JP6225454B2 - 蛍光潜像媒体及び検証器及び検証方法 - Google Patents

蛍光潜像媒体及び検証器及び検証方法 Download PDF

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Description

本発明は、様々な物品に利用される偽造防止媒体に係り、特に蛍光潜像媒体及び検証器及び検証方法関する。
偽造防止技術は、様々な物品に利用されている。例えば、銀行券、債券、商品券、小切手などの金券や有価証券である。また、クレジットカード、IDカード、公文書などの各種証明書、重要書類にも利用されている。
また、最近では、各種商品やその包装材料に適用して、その商品が真正であることを保障するために利用されている。言うまでもなく、これら物品を検査して、適正な偽造防止手段が施されている場合には真正な物品と判定され、偽造防止手段が施されていない場合もしくは不適正なものであった場合は非真正な物品と判定される。
このような偽造防止手段としては、一般に、オバート技術とコバート技術に分けられる。
オバート技術は、誰が見ても偽造防止技術と認知でき、真贋判定を可能とする技術であり、例えばホログラムなど、見る角度によって色や模様が変わるものが挙げられる。
コバート技術は、特殊な検知機や熟練がなければその存在自体が認知できない技術であり、例えば蛍光顔料を用いたものが挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
これは蛍光顔料を含んだ塗料を印刷したり、蛍光顔料を含んだリボンを印字したりした媒体へ、紫外線を照射することによって励起発光した可視光画像を確認するものである。
蛍光顔料が無色であるなどパターンを視認できないものであれば特に、紫外線を照射するまでその存在を認識できないことから、悪意ある者による外観のみの偽造品に対応することができる。
特開2000−141863号公報
蛍光顔料を用いた偽造防止手段は、偽造防止媒体を形成するコストが安く、また検証器である紫外線ライトも比較的安価で容易に入手できることから多く用いられており、紫外線を照射して潜像を確認するという検証手段も、偽造防止としては比較的よく知られた手法の1つである。しかし、それ故に偽造防止が施されているということを見破られ易く、偽造品が作られるリスクも高いという課題がある。
そこで本発明は、紫外線ライトを照射するという、比較的よく知られた偽造防止確認手法を用いながらも、従来に無い新しい効果を有する蛍光潜像媒体及び検証器と検証方法を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、本発明の最小構成と、構成要素の位置関係と、構成要素の機能と効果について説明したものであり、基材と、蛍光層と、コレステリック液晶層からなり前記蛍光層を発光させるためのコリメートされた励起光の入射角度によって透過率が変化する角度制御層が順次積層され、前記入射角度が所定の角度である場合に前記蛍光層の励起波長が前記角度制御層の透過率ボトム波長と重なることを特徴とした蛍光潜像媒体である。
請求項2に記載の発明は、本発明の効果を発現させるための入射光源を限定したものであり、前記コリメートされた励起光がLEDを光源とすることを特徴とした請求項1に記載の蛍光潜像媒体である。
請求項3に記載の発明は、本発明の構成要素である蛍光層を特徴的なパターンで形成することにより、特殊な効果が追加されることを説明したものであり、請求項1又は2に記載の蛍光潜像媒体のうち、発光波長の異なる2層以上の蛍光層が、目視認識以下のサイズのパターンで設けられ、励起する光の入射角度が変わることにより3色以上を表現することを特徴とした蛍光潜像媒体である。
請求項4に記載の発明は、本発明の構成要素である蛍光層を特徴的なパターンで形成することにより、特殊な効果が追加されることを説明したものであり、請求項1又は2に記載の蛍光潜像媒体のうち、発光波長の異なる3層以上の蛍光層が、目視認識以下のサイズのパターンで設けられ、励起する光の入射角度が変わることによりフルカラーを表現することを特徴とした蛍光潜像媒体である。
請求項5に記載の発明は、本発明の構成要素である蛍光層を特徴的なパターンで形成することにより、特殊な効果が追加されることを説明したものであり、請求項1又は2に記載の蛍光潜像媒体のうち、2層以上の蛍光層が万線状パターンで設けられ、励起する光の入射角度が変わることにより万線潜像を発現することを特徴とした蛍光潜像媒体である。
請求項6に記載の発明は、本発明の効果を発現させるための検証器について説明したも
のであり、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光潜像媒体の検証器であって前記検証器がコリメートした光を発する1つ以上の光源を有し、前記コリメートした光が、入射角度が所定の角度である場合に1層以上の角度制御層の透過率ボトム波長と一致するような発光ピーク波長を持ち、光源の発光スペクトル半値幅は、発光ピーク波長が透過率ボトム波長と一致し対応する角度制御層の透過スペクトル半値幅以下であるような光源を有することを特徴とした検証器である。
請求項7に記載の発明は、本発明の効果を発現させるための検証器の光源を限定したものであり、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光潜像媒体の検証器であって前記検証器がコリメートした光を発する1つ以上のLEDを有し、前記コリメートした光が、入射角度が所定の角度である場合に1層以上の角度制御層の透過率ボトム波長と一致するような発光ピーク波長を持ち、LEDの発光スペクトル半値幅は、発光ピーク波長が透過率ボトム波長と一致し対応する角度制御層の透過スペクトル半値幅以下であるようなLEDを有することを特徴とした検証器である。
請求項8に記載の発明は、本発明の効果を発現させるための検証器のうち、より特徴的な効果を発現させる検証器について説明したものであり、請求項6に記載の検証器であって、人間が残像を知覚する時間以下の周期で点滅する2つの光源を有し、片方の光源は、請求項3又は4に記載の蛍光潜像媒体の面に対して垂直方向に、コリメートした光を入射し、他方の光源は、同蛍光潜像媒体の面に対して斜め方向に、コリメートした光を入射するように設けたことを特徴とした検証器である。
