JP6224585B2 - 化合物の感受性ポテンシャルを決定するための材料と方法 - Google Patents
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Description
(a)前記試験化合物を細胞と接触させるステップ;
(b)前記細胞中の表1から選択される1以上のマーカータンパク質の発現の存在またはレベルの変化を決定するステップ;および
(c)前記マーカータンパク質の発現の存在またはレベルの変化に基づいて前記試験化合物の感作ポテンシャルを決定する(ここで、前記1以上のマーカータンパク質の発現の存在もしくはレベルの変化は前記試験化合物が感作ポテンシャルを有することを示す)ステップ
を含むものである前記方法が提供される。
(a)その細胞を前記マーカータンパク質または前記マーカータンパク質をコードする核酸配列と選択的に結合する少なくとも1つの特異的結合メンバーと接触させるステップ;および
(b)前記特異的結合メンバーとマーカータンパク質または前記マーカータンパク質をコードする核酸配列により形成される複合体を検出しおよび/または決定するステップ
を含みうる。
(a)分析物と結合することができる結合メンバーがその上に固定された固体支持体;
(b)標識を含む現像剤;および、任意に
(c)洗浄溶液、希釈剤およびバッファーから成る群より選択される1以上の化合物
を含むものである。
(a)1以上の結合メンバーがその上に固定された固体支持体であって、ここで各結合メンバーは表1、表1(A)グループ1;表1(B)グループ2;または表1(C)グループ3に与えられたグループから選択されるタンパク質マーカーまたは前記タンパク質マーカーもしくはその断片をコードする核酸と選択的に結合する前記固体支持体;
(b)標識を含む現像剤;および
(c)洗浄溶液、希釈剤およびバッファーから選択される1以上の成分を含んでもよい。
用語「抗体」にはポリクローナル抗血清、モノクローナル抗体、抗体のフラグメント、例えば1本鎖およびFabフラグメント、ならびに遺伝子操作で作られた抗体が含まれる。抗体はキメラまたは単一種のものであってもよい。
用語「ビーズ懸濁液アレイ」は、それぞれの粒子がそのサイズおよび色または蛍光サインに関係するコード特性を含有し、1以上の同定可能な異なる粒子の水性懸濁液を意味し、そしてこのかかるコード特性の特別な組み合わせのビーズの全てが抗原に対して規定した特異性を持つ抗体でコートされ、その後の標的抗原の捕獲およびその後のかかる結合の程度の検出が可能になる。かかるアレイの例は、www.luminexcorp.comに見出すことができ、ここにはLuminex(登録商標)100TM系のxMAP(登録商標)ビーズ懸濁液の応用が記載されている。
化学物質安全性試験の必要性は、医薬品に対してならびに化粧品およびヒトの皮膚および粘膜と接触する広範囲の他製品の販売認可に対して長期にわたり規制プロセスを確立してきた。いくつもの試験体制が確立されていると共に、いくつかの事例ではこれらの試験のごく少数が国家規制機関による目的によって禁止されている。概してこれらの試験は全生存生物研究、典型的にはげっ歯類に基づくものである。
候補バイオマーカーの発見に用いたトレーニング化学物質
ヒトケラチノサイト中のバイオマーカーを発見するために一式のトレーニング化学物質を選択した。選択した化学物質は5種の異なる強度の皮膚感作剤、および2種の非感作物質/刺激物質を含んだ(表2)。
DNCB:1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン(DNCB)はカラー写真処理に用いられる有機化合物である。DNCBは極端なアレルゲンと考えられる。
SDS:ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)またはラウリル硫酸ナトリウム(SLS)は多くの洗浄および衛生製品に利用されるアニオン界面活性剤である。SDSは皮膚および眼刺激を引き起こす。
初代ヒトケラチノサイトをProvitro(Berlin、Germany)から得た。細胞を10cmディッシュ1枚当たり3 x 10E5細胞でまいた。細胞を血清を含まず薬物を添加したケラチノサイト増殖培地(Provitro)にて増殖して80〜90%密度とした後に処理した。細胞を37℃にて5%CO2中で増殖した。実験には第2および第3継代の凍結保存後の播種を用いた。
