以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10を構成する遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって形成することも可能である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図3に基づいて説明する。図3は、遊技盤33の正面図である。
遊技盤33には、内レール部34aと外レール部34bとが取り付けられており、これらレール部34a、34bによって遊技領域Zが規定されている。これら内レール部34aと外レール部34bとは、遊技球の直径よりも若干大きい間隔を置いて並設されている。樹脂ベース31における窓孔32の下方には遊技球の発射動作を行う遊技球発射機構35が設けられており(図2参照)、当該遊技球発射機構35によって発射された遊技球は内レール部34aと外レール部34bとの間を通って、遊技領域Zの上部に案内されるようになっている。
遊技領域Zには、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口36、可変入賞装置37、作動口38、スルーゲート39及び可変表示ユニット40等がそれぞれ設けられている。作動口38は遊技盤33の中央側に配置されており、一般入賞口36は、作動口38を挟むように左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられており、それぞれ所定の間隔を隔てた位置に配置されている。スルーゲート39は、上記一般入賞口36、可変入賞装置37及び作動口38よりも上流側に配置されている。これにより、スルーゲート39を通過した遊技球は一般入賞口36等に入賞可能となっている。
また、可変表示ユニット40は遊技盤33の略中央に配置されており、スルーゲート39は可変表示ユニット40を介して遊技盤33の両側に配置されている。すなわち、スルーゲート39は遊技領域Z内において可変表示ユニット40から遊技領域Zの外周に向けて所定の距離だけ離間した位置に配置されているといえる。特に、一方のスルーゲート39は、遊技領域Zを規定する各レール部34a、34bと可変表示ユニット40との間に配置されている。
一般入賞口36、可変入賞装置37及び作動口38に遊技球が入ると、それが各検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口41が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口41を通って遊技領域Zから排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘42が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット40には、作動口38への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置43が設けられている。また、可変表示ユニット40には、図柄表示装置43を囲むようにしてセンターフレーム44が配設されている。センターフレーム44の上部には、第1特定ランプ部45及び第2特定ランプ部46が設けられている。また、センターフレーム44の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部47、48が設けられている。下側の保留ランプ部47は図柄表示装置43及び第1特定ランプ部45に対応しており、遊技球が作動口38を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部48は第2特定ランプ部46に対応しており、遊技球がスルーゲート39を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部48の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置43は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置43には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
遊技結果表示部(又は抽選結果表示部)として設けられた第1特定ランプ部45では、作動口38への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部46では、遊技球のスルーゲート39の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口38に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部45及び第2特定ランプ部46の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置37は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置37の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置37が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置37の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、窓パネル56が嵌め込まれている。窓パネル56は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に遊技盤33の背面側の構成について図4を用いて説明する。図4は遊技盤33の背面側の構成を示す背面図である。
遊技盤33の背面には、可変表示ユニット40の下方に集合板ユニット61が設けられている。集合板ユニット61には、前記一般入賞口36、可変入賞装置37、作動口38に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路62が形成されている。一般入賞口36等に入賞した遊技球は何れも回収通路62を介して遊技盤33の下方に集合する。遊技盤33の下方には排出通路があり、回収通路62により遊技盤33の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口41も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口41を介して排出通路内に導出される。
また、回収通路62において各一般入賞口36と対応する位置には、それぞれ入賞口センサ63aが設けられている。また、可変入賞装置37と対応する位置にはカウントセンサ63bが設けられ、作動口38に対応する位置に作動口センサ63cが設けられている。これらセンサ63a〜63cにより遊技球の入賞がそれぞれ検知される。また、スルーゲート39は、当該スルーゲート39を通過する遊技球を検知するゲートセンサ63dを備えている。ゲートセンサ63d及び入賞口センサ63aは配線を通じて作動口38の裏側に設けられた中継基板64に接続されている。中継基板64は後述する主制御装置と配線を通じて接続されており、各センサ63a、63dによる検知結果は中継基板64を介して主制御装置に入力される。
ここで、中継基板64に対する入賞口センサ63a及びゲートセンサ63dの相対位置について説明すると、ゲートセンサ63dと中継基板64との距離は入賞口センサ63aと中継基板64との距離よりも大きくなっている。このため、ゲートセンサ63dと中継基板64とを接続する配線の長さは、入賞口センサ63aと中継基板64とを接続する配線の長さよりも長くなっている。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は、内枠13の背面図である。
図4に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット65及び音声ランプ制御装置ユニット66が搭載されている。
主制御装置ユニット65は、集合板ユニット61を後方から覆うように取り付けられている。主制御装置ユニット65は、合成樹脂製の取付台65aを有し、取付台65aに主制御装置65bが搭載されている。主制御装置65bは、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)と、を有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス65cに収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット66は、音声ランプ制御装置66aと、取付台66bとを具備する構成となっており、取付台66b上に音声ランプ制御装置66aが装着されている。音声ランプ制御装置66aは、主制御装置ユニット65に搭載された主制御装置65bからの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス66cに収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図2に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。なお、裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置ユニット65の一部や音声ランプ制御装置ユニット66などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75を有している。