請求項9に記載の発明は、本発明の効果を発現させるための検証器のうち、より特徴的な効果を発現させる検証器の光源を限定したものであり、請求項7に記載の検証器であって、人間が残像を知覚する時間以下の周期で点滅する2つのLEDを有し、片方のLEDは、請求項3又は4に記載の蛍光潜像媒体の面に対して垂直方向に、コリメートした光を入射し、他方のLEDは、同蛍光潜像媒体の面に対して斜め方向に、コリメートした光を入射するように設けたことを特徴とした検証器である。
請求項10の発明は、本発明の効果を検証するための特徴的な検証方法について説明したものであり、請求項3又は4に記載の蛍光潜像媒体に対し、請求項6又は7に記載の検証器の光源を照射する際、蛍光潜像媒体を振ることによって蛍光潜像媒体の色が変化し、該色変化を観察することで蛍光潜像媒体の機能を検証する検証方法である。
本発明によれば、特定の光源を持った検証器で異なった角度から光を照射することにより、発光する蛍光の外観を変化させることが可能である。
本発明の一実施形態に係る蛍光潜像媒体の基本的な層構成の一例を示す断面図である。 斜めからの光で発光するタイプの蛍光潜像媒体の層構成の一例を示した断面図である。 斜めからの光で発光するタイプの蛍光潜像媒体における、入射光の発光強度スペクトルと、角度制御層の入射角度ごとの透過率スペクトル、蛍光層の励起スペクトル、蛍光発光スペクトルである。 コリメート光の特性を説明する模式図である。 正面からの光で発光するタイプの蛍光潜像媒体の層構成の一例を示した断面図である。 正面からの光で発光するタイプの蛍光潜像媒体における、入射光の発光強度スペクトルと、角度制御層の入射角度ごとの透過率スペクトルである。 追記潜像効果を持つ蛍光潜像媒体の層構成の一例を示す断面図である。 混色効果型蛍光潜像媒体の蛍光パターンの一例を示した上面図である。 フルカラー蛍光潜像媒体の層構成の一例を示した断面図である。 追記潜像効果型蛍光潜像媒体を自動検証器で検証している様子を示した断面図である。 Duty比50%における正面入射励起光と斜め入射励起光の、時間に対する発光強度の関係を示した自動検証器の発光タイミングチャートである。 Duty比25%における正面入射励起光と斜め入射励起光の、時間に対する発光強度の関係を示した自動検証器の発光タイミングチャートである。 Duty比25%における光源の発光強度を調整する場合の正面入射励起光と斜め入射励起光の、時間に対する発光強度の関係を示した自動検証器の発光タイミングチャートである。 自動検証器を使わずに高速で励起光入射角度を切り替える検証方法を示した模式図である。
以下、本発明の一実施形態に係る蛍光潜像媒体を詳細に説明する。
<蛍光潜像媒体10の層構成>
図1は、本発明における蛍光潜像媒体の基本的な層構成の一例を示すものであって、必須の構成要素からなる最小構成を示したものである。
図1に記載の蛍光潜像媒体10は、角度制御層101と、蛍光層102とが、観察視点100からこの順で積層されてなる。
角度制御層101はコレステリック液晶からなり、特定波長の光が反射され、同時に該当波長の透過率が下がるように設計されている。
<コレステリック液晶>
コレステリック液晶は、螺旋状の分子構造を有するコレステリック液晶が、その螺旋軸に沿って光の屈折率が周期的に変動するため、そのねじれ構造のピッチに応じた波長の光を選択的に反射する。従って、ねじれ構造のピッチを制御することで所望の波長の光を選択的に反射させることが可能となる。そしてこれらコレステリック液晶を配向させることにより、その各分子が層を成して均一に配列され、反射光同士が強め合って全体として前記波長の光を反射し、同時に選択的に該当波長の透過率を下げることができる。また、光の入射角度によってねじれ構造のピッチが見かけ上変化するため、入射角度が変化すると反射光や透過光のスペクトルにおけるピーク波長が変化する。具体的には面に対して垂直方向からの入射よりも、斜め方向からの入射の方が、見かけ上のピッチが狭くなることから、反射光や透過光のスペクトルピーク波長は短波長側にシフトするものが殆どである。
尚、配向したコレステリック液晶分子は、螺旋構造を有することから、その反射光は右旋円偏光または左旋円偏光となり、同時に透過光は反射光と逆向きに回転する円偏光となる。また、コレステリック液晶は、配向膜上に層形成することで配向させることができる。即ち基材上に配向膜を形成し、この配向膜上にコレステリック液晶層を形成することで配向させることが可能である。この配向膜としてはポリビニルアルコールやポリイミドの塗布膜をラビング処理したものが使用できる。ラビングは、例えば、コットンやベルベットを使用して可能である。また、せん断力を加えながら塗布することにより、そのせん断力の方向に配向させることもできる。あるいは、コレステリック液晶層を形成した後、せん断力を加えて配向させることもできる。また、形成したコレステリック液晶の層に偏光したレーザー光を照射したり、電解または磁界を加えたりして配向させることもできる。
このコレステリック液晶層は、ネマティック構造やスメクチック構造を有する液晶物質、カイラル物質、光重合性多官能化合物及び重合開始剤を混合した液晶溶液を塗布し、その塗布膜に紫外線を照射することで形成することができる。この時、カイラル物質が液晶物質同士を結合して前記螺旋構造を形成する。また、光重合性多官能化合物は互いに重合硬化してコレステリック液晶を固定する。
前記液晶物質とカイラル物質の代わりに分子中に不整炭素原子を持つ光学異性体液晶物質を使用して、この光学異性体液晶物質、光重合性多官能化合物及び重合開始剤を混合して塗布し、紫外線を照射することでコレステリック液晶層を形成することも可能である。
また、前記液晶溶液を、直接、基材上に塗布してコレステリック液晶層を形成することもできるし、別の支持体上にコレステリック液晶層を形成した後、接着剤を使用して基材に接着したり、ラミネートなどの方法を用いて転写したりすることで、基材上にコレステリック液晶層を形成しても良い。
次に、前記光重合性多官能化合物としては、重合性官能基、重縮合性官能基または重付加に有効な官能基を分子中に2個ないしそれ以上有する単量体又はオリゴマーが使用できる。
