JP6225514B2 - 変性アクリル樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

変性アクリル樹脂組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオレフィン系の成形基材への塗装に有用であるアクリル樹脂組成物、及びその製造方法に関する。
ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を素材としたプラスチックは、成型して自動車の部品に多く使用されており、これらの部品は、意匠性の向上、傷つき低減などを目的に塗料を塗装している。しかし、ポリオレフィン系樹脂は、非極性で結晶性を有するため、アクリル樹脂系塗料、アルキド樹脂系塗料、ポリエステル樹脂系塗料あるいはポリウレタン樹脂系塗料では密着しないという問題点がある。この問題点を解決するため、プラスチック表面にプラズマ処理を施して密着性の向上を図っているが、部品の形状や添加物の影響により表面処理効果にバラツキが生じることがある。そこで、塩素化ポリプロピレンを主成分としたアクリル樹脂系塗料やプライマー組成物が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2。)。
また、塗料には、環境問題から芳香族系溶剤以外の溶剤に対する溶解性が求められているが、従来の変性ポリオレフィン樹脂は、トルエンやキシレン等の芳香族系溶剤が必須であり、非芳香族溶剤に溶解させることは極めて困難であった。これに対して、変性ポリオレフィン樹脂の溶剤溶解性、他特性のバランス向上を目的に特許文献3、特許文献4等が提案されている。
特開2003−155438号公報 特開2002−201236号公報 特開平9−40725号公報 特許第4441151号公報
しかし、前記塩素化ポリプロピレンを主成分とした塗料に用いられる樹脂やプライマーは、上塗り塗料との密着性が低下したり、耐油脂性、耐水性等が低下したりする等の問題があるため、密着性と他特性とのバランスに優れた塗料用樹脂がないのが現状である。
また、ポリオレフィン樹脂、特にポリプロピレン含有量の多いポリオレフィン樹脂にアクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸や無水酸をグラフト共重合させて得られる変性ポリオレフィン樹脂系塗料は、溶剤溶解性を向上できるが、同時に、一般的に低分子量化することが知られており、ポリオレフィン樹脂製の基材に対する密着性は未だ不十分である。一方、前記不飽和カルボン酸や無水酸のような変性用材料の使用量を増やすことにより、高分子量化し、非芳香族系溶剤への溶解性も向上するが、密着性を発現させるポリオレフィン量が相対的に減少して密着性が低下してしまう。
このように従来の方法で得られた変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂のような非極性樹脂製の基材に対する密着性と他特性とのバランスに優れたものがなかった。そこで、本発明の課題は、非極性基材、特に密着性に劣るポリオレフィン系樹脂基材に対する優れた密着性と、他の耐水性、耐油脂性等の特性とのバランスに優れた塗料に用いられる、ポリプロピレン変性アクリル樹脂組成物及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、(1) 重合物(A)を含有する変性アクリル樹脂組成物であって、
前記重合物(A)の構成単位は
メタクリル酸イソボルニル(a−1)、
前記メタクリル酸イソボルニル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(a−2)、及び
重合性二重結合を2個以上有する前記(メタ)アクリル酸エステル(a−2)以外の単量体(a−3)
を含む単量体成分(a)であり、
かつ重合物(A)の少なくとも一部は塩素化ポリプロピレニル基で変性されている、変性アクリル樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(2) 重合物(A)と、重合物(B)と、グラフト重合物(C)とを含有する変性アクリル樹脂組成物であって、
前記重合物(A)の構成単位は
メタクリル酸イソボルニル(a−1)、
前記メタクリル酸イソボルニル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(a−2)、及び
重合性二重結合を2個以上有する前記(メタ)アクリル酸エステル(a−2)以外の単量体(a−3)を含む単量体成分(a)であり、
前記重合物(B)の構成単位は、
前記メタクリル酸イソボルニル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(b−1)及び
