JP6222422B2 - 白色系顔料、白色系インク組成物、インクセットおよびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
本発明に係る白色系顔料の一態様は、
下記式(1)で示されるSが0.15以上であることを特徴とする。
本発明に係る白色系インク組成物の一態様は、
適用例1の白色系顔料を含有することを特徴とする。
適用例2の白色系インク組成物は、捺染用インクであってもよい。
本発明に係るインクセットの一態様は、
適用例2の白色系インク組成物と、色材を実質的に含有しないクリアインク組成物と、を含むことを特徴とする。
適用例4のインクセットにおいて、前記白色系インク組成物は、屈折率が1.6未満のバインダー樹脂をさらに含有することができる。
本発明に係るインクセットの一態様は、
適用例2の白色系インク組成物と、カラー色材を含有するカラーインク組成物と、を含み、前記カラーインク組成物に含まれるカラー顔料の粒子径が、前記白色系インク組成物に含まれる白色系顔料表面における最大空隙径よりも大きいことを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
適用例4ないし適用例6のいずれか一例インクセットを使用することを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
適用例6のインクセットを使用するインクジェット記録方法であって、前記白色系インク組成物を吐出する際の記録ヘッドの駆動電位差が、前記カラーインク組成物を吐出する際の記録ヘッドの駆動電位差よりも高いことを特徴とする。
本実施の形態に係る白色系顔料の一態様は、下記式(1)で示されるSが0.15以上であることを特徴とする。
、1≦K1≦5であることがより好ましく、2≦K1≦4であることが特に好ましい。なお、K1の値が大きくなればなるほど、白色系顔料粒子における空隙の割合が大きくなり、白色系顔料粒子の物理的強度が損なわれやすくなる傾向がある。
子径のべき乗であり、画像の白色度及び遮蔽性に直接結びつく項である。そして、K1は、白色系顔料粒子の賦活化の割合を表している。これらを掛け合わせることにより、粒子径K3の白色系顔料粒子における空隙部以外の部分によってどれだけ賦活化されているかを表すことができる。白色系顔料粒子が賦活化されることにより、画像の白色度及び遮蔽性がより一層向上することが、本願発明者らの研究により明らかになっている。
本実施の形態に係る白色系インク組成物は、上述の白色系顔料を含有することを特徴とする。上述の白色系顔料を含有することで、白色度、物理的強度、遮蔽性に優れた白色画像が得られると共に、インク組成物中における分散性が良好となる。
duty(%)=(実吐出ドット数/(縦解像度×横解像度))×100
(式中、「実吐出ドット数」は単位面積当たりの実吐出ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)
体例としては、ポリエステル系樹脂、フルオレン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂等が挙げられる。
3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、他の界面活性剤と比較して、表面張力及び界面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないという特性を有する。アセチレン系界面活性剤を含有する場合には、その含有量は、白色系インクの全質量に対して、0.1質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。
3.1.第1のインクセット
本発明の一実施の形態に係る第1のインクセットは、上述の白色系インク組成物と、色材を実質的に含有しないクリアインク組成物と、を含むことを特徴とする。
第1のインクセットに含まれる白色系インク組成物は、上述したようにバインダー樹脂を含有することが好ましいが、クリアインク組成物とのインクセットとして使用する場合には、屈折率が1.6未満、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.4以下のバインダー樹脂を使用することがより好ましい。屈折率が1.6以上のバインダー樹脂を使用した場合、白色系顔料粒子の周辺に屈折率が1.6以上のバインダー樹脂が存在することで、屈折率差が小さくなってしまい、白色度が低下する傾向があるためである。
210C」、ダイキン工業株式会社製)等が挙げられる。
第1のインクセットに含まれるクリアインク組成物は、色材を実質的に含有しないため、無色透明または無色半透明の液体である。「色材を実質的に含有しない」とは、例えばインク中の色材の含有量が0.5質量%未満であること、より好ましくは0.1質量%未満であること、さらに好ましくは0.01質量%未満、最も好ましくは0.005質量%未満であることをいう。
向上させたり、記録媒体上に吐出して透明層を形成した後、その上に上述の白色系インク組成物によって白色画像を記録することで、該白色画像の定着性を向上させたりする目的で使用される。
、溶媒中に溶解した状態で存在している溶液タイプのいずれのタイプを用いてもよいが、溶媒中に粒子状で分散されたエマルジョンタイプが好ましい。また、エマルジョンタイプは、その乳化方法によって強制乳化型と自己乳化型に分類することができるが、本発明においてはいずれの型式でも用いることができる。
