JP6226297B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板を処理する基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
半導体装置の製造工程では、半導体ウエハ等の基板の表面が処理液で処理される。基板を一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置は、基板をほぼ水平に保持しつつ、その基板を回転させるスピンチャックと、このスピンチャックによって回転される基板の表面に処理液を供給するためのノズルとを備えている。
スピンチャックに保持された基板に対して薬液が供給される。その後、リンス液が基板に供給される。これにより、基板上の薬液がリンス液に置換される。その後、基板上のリンス液を排除するためのスピンドライ工程が行われる。スピンドライ工程では、基板が高速回転されることにより、基板に付着しているリンス液が振り切られて除去(乾燥)される。
このようなスピンドライ工程では、基板に形成されたパターンの内部に入り込んだリンス液を十分に除去できない結果、乾燥不良が生じるおそれがある。そのため、たとえば特許文献1に記載されているように、リンス処理後の基板の表面に、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol:IPA)液等の有機溶剤の液体を供給して、パターンの内部に入り込んだリンス液を有機溶剤の液体に置換し、基板の表面を乾燥させる手法が提案されている。
特開平9−38595号公報
図26に示すように、基板の高速回転により基板を乾燥させるスピンドライ工程では、液面(気液の界面)がパターン内に形成される。表面張力は、液面とパターンとの接触位置(気体、液体、および固体の界面)に働く。表面張力は、パターン倒壊を発生させる原因の一つである。
特許文献1のように、スピンドライ工程の前に有機溶剤の液体を基板に供給する場合には、表面張力の低い有機溶剤の液体がパターン間に存在するので、基板の乾燥時にパターンに加わる力が低下する結果、パターン倒壊を防止できると考えられている。
しかしながら、近年、高集積化のために、微細で高アスペクト比の微細パターン(凸状パターン、ライン状のパターンなど)が基板に表面に形成されている。微細で高アスペクト比の微細パターンは強度が低いので、スピンドライ工程の前に有機溶剤の液体を基板の表面に供給するだけでは、このような微細パターンの倒壊を十分に抑制できないおそれがある。
そこで、本発明の目的は、パターンの倒壊を抑制または防止しつつ、基板の表面を良好に乾燥させることができる、基板処理装置を提供することである。
前記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、基板を水平に保持する基板保持手段と、前記基板保持手段に保持されている基板の上面に処理液を供給することにより、基板の上面全域を覆う処理液の液膜を形成する処理液供給手段と、前記基板保持手段に保持されている基板を、基板の上面全域が処理液の液膜で覆われている状態で、処理液の沸点以上の温度で加熱することにより、処理液を蒸発させて、処理液の液膜と基板の上面との間に気相を形成する加熱手段と、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が介在している状態で前記基板保持手段に保持されている基板上の処理液の液膜の周縁部に接触する外方誘導面を含み、前記外方誘導面と処理液の液膜との接触により、処理液を基板の上面から基板の周囲に誘導する誘導部材とを含む、基板処理装置である。基板の上面にパターンが形成されている場合、基板の上面は、母材(たとえば、シリコンウエハ)の上面と、パターンの表面とを含む。
この構成によれば、水平に保持されている基板の上面に処理液が供給され、基板の上面全域を覆う処理液の液膜が形成される。その後、処理液の沸点以上の温度で基板が加熱され、基板の温度が処理液の沸点以上の値に達する。これにより、処理液と基板の上面との界面で処理液が蒸発し、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が形成される。このとき、処理液の液膜は基板の上面から浮上するので、基板上の処理液の液膜に働く摩擦抵抗は、零と見なせるほど小さい。そのため、処理液の液膜は、基板の上面に沿って滑り易い状態にある。
誘導部材の外方誘導面は、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が介在している状態で基板上の処理液の液膜の周縁部に接触する。外方誘導面に接触した処理液は、誘導部材を伝って基板の周囲に排出される。この誘導部材と液膜との接触をきっかけに、基板の周縁部に向かう外向きの流れが処理液の液膜に形成され、基板上の処理液の液膜が多数の小滴に分裂することなく、塊のまま基板から排除される。これにより、処理液の液膜を基板から素早く短時間で排除できる。
高速回転により基板を乾燥させるスピンドライ工程では、隣接する2つの構造物に跨る液面(気液の界面)が形成される。パターンを倒壊させる表面張力は、液面とパターンとの接触位置(気体、液体、および固体の界面)に働く。これに対して、本発明では、基板の温度が処理液の沸点以上であるので、処理液が基板の上面に接触したとしても、この液体は直ぐに蒸発する。そのため、スピンドライ工程のときのような液面が形成されず、パターンを倒壊させる表面張力がパターンに加わらない。したがって、パターン倒壊の発生を低減できる。
さらに、基板上で液膜を蒸発させると、ウォーターマークやパーティクル等の欠陥が発生するおそれがある。これに対して、本発明では、液膜を基板に対して移動させることにより排除する。したがって、ウォーターマークやパーティクル等の発生を低減できる。特に、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が介在しており、処理液の液膜が基板の上面に沿って滑り易い状態にあるので、素早く短時間で液膜を排除できる。これにより、基板の上面が処理液の液膜から部分的に露出している時間を低減できるので、より均一な処理を基板に施すことができる。
請求項2に記載の発明は、前記誘導部材は、等間隔で基板の周方向に配列された複数の外方誘導面を含む、請求項1に記載の基板処理装置である。
外方誘導面が基板上の処理液の液膜に接触すると、基板上の処理液を外方に誘導する力が基板上の処理液の液膜に加わる。複数の外方誘導面が基板の周方向に等間隔で配列されているので、複数の外方誘導面は、基板の周方向に等間隔で離れた複数の位置で、基板上の処理液の液膜に接触する。したがって、基板上の処理液の液膜は、複数の外方誘導面によって均一に外方に誘導される。そのため、基板上の処理液の液膜を偏りなく基板から排除できる。
請求項3に記載の発明は、前記外方誘導面は、基板の周縁部に沿って延びる環状または円弧状である、請求項1または2に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、外方誘導面が基板の周縁部に沿って延びているので、外方誘導面と液膜との接触面積を増加させることができる。これにより、基板上の処理液を外方に誘導する力を増加させることができる。
請求項4に記載の発明は、前記外方誘導面は、基板の全周にわたって連続した環状である、請求項3に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、外方誘導面が基板の全周にわたって連続しているので、外方誘導面と液膜との接触面積をさらに増加させることができる。これにより、基板上の処理液を外方に誘導する力をさらに増加させることができる。さらに、環状の外方誘導面が液膜の周縁部の全周に接触するので、基板上の処理液の液膜は、環状の外方誘導面によって均一に外方に誘導される。そのため、基板上の処理液の液膜を偏りなく基板から排除できる。
請求項5に記載の発明は、前記基板処理装置は、前記基板保持手段に保持されている基板の上面に対向する対向面を有する対向部材をさらに含み、前記誘導部材は、前記対向面から下方に突出している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置である。基板が円板状である場合、対向面は、基板の外径よりも大きい外径を有していることが好ましい。また、対向面は、基板の上面と平行であることが好ましい。
この構成によれば、対向部材の対向面によって基板の上面が覆われる。この状態で、基板上の処理液の液膜が、誘導部材によって外方に誘導される。したがって、基板の上面の露出部分を対向部材で保護しながら、基板上の処理液の液膜を基板から排除できる。
請求項6に記載の発明は、前記基板保持手段は、基板の周縁部に押し付けられる可動把持部を含む可動ピンと、前記可動把持部が基板の周縁部に押し付けられる閉位置と前記可動把持部が基板の周縁部から離れる開位置との間で前記可動ピンを移動させるチャック開閉ユニットとを含み、前記基板処理装置は、前記可動ピンが前記開位置に位置している状態で、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が形成されるように、前記チャック開閉ユニットおよび加熱手段を制御する制御装置をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、可動把持部が基板の周縁部から離れている状態で、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が形成される。基板の上面から浮上している処理液の液膜は、基板の上面に沿って滑り易い状態にある。処理液の液膜が浮上したときに可動把持部が基板の周縁部から離れているので、処理液の液膜が可動把持部との接触により意図せず基板から排除されることを防止できる。
請求項7に記載の発明は、前記基板保持手段は、基板の周縁部に押し付けられる可動把持部を含む可動ピンと、前記可動ピンを移動させるチャック開閉ユニットとを含み、前記誘導部材は、前記可動ピンに設けられており、前記チャック開閉ユニットは、前記可動把持部が基板の周縁部に押し付けられると共に、前記外方誘導面が基板上の処理液の液膜から離れる閉位置と、前記可動把持部が基板の周縁部から離れると共に、前記外方誘導面が基板上の処理液の液膜に接触する開位置との間で、前記可動ピンを移動させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、可動把持部および外方誘導面が、可動ピンに設けられている。可動把持部および外方誘導面は、可動ピンの互いに異なる位置に配置されている。したがって、可動ピンの位置を変えることにより、可動把持部および外方誘導面を使い分けることができる。さらに、可動把持部および外方誘導面が共通の部材に設けられているので、部品点数を減らすことができる。さらに、可動把持部を移動させるユニットと、外方誘導面を移動させるユニットとを共用することもできる。
請求項8に記載の発明は、前記基板保持手段は、基板の周縁部に押し付けられる可動把持部を含む可動ピンと、前記可動ピンを移動させるチャック開閉ユニットとを含み、前記外方誘導面は、前記可動把持部に設けられており、前記チャック開閉ユニットは、前記可動把持部が基板の周縁部に押し付けられると共に、前記外方誘導面が基板上の処理液の液膜に接触する閉位置と、前記可動把持部が基板の周縁部から離れると共に、前記外方誘導面が基板上の処理液の液膜から離れる開位置との間で、前記可動ピンを移動させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、外方誘導面が可動把持部の一部を構成している。可動ピンが閉位置に配置されると、可動把持部が基板の周縁部に押し付けられると共に、外方誘導面が基板上の処理液の液膜に接触する。したがって、外方誘導面が基板上の処理液の液膜に接触する誘導位置を、閉位置とは別に設けなくてもよい。そのため、可動ピンや可動ピンを移動させるユニット(チャック開閉ユニット)の構造を簡素化できる。