重合性二重結合を2個以上有する前記(メタ)アクリル酸エステル(b−1)以外の単量体(b−2)を含む単量体成分(b)であり、
前記グラフト重合物(C)の構成単位は、幹部分が前記単量体成分(a)、枝部分が前記単量体成分(b)であるか、又は幹部分が前記単量体成分(b)、枝部分が前記単量体成分(a)であり、
さらに前記重合物(A)、重合物(B)及びグラフト重合物(C)の内の少なくとも一種の、少なくとも一部が塩素化ポリプロピレニル基で変性されている、変性アクリル樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(3) 前記単量体成分(b)はさらに(メタ)アクリル酸を単量体成分(b)全体に対して5質量%以下(0質量%を除く)含む前記(2)記載の変性アクリル樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(4) 前記(1)記載の変性アクリル樹脂組成物を製造する方法であって、
塩素化ポリプロピレンと前記単量体成分(a)と重合開始剤とを含む反応系内で重合反応させる工程と、
さらに重合開始剤及び溶媒を前記反応系に加える工程と
を含む変性アクリル樹脂組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、(5) 前記(2)又は(3)記載の変性アクリル樹脂組成物を製造する方法であって、
塩素化ポリプロピレンと前記単量体成分(a)と重合開始剤とを含む反応系内で重合反応させる工程と、
前記単量体成分(a)の重合反応率が50〜90質量%に達した後、単量体成分(b)と重合開始剤とを前記反応系に加えて重合反応させる工程と
を含む変性アクリル樹脂組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、(6) 前記(2)又は(3)記載の変性アクリル樹脂組成物を製造する方法であって、
塩素化ポリプロピレンと前記単量体成分(b)と重合開始剤とを含む反応系内で重合反応させる工程と、
前記単量体成分(b)の重合反応率が50〜90質量%に達した後、前記単量体成分(a)と重合開始剤とを前記反応系に加えて重合反応させる工程と
を含む変性アクリル樹脂組成物の製造方法に関する。
また、本発明は(7) 前記単量体成分(a)/単量体成分(b)の配合比率が質量比で30/70〜50/50である前記(5)記載の変性アクリル樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(8) 前記単量体成分(b)/単量体成分(a)の配合比率が質量比で30/70〜50/50である前記(6)記載の変性アクリル樹脂塗料に関する。
さらに、本発明は、(9) 前記(1)〜(3)のいずれか記載の変性アクリル樹脂組成物と、溶媒とを含有する変性アクリル樹脂塗料に関する。
本発明によれば、塗膜とした際に外観、密着性、耐油脂性、耐水性及び貯蔵安定性等の特性バランスに優れる変性アクリル樹脂組成物が得られる。この変性アクリル樹脂組成物から製造した塗料をポリオレフィン系樹脂製の基材に塗布すると、密着性、外観、耐水性、耐油脂性等の塗膜特性に優れた塗膜が得られる。これにより、例えば塗料との密着性に劣るポリプロピレン樹脂を素材にした自動車部品に密着性のよい変性アクリル樹脂の塗膜を形成できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(第一の実施態様)
本発明の変性アクリル樹脂組成物の第一の実施態様は重合物(A)を含有し、前記重合物(A)の少なくとも一部は塩素化ポリプロピレニル基を有することにより変性されている。
本発明における重合物(A)の構成単位は単量体成分(a)であって、前記単量体成分(a)は、メタクリル酸イソボルニル(a−1)と、メタクリル酸イソボルニル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(a−2)と、重合性二重結合を2個以上有する前記(a−2)以外の単量体(a−3)とを含む。なお、これら三種の単量体を以下、それぞれ単量体(a−1)、単量体(a−2)、単量体(a−3)とも言う。
また、本発明において、塩素化ポリプロピレニル基によって変性されている場合も、各種単量体の呼称は変わらないものとする。
第一の実施態様における重合物(A)として例えば前記単量体(a−1)、単量体(a−2)及び単量体(a−3)を重合して得られ、かつ少なくとも一部は塩素化ポリプロピレニル基で変性されている共重合体が挙げられる。単量体成分(a)は、単量体(a−1)、単量体(a−2)及び(a−3)以外の単量体成分を含んでもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸との少なくとも一方を示す。