また、この光重合性多官能化合物に加えて、単官能の単量体又はオリゴマーを併用することも可能である。ラジカル系光重合性多官能単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が例示できる。
また、ラジカル系光重合性多官能オリゴマーとしては、例えば、ポリウレタンポリアクリレート、エポキシ樹脂系ポリアクリレート、アクリルポリオールポリアクリレート等が例示できる。
また、ラジカル系光重合性単官能単量体としては、アルキル(C1〜C18)(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート、アルコキシ(C1〜C10)アルキル(C2〜C4)(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート、アルコキシ(C2〜C10)ポリアルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート等で挙げられる。また、芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル系化合物が使用でき、また、3次元架橋性液晶ポリオルガノシロキサンを使用することもできる。
続いて、重合開始剤としては、ラジカル系光重合開始剤やカチオン系光重合開始剤が使用できる。また、これら光重合開始剤に加えて、増感剤や過酸化物を併用することもできる。ラジカル系光重合開始剤としては、α−ヒドロキシアセトフェノン系、α−アミノアセトフェノン系等のアセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、α−ジカルボニル系、α−アシルオキシムエステル系等公知のものが使用され、具体的にはα−アミノアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、イソプロピルチオキサントン、ベンゾフェノンとN−メチルジエタノールアミンとの併用等が挙げられる。
カチオン系光重合開始剤としては従来公知のものを特に制限なく使用することができ、さらに好ましくは、公知の増感剤や過酸化物と適宜併用することができる。例えば、アリルヨードニウム塩−α−ヒドロキシアセトフェノン系、トリアリルスルホニウム塩系、メタロセン化合物−パーオキサイド併用系、メタロセン化合物−チオキサントン併用系、メタロセン化合物−アントラセン併用系等である。
そして、これら液晶物質、カイラル物質、光重合性多官能化合物及び重合開始剤を混合した液晶溶液を塗布するにあたって利用する塗工装置としては、コンマコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、スピンコーター、オフセット等が使用できる。また、厚みは0.5〜200μm程度で良い。
<蛍光層>
蛍光層102は、特定波長の光によって励起し、異なる波長の光を発光するものであり、一般的に蛍光顔料を用いたインキやリボンを用いた印刷物や印字物が相当する。紫外光によって励起し可視光を発光するものでも良いし、可視光によって励起し可視光を発光するものでも良いし、紫外光や可視光によって励起し赤外光を発光するものでも良い。また、赤外光によって励起し可視光を発光するもの、所謂アップコンバージョンタイプの材料を用いても良い。
蛍光顔料として具体的には、ユウロピウムやテルビウムなどの希土類元素や転移金属を加えたもの、蛍光灯にも使用されているハロリン酸カルシウムのほか、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化ユウロピウム、イリジウム錯体など、各種材料を用いることができる。また、バナジウム酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、リン酸塩などをネオジウムとイッテルビウム等の希土類元素を活性剤としてドープした材料や、ネオジウムやイッテルビウムの一部をイットリウムやランタン等で置換した材料などに代表される、赤外光を発光する材料を使用することもできる。
<蛍光潜像媒体10の効果と原理>
蛍光潜像媒体10の基本的な効果は、角度制御層101によって、特定波長の光が面に対して垂直方向から入射した時と、斜め方向から入射した時の透過率が異なることによって、特定波長の光が蛍光層102の励起エネルギーを異ならせ、結果として発光強度が変化するものである。
この構成において具体的な効果は2種類存在する。
1種類目は、図2に示すように、面に対して垂直方向から入射する光202は通さないが、面に対して斜め方向から入射する光204は通すものである。
図2は斜めからの光で発光するタイプの蛍光潜像媒体の層構成の一例を示した断面図である。説明のため、角度制御層101と蛍光層102の間に隙間を設けている。
また、図3(a)〜(c)は斜めからの光で発光するタイプの蛍光潜像媒体における、入射光の発光強度スペクトルと、角度制御層101の入射角度ごとの透過率スペクトル、蛍光層の励起スペクトル、蛍光発光スペクトルである。
ここで、角度制御層101の透過スペクトルが最も低い透過率ボトム波長301は、面に対して垂直方向からの光源201から発せられた、面に対して垂直方向から入射する光202の発光ピーク波長302と一致しているため、角度制御層101における透過率が下がり、蛍光層102が励起しないため発光しないか極めて弱く発光するのに対し、面に対して斜め方向からの光源203から発せられた、面に対して斜め方向から入射する光204の発光ピーク波長302は、角度制御層101における透過率ボトム波長が短波長側にシフトした斜めボトム波長303と一致しないため、角度制御層101における透過率が下がらず、蛍光層102は励起し発光する。
ここで、図3における入射光の発光強度スペクトルの発光ピーク波長302における発光スペクトル半値幅304は、角度制御層101の透過スペクトルの透過率ボトム波長301における透過スペクトル半値幅305と同じか、それより狭くなっている必要がある。発光スペクトル半値幅304の方が透過スペクトル半値幅305よりも広いブロードな発光をしていると、透過率が下がりきらない帯域の波長が透過し、蛍光層102の励起・発光に寄与してしまうためである。