請求項9に記載の発明は、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が形成されている状態で、前記基板保持手段に保持されている基板の上面に向けて気体を吐出することにより、処理液が排除された乾燥領域を基板の上面の一部の領域に形成する気体吐出手段をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が形成されている状態で、基板の上面の一部の領域である吹き付け位置に気体が吹き付けられる。吹き付け位置にある処理液は、気体の供給によってその周囲に押し退けられる。これにより、吹き付け位置に乾燥領域が形成される。さらに、処理液が気体の供給によって吹き付け位置からその周囲に移動するので、基板の周縁部に向かう外向きの流れが処理液の液膜に形成される。したがって、気体の供給と誘導部材とを併用することにより、基板上の処理液の液膜を基板から素早く短時間で排除できる。
請求項10に記載の発明は、前記気体吐出手段は、前記基板保持手段に保持されている基板の上面に沿って前記誘導部材に向かって流れる気流を形成する、請求項9に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板の上面に向けて気体が吐出される。これにより、基板の上面の一部から処理液が排除され、乾燥領域が基板の上面に形成される。その結果、誘導部材に向かう流れが処理液の液膜に形成される。さらに、気体が基板の上面に沿って誘導部材に向かって流れるので、誘導部材に向かう処理液の流れが、基板の上面に沿って誘導部材に向かう気流によって促進される。したがって、基板上の処理液の液膜を効率的に排除できる。そのため、液膜の排除に要する時間を短縮できる。
請求項11に記載の発明は、前記誘導部材に向けて気体を吐出する液残り防止手段をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、誘導部材に向けて吐出された気体によって、誘導部材に付着している液体が吹き飛ばされる。そのため、誘導部材に付着している液体に起因するパーティクルの発生を低減できる。
請求項12に記載の発明は、前記加熱手段は、前記基板保持手段に保持されている基板の上面全域をそれぞれ独立した温度で加熱する複数のヒータを含み、前記基板処理装置は、前記加熱手段を制御する制御装置をさらに含み、前記制御装置は、前記基板保持手段に保持されている基板を、基板の上面全域が処理液の液膜で覆われている状態で、処理液の沸点以上の温度で均一に加熱することにより、処理液を蒸発させて、処理液の液膜と基板の上面との間に気相を形成する均一加熱工程と、前記均一加熱工程の後に、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が形成されている状態で、処理液の沸点以上の低温領域と前記低温領域よりも高温の高温領域とを基板の上面に形成する温度差発生工程とを実行する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、処理液の沸点以上の温度で基板が均一に加熱される。これにより、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が形成される。その後、互いに温度が異なる高温領域および低温領域が、基板の上面に形成される。そのため、処理液の液膜内に温度差が発生し、低温の方に移動する流れが処理液の液膜に形成される。したがって、温度差の発生と誘導部材とを併用することにより、基板上の処理液の液膜を基板から素早く短時間で排除できる。
請求項13に記載の発明は、前記制御装置は、前記温度差発生工程において、基板の上面中央部に高温領域を形成する、請求項12に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板の上面中央部を覆う処理液の液膜の中央部がその周囲の部分よりも高温になる。そのため、液膜の周縁部に向かう放射状の流れが、処理液の液膜に形成される。したがって、温度差の発生と誘導部材とを併用することにより、基板上の処理液の液膜を基板から素早く短時間で排除できる。さらに、高温領域が最初に形成される位置が基板の上面周縁部である場合よりも、処理液の液膜を排除する時間を短縮できる。
請求項14に記載の発明は、前記制御装置は、前記温度差発生工程において、基板の上面周縁部に高温領域を形成する、請求項12に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板の上面周縁部を覆う処理液の液膜の周縁部が液膜の他の部分よりも高温になる。そのため、液膜の周縁部に向かう流れが処理液の液膜に形成される。したがって、温度差の発生と誘導部材とを併用することにより、基板上の処理液の液膜を基板から素早く短時間で排除できる。
請求項15に記載の発明は、前記制御装置は、前記温度差発生工程の後に、前記低温領域と前記高温領域との境界を前記低温領域の方に移動させる境界移動工程をさらに実行する、請求項12〜14のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、処理液の液膜内に温度差が発生するので、低温の方に移動する流れが処理液の液膜に形成される。さらに、低温領域と高温領域との境界を低温領域に方に移動させるので、液膜内において低温の方に移動する流れが促進される。これにより、基板上の処理液の液膜を効率的に排除できる。
請求項16に記載の発明は、前記処理液供給手段によって基板に供給される処理液は、水よりも表面張力が小さく、水よりも沸点が低い液体である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板に供給される液体の表面張力が小さいので、隣接する2つの構造物に跨る液面が、一時的に形成されたとしても、パターンに加わる表面張力が小さい。したがって、パターン倒壊の発生を低減できる。さらに、蒸発し易い液体が基板に供給されるので、加熱手段の温度を抑えながら、処理液の液膜と基板の上面との間に気相を形成できる。
請求項17に記載の発明は、前記基板処理装置は、前記基板保持手段を収容する開閉可能なインナーチャンバーと、前記インナーチャンバーを収容するアウターチャンバーとを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板保持手段を収容するインナーチャンバーが、アウターチャンバー内に配置されている。インナーチャンバーが開閉可能なので、インナーチャンバーの内部をインナーチャンバーを除くアウターチャンバーの内部から必要に応じて隔離できる。したがって、インナーチャンバーおよびアウターチャンバーにより二重に覆われた密閉度の高い空間を必要に応じて形成できる。そのため、密閉度の高い空間内で基板の加熱などの処理を実施できる。さらに、インナーチャンバーを開けば、気体または液体を吐出するノズルをインナーチャンバーの中とインナーチャンバーの外との間で行き来させることができるので、このようなノズルをインナーチャンバー内に配置しなくてもよい。したがって、インナーチャンバーの大型化を抑制または防止できる。
請求項18に記載の発明は、前記基板処理装置は、前記インナーチャンバーの内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段をさらに含む、請求項17に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板保持手段を収容するインナーチャンバーの内部に不活性ガスを供給するので、インナーチャンバー内の空気を不活性ガスに置換でき、インナーチャンバー内の酸素濃度を低減できる。したがって、ウォーターマークなどの酸素に起因する問題の発生を防止できる。
本発明の第1実施形態に係る基板処理装置を上から見た模式図である。 処理ユニットの内部を水平に見た模式図である。 第1保持ユニットおよび第2保持ユニットを示す平面図である。 可動ピンを示す平面図である。 誘導部材の断面を示す処理ユニットの一部の模式図である。 複数の誘導部材と基板との位置関係を示す平面図である。 固定ピンを水平に見た模式図である。 可動ピンおよびチャック開閉ユニットを水平に見た模式図である。 図8に示すIX−IX線に沿う断面図であり、可動ピンが閉位置に位置している状態を示している。 図8に示すIX−IX線に沿う断面図であり、可動ピンが開位置に位置している状態を示している。 処理ユニットによって行われる基板の処理の一例について説明するための工程図である。 IPAの液膜が浮上する前の状態を示す模式図である。 IPAの液膜が浮上した後の状態を示す模式図である。 IPAの液膜に割れまたは亀裂が発生した状態を示す模式図である。 IPAの液膜が基板の上面から浮上している状態を示す模式図である。 基板上のIPAの液膜が誘導部材によって誘導されている状態を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る誘導部材を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る処理ユニットの一部を示す模式図である。 本発明の第4実施形態に係る誘導部材および可動ピンを示す平面図であり、可動ピンが閉位置に位置している状態を示している。 本発明の第4実施形態に係る誘導部材および可動ピンを示す平面図であり、可動ピンが開位置に位置している状態を示している。 本発明の第5実施形態に係る誘導部材および可動ピンを示す鉛直断面図であり、可動ピンが閉位置に位置している状態を示している。 本発明の第6実施形態に係る有機溶剤排除工程を示す模式図である。 本発明の第7実施形態に係る有機溶剤排除工程を示す平面図である。 図20Aに示す基板を水平に見た模式図である。 本発明の第8実施形態に係る処理ユニットの一部を示す模式図である。 誘導部材に残留している液滴を気体で除去している状態を示す鉛直断面図である。 本発明の第9実施形態に係る有機溶剤排除工程を示す模式図であり、低温領域と高温領域とが基板の上面に形成されている状態を示している。 本発明の第9実施形態に係る有機溶剤排除工程において、高温領域を外方に拡大させている状態を示す模式図である。 本発明の第10実施形態に係る有機溶剤排除工程を示す模式図であり、低温領域と高温領域とが基板の上面に形成されている状態を示している。 図24Aに示す基板を上から見た模式図である。 本発明の第11実施形態に係る有機溶剤排除工程を示す模式図であり、基板の上方に配置された上方ヒータでIPAの液膜の中央部を加熱している状態を示している。 スピンドライ工程においてパターン内に形成される液面を示す基板の断面図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
基板処理装置1は、シリコンウエハなどの円板状の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。図1に示すように、基板処理装置1は、処理液で基板Wを処理する複数の処理ユニット2と、処理ユニット2で処理される複数枚の基板Wを収容するキャリアCが載置されるロードポートLPと、ロードポートLPと処理ユニット2との間で基板Wを搬送する搬送ロボットIRおよび搬送ロボットCRと、基板処理装置1を制御する制御装置3とを含む。
図2に示すように、処理ユニット2は、一枚の基板Wを水平な姿勢で保持しながら、基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させる第1保持ユニット15と、一枚の基板Wを水平な姿勢で保持しながら加熱する第2保持ユニット29とを含む。第1保持ユニット15および第2保持ユニット29は、基板保持手段の一例である。