細胞を4体積の100mM TEAB(炭酸水素トリエチルアンモニウム)、pH 8.5+0.1、1mM TCEP(トリス[2-カルボキシエチル]ホスフィン*HCl)、0.1%SDSに溶解した。細胞ペレットを溶解バッファーに懸濁した後、懸濁液を95℃にて10分間、熱ミキサー(Eppendorf、Thermomixer comfort)中で加熱した。細胞溶解液を氷上で2分間、2回超音波処理し、その後、第2サイクルの加熱と超音波処理を行った。サンプルを次いで14,000gにて10分間遠心分離しそして上清をさらなる分析に用いるかまたは-80℃にて貯蔵した。
タンパク質濃度をBradford試薬を用いて決定した。その結果を、BSA/IgG(50%/50%)から成る標準の希釈液の測定値から作成した標準曲線を用いて計算した。
タンデム質量タグ(TMT)(Thermo Scientific)は一式のアミン反応性標識を含み、これらは重および軽同位体で合成されて同じ総質量を示すが衝突誘起解離(CID)による活性化とその後のタンデム質量分析(MS/MS)後に異なる質量のレポーターイオンを与える。
サンプルを3mL水/アセトニトリル95:5+0.1%TFAでそれぞれ希釈し、次いでHLB Oasisカートリッジ(1cc、30mg、Waters)を用いて脱塩した。溶出画分をそれぞれさらに、自己作製カートリッジ(CHROMABOND 空カラム 15ml、Macherey-Nagel、650μL SP Sephalose Fast Flowを充填、Sigma)を用いて強カチオン交換により精製した。ペプチドを充填しかつ4mL水/アセトニトリル75:25+0.1%TFAで洗浄後、ペプチドを2mLH2O:ACN75:25+400mMの酢酸アンモニウムを用いて溶出した。サンプルを真空濃縮器中で乾燥し、それぞれ50μL水/アセトニトリル95:5+0.1%TFAに溶解し、そして分析まで-20℃にて保存した。
TMTシクスプレックス標識サンプルを高性能液クロマトグラフィ-タンデム質量分析(HPLC-MS/MS)により測定した。例えば、5μL(5μg)の各サンプルを、CID(衝突誘起解離)およびHCD(高エネルギー衝突解離)モードで操作したエレクトロスプレーイオン化線形イオントラップ四重極Orbitrap質量分析計(Thermo Scientific)に注入し、これを用いて測定した。このペプチド混合物をEksigent NanoLCでReprosil C18トラップカラム(10x0.1mm、5μm)およびReprosil C18分析カラム(400x0.075mm、3μm)を用いて流量350nL/分(60分間、勾配:5-30%アセトニトリル)で分離した。計器パラメーター:解像(MS=30,000;MS/MS=7,500)、衝突エネルギー(CID=35およびHCD=75)単離幅(CID=2u、HCD=1.5u)。
1つのLC/MS/MS試験内の任意のレポーターイオンの一定積分(constant integral)の仮定に基づくサムスケーリング(sum scaling)の方法により、質量タグの6つのレポーターイオン強度を同位体分布およびシステム偏差と関係付けた。加えて、全6つのタグが80 AU(任意のユニット)より小さくかつ2未満のタグのレポーターイオン強度が10 AUより小さい場合、これらのMS/MSスキャンをフィルターにかけて外した。レポーターイオンの相対強度はサンプル中のペプチドの相対量を表す。あるペプチド相対量の全サンプルに対する相対量を比較するために、各サンプル-対-プールした参照サンプル間の比を計算した。いくつかの実験においては、各サンプルの比を同じドナーから作られた各サンプルと各対照サンプルとの間で計算した。比をlog2変換して各ペプチドに対する参照測定値を得た。タンパク質レベルの相対的変化についての情報を得るために、1つのタンパク質同一性に属する各同定したペプチドに対するlog2参照レポーターイオン強度を幾何平均として平均した。
感作物質および刺激物質のグループに属する参照化学物質ならびに適当な(ビヒクル)対照のグループに属する参照化学物質を用いて候補タンパク質バイオマーカーを選択した。これらの化学物質を2つの異なる濃度で適用して濃度依存効果を探求した。