この条件を満たすために、発光スペクトル半値幅304が狭い光源を選んでも、透過スペクトル半値幅305が広い角度制御層101を選んでも、どちらでも良い。
発光スペクトル半値幅304の狭い光源を選ぶ方法の1つは、LEDを使用することである。特に蛍光顔料を励起させるのに多く用いられる紫外線LEDは発光スペクトル半値幅304がおよそ15〜50nm程度と、非常に狭く急峻なスペクトルを有している。
また別の方法としてLEDよりもブロードなスペクトルを有する光源を用いたとしても、ローパスフィルタ及びハイパスフィルタ、もしくはバンドパスフィルタを用いることによって最終的に外に照射される光のスペクトル半値幅を狭くすることができる。もしくは、単一波長を発光するレーザー光源を用いるという方法もある。レーザー光源を用いる場合は、適宜レンズ等を用いて光のビーム直径を広くするのが好ましい。
更に、光源は波長や半値幅のほかに、コリメート光を放射しているという特徴を有している必要がある。コリメート光とは、平行光である。図4は、このコリメート光を説明する模式図である。コリメート光とは、図4(a)に例示するように、光源から発せられた光が高い指向性を持って空間を直進するものを指す。これは、本発明では媒体に対する入射光の入射角度によって効果を発現させるため、図4(b)のように点光源からの全方位拡散光や、媒体に対して広い面積からの発光は、媒体に対して様々な角度から同時に光を入射することになるためである。
コリメート光を放射するためには、反射鏡を用いる、もしくはガリレオ式やケプラー式などの組み合わせで設計されたレンズを用いるなどの方法が考えられる。また、完全なコリメート光でなくても、ある程度の指向性をもち、媒体との距離が近ければ媒体に入射するまでに十分拡散しきらないため、ほぼコリメート光として扱うこともできる。逆に、裸電球のような全方位への拡散光を発する光源であっても、媒体との距離が十分離れている場合は結果として媒体へは拡散光の一部がコリメート光として入射することになるため、必ずしも光源の放射方法によるものではないが、距離による空間伝搬損失などの問題を考慮すると、パッケージがレンズの一部も兼ねており、ある程度高い指向性を有する砲弾型LEDを用いるのが好適である。また、コリメートした光とは、このような方法を用いて作られたコリメート光を指す。
また、光源はいくら角度制御層101で特定角度における透過率を下げる効果があるとは言え、それ以上の出力で光を照射すれば、発光するに十分な量の励起光が蛍光層に届くことになる。取り分け励起波長が可視光外である場合、強力な光であっても人間は感知できないため、強力な可視光外励起光を用いた場合に、意図しない角度での蛍光発光を視認できてしまう場合がある。そのため、現実的な観察空間において適切な見え方をするよう光源の出力を調節することも必要である。
透過スペクトル半値幅305の広い角度制御層101を選ぶ方法としては、材料としてなるべくブロードな反射スペクトルを持つコレステリック液晶材料を選定するほか、基準となる発光ピーク波長302よりも少し短波長および長波長側に透過率ボトム波長301をずらした複数層のコレステリック液晶を積層することによっても、最終的な透過スペクトル半値幅305を広く確保することができる。また、コレステリック液晶へ意図的に不純物を添加するなどの方法で、コレステリック液晶の配向を悪化させることによっても透過スペクトル半値幅305が広くなる。
2種類目は、図5に示すように、面に対して斜め方向から入射する光404は通さないが、面に対して垂直方向から入射する光402は通すものである。
図5は正面からの光で発光するタイプの蛍光潜像媒体の層構成の一例を示した断面図である。説明のため、角度制御層101と蛍光層102の間に隙間を設けている。
また、図6(a)、(b)は正面からの光で発光するタイプの蛍光潜像媒体における、入射光の発光強度スペクトルと、角度制御層101の入射角度ごとの透過率スペクトルである。
ここで、角度制御層101の透過スペクトルが最も低い透過率ボトム波長501は、面に対して垂直方向からの光源401から発せられた、面に対して垂直方向から入射する光402の発光ピーク波長502とは一致しないため、角度制御層101における透過率が下がらず、蛍光層102は励起し発光するのに対し、面に対して斜め方向からの光源403から発せられた、面に対して斜め方向から入射する光404の発光ピーク波長502は、角度制御層101における透過率ボトム波長が短波長側にシフトした斜めボトム波長503と一致するため、角度制御層101における透過率が下がり、蛍光層102が励起しないため発光しないか極めて弱く発光する。要は特定角度の斜め方向からの入射された時に最も透過率が下がるよう設計された角度制御層101を用いるということである。
ここで図6における入射光の発光強度スペクトルの発光ピーク波長502における発光スペクトル半値幅504は、角度制御層101の透過スペクトルの斜めボトム波長503における透過スペクトル半値幅505と同じか、それより狭くなっている必要があるのは、1種類目と同じであり、この条件を満たすために発光スペクトル半値幅304の狭い光源を選んでも、透過スペクトル半値幅305の広い角度制御層101を選んでも、どちらでも良いという点も同じであり、それらの選定方法も同じである。
尚、角度制御層101にはコレステリック液晶を用いるが、前述の通りコレステリック液晶は右旋円偏光もしくは左旋円偏光のどちらかのみを反射し、逆回転の円偏光は透過してしまう。本発明においては、角度制御層101で特定波長における透過率をなるべく下げた方がより効果的であるため、右旋円偏光と左旋円偏光の両方を反射させることによって、偏光成分によらず透過する光を遮断するのが好ましい。従って、2層のコレステリック液晶を使用しても良いが、本明細書中では角度制御層101として1層で説明を行う。