図2に示すように、処理ユニット2は、さらに、第1保持ユニット15および第2保持ユニット29を収容する開閉可能なインナーチャンバー7と、回転軸線A1まわりにインナーチャンバー7を取り囲む筒状のカップ38と、インナーチャンバー7およびカップ38を収容するアウターチャンバー4とを含む。
図2に示すように、アウターチャンバー4は、第1保持ユニット15および第2保持ユニット29等を収容する箱形のチャンバー本体5と、チャンバー本体5に設けられた搬入・搬出口を開閉するシャッター6とを含む。図示はしないが、アウターチャンバー4は、さらに、搬入・搬出口が開かれる開位置と搬入・搬出口が閉じられる閉位置との間でシャッター6を移動させるシャッター開閉ユニットを含む。
図2に示すように、インナーチャンバー7は、第1保持ユニット15および第2保持ユニット29を収容する有底筒状のチャンバー本体8と、チャンバー本体8の上端に設けられた開口を開閉する上蓋11と、チャンバー本体8の開口が開かれる上位置とチャンバー本体8の開口が上蓋11で閉じられる下位置との間で、上蓋11をアウターチャンバー4内で鉛直方向に昇降させる蓋昇降ユニット14とを含む。
図2に示すように、チャンバー本体8は、アウターチャンバー4の床面に沿って配置された円板状の底壁部9と、底壁部9の外周部から上方に延びる円筒状の下周壁部10とを含む。上蓋11は、チャンバー本体8の上方で水平な姿勢に保持された円板状の上壁部12と、上壁部12の外周部から下方に延びる円筒状の上周壁部13とを含む。上蓋11の上壁部12は、第1保持ユニット15および第2保持ユニット29の上方に配置されている。チャンバー本体8の下周壁部10は、第1保持ユニット15および第2保持ユニット29を取り囲んでいる。上蓋11の上周壁部13は、チャンバー本体8の下周壁部10の上方に配置されている。チャンバー本体8は、チャンバー本体8内から排出された液体を案内する排液配管(図示せず)に接続されている。
図2および図5に示すように、蓋昇降ユニット14は、上位置(図2に示す位置)と下位置(図5に示す位置)との間で上蓋11を鉛直方向に昇降させる。下位置は、チャンバー本体8の開口が閉じられる密閉位置である。上位置は、上蓋11がチャンバー本体8から上方に退避した退避位置である。蓋昇降ユニット14が上蓋11を下位置に移動させると、上周壁部13の環状の下面が、下周壁部10の環状の上面に近づき、上周壁部13と下周壁部10との間の隙間が、上周壁部13に保持された環状のシール部材SL1によって密閉される。これにより、インナーチャンバー7の内部の密閉度が高まる。その一方で、蓋昇降ユニット14が上蓋11を上位置に移動させると、上周壁部13の環状の下面が、下周壁部10の環状の上面から上方に遠ざかり、上周壁部13の下面と下周壁部10の上面との間隔が、上周壁部13と下周壁部10との間にスキャンノズルが進入可能な大きさまで広がる。
図2に示すように、第1保持ユニット15は、基板Wを水平な姿勢で支持する複数本(たとえば、6本)の固定ピン16と、複数本の固定ピン16と協働して基板Wを水平な姿勢で把持する複数本(たとえば、3本)の可動ピン19とを含む。第1保持ユニット15は、さらに、複数本の固定ピン16と複数本の可動ピン19とを保持する支持リング23と、支持リング23に対して複数の可動ピン19を移動させるチャック開閉ユニット25と、回転軸線A1まわりに支持リング23を回転させるリング回転ユニット24とを含む。図示はしないが、リング回転ユニット24は、支持リング23と共に回転軸線A1まわりに回転するロータと、インナーチャンバー7のチャンバー本体8に保持されたステータとを含む。
図2に示すように、固定ピン16および可動ピン19は、支持リング23から上方に突出している。固定ピン16および可動ピン19は、支持リング23に保持されている。図3に示すように、6本の固定ピン16は、等間隔で周方向に配列されている。3本の可動ピン19は、周方向に連続して並ぶ3本の固定ピン16の近傍にそれぞれ配置されている。平面視で3本の可動ピン19を通る円弧の中心角は180度未満であり、3本の可動ピン19は、周方向に偏って配置されている。固定ピン16は、支持リング23に対して移動不能であり、可動ピン19は、支持リング23に対して移動可能である。支持リング23は、基板Wの外径よりも大きい外径を有している。支持リング23は、インナーチャンバー7のチャンバー本体8内に保持されている。
図7に示すように、固定ピン16は、基板Wの下面周縁部に接触することにより基板Wを水平な姿勢で支持する固定支持部17と、固定支持部17に支持されている基板Wの周縁部に押し付けられる固定把持部18とを含む。固定支持部17は、斜め下に内方に延びる支持面を含む。複数の固定ピン16は、固定支持部17と基板Wの下面周縁部との接触により、基板Wを水平な姿勢で保持する。複数の固定ピン16による基板Wの支持位置は、インナーチャンバー7の下周壁部10の上端よりも上方の位置である。
図4に示すように、可動ピン19は、上下方向に延びるシャフト部20と、シャフト部20に支持されたベース部21と、ベース部21から上方に突出する円柱状の可動把持部22とを含む。可動ピン19は、可動把持部22が基板Wの周縁部に押し付けられる閉位置(実線で示す位置)と、可動把持部22が基板Wから離れる開位置(二点鎖線で示す位置)との間で、鉛直なピン回動軸線A2(シャフト部20の中心線)まわりに支持リング23に対して移動可能である。複数の可動ピン19は、複数の固定ピン16の固定把持部18と協働して、基板Wを把持する。固定ピン16および可動ピン19による基板Wの把持位置は、複数の固定ピン16による基板Wの支持位置と同一の位置である。
チャック開閉ユニット25は、必要な場合だけ可動ピン19を閉位置から移動させる、常時閉のユニットである。図9Aおよび図9Bに示すように、チャック開閉ユニット25は、可動ピン19と共にピン回動軸線A2まわりに回動する可動磁石M1と、可動ピン19を閉位置に移動させる磁力を可動磁石M1に与える固定磁石M2とを含む。可動磁石M1および固定磁石M2は、いずれも永久磁石である。可動磁石M1および固定磁石M2は、可動ピン19を閉位置に移動させるクローズユニットに相当する。
可動磁石M1は、可動ピン19に保持されており、支持リング23に対して移動可能である。固定磁石M2は、支持リング23に固定されており、支持リング23に対して移動不能である。可動ピン19は、可動磁石M1および固定磁石M2の間で働く斥力または引力によって、閉位置の方向に付勢されている。したがって、可動磁石M1および固定磁石M2の間で働く磁力以外の力が、可動ピン19に加わらない場合、可動ピン19は閉位置に配置される。
図9Aおよび図9Bに示すように、チャック開閉ユニット25は、可動ピン19と共にピン回動軸線A2まわりに回動する2つの被操作片26と、可動ピン19を開位置に移動させる動力を発生するレバー操作ユニット27と、レバー操作ユニット27の動力を2つの被操作片26の一方に伝達する操作レバー28とを含む。被操作片26、レバー操作ユニット27、および操作レバー28は、可動ピン19を開位置に移動させるオープンユニットに相当する。
図9Aおよび図9Bに示すように、2つの被操作片26は、重量の偏りを低減するために、ピン回動軸線A2に関して180度反対側に配置されている。図示はしないが、レバー操作ユニット27は、たとえば、ホットプレート30に保持されたシリンダ本体と、シリンダ本体に対して移動可能なロッドとを含む、エアシリンダである。操作レバー28は、ロッドに取り付けられている。レバー操作ユニット27および操作レバー28は、ホットプレート30と共に鉛直方向に昇降する。
図8に示すように、操作レバー28の先端部は、ホットプレート30から外方(回転軸線A1から離れる方向)に延びている。操作レバー28の先端部は、被操作片26に水平に対向した状態で被操作片26を押圧することにより被操作片26を回動させて、可動ピン19を閉位置から開位置に移動させる。後述するように、ホットプレート30は第1基板受け渡し工程(ステップS7)から第2基板受け渡し工程(ステップS10)にかけて上下方向に移動し、それに伴って操作レバー28の先端部分も上下方向に移動する。操作レバー28の先端部分がこのように上下方向に移動しても、操作レバー28の先端部が被操作片26と常に当接可能となるように、操作レバー28の先端部と被操作片26とは上下方向に十分な厚みを有している。
可動ピン19を開位置に移動させる場合、図9Bに示すように、制御装置3は、操作レバー28の先端部が一方の被操作片26に水平に対向するように、支持リング23の回転角とホットプレート30の高さとを制御する。操作レバー28の先端部が一方の被操作片26に水平に対向している状態で、操作レバー28が外方に移動すると、図9Bに示すように、一方の被操作片26が操作レバー28に押され、可動ピン19が開位置の方に移動する。これにより、可動ピン19が閉位置から開位置に移動する。
搬送ロボットCRは、ハンドH(図1参照)によって下から支持している基板Wを複数の固定ピン16の固定支持部17に置き、複数の固定ピン16の固定支持部17に支持されている基板WをハンドHで下からすくい上げる。基板Wが複数の固定ピン16に支持されている状態で、可動ピン19が開位置から閉位置に移動すると、可動ピン19の可動把持部22が基板Wの周縁部に押し付けられ、可動ピン19とは反対側に基板Wが水平に移動する。これにより、可動ピン19とは反対側の位置において基板Wの周縁部が固定ピン16の固定把持部18に押し付けられ、基板Wが、固定ピン16と可動ピン19とによって把持される。そのため、基板Wが水平な姿勢で強固に保持される。
図2に示すように、第2保持ユニット29は、基板Wを水平な姿勢で支持する支持プレートとしてのホットプレート30と、ホットプレート30を支持する支持テーブル34と、支持テーブル34を鉛直方向に移動させることによりホットプレート30を鉛直方向に昇降させるプレート昇降ユニット37とを含む。
図2に示すように、ホットプレート30は、水平で平坦な円形の上面31aを有するプレート本体31と、基板Wの下面がプレート本体31の上面31aに近接した状態で基板Wをプレート本体31の上方で支持する複数の支持ピン32と、複数の支持ピン32に保持されている基板Wをその下方から室温(たとえば、20〜30℃)よりも高い温度で加熱する複数のヒータ33とを含む。複数のヒータ33は、加熱手段の一例である。
図3に示すように、プレート本体31は、基板Wの外径よりも小さい(たとえば、6mm小さい)外径を有している。プレート本体31は、支持リング23の内側の空間を上下方向に通過可能である。支持ピン32は、プレート本体31の上面31aから上方に突出する半球状の突出部を含む。複数の支持ピン32は、各突出部と基板Wの下面との点接触により、基板Wの下面とプレート本体31の上面31aとが平行または略平行な状態で、基板Wをプレート本体31の上方で支持する。
支持ピン32は、プレート本体31と一体であってもよいし、プレート本体31とは別の部材であってもよい。また、各支持ピン32の高さは、一定であってもよいし、異なっていてもよい。基板Wに反りが生じるとき、その反り方(中央部が上に凸か下に凸か)は、既に行われた基板Wの処理に基づいてある程度予想できる場合がある。そのため、基板Wが複数の支持ピン32に均一に支持されるように、基板Wの反りに合わせて各支持ピン32の高さが予め調整されてもよい。