払出機構部72は、保護カバー部75を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク77と、当該タンク77に貯留された遊技球を払い出すための払出装置78と、を備えている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。また、払出機構部72には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット73は、払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とを備えている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、払出装置78を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、スルーゲート39について、図3に加えて、図6〜図9を用いて説明する。図6はスルーゲート39及びその周辺を示す拡大正面図、図7(a)は遊技盤33の前後方向の断面を模式的に示す一部断面図であって、遊技盤33に対するスルーゲート39の取り付け態様を説明するための説明図、図7(b)はA−A線断面図、図8はスルーゲート39を分解して示す分解斜視図、図9(a)はゲートセンサ63dが取り付けられていないスルーゲート39の背面図、図9(b)はB−B線断面図である。なお、スルーゲート39は、図3に示すように、可変表示ユニット40を介して遊技盤33の両側に配置されており、そのうち内レール部34a、外レール部34bが設けられている側のスルーゲート39について説明する。
スルーゲート39は、図7(a)に示すように、その一部が遊技盤33に嵌め込まれた状態で取り付けられている。具体的には、遊技盤33には、スルーゲート39に対応させて遊技盤33の前後方向に貫通した貫通孔81が設けられており、スルーゲート39はその一部が貫通孔81に対して嵌め込まれている状態で遊技盤33に固定されている。
スルーゲート39について詳細に説明すると、スルーゲート39は、図8に示すように、ゲートセンサ63dと、ゲートセンサ63dの端部に接続された配線91と、当該ゲートセンサ63dを保持するセンサホルダ92と、を備えている。スルーゲート39は、配線91が接続されたゲートセンサ63dがセンサホルダ92に保持されることで1つのユニットを構成している。そして、スルーゲート39は、センサホルダ92が遊技盤33に固定されることによって遊技盤33に取り付けられている。
具体的には、センサホルダ92は、図6等に示すように、遊技盤33の盤面に当接するベース部101を備えている。ベース部101は遊技盤33の盤面に沿うように板状に形成されている。ベース部101は遊技盤33に設けられた貫通孔81よりも大きく形成されている。ベース部101には、図7(a)に示すように、ネジが挿通可能なネジ孔102が設けられており、ベース部101が遊技盤33の前面に当接した状態でネジ孔102にネジ103が螺着されることによって、センサホルダ92が遊技盤33に固定されている。この場合、図6に示すように、貫通孔81はベース部101によって塞がれている。
なお、ベース部101の裏側には、図8に示すように、位置決め用の突起104が設けられており、図7(a)に示すように、当該突起104に対応させて遊技盤33には突起用穴105が設けられている。当該突起用穴105に突起104が嵌まるようにベース部101を配置することで、遊技盤33に対するスルーゲート39の位置が一義的に決まる。
ゲートセンサ63dはセンサホルダ92に対して保持されている。具体的には、ゲートセンサ63dは直方体形状をなしており、当該ゲートセンサ63dの形状に対応させて、ベース部101には、図8に示すように、ゲートセンサ63dを後方から挿通させるための挿通孔111が設けられている。挿通孔111は前後方向に貫通しており、ゲートセンサ63dが挿通可能な大きさに形成されている。ゲートセンサ63dは、その一部が遊技盤33の前面側に配置されるように挿通孔111を跨いだ状態で配置される。そして、当該位置にてセンサホルダ92によって保持される。
センサホルダ92によるゲートセンサ63dの保持について具体的に説明する。ここで、センサホルダ92はベース部101に対して前面側と後面側とでその構成が異なっているため、最初に前面側の構成について説明した後で、後面側の構成について説明する。
ベース部101の表面側には、ゲートセンサ63dの一部を取り囲むように形成された枠部121が一体形成されている。枠部121は、ゲートセンサ63dの一部を収容可能な内部空間を形成するように挿通孔111の周縁部から前方に向けて形成されている。枠部121は、図7(a)に示すように、上下方向に開放しているため、遊技球が枠部121を上下方向に通過可能となっている。ゲートセンサ63dは挿通孔111を介して枠部121にその一部が入り込むようにして取り付けられており、ゲートセンサ63dは枠部121内を通過する遊技球を検知可能に形成されている。
具体的には、ゲートセンサ63dにおいて枠部121に差し込まれる部分、すなわち遊技盤33の前面側に配置される部分には、遊技球が通過可能な検知孔122が形成されている。検知孔122は上下方向に貫通しており、枠部121と連通している。検知孔122の外周縁には円筒状のコイルが設けられているとともに、インダクタンスの変化を検知する検知回路が設けられている。
かかる構成によれば、コイルに対して微弱な電流が流れている状況において検知孔122を遊技球が通過した場合、インダクタンスが変化する。当該インダクタンスの変化は検知回路によって検知される。これにより、検知孔122に遊技球が通過したことを認識することができる。換言すれば、検知孔122が形成されている領域は検知領域であるといえる。
なお、通過する遊技球を検知する構成については、これに限られず、例えば光センサを用いた構成としてもよく、マイクロスイッチを用いてもよい。要は、通過する遊技球を検知可能な構成であれば任意である。
枠部121へのゲートセンサ63dの取り付けについて具体的に説明すると、図7(b)に示すように、枠部121の内面側には内方に開口し、ゲートセンサ63dが入り込み可能な溝123が形成されている。ゲートセンサ63dは溝123に入り込むようにして配置されている。これにより、枠部121によってゲートセンサ63dが保持されている。
枠部121及び溝123についてより詳細に説明すると、枠部121は、挿通孔111の周縁部から前方に向けて突出して形成され且つゲートセンサ63dを介して遊技盤33の左右方向に対向配置された一対の第1側面枠部121a及び第2側面枠部121bと、第1側面枠部121a及び第2側面枠部121bを連結するように設けられ、ゲートセンサ63dの前方への移動を規制する前面枠部121cと、から構成されている。第1側面枠部121a及び第2側面枠部121bはゲートセンサ63dの側面を覆うように形成されている。第1側面枠部121a及び第2側面枠部121bは前後方向に見て略C字形状をなしており、第1側面枠部121a及び第2側面枠部121bにはそれぞれ、ゲートセンサ63d側に向けて開口するとともに、ゲートセンサ63dが入り込み可能な側面溝部123a、123bが設けられている。
前面枠部121cはゲートセンサ63dの前面を覆うように形成されており、当該前面枠部121cにはゲートセンサ63d側に向けて開口するとともに、ゲートセンサ63dが入り込み可能な前面溝部123cが設けられている。側面溝部123a、123bは前面溝部123cを介して連通しており、溝123は前面溝部123c及び側面溝部123a、123bから構成されている。側面溝部123a、123bは後方に向けて開放されている。
第1側面枠部121a及び第2側面枠部121bの内側には、ゲートセンサ63dの向き合う側面と当接するようにゲートセンサ63d側に突出する一筋の突条124、125がそれぞれ設けられている。突条124、125は各側面枠部121a、121bに沿って形成されており、ゲートセンサ63dを挟んで左右方向に対向配置されている。突条124、125の突出寸法は、当該突条124、125間の距離がゲートセンサ63dの幅寸法と同一になるように設定されている。
かかる構成によれば、ゲートセンサ63dを挿通孔111に挿入すると、ゲートセンサ63dは、その側面部分が側面溝部123a、123bに嵌め込まれた状態で前方に向けて移動する。当該嵌め込みによって上下方向のゲートセンサ63dの位置ずれが規制される。また、ゲートセンサ63dは突条124、125によって挟まれるため、左右方向へのゲートセンサ63dの位置ずれが規制されている。すなわち、側面枠部121a、121bによって遊技盤33の盤面に沿った方向へのゲートセンサ63dの位置すれが規制され、ゲートセンサ63dの移動方向が一方向(前方)に規定される。
そして、ゲートセンサ63dの前面部分が前面溝部123cに入り込み、ゲートセンサ63dの前面が前面枠部121cの内壁面と当接することによって前方へのゲートセンサ63dの移動が規制される。これにより、センサホルダ92に対するゲートセンサ63dの相対位置が規定された状態でゲートセンサ63dはセンサホルダ92に対して保持される。