感作物質と非感作物質の間の区別を可能にする候補タンパク質バイオマーカーを発見するために、表2に掲げたトレーニング化学物質を含む2つおよび4つの発見研究を次の通り実施した。
部分最小二乗回帰(PLS)分析を実施して、2つの最初の潜在成分の負荷スコアを見ることにより最も有望なタンパク質を選択することも可能である(図1)。モデルを応答変数(y)「アレルゲン」および「刺激物質」ならびに予測因子(x)としてANOVAおよびLMEフィルターしたタンパク質を用いて構築した。第1のPLS成分(x軸)を第2のPLS成分(y軸)に対してプロットした。応答変数「アレルゲン」に近いバイオマーカーは化学物質をポテンシャルアレルゲンとして分類する上で強い役割を有する。応答変数「刺激物質」に近いバイオマーカーは化学物質を刺激物質として同定する。PLS負荷プロット(図1)に基づいて、アレルゲンを同定するための12種の最も重要なタンパク質はグループ1(表1)のタンパク質を含むものである。グループ2(表1)は刺激物質/非感作物質を同定するための最も重要なタンパク質を含むものである。
GAPDH、TXN、LIMAl、MT1G、RPL31、ANXA3、EIF3CL;EIF3C、ARHGDIA、PCBP1、NAP1L1、HSPA1B;HSPA1A、AKR1C2
グループ2:
RPL14、EPS8、SERPINB2、VDAC3、ANXA1、CSTB
グループ3:
表1のグループ3は、化学刺激物質および感作物質の色々な組み合わせの試験に関わる4つの研究の少なくとも1つにおいてp<=0.05の有意判定要件を合格するさらなる感作物質バイオマーカーを含有する。
感作ポテンシャルを予測するマーカーを見出すための代わりのアプローチとして、本発明者らは市販のイムノアッセイを用いてバイオマーカーの濃度を測定し、3種のバイオマーカーのレベルを測定した。ウェスタンブロットまたはELISAにより測定するこれらの3種のタンパク質は、ストレス毒性経路のバイオマーカーの参考文献の総括に基づいて選択された。細胞を実施例1に記載の通り培養し、細胞抽出物を用いてELISAまたはウェスタンブロットにより直接分析した。全てのキットは製造業者取扱説明書に従って用いた。
熱ショックタンパク質(HSP)は分子シャペロンとして機能し、重要なタンパク質のミスフォールディングおよび凝集を防止しかつタンパク質の適当なフォールディングを支援する。HSPの発現は熱、トキシンおよび酸化ストレスにより増加する。70kDa熱ショックタンパク質(Hsp70)は3つのメンバーHSPA1A、HSPA1B、およびHSPA1Lを含む。HSP70は皮膚に発現され、HSP70特異的抗体を用いるマウスにおけるHSP70の阻害はl-フルオロ-2,-ジニトロベンゼン接触過敏性応答の低下をもたらした(Yusuf et al. 2009)。接触感作物質および刺激物質のHSP70生産に与える効果はHSP70特異的ELISA(Assay Designs Inc. Ann Arbor、USA)を用いて確認した。HSP70発現の誘導を意味する一般ストレス応答に基づいて、これは全てのクラスの化学アレルゲンに対するマーカーであることが期待されうる。驚いたことに、この結果はHSP70がTMTDおよびCAにより最も強く誘導されるが、DNCB、ニッケルおよびDNCBに対する応答が小さいことを示す(図3)。
メタロチオネイン(MT)は低分子量で、システインが豊富であり、亜鉛およびニッケルを含む金属を隔絶して細胞を金属毒性から保護するタンパク質である。MT発現は金属イオンによりおよび酸化ストレスモデルにおいて誘導される。さらに、MTは抗原に関連する気道炎症のマウスモデルにおいて細胞を保護する役割を果たすようである。(Inoue et al. 2009の総括)。接触感作物質および刺激物質のMT1G生産に与える効果を、MT1G特異的抗体(クローンUClMT、Biozol、Eching、Germany)を用いるウェスタンブロット分析により確認した。驚いたことに、その結果は金属アレルゲンニッケルおよびDNCBと比較して、TMTDに曝したケラチノサイトにおいて、MT1Gが最も強く誘導されることを示した(図5)。
アルド-ケトレダクターゼC1(AKR1C2)
