JP6221662B2 - Led反射板用ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Description
特許文献1では、(a)テレフタル酸残基と1,4−シクロヘキサンジメタノール残基とが結合した繰返し単位がポリマー中の80モル%を占めるポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂100重量部、(b)ポリエーテルアミドおよび/またはポリエーテルエステル0.05〜20重量部および、(c)少なくとも1つのP−O結合が炭素数6から30の芳香族基と結合している有機ホスファイト、またはホスホナイト化合物を0.05〜4重量部からなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物が開示されているが、耐熱性、耐光性に問題がある。
(1) ポリエステル樹脂(A)、酸化チタン(B)、繊維状強化材及び針状強化材からなる群より選択される少なくとも1種の強化材(C)、及び非繊維状かつ非針状の充填材(D)を含有し、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して酸化チタン(B)0.5〜100質量部、強化材(C)0〜100質量部、及び非繊維状かつ非針状の充填材(D)0〜50質量部の割合で含有するポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂(A)が、芳香族ジカルボン酸を主体とするジカルボン酸成分と1,4−シクロヘキサンジメタノールを主体とするジオール成分とからなるポリエステルであって、1,4−シクロヘキサンジメタノールが全ジオール成分中の70モル%以上であり、下式(1)で示されるモノアルデヒド基末端が30当量/t以下を満たすポリエステル樹脂であることを特徴とするLED反射板用ポリエステル樹脂組成物。
(3) ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分の95〜100モル%が1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、5〜0モル%がその他のグリコールであり、その他のグリコールがエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、及び1,4−ブタンジオールから選ばれる一種以上である(1)又は(2)に記載のLED反射板用ポリエステル樹脂組成物。
(4) 非繊維状かつ非針状の充填材(D)がタルクであり、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対してタルク0.1〜5質量部の割合で含有する(1)〜(3)のいずれかに記載のLED反射板用ポリエステル樹脂組成物。
(5) さらに、ポリエステル樹脂(A)とは異なるポリエステル樹脂(E)を、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して最大50質量部含有している(1)〜(4)のいずれかに記載のLED反射板用ポリエステル樹脂組成物。
(6) ポリエステル樹脂(E)が、ポリブチレンテレフタレート及びポリブチレンナフタレートから選ばれる一種以上であり、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して1〜30質量部含有している(5)に記載のLED反射板用ポリエステル樹脂組成物。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を用いて成形して得られることを特徴とする表面実装型LED用反射板。
1,4−シクロヘキサンジメタノール以外のその他のグリコ−ルは、ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分の30〜0モル%であることが好ましい。より好ましくはその他のグリコールが20モル%以下、更に好ましくは15モル%以下、特に好ましくは10モル%以下、最も好ましくは5モル%以下である。その他のグリコ−ルとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族グリコールなどが挙げられる。これらの中では、耐熱性、重合性、成形、コストなどからエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオールから選ばれる一種または二種以上の混合物が好ましい。更に好ましくは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールのいずれかである。なお、グリコール成分にエチレングリコールを用いた場合、ポリエステル樹脂(A)の製造時に、ジエチレングリコールが副生し、共重合成分となることがある。また、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価ポリオールを併用しても構わない。
溶融重合時の酸素濃度を下げる方法や、好ましくは、前記溶融重合で得られたポリエステルに固相重合を行う方法が上げられる。基本的な考え方として、製造時においてポリエステルの水酸基末端の酸化を抑制するため、溶融重合時の酸素濃度を下げたり、溶融重合時の熱履歴を出来るだけ少なくして、熱履歴の少ない固相重合を併用したりする製造方法を採用する。好ましい固相重合条件としては、極限粘度(IV)が0.60dl/g以下、より好ましくは0.55dl/g以下、さらに好ましくは0.50dl/g以下の溶融重合ポリエステルを固相重合することが好ましい。