次に、ベース部101の後面側の構成について説明する。
検知孔122が形成されている部分が枠部121に入り込んでいる状況において、ゲートセンサ63dの一部はベース部101から後方に向けて突出しており、貫通孔81内に配置されている。センサホルダ92には、当該突出部分を保持する一対のアーム部131、132が設けられている。アーム部131、132は挿通孔111の周縁部から後方に向けて延びるように形成されており、ゲートセンサ63dを介して左右方向に対向配置されている。ゲートセンサ63dは、アーム部131、132の間を通り、挿通孔111を介して枠部121内に入り込むことによってセンサホルダ92に取り付けられている。
ここで、アーム部131、132はそれぞれ異なる構成となっているため、それぞれについて説明する。ここで、説明の便宜上、以降の説明において、図7(a)に示すように、遊技領域Zの端寄り、具体的には遊技領域Zを規定する内レール部34a側に配置されているアーム部131を第1アーム部131と、それとは反対側のアーム部132を第2アーム部132という。第1アーム部131は、図柄表示装置43が設けられている側とは反対側に配置されている。
なお、可変表示ユニット40を介して反対側に配置されているスルーゲート39にあっては、図柄表示装置43が設けられている側とは反対側に第1アーム部131が配置されるように、第1アーム部131と第2アーム部132とを逆に配置したスルーゲート39が取り付けられている。
先ず、第1アーム部131について説明すると、第1アーム部131は遊技盤33の前後方向に見てC字状をなしており、ゲートセンサ63dの一側面を覆うように形成されている。具体的には、第1アーム部131は、ゲートセンサ63dの一側面と所定の間隔、詳細には突条124の突出寸法分だけ離間させて対向配置されたベース壁部140を備えている。ベース壁部140は、第1側面枠部121aの一部を後方に延出させることで形成されている。すなわち、第1側面枠部121a及びベース壁部140によって一連の壁部が形成されており、当該一連の壁部の途中位置から突条124が設けられている。当該突条124が設けられていることによって、遊技盤33の前後方向に交差する面、詳細には前後方向に対して直交する段差面141が形成されている。ベース壁部140の後端はゲートセンサ63dの後端と同一となっている。
ベース壁部140の上下方向の両端部には、ゲートセンサ63dを上下方向から挟むように一対の鉤状部142、143が一体形成されている。鉤状部142、143は、ベース壁部140から第2アーム部132に向けて形成されているとともに、ゲートセンサ63dの上下面に向けて曲がっている。鉤状部142、143の先端部分間の距離はゲートセンサ63dの厚さ寸法(検知孔122の貫通方向の長さ寸法)と同一に設定されている。ゲートセンサ63dは鉤状部142、143の先端部分に挟まれることによって、第1アーム部131に保持されている。換言すれば、ベース壁部140及び鉤状部142、143によって、ベース壁部140を底として第2アーム部132側に向けて開放された溝144が形成されており、当該溝144の開放端にゲートセンサ63dが挟まれることによってゲートセンサ63dが第1アーム部131に保持されているとも言える。溝144は挿通孔111を介して第1側面枠部121aに設けられている側面溝部123aと連通するように形成されている。
ここで、第1アーム部131には、ベース壁部140と鉤状部142、143とによって囲まれた内部空間145が形成されている。内部空間145は前後方向に延びて形成されている。また、第1アーム部131には、内部空間145を後方に開放させる差込口146が形成されており、ゲートセンサ63dは差込口146及び溝144を介して後方から当該内部空間145内に入り込むことができるようになっている。なお、ベース壁部140及び第1側面枠部121aの一部によって一連の壁部が形成されており、当該一連の壁部とゲートセンサ63dとの間が内部空間145となることに鑑みれば、一連の壁部の途中位置からゲートセンサ63dに対して当接する突条124が設けられていることによって、内部空間145が形成されているとも言える。
次に、第2アーム部132について説明する。第2アーム部132は、突条125を後方に向けて延ばすようにして形成されており、第2アーム部132の後端がゲートセンサ63dの後端と同一になっている。第2アーム部132はゲートセンサ63dが抜けるのを規制している。
具体的には、第2アーム部132は先端側(後方側)が自由端となっており、第1アーム部131から離間する方向に向けて弾性変形可能となっている。そして、第2アーム部132の先端部分には、第1アーム部131側に向けて突出した爪部151が設けられている。爪部151は、ゲートセンサ63dが取り付けられている状況、具体的にはゲートセンサ63dの前面が前面枠部121cの内壁面と当接している状況において当該ゲートセンサ63dの後端面に引っ掛かるように形成されている。
図9(b)に示すように、枠部121において前面枠部121cと第2側面枠部121bとの隅角部には、ゲートセンサ63dの表裏(上下)を規定するコーナ凸部152が設けられており、当該コーナ凸部152に対応させて、ゲートセンサ63dには当該ゲートセンサ63dの隅角部を面取りして形成された面取り部153が設けられている(図8参照)。コーナ凸部152は、前面枠部121c及び第2側面枠部121b双方に対して交差する平坦面152aを備えており、面取り部153は、上記平坦面152aと当接するように、面取りされている。枠部121にゲートセンサ63dが入り込む場合に、コーナ凸部152が面取り部153に当て嵌まるようにコーナ凸部152及び面取り部153の相対位置は設定されている。
かかる構成によれば、面取り部153とコーナ凸部152とが当て嵌まらないように両者の配置を逆にした状態でゲートセンサ63dを差し込むと、ゲートセンサ63dの前面がコーナ凸部152の端部と当接して、ゲートセンサ63dのそれ以上の移動が規制される。この場合、爪部151はゲートセンサ63dの後端面に引っ掛からない。
一方、面取り部153がコーナ凸部152に当て嵌まるようにゲートセンサ63dを差し込むと、面取り部153が平坦面152aに対して当接するとともに、ゲートセンサ63dの前面が前面枠部121cに対して当接する。この場合、爪部151がゲートセンサ63dの後端面に対して引っ掛かる。これにより、ゲートセンサ63dの上下方向が一義的に規定される。
センサホルダ92へのゲートセンサ63dの取り付けについて図10を用いて説明する。図10(a)〜(c)はセンサホルダ92へのゲートセンサ63dの取り付けの様子を説明するための説明図である。
先ず、図10(a)に示すように、ゲートセンサ63dを前後方向に対して若干傾斜させ、さらにゲートセンサ63dの面取り部153を爪部151に合わせながら、ゲートセンサ63dをアーム部131、132の間に差し込む。これにより、第2アーム部132は第1アーム部131から離間する側に向けて弾性変形する。
この場合、ゲートセンサ63dが入り込み可能な内部空間145が設けられているとともに、内部空間145は差込口146を介して後方に開放されているため、当該内部空間145分だけゲートセンサ63dとアーム部131、132との間には幅方向に遊びが生じている。これにより、ゲートセンサ63dを内部空間145内に入り込んだ状態で(ベース壁部140側に偏倚させた状態で)差し込むことによって、ゲートセンサ63dをアーム部131、132の間へ容易に通すことができる。
アーム部131、132の間に差し込まれたゲートセンサ63dは、図10(b)に示すように、面取り部153及びその周縁部が第2アーム部132における第1アーム部131側の面に対して摺動しながら挿通孔111に誘導される。この場合、ゲートセンサ63dは、差し込まれるに従って徐々に前後方向に矯正される。
ここで、コーナ凸部152が第2アーム部132側に配置されており、それに対応させて面取り部153が第2アーム部132側に配置されるようにゲートセンサ63dを差し込むため、ゲートセンサ63dの前面側の部分が第2アーム部132側に配置される。これにより、ゲートセンサ63dが突条124に対して引っ掛かりにくくなっている。
すなわち、仮に面取り部153が設けられていない場合又は面取り部153及びコーナ凸部152が第1アーム部131側に設けられている場合、ゲートセンサ63dの角部が第2アーム部132の内側の面に対して当接する。この場合、面取り部153が設けられている場合と比較して、ゲートセンサ63dの前面側の部分がベース壁部140側に配置されることとなるため、ゲートセンサ63dの前面が段差面141(突条124の後端面)と当接し、ゲートセンサ63dの前方への移動が規制されるおそれがある。
これに対して、本構成によれば、面取り部153及びコーナ凸部152を第2アーム部132側に設け、面取り部153及びその周縁部が第2アーム部132に対して摺動するようにゲートセンサ63dを前後方向に対して斜めに差し込むことによって、ゲートセンサ63dの前面部分が段差面141に対して引っ掛かることなく、自然に挿通孔111に挿入されることとなる。
なお、ゲートセンサ63dは溝144に沿って挿通孔111に向けて差し込まれる。具体的には、ゲートセンサ63dは鉤状部142、143の先端部分に対して摺動しながら挿通孔111に向けて案内される。