図3に示すように、複数のヒータ33は、プレート本体31の内部に配置されている。複数のヒータ33は、プレート本体31の上面31a全域を加熱する。複数のヒータ33は、基板Wの上面の複数の領域を領域ごとに独立した温度で個別に加熱する。したがって、制御装置3は、複数のヒータ33を制御することにより、プレート本体31の上面31a全域を均一な温度で加熱したり、プレート本体31の上面31aに温度差を発生させたりすることができる。ヒータ33は、プレート本体31の上面31a中央部を加熱する中央ヒータと、プレート本体31の上面31a中央部を取り囲む環状の上面中間部を加熱する中間ヒータと、プレート本体31の上面31a中間部を取り囲む環状の上面周縁部を加熱する周縁ヒータとを含む。
図2に示すように、複数の支持ピン32は、基板Wの下面がたとえば0.1mm程度の間隔を空けてプレート本体31の上面31aに対向するように、基板Wをプレート本体31の上方で支持する。ヒータ33の熱は、プレート本体31の上面31aに伝達される。ヒータ33の熱は、基板Wとプレート本体31との間の空間を介して基板Wに伝達される。また、ヒータ33の熱は、基板Wの下面に点接触する支持ピン32を介して基板Wに伝達される。基板Wとプレート本体31とが近接しているので、基板Wの加熱効率の低下を抑えることができる。さらに、基板Wと支持ピン32との接触面積が小さいので、基板Wの温度の均一性の低下を抑えることができる。
基板Wの下面がプレート本体31の上面31aに面接触している場合、基板Wの下面とプレート本体31の上面31aとが上下方向に離れるときに、両者の間で負圧が発生し、基板Wがプレート本体31に吸着されることがある。この実施形態では、基板Wは、基板Wの下面がプレート本体31の上面31aから離れた状態で、複数の支持ピン32に支持される。したがって、このような現象の発生を抑制または防止できる。さらに、基板Wの下面がプレート本体31の上面31aから離れているので、プレート本体31の上面31aにある異物が基板Wに付着することを抑制または防止できる。
図2に示すように、支持テーブル34は、ホットプレート30を支持する円板状のテーブル部35と、テーブル部35の中央部から回転軸線A1に沿って下方に延びるシャフト部36とを含む。シャフト部36は、インナーチャンバー7の底壁部9を通ってインナーチャンバー7の中からインナーチャンバー7の外に延びている。支持テーブル34のシャフト部36とインナーチャンバー7の底壁部9との間の隙間は、環状のシール部材SL2によって密閉されている。プレート昇降ユニット37は、シャフト部36に接続されている。
処理ユニット2内部に搬入された基板Wは、最初、第1保持ユニット15の複数の固定ピン16に保持される。このとき、ホットプレート30は第1保持ユニット15よりも下方に退避している。その後、ホットプレート30が上昇する。ホットプレート30が上昇する過程で第1保持ユニット15からホットプレート30に基板Wが受け渡される。ホットプレート30がさらに上昇すると、基板Wは複数の固定ピン16による基板Wの支持位置より上方まで移動する。この状態からホットプレート30を下降させると、ホットプレート30から複数の固定ピン16に基板Wが受け渡される。このように基板Wはホットプレート30の昇降により、複数の固定ピン16とホットプレート30との間で相互に受け渡される。
図2および図5に示すように、プレート昇降ユニット37は、支持テーブル34を移動させることにより、上位置(図5に示す位置)と下位置(図2に示す位置)との間でホットプレート30を鉛直方向に昇降させる。上位置は、複数の固定ピン16による基板Wの支持位置が、ホットプレート30による基板Wの支持位置の上方に位置する高さである。下位置は、複数の固定ピン16による基板Wの支持位置が、ホットプレート30による基板Wの支持位置の下方に位置する高さである。下位置は、ホットプレート30が複数の固定ピン16による基板Wの支持位置よりも下方に退避した退避位置である。プレート昇降ユニット37は、上位置から下位置までの任意の高さにホットプレート30を位置させることができる。
図2および図5に示すように、第1保持ユニット15の複数の固定ピン16が基板Wを支持している状態(基板Wの把持が解除されている状態)で、プレート昇降ユニット37がホットプレート30を基板Wの下面よりも上方の高さまで上昇させると、基板Wは複数の固定ピン16からホットプレート30に移動する。これとは反対に、ホットプレート30が基板Wを支持している状態で、プレート昇降ユニット37がホットプレート30を複数の固定ピン16よりも下方の高さまで下降させると、基板Wはホットプレート30から複数の固定ピン16に移動する。
図2に示すように、処理ユニット2は、ホットプレート30の上面中央部で開口する上向き吐出口40に気体を供給する下気体配管41と、下気体配管41に介装された下気体バルブ42と、下気体配管41から上向き吐出口40に供給される気体を加熱するインラインヒータとを含む。上向き吐出口40に供給される気体は、窒素ガスである。上向き吐出口40に供給される気体は、窒素ガスに限らず、アルゴンガスなどの窒素ガス以外の不活性ガスであってもよいし、乾燥空気または清浄空気であってもよい。上向き吐出口40に供給される気体の温度は、室温であってもよいし、室温よりも高くてもよい。
図2に示すように、処理ユニット2は、処理液または処理ガスを下方に吐出するスキャンノズルと、スキャンノズルが先端部に取り付けられたノズルアーム49と、ノズルアーム49を移動させるアーム揺動ユニット50とを含む。図2は、処理ユニット2が2つのスキャンノズル(薬液ノズル43およびリンス液ノズル46)を含む例を示している。薬液ノズル43は、薬液バルブ45が介装された薬液配管44に接続されている。リンス液ノズル46は、リンス液バルブ48が介装されたリンス液配管47に接続されている。
薬液ノズル43から吐出される薬液の例は、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液である。
リンス液ノズル46から吐出されるリンス液は、純水(脱イオン水:Deionzied Water)である。リンス液ノズル46から吐出されるリンス液は、純水に限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
アーム揺動ユニット50は、インナーチャンバー7のチャンバー本体8とインナーチャンバー7の上蓋11との間の空間を通じて、ノズルアーム49の先端部をインナーチャンバー7の内部とインナーチャンバー7の外部との間で移動させる。これにより、スキャンノズルから吐出された処理液が基板Wの上面に着液する処理位置と、スキャンノズルが基板Wの周囲に退避した退避位置との間で、スキャンノズルが水平に移動する。処理位置は、処理液が基板Wの上面中央部に着液する中央位置と、処理液が基板Wの上面周縁部に着液する周縁位置とを含む。
図2に示すように、処理ユニット2は、処理液または処理ガスを下方に吐出する固定ノズルを含む。図2は、処理ユニット2が3つの固定ノズル(上リンス液ノズル51、上溶剤ノズル54、および上気体ノズル57)を含む例を示している。上リンス液ノズル51、上溶剤ノズル54、および上気体ノズル57は、上蓋11に保持されており、上蓋11と共に鉛直方向に昇降する。上リンス液ノズル51、上溶剤ノズル54、および上気体ノズル57は、上蓋11の中央部を上下方向に貫通する貫通穴内に配置されている。上リンス液ノズル51は、上リンス液バルブ53が介装された上リンス液配管52に接続されている。上溶剤ノズル54は、上溶剤バルブ56が介装された上溶剤配管55に接続されている。上気体ノズル57は、上気体バルブ59が介装された上気体配管58に接続されている。
上リンス液ノズル51から吐出されるリンス液は、純水である。上リンス液ノズル51から吐出されるリンス液は、純水に限らず、前述の他のリンス液であってもよい。
上溶剤ノズル54から吐出される溶剤の液体は、室温のIPAの液体である。IPAの液体は、水よりも表面張力が小さく、水よりも沸点が低い低表面張力液の一例である。低表面張力液は、IPAに限らず、HFE(ハイドロフロロエーテル)の液体であってもよい。
上気体ノズル57に供給される気体は、室温の窒素ガスである。上気体ノズル57に供給される気体は、窒素ガスに限らず、アルゴンガスなどの窒素ガス以外の不活性ガスであってもよいし、乾燥空気または清浄空気であってもよい。また、上気体ノズル57に供給される気体の温度は、室温より高くてもよい。
図2に示すように、カップ38は、上位置(図2に示す位置)と下位置との間で鉛直方向に昇降可能である。上位置は、カップ38の上端がインナーチャンバー7の下周壁部10の上端とノズルアーム49との間の高さに位置する処理位置である。下位置は、カップ38の上端がインナーチャンバー7の下周壁部10の上端よりも下方に位置する退避位置である。処理ユニット2は、カップ38を上位置と下位置との間で鉛直方向に昇降させるカップ昇降ユニット(図示せず)を含む。上蓋11およびカップ38が上位置に位置している状態では、第1保持ユニット15に保持されている基板Wからその周囲に排出された処理液が、カップ38によって受け止められ、カップ38内に集められる。そして、カップ38内に集められた処理液は、図示しない回収装置または排液装置に送られる。
図6に示すように、処理ユニット2は、基板W上の液体を外方に誘導する複数(3つ以上。たとえば、4つ)の誘導部材60を含む。図5に示すように、誘導部材60は、上下方向に延びる第1部分61と、第1部分61から内方(回転軸線A1に向かう方向)に延びる第2部分62とを有する。誘導部材60は、上蓋11に保持されており、上蓋11と共に鉛直方向に昇降する。図6に示すように、複数の誘導部材60は、等間隔で基板Wの周方向に配列されている。誘導部材60の内端60iは、平面視で基板Wに重なる位置に配置されている。誘導部材60の外端60oは、平面視で基板Wに重ならない位置(基板Wの周囲)に配置されている。
以下、上蓋11が下位置にある状態を基準にして誘導部材60の説明を続ける。図5に示すように、誘導部材60は、間隔を空けて基板Wの上面および周縁部に対向する内面を有する。誘導部材60の内面は、斜め下に外方に延びる外方誘導面63と、外方誘導面63の外端63o(下端)から下方に鉛直に延びる下方誘導面64とを有する。外方誘導面63の内端63iの高さは、後述する有機溶剤加熱工程および有機溶剤排除工程時における基板Wの上面の平坦部分よりも上方に位置するような高さに設定されている。外方誘導面63の外端63oは、基板Wよりも外方に配置されている。外方誘導面63の外端63oの高さは、有機溶剤加熱工程および有機溶剤排除工程時における基板Wの上面よりも下方で、かつ、基板Wの下面よりも上方に配置されるような高さに設定されている。下方誘導面64の下端は、有機溶剤加熱工程および有機溶剤排除工程時における基板Wよりも下方に配置されている。
図11Aに示すように、処理ユニット2によって処理される基板Wは、たとえば、パターン形成面であるその表面(上面100)にパターン101が形成されたシリコンウエハである。
図11Aに示すように、パターン101は、凸形状(柱状)を有する構造物102が行列状に配置されたものであってもよい。この場合、構造物102の線幅W1はたとえば10nm〜45nm程度であり、隣接する構造物102間の隙間W2はたとえば10nm〜数μm程度である。
また、パターン101は、微細なトレンチにより形成されたライン状のパターンが、繰り返し並ぶものであってもよい。
また、パターン101は、薄膜に、複数の微細孔(ボイド(void)またはポア(pore))を設けることにより形成されていてもよい。
パターン101は、たとえば絶縁膜を含む。また、パターン101は、導体膜を含んでいてもよい。より具体的には、パターン101は、複数の膜を積層した積層膜により形成されていてもよい。積層膜は、絶縁膜と導体膜とを含んでいてもよい。パターン101は、単層膜で構成されるパターンであってもよい。絶縁膜は、シリコン酸化膜(SiO膜)やシリコン窒化膜(SiN膜)であってもよい。また、導体膜は、低抵抗化のための不純物を導入したアモルファスシリコン膜であってもよいし、金属膜(たとえば金属配線膜)であってもよい。