(第二の実施態様)
本発明の変性アクリル樹脂組成物の第二の実施態様は重合物(A)と、重合物(B)と、グラフト重合物(C)とを含有し、さらに前記重合物(A)、重合物(B)及びグラフト重合物(C)の内の少なくとも一種の、少なくとも一部は、塩素化ポリプロピレニル基を有することにより変性されている。
第二の実施態様における重合物(A)の構成単位は、前記単量体成分(a)と同じである。ただし、第二の実施態様における重合物(A)は、重合物(B)又はグラフト重合物(C)が塩素化ポリプロピレニル基で変性されていれば、必ずしも変性されている必要はない。
本発明における重合物(B)の構成単位は単量体成分(b)であって、前記単量体成分(b)はメタクリル酸イソボルニル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(b−1)と、重合性二重結合を2個以上有する前記(メタ)アクリル酸エステル(b−1)以外の単量体(b−2)とを含む。なお、これらを以下、それぞれ単量体(b−1)、単量体(b−2)とも言う。前記重合物(B)として例えば前記単量体(b−1)及び単量体(b−2)を重合して得られる共重合体が挙げられる。単量体成分(b)は、単量体(b−1)及び単量体(b−2)以外の単量体成分を含んでもよい。
グラフト重合物(C)の構成単位は、前記単量体成分(a)及び前記単量体成分(b)である。
(塩素化ポリプロピレン)
塩素化ポリプロピレニル基で重合物を変性するための、塩素化ポリプロピレンは、塩素化率20〜40%のものが好ましく、より好ましくは28〜32%である。塩素含有率が低すぎなければ溶解性が良好で貯蔵安定性がよく、高すぎなければ密着性が良好である。また、塩素化ポリプロピレンの分子量は70,000〜150,000が好ましく、より好ましくは90,000〜120,000である。低すぎなければ耐油脂性、耐水性等の特性が良好で、高すぎなければ溶解性が良好で貯蔵安定性がよい。
本発明の変性アクリル樹脂組成物内の塩素化ポリプロピレンは、変性アクリル樹脂組成物内の重合物の総質量において、塩素化ポリプロピレニル基が2質量%以上結合していれば、密着性が良好なため好ましい。また8質量%以下であれば耐油脂性、耐水性が良好なため好ましい。7質量%以下、3質量%以上であればより好ましい。塩素化ポリプロピレンは一種類を単独でも、又は二種類以上を併用してもよい。なお、前記「重合物の総質量」とは、第一の実施態様の場合は重合物(A)の総質量であり、第二の実施態様の場合は重合物(A)〜(C)の総質量である。
塩素化ポリプロピレンによる変性は、例えば重合物(A)の重合時の反応系に塩素化ポリプロピレンを配合し、単量体を重合反応させる間に塩素化ポリプロピレニル基を重合物に結合させることができる。
(単量体(a−1))
本発明に用いられているメタクリル酸イソボルニル(a−1)によって、変性アクリル樹脂組成物は密着性及び耐油脂性を向上することができる。メタクリル酸イソボルニルの配合量は、単量体成分(a)内において15質量%以上で用いられると密着性が良好であるため好ましい。また35質量%以下であれば耐油脂性が良好であるため好ましい。30質量%以下、20質量%以上であればより好ましい。メタクリル酸イソボルニルは置換基等を有する誘導体であってもよい。
(単量体(a−2)、(b−1))
前記単量体成分(a)に含まれる前記(メタ)アクリル酸エステル(a−2)は、メタクリル酸イソボルニル以外であれば特に限定されないが、一般式CH=C(R1)−COOR2(R1は水素原子又はCH3、R2は有機基)で示され、R2がC1〜C12の直鎖状アルキル基及び分岐状アルキル基、フェニル基、シクロヘキシル基、及びジシクロペンタニル基からなる群から選ばれる一種以上であるのが好ましい。さらに、R2が置換基を有していてもよい。
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ジシクロペンタニル等のアクリル酸エステル、及びメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ジシクロペンタニル等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。これらは、単独でも、又は二種類以上を併用してもよい。
前記単量体(a−2)は、他に、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の官能基含有(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも一種を少量含んでもよい。
単量体成分(b)に含まれる(メタ)アクリル酸エステル(b−1)は前記(メタ)アクリル酸エステル(a−2)と同様であり、同じものを使用できる。単量体成分(a)に含まれる(メタ)アクリル酸エステル(a−2)と単量体成分(b)に含まれる(メタ)アクリル酸エステル(b−1)とは、同じ種類であっても一部又は全部が異なる種類であってもよい。
