JP6221560B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機電界発光素子に関する。より詳しくは、特定の化合物を含む電子輸送層および/または電子注入層を用いることによって、素子寿命を改善させた有機電界発光素子に関する。
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、小電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料からなる有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の一つである青色をはじめとする発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わずこれまで活発に研究されてきた。
例えば、分子内にビピリジル構造を有する化合物の合成法や該化合物を有機化合物層に用いた有機電界発光素子が報告されている(特開2002-158093号公報(特許文献1)、特開2009-124114号公報(特許文献2)および特開2009-23962号公報(特許文献3))。特許文献1および特許文献2には、分子内にビピリジル構造を有する化合物を電子輸送材料として用いた有機電界発光素子が報告されている。また、アントラセンの中心骨格にビピリジル基が置換した化合物を特に電子輸送材料として使用した有機電界発光素子も報告されている(国際公開2007/86552パンフレット(特許文献4)、特開2008-156266号公報(特許文献5)、特開2008-214306号公報(特許文献6)、特開2008-214307号公報(特許文献7)、特開2008-247895号公報(特許文献8)および特開2011-168550号公報(特許文献9))。
特開2002-158093号公報 特開2009-124114号公報 特開2009-23962号公報 国際公開2007/86552パンフレット 特開2008-156266号公報 特開2008-214306号公報 特開2008-214307号公報 特開2008-247895号公報 特開2011-168550号公報
上記のように、分子内にビピリジル構造を有する化合物の電子輸送材料やアントラセン骨格の化合物の発光素子用材料はいくつか知られている。しかし、これらの公知の材料を電子輸送層として用いた有機電界発光素子は比較的低電圧で駆動させることができるが、素子寿命が十分ではなかった。また、この問題は、特に発光層に青色の発光材料を用いた場合に顕著である。このような状況下、素子寿命が優れた有機電界発光素子の開発が望まれている。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、素子寿命において優れた有機電界発光素子を得るために、電子輸送材料として下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一つを含ませた有機層を備えることが有効であることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような有機電界発光素子を提供する。
[1] 陽極および陰極からなる一対の電極と、
該一対の電極間に配置された発光層と、
前記陰極と該発光層との間に配置され、下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含む電子輸送層および/または電子注入層と
を備えた有機電界発光素子。
上記式(1)中、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、R〜Rが同時に水素になることはなく、
nは、1〜3の整数であり、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数3〜12のシクロアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであり、そして、
式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
[2] 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジン構造からなる部位は、それぞれ独立して、下記式(Py−1)〜式(Py−6)のいずれかで表される基(R、R、R、Rおよびnは不図示)であり、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、R〜Rが同時に水素になることはなく、
nは、1〜3の整数であり、そして、
は、水素、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであって、R、RおよびRは水素である、
上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[3] 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、下記式(Py−7)〜式(Py−18)のいずれかで表される基(R、R、R、Rおよびnは不図示)であり、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、R〜Rが同時に水素になることはなく、
nは、1〜3の整数であり、そして、
は、水素、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであって、R、RおよびRは水素である、
上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[4] 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−7)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、R〜Rが同時に水素になることはなく、
nは、1の整数であり、そして、
は、水素、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであって、R、RおよびRは水素である、
上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[5] 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−7)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
およびRは、共に水素であり、
nは、1の整数であり、そして、
は、水素、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであって、R、RおよびRは水素である、
上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[6] 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−7)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
およびRは、共に水素であり、
nは、1の整数であり、そして、
は、水素、炭素数1〜4のアルキル、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリルまたはナフチルであって、R、RおよびRは水素である、
上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[7] 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−7)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
およびRは、共に水素であり、
nは、1の整数であり、そして、
は、水素またはフェニルであって、R、RおよびRは水素である、
上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[8] 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−7)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
およびRは、共に水素であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
nは、1の整数であり、そして、
は、水素、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであって、R、RおよびRは水素である、
上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[9] 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−7)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
およびRは、共に水素であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
nは、1の整数であり、そして、
は、水素、炭素数1〜4のアルキル、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリルまたはナフチルであって、R、RおよびRは水素である、
上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[10] 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−7)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
およびRは、共に水素であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
nは、1の整数であり、そして、
は、水素またはフェニルであって、R、RおよびRは水素である、
上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[11] 一般式(1)で表される化合物が、下記式(ET−76)、(ET−975)、(ET−976)、(ET−977)、(ET−978)、(ET−992)、(ET−1003)、(ET−1004)、(ET−1047)、(ET−1049)または(ET−1060)で表される化合物である、上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[12] 一般式(1)で表される化合物が、下記式(ET−1037)、(ET−1038)、(ET−1039)、(ET−1040)、(ET−1043)、(ET−1044)、(ET−1123)、(ET−1125)または(ET−1126)で表される化合物である、上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[13] 一般式(1)で表される化合物が、下記式(ET−1189)、(ET−1190)、(ET−1202)または(ET−1203)で表される化合物である、上記[1]に記載の有機電界発光素子。
[14] 前記発光層が、少なくとも1つのアントラセン環を分子構造中に含む発光材料(BH)と、少なくとも1つのアリールまたはヘテロアリール置換のアミノ基を分子構造中に含む発光材料(BD)から構成される、上記[1]ないし[13]のいずれかに記載の有機電界発光素子。
[15] 前記発光材料(BH)が、下記一般式(2)で表されるアントラセン化合物を含む、上記[14]に記載の有機電界発光素子。
上記式(2)中、
11〜R18は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜12のシクロアルキル、または炭素数6〜30のアリールであり、
Ar11およびAr12は、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリールであり、
nは1〜3の整数であり、nが2以上の場合は、角括弧内に示されるそれぞれのアントラセン構造が同じであっても異なっていてもよく、そして、
式(2)で表されるアントラセン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
[16] 前記発光材料(BH)が、下記式(BH−1)、(BH−2)、(BH−3)、(BH−4)、(BH−5)、(BH−6)、(BH−7)、(BH−24)、(BH−25)、または(BH−28)で表される化合物を含む、上記[14]に記載の有機電界発光素子。
[17] 前記発光材料(BD)が、アリール置換アミノ基が結合したベンゾフルオレン環を分子構造中に含む発光材料(BD1)である、上記[14]に記載の有機電界発光素子。
[18] 前記発光材料(BD1)が、下記一般式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物を含む、上記[17]に記載の有機電界発光素子。