スラリー調合槽やスラリー貯蔵槽の気相部分には、酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、より好ましくは2ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下の不活性気体を流通させて、原料と一緒に系内に混入する酸素を除去すると同時に空気が混入しないようにすることが望ましい。前記気相中の酸素濃度は、100ppm以下が好ましく、より好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、特に好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下に維持することが望ましい。
エステル化反応は、1個のエステル化反応器から成る一段式装置、または、少なくとも2個のエステル化反応器を直列に連結した多段式装置を用いて1,4−シクロヘキサンジメタノールが還流する条件下で、気相部分には酸素濃度が5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の不活性気体を流通させ、反応によって生成した水またはアルコールを精留塔で系外に除去しながら実施する。気相中の酸素濃度は、100ppm以下、好ましくは70ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに一層好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下に維持することが好ましい。
また、冷却水を溶融樹脂にシャワー状に吹き付けて冷却する方法を採用する場合には、冷却水に酸素が溶解し、溶存酸素濃度上がるため、冷却工程の気相中の酸素濃度を、500ppm以下、好ましくは300ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下、さらに一層好ましくは50ppm以下、最も好ましくは10ppm以下に維持、またその変動巾を30%以内、好ましくは20%以内に抑えることが好ましい。冷却工程での気相中の酸素濃度をコントロールする方法としては、溶融ポリマーに吹き付ける不活性ガスをそのまま冷却工程に流すことが好ましい。
前記の溶融重縮合ポリエステルチップは、酸素濃度が好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは30ppm以下、最も好ましくは20ppm以下の不活性気体雰囲気下において、少なくとも1段階の連続結晶化装置、好ましくは2段階以上の連続式結晶化装置で予備結晶化されることが好ましい。1段目の予備結晶化では100〜180℃の温度で1分〜5時間で、次いで2段目の予備結晶化では160〜210℃の温度で1分〜3時間の条件で、さらに2段目以上の予備結晶化では180〜210℃の温度で1分〜3時間の条件で、順次、段階的に結晶化することが好ましい。結晶化後のチップの結晶化度は30〜65%、好ましくは35〜63%、さらに好ましくは40〜60%の範囲であることが好ましい。なお、結晶化度はチップの密度より求めることができる。
具体的には、ブレンド後の融点が280℃以上を有して、更には、ブレンド後の樹脂組成物の融解ピーク温度(Tm)、降温時結晶化温度(Tc2)の差がブレンド前より、小さい方が、成形性が良好な傾向を示す。ブレンドするポリエステル樹脂(E)としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTN)等々のホモポリエステル、ポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体や上記ホモポリエステルに、本文記載の酸やグリコールを共重合したポリエステルを添加しても良い。好ましくは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体、更に好ましくは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体、最も好ましくは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)が、成形性が良好になる傾向を示す。また、添加部として好ましくは、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して最大50質量部を添加することが可能であるが、樹脂組成物の耐熱性の観点から、1〜30質量部が好ましく、より好ましくは5〜25質量部である。50質量部を超えると成形性が低下する傾向になり、1部未満では、成形性が向上しにくい傾向を示す。
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノ−ル(2:3重量比)混合溶媒中、ウベローデ粘度管を用いて30℃での溶液粘度から求めた。
(2)酸価
ポリエステル樹脂0.1gをベンジルアルコール10mlに加熱溶解した後、0.1NのNaOHのメタノール/ベンジルアルコール(1/9容積比)の溶液を使用して滴定して求めた。指示薬は、フェノールレッドを用い、黄緑色から淡紅色に変化したところを終点とした。
(3)ポリエステル樹脂組成物の融解ピーク温度(Tm)、降温時結晶化温度(Tc2)セイコ−電子工業株式会社製の示差熱分析計(DSC)、RDC−220で測定した。昇温速度20℃/分で昇温し、330℃で3分間保持したのち、330℃から130℃までを10℃/分で降温した。昇温時に観察される融解ピ−クの頂点温度を融点(Tm)、降温時に観察される結晶化ピ−クの頂点温度を降温時結晶化温度(Tc2)とした。
(4)式(1)で示されるモノアルデヒド基末端量の測定
式(1)のモノアルデヒド基末端は、ヘキサフルオロイソプロパノール(d2)と、重水素化クロロホルムの混合溶液(容量比3/7)にポリマーを約2重量%の濃度で溶解し、ピリジン(d5)約30μlおよび約20mgのシフト試薬Pr(FOD)3 を添加し、1H−NMRを測定し、モノアルデヒド基中のプロトン積算値から定量分析した。