右旋回円偏光と左旋円偏光の両方を反射させる方法としては、例えば右旋円偏光を反射するコレステリック液晶と、左旋円偏光を反射するコレステリック液晶を積層する方法が考えられる。また他の例としては、右旋円偏光を反射するコレステリック液晶を形成・硬化させた後、位相差λ/2のネマティック液晶を積層して形成・硬化させ、続いて再度右旋円偏光を反射するコレステリック液晶を形成する方法が考えられる。これは、下層側に形成されたコレステリック液晶が反射した右旋円偏光が、位相差λ/2のネマティック液晶を通過することによって位相が180度ずれて左旋円偏光となることを利用したものである。ネマティック液晶の代わりに、セロファン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリスルホン、シクロオレフィンポリマー、アモルファスポリオレフィン、セルロースエステル、などの高分子樹脂を一軸方向に延伸しながら製造することによって得られる公知の位相差フィルムを用いても良い。
本発明に光が入射する際、最表面での表面反射や、各層間の境界で屈折率差による反射が発生し、蛍光層102に到達する光の量は損失する。これらの反射の反射率は入射角度によって変わり、原則的には正面よりも斜めから入射した光の方が、反射率が大きくなるため、斜めから励起光を照射することによって蛍光潜像が見える構成の場合は、潜像の蛍光を阻害する要因となるが、励起光があまりにも弱い場合を除き影響は微々たるものであるため、効果が失われるようなことはない。
このようにして提供された蛍光潜像媒体10の具体的な効果は、正面または斜めから励起光が照射されることによって、片方の照射方向では蛍光潜像は見えないが、他方の照射方向では蛍光潜像が見えるという、照射方向による蛍光潜像の有無の効果である。
尚、図3に示すように、蛍光層102の励起波長は角度制御層101の透過率ボトム波長301と重なる。このとき、励起波長のうちピーク波長である励起ピーク波長308は、角度制御層101の透過率ボトム波長301と必ずしも一致する必要はない。また、励起波長スペクトル半値幅308は、透過スペクトル半値幅305より広い方が励起され易く好ましい。ここで言う蛍光層102の励起波長とは、該当波長の光が蛍光層102に吸収された際、発光現象を引き起こす波長を指し、そのピーク波長が励起ピーク波長308、その半値幅を励起スペクトル半値幅306である。また発光現象によって発せられる光のピーク波長は蛍光発光ピーク波長309、その半値幅を蛍光発光スペクトル半値幅307である。これは発光波長よりも波長の短い光で励起される通常の励起過程は勿論、
発光波長よりも長い波長の光によって励起するアップコンバージョンタイプの発光現象も該当する。図3では、このアップコンバージョンタイプの発光現象を例示している。
蛍光層102の励起波長は角度制御層101の透過率ボトム波長301と重ならない場合、それは即ち入射光の発光ピーク波長302に蛍光層102の励起波長が存在しない場合であり、入射光の角度がどのような状態であっても蛍光層102に発光現象は起こらず、本発明の効果は発せられない。一方、蛍光層102の励起波長が角度制御層101の透過率ボトム波長301と重なっている場合、それは即ち入射光の発光ピーク波長302に蛍光層102の励起波長が存在している場合であるため、特定角度以外では蛍光層102の発光現象が発生するという、本発明の効果を確認することができる。
また、透過率ボトム波長は図3の透過率ボトム波長301だけでなく、斜めボトム波長303や、図6の透過率ボトム波長501、斜めボトム波長503でも言い換えて同様の主旨について言うことができ、透過スペクトル半値幅305も、図6の透過スペクトル半値幅505と言い換えて同様の主旨について言うことができる。
更に、蛍光層102の発光波長と角度制御層の透過率ボトム波長が重なっている場合、入射光の角度に限らず、観察者の観察角度によっても蛍光層102の発光強度の変化を確認できるという効果が追加される。
<追記潜像効果型蛍光潜像媒体20の層構成と効果>
一方、図7に示す蛍光潜像媒体は、正面または斜めから励起光が照射されることによって、片方の照射方向では1つのある蛍光潜像が見え、他方の照射方向では更に追記して新たな蛍光潜像が見えるという、照射方向による蛍光潜像の変化の効果を示す。
図7は、本発明における追記潜像効果を持つ蛍光潜像媒体の層構成の一例を示した断面図である。記載の追記潜像効果型蛍光潜像媒体20は、第一蛍光層601と、角度制御層101と、第二蛍光層602が、観察視点100からこの順で積層されてなる。
図1の蛍光潜像媒体10を基本としている。角度制御層101は図1と図7で同じものであり、図1における蛍光層102は図7の第二蛍光層602と同じである。従って、図1の蛍光潜像媒体10に第一蛍光層601を積層したものが追記潜像効果型蛍光潜像媒体20である。
すなわち、第一蛍光層601は観察視点100から見て最表面にあるため、励起光を阻むものはなく、どのような方向から励起光を照射されても一様に発光する。これが追記潜像効果型蛍光潜像媒体20における第一蛍光潜像である。一方で、角度制御層101及び第二蛍光層602によって、第二蛍光層602は、正面または斜めから励起光が照射されることにより、片方の照射方向では第二蛍光層の第二蛍光潜像は見えないが、他方の照射方向では第二蛍光潜像が見えるようになるため、照射方向による第二蛍光潜像の有無の効果、言い換えると蛍光潜像の追記効果が得られることになる。
<混色効果型蛍光潜像媒体>
図8は、追記潜像効果型蛍光潜像媒体20を活用し、第一蛍光層601、第二蛍光層602のパターンによって特別な効果を生み出す、混色効果型蛍光潜像媒体の蛍光パターンの一例を示した上面図である。
混色効果型蛍光潜像媒体の効果は、正面または斜めから励起光が照射されることにより、片方の照射方向ではある1色の蛍光潜像パターンが見え、他方の照射方向では更に2色の蛍光潜像パターンが見えることにより、都合3色の蛍光潜像パターンを視認できるものである。
図8に記載の第一蛍光パターンR701は第一蛍光層601のパターンの一部であり、赤色を発光する蛍光層で「R」の文字をパターンにしたものである。第一蛍光パターンY702も第一蛍光層601のパターンの一部であり、赤色を発光する蛍光層で「Y」の文字を網点状のパターンにしたものである。一方、第二蛍光パターンY703は第二蛍光層602のパターンの一部であり、緑色を発光する蛍光層で「Y」の文字を網点状のパターンにしたものである。ここで、第一蛍光パターンY702と第二蛍光パターンY703の位置関係は、互いの網点が互い違いになっており重なっていない。第二蛍光パターンG704は第二蛍光層602のパターンの一部であり、緑色を発光する蛍光層で「G」の文字をパターンにしたものである。第三蛍光パターンY705は、互い違いに並んだ第一蛍光パターンY702と第二蛍光パターンY703の両方を示している。