上記式(3)中、
21およびR22は、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル、置換シリル、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリール、シアノ、またはフッ素であり、
mおよびnは、それぞれ独立して1〜5の整数であり、
23は、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、2つのR23が結合して環を形成していてもよく、そして、
式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
[19] 前記発光材料(BD1)が、下記式(BD1−43)、(BD1−44)、(BD1−64)または(BD1−66)で表される化合物を含む、上記[17]に記載の有機電界発光素子。
[20] 前記発光材料(BD)が、アリールまたはヘテロアリール置換のアミノ基が結合したピレン環を分子構造中に含む発光材料(BD2)である、上記[14]に記載の有機電界発光素子。
[21] 前記発光材料(BD2)が、下記一般式(4)で表されるピレン化合物を含む、上記[20]に記載の有機電界発光素子。
上記式(4)中、
31〜R38は、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、または置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、
Ar31〜Ar34は、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、または置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、そして、
式(4)で表されるピレン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
[22] 前記発光材料(BD2)が、下記式(BD2−1)、(BD2−17)、(BD2−36)、(BD2−53)、(BD2−54)または(BD2−57)で表される化合物を含む、上記[20]に記載の有機電界発光素子。
[23] 前記発光材料(BD)が、アリールまたはヘテロアリール置換のアミノ基が結合したクリセン環を分子構造中に含む発光材料(BD3)から構成される、上記[14]に記載の有機電界発光素子。
[24] 前記発光材料(BD3)が、下記一般式(5)で表されるクリセン化合物を含む、上記[23]に記載の有機電界発光素子。
上記式(5)中、
40〜R49は、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、または置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、
Ar41〜Ar44は、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、または置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、そして、
式(5)で表されるクリセン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
[25] 前記発光材料(BD3)が、下記式(BD3−17)、(BD3−33)、(BD3−38)、(BD3−53)、(BD3−57)または式(BD3−61)で表される化合物を含む、上記[23]に記載の有機電界発光素子。
[26] 前記電子輸送層および電子注入層の少なくとも1つは、さらに、キノリノール系金属錯体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体、ボラン誘導体およびベンゾイミダゾール誘導体からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、上記[1]ないし[25]のいずれかに記載の有機電界発光素子。
[27] 前記電子輸送層および電子注入層の少なくとも1つは、さらに、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体および希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、上記[1]ないし[26]のいずれかに記載する有機電界発光素子。
[28] 上記[1]ないし[27]のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた表示装置。
[29] 上記[1]ないし[27]のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた照明装置。
本発明の好ましい態様によれば、特に素子寿命の特性において優れた有機電界発光素子を提供することができる。また、本発明の好ましい電子輸送材料は、特に青色の発光素子に好適であり、この電子輸送材料によれば、赤色や緑色の発光素子に匹敵する素子寿命を有する青色の発光素子を製造することができる。さらに、この有効な有機電界発光素子を備えた表示装置および照明装置などを提供することができる。
本実施形態に係る有機電界発光素子を示す概略断面図である。
本発明に係る有機電界発光素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置された発光層と、前記陰極と該発光層との間に配置され、一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含む電子輸送層および/または電子注入層と、を有する有機電界発光素子である。この有機電界発光素子は、陽極と発光層との間に正孔輸送層および/または正孔注入層を有していてもよい。
以下、前記一般式(1)で表される化合物(ビピリジン置換アントラセン誘導体)、一般式(2)で表されるアントラセン化合物、一般式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物、一般式(4)で表されるピレン化合物、および一般式(5)で表されるクリセン化合物およびこれらの材料から構成される有機電界発光素子について詳細に説明する。
1.式(1)で表される化合物
前記一般式(1)で表される化合物であるビピリジン置換アントラセン誘導体について詳細に説明する。
式(1)のビピリジン構造は、「置換基RまたはRが結合したピリジン」と、「置換基RまたはRが結合したピリジン」との2種のピリジンが結合して構成される。
式(1)のビピリジン構造の「置換基RまたはRが結合したピリジン」は、それぞれ独立して、2価〜5価のうちから適宜選択することができ、2つの「置換基RまたはRが結合したピリジン」は異なっていても同じであってもよいが、ビピリジン置換アントラセン誘導体の合成の容易さの観点からは同じであることが好ましい。なお、例えば、ピリジンへの置換基RまたはRが水素の場合には2価となり、ピリジンへの置換基RまたはRがアルキルの場合にはn(=1〜3)に応じて3価〜5価となることを意味する。
式(1)のビピリジン構造の「置換基RまたはRが結合したピリジン」は、それぞれ独立して、1価〜4価のうちから適宜選択することができ、2つの「置換基RまたはRが結合したピリジン」は異なっていても同じであってもよいが、ビピリジン置換アントラセン誘導体の合成の容易さの観点からは同じであることが好ましい。なお、例えば、ピリジンへの置換基RまたはRが水素の場合には1価となり、ピリジンへの置換基RまたはRがアルキルの場合にはn(=1〜3)に応じて2価〜4価となることを意味する。
nは1〜3の整数であり、好ましくは1または2、より好ましくは1である。
「置換基RまたはRが結合したピリジン」と、「置換基RまたはRが結合したピリジン」とから構成されるビピリジン構造の中でも、下記式(Py−1)〜式(Py−6)のいずれかで表される基が好ましく、下記式(Py−7)〜式(Py−18)のいずれかで表される基がより好ましい。アントラセン環に結合する2つのビピリジン構造は、その構造が同じであっても異なっていてもよいが、ビピリジン置換アントラセン誘導体の合成の容易さの観点からは同じ構造であることが好ましい。
式(1)のR〜Rにおける炭素数1〜6のアルキルについては直鎖および分枝鎖のいずれでもよい。すなわち、炭素数1〜6の直鎖アルキルまたは炭素数3〜6の分枝鎖アルキルである。より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル(炭素数3〜4の分枝鎖アルキル)である。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチルまたは2−エチルブチルなどがあげられ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルまたはt−ブチルが好ましく、メチル、エチルまたはt−ブチルがより好ましく、メチルが特に好ましい。
ピリジンに結合するR〜Rは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルのいずれでもよいが、R〜Rが同時に水素になることはない。また、RおよびRが共に水素であってRおよびRが共に炭素数1〜6のアルキルである態様と、RおよびRが共に炭素数1〜6のアルキルであってRおよびRが共に水素である態様のいずれでもよいが、前者の方が好ましい。また、置換したR〜Rを含めたビピリジンの全体構造についても、アントラセン環の左右で同じであっても異なっていてもよいが、ビピリジン置換アントラセン誘導体の合成の容易さの観点からは同じ構造であることが好ましい。
式(1)のR〜Rは、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数3〜12のシクロアルキルまたは炭素数6〜20のアリールの中から適宜選択することができる。
式(1)のR〜Rにおける炭素数1〜6のアルキルについては直鎖および分枝鎖のいずれでもよい。すなわち、炭素数1〜6の直鎖アルキルまたは炭素数3〜6の分枝鎖アルキルである。より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル(炭素数3〜4の分枝鎖アルキル)である。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、または2−エチルブチルなどがあげられ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、またはt−ブチルが好ましく、メチル、エチル、またはt−ブチルがより好ましい。
式(1)のR〜Rにおける「炭素数3〜12のシクロアルキル」としては、炭素数3〜10のシクロアルキルが好ましく、炭素数3〜8のシクロアルキルがより好ましく、炭素数3〜6のシクロアルキルがさらに好ましい。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどがあげられる。
式(1)のR〜Rにおける炭素数6〜20のアリールについては、炭素数6〜16のアリールが好ましく、炭素数6〜12のアリールがより好ましく、炭素数6〜10のアリールが特に好ましい。
「炭素数6〜20のアリール」の具体例としては、単環系アリールであるフェニル、(o−,m−,p−)トリル、(2,3−,2,4−,2,5−,2,6−,3,4−,3,5−)キシリル、メシチル(2,4,6−トリメチルフェニル)、(o−,m−,p−)クメニル、二環系アリールである(2−,3−,4−)ビフェニリル、縮合二環系アリールである(1−,2−)ナフチル、三環系アリールであるテルフェニリル(m−テルフェニル−2’−イル、m−テルフェニル−4’−イル、m−テルフェニル−5’−イル、o−テルフェニル−3’−イル、o−テルフェニル−4’−イル、p−テルフェニル−2’−イル、m−テルフェニル−2−イル、m−テルフェニル−3−イル、m−テルフェニル−4−イル、o−テルフェニル−2−イル、o−テルフェニル−3−イル、o−テルフェニル−4−イル、p−テルフェニル−2−イル、p−テルフェニル−3−イル、p−テルフェニル−4−イル)、縮合三環系アリールである、アントラセン−(1−,2−,9−)イル、アセナフチレン−(1−,3−,4−,5−)イル、フルオレン−(1−,2−,3−,4−,9−)イル、フェナレン−(1−,2−)イル、(1−,2−,3−,4−,9−)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン−(1−,2−)イル、ピレン−(1−,2−,4−)イル、テトラセン−(1−,2−,5−)イル、縮合五環系アリールであるペリレン−(1−,2−,3−)イルなどがあげられる。
好ましい「炭素数6〜20のアリール」は、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリルまたはナフチルであり、より好ましくは、フェニル、ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはm−テルフェニル−5’−イルであり、さらに好ましくは、フェニル、ビフェニリル、1−ナフチルまたは2−ナフチルであり、最も好ましくはフェニルである。
