汐ダム環境用のものとすることができる。
他の一連の実施形態において、部品は、2個以上の浮体間に連結される。この場合の連結は、直接的又は間接的とすることができる。このため、複数の実施形態における部品は、第1浮体及び第2浮体間に連結することができ、任意にはこれら浮体がアレイの一部を形成するものである。このような実施形態における係留部品は、より大きな慣性を有し得る一方の浮体に対して反応することにより、他方の浮体の運動に応答することができる。
好適な実施形態において、係留部品に可能とされる伸長(即ち、対応できる伸び)は、所望の性能を達成するために必要な部品の長さが最小限となるようにする。好適には、部品は、300%まで伸長可能とする。係留システムの少なくとも複数の実施形態において、部品は、(より大きな係留システムの一部である場合に)海面近傍に配置することにより、係留システムの残部に生じる応力を最小化する。このことは、波動運動又は潮汐運動により、(係留システム全体ではなく)係留部品にのみ伸長が生じることを保障するものである。係留システムの少なくとも複数の実施形態において、部品は、浮遊部材及び従来の係留索、例えば合繊ロープ(例えばダイニーマ(登録商標))及び/又は鋼製チェーン間に連結される。この場合の連結は、直接的又は間接的とすることができる。1個以上の係留部品を、直列又は並列に連結することができる。
一連の好適な実施形態において、係留システムは、浮遊プラットフォームを備え、また係留部品は、このプラットフォーム及び海底間に連結する。少なくとも複数の実施形態において、係留部品は、浮遊プラットフォーム及び海底に連結されている係留索間に連結するのが好適である。係留索は、合繊ロープ又は鋼製チェーンを含むことができる。部品は、従来の合繊ロープなどの係留索でプラットフォームに連結することもできる。この浮遊プラットフォームは、潮力又は波力エネルギ変換設備の一部を構成することができる。
本発明の更なる態様によれば、深海係留システム用の係留部品の製造方法が提供される。該方法は、
係留すべき物体及び該物体を係留すべき地点を特定するステップと、
物体に作用すると予想される上記地点での環境負荷を決定するステップと、
係留部品に作用する係留力を望ましい程度に緩和しつつ、予想される環境負荷に応答するために、係留部品に求められる応力・歪み応答を決定するステップと、
係留部品を、弾性材料で形成された複数個の変形可能な異なる要素で形成し、その際に、係留部品は伸長長さLを有し、また少なくとも1個の要素はL未満の長さL’を有することにより、係留部品に求められる応答が、複合的で可逆的かつ非線形的な応力・歪み応答、即ち複数個の弾性要素を組み合わせた応答を示すと共に、係留部品に作用する係留力が所望の程度に緩和されるステップとを含む。
本発明の他の更なる態様によれば、深海係留システム用の係留部品の製造方法が提供される。該方法は、
係留すべき物体及び該物体を係留すべき地点を特定するステップと、
物体に作用すると予想される上記地点での環境負荷を決定するステップと、
係留部品に作用する係留力を望ましい程度に緩和しつつ、予想される環境負荷に応答するために、係留部品に求められる応力・歪み応答を決定するステップと、
係留部品を、少なくとも1個の伸長要素及び少なくとも1個の圧縮要素で形成し、その際に、伸長要素及び圧縮要素が引張り応力に応答して歪みを生じるように配置することにより、係留部品に求められる応答が、複合的で可逆的かつ非線形的な応力・歪み応答、即ちそれぞれの弾性要素を組み合わせた応答を示すと共に、係留部品に作用する係留力が所望の程度に緩和されるステップとを含む。
本発明の他の更なる態様によれば、深海係留システム用の係留部品の製造方法が提供される。該方法は、
係留すべき物体及び該物体を係留すべき地点を特定するステップと、
物体に作用すると予想される上記地点での環境負荷を決定するステップと、
係留部品に作用する係留力を望ましい程度に緩和しつつ、予想される環境負荷に応答するために、係留部品に求められる応力・歪み応答を決定するステップと、
係留部品を、弾性材料で形成され、かつ互いに並列に配置されて引張り応力に応答する複数個の変形可能な異なる要素で形成し、その際に、弾性要素の少なくとも1個は、係留部品の非伸長状態における長さLに対応する長さLを有する伸長要素とし、弾性要素の少なくとも他の1個は、L未満の長さL’を有する圧縮要素とすることにより、係留部品に求められる応答が、複合的で可逆的かつ非線形的な応力・歪み応答、即ちそれぞれの弾性要素を組み合わせた応答を示すと共に、係留部品に作用する係留力が所望の程度に緩和されるステップとを含む。
以上、本発明における種々の態様を、波動運動及び/又は潮汐運動に晒される浮体の動きを制御する係留部品及びシステムとの関連で記載してきたが、上述の係留部品及びシステムは、海洋での係留に限定されることなく使用可能である。特に、少なくとも1個の伸長弾性要素と、少なくとも1個の圧縮弾性要素とを備え、これら伸長弾性要素及び圧縮弾性要素が何れも、引張り応力に応答して歪みを生じるように配置される部品は、非海洋環境下での連結物体に使用することができる。上述した特徴は何れも、非海洋環境下であっても潜在的には同様に適用することができる。
従って、本発明は、少なくとも1個の伸長弾性要素と、少なくとも1個の圧縮弾性要素とを備え、伸長弾性要素及び前記圧縮弾性要素が何れも、引張り応力に応答して歪みを生じるように配置される係留手段にも関するものである。
明瞭性の見地から、個別の実施形態として上述した本発明の好適かつ特定の特徴は、1つの実施形態に組み合わせることも可能であることは言うまでもない。逆に、簡潔さの見地から、1つの実施形態として記載した本発明の好適かつ種々の実施形態は、個別、又は適切かつ任意の下位の組み合わせとすることも可能である。