また、パターン101の膜厚T(図11A参照)は、たとえば、50nm〜5μm程度である。また、パターン101は、たとえば、アスペクト比(線幅W1に対する膜厚Tの比)が、たとえば、5〜500程度であってもよい(典型的には、5〜50程度である)。
次に、処理ユニット2によって行われる基板Wの処理の一例について説明する。以下では、図2および図10を参照する。処理ユニット2によって基板Wが処理されるときには、アウターチャンバー4内に基板Wを搬入する搬入工程(図10のステップS1)が行われる。
具体的には、制御装置3は、上蓋11、ノズルアーム49、およびカップ38を退避させた状態で、基板Wを保持している搬送ロボットCRのハンドHをアウターチャンバー4内に進入させる。そして、制御装置3は、ハンドHの上の基板Wが複数の固定ピン16の上に置かれるように、搬送ロボットCRを制御する。このとき、ホットプレート30は、基板Wの裏面(下面)に接触する高さから下方に離れているものの、チャック開閉ユニット25が可動ピン19を駆動可能な高さに配置されている。さらに、チャック開閉ユニット25は、可動ピン19を開位置に位置させている。制御装置3は、デバイス形成面である表面が上に向けられた状態で基板Wが複数の固定ピン16の上に置かれた後、搬送ロボットCRのハンドHをアウターチャンバー4内から退避させる。
制御装置3は、基板Wが複数の固定ピン16の固定支持部17の上に置かれた後、チャック開閉ユニット25によって可動ピン19を開位置から閉位置に移動させる。これにより、可動ピン19の可動把持部22が基板Wの周縁部に押し付けられると共に、固定ピン16の固定把持部18が基板Wの周縁部に押し付けられる。そのため、基板Wが固定ピン16および可動ピン19によって水平な姿勢で把持される。そして、制御装置3は、基板Wが把持された後、リング回転ユニット24に基板Wの回転を開始させる。さらに、制御装置3は、基板Wから排出された処理液をカップ38が受け止める上位置にカップ38を上昇させる。
次に、薬液を基板Wに供給する薬液供給工程(図10のステップS2)が行われる。
具体的には、制御装置3は、アーム揺動ユニット50を制御することにより上蓋11が上位置に退避し、ホットプレート30が基板Wから離れた状態で、ノズルアーム49を退避位置から処理位置に移動させる。これにより、薬液ノズル43は、インナーチャンバー7の下周壁部10とインナーチャンバー7の上周壁部13との間を通って、基板Wの上方に移動する。制御装置3は、薬液ノズル43を基板Wの上方に移動させた後、薬液バルブ45を開いて、回転している基板Wの上面に向けて薬液を薬液ノズル43に吐出させる。制御装置3は、この状態でアーム揺動ユニット50を制御することにより、基板Wの上面に対する薬液の着液位置を中央部と周縁部との間で移動させる。そして、薬液バルブ45が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、薬液バルブ45を閉じて、薬液の吐出を停止させる。
薬液ノズル43から吐出された薬液は、基板Wの上面に着液した後、遠心力によって基板Wの上面に沿って外方に流れる。そして、基板Wの周縁部からその周囲に飛散した薬液は、インナーチャンバー7の下周壁部10の上方を通過して、カップ38に受け止められる。薬液は、基板Wの上面全域に供給され、基板Wの上面全域を覆う液膜を形成する。さらに、制御装置3は、基板Wが回転している状態で、基板Wの上面に対する薬液の着液位置を中央部と周縁部との間で移動させるので、薬液の着液位置が、基板Wの上面全域を通過する。そのため、基板Wの上面が均一に薬液で処理される。
次に、リンス液の一例である純水を基板Wに供給する第1リンス液供給工程(図10のステップS3)が行われる。
具体的には、制御装置3は、ノズルアーム49に保持されているリンス液ノズル46が基板Wの上方に位置しており、ホットプレート30が基板Wから離れた状態で、リンス液バルブ48を開く。これにより、純水が、回転している基板Wの上面中央部に向けてリンス液ノズル46から吐出される。そのため、基板W上の薬液が純水によって洗い流され、基板Wの上面全域を覆う純水の液膜が形成される。そして、リンス液バルブ48が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、リンス液バルブ48を閉じて、純水の吐出を停止させる。その後、制御装置3は、アーム揺動ユニット50を制御することにより、ノズルアーム49を処理位置から退避位置に移動させる。
次に、インナーチャンバー7を閉じるインナーチャンバー密閉工程(図10のステップS4)が行われる。
具体的には、制御装置3は、蓋昇降ユニット14を制御することにより、ノズルアーム49が退避位置に退避しており、基板Wの上面全域が純水の液膜で覆われている状態で、上蓋11を上位置から下位置に移動させる。これにより、上蓋11の上周壁部13とチャンバー本体8の下周壁部10との間の隙間が密閉される。このとき、基板Wは、固定ピン16および可動ピン19に把持されている。また、ホットプレート30は、仮にヒータ33が発熱していてもヒータ33の熱が基板Wに十分伝わらない高さまで基板Wから離れている。
次に、リンス液の一例である純水を基板Wに供給する第2リンス液供給工程(図10のステップS5)が行われる。
具体的には、制御装置3は、上蓋11が下位置に移動した後、上リンス液バルブ53を開いて、回転している基板Wの上面中央部に向けて上リンス液ノズル51に純水を吐出させる。これにより、基板Wの上面全域を覆う液膜が、上リンス液ノズル51から吐出された純水によって形成される。また、基板Wの周縁部からその周囲に飛散した純水は、チャンバー本体8の底壁部9から排出される。上リンス液バルブ53が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、上リンス液バルブ53を閉じて、純水の吐出を停止させる。
次に、インナーチャンバー7が閉じられた状態で、有機溶剤の一例であるIPAの液体を基板Wに供給する有機溶剤供給工程(図10のステップS6)が行われる。
具体的には、制御装置3は、インナーチャンバー7が閉じられており、基板Wの上面全域が純水の液膜で覆われている状態で、上溶剤バルブ56を開く。このとき、基板Wは、固定ピン16および可動ピン19に把持されており、ホットプレート30は、基板Wから離れている。上溶剤ノズル54から吐出されたIPAの液体は、回転している基板Wの上面中央部に着液し、基板Wの上面に沿って外方に流れる。これにより、基板W上の純水がIPAの液体に置換され、基板Wの上面全域を覆うIPAの液膜が形成される。そして、上溶剤バルブ56が開かれてから所定時間が経過すると、制御装置3は、上溶剤バルブ56を閉じて、IPAの吐出を停止させる。
上溶剤ノズル54がIPAの液体を吐出している間、基板Wの回転速度は、一定であってもよいし、変更されてもよい。たとえば、純水からIPAへの置換を促進するために、IPAの液体が吐出される期間の初期だけ置換促進速度(たとえば800rpm)で基板Wを回転させた後、置換促進速度よりも小さい置換後速度で基板Wを回転させてもよい。また、IPAへの置換が完了した後、IPAの吐出を停止した状態で、基板Wの上面全域を覆うIPAのパドルを基板W上に保持させてもよい。具体的には、基板Wの回転速度をパドル速度(0を超える50rpm未満の速度。たとえば20rpm)まで低下させた後、もしくは、基板Wの回転を停止させた後、上溶剤ノズル54からのIPAの吐出を停止させてもよい。この場合、遠心力の低下により基板WからのIPAの排出量が減少するので、所定の膜厚を有するIPAのパドルが基板W上に保持される。
次に、第1保持ユニット15から第2保持ユニット29に基板Wを移動させる第1基板受け渡し工程(図10のステップS7)が行われる。具体的には、制御装置3は、支持リング23の回転角とホットプレート30の高さとを制御することにより、ホットプレート30に保持されたチャック開閉ユニット25が支持リング23上の可動ピン19を駆動可能な位置に、チャック開閉ユニット25および可動ピン19を移動させる。その後、制御装置3は、チャック開閉ユニット25を制御することにより、可動ピン19を閉位置から開位置に移動させる。これにより、固定ピン16および可動ピン19による基板Wの把持が解除され、非把持状態で基板Wが複数の固定ピン16に支持される。制御装置3は、プレート昇降ユニット37を制御することにより、ホットプレート30を上方に移動させる。これにより、基板Wはホットプレート30の支持ピン32によって持ち上げられ、複数の固定ピン16から離れて上昇する。制御装置3は、基板W上のIPAの液膜が先述の誘導部材60の外方誘導面63および下方誘導面64(図5参照)に接触する手前までホットプレート30を上昇させる。
次に、基板W上のIPAの液体を蒸発させることにより、IPAの液膜と基板Wの上面との間に気相を形成する有機溶剤加熱工程(図10のステップS8)が行われる。
具体的には、制御装置3は、ヒータ33への通電を開始することにより、ヒータ33を発熱させる。ヒータ33の発熱は、基板Wがホットプレート30に支持されるのと同時に開始されてもよいし、基板Wがホットプレート30に支持される前または後に開始されてもよい。ヒータ33の発熱により、ホットプレート30の温度(プレート本体31の温度)が、IPAの沸点(82.4℃)よりも高い液膜浮上温度(たとえば、IPAの沸点より10〜50℃高い温度)に達し、その温度に維持される。これにより、基板Wの上面の全ての位置でIPAの液体が蒸発し、IPAの液膜が基板Wの上面から離れる。なお、このとき、基板Wと複数の誘導部材60とは、浮上後のIPAの液膜が複数の誘導部材60の外方誘導面63および下方誘導面64に接しない位置関係に設定されている。IPAの液膜の浮上の詳細については後述する。
次に、IPAの液膜と基板Wの上面との間に気相が介在している状態で、IPAの液膜を基板Wから排除する有機溶剤排除工程(図10のステップS9)が行われる。具体的には、制御装置3は、IPAの液膜が基板Wの上面から浮上した状態で、複数の誘導部材60の外方誘導面63(図5参照)をIPAの液膜の周縁部に接触させる。例えば、制御装置3は、ホットプレート30を有機溶剤加熱工程(図10のステップS8)のときよりも微小量上昇させて、複数の誘導部材60の外方誘導面63を基板W上のIPAの液膜に接触させる。
なお、ここでは、有機溶剤加熱工程(ステップS8)から有機溶剤排除工程(ステップS9)に移行するタイミングでホットプレート30を微小量上昇させたが、ホットプレート30の高さは有機溶剤加熱工程時と有機溶剤排除工程時とで、同一であってもよい。すなわち、基板W上のIPAの液膜は有機溶剤加熱工程(ステップS8)の段階から複数の誘導部材60の外方誘導面63に接触していてもよい。
なお、有機溶剤加熱工程(ステップS8)から有機溶剤排除工程(ステップS9)にかけてホットプレート30を微小量上昇させる場合、および上昇させない場合、いずれの場合も、有機溶剤排除工程(S9)時の複数の誘導部材60と基板Wとの位置関係は、複数の誘導部材60の高さが複数の固定ピン16による基板Wの支持位置よりも上方となるように設定されている。
基板Wの上面のIPAの液膜が複数の誘導部材60の外方誘導面63に接触すると、IPAの液膜は、複数の誘導部材60との接触により基板Wに対して移動し、基板Wから排除される。IPAの液膜の排除の詳細については後述する。