上記式(1)で表されるビピリジル置換アントラセン誘導体の具体例としては、例えば、下記式(ET−1)〜式(ET−1162)、式(ET−65’)〜式(ET−68’)、式(ET−823’)、式(ET−824’)、および式(ET−1163)〜式(ET−1204)で表されるビピリジル置換アントラセン誘導体があげられる。
2.式(2)で表される化合物
前記一般式(2)で表されるアントラセン誘導体について詳細に説明する。
式(2)のAr11およびAr12は、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリールであり、Ar11とAr12が異なっていても同じであってもよい。好ましいアリールは炭素数6〜18のアリールであり、より好ましくは炭素数6〜14のアリールであり、さらに好ましくは炭素数6〜12のアリールである。
具体的な「炭素数6〜30のアリール」としては、単環系アリールであるフェニル、縮合二環系アリールである(1−,2−)ナフチル、縮合三環系アリールである、アセナフチレン−(1−,3−,4−,5−)イル、フルオレン−(1−,2−,3−,4−,9−)イル、フェナレン−(1−,2−)イル、(1−,2−,3−,4−,9−)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン−(1−,2−)イル、ピレン−(1−,2−,4−)イル、ナフタセン−(1−,2−,5−)イル、縮合五環系アリールであるペリレン−(1−,2−,3−)イル、ペンタセン−(1−,2−,5−,6−)イルなどがあげられる。
好ましい「炭素数6〜30のアリール」は、フェニル、ナフチル、フェナントリル、クリセニルまたはトリフェニレニルなどが挙げられ、さらに好ましくはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルまたはフェナントリルが挙げられ、特に好ましくはフェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルが挙げられる。
「炭素数6〜30のアリール」への置換基としては、所望の特性が得られるものであれば特に限定されないが、好ましくは、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜12のシクロアルキルまたは炭素数6〜18のアリールなどが挙げられる。
この置換基としての「炭素数1〜12のアルキル」については、直鎖および分枝鎖のいずれでもよい。すなわち、炭素数1〜12の直鎖アルキルまたは炭素数3〜12の分枝鎖アルキルである。より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル(炭素数3〜6の分枝鎖アルキル)であり、さらに好ましくは、炭素数1〜4のアルキル(炭素数3〜4の分枝鎖アルキル)である。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチルまたは2−エチルブチルなどがあげられ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルまたはt−ブチルが好ましく、メチル、イソプロピルまたはt−ブチルがより好ましい。
また、この置換基としての「炭素数3〜12のシクロアルキル」については、具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどがあげられる。これらの中でも、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが好ましい。
また、この置換基としての「炭素数6〜18のアリール」については、炭素数6〜14のアリールが好ましく、炭素数6〜10のアリールが特に好ましい。具体例としては、フェニル、(2−,3−,4−)ビフェニリル、(1−,2−)ナフチル、(1−,2−,3−,4−,9−)フェナントリル、(1−,2−)トリフェニレニルなどである。
Ar11およびAr12(炭素数6〜30のアリール)には「置換基」がないのが好ましいが、置換基を有する場合には、置換基の数は、例えば、最大置換可能な数であり、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個である。
式(2)のR11〜R18は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜12のシクロアルキル、または炭素数6〜30のアリールを表す。
式(2)のR11〜R18である「炭素数1〜12のアルキル」として、その具体的な説明は上記Ar11およびAr12の欄での説明を引用することができる。
式(2)のR11〜R18である「炭素数3〜12のシクロアルキル」として、その具体的な説明は上記Ar11およびAr12の欄での説明を引用することができる。
式(2)のR11〜R18である「炭素数6〜30のアリール」として、その具体的な説明は上記Ar11およびAr12の欄での説明を引用することができる。
式(2)のnは1〜3の整数である。nが2以上の場合は、角括弧内に示されるそれぞれのアントラセン構造が同じであっても異なっていてもよい。好ましいnは1または2であり、より好ましいnは1である。
また、式(2)で表されるアントラセン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
上記式(2)で表されるアントラセン化合物の具体例としては、例えば、下記式(BH−1)〜式(BH−208)で表されるアントラセン化合物があげられる。
3.式(3)で表される化合物
前記一般式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物について詳細に説明する。
式(3)のR21、R22およびR23における「置換されていてもよいアルキル」の「アルキル」としては、直鎖および分枝鎖のいずれでもよい。すなわち、炭素数1〜12の直鎖アルキルまたは炭素数3〜12の分枝鎖アルキルである。より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル(炭素数3〜6の分枝鎖アルキル)であり、さらに好ましくは、炭素数1〜4のアルキル(炭素数3〜4の分枝鎖アルキル)である。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチルまたは2−エチルブチルなどがあげられ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルまたはt−ブチルが好ましく、メチル、イソプロピルまたはt−ブチルがより好ましい。
このアルキル基が1つのフェニル基に2つ置換している場合には、これらが結合して環を形成してもよく、この環としては例えばシクロペンタン環やシクロヘキサン環などが挙げられる。
式(3)のR21、R22およびR23における「置換されていてもよいアリール」の「アリール」は、炭素数6〜30のアリールであり、好ましい「アリール」は炭素数6〜16のアリールであり、より好ましくは炭素数6〜12のアリールである。
具体的な「アリール」としては、単環系アリールであるフェニル、縮合二環系アリールである(1−,2−)ナフチル、縮合三環系アリールである、アセナフチレン−(1−,3−,4−,5−)イル、フルオレン−(1−,2−,3−,4−,9−)イル、フェナレン−(1−,2−)イル、(1−,2−,3−,4−,9−)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン−(1−,2−)イル、ピレン−(1−,2−,4−)イル、ナフタセン−(1−,2−,5−)イル、縮合五環系アリールであるペリレン−(1−,2−,3−)イル、ペンタセン−(1−,2−,5−,6−)イルなどがあげられる。
21、R22およびR23における、特に好ましい「アリール」は、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリル、クアテルフェニリル、ナフチルおよびフェナントリルであり、これらの中でも、フェニル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチルが好ましい。
式(3)のR21、R22およびR23における「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」は、環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、好ましい「ヘテロアリール」は環形成原子数5〜24のヘテロアリールであり、より好ましくは環形成原子数5〜18のヘテロアリールであり、特に好ましくは環形成原子数5〜12のヘテロアリールである。
また、「ヘテロアリール」としては、例えば環構成原子として炭素以外に酸素、硫黄および窒素から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などがあげられ、例えば、芳香族複素環基などがあげられる。
「複素環基」としては、例えば、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、キナゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、インドリジニルなどがあげられ、イミダゾリル、ピリジル、カルバゾリルなどが好ましい。
「芳香族複素環基」としては、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、キナゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、インドリジニルなどがあげられ、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、カルバゾリルなどが好ましい。
式(3)のR21およびR22における「置換されていてもよいシクロアルキル」の「シクロアルキル」は、炭素数3〜12のシクロアルキルであり、好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3〜10のシクロアルキルである。より好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3〜8のシクロアルキルである。さらに好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3〜6のシクロアルキルである。
具体的な「シクロアルキル」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどがあげられる。
式(3)のR21およびR22における「置換シリル」としては、シリル基における3つの水素が、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニリルまたはナフチルなどで置換されているものが挙げられる。
具体的な「置換シリル」としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、トリs−ブチルシリル、トリt−ブチルシリル、エチルジメチルシリル、プロピルジメチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、ブチルジメチルシリル、s−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジエチルシリル、プロピルジエチルシリル、イソプロピルジエチルシリル、ブチルジエチルシリル、s−ブチルジエチルシリル、t−ブチルジエチルシリル、メチルジプロピルシリル、エチルジプロピルシリル、ブチルジプロピルシリル、s−ブチルジプロピルシリル、t−ブチルジプロピルシリル、メチルジイソプロピルシリル、エチルジイソプロピルシリル、ブチルジイソプロピルシリル、s−ブチルジイソプロピルシリル、t−ブチルジイソプロピルシリルなどのトリアルキルシリルが挙げられる。また、フェニルジメチルシリル、フェニルジエチルシリル、フェニルジt−ブチルシリル、メチルジフェニルシリル、エチルジフェニルシリル、プロピルジフェニルシリル、イソプロピルジフェニルシリル、ブチルジフェニルシリル、s−ブチルジフェニルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。
式(3)のR21、R22およびR23における「置換されていてもよい〜」の置換基としては、アルキル、シクロアルキル、アリール、シアノ、フッ素があげられるが、これらの好ましいものとしては、それぞれ、R21、R22およびR23における「アルキル」の欄で説明したもの、R21、R22における「シクロアルキル」の欄で説明したもの、R21、R22およびR23における「アリール」の欄で説明したものがあげられる。