その後、図10(c)に示すように、ゲートセンサ63dは突条124、125に挟まれる位置に誘導される。この場合、コーナ凸部152と面取り部153とが向き合っている。そして、ゲートセンサ63dをそのまま差し込むことによって、面取り部153が平坦面152aに対して当接し、枠部121内にゲートセンサ63dの検知孔122の部分が収容される。この場合、ゲートセンサ63dの後端面が爪部151を通過しているため、爪部151が自然状態に復帰し、爪部151がゲートセンサ63dの後端面に係止する(図7(a)参照)。これにより、ゲートセンサ63dの後方への移動が規制される。よって、センサホルダ92からゲートセンサ63dの取り外しが規制されることとなり、ゲートセンサ63dとセンサホルダ92とがユニット化された状態となる。
以上のように、ゲートセンサ63dを傾斜させた状態で差し込むことによって自然と挿通孔111を通過して突条124、125との間に誘導され、ゲートセンサ63dがセンサホルダ92に取り付けられる。これにより、センサホルダ92へのゲートセンサ63dの取り付け作業を容易に行うことができる。
次に、配線91について説明すると、配線91の一端にはセンサ側コネクタ161が設けられているとともに、他端には基板側コネクタ162が設けられている。センサ側コネクタ161は、図8に示すように、ゲートセンサ63dの後端面に抜け止めされた状態で差し込まれている。これにより、配線91はゲートセンサ63dとユニット化されている。スルーゲート39が遊技盤33に取り付けられる際に、配線91は貫通孔81を通過して遊技盤33の裏面側に導出されるようになっている。
基板側コネクタ162は中継基板64に設けられた対応するコネクタ受けに差し込まれる。これにより、配線91を介してゲートセンサ63dと中継基板64とが電気的に接続されることとなり、ゲートセンサ63dと主制御装置65bとが電気的に接続される。そして、主制御装置65bは、ゲートセンサ63dにより検知された信号に基づいて、内部抽選の実行等の各種処理を実行する。
ここで、スルーゲート39を遊技盤33に取り付ける場合に、配線91が貫通孔81の内壁と干渉し、配線91が貫通孔81を通過しにくい場合がある。このため、スルーゲート39の取り付け作業の作業性の低下が懸念される。
これに対して、第1アーム部131は、配線91を着脱可能な状態で保持することができるように形成されている。第1アーム部131による配線91の保持について、図11及び図12を用いて説明する。図11は図7(a)のC−C線断面図であって、配線91の一部が挿入された場合を説明するための説明図、図12は、第1アーム部131に配線91の一部が保持されている場合のスルーゲート39の側面図である。
図11に示すように、溝144にはゲートセンサ63dが嵌め込まれている。これにより、溝144はゲートセンサ63dによって塞がれており、内部空間145は、ベース壁部140、鉤状部142、143及びゲートセンサ63dによって形成されている。換言すれば、ゲートセンサ63dが内部空間145の区画形成する壁部の一部を形成している。内部空間145は差込口146を介して後方に開放しており(図9(a)参照)、当該差込口146から前方に向けて配線91を差し込むことが可能となっている。
内部空間145は上下方向に細長く形成されており、両端側へ向かうほど狭くなるように形成されている。詳細には、ベース壁部140は外側に向けて凸となる略円弧状に形成されているとともに、鉤状部142、143の内側には互いに向き合う方向に向けて凸となる湾曲面142a、143aが形成されている。湾曲面142a、143aは、配線91の曲率に対応させて形成されている。より詳細には湾曲面142a、143aは配線91の曲率と同一又はそれよりも若干大きくなるように形成されている。これにより、差込口146は中央部分から長手方向に両端に向かって狭くなるようになっている。
かかる構成によれば、配線91を曲げることによって形成された曲がり部171を、差込口146を介して内部空間145内に差し込むと、図12に示すように、曲がり部171が枠部121の突条124と当接し、それ以上の差し込みが規制される。この場合、曲がり部171は復帰力によりゲートセンサ63dの側面及びベース壁部140の内壁部に沿って広がり、湾曲面142a、143aに案内される。そして、配線91は湾曲面142a、143aに沿って湾曲面142a、143aの頂点付近に案内され、当該位置にて内部空間145を規定する各部(ベース壁部140、ゲートセンサ63d、鉤状部142、143)と当接する。当該当接によって、配線91が保持される。
特に、湾曲面142a、143aの曲率は配線91の径と略同一に設定されているため、配線91のうち湾曲面142aと当接している部位は当該湾曲面142aによって挟まれるとともに、配線91のうち湾曲面143aと当接している部位は当該湾曲面143aによって挟まれる。これにより、内部空間145内における配線91の位置ずれが規制される。
なお、上下方向において湾曲面142a、143aの頂点から鉤状部142、143の先端部分までの距離は配線91の直径よりも大きくなるように設定されている。これにより、仮に鉤状部142、143は仮にゲートセンサ63dによって溝144が塞がれていない状況であっても、配線91の一本を保持することができる。
ここで、図12に示すように、内部空間145は遊技盤33の前後方向に沿って形成されているため、配線91の一部も前後方向に沿って保持される。この場合、配線91は内部空間145から後方に向けて延びた状態で保持される。また、配線91の途中箇所である曲がり部171が差し込まれているため、配線91は1往復半に畳まれた状態で保持される。これにより、配線91は垂れ下がりにくい状態で保持されることとなる。
一方、基板側コネクタ162を掴んで、配線91を引っ張ることによって配線91は引き出され、第1アーム部131による保持は解除される。すなわち、配線91は着脱可能な状態で第1アーム部131に保持されているといえる。
なお、突条124によってゲートセンサ63dのベース壁部140側への移動が規制されていることに鑑みれば、突条124によって、配線91が入り込み可能な内部空間145が確保されているとも言える。
次に、遊技盤33に対するスルーゲート39の取り付けを含めた遊技盤33の製造手順について図13を用いて説明する。図13は遊技盤33へのスルーゲート39の取り付けを説明するための説明図である。
先ず、遊技盤33の表面側の取り付け作業を行う。具体的には、釘42や各種装飾等を取り付ける。当該取り付けの際にスルーゲート39の取り付けを行う。
具体的には、先ず配線91が邪魔にならないように第1アーム部131の内部空間145内に配線91を収容する。詳細には、ゲートセンサ63dに接続された配線91を細長いループ状に束ねておき、基板側コネクタ162がその先端部分に配置されるようにする。この場合、曲がり部171が形成される。そして、曲がり部171を差込口146の長手方向に合わせて、後方から突条124と当接する位置まで差し込む。これにより、図13(a)に示すように、配線91は後方、すなわち貫通孔81への挿入方向に沿った向きに保持される。この状態において、基板側コネクタ162は第1アーム部131から後方に引き出された先端側に配置されている。
かかる状態のスルーゲート39を遊技盤33に取り付ける。具体的には、図13(a)に示すように、突起用穴105に突起104が入り込むように位置合わせを行いながら、前面側からスルーゲート39を遊技盤33の貫通孔81に挿入する。
ここで、図13(a)に示すように、配線91の貫通孔81への挿入方向に沿った方向に保持されているため、スルーゲート39を遊技盤33の表面側より貫通孔81に差し込んでやれば、配線91は貫通孔81に干渉することなく差し込まれる。
その後、図13(b)に示すように、ベース部101が遊技盤33の表面に当接する。当該当接した位置にてネジ固定を行うことによって、スルーゲート39はその一部が貫通孔81に嵌め込まれた状態で遊技盤33に固定される。なお、スルーゲート39が取り付けられることに着目すれば、配線91が貫通孔81に挿入される挿入方向はスルーゲート39の取り付け方向ともいえる。
その後、遊技盤33の裏面側において、図柄表示装置43及び中継基板64等の各種遊技装置の取り付けを行う。この場合、スルーゲート39の配線91は保持された状態を維持しているため、当該取り付けの邪魔になりにくい。これにより、図柄表示装置43等の取り付け作業の作業性の低下が抑制されている。
特に、配線91が保持される第1アーム部131は図柄表示装置43が配置される中央側とは反対側の端寄り、すなわち内レール部34a側に配置されている。これにより、第1アーム部131が図柄表示装置43側に配置されている場合と比較して、図柄表示装置43の取り付け作業において配線91が邪魔になりにくくなっている。