次に、第2保持ユニット29から第1保持ユニット15に基板Wを移動させる第2基板受け渡し工程(図10のステップS10)が行われる。具体的には、制御装置3は、支持リング23の回転角とホットプレート30の高さとを制御することにより、チャック開閉ユニット25が可動ピン19を駆動可能な位置までチャック開閉ユニット25および可動ピン19を移動させる。チャック開閉ユニット25は常時閉のユニットであるから、可動ピン19は閉位置に配置されている。そのため、制御装置3は、チャック開閉ユニット25を制御することにより、可動ピン19を閉位置から開位置に移動させる。制御装置3は、プレート昇降ユニット37を制御することにより、この状態でホットプレート30を下方に移動させる。これにより、複数の固定ピン16が基板Wの下面に接触し、ホットプレート30が基板Wの下面から離れる。
次に、インナーチャンバー7を開くインナーチャンバー解放工程(図10のステップS11)と、アウターチャンバー4内から基板Wを搬出する搬出工程(図10のステップS12)とが行われる。
具体的には、制御装置3は、蓋昇降ユニット14を制御することにより、上蓋11を下位置から上位置に移動させる。このとき、ホットプレート30は、基板Wから離れているものの、チャック開閉ユニット25が可動ピン19を駆動可能な位置に配置されている。チャック開閉ユニット25は、可動ピン19を開位置に位置させている。制御装置3は、上蓋11が上位置に退避しており、カップ38が下位置に位置している状態で、搬送ロボットCRのハンドHをアウターチャンバー4内に進入させる。そして、制御装置3は、複数の固定ピン16に支持されている基板Wを搬送ロボットCRのハンドHに支持させる。その後、制御装置3は、搬送ロボットCRのハンドHをアウターチャンバー4内から退避させる。これにより、処理済みの基板Wがアウターチャンバー4から搬出される。
次に、有機溶剤加熱工程(図10のステップS8)におけるIPAの液膜の浮上について詳細に説明する。
上面全域がIPAの液膜で覆われた基板Wは、前述の有機溶剤加熱工程(図10のステップS8)において液膜浮上温度で均一に加熱され、液膜浮上温度に維持される。さらに、基板W上のIPAの液膜の加熱は、基板Wが回転しておらず、静止している状態で行われる。液膜浮上温度は、IPAの沸点(82.4℃)よりも所定温度(たとえば、10〜50℃)高い温度である。液膜浮上温度は、浮上しているIPAの液膜が沸騰しない程度の温度である。
基板Wの温度がIPAの沸点よりも高いので、基板Wの上面の各部でIPAの液体が蒸発し、IPAの蒸気が発生する。さらに、IPAの液体の温度上昇により、IPAの液体に含まれる微量の気体が膨張する。そのため、基板Wの上面(母材の上面およびパターンの表面)近傍で気泡が発生する。
図11Aに示すように、パターン101の内部(隣接する2つ構造物の間の空間または筒状の構造物の内部空間)は、IPAの液体で満たされている。IPAの蒸気の発生によって、パターン101の内部は気体で満たされる。つまり、図11Bに示すように、パターン101内のIPAの液体は、基板Wの加熱によりパターン101内から瞬時に排出される。さらに、基板W上のIPAの液膜111は、IPAの蒸気の発生によって徐々に持ち上げられ、パターン101から離れる。つまり、IPAの蒸気を含む気相112が、パターン101の上面(構造物102の上面102A)とIPAの液膜111との間に介在し、IPAの液膜111が、気相112を介して基板Wに支持される。
図12に示すように、基板Wの上面から浮上しているIPAの液膜111に、亀裂や割れ113(以下、「亀裂等113」という)が生じることがある。亀裂等113が生じた部分には、乾燥後にウォーターマーク等の欠陥が生じるおそれがある。そのため、有機溶剤加熱工程(図10のステップS8)において、浮上しているIPAの液膜111に亀裂等113が発生するのを抑制または防止する必要がある。
浮上しているIPAの液膜111に亀裂等113が生じる要因として、次の2つの要因を挙げることができる。
1つ目の要因は、基板Wの長時間の加熱による多量のIPAの蒸気の発生またはIPAの液膜111の沸騰である。多量のIPAの蒸気が発生したり、IPAの液膜111が沸騰すると、IPAの蒸気がその上方のIPAの液膜111を突き破って当該IPAの液膜111の上方に噴き出し、その結果、IPAの液膜111に亀裂等113を生じさせるおそれがある。1つ目の要因は、液膜浮上温度や液膜の加熱時間を調整することで対処している。
2つ目の要因は、基板Wの回転に伴う遠心力を受けることにより発生する、IPAの液膜111の分裂である。2つ目の要因は、基板Wの回転を停止させていることで対処している。すなわち、有機溶剤加熱工程(図10のステップS8)において、基板Wの回転を停止させている。そのため、遠心力に起因する分裂がIPAの液膜に生じることを防止でき、これにより、亀裂等113の発生を防止できる。
また、パターンのアスペクト比が大きくなると、パターンの表面とIPAの液体との接触面積が増加し、基板WからIPAの液体への熱の伝達効率が高まる結果、基板Wの温度が低下し易い。さらに、パターンのアスペクト比が大きくなると、パターンの内部に存在するIPAの液量が増加するので、より多くの熱を基板Wに与えないと、パターン内のIPAの液体を短時間で排除することができない。したがって、パターンのアスペクト比に応じて、ホットプレート30の温度を調整してもよい。
次に、有機溶剤排除工程(図10のステップS9)におけるIPAの液膜の排除について詳細に説明する。
気相がIPAの液膜と基板Wの上面との間の介在しているとき、基板W上のIPAの液膜に働く摩擦抵抗は、零と見なせるほど小さい。そのため、基板Wの上面に平行な方向の力が、浮上しているIPAの液膜に加わると、IPAの液膜は簡単に移動する。
上述したとおり、有機溶剤排除工程(図10のステップS9)では、誘導部材60は、IPAの液膜が基板Wの上面から浮上している状態(図13に示す状態)で、IPAの液膜の周縁部に接触する。図14に示すように、誘導部材60がIPAの液膜の周縁部に接触すると、IPAの液膜の一部(IPAの液体)が、基板Wから誘導部材60の外方誘導面63に移動し、誘導部材60の外方誘導面63に沿って外方に流れる。さらに、誘導部材60の外方誘導面63によって外方に誘導されたIPAは、誘導部材60の下方誘導面64によって下方に誘導される。これにより、IPAの液体が基板Wの上面外周部から排出される。
基板W上のIPAの液体が誘導部材60を伝って排出されると、外向きの流れがIPAの液膜に形成される。つまり、基板Wの上面に平行な方向の成分を有する力が、浮上しているIPAの液膜に加わる。そのため、基板W上のIPAの液体は、基板W上を次々と外方に移動し、誘導部材60を伝って、もしくは周方向に隣接する2つの誘導部材60の間を通って(図6参照)、基板Wから排出される。これにより、IPAの液膜は、基板Wの上面で分散することなく、連続的に繋がった一つの塊のまま、基板Wの周縁部を伝って基板Wから排除される。
IPAの液膜は、基板Wの上面から浮上した状態、つまり、基板W上のパターン101の内部が液体で満たされていない状態で基板Wから排除される。IPAの液膜が基板Wから排除された後は、基板W上に液体が残留しておらず、基板Wは乾燥している。仮に、IPAの液体が残留していたとしても、その量はパターンの倒壊やウォーターマークの発生に影響しないごく微量であり、即座に蒸発する。したがって、基板Wは、パターン101の内部が液体で満たされていない状態で乾燥する。パターン101の内部が液体で満たされている状態で基板Wを乾燥させると、表面張力に起因する力が、液体からパターン101に加わるので、パターン101が倒壊する場合がある。これに対して、第1実施形態では、パターン101の内部から液体が排除されているので、パターン101の倒壊を抑制または防止できる。
以上のように第1実施形態では、誘導部材60の外方誘導面63は、IPAの液膜と基板Wの上面との間に気相が介在している状態で基板W上のIPAの液膜の周縁部に接触する。外方誘導面63に接触したIPAの液体は、誘導部材60を伝って基板Wの周囲に排出される。この誘導部材60と液膜との接触をきっかけに、基板Wの周縁部に向かう外向きの流れがIPAの液膜に形成され、基板W上のIPAの液膜が多数の小滴に分裂することなく、塊のまま基板Wから排除される。これにより、IPAの液膜を基板Wから素早く短時間で排除できる。
また第1実施形態では、処理ユニット2に複数の誘導部材60が設けられている。誘導部材60の外方誘導面63が基板W上のIPAの液膜に接触すると、基板W上のIPAの液体を外方に誘導する力が基板W上のIPAの液膜に加わる。複数の外方誘導面63が基板Wの周方向に等間隔で配列されているので、複数の外方誘導面63は、基板Wの周方向に等間隔で離れた複数の位置で、基板W上のIPAの液膜に接触する。したがって、基板W上のIPAの液膜は、複数の外方誘導面63によって均一に外方に誘導される。そのため、基板W上のIPAの液膜を偏りなく基板Wから排除できる。
また第1実施形態では、基板Wがホットプレート30のみによって下方から支持され、基板Wの周縁部が固定ピン16や可動ピン19に接していない状態で、IPAの液膜と基板Wの上面との間に気相が形成される。基板Wの上面から浮上しているIPAの液膜は、基板Wの上面に沿って移動しやすい状態にある。IPAの液膜が浮上したときに固定ピン16や可動ピン19が基板Wの周縁部から離れているので、IPAの液膜が固定ピン16や可動ピン19との接触により意図せず基板Wから排除されることを防止できる。
また第1実施形態では、低表面張力液の一例であるIPAの液体が基板W上に位置している状態で基板Wを乾燥させる。乾燥前の基板W上にある液体の表面張力が小さいので、隣接する2つの構造物に跨る液面が、一時的に形成されたとしても、パターン101に加わる表面張力が小さい。したがって、パターン倒壊の発生を低減できる。さらに、蒸発し易い液体(IPAの液体)が基板Wに供給されるので、ヒータ33の温度を抑えながら、IPAの液膜と基板Wの上面との間に気相を形成できる。
また第1実施形態では、第1保持ユニット15および第2保持ユニット29を収容するインナーチャンバー7が、アウターチャンバー4内に配置されている。インナーチャンバー7が開閉可能なので、インナーチャンバー7の内部をインナーチャンバー7を除くアウターチャンバー4の内部から必要に応じて隔離できる。したがって、インナーチャンバー7およびアウターチャンバー4により二重に覆われた密閉度の高い空間を必要に応じて形成できる。そのため、密閉度の高い空間内で基板Wの加熱などの処理を実施できる。さらに、インナーチャンバー7を開けば、気体または液体を吐出するノズルをインナーチャンバー7の中とインナーチャンバー7の外との間で行き来させることができるので、このようなノズルをインナーチャンバー7内に配置しなくてもよい。したがって、インナーチャンバー7の大型化を抑制または防止できる。
また第1実施形態では、第1保持ユニット15および第2保持ユニット29を収容するインナーチャンバー7の内部に不活性ガスを供給できるので、インナーチャンバー7内の空気を不活性ガスに置換でき、インナーチャンバー7内の酸素濃度を低減できる。したがって、ウォーターマークなどの酸素に起因する問題の発生を防止できる。
本発明の第1実施形態の説明は以上であるが、本発明は、第1実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、図15に示すように、誘導部材60は、基板Wの周縁部に沿って延びる、全周にわたって連続した環状であってもよい。また、誘導部材60は、基板Wの周縁部に沿って延びる円弧状であってもよい。
この構成によれば、外方誘導面63が基板Wの周縁部に沿って延びているので、外方誘導面63と液膜との接触面積を増加させることができる。これにより、基板W上のIPAの液体を外方に誘導する力を増加させることができる。さらに、誘導部材60が環状の場合は、環状の外方誘導面63が液膜の周縁部の全周に接触するので、基板W上のIPAの液膜は、環状の外方誘導面63によって均一に外方に誘導される。そのため、基板W上のIPAの液膜を偏りなく基板Wから排除できる。