21、R22およびR23には「置換基」がないのが好ましいが、置換基を有する場合には、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、t−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどのアルキル;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのシクロアルキル;フェニル、ビフェニリル、ナフチル、テルフェニリル、フェナントリルなどのアリール;メチルフェニル、エチルフェニル、s−ブチルフェニル、t−ブチルフェニル、1−メチルナフチル、2−メチルナフチル、1,6−ジメチルナフチル、2,6−ジメチルナフチル、4−t−ブチルナフチルなどのアルキルアリール;シアノ;フッ素などがあげられる。置換基の数は、例えば、最大置換可能な数であり、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個である。
なお、R21およびR22は同じであっても異なっていてもよいが、R21およびR22は同じであることが好ましい。また、2つのR23は同じであっても異なっていてもよいが、2つのR23は同じであることが好ましい。また、2つのR23は結合して環を形成していてもよく、この結果、フルオレン骨格の5員環には、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、フルオレンまたはインデンなどがスピロ縮合していてもよい。
また、式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
21およびR22として水素が選択されない場合のmおよびnは、好ましくはそれぞれ独立して1〜3の整数であり、より好ましくはそれぞれ独立して1または2であり、さらに好ましくは1である。
上記式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物の具体例としては、例えば、下記式(BD1−1)〜式(BD1−70)で表されるベンゾフルオレン化合物があげられる。
4.式(4)で表される化合物
前記一般式(4)で表されるピレン化合物について詳細に説明する。
式(4)のAr31〜Ar34における「置換されていてもよいアリール」の「アリール」は、炭素数6〜30のアリールであり、好ましい「アリール」は炭素数6〜16のアリールであり、より好ましくは炭素数6〜12のアリールである。
具体的な「アリール」としては、単環系アリールであるフェニル、縮合二環系アリールである(1−,2−)ナフチル、縮合三環系アリールである、アセナフチレン−(1−,3−,4−,5−)イル、フルオレン−(1−,2−,3−,4−,9−)イル、フェナレン−(1−,2−)イル、(1−,2−,3−,4−,9−)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン−(1−,2−)イル、ピレン−(1−,2−,4−)イル、ナフタセン−(1−,2−,5−)イル、縮合五環系アリールであるペリレン−(1−,2−,3−)イル、ペンタセン−(1−,2−,5−,6−)イルなどがあげられる。
Ar31〜Ar34における、特に好ましい「アリール」は、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリル、クアテルフェニリル、ナフチルおよびフェナントリルであり、これらの中でも、フェニル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチルが好ましい。
式(4)のAr31〜Ar34における「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」は、環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、好ましい「ヘテロアリール」は、環形成原子数5〜24のヘテロアリールであり、より好ましくは環形成原子数5〜18のヘテロアリールであり、特に好ましくは環形成原子数5〜12のヘテロアリールである。
また、「ヘテロアリール」としては、例えば環構成原子として炭素以外に酸素、硫黄および窒素から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などがあげられ、例えば、芳香族複素環基などがあげられる。
「複素環基」としては、例えば、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、キナゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、インドリジニルなどがあげられ、イミダゾリル、ピリジル、カルバゾリルなどが好ましい。
「芳香族複素環基」としては、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾチオフェニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、キナゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、インドリジニルなどがあげられ、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、カルバゾリルなどが好ましい。
式(4)のR31〜R38における「置換されていてもよいアルキル」の「アルキル」としては、直鎖および分枝鎖のいずれでもよい。すなわち、炭素数1〜12の直鎖アルキルまたは炭素数3〜12の分枝鎖アルキルである。より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル(炭素数3〜6の分枝鎖アルキル)であり、さらに好ましくは、炭素数1〜4のアルキル(炭素数3〜4の分枝鎖アルキル)である。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチルまたは2−エチルブチルなどがあげられ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルまたはt−ブチルが好ましく、メチル、イソプロピルまたはt−ブチルがより好ましい。
式(4)のR31〜R38における「置換されていてもよいシクロアルキル」の「シクロアルキル」は、炭素数3〜12のシクロアルキルであり、好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3〜10のシクロアルキルである。より好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3〜8のシクロアルキルである。さらに好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3〜6のシクロアルキルである。
具体的な「シクロアルキル」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどがあげられる。
式(4)のR31〜R38である「置換されていてもよいアリール」として、その具体的な説明は上記Ar31〜Ar34の欄での説明を引用することができる。
式(4)のR31〜R38である「置換されていてもよいヘテロアリール」として、その具体的な説明は上記Ar31〜Ar34の欄での説明を引用することができる。
式(4)のAr31〜Ar34およびR31〜R38における「置換されていてもよい〜」の置換基としては、アルキル、シクロアルキル、アリール、置換シリル、シアノ、フッ素があげられるが、これらの好ましいものとしては、それぞれ、R31〜R38における「アルキル」、「シクロアルキル」の欄で説明したもの、Ar31〜Ar34における「アリール」の欄で説明したものがあげられる。
Ar31〜Ar34およびR31〜R38には「置換基」がないのが好ましいが、置換基を有する場合には、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、t−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどのアルキル;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのシクロアルキル;フェニル、ビフェニリル、ナフチル、テルフェニリル、フェナントリルなどのアリール;メチルフェニル、エチルフェニル、s−ブチルフェニル、t−ブチルフェニル、1−メチルナフチル、2−メチルナフチル、1,6−ジメチルナフチル、2,6−ジメチルナフチル、4−t−ブチルナフチルなどのアルキルアリール;シアノ;フッ素などがあげられる。
「置換基」がアルキル基であって、Ar31(またはAr32〜Ar34)に2つ置換している場合には、これらが結合して環を形成してもよく、この環としては例えばシクロペンタン環やシクロヘキサン環などが挙げられる。
「置換されていてもよい〜」の置換基として「置換シリル」の場合、シリル基における3つの水素が、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニリルまたはナフチルなどで置換されているものが挙げられる。
具体的な「置換シリル」としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、トリs−ブチルシリル、トリt−ブチルシリル、エチルジメチルシリル、プロピルジメチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、ブチルジメチルシリル、s−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジエチルシリル、プロピルジエチルシリル、イソプロピルジエチルシリル、ブチルジエチルシリル、s−ブチルジエチルシリル、t−ブチルジエチルシリル、メチルジプロピルシリル、エチルジプロピルシリル、ブチルジプロピルシリル、s−ブチルジプロピルシリル、t−ブチルジプロピルシリル、メチルジイソプロピルシリル、エチルジイソプロピルシリル、ブチルジイソプロピルシリル、s−ブチルジイソプロピルシリル、t−ブチルジイソプロピルシリルなどのトリアルキルシリルが挙げられる。また、フェニルジメチルシリル、フェニルジエチルシリル、フェニルジt−ブチルシリル、メチルジフェニルシリル、エチルジフェニルシリル、プロピルジフェニルシリル、イソプロピルジフェニルシリル、ブチルジフェニルシリル、s−ブチルジフェニルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。
Ar31〜Ar34およびR31〜R38には「置換基」がないのが好ましいが、置換基を有する場合には、置換基の数は、例えば、最大置換可能な数であり、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個である。
また、式(4)で表されるピレン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
上記式(4)で表されるピレン化合物の具体例としては、例えば、下記式(BD2−1)〜式(BD2−66)で表されるピレン化合物があげられる。
5.式(5)で表される化合物
前記一般式(5)で表されるクリセン化合物について詳細に説明する。
式(5)のAr41〜Ar44における「置換されていてもよいアリール」の「アリール」は、炭素数6〜30のアリールであり、好ましい「アリール」は炭素数6〜16のアリールであり、より好ましくは炭素数6〜12のアリールである。
具体的な「アリール」としては、単環系アリールであるフェニル、縮合二環系アリールである(1−,2−)ナフチル、縮合三環系アリールである、アセナフチレン−(1−,3−,4−,5−)イル、フルオレン−(1−,2−,3−,4−,9−)イル、フェナレン−(1−,2−)イル、(1−,2−,3−,4−,9−)フェナントリル、縮合四環系アリールであるトリフェニレン−(1−,2−)イル、ピレン−(1−,2−,4−)イル、ナフタセン−(1−,2−,5−)イル、縮合五環系アリールであるペリレン−(1−,2−,3−)イル、ペンタセン−(1−,2−,5−,6−)イルなどがあげられる。
Ar41〜Ar44における、特に好ましい「アリール」は、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリル、クアテルフェニリル、ナフチルおよびフェナントリルであり、これらの中でも、フェニル、4−ビフェニリル、1−ナフチル、2−ナフチルが好ましい。
式(5)のAr41〜Ar44における「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」は、環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、好ましい「ヘテロアリール」は、環形成原子数5〜24のヘテロアリールであり、より好ましくは環形成原子数5〜18のヘテロアリールであり、特に好ましくは環形成原子数5〜12のヘテロアリールである。
また、「ヘテロアリール」としては、例えば環構成原子として炭素以外に酸素、硫黄および窒素から選ばれるヘテロ原子を1ないし5個含有する複素環基などがあげられ、例えば、芳香族複素環基などがあげられる。