取り付け作業の終了後、配線の接続作業を行う。具体的には、遊技盤33の裏面側から配線のコネクタを対応するコネクタ受けに接続する。特に、スルーゲート39の配線91の接続作業においては、遊技盤33の裏面側に導出された配線91の基板側コネクタ162を引っ張る。これにより、配線91の保持が解除される。そして、基板側コネクタ162を中継基板64の対応するコネクタ受けに差し込む。これにより、配線91及び中継基板64を介してゲートセンサ63dと主制御装置65bとが電気的に接続される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図14のブロック図に基づいて説明する。図14では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置65bに設けられた主制御基板201には、主制御回路202と停電監視回路203とが内蔵されている。主制御回路202には、CPUチップ204が搭載されている。CPUチップ204には、当該CPUチップ204により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM205と、そのROM205内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM206と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPUチップ204には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ204の入力側には、主制御基板201に設けられた停電監視回路203、払出制御装置82に設けられた払出制御基板211及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路203には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、CPUチップ204には停電監視回路203を介して電力が供給される。
一方、CPUチップ204の出力側には、停電監視回路203、払出制御基板211及び中継端子板219が接続されている。払出制御基板211には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板219を介して主制御回路202から音声ランプ制御装置66aに設けられた音声ランプ制御基板221に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路203は、主制御回路202と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板211は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU212は、そのCPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM213と、ワークメモリ等として使用されるRAM214とを備えている。
払出制御基板211のCPU212には、入出力ポートが設けられている。CPU212の入力側には、主制御回路202、電源及び発射制御基板215、及び裏パック基板が接続されている。また、CPU212の出力側には、主制御回路202及び裏パック基板が接続されている。
電源及び発射制御基板215は、電源部216と発射制御部217とを備えている。電源部216は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路202や払出制御基板211等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路202や払出制御基板211等に対して供給する。発射制御部217は、遊技球発射機構35の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構35は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板221は、表示制御装置225を制御するものである。演算装置であるCPU222は、そのCPU222により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM223と、ワークメモリ等として使用されるRAM224とを備えている。
音声ランプ制御基板221のCPU222には入出力ポートが設けられている。CPU222の入力側には中継端子板219に中継されて主制御回路202が接続されており、主制御回路202から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置225を制御する。表示制御装置225は、音声ランプ制御基板221から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置43を制御する。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
センサホルダ92とゲートセンサ63dとの間に配線91を収容可能な内部空間145を形成する第1アーム部131を設けた。これにより、配線91を第1アーム部131に保持させることによって、配線91が垂れ下がりにくい。よって、配線91が貫通孔81を通過し易いため、スルーゲート39の取り付け作業を容易に行うことができる。
また、ベース壁部140と第1側面枠部121aとからなる一連の壁部の途中位置からゲートセンサ63dと当接する突条124を設けた。これにより、内部空間145を確保した状態でのゲートセンサ63dの位置決めを行うことが可能となる。
また、内部空間145内への曲がり部171を差し込むと、曲がり部171が突条124と当接し、当該当接によってそれ以上の差し込みが規制される。すなわち、配線91の差込量は突条124によって規制されている。これにより、配線91が過度に差し込まれ、配線91が抜けにくくなるという不都合を回避することができる。
すなわち、配線91の形状の安定性に着目した場合、配線91の差込量は大きいほうが好ましい。しかしながら、差込量が大きくなると、配線91の保持を解除しにくいという不都合が生じる。
これに対して、本実施形態によれば、突条124の位置によって差込量を調整することができるため、配線91の保持を解除し易い範囲内で配線91の形状が安定する差込量に設定することができる。
ゲートセンサ63dの上下を規定する規定部として、枠部121の第2アーム部132側にコーナ凸部152を設け、ゲートセンサ63dに面取り部153を設けた。これにより、面取り部153がコーナ凸部152に突き合うようにゲートセンサ63dを枠部121内に挿入することによって、爪部151がゲートセンサ63dに対して引っ掛かり、ゲートセンサ63dの抜け落ちが規制される。
ここで、面取り部153及びコーナ凸部152を第2アーム部132側に設けたことによって、ゲートセンサ63dを第1アーム部131及び第2アーム部132の間を通過する際に、ゲートセンサ63dの前面側の部位が段差面141(突条124の後端面)に対して引っ掛かりにくくなる。これにより、ゲートセンサ63dを挿通孔111に容易に通すことができる。
すなわち、突条124を設けたことによって、配線91が収容可能な内部空間145を確保した状態でのゲートセンサ63dの位置決めを行うことができるとともに、配線91の差込量を規制することができる一方、段差面141が形成される。このため、ゲートセンサ63dを挿通孔111に通す際に、ゲートセンサ63dの前面が段差面141に対して引っ掛かり、センサホルダ92へのゲートセンサ63dの取り付け作業の作業性の低下が懸念される。
これに対して、本構成によれば、面取り部153が第2アーム部132側に配置されている。これにより、ゲートセンサ63dを挿入した場合に、面取り部153が第1アーム部131側に配置されている構成と比較して、ゲートセンサ63dの前面が第2アーム部132側に偏倚している。よって、ゲートセンサ63dの前面が段差面141に対して引っ掛かりにくいため、作業性の低下を回避することができる。したがって、突条124を設けたことによって生じ得る不都合を回避することができる。
また、スルーゲート39は遊技領域Zにおいて一般入賞口36及び作動口38等よりも上流側に配置されているため、配線91が垂れ下がった場合に、これらの取り付け作業の際に邪魔になり易い。これに対して、配線91を保持することによって、上記一般入賞口36等の取り付け作業を容易に行うことができる。
内部空間145は後方に向けて開放されているとともに、当該内部空間145内にゲートセンサ63dが入り込み可能となるように溝144を設けた。これにより、ゲートセンサ63dの一部が内部空間145内に入り込むように第1アーム部131側に偏倚させることによって、ゲートセンサ63dを第1アーム部131と第2アーム部132との間に通す作業を容易に行うことができる。
爪部151を有する第2アーム部132と対向する位置であって、第1側面枠部121aの後方への延長上のスペースに配線91を収容可能な第1アーム部131を設けた。これにより、センサホルダ92全体として見た場合に第1アーム部131を設けることによって生じる出っ張りが小さくなっている。すなわち、ゲートセンサ63dに対して遊技盤33の盤面に沿った方向への第1アーム部131の出っ張り寸法は、第1側面枠部121aの出っ張り寸法と略同一となっている。つまり、遊技盤33の盤面に沿った平面において、第1アーム部131は第1側面枠部121aよりも張り出していない。そして、第1アーム部131の後端は第2アーム部132の爪部151の後端面と同一となっている。これにより、センサホルダ92が全体としてコンパクトになっている。よって、第1アーム部131を設けたことによって生じ得るセンサホルダ92の大型化を抑制し得る。
<その他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記実施形態の構成に適用してもよい。また、以下の各構成を、その構成の適用対象として例示していない実施形態に適用してもよい。