図8に記載の混色効果型蛍光潜像媒体は、正面もしくは斜めのどちらかから励起光が照射されることにより、片方の照射方向では第一蛍光パターンR701と第一蛍光パターンY702が赤色に発光している様子が見える。第一蛍光パターンR701よりも第一蛍光パターンY702の方が、網点になっているため単位面積当たりの発光強度が弱く見える。
一方、他方の照射方向では第二蛍光パターンY703と第二蛍光パターンG704が追加で発光するため、特に第三蛍光パターンY705は、赤色を発光する第一蛍光パターンY702と緑色を発光する第二蛍光パターンY702が混ざって見えることから、加法混色により黄色を発色しているように見える。
更に、第三蛍光パターンY705は、構成する第一蛍光パターンY702と第二蛍光パターンY703の、それぞれの面積占有率に偏りを生じさせることにより、より赤色に近い橙色であったり、より緑色に近い黄緑色だったり、微妙に異なる色やグラデーションを作り出すこともできる。
尚、第一蛍光パターンY702、第二蛍光パターンY703、第三蛍光パターンY705は、目視認識以下のサイズのパターンで設けられる必要がある。目視認識以下のサイズとは、観察者がそのパターンを形として認識できず、一様に設けられたベタであるように認識するサイズである。従って、観察者と媒体との間の距離や、観察者の視力、使用する観察器具など状況によって異なる。例えば、一般的な成人が手に持って観察することを前提とした媒体であれば、1つのパターン形状が数百マイクロメートル以下のサイズで設けられるのが好ましい。一方で、ビルの外壁に掲示される巨大ポスターであれば、観察者との間の距離は数十メートルになるため、1つのパターン形状が数十センチメートルでも目視認識以下のサイズとすることができる。
このように混色効果型蛍光潜像媒体は、赤色発光と緑色発光の2層2種類の蛍光層を使うだけで3色以上の異なる色を表現できるという効果がある。
<万線潜像蛍光潜像媒体>
一方で、2層2種類の蛍光層ではなく、2層1種類の蛍光層を使い、同じ色の発光でありながら、パターンを工夫することで別の効果を生み出すことも出来る。すなわち、片方の層のパターンを万線パターンとし、他方のパターンは、万線パターンと重なることによって潜像を生み出すパターンである。具体的には、潜像としたいエリアの万線パターンを、他のエリアと比べてピッチをずらすことによって一見してはただのベタ万線パターンに見えるが、一様に規則的な万線パターンと重なることによって潜像として発現する公知の従来技術である。これは本来蛍光潜像ではなく、通常目視可能な印刷パターンによって形成されるものであるが、常に互いの位置を合わせながら確認が可能な本発明は、万線パターンを形成することで、入射光の角度によって万線潜像のパターンを蛍光潜像として発色する効果を得る。
<フルカラー蛍光潜像媒体>
これまで1層の角度制御層101を用いた媒体について説明してきたが、図9の、観察視点100から見て、最表面蛍光層801、第一角度制御層802、第一蛍光層803、第二角度制御層804、第二蛍光層805の順で設けられたフルカラー蛍光潜像媒体30の層構成の一例を示した断面図に示すように、角度制御層と蛍光層の組み合わせを増やすことによって、発光する色やパターンを増やし、複雑な表現が出来るようになる。この場合、角度制御層の透過率ボトム波長を個別に設定したり、発光波長の異なる光源を複数種類用いたりすることによって表現の組み合わせを増やしてく。
<自動検証器>
図10は、追記潜像効果型蛍光潜像媒体20を自動検証器901で検証している様子を示した断面図である。自動検証器901は2つ以上の光源902を持ち、異なる角度で設置されている。自動検証器901は図中の矢印で示す通り、媒体との間の距離が特定である時、媒体の特定箇所に異なる角度から光を入射するよう設置されており、更に各光源902は任意のタイミングで点灯/消灯を制御することができる。尚、用いる媒体は必ずしも追記潜像効果型蛍光潜像媒体20でなくても良く、蛍光潜像媒体10でも、フルカラー蛍光潜像媒体30でも良い。取り分け追記潜像効果型蛍光潜像媒体20がより特徴的な効果を示すため、以下、追記潜像効果型蛍光潜像媒体20を例示しながら説明を行う。
追記潜像効果型蛍光潜像媒体20は、励起光の入射角度によって2層の蛍光層の発光を制御するものであり、取り分け2層2種類の蛍光層を用いパターンを工夫することで3色以上の色を表現できるが、入射角度の異なる2種類の励起光の、発光時間を制御することによって動的に色を変化させることができる。
すなわち、図8における第三蛍光パターンY705は、正面からの励起光入射を続けた場合は弱い赤色が、斜めからの励起光入射を続けた場合は黄色を発色する。しかし、正面からの励起光と斜めからの励起光が、時間分割1対1の割合で、人間が残像を知覚する時間以下の周期で点滅した場合、赤色と黄色の間の色である橙色を発光しているように見える。その時間分割の様子を示したのが図11(a)、(b)であり、図11(a)、(b)はDuty比50%における正面入射励起光と斜め入射励起光の、時間に対する発光強度の関係を示した自動検証器の発光タイミングチャートである。
これは、人間の目に残像として残っている光が加法混色によって色が混ざっているように見えるものである。点滅周期である人間が残像を知覚する時間とは、人間の目の時間分解能のことであり、性別や年齢によって異なるもののおよそ50ms〜100ms程度である。これよりも短い光の点滅は、連続点灯しているように知覚する。
正面から入射する励起光の発光時間と、斜めから入射する励起光の発光時間のDuty比を制御することによって、動的に第三蛍光パターンY705の発光波長を動的に制御することができる。つまり、人間が残像を知覚する時間以下の周期の中で、正面から入射する励起光の発光時間の占有率が大きければ赤色に近い色が発色し、斜めから入射する励起光の発光時間の占有率が大きければ黄色に近い色が発色する。図12(a)、(b)はDuty比25%における正面入射励起光と斜め入射励起光の、時間に対する発光強度の関係を示した自動検証器の発光タイミングチャートであり、ここでは斜め入射励起光の発光時間の方が長いため、黄色に近い薄い橙色のような色が発光する。