「複素環基」としては、例えば、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、キナゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、インドリジニルなどがあげられ、イミダゾリル、ピリジル、カルバゾリルなどが好ましい。
「芳香族複素環基」としては、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、フラザニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾチオフェニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリル、キナゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、インドリジニルなどがあげられ、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、カルバゾリルなどが好ましい。
式(5)のR40〜R49における「置換されていてもよいアルキル」の「アルキル」としては、直鎖および分枝鎖のいずれでもよい。すなわち、炭素数1〜12の直鎖アルキルまたは炭素数3〜12の分枝鎖アルキルである。より好ましくは、炭素数1〜6のアルキル(炭素数3〜6の分枝鎖アルキル)であり、さらに好ましくは、炭素数1〜4のアルキル(炭素数3〜4の分枝鎖アルキル)である。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチルまたは2−エチルブチルなどがあげられ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルまたはt−ブチルが好ましく、メチル、イソプロピルまたはt−ブチルがより好ましい。
式(5)のR40〜R49における「置換されていてもよいシクロアルキル」の「シクロアルキル」は、炭素数3〜12のシクロアルキルであり、好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3〜10のシクロアルキルである。より好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3〜8のシクロアルキルである。さらに好ましい「シクロアルキル」は、炭素数3〜6のシクロアルキルである。
具体的な「シクロアルキル」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチルまたはジメチルシクロヘキシルなどがあげられる。
式(5)のR40〜R49である「置換されていてもよいアリール」として、その具体的な説明は上記Ar41〜Ar44の欄での説明を引用することができる。
式(5)のR40〜R49である「置換されていてもよいヘテロアリール」として、その具体的な説明は上記Ar41〜Ar44の欄での説明を引用することができる。
式(5)のAr41〜Ar44およびR40〜R49における「置換されていてもよい〜」の置換基としては、アルキル、シクロアルキル、アリール、置換シリル、シアノ、フッ素があげられるが、これらの好ましいものとしては、それぞれ、R40〜R49における「アルキル」、「シクロアルキル」の欄で説明したもの、Ar41〜Ar44における「アリール」の欄で説明したものがあげられる。
Ar41〜Ar44およびR40〜R49には「置換基」がないのが好ましいが、置換基を有する場合には、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、t−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルなどのアルキル;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのシクロアルキル;フェニル、ビフェニリル、ナフチル、テルフェニリル、フェナントリルなどのアリール;メチルフェニル、エチルフェニル、s−ブチルフェニル、t−ブチルフェニル、1−メチルナフチル、2−メチルナフチル、1,6−ジメチルナフチル、2,6−ジメチルナフチル、4−t−ブチルナフチルなどのアルキルアリール;シアノ;フッ素などがあげられる。
「置換基」がアルキル基であって、Ar31(またはAr32〜Ar34)に2つ置換している場合には、これらが結合して環を形成してもよく、この環としては例えばシクロペンタン環やシクロヘキサン環などが挙げられる。
「置換されていてもよい〜」の置換基として「置換シリル」の場合、シリル基における3つの水素が、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニリルまたはナフチルなどで置換されているものが挙げられる。
具体的な「置換シリル」としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、トリブチルシリル、トリs−ブチルシリル、トリt−ブチルシリル、エチルジメチルシリル、プロピルジメチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、ブチルジメチルシリル、s−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジエチルシリル、プロピルジエチルシリル、イソプロピルジエチルシリル、ブチルジエチルシリル、s−ブチルジエチルシリル、t−ブチルジエチルシリル、メチルジプロピルシリル、エチルジプロピルシリル、ブチルジプロピルシリル、s−ブチルジプロピルシリル、t−ブチルジプロピルシリル、メチルジイソプロピルシリル、エチルジイソプロピルシリル、ブチルジイソプロピルシリル、s−ブチルジイソプロピルシリル、t−ブチルジイソプロピルシリルなどのトリアルキルシリルが挙げられる。また、フェニルジメチルシリル、フェニルジエチルシリル、フェニルジt−ブチルシリル、メチルジフェニルシリル、エチルジフェニルシリル、プロピルジフェニルシリル、イソプロピルジフェニルシリル、ブチルジフェニルシリル、s−ブチルジフェニルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。
Ar31〜Ar34およびR31〜R38には「置換基」がないのが好ましいが、置換基を有する場合には、置換基の数は、例えば、最大置換可能な数であり、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個である。
また、式(5)で表されるクリセン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
上記式(5)で表されるクリセン化合物の具体例としては、例えば、下記式(BD3−1)〜式(BD3−66)で表されるクリセン化合物があげられる。
6.式(1)で表されるビピリジン置換アントラセン誘導体の製造方法
本発明で使用する式(1)で表されるビピリジン置換アントラセン誘導体は、基本的には、公知の化合物を用いて、公知の合成法、例えば鈴木カップリング反応や根岸カップリング反応(例えば、「Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions - Second, Completely Revised and Enlarged Edition」などに記載)を利用して合成することができる。また、両反応を組み合わせても合成することができる。このビピリジン置換アントラセン誘導体を、鈴木カップリング反応または根岸カップリング反応で合成するスキームを以下に例示する。
ビピリジン置換アントラセン誘導体を製造する場合には、(1)ピリジル基とピリジル基とを結合させたビピリジン構造を合成し、これをアントラセンの9,10位に結合する方法、(2)アントラセンの9,10位にピリジル基を結合させ、このピリジル基にピリジル基を結合する方法があげられる。また、これらの方法におけるピリジル基とピリジル基との結合やアントラセンとピリジル基との結合には、基本的には、ハロゲン官能基またはトリフルオロメタンスルホナート官能基と、塩化亜鉛錯体またはボロン酸(ボロン酸エステル)とのカップリング反応を用いることができる。
(1)「ビピリジン構造」をアントラセンの9,10位に結合する方法
<反応性の置換基を有するビピリジン構造の合成>
まず下記反応式(1)に従ってRまたはRが置換したピリジンの塩化亜鉛錯体を合成し、次に下記反応式(2)に従ってRまたはRが置換したピリジンの塩化亜鉛錯体とRまたはRが置換した2,5−ジブロモピリジンとを反応させることにより、R〜Rが置換した2,2’−ビピリジン−5−イル基を合成することができる。なお、反応式(1)中の「ZnCl・TMEDA」は塩化亜鉛のテトラメチルエチレンジアミン錯体である。反応式(1)中の「R’Li」や「R’MgX」において、R’は直鎖または分岐のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または炭素数3〜4の分岐アルキル基であり、Xはハロゲンである。
ここではピリジル基の原料として2−ブロモピリジンを用いた合成方法を例示したが、原料として3−ブロモピリジンまたは4−ブロモピリジンを用いることによって、また、臭化物ではなくヨウ化物を用いることによってもそれぞれ対応する目的物を得ることができる。
また、ここではピリジル基の原料として2,5−ジブロモピリジンを用いた合成方法を例示したが、原料として2,6−ジブロモピリジン、3,5−ジブロモピリジンなどを用いることによって、さらに、ジブロモ体ではなくジクロロ体、ジヨード体、ビス(トリフルオロメタンスルホナート)またはそれらが混ざった物(例えば:3−ブロモ−5−ヨードピリジンなど)を用いることによっても対応する目的物を得ることができる。また、ブロモ−メトキシピリジンの様に、置換基としてハロゲン原子およびアルコキシ基を有するようなピリジンをピリジンの塩化亜鉛錯体と反応させた後、三臭化ホウ素やピリジン塩酸塩を用いた脱メチル化、次いでトリフルオロメタンスルホン酸エステル化を経ることでも目的物を得ることができる。
また、2,5−ジブロモピリジンにピリジンの塩化亜鉛錯体を反応させる代わりに、ピリジルボロン酸やピリジルボロン酸エステルを反応させるカップリング反応によっても上記目的物を得ることができる。
<反応性の置換基をボロン酸/ボロン酸エステルに変換する方法>
下記反応式(3)に従って、R〜Rが置換した5−ブロモ−2,2'−ビピリジンを、有機リチウム試薬を用いてリチオ化するか、マグネシウムや有機マグネシウム試薬を用いてGrignard試薬とし、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチルまたはホウ酸トリイソプロピルなどと反応させることにより、R〜Rが置換した(2,2’−ビピリジン−5−イル)ボロン酸エステルを合成することができる。さらに、下記反応式(4)に従って、該(2,2’−ビピリジン−5−イル)ボロン酸エステルを加水分解することにより、R〜Rが置換した(2,2’−ビピリジン−5−イル)ボロン酸を合成することができる。反応式(3)中の「R’Li」や「R’MgX」において、R’は直鎖または分岐のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または炭素数3〜4の分岐アルキル基であり、Xはハロゲンである。
また、下記反応式(5)に従って、R〜Rが置換した5−ブロモ−2,2'−ビピリジンを、有機リチウム試薬を用いてリチオ化するか、マグネシウムや有機マグネシウム試薬を用いてGrignard試薬とし、ビス(ピナコラート)ジボロンまたは4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと反応させることにより、R〜Rが置換した他の(2,2’−ビピリジン−5−イル)ボロン酸エステルを合成することができる。また、下記反応式(6)に従って、R〜Rが置換した5−ブロモ−2,2'−ビピリジンとビス(ピナコラート)ジボロンまたは4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランとを、パラジウム触媒と塩基を用いてカップリング反応させることにより、R〜Rが置換した同様の(2,2’−ビピリジン−5−イル)ボロン酸エステルを合成することができる。反応式(5)中の「R’Li」や「R’MgX」において、R’は直鎖または分岐のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または炭素数3〜4の分岐アルキル基であり、Xはハロゲンである。
なお、上記反応式(3)、(5)または(6)において、5−ブロモ−2,2'−ビピリジンの代わりに他の構造異性体を用いても対応するボロン酸/ボロン酸エステルを合成することができる。さらに、上記反応式(3)または(5)において、5−ブロモ−2,2'−ビピリジンのような臭化物の代わりに、塩化物またはヨウ化物を用いても、同様に合成することができる。また、上記反応式(6)において、5−ブロモ−2,2'−ビピリジンのような臭化物の代わりに、塩化物、ヨウ化物またはトリフルオロメタンスルホナートを用いても、同様に合成することができる。
<反応性の置換基を有する中心骨格アントラセンの合成>
<9,10−ジブロモアントラセン>