円弧状の誘導部材60を用いた場合におけるホットプレート30の昇降動作は、第1実施形態の場合と同様である。すなわち、第1基板受け渡し工程(図10のステップS7)では、ホットプレート30は基板W上のIPAの液膜が誘導部材60の外方誘導面63および下方誘導面64に接触する手前まで上昇する。また、有機溶剤排除工程(図10のステップS9)では、ホットプレート30は基板W上のIPAの液膜が誘導部材60の外方誘導面63に接触可能な高さまで上昇する。但し、誘導部材60を有機溶剤加熱工程(図10のステップS8)の段階からIPAの液膜に接触させておく場合には、有機溶剤排除工程(ステップS9)における基板Wの上記上昇は不要である。
また、図16に示すように、処理ユニット2は、第2保持ユニット29に保持されている基板Wの上面に対向する対向面66を有する対向部材65をさらに備えていてもよい。対向部材65は、上蓋11に保持されており、上蓋11と共に鉛直方向に昇降する。対向面66は、たとえば、基板Wの上面と平行な平坦面である。対向面66は、基板Wの外径よりも大きい外径を有している。対向面66は、上蓋11の中央部を鉛直方向に貫通する貫通穴の下端と等しい高さに配置されている。誘導部材60は、対向面66の周縁部から下方に突出している。
この構成によれば、対向部材65の対向面66によって基板Wの上面が覆われる。この状態で、基板W上のIPAの液膜が、誘導部材60によって外方に誘導される。したがって、基板Wの上面の露出部分を対向部材65で保護しながら、基板W上のIPAの液膜を基板Wから排除できる。
対向部材65に取り付けられた誘導部材60を用いた場合におけるホットプレート30の昇降動作は、第1実施形態の場合と同様である。すなわち、第1基板受け渡し工程(図10のステップS7)では、ホットプレート30は基板W上のIPAの液膜が誘導部材60の外方誘導面63および下方誘導面64に接触する手前まで上昇する。また、有機溶剤排除工程(図10のステップS9)では、ホットプレート30は基板W上のIPAの液膜が誘導部材60の外方誘導面63に接触可能な高さまで(かつ、対向面66には接触しない高さまで)上昇する。但し、誘導部材60を有機溶剤加熱工程(図10のステップS8)の段階からIPAの液膜に接触させておく場合には、有機溶剤排除工程(ステップS9)における基板Wの上記上昇は不要である。
また、図17Aおよび図17Bに示すように、誘導部材60は、可動ピン19に設けられていてもよい。誘導部材60は、可動ピン19のベース部21から上方に延びている。チャック開閉ユニット25は、可動ピン19の可動把持部22が基板Wの周縁部に押し付けられると共に、誘導部材60の外方誘導面63が基板W上のIPAの液膜から離れる閉位置と、可動把持部22が基板Wの周縁部から離れると共に、外方誘導面63が基板W上のIPAの液膜から離れる中間位置と、可動把持部22が基板Wの周縁部から離れると共に、外方誘導面63が基板W上のIPAの液膜に接触する開位置との間で、可動ピン19を移動させる。
この構成によれば、可動把持部22および外方誘導面63が、可動ピン19に設けられている。可動把持部22および外方誘導面63は、可動ピン19の互いに異なる位置に配置されている。したがって、可動ピン19の位置を変えることにより、可動把持部22および外方誘導面63を使い分けることができる。さらに、可動把持部22および外方誘導面63が共通の部材に設けられているので、部品点数を減らすことができる。さらに、可動把持部22を移動させるユニットと、外方誘導面63を移動させるユニットとを共用することもできる。
図17Aおよび図17Bに示された誘導部材60を用いた場合における可動ピン19の動作およびホットプレート30の昇降動作は以下の通りである。第1基板受け渡し工程(図10のステップS7)までは可動ピン19は基板Wを把持するために閉位置に位置している。ホットプレート30は下位置に位置している。
第1基板受け渡し工程(図10のステップS7)の実行時に、可動ピン19は中間位置まで移動する。これにより、可動ピン19の可動把持部20が基板Wの周縁部から離れ、基板Wは固定ピン16のみによって支持されるようになる。その後、ホットプレート30が上昇し、基板Wは固定ピン16からホットプレート30に受け渡される。そして、この状態で有機溶剤加熱工程(図10のステップS8)が実行されて基板W上のIPAの液膜が浮上する。
次の有機溶剤排除工程(図10のステップS9)の実行時に可動ピン19は開位置まで移動する。これにより、誘導部材60の外方誘導面63が基板W上のIPAの液膜に接触し、IPAの液膜が基板Wの上面から排除される。
第1実施形態の場合、有機溶剤加熱工程(ステップS8)から有機溶剤排除工程(ステップS9)に移行する際に基板Wを微小量上昇させて、誘導部材60をIPAの液膜に接触させる必要があった。これに対して、図17A、図17Bの誘導部材60を用いた場合には、可動ピン19および誘導部材60が一体化された把持誘導部材を移動させることにより誘導部材60をIPAの液膜に接触する位置と接触しない位置との間で移動させることができるので、有機溶剤加熱工程(ステップS8)から有機溶剤排除工程(ステップS9)に移行する際に基板Wを微小量上昇させる必要がない。
なお、誘導部材60を有機溶剤加熱工程(ステップS8)の段階からIPAの液膜に接触させる場合には、可動ピン19は第1基板受け渡し工程(図10のステップS7)の段階で開位置まで移動してもよい。
また、図18に示すように、可動ピン19の可動把持部22は、内向きに開いたV字状の鉛直断面を有する収容溝を形成する2つの傾斜面(上傾斜面67および下傾斜面68)を含んでいてもよい。誘導部材60の外方誘導面63は、上傾斜面67に設けられている。
図18に示すように、可動ピン19が閉位置(図18に示す位置)に配置されると、基板Wの周縁部が収容溝に収容されると共に、可動ピン19の上傾斜面67および下傾斜面68が基板Wの周縁部に押し付けられる。また、IPAの液膜が基板Wの上面から浮上している状態で、可動ピン19が閉位置に配置されると、外方誘導面63が基板W上のIPAの液膜に接触する。その一方で、可動ピン19が開位置に配置されると、上傾斜面67および下傾斜面68が基板Wの周縁部から離れると共に、外方誘導面63が基板W上のIPAの液膜から離れる。
この構成によれば、外方誘導面63が可動把持部22の一部を構成している。可動ピン19が閉位置に配置されると、可動把持部22が基板Wの周縁部に押し付けられると共に、外方誘導面63が基板W上のIPAの液膜に接触する。したがって、外方誘導面63が基板W上のIPAの液膜に接触する誘導位置を、閉位置とは別に設けなくてもよい。そのため、可動ピン19や可動ピン19を移動させるユニット(チャック開閉ユニット25)の構造を簡素化できる。
また、図19に示すように、制御装置3は、有機溶剤排除工程(図10のステップS9)において、上気体バルブ59を開いて、上気体ノズル57に窒素ガスを吐出させてもよい。この場合、窒素ガスの温度は、室温であってもよいし、IPAの沸点以上(好ましくは、ホットプレート30の温度以上)であってもよい。また、窒素ガスの吐出は、IPAの液膜が基板W上からなくなるまで継続されてもよいし、IPAの液膜が基板W上からなくなる前に停止されてもよい。
この構成によれば、IPAの液膜と基板Wの上面との間に気相が形成されている状態で、基板Wの上面中央部(吹き付け位置)に窒素ガスが吹き付けられる。吹き付け位置にあるIPAの液体は、窒素ガスの供給によってその周囲に押し退けられる。これにより、吹き付け位置に乾燥領域が形成される。さらに、IPAの液体が窒素ガスの供給によって吹き付け位置からその周囲に移動するので、基板Wの周縁部に向かう外向きの流れがIPAの液膜に形成される。したがって、窒素ガスの供給と誘導部材60とを併用することにより、基板W上のIPAの液膜を基板Wから素早く短時間で排除できる。さらに、窒素ガスの温度がIPAの沸点以上である場合には、IPAの液膜の温度低下を抑えることができる。もしくは、IPAの液膜を加熱することができる。
また、図20Aおよび図20Bに示すように、上気体ノズル57は、上気体ノズル57から基板Wの上面周縁部(吹き付け位置)に向けて、基板Wの上面に対して斜めに傾いた方向に、窒素ガスを内方に吐出するように、上蓋11(図3参照)に保持されていてもよい。
この構成によれば、基板Wの上面周縁部に向けて窒素ガスが吐出される。これにより、基板Wの上面周縁部からIPAの液体が排除され、乾燥領域が基板Wの上面周縁部に形成される。その結果、誘導部材60に向かう流れがIPAの液膜に形成される。さらに、窒素ガスが基板Wの上面に沿って誘導部材60に向かって流れるので、誘導部材60に向かうIPAの液体の流れが、基板Wの上面に沿って誘導部材60に向かう気流によって促進される。したがって、基板W上のIPAの液膜を効率的に排除できる。そのため、液膜の排除に要する時間を短縮できる。
また、図21および図22に示すように、処理ユニット2は、複数の誘導部材60にそれぞれ対応する複数の外気体ノズル69をさらに備えていてもよい。外気体ノズル69は、上蓋11に保持されており、上蓋11と共に鉛直方向に昇降する。上気体ノズル57は、外気体バルブ71が介装された外気体配管70に接続されている。外気体ノズル69は、誘導部材60の外方誘導面63および下方誘導面64に向けて気体(たとえば、窒素ガス)を吐出する。
制御装置3は、たとえば、処理済みの基板Wがアウターチャンバー4から搬出された後、外気体バルブを開いて、各外気体ノズル69に気体を吐出させる。図22に示すように、誘導部材60に付着している液体は、外気体ノズル69から吐出された気体によって吹き飛ばされる。そのため、誘導部材60に付着している液体に起因するパーティクルの発生を低減できる。
また、図23Aおよび図23Bに示すように、制御装置3は、複数のヒータ33の設定温度を制御することにより、有機溶剤加熱工程(図10のステップS9)においてIPAの沸点以上の温度で基板Wを均一に加熱し、有機溶剤排除工程(図10のステップS9)においてIPAの沸点以上の低温領域と低温領域よりも高温の高温領域とを基板Wの上面に形成してもよい。たとえば、制御装置3は、基板Wの上面中央部に高温領域を形成し、その周囲に低温領域を形成する。これによりIPAの液膜の中心に穴が形成される。すなわち、IPAの液膜の中心に気液界面が発生する。制御装置3は、その後、低温領域と高温領域との環状の境界を低温領域の方に移動させる。つまり、制御装置3は、低温領域と高温領域との境界の直径を増加させる。この場合、制御装置3は、ヒータ33の高温領域と低温領域の境界が、IPAの気液界面位置に一致するようにヒータ33を制御すると共に、IPAの気液界面位置の移動に連動させてヒータ33の高温領域と低温領域の境界位置を基板Wの中心から周縁に向けて移動させる。
この場合、基板Wの上面中央部を覆うIPAの液膜の中央部がその周囲の部分よりも高温になる。液膜内のIPAの液体は、低温の方向に移動しようとする。そのため、液膜の周縁部に向かう放射状の流れが、IPAの液膜に形成される。その結果、図23Aおよび図23Bに示すように、IPAの液膜の中央部に穴が形成され、この穴の外径が同心円状に広がっていく。したがって、基板W上面における温度差の発生と誘導部材60とを併用することにより、基板W上のIPAの液膜を基板Wから素早く短時間で排除できる。さらに、低温領域と高温領域との境界を低温領域に方に移動させる場合には、液膜内において低温の方に移動する流れが促進される。これにより、基板W上のIPAの液膜を効率的に排除できる。