従来技術におけるカテナリ係留システムを示す略図である。 本発明の実施形態に係る係留システムを示す略図である。 本発明の実施形態に係る係留部品における、複合的な応答曲線の例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る係留部品における、調整された複合的な応答曲線の例を示すグラフである。 システムにおける水平方向への係留力を、係留部品のタイプに応じて示すグラフである。 本発明に係る係留部品の第1実施形態を、非伸長状態で示す斜視図である。 図6の係留部品を半伸長状態で示す斜視図である。 図6の係留部品を完全な伸長状態で示す斜視図である。 本発明に係る係留部品の第2実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る係留部品の第3実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る係留部品の第4実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る係留部品の第5実施形態を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る係留部品を、非伸長状態で示す斜視図である。 図12aの係留部品を半伸長状態で示す斜視図である。 図12a及び図12bの係留部品を完全な伸長状態で示す斜視図である。 本発明に係る係留部品の第6実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る係留部品の第7実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る係留部品の第8実施形態を示す斜視図である。 係留部品の第4〜第8実施形態での使用が適切な、円筒状の圧縮要素を示す概略的破断図である。 図16の要素をラインA‐Bに沿って示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る係留システムを示す略図である。 占有面積に対するコストに関して、異なる係留システム間における比較を示す説明図である。 3つの異なる係留システムにおける能力の比較を示す説明図である。 船舶用の従来の係留システムを示す略図である。 本発明の実施形態に係る船舶用の係留システムを示す略図である。 従来の係留システムが、アッテネータ式の波力エネルギ変換(WEC)設備に作用する環境負荷に対していかに反応するかを示す説明図である。 従来の係留システムが、アッテネータ式の波力エネルギ変換(WEC)設備に作用する環境負荷に対していかに反応するかを示す説明図である。 本発明の実施形態に係る係留システムが、アッテネータ式の波力エネルギ変換(WEC)設備に作用する環境負荷に対していかに反応するかを示す説明図である。 本発明の実施形態に係る係留システムが、アッテネータ式の波力エネルギ変換(WEC)設備に作用する環境負荷に対していかに反応するかを示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて記載する。これら実施形態は、単なる例示にすぎない。
(上述した)図1は、従来のカテナリ係留システム1を示すのに対して、図2は、本発明の実施形態に係る係留部品2を備える緊張係留システム1’を示す。これらの図において、浮遊プラットフォーム3が係留索5,5’によって海底4に連結されている。図1は、鋼製チェーンなどの長いカテナリ索5を示す。図1に示すように、波による浮遊プラットフォーム3の円運動により、係留索5は、海底4から持ち上げられたときに大きな領域に亘って水平方向に運動する。大波による水深の増加に伴い、カテナリチェーン5が海底4から持ち上げられ、プラットフォーム3が左方に向けて上昇し、小波による水深の低下に伴い、チェーン5は海底4に沿って横たわり、プラットフォーム3が右方に向けて下降する。このように、水深が増加・低下したときに、水平方向への運動を可能にするためには、大量のチェーン及び広いスペース領域が必要である。この係留システム1の大きな占有面積により、プラットフォームをアレイ状に位置決めすることが制限される。更に、部品における係留力は大きく(Fmax)、チェーン全体に伝達され、全ての箇所に作用する。
これに対して、図2に示すように、本発明に係る係留部品2を緊張させる構成とすることにより、比較的小さな領域に亘る水平方向への運動と、小さな占有面積とを小さな範囲で達成することができる。このことは、例えば鋼製チェーンを使用したカテナリシステム1に比べて、係留部品2が大きな伸長性を有することによるものである。係留部品2を緊張させる構成とすることにより、必要な材料が大幅に低減され、波高の変化に伴うプラットフォーム3の軌道がより小さくなる。このことは、浮遊プラットフォーム、即ち潮流タービン又は波力エネルギ変換設備などの再生エネルギ変換設備をアレイ状とする場合に、より大きな密度を許容するものである。更に、海底から大きな重量のチェーンを持ち上げる必要がなく、システムにおける係留力が低減される(Fmin)。
図2に示すように、(概略的に示す)係留部品2は、プラットフォーム3及び係留システム1’の下部におけるより小さなチェーン5’間に連結される連結手段として含めることができる。この場合に係留部品2は係留力(Fmax)の大部分を吸収し、チェーン5’は海底4に対して単なる連結をもたらすものである。弾性部品2は、プラットフォーム3及びチェーン5’の間隔の拡大に伴い、調整された対抗力をプラットフォーム3及びチェーン5’にもたらすことができるため、下部におけるチェーン5に作用する負荷力(Fmin)が大幅に低減される。弾性部品2は、従来における任意の係留索5’、例えば鋼製チェーン又はダイニーマ(登録商標)索に連結することが可能である。