(1)上記実施形態では、第1アーム部131が単体で配線91を保持可能に形成されていたが、これに限られず、例えば第1アーム部301とゲートセンサ63dとによって配線91を保持可能となるようになっていてもよい。当該変形例について図15(a)を用いて説明する。図15(a)は、第1アーム部301及びその周辺を示す説明図である。
第1アーム部301はゲートセンサ63dの側面から離間させて対向配置されたベース壁部302と、当該ベース壁部302からゲートセンサ63d側に向けて形成され、上下方向に対向配置された一対の対向壁部303、304とを備えている。そして、対向壁部303、304とゲートセンサ63dの一側面とが突き合わされて内部空間305が形成されている。これにより、配線91の保持機能を確保しつつ、第1アーム部301の小型化を図ることができる。
すなわち、第1アーム部301がゲートセンサ63dを挟む構成の場合、第1アーム部301における上下方向の長さ寸法はゲートセンサ63dの長さ寸法よりも大きくなる。これに対して、突き合わされて内部空間145が形成される構成においては、第1アーム部301の上下方向の長さ寸法は対応するゲートセンサ63dの長さ寸法と同一に設定することができるため、第1アーム部301の小型化を図ることができる。
但し、かかる構成の場合、ゲートセンサ63dは第1アーム部301によって挟まれず、さらに内部空間305及びそれに対応する差込口が小さくなるため、ゲートセンサ63dの保持及び配線91の挿入容易性の観点に着目すれば、上記実施形態の方が優れている。
(2)上記実施形態では、第1アーム部131においてゲートセンサ63d側に内部空間145が形成されるように構成されていたが、これに限られず、例えば図15(b)に示すように、第1アーム部401においてゲートセンサ63d側とは反対側に内部空間402が形成されるように構成されていてもよい。具体的には、ゲートセンサ63dと当接するようにベース壁部403を設け、ゲートセンサ63dを挟み込むように当該ベース壁部403からゲートセンサ63d側に向けて一対の対向壁部404、405を設ける。そして、ベース壁部403からゲートセンサ63dとは反対側に枠部406を設ける。この場合、ゲートセンサ63dを好適に保持しつつ、配線91を保持することが可能となる。但し、第1アーム部401の小型化及びセンサホルダ92へのゲートセンサ63dの取り付け容易性の観点に着目すれば、上記実施形態の方が優れている。
(3)上記実施形態では、突条124を設けたが、これに限られず、突条124を設けない構成としてもよい。この場合、配線91を枠部121の前面側の端部まで差し込むことが可能となるため、配線91の形状が安定する。但し、配線91の保持の解除が困難になる点及びゲートセンサ63dの位置ずれが生じ得る点に着目すれば、突条124を設ける方がよい。
(4)上記実施形態では、内部空間145は両端側へ向かうにつれて徐々に狭くなるように細長く形成されていたが、これに限られず、例えば同一の幅寸法となるように設定してもよい。但し、配線91の挿入し易さ及び配線91の形状の安定性に着目すれば、徐々に狭くなる構成のほうが優れている。
(5)内部空間145が前方に向かうにつれて広くなるように第1アーム部131を形成してもよい。これにより、配線91が抜けにくくなるため、第1アーム部131による配線91の保持力を高めることができる。但し、第1アーム部131による配線91の保持の解除し易さに着目すれば、上記実施形態の方が優れている。
(6)上記実施形態では、第1アーム部131はゲートセンサ63dの一側面に対応させて形成されていたが、これに限られず、例えば上面側又は下面側に形成されている構成としてもよい。
(7)上記実施形態では、差込口146を介して内部空間145内に配線91を差し込むことによって配線91が保持される構成としたが、これに限られず、例えば第1アーム部131に配線91を引っ掛けることが可能な引っ掛け部を設け、当該引っ掛け部に配線91を引っ掛けることによって配線91を保持する構成としてもよい。
(8)上記実施形態では、配線91が2本であったが、これに限られず、3本以上の複数の配線91が束ねられたハーネスに適用してもよい。この場合、内部空間145は複数の配線が収容可能な大きさに形成されているとともに、差込口146も複数の配線が挿入可能に形成されている必要がある。
(9)上記実施形態では、配線91を曲げることによって形成された曲がり部171が内部空間145内に挿入されることによって配線91を保持する構成としたが、これに限られず、例えば基板側コネクタ162が挿入されることによって配線91を保持する構成としてもよい。但し、曲がり部171を挿入する構成のほうが、保持された状態における配線91の形状が安定しているため、配線91の形状の安定性に着目すれば、曲がり部171を挿入する構成のほうが優れている。
また、上記実施形態では、曲がり部171が2つ形成されており、一方の曲がり部171が収容されており、他方の曲がり部171が露出しているが、他方の曲がり部171が収容できるように第1アーム部131を形成してもよい。これにより、曲がり部171に何らかのものが引っ掛かることによって生じ得る作業性の低下を抑制することができる。
(10)上記実施形態では、スルーゲート39について、当該スルーゲート39のゲートセンサ63dの配線91を保持する構成を設けたが、これに限られず、例えば一般入賞口36の入賞を検知する入賞口センサ63aの配線を保持する構成を設けてもよい。要は、配線を貫通孔に通す必要がある他の遊技機器に対して本発明を適用することができる。
(11)上記実施形態では、内部空間145は図柄表示装置43とは反対側に配置されていたが、これに限られず、例えばセンサホルダ92のうち配線91の接続先の部位に対して近い側に配置されてもよい。これにより、仮保持されている配線91が接続先側に配置されることとなるため、配線91の接続先を把握し易い。よって、配線91の接続作業を好適に行うことができる。
(12)上記実施形態では、内部空間145に曲がり部171を挿入することにより配線91は後方に向けて延びるように保持されるが、これに限られず、例えば遊技盤33の前後方向に交差する方向に向けて延びるように保持される構成としてもよい。この場合、配線91が接続先寄りとなるように当該配線91の延びる向きを規定するガイド手段を設けるとよい。これにより、配線91の接続先を把握し易いため、配線91の仮保持を解除して配線91の接続作業を行う場合に、当該接続作業を好適に行うことができる。但し、配線91が貫通孔81の通過し易さが確保されるように、遊技盤33の前後方向に対する配線91の延びる方向の傾きは、配線91が貫通孔81を通過し易い特定範囲内に設定されているとよい。
また、ガイド手段としては、例えば内部空間145を遊技盤33の前後方向に交差する方向に沿うように形成するとよい。内部空間145から引き出されている配線91の向きがゲートセンサ63dから引き出されている配線91の向きと異なるように設定されているとよい。
(13)複数の遊技機器に配線を保持する構成(第1アーム部)を設けてもよい。この場合、遊技機器毎に第1アーム部の形状を変えてもよい。これにより、第1アーム部の形状が識別性を有することとなるため、例えば第1アーム部の形状に対応付けて接続先のコネクタを把握可能となるようにすることによって、配線の接続ミスを低減することができる。よって、配線の接続作業を好適に行うことができる。
(14)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.所定の取付部に取り付けられる遊技機器(スルーゲート39)と、
前記遊技機器に接続されている配線(配線91)と、
前記遊技機器に設けられ、前記配線において前記遊技機器との接続部位以外の一部を着脱可能に保持する保持部(第1アーム部131)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、配線において遊技機器と接続されている接続部位以外の一部(以降、単に配線の一部ともいう)を保持部に保持しておくことによって、配線の全体長さを短くすることができる。これにより、配線が垂れ下がりにくくなるため、遊技機器が取付部に取り付けられる場合に配線が邪魔になりにくい。よって、遊技機器の取り付け作業を好適に行うことができる。また、配線は保持部に着脱可能な状態で保持されているため、取り付け作業が完了した場合には、配線の保持を解除することによって、配線の接続作業を好適に行うことができる。
特徴2.所定の取付部に対して所定の取り付け方向から取り付けられる遊技機器(スルーゲート39)と、
前記遊技機器に接続され、前記取付部に設けられた貫通孔を介して前記遊技機器が取り付けられた側とは反対側に導出される配線(配線91)と、
前記遊技機器に設けられ、前記配線において前記遊技機器の接続部位以外の一部を着脱可能に保持する保持部(第1アーム部131)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴2によれば、遊技機器が所定の取り付け方向から取り付けられているとともに、遊技機器に接続された配線は貫通孔を通じて遊技機器の取り付け側とは反対側に導出される。ここで、遊技機器が取付部に取り付けられる場合、配線が貫通孔を形成する内壁と干渉する等して配線が邪魔になる場合がある。