アルド-ケトレダクターゼファミリー1、メンバーC2(AKR1C2)はアルド/ケトレダクターゼ スーパーファミリーのメンバーであり、このメンバーはNADHおよび/またはNADPHを補因子として用いてアルデヒドおよびケトンのそれらに対応するアルコールへの転化を触媒する。AKR1C2遺伝子発現のアップレギュレーションがDNBSおよびニッケルを含む皮膚感作物質に曝した樹状細胞において記載されている(Gildea et al. 2006)。接触感作物質および刺激物質のAKR1C2生産に与える効果を、AKRlC2特異的ウサギポリクローナル抗体 (Antibodies-Online、Aachen、Germany)を用いるウェスタンブロット分析により確認した。対照的に、樹状細胞AKR1C3はCAに曝したサンプルでだけ誘導された(図4)。これらの結果は、樹状細胞とケラチノサイトにおける化学感作物質に対する応答経路の誘導には実質的な相違が存在することを示す。
実施例1〜4の結果は、化学感作物質を刺激物質または対照化学物質から識別するための102種のタンパク質のパネル(表1、グループ1〜3)を同定した。今や、参照化学物質を用いて102種のバイオマーカーのパネルを決定する記載した方法を改定した形で用いて、新しくまたは今まで未試験の化学物質を試験し、それらのアレルゲン、感作物質または非感作性物質としてのポテンシャルを決定することができる。本発明によるその方法は新しい化学物質にまたは、ポジティブおよびネガティブ対照としての参照化学物質と組み合わせた新しい化学物質に曝したサンプルの試験セット中の表1から選んだバイオマーカーの濃度を測定する方法を使うことができる。典型的には、新しい試験化学物質を評価する際に、その分析は表1からのバイオマーカーの組み合わせを用いて、とりわけグループ1またはグループ2からのバイオマーカーを選択して実施すべきである。グループ1およびグループ2から選択されるバイオマーカーのパネルの使用は、感作物質、刺激物質および対照の間の最も堅牢な組み合わせを確実なものにするであろう。選択したバイオマーカーが新しい化合物について巧く行けば、そのバイオマーカーの組み合わせを保持しうる。あるいは、グループ1または2からのプロセスを繰り返して他のバイオマーカーの組み合わせを試験することができる。また、グループ1または2からのバイオマーカーを拒絶し、グループ3からのバイオマーカーを含むこともできる。この繰り返しプロセスを優れた分類モデルが得られるまで続けうる。特定の例においては、DNCBなどの化学感作物質のより高い用量も皮膚刺激を引き起しうる。SDSなどの化学刺激物質は生得的免疫応答の活性化を介して皮膚炎症を引き起すと考えられる。
感作ポテンシャルの一般的マーカーのパネル内で、接触感作物質効果に関連する最強識別マーカーを選択することもできる。PLS-DA(PLS判別分析)を用いて、全ての他のクラスから皮膚感作物質の最強分離を提供する12種のタンパク質のサブグループを同定した(表1、グループ1)。従って丁度これらの12種のタンパク質を測定する標的化分析を実施して既知の皮膚感作物質を検出し、未知の試験化学物質または化学物質の組み合わせが皮膚感作ポテンシャルを有するかどうかを実証することができる。
色々な化学感作物質アッセイに対する複雑かつ可変の細胞応答にアプローチするためには、色々な細胞の応答経路を表すいくつかのバイオマーカーの同時分析を可能にするアッセイが必要である。SRMに基づくアプローチは、技法の感度と選択性、多重化能力および抗体の限られた利用可能性の故に、魅力的なELISAの代替法である。本技法では、目的のタンパク質に一意的なサインペプチドを測定し、サンプル中のタンパク質の定量的な情報を提供する。化学曝露実験に応答するペプチド存在量の変化は、典型的な同位体TMT-SRの作業手順を用いて決定することができる。本技法において、定量はTMTゼロで標識したサンプルペプチド-対-TMTシクスプレックス重同位体で標識した内部参照サンプルの相対MS強度に基づいて行われる。4種のタンパク質:チモシンβ-10(TYB10)、タンパク質S100-A8(S100A8)、タンパク質S100-A9(S100A9)および熱ショック同族71kDaタンパク質(HSPA8)を選択して多重SRMアッセイを開発した。
SRM定量のための候補ペプチドの選択