なお、(メタ)アクリル酸エステル(a−2)及び(b−1)は、いずれもメタクリル酸ベンジル(a−1)を含まないものとする。
前記(メタ)アクリル酸エステル(a−2)は、単量体成分(a)内において80質量%以下、60質量%以上で用いることが好ましい。
また前記(メタ)アクリル酸エステル(b−1)は、単量体成分(b)内において99.5質量%以下、97質量%以上含有することが好ましい。97質量%以上であれば耐水性、耐油脂性が良好で、99.5質量%以下であれば貯蔵安定性が良好である。99質量%以下、98質量%以上であればより好ましい。前記含有比は、配合比で規定するのが作業性の点で好ましい。
(単量体(a−3)、(b−2))
単量体成分(a)に含まれる、重合性二重結合を2個以上有する前記単量体(a−2)以外の単量体(a−3)は、樹脂組成物の低粘度を維持しつつ高分子量化(三次元化)するために用いられる。三次元化された構造により塩素化ポリプロピレンの分散性が安定し、低温貯蔵安定性の向上につながると考えられる。
前記単量体(a−3)としては、例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独でも、又は二種類以上を併用してもよい。
単量体成分(b)に含まれる、重合性二重結合を2個以上有する前記単量体(b−1)以外の単量体(b−2)も前記単量体(a−3)と同様であり、同じものを使用できる。単量体成分(a)に含まれる単量体(a−3)と、単量体成分(b)に含まれる単量体(b−2)とは同じ種類の単量体であってもよいし、一部又は全部異なる種類の単量体であってもよい。
前記単量体(a−3)又は単量体(b−2)の配合量は、本発明において分子量を決定する上で重要な材料であることから、また、塩素化ポリプロピレンがグラフト化する可能性があるので、分子量範囲、加工性、及び塗膜特性が低下しない範囲で、他条件の例えば、重合開始剤量、単量体濃度、重合温度等を考慮し決定される。
前記単量体(a−3)の配合量は、単量体成分(a)内において0.5質量%以上、2質量%以下の範囲で用いることが好ましい。0.5質量%以上であると、密着性等の塗膜特性が全般的に維持できる。2質量%以下であれば、樹脂の分子量が高くなり過ぎたり、セミゲル状となったりするのを防ぐことができるため、塗装等の加工性が良好である。2質量%以下、1質量%以上であればより好ましい。
前記単量体(b−2)の配合量は、単量体成分(b)内において3質量%以下、0.5質量%以上が好ましく、2.5質量%以下、1質量%以上であればより好ましい。
(その他の単量体)
本発明の変性アクリル樹脂組成物における単量体成分(a)及び単量体成分(b)の少なくとも一方には、さらに前記以外の構成単位のための単量体成分を含んでもよい。特に(メタ)アクリル酸エステル以外の、(メタ)アクリル酸等の官能基含有重合性単量体を一種又は二種以上含むのが好ましい。単量体成分(a)又は単量体成分(b)に(メタ)アクリル酸を含む場合の配合量は、単量体成分(a)内において、又は単量体成分(b)内において5質量%以下(ただし、0質量%を除く)が好ましい。5質量%以下であれば耐水性が良好で、粘度が高くならず加工性を維持できる。なお、(メタ)アクリル酸は、単量体成分(b)に含まれるのが好ましく、重合物(B)内に5質量%以下(ただし、0質量%を除く)で共重合されるのがより好ましい。
前記単量体(a−2)及び/又は(b−1)に含まれ得る前記官能基含有(メタ)アクリル酸エステルは多く用いると耐水性が低下するため、変性アクリル樹脂組成物内の重合物の総質量中、前記官能基含有(メタ)アクリル酸エステル及び前記官能基含有重合性単量体の合計量が0〜10質量%の範囲で用いるのが好ましい。10質量%以下であれば耐水性が良好で、粘度が高くならず加工性を維持できる。
なお、前記「重合物の総質量」とは、第一の実施態様の場合は重合物(A)の総質量であり、第二の実施態様の場合は重合物(A)〜(C)の総質量である。
官能基含有(メタ)アクリル酸エステル及び官能基含有重合性単量体のうち、いずれか一方を使用してもよいし併用してもよい。また、それぞれは単独でも、又は二種類以上を併用してもよい。さらにこれらのうち、単量体成分(a)と単量体成分(b)とに同じ種類を含有させてもよいし、全部又は一部異なる種類を含有させてもよい。
(グラフト重合物(C))
グラフト重合物(C)は、幹部分が前記単量体成分(a)であって、枝部分が前記単量体成分(b)であるか、又は幹部分が前記単量体成分(b)であって、枝部分が前記単量体成分(a)である。