図2に更に示すように、浮遊プラットフォーム3の垂直方向への運動はほぼ同一に留まるが、係留システム1’の残部への影響は、作用力の点で言えば極めて大きい。係留部品2への作用力は低減することができる。これは、弾性要素が伸長することによりプラットフォーム3の運動に順応可能だからである。概して、係留システム1’の残部における総断面積は、従来の係留索5と比べた場合に30%を超えて縮小できるため、コストが大幅に低減される。
図3は、本発明に係る係留部品によって加えられた負荷に対する変形量を、複合的で可逆的かつ非線形的な応力・歪み応答に従って示すグラフである。図3の「初期係合」領域は、通常の波浪条件下における理想的な応答を示し、「進行」領域は、過酷な条件下における理想的な応答を示し、更に「飽和」領域は、条件が極めて過酷であるために保護機能が必要な場合の理想的な応答を示す。図3に示すように、応力・歪み曲線は、理想的には傾斜が急激に変化することのないスムーズな曲線である。更に、部品に作用する係留力は、「初期係合」及び「進行」領域に亘って比較的低レベルに維持される。これは、弾性要素による漸進的な変形によるものである。このような応答曲線は、一般的に係留力がより大きく、しかも波高の変化に応答して急に増加するカテナリシステムにおける応答曲線とは全く異なる。
図4は、伸長弾性要素及び圧縮弾性(例えば熱可塑性)要素の組み合わせにより、係留部品に所望の非線形的な応答曲線をいかに生じさせ得るかを示す。この場合に実線は、全体の応答を示すのに対して、破線は、伸長(「エラストマ」)要素及び圧縮(「熱可塑性」)要素による個別の寄与を示す。所望の応答は、低剛性で伸長する長い領域を示す。理想的には、この領域は、伸長量に関わらず同一負荷でほぼ平坦である。この領域は、浮遊設備が通常の環境下で一般的に描く軌道運動に対応する。軌道運動、又は組み合わされた軌道及び潮流運動が激しくなる過酷な環境下では、圧縮要素がもたらすより大きな応答が必要とされる。通常の作動条件下における緩やかな応答と、苛酷な作動条件下における急峻ではあるが無限ではない応答との組み合わせにより、使用条件下に関わらず負荷の最小化が可能になる。このような応答は、係留システムへのピーク負荷又はピーク衝撃を最小化するためにスムーズであることが重要である。Seaflex、Hazelette、Supflex及び他の各社が提供し、かつ鋼製バイパスループを含んでいる従来の弾性的な係留大索は、応答曲線の終端において実質的に無限に増加する傾斜を示す。このような地点に達した場合、係留に極めて大きな衝撃負荷が加わり、不具合が生じる恐れがある。
図5は、鋼製索を備えるカテナリシステム(A)、ポリマ索を備えるカテナリシステム(B)及び例えば図2の実施形態に示す緊張係留システム(C)間における比較を示す。100年に一度のストームなどにおける極端に大きな負荷の場合、垂直方向への最大係留力の合計は約5MN、その際の負荷変動は約3.2MNに達し得る。図5に示すように、システムA及びBにおける最大力は、システムCにおける最大力よりも遥かに大きい。図5に更に示すように、係留システムA及びBに作用する負荷変動は極めて大きいが、システムCに作用する負荷変動は、僅かに0.5MNの狭い範囲内で変化している。このように、係留システムCは、従来のシステムに比べて、波高の変化に遥かに効率的に対応することができる。これは、弾性的な係留部品が有するほぼ一定の応力・歪み応答と、例えば20〜70%の大きな伸長範囲に亘る小さな力とによるものである。
カテナリシステムと比較すると、本発明の実施形態に係る弾性的な係留部品は、システムに作用する係留力を例えば75%超低減することができる。
図6は、本発明に係る係留部品10の第1実施形態を示す。この場合の係留部品10は、互いに並列に配置された3個の弾性伸長要素12a〜12cを備える。中央要素12aは長さLを有し、この長さLは、16mとすることのできる部品の伸長長さと一致する。他の要素12bは、8mとすることのできるL未満の長さL’を有する。他の要素12cは、4mとすることのできるL未満の長さL’を有する。より短い2個の要素12b,12cは、鋼製ケーブル14によって部品の端部に連結されている。図示の弾性要素12a〜12cは互いに隣接しているが、その代替として、互いに対して任意に巻き付けてもよい。
図7a及び図7bは、第1実施形態の係留部品10が、引張り応力に応答していかに伸長するかを示す。図7aに示すように、伸長長さLに対応する中央要素12aは、ケーブル14が伸長し始めるときに先に伸長するが、より短い要素12b,12cには初期段階で張力が作用することはない。部品10の更なる伸長に伴い、ケーブル14が緊張すると共に、より短い要素12b,12cも伸長し始める。図7bは、伸長の後期段階を示す。この場合に3個の弾性要素12a〜12cの何れにおいても張力が作用し、異なる程度に伸長するため、係留部品10における複合的な応力・歪み曲線に寄与するものである。弾性要素12a〜12cの長さ、直径及び/又は材料は選択することができるため、複合的で可逆的かつ非線形的な応力・歪み応答がもたらされる。この場合の応力・歪み曲線により、予想される環境負荷(即ち波浪状態)に応答して、比較的小さくかつ漸進的に変化する係留力が部品に加わる。
図8は、本発明に係る係留部品20の第2実施形態を示す。この場合の係留部品20は、互いに並列に配置された6個の弾性伸長要素22a〜22fを備える。図7及び図8は何れも、16mとすることのできる伸長長さLを有する係留部品を示す。図8に示す実施形態において、6個の要素22a〜22fは、異なる長さ及び直径を有する。5個の弾性要素22b〜22fは、L未満の長さL’を有すると共に、鋼製ケーブル24によって部品20の端部に連結されている。言うまでもなく、要素22a〜22fの長さ及び直径は、使用されている弾性材料の引張り強度に応じて異ならせることができる。引張り強度が約6MPaの材料を使用した場合、6個の異なる要素における寸法は、例えば表1に記載のとおりとすることが可能である。