現存するMS/MSデータを用いて、最も高頻度で観察される特異的なペプチドを定量のために選択した。もし可能であれば、SRM開発のためにタンパク質1種当たり少なくとも3種のペプチドを選択した。4種の選択したタンパク質(HSPA8、S100A8、S100A9およびTYB10)に対する代表的ペプチドを(図9)に示した。選択のための判定基準には次が含まれる:トリプシンによる切断ミスのないことおよび可変性の修飾がないこと(in vivoまたは実験において)。
ケラチノサイトサンプルを感作物質および刺激物質で処置するかまたは発見フェーズのまま無処理で置いた。プールしたサンプルをトリプシンで消化しかつTMTシクスプレックスで標識して、定量の参照となるペプチドの重標識バージョンを作製した。試験サンプルを消化しかつTMTゼロで標識して、ペプチドの軽標識バージョンを作製した。各15μgのプールおよび試験サンプルをその後に混合し、固相抽出による引き続いての精製および揮発性バッファーを用いる強カチオン交換を実施した。
混合した重および軽標識サンプルを5%アセトニトリル(=ACN)、0.2%蟻酸(=FA)に再懸濁し、TSQ Vantage三連四重極質量分析計(Thermo Fisher)と結合したAccela 1250液体クロマトグラフィ(LC)系に注入してSRMデータを得た。対応するTMT六重体(sixplex)標識およびTMTゼロ標識をしたフラグメントイオン質量を計算し、そしてMS計器パラメーターを個々のQ1およびQ3遷移対について最適化した。プールした細胞溶解液サンプルを消化し、TMT六重体(sixplex)で標識し、そしてTMTゼロ標識した試験サンプルと組み合わせた。各ペプチドに対する正確な保持時間を用いると、各SRM遷移に与えられた走査時間を最大化するために用いた保持時間ウインドウでSRMサイクル時間は1.5秒であった。洗浄およびカラムを平衡化する時間を含めて、本方法の総試験時間は23分であった。脱クラスター電圧を5ボルトに設定し、ピーク幅(FWHM)を0.5に設定し、そしてクロムフィルターピーク幅を6秒に設定した。SRMアッセイは153種のSRM遷移を含み、19ペプチドと11タンパク質をカバーした。SRM遷移に対する特異的パラメーターを表5(図9)に掲げた。
SRMをSkylineバージョン1.2.0.3425 (https://skyline.gs.washington.edu/labkey/project/home/software/Skyline/begin.view)を介して可視化しかつ全てのピーク整合を可視的に実証した。ピーク面積をMicrosoft Excelに出力した。遷移を合計して各ペプチドに対する全遷移の総強度を得た。内因性(軽)ペプチドの量を、内部の重標識した参照サンプルに対する相対的なピーク面積比に基づいて計算した。
Claims (19)
- 試験化合物の感作ポテンシャルを決定するin vitroの方法であって、
(a)前記試験化合物を細胞と接触させるステップ;
(b)グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)及び2以上のさらなるマーカータンパク質の発現レベルの変化を決定するステップ;および
(c)前記発現のレベルの変化に基づいて前記試験化合物の感作ポテンシャルを決定するステップを含み、ここで、前記GAPDHの発現のレベルの増加、及び前記2以上のさらなるマーカータンパク質の発現の存在もしくはレベルの変化は前記試験化合物が感作ポテンシャルを有することを示し、
前記2以上のさらなるマーカータンパク質が、表1、表1(A)グループ1、表1(B)グループ2、もしくは表1(C)グループ3またはそれらの組み合わせから選択され、
前記細胞が哺乳動物の皮膚細胞である、前記方法。 - 前記哺乳動物の皮膚細胞が、初代ケラチノサイト、ケラチノサイト由来の細胞株、表皮ケラチノサイト、バルジ由来のケラチノサイト、包皮ケラチノサイト、ケラチノサイト特性を有するヒト細胞由来の細胞、HaCaT細胞株由来の細胞及びNCTC2544細胞株由来の細胞からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記2以上のさらなるマーカータンパク質が表1(A)グループ1から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記2以上のさらなるマーカータンパク質が表1(B)グループ2から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- ステップ(b)がGAPDH及