更に、Duty比が0%もしくは100%に近付き発光時間の占有率に偏りが生じると、第三蛍光パターンY705における第一蛍光パターンY702と第二蛍光パターンY703の占有面積の割合から蛍光パターンの発光強度が弱くなるため、Duty比の変化に応じて光源の発光強度を調整する制御を加えることにより、一定の蛍光パターン発光強度を保つことができる。
発光時間を制御しながら点滅を行う方法としては、弛張発振回路、タイマーIC、マイクロコンピュータのパルス幅変調機能などを用いて点滅のためのタイミング信号を作り出し、必要に応じてドライブ回路を介するなどして光源を点滅させる方法や、機械シャッターや液晶シャッターなど各種シャッターを用いて点灯を続ける光源の行路を特定のタイミングで遮る方法もあるが、コストや故障率、簡便さなどを考慮すると電子回路によるタイミング信号の生成による方法が良い。この際、光源には電圧を印加してから発光するまでの時間である応答速度の速いものを用いるのが良く、取り分けLEDの応答速度は数十〜数百ナノ秒と非常に高速であるため好適である。
また、光源の発光強度を調整する方法としては、光源への印加電圧を増減させることによって出力を調整する方法や、高周波信号を印加し残像時間を活用して出力を少なくする方法が考えられるが、発光時間のDuty比変化に対応した調整を行う必要があるため、発光時間制御方法に連動した方法を用いるのが良い。従って、発光時間制御と同じく電子回路によるタイミング信号を生成する方法を踏襲するのが好適である。
図13(a)、(b)は、Duty比25%における残像時間を活用して光源発光強度を調整する場合の正面入射励起光と斜め入射励起光の、時間に対する発光強度の関係を示した自動検証器の発光タイミングチャートである。基本的には垂直光と斜め光の発光時間がトータルで同じようにすると良い。
これまで説明してきた自動検証器は、2つの入射角度からの入射光を制御する場合を例示してきたが、光源は2つに限らず、多数配置し入射角度の分解能を上げ、より複雑な制御をすることも可能である。
<検証方法>
自動検証器を使わなくても、図14に示すように追記潜像効果型蛍光潜像媒体20の中央を持ち、指や手首を使って高速で振ることで、蛍光潜像998に対する入射光源999からの励起光の入射角度を高速に切り替えることが可能となり、加法混色による発色効果を出すことができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
まず、厚み16μmの延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(商品名:テオネックス、Q51、帝人デュポンフィルム(株)製)に、下記に示す処方のコレステリック液晶インキを、乾燥硬化後の膜厚が3μmになるよう調整したものを、ワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥させた後、高圧水銀灯にて500mJの照射を行い硬化させることで、コレステリックフィルムを得た。
<コレステリック液晶インキ>
光重合性ネマティック液晶(商品名:パリオカラー LC242 BASF(株)製) 32.0重量%
カイラル剤(商品名:パリオカラー LC756 BASF(株)製) 2.2重量%
重合開始剤(商品名:イルガキュア 184 BASF(株)製) 0.5重量%
溶剤(メチルエチルケトン) 65.3重量%
続いて、λ/2位相差フィルム(商品名:ピュアエース、TT、位相差275nm、帝人化成(株)製)の片面に、下記に示す処方の接着剤について、乾燥後の膜厚が5μmになるよう調整したものを、ワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥して接着層を得た。
<接着剤組成>
ポリオレフィン樹脂(商品名:アウローレン 100 日本製紙ケミカル(株)製) 20重量%
シリカ粒子(商品名:サイロホービック 505 富士シリシア(株)製) 1重量%
溶剤(トルエン) 79重量%
この接着層に、コレステリック液晶の面が重なるよう、先のコレステリックフィルムを重ね、温度150℃のシリコンゴムロールを適度な圧力をかけてラミネートし、前記ポリエチレンナフタレートフィルムを剥離することによってコレステリック層を設けた。
同様にして、先のλ/2位相差フィルムの反対面にも接着剤を同条件で塗布、乾燥を行い、同じように先のコレステリックフィルムをラミネート及びポリエチレンナフタレートフィルムの剥離を行うことによって、λ/2位相差フィルムの両面にコレステリック層を設けた。これが図7における角度制御層101にあたる。
続いて、コレステリック層の片面に、下記に示す赤色蛍光インキを用い、図8に示す第一蛍光パターンR701、及び第一蛍光パターンY702のようなパターンで、スクリーン印刷機で印刷を行った後、80℃で2分間乾燥した。これは図7における第一蛍光層601にあたる。
<赤色蛍光インキ>
赤色蛍光顔料(YS−A 根本特殊化学(株)製) 2重量%
スクリーン印刷用メジウム(SS8 WACワニス 東洋インキ(株)製) 8重量%
同様にしてコレステリック層の反対面に、下記に示す緑色蛍光インキを用い、図8に示す第二蛍光パターンY703、及び第二蛍光パターンG704のようなパターンで、尚且つ第一蛍光層のパターンと互いに見当を合わせ、第一蛍光パターンY702と第二蛍光パターンY703が互い違いになるよう、スクリーン印刷機で印刷を行った後、80℃で2分間乾燥した。赤色蛍光インキも緑色蛍光インキも通常時目視では白色であるため、見当合わせは容易である。必要に応じて紫外線を照射することで、より視認性を上げ更に見当合わせをやり易くする。尚、これは図7における第二蛍光層602にあたる。
<緑色蛍光インキ>
緑色蛍光顔料(HG−A 根本特殊化学(株)製) 2重量%
スクリーン印刷用メジウム(SS8 WACワニス 東洋インキ(株)製) 8重量%