図8に示す係留部品を、当該係留部品の伸長長さL(例えば16m)以上の長さを有する伸長要素で構成すると共に、約6MPaの引張り強度を有する材料を使用した場合、係留部品の総重量は約10Tである。しかしながら、代替として、長さLの要素を1個のみ使用すると共に、長さをL未満のL’としたより短い複数個の要素を、鋼製ケーブル24で係留部品の端部に連結して使用することにより、部品の総重量は、同一の引張り強度を有する材料を使用しながらも約7Tに低減することができる。重量の更なる低減化は、1個以上の要素に、より高強度の弾性材料を使用することで達成可能である。
図9は、本発明に係る係留部品30の第3実施形態を示す。この場合の部品は、6個の弾性伸長要素が互いに並列に配置されている点で図8の実施形態に類似するが、要素32a〜32fを側方方向に分離するための中央ガイド部材36を付加的に備える。このようなガイド部材36は、部品30が動いたり伸長したりしたときの要素32a〜32f間における接触、又は少なくとも要素32a〜32fにおける絡みを確実に回避するために機能し得るものである。図示の実施形態において、ガイド部材36は、弾性要素32a〜32f用に、一列に並び、かつ互いに分離した6つの通路を有する。ガイド部材36は、要素32a〜32fの伸長を妨げないよう設計されているため、好適には、伸長要素32a〜32fの弾性材料及びガイド部材36間における摩擦係数は小さい。ガイド部材36は、部品30の寸法に応じて、形状又は剛性を付加的に付与することが可能である。
図10〜図15は、本発明の更なる実施形態を示す。これら実施形態において、少なくとも1個の伸長弾性要素42,52,62,72,82が、少なくとも1個の圧縮弾性要素48,58,68,78,88に対して並列に連結されていることにより、係留部品40,50,60,70,80を形成している。これら実施形態において、弾性材料で形成された細長い要素などの伸長要素42,52,62,72,82は、より小さな力が作用した場合に、係留部品40,50,60,70,80における主伸長をもたらすものである。圧縮要素48,58,68,78,88は、波形管状とすると共に、より高強度の弾性材料、例えばハイトレル(登録商標)で構成する。圧縮要素48,58,68,78,88は、係留部品の端部コネクタ41,51,61,71,81間において、係留部品が特定の伸長量に達するまでは張力が作用しないよう連結されている。このように、係留部品40,50,60,70,80の張力応答は、主としてより小さな伸長をもたらす伸長要素42,52,62,72,82と、主としてより大きな伸長をもたらす圧縮要素48,58,68,78,88とによる複合応答であることは言うまでもない。弾性要素は、基本的に図3又は図4の曲線を示すスムーズな張力応答をもたらすよう選択かつ設計することができる。図10に示す係留部品40の伸長は、図12a〜12cに示すとおりである。
図10〜図12の実施形態において、圧縮要素48,58は、不動プレート46a,56a及び可動プレート46b,56b間に、引張り応力を圧縮要素48,58に伝達する鋼製ケーブル44,54によって取り付けられている。これら図に示すように、例えば鋼製ケーブルとした4本のケーブル44,54が設けられており、2本は、一方のコネクタ41b,51bから可動プレート46b,56bに延在し、他の2本は、他方のコネクタ41a,51aから延在し、不動プレート46a,56aを通過してから圧縮要素48,58の他端における可動プレート46b,56bに取り付けられる。図12との関連で示すように、不動プレート46a,56aは、圧縮要素48,58の基準枠内で移動することはない。なぜなら、全てのケーブル44,54は可動プレート46b,56bに取り付けられ、可動プレート46b,56bが不動プレート46a,56aに向けて引張られることにより、これらプレート間における圧縮要素48,58が圧縮されるからである。係留部品40,50全体の基準枠内において、圧縮要素48,58及びその端部プレート46a,46b,56a,56bは、伸長要素42,52の伸長と比較したケーブル44,54の相対的な伸長に応じて、伸長要素42,52に対して自由に移動することができる。
図示のケーブル44,54は、少なくともその全長の一部に亘って蛇行構成とされているため、元の長さから伸びた後に、圧縮要素48,58に引張り応力を伝達し始める。図10において、可動プレート46bを通過する2本のケーブル44は、端部コネクタ41b及び圧縮要素48間では蛇行しているが、不動プレート46aまで圧縮要素48の長さに亘って直線的である。このことにより、ケーブル44が要素48を圧縮するために可動プレート46bを引張るときに、これらケーブル44が不動プレート46aを確実かつスムーズに通過することが助長され得る。これに対して、図11に示すケーブル54は、その全長に亘って蛇行しているため、この場合の係留部品50は、図10に示す係留部品40に比べて、より大きな伸長が生じたときに、圧縮要素58による堅い応答を示すよう設計されている。ケーブル44,54における剛性及び/又は構成は調整できるため、所望の応答曲線に応じた所望の伸長が生じたときに、係留部品40,50の圧縮要素48,48に張力が選択的に伝達可能である。即ち、係留部品40,50は、使用する地点において予想される環境負荷に適合させることができる。