グラフト重合物(C)の幹部分である、単量体成分(a)又は単量体成分(b)の、好ましい重合度は45〜75である。グラフト重合物(C)の枝部分は、一つの幹部分に一箇所以上重合していればよい。
(変性アクリル樹脂組成物)
本発明の変性アクリル樹脂組成物は、重合物(A)〜(C)の他に、溶媒等を含んでもよい。溶媒として、後述する変性アクリル樹脂組成物の製造方法に使用される溶媒を引き続き含有してもよい。
本発明の変性アクリル樹脂組成物に含まれる重合物全体のガラス転移温度Tgは、80〜100℃であるのが好ましい。Tgが80℃以上であれば耐油脂性が良好で、100℃以下であれば密着性が良好である。より好ましくは、Tgが85〜95℃である。
ここで、アクリル樹脂組成物のTgが80〜100℃になるように組成を決定するには、例えばアクリレート系単量体のようなTgの低い単量体の含有率を上げればTgを下げることができ、例えばメタクリレート系単量体のようなTgの高い単量体の含有率を上げればTgを上げることができる。
また、本発明の変性アクリル樹脂組成物に含まれる重合物全体の重量平均分子量Mwは、70,000〜140,000になるのが好ましい。重量平均分子量が70,000以上であれば耐油脂性が良好で、140,000以下であれば加工性が良好である。より好ましくは、重量平均分子量Mwが900,000〜120,000である。
(第一の製造方法)
本発明の変性アクリル樹脂組成物の第一の製造方法は、前記第一の実施態様の変性アクリル樹脂組成物を得るものであって、塩素化ポリプロピレンと、重合物(A)のための単量体成分(a)と、重合開始剤と、必要に応じて溶媒等とを混合して反応系とし、これを所定の条件で重合させて反応物として重合物(A)を得る方法である。
重合反応としては、溶媒を用いた通常のラジカル重合法が挙げられるが、特に制限されるものではない。
ある程度重合反応が進んだ後で、さらに重合開始剤及び溶媒を前記反応系に加えるのが好ましい。たとえば後述する重合反応率が60〜80質量%に達した後が好ましい。より好ましくは、重合反応率が65〜75質量%に達した後である。この工程によって最終的な重合反応率を上げることができる。
重合開始剤及び溶媒は、上述した重合開始剤及び溶媒と同じものを使用できる。
(第二の製造方法)
本発明の変性アクリル樹脂組成物の第二の製造方法は、前記第二の実施態様の変性アクリル樹脂組成物を得るものであって、
(イ)塩素化ポリプロピレンと前記単量体成分(a)と、重合開始剤と、必要に応じて溶媒等とを含む反応系内で重合反応させる工程と、
(ロ)前記単量体成分(a)の重合反応率が50〜90質量%に達した後、単量体成分(b)と、重合開始剤と、必要に応じて溶媒等とを前記反応系に加えて重合反応させる工程と
を含むことを特徴とする。
前記工程(イ)によってある程度の重合物(A)が得られ、工程(ロ)によって重合物(B)及びグラフト重合物(C)と、さらに重合物(A)とが得られる。
単量体成分(b)及び重合開始剤を加えるのは、好ましくは単量体成分(a)の重合反応率が60〜80質量%に達した後であり、より好ましくは55〜70質量%に達した後、さらに好ましくは65〜75質量%に達した後である。これにより、密着性と耐水性、耐油脂性とのバランスが良好で、密着性、耐水性、耐油脂性のいずれも優れる。
本発明において、重合反応率とは、仕込んだ単量体の総量に対する、重合した比率(質量比)をいう。この比率は重合物の加熱残分から以下の手順で算出される。
工程(イ)がある程度進行した反応系から、反応物サンプルを取り出し、150℃で1時間加熱する。重合開始剤及び未反応の単量体成分(a)はこの加熱でほとんど気化又は分解するので、加熱後のサンプル質量では無視する。
加熱残分S1(%)=(S1´/S0)×100
加熱前のサンプル質量S0=サンプル内の、単量体成分(a)+重合開始剤+溶媒の質量
加熱後のサンプル質量S1´=重合物(A)の実測質量
前記「サンプル内の単量体成分(a)」が全て重合して同質量の重合物(A)になったとする、理論重合物分S0(%)=(S1/S0)×100
=(サンプル内の単量体成分(a)の質量/S0)×100
重合反応率(%)=(S1/S0)×100
前記各重合物を得るための重合反応としては、溶媒を用いた通常のラジカル重合法が挙げられるが、特に制限されるものではない。
なお、前記第二の製造方法において、単量体成分(a)を工程(イ)で先に重合してグラフト重合物(C)の幹部分としたが、逆に単量体成分(b)を先に重合してもよい。この場合、単量体成分(a)等を加えるための単量体成分(b)の重合反応率などは前記と同様である。塩素化ポリプロピレンと他の単量体成分との相溶性、又はグラフト化の可能性を考慮すると、単量体成分(a)を先に重合するのが好ましい。