本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、上述の第1のインクセットを使用することを特徴とする。第1のインクセットを使用するインクジェット記録方法によれば、上述の白色系顔料を含有する白色系インク組成物により、白色度、遮蔽性、物理的強度に優れた白色画像が得られるだけでなく、クリアインク組成物により白色画像のヒビ割れが効果的に抑制され、白色画像の耐擦性がより向上する。
本発明の一実施の形態に係る第2のインクセットは、上述の白色系インク組成物と、カラー色材を含有するカラーインク組成物と、を含むことを特徴とする。白色系インク組成物については、上記で説明したので詳細な説明は省略する。
第2のインクセットに含まれるカラーインク組成物は、カラー色材(上述の白色系顔料以外の色材)を含有する。このようなカラー色材としては、例えば、カラー顔料、カラー染料等が挙げられる。第2のインクセットに含まれるカラーインク組成物において、カラー色材の含有量は、カラーインク組成物の全質量に対して、好ましくは1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上15質量%以下である。
第2のインクセットに含まれるカラーインク組成物に使用可能なカラー顔料としては、特に制限されないが、無機顔料や有機顔料が挙げられる。カラーインク組成物にカラー顔料が含まれる場合には、カラーインク組成物に含まれるカラー顔料の粒子径が、上述の白色系インク組成物に含まれる白色系顔料表面における最大空隙径よりも大きいことが好ましい。白色系顔料表面における最大空隙径よりもカラー顔料の粒子径が小さい場合、白色系顔料表面に存在する空隙からカラー顔料が進入することで、カラー顔料が白色系顔料の内部に埋もれてしまい、良好な発色性を有するカラー画像を記録することができなくなる場合がある。
4等が挙げられる。
カラー染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料等の通常インクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。
、113、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230、231、C.I.リアクティブレッド1、2、3、4、5、6、7、8、11、12、13、15、16、17、19、20、21、22、23、24、28、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、46、49、50、58、59、63、64、C.I.ソルビライズレッド1、C.I.フードレッド7、9、14等が挙げられる。
第2のインクセットに含まれるカラーインク組成物は、必要に応じて樹脂を含有することができる。樹脂の機能としては、例えば、カラーインクを記録媒体に定着させたり、カラーインク中の色材の分散性を向上させたりすることが挙げられる。樹脂の含有量は、カラーインク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。なお、カラーインク組成物に用いられる色材の粒子径は、白色系インク組成物に用いられる白色系顔料の粒子径よりも小さいことが多い。そのため、カラーインク組成物は、色材の凝集が生じにくく、白色系インク組成物と比べてより多くの量の樹脂成分を含有しても、吐出不良が発生しにくい。
第2のインクセットに含まれるカラーインク組成物は、必要に応じて、上記白色インク組成物で説明した有機溶媒、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレ
ート化剤等をさらに添加することができる。
本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、第2のインクセットを使用するインクジェット記録方法であって、白色系インク組成物を吐出する際の記録ヘッドの駆動電位差が、カラーインク組成物を吐出する際の記録ヘッドの駆動電位差よりも高いことを特徴とする。
吐出した後に次の液滴を吐出するまでの時間の逆数である。図4においてはHzがそれに該当する。)、吐出を行うための駆動電圧(吐出の際の波形における振幅(電位差))などがある。波形の電位差の部分については、圧力室の膨張状態を維持するための膨張要素p1がない場合には基準電位VBから収縮電位VLが電位差(駆動電圧)に相当する。また、駆動電圧や電圧波形を制御することによって、吐出される液滴の飛行速度も制御することができる。これはピエゾジェットであっても、サーマルジェットにおいても同一であり、本実施形態における記録ヘッドの駆動方式は限定されるものではない。また、波形については種々の変形例が考えられるが、ピエゾジェット、サーマルジェットにおいては図5のような波形も用いられてもよい。
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例および比較例において、「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
4.1.1.白色系顔料粒子A〜Cの作製