図13〜図15は、本発明の他の実施形態を示す。これら実施形態において、少なくとも1個の伸長弾性要素62,72,82が、少なくとも1個の圧縮弾性要素68,78,88に対して並列に連結されていることにより、係留部品60,70,80を形成している。図13〜図15に示す実施形態において、1本以上の硬いケーブル64,74,84が、圧縮要素68,78,88の両端部部材66a,66b,76a,76b,86a,86bに作動連結されているため、ケーブル64,74,84に引張り応力が生じたときに、これらケーブル64,74,84が圧縮要素68,78,88の互いに対向する端部66a,66b,76a,76b,86a,86b を引張り、その結果として圧縮要素68,78,88に生じる歪みに伴いこれら圧縮要素68,78,88が圧縮する。図13に示すように、ケーブル64は、一方の端部コネクタ61aから、対向する圧縮要素68の端部部材66bにほぼ直線的に延在し、他方の端部コネクタ61bから、対向する端部部材66aにほぼ直線的に延在している。係留部品60に引張り応力が生じると、硬いケーブル64に比べて弾力性がある弾性要素62が先に伸長する。応力の増加に伴い、ケーブル64は、引張り応力を圧縮要素68に伝達し始めるため、圧縮要素68に歪みが生じ始める。図14及び図15に示すように、ケーブル74,84は、少なくともその全長の一部に亘ってコイル状であるため、伸長に伴って初期的な張力応答を示した後に、圧縮要素78,88に歪みが生じる。これら係留部品70,80は、図13に示す係留部品60に比べて、より大きな伸長が生じたときに、圧縮要素78,88による堅い応答を示すよう設計されている。図15は更に、端部コネクタ81a,81bにそれぞれ連結された2個のハーフ部89a,89bで形成された外部ケーシングを示すが、この外部ケーシングはシステムの応答に何ら物理的影響を及ぼすものではない。
図15a〜図15cは、異なる負荷状態下における部品80を示す。この実施形態において、中央弾性要素82は、弾性要素82の端部コネクタ81a,81bを圧縮要素88の対向する端部に連結するコイル状の鋼製ケーブル84と共に、端部コネクタ81a,81b間で延在している。図15bは、部品80が伸びたときに、コイル状の鋼製ケーブル84が完全に伸長した地点を示す。この鋼製ケーブル84は、通常の作動条件下における最大伸長量に対応する設計とすることができる。システムがこの地点まで示す負荷応答は、弾性要素82のみによるものである。部品80が更に伸長すると、負荷が、遥かに硬い圧縮要素88に伝達される。この要素88は、圧縮することにより、遥かに短い伸長長さに亘って遥かに大きな負荷応答を示すため、弾性要素82を過伸長から保護するものである。
図6〜図12を図13〜図15と比較することで明らかなように、係留部品の端部コネクタは、使用する弾性要素及び/又は圧縮要素の個数及びタイプに関わらず選択することができる。図6〜図12に示す端部コネクタのうち、例えば図10及び図11の端部コネクタ41,51は、伸長要素に分離して連結されている。非弾性的な硬い連結部が使用されている。図13〜図15の端部コネクタ61,71,81は、それぞれ伸長要素62,72,82によって一体的に設けられており、例えば弾性要素62,72,82の各端部は、端部ピース61a,61b,71a,71b,81a,81bに成形される。これら端部ピース61a〜81bは、1つ以上の孔又はループなどを有するため、係留システムの残部に対する連結が可能になる。このような一体的で弾性的なコネクタは、係留部品に関して、分離した部品の個数を減少させることが望ましい場合に、及び/又は、過酷な海洋環境下において腐食し易い鋼製コネクタなどの非ポリマ部品の個数を減少させることが望ましい場合に、好適である。
図10〜図15に示す実施形態において、圧縮要素48,58,68,78,88は、極めて大きな伸長に際して生じる圧縮に伴い大きな対抗力を発揮するものである。伸長要素42,52,62,72,82に使用されるゴムなどの弾性材料は、例えば1.2MPaの比較的低強度とすることができるのに対して、圧縮要素48,58,68,78,88に使用するハイトレル(登録商標)などの弾性材料は、例えば30MPaの、比較的高強度とすることができる。
言うまでもなく、図10〜15に示す実施形態においては、係留部品の重量が図6〜図9に示す実施形態に比べて更に低減される。係留部品における全ての伸長要素に同一の弾性材料を使用した場合、約1.2Mpaの強度を有するゴム要素を備える部品が、2.5MNの力に耐えるために必要な総断面積は2m2超である。75%の伸長に必要な材料体積は約15m3であり、これは約16.5Tの重量に等しい。逆に、約1.2Mpaの強度を有するゴム伸長要素を約30Mpaの強度を有する圧縮要素と組み合わせた場合、部品におけるゴム材料の断面積は約1m2(1.2MNの対抗力に寄与)であり、圧縮要素における弾性材料の断面積は約0.05m2(1.5MNの対抗力に寄与)である。この場合、材料の総体積は10m3未満に低減され、係留部品の重量は約10Tに低減される。
図10〜図15に示す実施形態は、伸長弾性要素を圧縮弾性要素と組み合わせる係留部品における基本要素を示すが、このような係留部品は、種々の異なる形態とすることができることは言うまでもない。例えば、複数個の伸長要素を圧縮要素に対して並列に延在させることが可能である。この場合、1個、2個、3個、4個、5個又は6個以上の伸長要素を使用することができる。このような伸長要素における長さ、厚さ及び/又は材料は、上述した伸長要素とは違い、類似する索に沿って互いに異ならせることができる。しかしながら、圧縮要素を1個以上の伸長弾性要素と組み合わせて使用することの利点は、係留部品における所望かつ複合的な応力・歪み応答を、より少ない要素で達成可能なことにある。ケーブルの本数及び構成も、所望の応答曲線に応じて異ならせることができる。言うまでもなく、係留部品において圧縮要素を作動連結する上記のケーブルは、鋼製ではなく、ケブラー(登録商標)又はダイニーマ(登録商標)など任意の硬い材料で形成してもよい。