単量体成分(a)/単量体成分(b)との好ましい配合比率は、幹部分が前記単量体成分(a)である場合、質量比で30/70〜50/50である。単量体成分(a)の割合が30/70以上であればTgが高すぎないため、密着性、耐水性が良好で、50/50以下であればTgが低すぎないため、耐油脂性が良好である傾向がある。より好ましくは、質量比で40/60〜60/40である。幹部分が前記単量体成分(b)である場合の単量体成分(b)/単量体成分(a)の好ましい配合比率は、同様に30/70〜50/50である。
単量体成分(a)及び単量体成分(b)の各単量体の重合反応がある程度進んだ後で、前記第一の製造方法のように、(ハ)さらに重合開始剤及び溶媒を前記反応系に加える工程を含むのが好ましい。
溶媒を用いた通常のラジカル重合法で重合する例を挙げると、例えば溶媒が酢酸ブチルの場合、工程(イ)及び工程(ロ)の重合反応温度は100℃前後が好ましく、反応時間は滴下時間を含めてそれぞれ約90分〜4時間程度が好ましい。工程(ハ)は工程(イ)及び工程(ロ)と同温度が好ましく、反応時間は滴下時間を含まずに約2時間程度が好ましい。
前記第一及び第二の製造方法における溶媒としては、有機溶媒が好ましく、材料や重合した樹脂が溶解するものであれば制限はない。環境影響、加工性、価格等を考慮し、工業的に生産され比較的安全で安価に入手可能な溶媒として、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、メチエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式溶媒、芳香族炭化水素系溶媒などが使用できる。これらは単独で又は二種類以上併用して使用される。
また、前記ラジカル重合法において重合開始剤として、脂肪族パーブチルエステル型、芳香族パーエステル型、ジアルキルパーオキサイド型等のパーオキサイド系重合開始剤が使用できる。例えば、ベンゾゾイルパーオキサイド、ジーtert−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等のパーオキサイド系重合開始剤が使用できる。また、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾビス系化合物も使用できるが、塩素化ポリプロピレンのグラフト化の可能性を考慮するとパーオキサイド系重合開始剤が好ましい。
(変性アクリル樹脂塗料)
本発明の変性アクリル樹脂組成物は、溶媒と混合して変性アクリル樹脂塗料として使用することができる。溶媒として、上述した各種溶媒と同様のものを、単独で又は二種類以上使用できる。
前記変性アクリル樹脂組成物が溶媒を含有している場合は、そのまま変性アクリル樹脂塗料として使用してもよい。また、必要に応じて無機顔料、有機顔料、フィラー類、アルミペースト、可塑剤、分散剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を配合して塗料として使用することができる。これらの塗料は、成型品、シート、フィルムに塗装することができ、トップクリアー、エナメル塗料、メタリック塗料、艶消し塗料、プライマー等として使用できる。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、部、%はそれぞれ質量部、質量%を示し、表1〜表3で示す配合は質量部である。
(実施例1〜5)
冷却器、温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた四つ口フラスコに表1に示す仕込み材料である酢酸ブチルと塩素化ポリプロピレン(日本製紙株式会社製、スーパークロン(登録商標)1027S、塩素化率25%、表内の量は固形分)とを仕込み、100℃に加熱した。続いて表1に示す割合の単量体成分(a)と重合開始剤とからなる配合物(以下、配合物(A)という。)を2時間で滴下し、ひき続き100℃で1時間保温して重合反応させた。
続いて表1に示す割合の酢酸ブチルと重合開始剤とからなる配合物(以下、配合物(C)という。)を15分間で滴下し、同温度で2時間保温して反応を進行させた。その後、室温まで冷却し、反応物の割合が40%になるように酢酸ブチルで希釈して、変性アクリル樹脂組成物の溶液を得た。
(実施例6〜13、16〜25)
冷却器、温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた四つ口フラスコに、表1、2に示す配合割合で仕込み材料である酢酸ブチルと塩素化ポリプロピレンを仕込み、100℃に加熱した。続いて表1、2に示す割合の配合物(A)を2時間で滴下し、同温度で1時間保温して重合反応させた。ガラス管で四つ口フラスコから反応物サンプルを取り出し、配合物(A)の重合反応率を以下の方法で測定し、それぞれの重合反応率が約70%又はそれ以上に達したことを確認した。
(重合反応率)