東芝機械製射出成形機EC−100を用い、シリンダー温度は樹脂組成物の融点+20℃、金型温度は120℃に設定し、フィルムゲートを有する縦100mm、横100mm、厚み1mmtの平板作成用金型を使用し、射出成形を実施した。射出速度50mm/秒、保圧30MPa、射出時間10秒、冷却時間10秒で成型を行い、成形性の良悪は以下のような評価を行った。
○:問題なく成型品が得られる。
△:時々スプルーが金型に残る。
×:離型性が不十分であり、成型品が金型に貼り付いたり変形する。
東芝機械製射出成形機EC−100を用い、シリンダー温度は樹脂組成物の融点+20℃、金型温度は140℃に設定し、長さ127mm、幅12.6mm、厚み0.8mmtのUL燃焼試験用テストピースを射出成形し、試験片を作製した。試験片は85℃、85%RH(相対湿度)の雰囲気中に72時間放置した。試験片はエアリフロー炉中(エイテック製 AIS−20−82C)、室温から150℃まで60秒かけて昇温させ予備加熱を行った後、190℃まで0.5℃/分の昇温速度でプレヒートを実施した。その後、100℃/分の速度で所定の設定温度まで昇温し、所定の温度で10秒間保持した後、冷却を行った。設定温度は240℃から5℃おきに増加させ、表面の膨れや変形が発生しなかった最高の設定温度をリフロー耐熱温度とし、ハンダ耐熱性の指標として用いた。
ハンダ耐熱性;
◎:リフロー耐熱温度が280℃以上
○:リフロー耐熱温度が260℃以上280℃未満
×:リフロー耐熱温度が260℃未満
ハンダ耐熱時の着色性;
○:目視判断 黄変なし
△:目視判断 若干黄変
×:目視判断 黄変している
東芝機械製射出成形機EC−100を用い、シリンダー温度は樹脂組成物の融点+20℃、金型温度は140℃に設定し、縦100mm、横100mm、厚み1mmの平板を射出成形し、評価用試験片を作製した。この試験片を80℃熱水中に50時間浸漬させ、飽和吸水時及び乾燥時の重量から以下の式より飽和吸水率を求めた。
飽和吸水率(%)={(飽和吸水時の重量−乾燥時の重量)/乾燥時の重量}×100
東芝機械製射出成形機IS−100を用い、シリンダー温度は330℃、金型温度は120℃に設定し、射出圧設定値40%、射出速度設定値40%、計量35mm、射出時間6秒、冷却時間10秒の条件で、幅1mm、厚み0.5mmの流動長測定用金型で射出成形し、評価用試験片を作製した。流動性の評価として、この試験片の流動長さ(mm)を測定した。
東芝機械製射出成形機EC−100を用い、シリンダー温度は樹脂組成物の融点+20℃、金型温度は140℃に設定し、縦100mm、横100mm、厚み2mmの平板を射出成形し、評価用試験片を作製した。この試験片の片面に、シリコーン封止材(信越シリコーン社製、ASP−1110、封止材硬度D60)をコーティング厚み約100μmになるようにコーティングし、100℃×1時間のプレヒーティング後、150℃×4時間の硬化処理をして試験片の片面に封止材皮膜を形成させた。
次いで、試験片上の封止材皮膜に対して、JIS K5400に基づく碁盤目試験(1mm幅クロスカット100マス)で密着性を評価した。
○:剥離マス目数10以下
×:剥離試験前のマス目形成時に剥離あり
東芝機械製射出成形機EC−100を用い、シリンダー温度は樹脂組成物の融点+20℃、金型温度は140℃に設定し、縦100mm、横100mm、厚み2mmの平板を射出成形し、評価用試験片を作製した。この試験片について、促進耐候試験機「QUV」を用い、63℃50%RHの環境下、50mW/UV照射を実施した。試験片の波長460nmの光反射率を、照射前と照射60時間後に測定した。照射前試験片の光反射率に対する、照射後試験片の光反射率の保持率を下記の基準で評価した。
○:保持率90%以上
△:保持率90%未満〜85%以上
×:保持率85%未満
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、スラリー調合槽で調整した高純度テレフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールのスラリーを連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2で所定の反応度まで反応を行った。また、チタンブトキサイドの1,4−シクロヘキサンジメタノール溶液および燐酸の1,4−シクロヘキサンジメタノール溶液を別々に第2エステル化反応器に連続的に供給した。なお、これらの調合槽や各反応器には酸素濃度が1ppm以下の窒素ガスを流通させて、スラリー調合槽の気相中の酸素濃度は30ppm、第1及び第2エステル化反応器の気相中の酸素濃度は30ppm以下に維持した。また、調合した触媒溶液や燐酸溶液には酸素濃度が約1ppm以下の窒素ガスをバブリングさせ、触媒溶液槽および燐酸溶液槽には同様の窒素ガスを流通させた。このエステル化反応生成物を連続的に第1重縮合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重縮合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに最終重縮合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで重縮合させた。溶融重縮合ポリマーの極限粘度は0.50dl/gであった。
また、固相重合に使用した窒素ガスは固形物除去後、冷却し、スクラバーにおいて冷エチレングリコールと気液接触させて洗浄し、このようにして洗浄された窒素ガスに新しい窒素ガスを補給し、これを予熱して固相重合反応塔に供給する。この際、スクラバーでは、使用済み窒素ガス/洗浄エチレングリコールの気液比やスクラバーでの洗浄エチレングリコールに対する新エチレングリコールの補給割合は適正な範囲とした。 また、洗浄後の窒素ガスには10%の新鮮な窒素ガスを補給し、固相重合装置に供給する窒素ガス中の酸素濃度は50ppm以下であった。
なお、窒素ガス中の酸素濃度は、テレダインアナリティカルインスツルメンツ社製のユナイテッドアナライザー形式310により、また、露点は東洋テクニカ社製のハイグロテックMMY150低露点計により測定した。