まず、水25gにセチルトリメチルアンモニウムブロミド(以下、「CTAB」ともいう。)及び1−ヘキサデカノールを順次溶解させた。このときのCTABと1−ヘキサデカノールのモル比(CTAB:1−ヘキサデカノール)は1:1であった。次いで、これを60℃まで加熱し、約24時間攪拌した。その後、3Mの酸化硫酸チタン水溶液を添加し、60℃で24時間さらに攪拌した。このときのCTABと酸化硫酸チタンとのモル比(CTAB:酸化硫酸チタン)は、1:50であった。次いで、反応が終了した溶液を吸引ろ過し、得られた生成物を水で洗浄し、120℃で10時間乾燥させた。このようにし
て、メソポーラス構造を有する二酸化チタン粒子Aを作製した。
K1=log10(T2/T1) ・・・・・(2)
スチレン80質量部、メタクリル酸5質量部、メタクリル酸メチル15質量部、α−メチルスチレンダイマー4質量部、t−ドデシルメルカプタン14質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8質量部、過硫酸カリウム1.0質量部、および水200質量部を容量2Lのフラスコ中に入れ、撹拌しながら窒素ガス中にて80℃に昇温して6時間乳化重合を行い、これにより、重合収率98%で、平均粒子径0.15μm、重量平均分子量(Mw)3,500の重合体シード粒子を得た。
容器に、表1に示す白色系顔料10質量部、スチレン−アクリル樹脂2質量部、BYK−348(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコン系界面活性剤)1質量部、トリメチロールプロパン(関東化学株式会社製)10質量部、1,2−ヘキサンジオール(三菱ガス化学株式会社製)3質量部、2−ピロリドン(関東化学株式会社製)2質量部、及びイオン交換水を合計100質量部となるように加え、マグネチックスターラーで2時間混合攪拌した後、さらに孔径5μmの金属フィルターを用いてろ過し、真空ポンプを用いて脱気処理をして、実施例及び比較例に係る各白色系インク組成物を得た。
4.3.1.白色度
得られた白色系インク組成物をインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、製品名「PX−G930」)の専用カートリッジのインク室にそれぞれ充填した。そして、インクカートリッジをプリンターに装着し、記録媒体(商品名「エプソンクリアプルーフフィルム」、セイコーエプソン株式会社製、A4サイズに裁断したもの)に対してベタパターン画像の記録を行った。ベタパターン画像の記録は、ドット重量11ng、解像度1440×1440dpi、100%dutyの条件で行った。
A:L*が75以上
B:L*が70以上75未満
C:L*が70未満
上記「4.3.1.白色度」の評価方法と同様にして得られたサンプルついて、遮蔽性の評価を行った。具体的には、各サンプルを偏角測色計ARM−500V(製品名、日本分光株式会社製)にセットして、可視光領域(380nm〜800nm)における1nm毎の各波長の透過率Tn(%)を測定した。得られた波長毎の透過率を積分して、隠蔽度Sを求めた。隠蔽度Sは、0〜32000の間の数値で、完全な遮蔽(隠蔽)では0、完全な透過では32000である。評価基準は以下の通りであり、評価結果を表1に併せて示す。
A:隠蔽度Sが500未満
B:隠蔽度Sが500以上1000未満
C:隠蔽度Sが1000以上
上記「4.3.1.白色度」の評価方法と同様にして得られたサンプルついて、試験担当者の「指および爪による擦り試験」を行うことにより物理的強度を判定した。この指および爪による擦り試験は、指および爪で記録面を2〜3回擦る試験方法である。評価基準
は以下の通りであり、評価結果を表1に併せて示す。
A:指や爪で強く擦っても、画像の潰れがない。
B:指で擦っても画像の潰れはないが、爪で擦ると画像が潰れる。
C:指で擦るだけで画像が潰れる。
上記のようにして得られた白色系インク組成物をイオン交換水で希釈して、白色系インク組成物を10質量%含有する分散液(粘度10)を調製し、容量10mlのメスシリンダーに分散液10mlを入れて、室温25℃、湿度50%RHに1週間放置した。その後、メスシリンダー内の分散液の上澄み2mlを採取した。
残存率(%)=100×(1週間保存後の吸光度/調製直後の吸光度) ・・・・・(3)
A:残存率が90%以上
B:残存率が70%以上90%未満
C:残存率が70%未満
実施例1〜3及び比較例1〜3における白色度、遮蔽性、物理的強度および沈降性の評価結果を表1に示す。
Claims (8)
- 請求項1に記載の白色系顔料を含有する、白色系インク組成物。
- 捺染用インクである、請求項2に記載の白色系インク組成物。
- 請求項2に記載の白色系インク組成物と、色材を実質的に含有しないクリアインク組成物と、を含む、インクセット。
- 前記白色系インク組成物は、屈折率が1.6未満のバインダー樹脂をさらに含有する、請求項4に記載のインクセット。
- 請求項2に記載の白色系インク組成物と、カラー色材を含有するカラーインク組成物と、を含み、
前記カラーインク組成物に含まれるカラー色材の粒子径が、前記白色系インク組成物に含まれる白色系顔料表面における最大空隙径よりも大きいことを特徴とする、インクセット。 - 請求項4ないし6のいずれか一項に記載のインクセットを使用するインクジェット記録方法。
- 請求項6に記載のインクセットを使用するインクジェット記録方法であって、前記白色系インク組成物を吐出する際の記録ヘッドの駆動電位差が、前記カラーインク組成物を吐出する際の記録ヘッドの駆動電位差よりも高いことを特徴とする、インクジェット記録方法。
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