前記反応物サンプルを60mmφの金属シャーレに1.5g精秤し、150℃で1時間加熱した。重合開始剤、溶媒及び未反応の単量体(a−1)〜単量体(a−3)はこの加熱でほとんど気化又は分解する。
加熱残分S1(%)=(S1´/S0)×100
加熱前のサンプル質量S0=サンプル内の、単量体(a−1)〜単量体(a−3)+重合開始剤+溶媒の質量
加熱後のサンプル質量S1´=重合物(A)の実測質量
前記「サンプル内の単量体(a−1)〜単量体(a−3)」が全て重合して同質量の重合物(A)になったとする、理論重合物分S0(%)=(S1/S0)×100
=(サンプル内の単量体(a−1)〜単量体(a−3)の質量/S0)×100
重合反応率(%)=(S1/S0)×100
続いて表1、2に示す割合の単量体成分(b)と重合開始剤とからなる配合物(以下、配合物(B)という。)を2時間で滴下し、100℃で1時間保温して重合反応させた。さらに、表1、2に示す割合の配合物(C)を15分間で滴下し、同温度で2時間保温して反応を進行させた。その後、室温まで冷却し、反応物の割合が40%になるように表1、2に示す量の酢酸ブチルで希釈して、変性アクリル樹脂組成物溶液を得た。それぞれの配合物(A)の重合反応率を表1、2に示す。
(実施例14)
表2に示す割合の単量体と重合開始剤の配合物(A)を1時間で滴下し、同温度で30分間保温後、重合反応率が50%に達したことを確認した以外は、実施例7と同様の反応工程で重合させ、変性アクリル樹脂組成物溶液を得た。
(実施例15)
表2に示す割合の単量体と重合開始剤の配合物(A)を2時間で滴下し、同温度で2時間保温後、重合反応率が90%に達したことを確認した以外は、実施例7と同様の反応工程で重合させ、変性アクリル樹脂組成物溶液を得た。
(比較例1)
冷却器、温度計、滴下装置及び攪拌機を備えた四つ口フラスコに表3に示す仕込み材料を仕込み、100℃に加熱した。続いて表3に示す割合の単量体と重合開始剤とからなる配合物(a)を2時間で滴下し、同温度で1時間保温して重合反応させた。さらに、表3に示す割合の酢酸ブチルと重合開始剤とからなる配合物(b)を15分間で滴下し、同温度で2時間保温して反応を進行させた。その後、室温まで冷却し、反応物の割合が40%になるように酢酸ブチルで希釈してアクリル樹脂組成物溶液を得た。
(比較例2〜16)
表3に示す割合で混合した配合物(a)を滴下し、表3に示す量の酢酸ブチルで希釈した以外は、比較例1と同様の反応工程で重合させ、それぞれのアクリル樹脂組成物溶液を得た。
(アクリル樹脂組成物の評価)
前記実施例1〜25と比較例1〜16で得られたアクリル樹脂組成物溶液に含まれる重合物全体のガラス転移点温度及び重量平均分子量を下記方法により調べた。その結果を表1〜表3に併記する。
(ガラス転移点温度)
メタクリル酸イソボルニル(a−1)、(メタ)アクリル酸エステル(a−2)及び(b−1)等の、使用した全N種類の単量体のうち、
n番目の単量体のみからなる重合物のTg文献値(℃)+273=Tg(K)
をそれぞれ求めた。
次に、(単量体nの配合質量/Tg)値の、nが1からNまでの総和=Xとし、
重合物全体の調和平均値Tg(℃)=(単量体1からNまでの全配合質量/X)−273
を、ガラス転移点温度Tg(℃)とした。
(重量平均分子量)
アクリル樹脂組成物溶液を、高速液体ゲルパミエーションクロマトで測定し、標準ポリスチレンで換算して重量平均分子量を得た。
(試験板の作製及び評価)
前記実施例1〜25及び比較例1〜16で得られたアクリル樹脂組成物溶液を酢酸ブチルとトルエン(50/50質量%)の混合溶媒を用いてフォードカップ#4で11秒/25℃になるように希釈した。次いでアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合系プラスチック成型板表面に乾燥膜厚が20〜40μmになるようにスプレー塗装し、80℃で1時間乾燥させてアクリル樹脂組成物膜を形成した試験板を得た。
前記試験板を用いて下記方法により外観、密着性、耐水性、耐油脂性を調べた。その評価結果を表4、表5に示す。
(表面の外観)
目視で表面を観察し、下記基準で評価した。
A:異常なし
B:かすかに艶が消失
C:わずかに艶が消失
D:若干艶が消失
E:艶がない
(密着性)
JIS K−5400の碁盤目試験法に従った。すなわち、試験板にナイフで2mm間隔で縦横各10本線状に切り、100個の碁盤目を作製し、その上にセロハンテープを貼り付けた。1〜2分後にセロハンテープを膜から直角に剥がし、残ったアクリル樹脂組成物膜の碁盤目の数を数えて評価した。
(耐水性)
試験板を50℃の温水に168時間浸漬し、表面を目視で観察及び前記の密着性試験法と同様の方法で密着性を調べ評価した。
(耐油脂性)
試験板に牛脂の200g/m2量を表面に塗布し、その上をガーゼで覆い80℃で168時間放置した。その後、洗剤で表面の牛脂を洗浄し、水分が乾燥するまで室温に放置した。次いで、表面を目視で観察及び前記の密着性試験法と同様の方法で密着性を調べ評価した。