また、図24Aおよび図24Bに示すように、制御装置3は、有機溶剤排除工程(図10のステップS9)において、基板Wの上面周縁部に高温領域を形成し、基板Wの上面の他の部分に低温領域を形成してもよい。制御装置3は、その後、低温領域と高温領域との境界を低温領域の方に移動させてもよい。
この場合、基板Wの上面周縁部を覆うIPAの液膜の周縁部が液膜の他の部分よりも高温になる。そのため、誘導部材60に向かう流れがIPAの液膜に形成される。その結果、図24Aおよび図24Bに示すように、基板Wの上面周縁部からIPAの液体がなくなり、IPAの液体が排除された部分の面積が増加していく。したがって、温度差の発生と誘導部材60とを併用することにより、基板W上のIPAの液膜を基板Wから素早く短時間で排除できる。さらに、低温領域と高温領域との境界を低温領域に方に移動させる場合には、液膜内において低温の方に移動する流れが促進される。これにより、基板W上のIPAの液膜を効率的に排除できる。
また、図25に示すように、処理ユニット2は、インナーチャンバー7内で基板Wの上方に配置された上方ヒータの一例である赤外線ヒータ72をさらに備えていてもよい。この場合、制御装置3は、有機溶剤排除工程(図10のステップS9)において、基板Wをホットプレート30で加熱しながら、IPAの液膜の一部を赤外線ヒータ72で基板Wの上方から加熱する。さらに、制御装置3は、赤外線ヒータ72の温度を、IPAの蒸発により基板Wの上面中央部が露出しない温度に設定する。IPAの液膜の中央部が赤外線ヒータ72で加熱されるので、IPAの液膜に温度差が生じる。これにより、液膜の周縁部に向かう放射状の流れが、IPAの液膜に形成される。
また、制御装置3は、有機溶剤排除工程(図10のステップS9)において、基板Wをホットプレート30で加熱しながら、下気体バルブ42を開いて、温度がIPAの沸点以上(好ましくは、ホットプレート30の温度以上)の高温の窒素ガスをホットプレート30の上面中央部で開口する上向き吐出口40から基板Wの下面中央部に向けて吐出させてもよい。このとき、制御装置3は、図25に示す赤外線ヒータ72にIPAの液膜の中央部を加熱させてもよい。
有機溶剤排除工程(図10のステップS9)において、高温の窒素ガスが基板Wの下面中央部に吹き付けられると、基板Wの上面中央部の温度がさらに高まるので、IPAの液膜の中央部がさらに加熱される。これにより、IPAの液膜に温度差が生じ、液膜の周縁部に向かう放射状の流れが、IPAの液膜に形成される。さらに、高温の窒素ガスによる加熱と、赤外線ヒータ72による加熱とを同時に行う場合には、IPAの液膜に温度差を短時間で発生させることができる。
また、第1実施形態では、外方誘導面63と下方誘導面64とが誘導部材60に設けられている場合について説明したが、下方誘導面64を含む第1部分61が省略されてもよい。
また、第1実施形態では、有機溶剤加熱工程(図10のステップS8)においてIPAの液膜を浮上させる場合について説明したが、IPA以外の液膜を浮上させてもよい。たとえば、有機溶剤加熱工程に相当する液膜加熱工程において純水の液膜を浮上させ、有機溶剤排除工程に相当する液膜排除工程において純水の液膜を排除してもよい。
また、有機溶剤加熱工程(図10のステップS8)において基板Wの上面が部分的に露出することを防止するために、IPAの液体を基板Wの上面に適宜補充してもよい。
また、第1実施形態では、ホットプレート30を基板Wの裏面に接触させることにより基板Wを加熱した(有機溶剤加熱工程(図10のステップS8))。しかし、有機溶剤加熱工程(ステップS8)は、ホットプレート30を基板Wから離隔させた状態で実行されてもよい。この場合、基板Wを固定ピン16とホットプレート30との間で受け渡す必要がない。また、可動ピン19による基板Wの把持状態を基板処理の途中で一時的に解除する必要もない。
また、前述の実施形態では、基板処理装置1が、円板状の基板を処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置1は、多角形の基板を処理する装置であってもよい。
また、前述の全ての実施形態のうちの2つ以上が組み合わされてもよい。
1 :基板処理装置
3 :制御装置
4 :アウターチャンバー
7 :インナーチャンバー
15 :第1保持ユニット(基板保持手段)
16 :固定ピン
19 :可動ピン
22 :可動把持部
25 :チャック開閉ユニット
29 :第2保持ユニット(基板保持手段)
30 :ホットプレート
33 :ヒータ(加熱手段)
51 :上リンス液ノズル(処理液供給手段)
53 :上リンス液バルブ(処理液供給手段)
54 :上溶剤ノズル(処理液供給手段)
56 :上溶剤バルブ(処理液供給手段)
57 :上気体ノズル(気体吐出手段、不活性ガス供給手段)
59 :上気体バルブ(気体吐出手段、不活性ガス供給手段)
60 :誘導部材
61 :第1部分
62 :第2部分
63 :外方誘導面
64 :下方誘導面
65 :対向部材
66 :対向面
69 :外気体ノズル(液残り防止手段)
71 :外気体バルブ(液残り防止手段)
72 :赤外線ヒータ
101 :パターン
102 :構造物
111 :液膜
W :基板

Claims (18)

  1. 基板を水平に保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持されている基板の上面に処理液を供給することにより、基板の上面全域を覆う処理液の液膜を形成する処理液供給手段と、
    前記基板保持手段に保持されている基板を、基板の上面全域が処理液の液膜で覆われている状態で、処理液の沸点以上の温度で加熱することにより、処理液を蒸発させて、処理液の液膜と基板の上面との間に気相を形成する加熱手段と、
    処理液の液膜と基板の上面との間に気相が介在している状態で前記基板保持手段に保持されている基板上の処理液の液膜の周縁部に接触する外方誘導面を含み、前記外方誘導面と処理液の液膜との接触により、処理液を基板の上面から基板の周囲に誘導する誘導部材とを含む、基板処理装置。
  2. 前記誘導部材は、等間隔で基板の周方向に配列された複数の外方誘導面を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記外方誘導面は、基板の周縁部に沿って延びる環状または円弧状である、請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記外方誘導面は、基板の全周にわたって連続した環状である、請求項3に記載の基板処理装置。
  5. 前記基板処理装置は、前記基板保持手段に保持されている基板の上面に対向する対向面を有する対向部材をさらに含み、
    前記誘導部材は、前記対向面から下方に突出している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記基板保持手段は、基板の周縁部に押し付けられる可動把持部を含む可動ピンと、前記可動把持部が基板の周縁部に押し付けられる閉位置と前記可動把持部が基板の周縁部から離れる開位置との間で前記可動ピンを移動させるチャック開閉ユニットとを含み、
    前記基板処理装置は、前記可動ピンが前記開位置に位置している状態で、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が形成されるように、前記チャック開閉ユニットおよび加熱手段を制御する制御装置をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記基板保持手段は、基板の周縁部に押し付けられる可動把持部を含む可動ピンと、前記可動ピンを移動させるチャック開閉ユニットとを含み、
    前記誘導部材は、前記可動ピンに設けられており、
    前記チャック開閉ユニットは、前記可動把持部が基板の周縁部に押し付けられると共に、前記外方誘導面が基板上の処理液の液膜から離れる閉位置と、前記可動把持部が基板の周縁部から離れると共に、前記外方誘導面が基板上の処理液の液膜に接触する開位置との間で、前記可動ピンを移動させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記基板保持手段は、基板の周縁部に押し付けられる可動把持部を含む可動ピンと、前記可動ピンを移動させるチャック開閉ユニットとを含み、
    前記外方誘導面は、前記可動把持部に設けられており、
    前記チャック開閉ユニットは、前記可動把持部が基板の周縁部に押し付けられると共に、前記外方誘導面が基板上の処理液の液膜に接触する閉位置と、前記可動把持部が基板の周縁部から離れると共に、前記外方誘導面が基板上の処理液の液膜から離れる開位置との間で、前記可動ピンを移動させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  9. 処理液の液膜と基板の上面との間に気相が形成されている状態で、前記基板保持手段に保持されている基板の上面に向けて気体を吐出することにより、処理液が排除された乾燥領域を基板の上面の一部の領域に形成する気体吐出手段をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  10. 前記気体吐出手段は、前記基板保持手段に保持されている基板の上面に沿って前記誘導部材に向かって流れる気流を形成する、請求項9に記載の基板処理装置。
  11. 前記誘導部材に向けて気体を吐出する液残り防止手段をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  12. 前記加熱手段は、前記基板保持手段に保持されている基板の上面全域をそれぞれ独立した温度で加熱する複数のヒータを含み、
    前記基板処理装置は、前記加熱手段を制御する制御装置をさらに含み、
    前記制御装置は、
    前記基板保持手段に保持されている基板を、基板の上面全域が処理液の液膜で覆われている状態で、処理液の沸点以上の温度で均一に加熱することにより、処理液を蒸発させて、処理液の液膜と基板の上面との間に気相を形成する均一加熱工程と、
    前記均一加熱工程の後に、処理液の液膜と基板の上面との間に気相が形成されている状態で、処理液の沸点以上の低温領域と前記低温領域よりも高温の高温領域とを基板の上面に形成する温度差発生工程とを実行する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  13. 前記制御装置は、前記温度差発生工程において、基板の上面中央部に高温領域を形成する、請求項12に記載の基板処理装置。
  14. 前記制御装置は、前記温度差発生工程において、基板の上面周縁部に高温領域を形成する、請求項12に記載の基板処理装置。
  15. 前記制御装置は、前記温度差発生工程の後に、前記低温領域と前記高温領域との境界を前記低温領域の方に移動させる境界移動工程をさらに実行する、請求項12〜14のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  16. 前記処理液供給手段によって基板に供給される処理液は、水よりも表面張力が小さく、水よりも沸点が低い液体である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  17. 前記基板処理装置は、前記基板保持手段を収容する開閉可能なインナーチャンバーと、前記インナーチャンバーを収容するアウターチャンバーとを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  18. 前記基板処理装置は、前記インナーチャンバーの内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段をさらに含む、請求項17に記載の基板処理装置。
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