上述した設計に関しては、多くの変形が可能である。ある実施形態においては、圧縮要素を部品の中央ではなく、一端に取り付けることができる。このことにより、複雑さが低減されると共に、圧縮要素をコネクタ設計に一体化することが可能になる。他の実施形態においては、圧縮要素を弾性要素の外側に設けることができるため、弾性要素を圧縮要素の中央部に延在させる必要がない。この点は、複数個の弾性要素を使用するか、又は圧縮要素による並列なアレイを使用する場合に特に適している。
有利な構成において、圧縮弾性要素48,58,68,78,88は、中空かつ波形管形状とし、当該箇所を少なくとも1個の伸長要素42,52,62,72,82が通過するものとする。これにより、コンパクトな配置が実現され、各要素が互いに並列に連結されて引張り応力を受けると共に、材料の体積が最小化される。伸長要素42,52,62,72,82が中空の圧縮要素48,58,68,78,88を通過することを示したが、1個以上の伸長要素が圧縮要素を通過するよう延在させる代わりに、圧縮要素に沿って延在させることができることは言うまでもない。代案として、圧縮要素は中実としてもよい。更に、係留部品に複数の圧縮要素を使用し、直列及び/又は並列に連結することができる。
図16は、円筒状の圧縮要素68の一例を概略的に示す。この場合にラインA‐Bは、要素68の対称軸線を表している。図17のTは厚さを、Pはピッチを、a)は山を、b)は谷を、Rintは谷の直径を、Rextは山の直径を、rcはベローズにおける最小外径のフィレット半径を、更にrsはベローズにおける最大外径のフィレット半径をそれぞれ表している。圧縮部材における弾性応答は、壁厚Tを異ならせることにより、山の直径/半径(Rext)及び谷の直径/半径(Rint)を変えて山の直径に対する谷の直径比を異ならせることにより、ベローズ又は回旋状部分の個数を異ならせることにより、ピッチPを異ならせることにより、又はベローズにおける最小外径のフィレット半径(cs)及びベローズにおける最大外径のフィレット半径(rs)を異ならせることにより変えることができる。
ある実施形態において、円筒状部材は、以下の相対寸法を有する。即ち、P=P、Rext=4P〜5.5P、好適には4.8P、T=0.1P〜0.5P、好適には0.2P、rc=0.08P〜0.1P、好適には0.083P、更にrs=0.25P〜0.4P、好適には0.3Pである。
図18は、本発明に係る係留システム1’の他の実施形態を示す。図示の係留システム1’は、本発明に関して上述した何れかの実施形態に係る一対の係留部品2を備え、この場合に係留部品2は、海底4に直接的に連結されると共に、水面又は水中ブイ8及び弛みを持たせた中間策5’によって浮体3に連結されている。係留システム1’は、不変かつ最小の占有面積と、アンカーシステムへの低負荷とで機能するものである。係留システム1の選択は、往々にして、特定の浮体に課される負荷の種類に依存する。
図19は、係留部品を、各種の係留構造を備えるシステムに種々の態様で使用できることを示す。より小さな占有面積は、緊張係留システムを使用することにより達成されるが、このようなシステムは、垂直方向負荷が作用する場合に、垂直方向負荷アンカー(VLA)が極めて高価になるため、コストの増加につながるものである。図18の左下の例に示すように、本発明の実施形態に係る係留部品を使用したシステムにより、大幅に小さな負荷が達成され、従って遥かに小さなアンカーが使用可能になるため、コストが大幅に低減される。このようなケースにおいて、本係留部品は、係留されている設備への直接的な索に適用されるか、又は水面又は水中のフロートを使用するシステムに適用される。
図20は、3種の異なる係留構造の例、及びこれらシステム構造が同一条件下でいかに機能するかを示す。部品は、予想される環境条件に適合するよう設計することが重要である。既に述べたように、弾性要素は、十分な長さとすることにより、通常の作動環境下における軌道運動に対応することができる。第1曲線(ダイヤ)は、海底及び係留されている設備間に連結した好適な係留部品の応答を示す。この場合、(係留脚の全長に対して)部品の長さが増加するに伴い、ピーク負荷が低下している。(この場合に)弾性要素が全長の約35%を超えると、負荷が最小化される。これは、設備の軌道運動と同じである。第2曲線(四角)は、フロートに連結され、かつロープ連結により係留されている設備に連結した好適な係留部品の応答を示す。この場合、ロープが軌道運動を可能にするため、部品の最小長さは遥かに小さいが、ピーク負荷がより大きく、占有面積が大幅に拡大する。最後の曲線(三角)は、係留されている設備に直接的に連結したカテナリチェーンに作用する負荷を示す。この場合にチェーンは、全長に占める割合が常に100%であり、海底に沿って数百メートルに亘って延在するため、アンカー地点において垂直方向負荷が作用することはない。このようなカテナリ係留システムにおける負荷は常に大きい。
図21aは、複数本の合成係留索又は鋼製チェーン5が海底に固定された、船舶3用の従来のカテナリ係留システムを示す。図示のように、索又はチェーンは、水深の変化に対処すると共に、必要な負荷を海底表面に沿ってもたらすために、例えば2kmまでの長さとしなくてはならない。チェーン5の長さは、十分な重量を提供することにより、例えば5mと比較的小波であっても、重量船舶が移動するときの水平方向力に耐える必要がある。図21bは、上述した何れかの実施形態における部品2を、船舶3及び固定された係留索5’間に連結した状態で備える係留システムを示す。このシステムにおけるライン5’は、大幅に短縮することができる。これは、部品2により、大きな伸長が可能になると共に、負荷が低減されている複合的な応力・歪み曲線が実現するからである。弾性部品2により、係留システムにおける垂直方向力を一定のレベルにまで低減することもできる。そのため、チェーンを海底に沿って敷設する代わりに、アンカーを海底に直接的に連結することができる。