Figure 0006225514
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貯蔵安定性
さらに、実施例1〜25の変性アクリル樹脂組成物の溶液を、−5℃/1ヶ月の条件で保管したところ、いずれも分離しなかった。
表1〜表5から、以下のことが確認できる。
比較例1〜4は塩素化ポリプロピレンで変性していない。比較例5〜16は塩素化ポリプロピレンで変性しているが単量体(a−3)を使用しない。さらに比較例1、5〜7及び11〜16はメタクリル酸イソボルニル(a−1)も使用しない。これら比較例は密着性、耐水性、及び耐油脂性のいずれかが不良である。これに対して実施例1〜25は、比較例4〜16と対比しても、密着性、耐水性、耐油脂性が良好である。特に重合物(A)〜(C)を含む実施例6〜25は耐水性、耐油脂性に優れる。

Claims (9)

  1. 重合物(A)と、重合物(B)と、グラフト重合物(C)とを含有する変性アクリル樹脂組成物であって、
    記重合物(A)の構成単位は
    メタクリル酸イソボルニル(a−1)、
    前記メタクリル酸イソボルニル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(a−2)、及び
    重合性二重結合を2個以上有する前記(メタ)アクリル酸エステル(a−2)以外の単量体(a−3)を含む単量体成分(a)であり、
    前記重合物(B)の構成単位は、
    前記メタクリル酸イソボルニル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(b−1)及び
    重合性二重結合を2個以上有する前記(メタ)アクリル酸エステル(b−1)以外の単量体(b−2)を含む単量体成分(b)であり、
    前記グラフト重合物(C)の構成単位は、幹部分が前記単量体成分(a)、枝部分が前記単量体成分(b)であるか、又は幹部分が前記単量体成分(b)、枝部分が前記単量体成分(a)であり、
    さらに前記重合物(A)、重合物(B)及びグラフト重合物(C)の内の少なくとも一種の、少なくとも一部が塩素化ポリプロピレニル基で変性されている変性アクリル樹脂組成物。
  2. 前記単量体(a−3)の含有量が、前記単量体成分(a)全体に対して0.37質量%以上2質量%以下である、請求項1記載の変性アクリル樹脂組成物。
  3. 前記単量体(a−3)の含有量が、前記単量体成分(a)全体に対して0.5質量%以上2質量%以下である、請求項1記載の変性アクリル樹脂組成物。
  4. 前記単量体成分(b)はさらに(メタ)アクリル酸を単量体成分(b)全体に対して5質量%以下(0質量%を除く)含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の変性アクリル樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の変性アクリル樹脂組成物を製造する方法であって、
    塩素化ポリプロピレンと前記単量体成分(a)と重合開始剤とを含む反応系内で重合反応させる工程と、
    前記単量体成分(a)の重合反応率が50〜90質量%に達した後、単量体成分(b)と重合開始剤とを前記反応系に加えて重合反応させる工程と
    を含む変性アクリル樹脂組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の変性アクリル樹脂組成物を製造する方法であって、
    塩素化ポリプロピレンと前記単量体成分(b)と重合開始剤とを含む反応系内で重合反応させる工程と、
    前記単量体成分(b)の重合反応率が50〜90質量%に達した後、前記単量体成分(a)と重合開始剤とを前記反応系に加えて重合反応させる工程と
    を含む変性アクリル樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記単量体成分(a)/単量体成分(b)の配合比率が質量比で30/70〜50/50である請求項5記載の変性アクリル樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記単量体成分(b)/単量体成分(a)の配合比率が質量比で30/70〜50/50である請求項6記載の変性アクリル樹脂組成物の製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の変性アクリル樹脂組成物と、溶媒とを含有する変性アクリル樹脂塗料。
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