このようにして、極限粘度が0.60デシリットル/グラム、モノアルデヒド基末端が12当量/tのポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の特性値などを表1に示す。
使用する原料の量や種類を変更する以外は、合成例1のポリエステル樹脂の重合と同様にして、各ポリエステル樹脂を得た。得られた各ポリエステル樹脂の特性値などを表1に示す。
(合成例6)
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、スラリー調合槽で調整した高純度テレフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールのスラリーを連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2で所定の反応度まで反応を行った。また、チタンブトキサイドの1,4−シクロヘキサンジメタノール溶液および燐酸の1,4−シクロヘキサンジメタノール溶液を別々に第2エステル化反応器に連続的に供給した。なお、これらの調合槽や各反応器には酸素濃度が1ppm以下の窒素ガスを流通させて、スラリー調合槽の気相中の酸素濃度は30ppm以下、第1及び第2エステル化反応器の気相中の酸素濃度は30ppm以下に維持した。また、調合した触媒溶液や燐酸溶液には酸素濃度が約1ppm以下の窒素ガスをバブリングさせ、触媒溶液槽および燐酸溶液槽には同様の窒素ガスを流通させた。このエステル化反応生成物を連続的に第1重縮合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重縮合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに最終重縮合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで2時間重縮合させた。溶融重縮合ポリマーの極限粘度は0.65dl/g、モノアルデヒド基末端が28当量/tであった。得られたポリエステル樹脂の特性値などを表1に示す。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)
攪拌機付き20リッターステンレス製オートクレーブに、高純度ジメチルテレフタル酸を1409g、その4倍モル量の1,4−ブタンジオール、チタンブトキサイド2gを仕込みエステル交換後、60分間かけて240℃まで昇温しつつ、反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として、さらに240℃、13.3Paで重縮合反応を実施した。放圧に続き、微加圧下のレジンを水中にストランド状に吐出して冷却後、カッターで切断して長さ約3mm、直径約2mmのシリンダー形状のペレットを得た。得られたポリエステルの極限粘度は、0.60dl/g、樹脂組成は、1H−NMR測定により、テレフタル酸が100モル%、1,4−ブタンジオールが100モル%であった。得られたポリエステル樹脂の特性値などを表1に示す。
攪拌機付き20リッターステンレス製オートクレーブに、高純度2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルを1409g、その4倍モル量の1,4−ブタンジオール、チタンブトキサイド2gを仕込みエステル交換後、60分間かけて300℃まで昇温しつつ、反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として、さらに310℃、13.3Paで重縮合反応を実施した。放圧に続き、微加圧下のレジンを水中にストランド状に吐出して冷却後、カッターで切断して長さ約3mm、直径約2mmのシリンダー形状のペレットを得た。得られたポリエステルの極限粘度は、0.60dl/g、樹脂組成は、1H−NMR測定により、2,6−ナフタレンジカルボン酸が100モル%、1,4−ブタンジオールが100モル%であった。得られたポリエステル樹脂の特性値などを表1に示す。
攪拌機付き20リッターステンレス製オートクレーブに、高純度テレフタル酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.3モル%加え、0.25MPaの加圧下250℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を行い、エステル化率が約95%のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびオリゴマーの混合物(以下BHET混合物という)を得た。加圧エステル化時スラリーの酸素濃度は120ppmであった。このBHET混合物に重合触媒として、二酸化ゲルマニウム(Geとして100ppm)を加え、次いで、窒素雰囲気下、常圧にて250℃で10分間攪拌した。その後、60分間かけて280℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として、さらに280℃、13.3Paで重縮合反応を実施した。放圧に続き、微加圧下のレジンを水中にストランド状に吐出して冷却後、カッターで切断して長さ約3mm、直径約2mmのシリンダー形状のペレットを得た。得られたPETのIVは0.61dl/gで、樹脂組成は、1H−NMR測定により、テレフタル酸が100モル%、エチレングリコールが98.0モル%、ジエチレングリコール2.0モル%であった。得られたポリエステル樹脂の特性値などを表2に示す。
使用する原料の種類を変更する以外は、比較合成例1のポリエステル樹脂の重合と同様にして、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の特性値などを表2に示す。