図22及び図23は、例えばPelamis Wave Power Limited社が市販しているアッテネータ式の波力エネルギ変換(WEC)設備用とした公開される係留構造を示す。この設備は、半没水型の連結式構造体であり、ヒンジ式連結部で連結される円筒状のセクションで構成されるものである。波に誘発されるこれら連結部の運動は、水撃ポンプにより電気に変換される。最新の生産設備は、150〜180mの長さ及び4〜6mの直径を有する。各設備は、個別の多点係留方式(mooring spread)を必要とし、この多点係留方式は、主係留部分及びヨーイング抑制索で構成される。主係留部分は、中心点に連結された複数個のアンカーで構成される。ヨーイング抑制索は、単一で単純なアンカー及び係留索で構成される。多点係留方式は、占有面積を最小化する設計とするのが望ましく、これにより海底面積に対する電力容量の最大限の集中と共に、インフラコストの低減化が可能になる。
図22a及び図22bに示すように、鋼製チェーンなど従来のカテナリ係留索5を使用した場合、設備の占有面積の最小化は困難である。これは、設備が波動運動及び/又は潮汐運動に反応できるよう、大量のチェーンが海底から持ち上げられる必要が生じるからである。これに対して、図23a及び23bに示す係留システムは、上述した本発明の実施形態に係る1個以上の弾性係留部品2を、例えば設備及びアンカー索5’間に連結した状態で備える。係留部品2は、100%以上、場合によっては250%まで伸長可能であるため、係留システムの占有面積は遥かに小さい。このことにより、複数の設備を互いにアレイ状に連結することが容易になる。例えば、初期段階で18mの伸長長さを有する係留部品は、5MNの力に耐えつつ、30〜40mの伸長を可能にする。更に、係留システムに作用する負荷力は、弾性要素を鋼製カテナリ索の代わりに使用すれば、70%低減され得る。
以上の記載から、本発明に係る係留部品及び係留システムは、小さな範囲を有利に提供できることは言うまでもない。即ち、深度に対する大波での波高の変化を許容する。本発明に係る係留部品及び係留システムは更に、水平方向への運動領域のみならず、係留されている設備における海底の占有面積も縮小することができる。また、係留部品における複合的な応力・歪み応答は、設備の係留地点において予想される海況に応じて最適化することができるため、通常の条件下における係留部品は、ほぼ一定の対抗力を発揮するが、過酷な条件下における応答は、スムーズに増加すると共に、大きな対抗力及び大きな伸長率(例えば10m/s超)を示し、激しい海況下における保護を可能にする。更に、当該係留部品は、使用される弾性材料により、海水中で長寿命及び低疲労とすることができる。
本発明は好適な実施形態に関連して説明してきたが、添付されている特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨内で、構成及び細部に関して種々の変更を加え得ることは当業者にとって自明のことである。

Claims (28)

  1. 少なくとも1個の伸長要素と、少なくとも1個の圧縮要素とを備える係留部品であり、前記伸長要素及び前記圧縮要素は何れも、引張り応力に応答して歪みを生じるよう並列に配置され、少なくとも1個の前記伸長要素及び少なくとも1個の前記圧縮要素は、弾性材料で形成されており、
    前記係留部品における応力・歪み応答は、複数個の異なる前記弾性要素における応答を組み合わせた複合的な弾性応答であり、
    少なくとも1個の前記圧縮要素は、1個以上の伸長要素よりも大きな弾性係数を有する弾性材料を含む係留部品。
  2. 請求項1に記載の係留部品であって、少なくとも1個の前記伸長要素及び少なくとも1個の前記圧縮要素は、並列に配置されて引張り応力に応答する係留部品。
  3. 請求項1又は2に記載の係留部品であって、生じた引張り応力に対して伸長応答を示すよう配置された少なくとも1個、2個、3個、4個、5個又は6個以上の弾性要素を備える係留部品。
  4. 請求項1〜の何れか一項に記載の係留部品であって、生じた引張り応力に対して圧縮応答を示すよう配置された少なくとも1個、2個又は3個以上の弾性要素を備える係留部品。
  5. 請求項1〜の何れか一項に記載の係留部品であって、少なくとも1個の伸長要素は、少なくとも75%,100%,150%,200%又は250%以上の伸長が可能な弾性材料で形成されている係留部品。
  6. 請求項1〜の何れか一項に記載の係留部品であって、(i)5〜10m,(ii)10〜15m,(iii)15〜20m,(iv)20〜25m又は(v)25〜30mの伸長長さLを有する係留部品。
  7. 請求項1〜の何れか一項に記載の係留部品であって、該係留部品の伸長長さに等しい長さLを有する少なくとも1個の伸長要素と、L未満の長さL’を有する少なくとも1個の圧縮要素とを備える係留部品。
  8. 請求項に記載の係留部品であって、少なくとも1個の伸長要素は、(i)4〜6 m,(ii)6〜8m,(iii)8〜10m,(iv)10〜12m,(v)12〜14m,(vi)14〜16m,(vii)16〜18 m,(viii)18〜20m又は(ix)20m超のひとつより選択された長さLを有する係留部品。
  9. 請求項又はに記載の係留部品であって、少なくとも1個の前記圧縮要素は、(i)1〜2m,(ii)2〜4 m,(iii)4〜6 m,(iv)6〜8m,(v)8〜10m,(vi)10〜12m又は(vii)12〜14mのひとつより選択されたL未満の長さL’を有する係留部品。