下記反応式(7)に示すように、アントラセンを適当な臭素化剤を用いて臭素化することにより、9,10−ジブロモアントラセンが得られる。適当な臭素化剤としては臭素、またはN−臭化コハク酸イミド(NBS)などが挙げられる。
なお、2位に置換基(アルキル、シクロアルキル、アリールなど)を有するアントラセン誘導体が所望の場合は、2位がハロゲンまたはトリフラートで置換されたアントラセンと前記置換基に対応する基のボロン酸(またはボロン酸エステル)との鈴木カップリングにより、2位に置換基を有するアントラセン誘導体を合成することができる。また、別法としては、2位がハロゲンまたはトリフラートで置換されたアントラセンと前記置換基に対応する基の亜鉛錯体との根岸カップリングによる合成法があげられる。さらに、2−アントラセンボロン酸(またはボロン酸エステル)とハロゲンまたはトリフラートで置換された前記置換基に対応する基との鈴木カップリングによる合成法、更には、2−アントラセン亜鉛錯体とハロゲンまたはトリフラートで置換された前記置換基に対応する基との根岸カップリングによる合成法もあげられる。なお、2位以外に置換基を有するアントラセン誘導体についても、アントラセンに置換するハロゲン、トリフラート、ボロン酸(またはボロン酸エステル)または亜鉛錯体の位置を所望の位置にした原料を用いることで、同様に合成することができる。
<9,10−ジアントラセン亜鉛錯体>
下記反応式(8)に示すように、9,10−ジブロモアントラセンを、有機リチウム試薬を用いてリチオ化するか、マグネシウムや有機マグネシウム試薬を用いてGrignard試薬とし、塩化亜鉛や塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン錯体(ZnCl・TMEDA)と反応させることにより、9,10−ジアントラセン亜鉛錯体を合成することができる。反応式(8)において、R’は直鎖または分岐のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または炭素数3〜4の分岐アルキル基である。なお、9,10−ジブロモアントラセンのような臭化物の代わりに、塩化物またはヨウ化物を用いても、同様に合成することができる。
<9,10−アントラセンジボロン酸(またはボロン酸エステル)>
下記反応式(9)に示すように、9,10−ジブロモアントラセンを、有機リチウム試薬を用いてリチオ化するか、マグネシウムや有機マグネシウム試薬を用いてGrignard試薬とし、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチルまたはホウ酸トリイソプロピルなどと反応させることにより、9,10−アントラセンジボロン酸エステルを合成することができる。さらに、下記反応式(10)で該9,10−アントラセンジボロン酸エステルを加水分解することにより、9,10−アントラセンジボロン酸を合成することができる。反応式(9)において、R’は直鎖または分岐のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または炭素数3〜4の分岐アルキル基である。
また、下記反応式(11)に示すように、9,10−ジブロモアントラセンを、有機リチウム試薬を用いてリチオ化するか、マグネシウムや有機マグネシウム試薬を用いてGrignard試薬とし、ビス(ピナコラート)ジボロンまたは4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと反応させることにより、他の9,10−アントラセンジボロン酸エステルを合成することができる。また、下記反応式(12)に示すように、9,10−ジブロモアントラセンとビス(ピナコラート)ジボロンまたは4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランとを、パラジウム触媒と塩基を用いてカップリング反応させることにより、同様の9,10−アントラセンジボロン酸エステルを合成することができる。反応式(11)において、R’は直鎖または分岐のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または炭素数3〜4の分岐アルキル基である。
なお、上記反応式(9)または(11)において、9,10−ジブロモアントラセンのような臭化物の代わりに、塩化物またはヨウ化物を用いても、同様に合成することができる。また、上記反応式(12)において、9,10−ジブロモアントラセンのような臭化物の代わりに、塩化物、ヨウ化物またはトリフラートを用いても、同様に合成することができる。
<反応性の置換基を有するアントラセンと「ビピリジン構造」とを結合する方法>
上述するように、「ビピリジン構造」については、ビピリジンのブロモ体(反応式(1)〜(2))、ボロン酸、ボロン酸エステル(反応式(3)〜(6))を合成することができ、反応性の置換基を有するアントラセンについては、アントラセンのブロモ体(反応式(7))、塩化亜鉛錯体(反応式(8))、ボロン酸、ボロン酸エステル(反応式(9)〜(12))を合成することができるので、これまでの説明で用いたカップリング反応を参考にして、「ビピリジン構造」とアントラセンとを結合することにより本発明で使用するビピリジン置換アントラセン誘導体を合成することができる。
この最終的なカップリング反応において、式(1)で表されるビピリジン置換アントラセン誘導体の2つの「ビピリジン構造」を異なる構造にするためには、まず反応性の置換基を有するアントラセンと1倍モル相当の「ビピリジン構造」の化合物とを反応させた後、この中間体に先とは異なる「ビピリジン構造」の化合物を反応させる(すなわち、2段階に分けて反応させる)。
2つの「ビピリジン構造」を異なる構造にするためには、別法として、9位または10位のいずれか一方に反応性の置換基を有するアントラセンを原料として、これと「ビピリジン構造」の化合物とを反応させた後、この中間体をさらにハロゲン化してアントラセンの他方(9位または10位のうち前記反応が行われていない方)に反応性基を置換させて、先とは異なる「ビピリジン構造」の化合物を反応させる方法を用いることができる。
(2)9,10位にピリジンが結合したアントラセンにピリジル基を結合する方法
この方法についても、上述した種々のカップリング反応を参考にして、まずアントラセンの9,10位にピリジンを結合させ、このピリジンにピリジル基を結合すればよい。この際に、式(1)で表されるビピリジン置換アントラセン誘導体の2つの「ビピリジン構造」を異なる構造にするためには、アントラセンへのピリジル基の結合段階において2段階の反応で異なるピリジル基を結合したり、ピリジンへのピリジル基の結合段階において2段階の反応で異なるピリジル基を結合したりすることで所望のビピリジン置換アントラセン誘導体を合成することができる。
9,10位にピリジンが結合したアントラセンの合成方法については、以下に説明するように、アントラキノン(または置換基R〜Rを有する誘導体)にリチウムやマグネシウム試薬を反応させてジオール体とした後、これを芳香族化させることで反応性の置換基を有するピリジンが9,10位に結合したアントラセン(またはその誘導体)を合成することができる。
<9,10−ビス(ブロモピリジル)アントラセンの合成>
上記反応式(13)に示すように、ジブロモピリジンに1等量の有機リチウム試薬を用いてリチオ化するか、1等量のマグネシウムや有機マグネシウム試薬をGrignard試薬として用いてモノメタル化合物を調製する。反応式(13)において、Pyはピリジンを表し、R’は直鎖または分岐のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または炭素数3〜4の分岐アルキル基である。また、ジブロモピリジンの代わりに、例えばジクロロピリジンまたはジヨードピリジンなども用いることができる。次に、上記反応式(14)に示すように、アントラキノンにモノメタル化合物を反応させることでジオール体とし、続いてジオール体を酢酸中でホスフィン酸ナトリウム1水和物とヨウ化カリウムを反応させることで、9,10−ビス(ブロモピリジル)アントラセンを合成することができる。
<9,10−ジピリジルアントラセン亜鉛錯体の合成>
上記反応式(15)に示すように、9,10−ビス(ブロモピリジル)アントラセンを、有機リチウム試薬を用いてリチオ化するか、マグネシウムや有機マグネシウム試薬をGrignard試薬として用いて、塩化亜鉛や塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン錯体(ZnCl・TMEDA)と反応させることにより、9,10−ジピリジルアントラセン亜鉛錯体を合成することができる。反応式(15)において、R’は直鎖または分岐のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または炭素数3〜4の分岐アルキル基である。
<9,10−ジピリジルアントラセンジボロン酸(またはボロン酸エステル)の合成>
上記反応式(16)に示すように、9,10−ビス(ブロモピリジル)アントラセンを、有機リチウム試薬を用いてリチオ化するか、マグネシウムや有機マグネシウム試薬をGrignard試薬として用いて、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチルまたはホウ酸トリイソプロピルなどと反応させることにより、9,10−ジピリジルアントラセンジボロン酸エステルを合成することができる。さらに、上記反応式(17)に示すように、9,10−ジピリジルアントラセンジボロン酸エステルを加水分解することにより、9,10−ジピリジルアントラセンジボロン酸を合成することができる。反応式(16)において、R’は直鎖または分岐のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または炭素数3〜4の分岐アルキル基である。
また、上記反応式(18)に示すように、9,10−ビス(ブロモピリジル)アントラセンを、有機リチウム試薬を用いてリチオ化するか、マグネシウムや有機マグネシウム試薬をGrignard試薬として用いて、ビス(ピナコラート)ジボロンまたは4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと反応させることにより、他の9,10−ビス(ブロモピリジル)アントラセンジボロン酸エステルを合成することができる。また、上記反応式(19)に示すように、9,10−ビス(ブロモピリジル)アントラセンとビス(ピナコラート)ジボロンまたは4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランとを、パラジウム触媒と塩基を用いてカップリング反応させることにより、同様の9,10−ビス(ブロモピリジル)アントラセンジボロン酸エステルを合成することができる。反応式(18)において、R’は直鎖または分岐のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖または炭素数3〜4の分岐アルキル基である。
上述するようにして合成した、反応性の置換基を有するピリジンが9,10位に結合したアントラセン(またはその誘導体)を、これまでの説明で用いたカップリング反応を参考にして、さらにピリジンと結合することにより、本発明で使用するビピリジン置換アントラセン誘導体を合成することができる。
<反応で用いられる試薬について>
カップリング反応で用いられるパラジウム触媒の具体例としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0):Pd(PPh、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド:PdCl(PPh、酢酸パラジウム(II):Pd(OAc)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0):Pd(dba)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体:Pd(dba)・CHCl、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0):Pd(dba)、ビス(トリt−ブチルホスフィノ)パラジウム(0):Pd(t−BuP)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド:Pd(dppf)Cl、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(1:1):Pd(dppf)Cl・CHCl、またはPdCl[P(t−Bu)−(p−NMe−Ph)]:(A−taPhos)PdClがあげられる。