次に、第二蛍光層602の面に、下記に示す処方の粘着剤を、乾燥硬化後の膜厚が3μmになるよう調整したものを、ワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥させることで、粘着層を得た。
<粘着剤>
アクリル系接着剤(商品名:SKダイン 1501B 綜研化学(株)製) 50重量%
溶剤(メチルエチルケトン) 50重量%
この粘着層に接するよう、下記に示す白色系の上質紙を重ね、接着することで追記潜像効果型蛍光潜像媒体を得た。外観は全面白色の媒体である。
<上質紙>
白色系上質紙(商品名:しらおい 日本製紙(株)製) 坪量81.4g/m
得られた追記潜像効果型蛍光潜像媒体に、発光波長365nmの光を放つ紫外線LEDを用いて面に垂直の方向から照射すると、赤色の「R」と少し薄い赤色の「Y」を視認できた。続いて斜め方向から照射すると、赤色の「R」と黄色の「Y」と緑色の「G」を視認できた。
このようにして得られた蛍光潜像媒体は、クレジットカードやパスポート、公文書といった証明書や重要書類、また物品の真正保障のために用いられる各種ステッカーなどに用いて活用するに留まらず、その自由なデザインが可能である設計とユニークな効果から、アミューズメント施設の壁紙やポスター、広告などとしての活用も考えられるほか、ビル広告や現代アートなどの巨大な媒体として活用することもできる。
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
10…蛍光潜像媒体、20…追記潜像効果型蛍光潜像媒体、30…フルカラー蛍光潜像媒体、100…観察視点、101…角度制御層、102…蛍光層、201…面に対して垂直方向からの光源、202…面に対して垂直方向から入射する光、203…面に対して斜め方向からの光源、204…面に対して斜め方向から入射する光、301…透過率ボトム波長、302…発光ピーク波長、303…斜めボトム波長、304…発光スペクトル半値幅、305…透過スペクトル半値幅、306…励起スペクトル半値幅、307…蛍光発光スペクトル半値幅、308…励起ピーク波長、309…蛍光発光ピーク波長、401…面に対して垂直方向からの光源、402…面に対して垂直方向から入射する光、403…面に対して斜め方向からの光源、404…面に対して斜め方向から入射する光、501…透過率ボトム波長、502…発光ピーク波長、503…斜めボトム波長、504…発光スペクトル半値幅、505…透過スペクトル半値幅、601…第一蛍光層、602…第二蛍光層、701…第一蛍光パターンR、702…第一蛍光パターンY、703…第二蛍光パターンY、704…第二蛍光パターンG、705…第三蛍光パターンY、801…最表面蛍光層、802…第一角度制御層、803…第一蛍光層、804…第二角度制御層、805…第二蛍光層、901…自動検証器、902…光源、998…蛍光潜像、999…入射光源。

Claims (10)

  1. 基材と、蛍光層と、コレステリック液晶層からなり前記蛍光層を発光させるためのコリメートされた励起光の入射角度によって透過率が変化する角度制御層が順次積層され、前記入射角度が所定の角度である場合に前記蛍光層の励起波長が前記角度制御層の透過率ボトム波長と重なることを特徴とした蛍光潜像媒体。
  2. 前記コリメートされた励起光がLEDを光源とすることを特徴とした請求項1に記載の蛍光潜像媒体。
  3. 請求項1又は2に記載の蛍光潜像媒体のうち、発光波長の異なる2層以上の蛍光層が、目視認識以下のサイズのパターンで設けられ、励起する光の入射角度が変わることにより3色以上を表現することを特徴とした蛍光潜像媒体。
  4. 請求項1又は2に記載の蛍光潜像媒体のうち、発光波長の異なる3層以上の蛍光層が、目視認識以下のサイズのパターンで設けられ、励起する光の入射角度が変わることによりフルカラーを表現することを特徴とした蛍光潜像媒体。
  5. 請求項1又は2に記載の蛍光潜像媒体のうち、2層以上の蛍光層が万線状パターンで設けられ、励起する光の入射角度が変わることにより万線潜像を発現することを特徴とした蛍光潜像媒体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光潜像媒体の検証器であって前記検証器がコリメートした光を発する1つ以上の光源を有し、前記コリメートした光が、入射角度が所定の角度である場合に1層以上の角度制御層の透過率ボトム波長と一致するような発光ピーク波長を持ち、
    前記光源の発光スペクトル半値幅は、発光ピーク波長が透過率ボトム波長と一致し対応する角度制御層の透過スペクトル半値幅以下であることを特徴とした検証器。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光潜像媒体の検証器であって前記検証器がコリメートした光を発する1つ以上のLEDを有し、前記コリメートした光が、入射角度が所定の角度である場合に1層以上の角度制御層の透過率ボトム波長と一致するような発光ピーク波長を持ち、
    前記LEDの発光スペクトル半値幅は、発光ピーク波長が透過率ボトム波長と一致し対応する角度制御層の透過スペクトル半値幅以下であることを特徴とした検証器。
  8. 請求項6に記載の検証器であって、
    人間が残像を知覚する時間以下の周期で点滅する2つの光源を有し、片方の光源は、請求項3又は4に記載の蛍光潜像媒体の面に対して垂直方向に、コリメートした光を入射し、他方の光源は、同蛍光潜像媒体の面に対して斜め方向に、コリメートした光を入射するように設けたことを特徴とした検証器。
  9. 請求項7に記載の検証器であって、
    人間が残像を知覚する時間以下の周期で点滅する2つのLEDを有し、片方のLEDは、請求項3又は4に記載の蛍光潜像媒体の面に対して垂直方向に、コリメートした光を入射し、他方のLEDは、同蛍光潜像媒体の面に対して斜め方向に、コリメートした光を入射するように設けたことを特徴とした検証器。
  10. 請求項3又は4に記載の蛍光潜像媒体に対し、請求項6又は7に記載の検証器の光源を照射する際、蛍光潜像媒体を振ることによって蛍光潜像媒体の色が変化し、該色変化を観察することで蛍光潜像媒体の機能を検証する検証方法。
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