  10. 請求項1〜の何れか一項に記載の係留部品であって、少なくとも1個の前記圧縮要素は、少なくとも1MPa,2MPa,3MPa,4MPa,5MPa又は6MPa以上の弾性係数を有する弾性材料を含む係留部品。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載の係留部品であって、少なくとも1個の前記圧縮要素は、前記係留部品において作動連結されていることにより、前記係留部品の伸長が少なくとも50%,100%,200%,250%又は300%以上のときにのみ歪みを生じる係留部品。
  12. 請求項1〜11の何れか一項に記載の係留部品であって、(i)20〜30%,(ii)30〜40%,(iii)40〜50%,(iv)50〜60%,(v)60〜70%,(vi)70〜80%,(vii)80〜90%,(viii)90〜100%,(ix)100〜110%,(x)110〜120%,(xi)120〜130%,(xii)130〜140%,(xiii)140〜150%,(xiv)150〜160%,(xv)160〜170%,(xvi)170〜180%,(xvii)180〜190%及び(xviii)190〜200%の1つ以上の範囲の伸長に対して基本的に一定の復元力を発揮する係留部品。
  13. 請求項1〜12の何れか一項に記載の係留部品であって、100%,120%,140%,160%,180%,200%,220%,240%又は250%を超える伸長に対して、復元力の増加を含む複合的で可逆的かつ非線形的な応力・歪み応答を示す係留部品。
  14. 請求項1〜13の何れか一項に記載の係留部品であって、少なくとも1個の伸長要素は、長さ及び/若しくは厚さが異なり、並びに/又は、異なる弾性材料で形成された複数個の変形可能な異なる弾性要素を含む係留部品。
  15. 請求項1〜14の何れか一項に記載の係留部品であって、少なくとも1個の前記圧縮要素は、少なくとも10MPa,15MPa,20MPa,25MPa又は30MPa以上の弾性係数を有する係留部品。
  16. 請求項1〜15の何れか一項に記載の係留部品であって、少なくとも1個の前記圧縮要素は、1個以上の前記伸長要素に対して並列に連結されている係留部品。
  17. 請求項1〜16の何れか一項に記載の係留部品であって、少なくとも1個の前記圧縮要素は、弾性材料で形成された円筒かつ波形状又はベローズ状の部材を含む係留部品。
  18. 請求項17に記載の係留部品であって、少なくとも1個の前記圧縮要素は、中空管状で側壁の周囲にベローズを有する係留部品。
  19. 請求項17又は18に記載の係留部品であって、前記円筒かつ波形状又はベローズ状部材は、(i)0.5m未満,(ii)0.5〜1m,(iii)1〜2m,(iv)2〜3m,(v)3〜4m,(vi)4〜5m又は(vii)5m超のひとつより選択された長さL’を有する係留部品。
  20. 請求項1719の何れか一項に記載の係留部品であって、前記円筒かつ波形状又はベローズ状部材は、(i)0.1m未満,(ii)0.1〜0.2m,(iii)0.2〜0.4m,(iv)0.4〜0.6m,(v)0.6〜0.8m,(vi)0.8〜1.0m,(vii)1.0〜1.2m,(viii)1.2〜1.4m,(ix)1.4〜1.6m,(x)1.6〜1.8 m,(xi)1.8〜2.0m又は(xii)2.0m超のひとつより選択された直径を有する係留部品。
  21. 請求項1720の何れか一項に記載の係留部品であって、少なくとも1個の前記圧縮要素は、熱可塑性エラストマ材料で形成されている係留部品。
  22. 請求項21に記載の係留部品であって、熱可塑性材料は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマ(TPO)、スチレン熱可塑性エラストマ(TPS)又は熱可塑性ポリアミドブロックコポリマ(TPA)のひとつである係留部品。
  23. 請求項21に記載の係留部品であって、前記熱可塑性材料は、熱可塑性コポリエーテルエステルエラストマである係留部品。
  24. 請求項1〜23の何れか一項に記載の係留部品であって、1個以上の前記要素によって、取り付け手段が前記係留部品の端部に一体的に設けられている係留部品。
  25. 請求項24に記載の係留部品であって、1個以上の伸長要素は、一体的に形成された端部コネクタを含む係留部品。
  26. 請求項1〜25の何れか一項に記載の1個以上の係留部品を備える係留システムであって、前記係留部品は、浮体と海底との間に直接的又は間接的に連結されている係留システム。
  27. 請求項1〜25の何れか一項に記載の1個以上の係留部品を備える係留システムであって、前記係留部品は、2個以上の浮体間に直接的又は間接的に連結されている係留システム。
  28. 深海係留システム用の係留部品の製造方法であって、
    係留すべき物体及び該物体を係留すべき地点を特定するステップと、
    前記物体に作用すると予想される前記地点での環境負荷を決定するステップと、
    前記係留部品に作用する係留力を望ましい程度に緩和しつつ、前記予想される環境負荷に応答するために、前記係留部品に求められる応力・歪み応答を決定するステップと、
    前記係留部品を、少なくとも1個の伸長弾性要素及び前記少なくとも1個の伸長弾性要素よりも大きな弾性係数を有する弾性材料を含む少なくとも1個の圧縮弾性要素で形成し、その際に、前記伸長弾性要素及び前記圧縮弾性要素が引張り応力に応答して歪みを生じるよう並列に配置することにより、前記係留部品に求められる応答が、複合的で可逆的かつ非線形的な応力・歪み応答、即ちそれぞれの前記要素を組み合わせた応答を示すと共に、前記係留部品に作用する係留力が所望の程度に緩和されるステップとを含む製造方法。
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