また、反応を促進させるため、場合によりこれらのパラジウム化合物にホスフィン化合物を加えてもよい。そのホスフィン化合物の具体例としては、トリ(t−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1−(N,N−ジメチルアミノメチル)−2−(ジt−ブチルホスフィノ)フェロセン、1−(N,N−ジブチルアミノメチル)−2−(ジt−ブチルホスフィノ)フェロセン、1−(メトキシメチル)−2−(ジt−ブチルホスフィノ)フェロセン、1,1’−ビス(ジt−ブチルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジt−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−メトキシ−2’−(ジt−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、または2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニルがあげられる。
反応で用いられる塩基の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、またはフッ化カリウムがあげられる。
また、反応で用いられる溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、1,2,4−トリメチルベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、メタノール、エタノール、シクロペンチルメチルエーテルまたはイソプロピルアルコールがあげられる。これらの溶媒は適宜選択でき、単独で用いてもよく、混合溶媒として用いてもよい。
また、式(1)で表される化合物には、少なくとも一部の水素原子が重水素で置換されているものも含まれるが、このような誘導体は所望の箇所が重水素化された原料を用いることで、上記と同様に合成することができる。
7.式(2)で表されるアントラセン化合物の製造方法
本発明で使用する式(2)で表されるアントラセン化合物も、上述した式(1)で表されるビピリジン置換アントラセン誘導体の製造方法を参考にして合成することができ、基本的には、公知の化合物を用いて、公知の合成法、例えば鈴木カップリング反応や根岸カップリング反応(例えば、「Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions - Second, Completely Revised and Enlarged Edition」などに記載)を利用して合成することができる。また、両反応を組み合わせても合成することができる。
8.式(3)〜(5)で表される化合物の製造方法
本発明で使用する式(3)で表される化合物(アリール置換アミノ基が結合したベンゾフルオレン化合物)、式(4)で表される化合物(アリールまたはヘテロアリール置換のアミノ基が結合したピレン化合物)、式(5)で表される化合物(アリールまたはヘテロアリール置換のアミノ基が結合したクリセン化合物)も、公知の化合物を用いて、公知の合成法を利用して合成することができる。
9.有機電界発光素子
以下に、本実施形態に係る有機電界発光素子について図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る有機電界発光素子を示す概略断面図である。
<有機電界発光素子の構造>
図1に示された有機電界発光素子100は、基板101と、基板101上に設けられた陽極102と、陽極102の上に設けられた正孔注入層103と、正孔注入層103の上に設けられた正孔輸送層104と、正孔輸送層104の上に設けられた発光層105と、発光層105の上に設けられた電子輸送層106と、電子輸送層106の上に設けられた電子注入層107と、電子注入層107の上に設けられた陰極108とを有する。
なお、有機電界発光素子100は、作製順序を逆にして、例えば、基板101と、基板101上に設けられた陰極108と、陰極108の上に設けられた電子注入層107と、電子注入層107の上に設けられた電子輸送層106と、電子輸送層106の上に設けられた発光層105と、発光層105の上に設けられた正孔輸送層104と、正孔輸送層104の上に設けられた正孔注入層103と、正孔注入層103の上に設けられた陽極102とを有する構成としてもよい。
上記各層すべてがなくてはならないわけではなく、最小構成単位を陽極102と発光層105と電子輸送層106および/または電子注入層107と陰極108とからなる構成として、正孔注入層103および正孔輸送層104は任意に設けられる層である。また、上記各層は、それぞれ単一層からなってもよいし、複数層からなってもよい。
有機電界発光素子を構成する層の態様としては、上述する「基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」の構成態様の他に、「基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極」、「基板/陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/発光層/電子輸送層/陰極」、「基板/陽極/発光層/電子注入層/陰極」の構成態様であってもよい。
<有機電界発光素子における基板>
基板101は、有機電界発光素子100の支持体となるものであり、通常、石英、ガラス、金属、プラスチックなどが用いられる。基板101は、目的に応じて板状、フィルム状、またはシート状に形成され、例えば、ガラス板、金属板、金属箔、プラスチックフィルム、プラスチックシートなどが用いられる。なかでも、ガラス板、および、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂製の板が好ましい。ガラス基板であれば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどが用いられ、また、厚みも機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、例えば、0.2mm以上あればよい。厚さの上限値としては、例えば、2mm以下、好ましくは1mm以下である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましいが、SiOなどのバリアコートを施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用することができる。また、基板101には、ガスバリア性を高めるために、少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜などのガスバリア膜を設けてもよく、特にガスバリア性が低い合成樹脂製の板、フィルムまたはシートを基板101として用いる場合にはガスバリア膜を設けるのが好ましい。
<有機電界発光素子における陽極>
陽極102は、発光層105へ正孔を注入する役割を果たすものである。なお、陽極102と発光層105との間に正孔注入層103および/または正孔輸送層104が設けられている場合には、これらを介して発光層105へ正孔を注入することになる。
陽極102を形成する材料としては、無機化合物および有機化合物があげられる。無機化合物としては、例えば、金属(アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、クロムなど)、金属酸化物(インジウムの酸化物、スズの酸化物、インジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)など)、ハロゲン化金属(ヨウ化銅など)、硫化銅、カーボンブラック、ITOガラスやネサガラスなどがあげられる。有機化合物としては、例えば、ポリ(3−メチルチオフェン)などのポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどがあげられる。その他、有機電界発光素子の陽極として用いられている物質の中から適宜選択して用いることができる。
透明電極の抵抗は、発光素子の発光に十分な電流が供給できればよいので限定されないが、発光素子の消費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば、300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能になっていることから、例えば100〜5Ω/□、好ましくは50〜5Ω/□の低抵抗品を使用することが特に望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常50〜200nmの間で用いられることが多い。
<有機電界発光素子における正孔注入層、正孔輸送層>
正孔注入層103は、陽極102から移動してくる正孔を、効率よく発光層105内または正孔輸送層104内に注入する役割を果たすものである。正孔輸送層104は、陽極102から注入された正孔または陽極102から正孔注入層103を介して注入された正孔を、効率よく発光層105に輸送する役割を果たすものである。正孔注入層103および正孔輸送層104は、それぞれ、正孔注入・輸送材料の一種または二種以上を積層、混合するか、正孔注入・輸送材料と高分子結着剤の混合物により形成される。また、正孔注入・輸送材料に塩化鉄(III)のような無機塩を添加して層を形成してもよい。
正孔注入・輸送性物質としては電界を与えられた電極間において正極からの正孔を効率よく注入・輸送することが必要で、正孔注入効率が高く、注入された正孔を効率よく輸送することが望ましい。そのためにはイオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが好ましい。
正孔注入層103および正孔輸送層104を形成する材料としては、光導電材料において、正孔の電荷輸送材料として従来から慣用されている化合物、p型半導体、有機電界発光素子の正孔注入層および正孔輸送層に使用されている公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。それらの具体例は、カルバゾール誘導体(N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなど)、ビス(N−アリールカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)などのビスカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体(芳香族第3級アミノ基を主鎖あるいは側鎖に持つポリマー、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミンなどのトリフェニルアミン誘導体、スターバーストアミン誘導体など)、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体(無金属、銅フタロシアニンなど)、ピラゾリン誘導体、ヒドラゾン系化合物、ベンゾフラン誘導体やチオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ポルフィリン誘導体などの複素環化合物、ポリシランなどである。ポリマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびポリシランなどが好ましいが、発光素子の作製に必要な薄膜を形成し、陽極から正孔が注入できて、さらに正孔を輸送できる化合物であれば特に限定されるものではない。
また、有機半導体の導電性は、そのドーピングにより、強い影響を受けることも知られている。このような有機半導体マトリックス物質は、電子供与性の良好な化合物、または、電子受容性の良好な化合物から構成されている。電子供与物質のドーピングのために、テトラシアノキノンジメタン(TCNQ)または2,3,5,6−テトラフルオロテトラシアノ−1,4−ベンゾキノンジメタン(F4TCNQ)などの強い電子受容体が知られている(例えば、文献「M.Pfeiffer,A.Beyer,T.Fritz,K.Leo,Appl.Phys.Lett.,73(22),3202-3204(1998)」および文献「J.Blochwitz,M.Pheiffer,T.Fritz,K.Leo,Appl.Phys.Lett.,73(6),729-731(1998)」を参照)。これらは、電子供与型ベース物質(正孔輸送物質)における電子移動プロセスによって、いわゆる正孔を生成する。正孔の数および移動度によって、ベース物質の伝導性が、かなり大きく変化する。正孔輸送特性を有するマトリックス物質としては、例えばベンジジン誘導体(TPDなど)またはスターバーストアミン誘導体(TDATAなど)、あるいは、特定の金属フタロシアニン(特に、亜鉛フタロシアニンZnPcなど)が知られている(特開2005-167175号公報)。
<有機電界発光素子における発光層>
発光層105は、電界を与えられた電極間において、陽極102から注入された正孔と、陰極108から注入された電子とを再結合させることにより発光するものである。発光層105を形成する材料としては、正孔と電子との再結合によって励起されて発光する化合物(発光性化合物)であればよく、安定な薄膜形状を形成することができ、かつ、固体状態で強い発光(蛍光および/または燐光)効率を示す化合物であるのが好ましい。