び2以上のさらなるタンパク質マーカーの存在または発現レベルを参照レベルと比較するステップを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- ステップ(b)が細胞を前記マーカータンパク質または前記マーカータンパク質をコードする核酸配列と選択的に結合する少なくとも1つの特異的結合メンバーと接触させるステップ;および前記特異的結合メンバーとマーカータンパク質または前記マーカータンパク質をコードする核酸配列により形成される複合体を検出および/または定量するステップを含むものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記決定するステップがGAPDH及び2以上のさらなるマーカータンパク質の既知の発現レベルの標準を用いる標準曲線を準備するステップおよび試験化合物と接触させた細胞を用いて得た読取値を比較してGAPDH及び2以上のさらなるマーカータンパク質の発現レベルの変化の測定値を得るステップを含むものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記特異的結合メンバーが前記マーカータンパク質と特異的かつ選択的に結合する抗体またはそのフラグメントであってもよい、請求項6または請求項7に記載の方法。
- 前記特異的結合メンバーがGAPDHと特異的かつ選択的に結合する自己抗体またはそのフラグメントであり、前記自己抗体は皮膚刺激またはアレルギーのある患者から得た血液サンプルから調製されたものである、請求項8に記載の方法。
- 特異的結合メンバーがアプタマーである、請求項6または請求項7に記載の方法。
- ステップ(b)を質量分析により実施する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- ステップ(b)をタンパク質マーカー由来のペプチドに対する1以上の遷移を用いる選択反応モニタリング;
(i)試験下の細胞中のペプチドレベルを、先に細胞の感受性を表すと決定されたペプチドレベルと比較するステップ、および
(ii)GAPDH及び前記2以上のさらなるマーカータンパク質の発現の変化に基づいて試験化合物の感受性ポテンシャルを決定するステップ
により実施する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 - ステップ(i)が、既知量の対応する合成ペプチドを用いて試験下の細胞からのマーカータンパク質由来のペプチドの量を決定するステップを含み、ここで合成ペプチドは標識を除いて細胞から得られるペプチドと配列が同一である、請求項12に記載の方法。
- 標識が異なる質量または重同位体のタグである、請求項13に記載の方法。
- タンパク質マーカー由来のペプチドに対する1以上の遷移が表5からの1以上の遷移を含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 結合メンバーが固体支持体上に固定された、請求項6〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 試験化合物の感作ポテンシャルをin vitroで決定するために使用するキットであって、利用者が表1に与えられたGAPDH及び2以上のさらなるマーカータンパク質またはそれらの断片の試験下の細胞中の発現レベルを決定することを可能にするキットであり;
アッセイに適合しうるフォーマットの参照ペプチドのセットを含み、ここでセット中の各ペプチドは表1、表1(A)グループ1;表1(B)グループ2;または表1(c)グループ3あるいはそれらの組み合わせに与えられたGAPDH及び2以上のさらなるマーカータンパク質のそれぞれを一意的に表すものであり;かつ
前記細胞が哺乳動物の皮膚細胞である、前記キット。 - さらに、洗浄液、希釈剤およびバッファーから成る群より選択される1以上の成分を含む、請求項17記載のキット。
- アレルゲンまたは刺激物質に曝された個体における、前記アレルゲンまたは刺激物質による接触感作可能性または刺激可能性を診断または予後モニタリングする請求項1に記載の方法であって、前記個体から得られた細胞が用いられる、前記方法。
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