これに対して、本特徴によれば、配線の一部を保持部に保持しておくことによって、配線の全体長さを短くすることができる。これにより、配線が垂れ下がりにくくなるため、配線が貫通孔を通過しやすくなる。よって、配線の一部を保持部に保持した状態で遊技機器を取り付けることによって、配線が邪魔になりにくい。したがって、遊技機器の取り付け作業を好適に行うことができる。
また、配線は着脱可能な状態で保持されているため、取り付け作業が完了した場合には、配線の保持を解除することによって、配線の接続作業を好適に行うことができる。
特徴3.前記配線は、当該配線の前記貫通孔への挿通方向を向くように前記遊技機器に接続されており、
前記保持部は、前記配線の一部を前記挿通方向に沿う向きに保持可能に形成されていることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
特徴3によれば、配線が挿通方向に沿って延びた状態で保持され易くなり、配線が貫通孔を通過し易くなる。
特徴4.前記保持部は、前記配線の一部を差込可能な差込口(差込口146)を有するとともに当該差込口から差し込まれた配線を収容する収容領域(内部空間145)を区画形成する収容部(第1アーム部131)であり、
前記差込口は、前記配線の所定の途中位置を曲げることによって形成される曲がり部(曲がり部171)が差込可能な大きさに形成されており、
前記収容部は、前記曲がり部を収容可能に形成されていることを特徴とする特徴2又は特徴3に記載の遊技機。
特徴4によれば、配線を曲げる(弾性変形させる)ことによって形成された曲がり部を差込口を介して収容部に差し込むと、曲がり部は自然状態への復帰力により収容部の内壁と当接し、配線が保持される。当該保持は、差込口より配線を引き出すことによって、解除することができる。よって、着脱可能な状態での配線の一部の保持を容易に行うことができる。
この場合、配線の途中位置である曲がり部が保持されることにより、配線の先端を保持する構成と比較して、形状が安定する。よって、配線の保持の安定性を高めることができる。
なお、特徴3との関係によれば、「前記差込口は前記挿通方向に開口しており、前記収容部は前記挿通方向に延びるように形成されている」とよい。
特徴5.前記遊技機器は、
前記配線が接続されている電子部品(ゲートセンサ63d)と、
当該電子部品を保持する部品ホルダ(センサホルダ92)と、
を備え、
前記収容領域は、前記電子部品と前記部品ホルダとの間に形成された隙間であることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
特徴5によれば、部品ホルダ及び電子部品により収容部が形成されている。この場合、電子部品が収容部の一部を構成しているため、部品ホルダのみで収容部を形成する構成と比較して、収容部を形成するのに要するスペースを小さくすることができる。これにより、遊技機器の小型化を図ることができる。
特徴6.前記遊技機器は、
前記配線が接続されている電子部品(ゲートセンサ63d)と、
前記収容部を有するとともに、当該電子部品を保持する部品ホルダ(センサホルダ92)と、
を備えていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
特徴6によれば、部品ホルダに保持部が設けられている。これにより、保持部を設けるために電子部品の設計変更をする必要がないため、既存の電子部品を用いて保持部を設けることができる。
特徴7.前記配線は前記電子部品の前記取り付け方向の先側の端部に接続されており、
前記部品ホルダは、前記電子部品の一部が入り込み可能となるように形成された枠部(枠部121)を備え、
前記枠部は、
前記電子部品に対して前記取り付け方向の元側に配置され、前記電子部品と当接することによって、前記取り付け方向とは反対方向への前記電子部品の移動を規制する当接部(前面枠部121c)と、
当該当接部から前記取り付け方向の先側に延びるように形成され、前記電子部品を挟んで対向配置された一対の対向部(第1側面枠部121a、第2側面枠部121b)と、
を有し、
前記枠部は、前記当接部が前記電子部品と当接し、さらに前記一対の対向部が前記電子部品を挟むことによって、前記部品ホルダに対する前記電子部品の相対位置を規定した状態で当該電子部品を保持するものであり、
前記一対の対向部のうち一方の対向部(第2側面枠部121b)から前記当接部側とは反対側への延長上に、前記当接部と協働して前記電子部品を挟み込むことで、前記取り付け方向の前記電子部品の移動を規制する規制部(第2アーム部132)を設け、
前記一方の対向部に対して対向する位置であって、他方の対向部(第1側面枠部121a)から前記当接部側とは反対側への延長上に、前記収容部を設けたことを特徴とする特徴5又は特徴6に記載の遊技機。
特徴7によれば、電子部品を枠部に入り込むように移動させることによって、部品ホルダに対する電子部品の相対位置が規定された状態で電子部品が保持される。この場合、当接部と規制部とによって電子部品が挟まれ、電子部品の枠部への入り込み方向とは反対方向の取り外し方向への移動が規制部によって規制される。これにより、部品ホルダからの電子部品の抜け落ちが抑制される。
ここで、規制部と対向する位置であって、他方の対向部の取り付け方向への延長上のスペースに収容部が設けられているため、収容部が他の部位に設けられる構成と比較して、部品ホルダ全体として見た場合に収容部を設けたことによって生じる出っ張りが小さくなっている。これにより、部品ホルダが全体としてコンパクトになっている。よって、収容部を形成することによって生じ得る部品ホルダの大型化を抑制し得る。
なお、「前記部品ホルダは前記取付部に固定されるベース部を備え、前記遊技機器は、前記ベース部が前記取付部に固定されることによって取り付けられるものであり、前記ベース部は前記取付部に固定される状況において前記貫通孔を塞ぐように形成されており、前記枠部、前記規制部及び前記収容部は前記ベース部に設けられている」とよい。かかる構成によれば、ベース部を取付部に固定させることによって枠部及び規制部によって保持されている電子部品が予め定められた位置に取り付けられる。
特徴8.遊技球が流下する流下領域(遊技領域Z)が前面側に形成された遊技盤(遊技盤33)を備え、
前記遊技盤に前記取付部が設けられており、
前記貫通孔は前記遊技盤の前後方向に貫通するものであり、
前記配線は、前記貫通孔を通じて前記遊技盤の前面側から後面側に導出させるものであり、
前記電子部品には、遊技球が通過可能な大きさであって前記遊技盤の上下方向に貫通した検知孔(検知孔122)が設けられ、
前記電子部品は、前記検知孔を通過する遊技球を検知するものであり、
前記部品ホルダは、前記電子部品の一部が入り込み可能となるように後方に開放された枠部(枠部121)を備え、
前記枠部は、
前記電子部品に対して前方側に配置され、前記電子部品と当接することによって、前方への前記電子部品の移動を規制する当接部(前面枠部121c)と、
当該当接部から後方に延びるように形成され、前記電子部品を挟んで前記遊技盤の幅方向に対向配置される一対の対向部(第1側面枠部121a、第2側面枠部121b)と、を有し、
前記枠部は、前記当接部が前記電子部品と当接し、さらに前記一対の対向部が前記電子部品を挟むことによって、前記部品ホルダに対する前記電子部品の相対位置を規定した状態で当該電子部品を保持するものであり、
前記一対の対向部のうち一方の対向部(第2側面枠部121b)の後方への延長上に、前記枠部により保持された電子部品の後方への移動を規制する規制部(第2アーム部132)を設け、
前記一方の対向部に対して対向する位置であって、他方の対向部(第1側面枠部121a)の後方への延長上に、前記収容部を設けたことを特徴とする特徴5又は特徴6に記載の遊技機。
特徴8によれば、電子部品を枠部に入り込むように前方へ移動させることによって、部品ホルダに対する電子部品の相対位置が規定された状態で電子部品が保持される。この場合、後方への電子部品の移動が規制部によって規制されるため、部品ホルダからの電子部品の抜け落ちが抑制される。
ここで、規制部と対向する位置であって、他方の対向部の後方への延長上のスペースに収容部が設けられているため、収容部が他の部位に設けられる構成と比較して、部品ホルダ全体として見た場合に収容部を設けたことによって生じる出っ張りが小さくなっている。これにより、部品ホルダが全体としてコンパクトになっている。よって、収容部を形成することによって生じ得る部品ホルダの大型化を抑制し得る。
なお、「前記部品ホルダは前記取付部に固定されるベース部を備え、前記遊技機器は、前記ベース部が前記取付部に固定されることによって前記遊技盤に取り付けられるものであり、前記ベース部は前記取付部に固定される状況において前記貫通孔を塞ぐように形成されており、前記枠部、前記規制部及び前記収容部は前記ベース部に設けられている」とよい。かかる構成によれば、ベース部を取付部に固定させることによって枠部及び規制部によって保持されている電子部品が予め定められた位置に取り付けられる。
特徴9.前記収容部は、前記遊技盤の前後方向に延び且つ前記規制部に向けて開放した溝形状をなしており、その開放端が前記電子部品の溝底部側への移動を許容した状態で前記電子部品を上下に挟むように形成されていることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