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、スラリー調合槽で調整した高純度テレフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールのスラリーを連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cm2Gで平均滞留時間3時間反応を行った。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cm2で所定の反応度まで反応を行った。また、チタンブトキサイドの1,4−シクロヘキサンジメタノール溶液および燐酸の1,4−シクロヘキサンジメタノール溶液を別々に第2エステル化反応器に連続的に供給した。なお、これらの調合槽や各反応器には酸素濃度が1ppm以下の窒素ガスを流通させて、スラリー調合槽の気相中の酸素濃度は140ppm、第1及び第2エステル化反応器の気相中の酸素濃度は30ppm以下に維持した。また、調合した触媒溶液や燐酸溶液には酸素濃度が約1ppm以下の窒素ガスをバブリングさせ、触媒溶液槽および燐酸溶液槽には同様の窒素ガスを流通させた。このエステル化反応生成物を連続的に第1重縮合反応器に供給し、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重縮合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに最終重縮合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで重縮合させた。溶融重縮合ポリマーの極限粘度は0.62dl/g、モノアルデヒド基末端が38当量/tであった。得られたポリエステル樹脂の特性値などを表2に示す。
表3、4に記載の成分と質量割合で、コペリオン(株)製二軸押出機STS−35を用いて、樹脂の融点+15℃で溶融混練し、実施例1〜13、比較例1〜3のポリエステル樹脂組成物を得た。表3、4中、ポリエステル樹脂以外の使用材料は以下の通りであり、各材料の数値は質量部である。
酸化チタン(B):石原産業(株)製 タイペークCR−60、ルチル型TiO2、平均粒径0.2μm
強化材(C):ガラス繊維(日東紡績(株)製、CS−3J−324)、針状ワラスト((株)NYCO製、NYGLOS8)
充填材(D):タルク(林化成(株)製 ミクロンホワイト5000A)
離型剤:ステアリン酸マグネシウム
安定剤:ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティーケミカルズ製、イルガノックス1010)
Claims (7)
- ポリエステル樹脂(A)、酸化チタン(B)、繊維状強化材及び針状強化材からなる群より選択される少なくとも1種の強化材(C)、及び非繊維状かつ非針状の充填材(D)を含有し、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して酸化チタン(B)0.5〜100質量部、強化材(C)0〜100質量部、及び非繊維状かつ非針状の充填材(D)0〜50質量部の割合で含有するポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂(A)が、芳香族ジカルボン酸を主体とするジカルボン酸成分と1,4−シクロヘキサンジメタノールを主体とするジオール成分とからなるポリエステルであって、1,4−シクロヘキサンジメタノールが全ジオール成分中の70モル%以上であり、下式(1)で示されるモノアルデヒド基末端が25当量/t以下を満たすポリエステル樹脂であることを特徴とするLED反射板用ポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸成分の少なくとも80モル%が芳香族ジカルボン酸であり、該芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、及び4,4’−ビフェニルジカルボン酸から選ばれる一種以上からなることを特徴とする請求項1に記載のLED反射板用ポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分の95〜100モル%が1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、5〜0モル%がその他のグリコールであり、その他のグリコールがエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、及び1,4−ブタンジオールから選ばれる一種以上である請求項1または2に記載のLED反射板用ポリエステル樹脂組成物。
- 非繊維状かつ非針状の充填材(D)がタルクであり、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対してタルク0.1〜5質量部の割合で含有する請求項1〜3のいずれかに記載のLED反射板用ポリエステル樹脂組成物。
- さらに、ポリエステル樹脂(A)とは異なるポリエステル樹脂(E)を、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して最大50質量部含有している請求項1〜4のいずれかに記載のLED反射板用ポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂(E)が、ポリブチレンテレフタレート及びポリブチレンナフタレートから選ばれる一種以上であり、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して1〜30質量部含有している請求項5に記載のLED反射板用ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を用いて成形して得られることを特徴とする表面実装型LED用反射板。
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