特徴9によれば、収容部の開放端によって電子部品が挟まれることによって、前後方向への電子部品の移動が案内される。また、収容部の溝底部側への電子部品の移動が許容されているため、電子部品が収容部と規制部との間を通り易い。これにより、枠部に電子部品を挿入し易くなる。よって、部品ホルダへの電子部品の取り付け作業を容易に行うことができる。すなわち、収容領域を形成する構成により、部品ホルダへの電子部品の取り付け作業の作業性の向上を図ることができる。
特徴10.前記規制部の先端側には、前記電子部品に対して後方側から当接することによって後方への前記電子部品の移動を規制する係止部(爪部151)が設けられており、
前記係止部は前記収容部側に向けて突出して形成されており、
前記規制部は、前記電子部品が前記収容部及び前記係止部の間を通過できるように、前記収容部に対して離間する方向へ向けて弾性変形可能に形成されており、
前記収容部は前記差込口を介して後方に開放されていることを特徴とする特徴9に記載の遊技機。
特徴10によれば、規制部を弾性変形させながら収容部と係止部との間に電子部品を挿入すると、規制部が弾性変形した状態で電子部品は枠部に入り込む。そして、電子部品が係止部を通過すると、規制部が自然状態に復帰し、係止部が電子部品に対して後方側から当接する。これにより、後方への電子部品の移動が規制される。
ここで、収容部が後方に開放されているため、後方から収容領域内に電子部品の一部を挿入することができる。これにより、電子部品を収容部の底側に偏倚させて挿入することによって、収容部と係止部との間を電子部品が通過するために要する係止部の弾性変形量が少なくて済む。よって、取り付け作業の容易化を図ることができる。
特徴11.前記収容部内の上部(鉤状部142)及び下部(鉤状部143)は、互いに離れる側に向けて凸となるように湾曲した湾曲面(湾曲面142a、143a)が形成されていることを特徴とする特徴9又は特徴10に記載の遊技機。
特徴11によれば、収容領域に配線を挿入した場合、配線は湾曲面に沿って、当該湾曲面の頂点に向けて誘導される。これにより、配線が自然に特定の位置(湾曲面の頂点付近)に配置され、当該位置にて保持される。この場合、配線の位置ずれが生じにくいため、配線の形状が安定する。よって、配線の保持の安定性の向上を図ることができる。
なお、「前記湾曲面の頂点部の曲率は、前記配線の曲率と同一又はそれよりも大きく設定されている」とよい。この場合、配線が湾曲面の頂点に向けて移動すると、配線が湾曲面に対して頂点を介した2箇所で当接することになるため、配線の位置ずれを好適に規制することができる。
特徴12.前記収容部の溝底部は、前記電子部品から離れる側に向けて凸となるように湾曲していることを特徴とする特徴9乃至11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴12によれば、収容領域の両端部分よりも中間部分が大きくなっている。これにより、配線を中間部分に挿入し易いため、配線の差込作業を容易に行うことができる。
また、特徴11との関係によれば、収容領域は両端に向けて徐々に狭くなっているため、中間部分に挿入された配線は両端側に向けて誘導され、当該位置にて保持される。すなわち、溝底部が配線を湾曲面へ誘導するものとして機能する。なお、この場合、「前記収容部は、前後方向に見て略C字状をなしている」とも言える。
特徴13.前記収容部は前記差込口を介して後方に向けて開放されており、
前記収容部の内壁面と前記他方の対向部の内壁面とによって前記遊技盤の前後方向に連続した連続面が形成されているとともに、当該連続面の途中位置には、前記電子部品側に突出させて形成された凸部(突条124)が設けられており、
前記凸部は、前記電子部品と当接することによって前記収容領域内への前記電子部品の入り込みを規制するものであることを特徴とする特徴8乃至12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴13によれば、電子部品と凸部との当接によって、収容領域が確保されている。また、凸部は、収容部の内壁面と他方の対向部の内壁面とからなる連続面の途中位置に設けられているため、配線と凸部とが当接することによって配線のそれ以上の挿入が規制される位置まで、配線を後方から収容領域に挿入することができる。すなわち、凸部が収容領域の前後方向の長さを規定するものとして機能する。
特徴14.前記遊技盤には、絵柄の変動表示が行われる絵柄表示手段(図柄表示装置43)が設けられており、
前記絵柄表示手段は、前記遊技盤の後方側から取り付けられるものであり、
前記収容部は、前記遊技盤の盤面に沿った方向において前記遊技機器の前記絵柄表示手段が設けられる側とは反対側に配置されていることを特徴とする特徴8乃至13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴14によれば、収容部は、遊技盤の盤面に沿った方向において絵柄表示手段が設けられる側とは反対側に設けられているため、収容部が絵柄表示手段側に配置されている構成と比較して、絵柄表示手段を取り付ける場合に、収容部に保持されている配線が邪魔になりにくい。これにより、絵柄表示手段の取り付け作業を好適に行うことが可能となる。
特徴15.前記遊技機器は、前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能であって、前記遊技領域の上流側から流下してきた遊技球を前記遊技領域の下流側にそのまま導出する球通過部(スルーゲート39)であり、
前記球通過部は、
遊技球が通過可能な領域を形成するとともに、当該領域内を通過する遊技球を検知する通過検知センサ(ゲートセンサ63d)と、
前記通過検知センサを保持するホルダ(センサホルダ92)と、
を備え、
前記ホルダは、前記遊技盤の表面部分に当接して前記球通過部の位置を規定した状態で前記取付部に固定されるベース部(ベース部101)を備え、
前記球通過部は、前記ベース部が前記取付部に固定されることにより、前記遊技盤に取り付けられるものであり、
前記貫通孔は、前記ベース部によって塞がれるように前記ベース部よりも小さく形成されていることを特徴とする特徴14に記載の遊技機。
特徴15によれば、ベース部が取付部に固定されることによって、球通過部がその位置を規定された状態で遊技盤に取り付けられる。この場合、貫通孔が当該ベース部によって塞がれている。これにより、貫通孔から治具を挿入する不正行為を抑制し得る。
かかる場合、貫通孔がベース部よりも小さく形成されるため、配線が貫通孔を通りにくくなる。特に、球通過部は他の遊技機器と比較して小さいため、貫通孔も小さくなる。
これに対して、本特徴によれば、収容部が設けられているため、仮に貫通孔が小さく形成された場合であっても、配線を貫通孔に容易に通すことができる。
特徴16.前記球通過部を通過した遊技球が入球可能となるように前記球通過部の下流側に配置され、遊技球が入球可能であって、遊技球が入球した場合には当該入球した遊技球を前記遊技盤の後面側に誘導する球入球部を備えていることを特徴とする特徴15に記載の遊技機。
特徴16によれば、球通過部を通過した遊技球が入球可能となるように球入球部は球通過部よりも下流側に配置されている。この場合、球通過部に対応する配線が垂れ下がると、当該配線が球通過部よりも下流側に配置される遊技機器と干渉し、邪魔になり易い。
これに対して、通過検知センサの配線の一部の保持する収容部を設けることによって、上記不都合を回避することができる。
特徴17.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域Z)が前面側に形成された遊技盤(遊技盤33)に、配線(配線91)が接続され、更に前記遊技領域の遊技球が通過可能であって遊技球が通過した場合にはそれを検知する検知センサ(ゲートセンサ63d)と、当該検知センサを保持するホルダ(センサホルダ92)と、を備えた球通過部(スルーゲート39)を取り付ける遊技機の製造方法であって、
前記遊技盤に当該遊技盤の前後方向に貫通した貫通孔(貫通孔81)を形成する工程と、
前記配線において検知センサとの接続部位以外の一部を曲げる工程と、
前記検知センサと前記ホルダとの間に形成された隙間(内部空間145)に、前記配線の一部を曲げることによって形成された曲がり部を差し込む工程と、
前記球通過部を前記遊技盤の前面側から取り付けるとともに、前記配線を前記貫通孔に通して前記遊技盤の後面側に導出させる工程と、
当該遊技盤の後面側に導出された配線を引っ張ることで前記曲がり部を導出し、当該配線を前記遊技盤の後面側に設けられた接続部に接続する工程と、
を備えていることを特徴とする遊技機の製造方法。
特徴17によれば、球通過部は遊技盤の前面側から取り付けられる一方、配線は遊技盤の後面側に設けられた接続部に接続させる。この場合、球通過部の取り付けにおいて配線を貫通孔に通して遊技盤の後面側に導出させる工程が必要となり、当該工程において配線が貫通孔に引っかかる等して作業性の低下が懸念される。
これに対して、前記検知センサと前記ホルダとの間に形成された隙間に曲がり部を差し込む工程を実行することによって、配線が保持される。そして、かかる状態で球通過部を取り付ける工程を行うことによって、上記不都合を回避することができる。また、配線が遊技盤の後面側に導出された場合には、遊技盤の後面側から配線を引っ張ることによって、曲がり部が導出され、配線の保持が解除される。これにより、配線の接続を行うことができる。