発光層は単一層でも複数層からなってもどちらでもよく、それぞれ発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)により形成される。ホスト材料とドーパント材料は、それぞれ一種類であっても、複数の組み合わせであっても、いずれでもよい。ドーパント材料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれであってもよい。ドーピング方法としては、ホスト材料との共蒸着法によって形成することができるが、ホスト材料と予め混合してから同時に蒸着してもよい。
ホスト材料の使用量はホスト材料の種類によって異なり、そのホスト材料の特性に合わせて決めればよい。ホスト材料の使用量の目安は、好ましくは発光材料全体の50〜99.999重量%であり、より好ましくは80〜99.95重量%であり、さらに好ましくは90〜99.9重量%である。
ドーパント材料の使用量はドーパント材料の種類によって異なり、そのドーパント材料の特性に合わせて決めればよい(例えば、使用量が多すぎると、濃度消光現象のおそれがある)。ドーパントの使用量の目安は、好ましくは発光材料全体の0.001〜50重量%であり、より好ましくは0.05〜20重量%であり、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。
本実施形態に係る発光素子の発光材料は蛍光性であっても燐光性であってもどちらでもかまわない。
ホスト材料としては、上記式(2)で表される化合物を用いることができる。なかでも、上記式(BH−1)〜式(BH−208)で表されるアントラセン誘導体が好ましい。
その他、ホスト材料としては、以前から発光体として知られていたアントラセンやピレンなどの縮合環誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムをはじめとする金属キレート化オキシノイド化合物、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ピロロピロール誘導体、フルオレン誘導体、ベンゾフルオレン誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、そして、化学工業2004年6月号13頁、および、それにあげられた参考文献などに記載された化合物などの中から適宜選択して用いることができる
ドーパント材料としては、上記式(3)、(4)、または(5)で表される化合物を用いることができる。なかでも、上記式(BD1−1)〜式(BD1−70)、式(BD2−1)〜式(BD2−66)、または式(BD3−1)〜式(BD3−66)で表されるドーパント材料が好ましい。
その他、ドーパント材料としては、既知の化合物を用いることができ、所望の発光色に応じて様々な材料の中から選択することができる。具体的には、例えば、フェナンスレン、アントラセン、ピレン、テトラセン、ペンタセン、ペリレン、ナフトピレン、ジベンゾピレン、ルブレンおよびクリセンなどの縮合環誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン誘導体、チオフェン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体(特開平1−245087号公報)、ビススチリルアリーレン誘導体(特開平2−247278号公報)、ジアザインダセン誘導体、フラン誘導体、ベンゾフラン誘導体、フェニルイソベンゾフラン、ジメシチルイソベンゾフラン、ジ(2−メチルフェニル)イソベンゾフラン、ジ(2−トリフルオロメチルフェニル)イソベンゾフラン、フェニルイソベンゾフランなどのイソベンゾフラン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、7−ジアルキルアミノクマリン誘導体、7−ピペリジノクマリン誘導体、7−ヒドロキシクマリン誘導体、7−メトキシクマリン誘導体、7−アセトキシクマリン誘導体、3−ベンズチアゾリルクマリン誘導体、3−ベンズイミダゾリルクマリン誘導体、3−ベンズオキサゾリルクマリン誘導体などのクマリン誘導体、ジシアノメチレンピラン誘導体、ジシアノメチレンチオピラン誘導体、ポリメチン誘導体、シアニン誘導体、オキソベンズアンスラセン誘導体、キサンテン誘導体、ローダミン誘導体、フルオレセイン誘導体、ピリリウム誘導体、カルボスチリル誘導体、アクリジン誘導体、オキサジン誘導体、フェニレンオキサイド誘導体、キナクリドン誘導体、キナゾリン誘導体、ピロロピリジン誘導体、フロピリジン誘導体、1,2,5−チアジアゾロピレン誘導体、ピロメテン誘導体、ペリノン誘導体、ピロロピロール誘導体、スクアリリウム誘導体、ビオラントロン誘導体、フェナジン誘導体、アクリドン誘導体、デアザフラビン誘導体、フルオレン誘導体およびベンゾフルオレン誘導体などがあげられる。
発色光ごとに例示すると、青〜青緑色ドーパント材料としては、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、トリフェニレン、ペリレン、フルオレン、インデン、クリセンなどの芳香族炭化水素化合物やその誘導体、フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン、チオキサンテンなどの芳香族複素環化合物やその誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、アルダジン誘導体、クマリン誘導体、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体およびN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンに代表される芳香族アミン誘導体などがあげられる。
また、緑〜黄色ドーパント材料としては、クマリン誘導体、フタルイミド誘導体、ナフタルイミド誘導体、ペリノン誘導体、ピロロピロール誘導体、シクロペンタジエン誘導体、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体およびルブレンなどのナフタセン誘導体などがあげられ、さらに上記青〜青緑色ドーパント材料として例示した化合物に、アリール、ヘテロアリール、アリールビニル、アミノ、シアノなど長波長化を可能とする置換基を導入した化合物も好適な例としてあげられる。
さらに、橙〜赤色ドーパント材料としては、ビス(ジイソプロピルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸イミドなどのナフタルイミド誘導体、ペリノン誘導体、アセチルアセトンやベンゾイルアセトンとフェナントロリンなどを配位子とするEu錯体などの希土類錯体、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピランやその類縁体、マグネシウムフタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニンなどの金属フタロシアニン誘導体、ローダミン化合物、デアザフラビン誘導体、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体、フェノキサジン誘導体、オキサジン誘導体、キナゾリン誘導体、ピロロピリジン誘導体、スクアリリウム誘導体、ビオラントロン誘導体、フェナジン誘導体、フェノキサゾン誘導体およびチアジアゾロピレン誘導体などあげられ、さらに上記青〜青緑色および緑〜黄色ドーパント材料として例示した化合物に、アリール、ヘテロアリール、アリールビニル、アミノ、シアノなど長波長化を可能とする置換基を導入した化合物も好適な例としてあげられる。さらに、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)に代表されるイリジウムや白金を中心金属とした燐光性金属錯体も好適な例としてあげられる。
その他、ドーパントとしては、化学工業2004年6月号13頁、および、それにあげられた参考文献などに記載された化合物などの中から適宜選択して用いることができる。
<有機電界発光素子における電子注入層、電子輸送層>
電子注入層107は、陰極108から移動してくる電子を、効率よく発光層105内または電子輸送層106内に注入する役割を果たすものである。電子輸送層106は、陰極108から注入された電子または陰極108から電子注入層107を介して注入された電子を、効率よく発光層105に輸送する役割を果たすものである。電子輸送層106および電子注入層107は、それぞれ、電子輸送・注入材料の一種または二種以上を積層、混合するか、電子輸送・注入材料と高分子結着剤の混合物により形成される。
電子注入・輸送層とは、陰極から電子が注入され、さらに電子を輸送することをつかさどる層であり、電子注入効率が高く、注入された電子を効率よく輸送することが望ましい。そのためには電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが好ましい。しかしながら、正孔と電子の輸送バランスを考えた場合に、陽極からの正孔が再結合せずに陰極側へ流れるのを効率よく阻止できる役割を主に果たす場合には、電子輸送能力がそれ程高くなくても、発光効率を向上させる効果は電子輸送能力が高い材料と同等に有する。したがって、本実施形態における電子注入・輸送層は、正孔の移動を効率よく阻止できる層の機能も含まれてもよい。
電子輸送層106または電子注入層107を形成する材料(電子輸送材料)として、上記式(1)で表される化合物を用いることができる。なかでも、上記式(ET−1)〜式(ET−1162)、式(ET−65’)〜式(ET−68’)、式(ET−823’)、式(ET−824’)、および式(ET−1163)〜式(ET−1204)で表されるアントラセン誘導体が好ましい。
電子輸送層106または電子注入層107における上記式(1)で表されるアントラセン誘導体の含有量は、誘導体の種類によって異なり、その誘導体の特性に合わせて決めればよい。上記式(1)で表されるアントラセン誘導体の含有量の目安は、好ましくは電子輸送層用材料(または電子注入層用材料)の全体の1〜100重量%であり、より好ましくは10〜100重量%であり、さらに好ましくは50〜100重量%であり、特に好ましくは80〜100重量%である。上記式(1)で表されるアントラセン誘導体を単独(100重量%)で用いない場合には、以下に詳述する他の材料を混合すればよい。
他の電子輸送層または電子注入層を形成する材料としては、光導電材料において電子伝達化合物として従来から慣用されている化合物、有機電界発光素子の電子注入層および電子輸送層に使用されている公知の化合物の中から任意に選択して用いることができる。
電子輸送層または電子注入層に用いられる材料としては、炭素、水素、酸素、硫黄、ケイ素およびリンの中から選ばれる一種以上の原子で構成される芳香環もしくは複素芳香環からなる化合物、ピロール誘導体およびその縮合環誘導体および電子受容性窒素を有する金属錯体の中から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。具体的には、ナフタレン、アントラセンなどの縮合環系芳香環誘導体、4,4’−ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルに代表されるスチリル系芳香環誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノンやジフェノキノンなどのキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、カルバゾール誘導体およびインドール誘導体などがあげられる。電子受容性窒素を有する金属錯体としては、例えば、ヒドロキシフェニルオキサゾール錯体などのヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体およびベンゾキノリン金属錯体などがあげられる。これらの材料は単独でも用いられるが、異なる材料と混合して使用しても構わない。中でも、9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセンなどのアントラセン誘導体、4,4’−ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルなどのスチリル系芳香環誘導体、4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル、1,3,5−トリス(N−カルバゾリル)ベンゼンなどのカルバゾール誘導体が、耐久性の観点から好ましく用いられる。
また、他の電子伝達化合物の具体例として、ピリジン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントロリン誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体(1,3−ビス[(4−t−ブチルフェニル)1,3,4−オキサジアゾリル]フェニレンなど)、チオフェン誘導体、トリアゾール誘導体(N−ナフチル−2,5−ジフェニル−1,3,4−トリアゾールなど)、チアジアゾール誘導体、オキシン誘導体の金属錯体、キノリノール系金属錯体、キノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体のポリマー、ベンザゾール類化合物、ガリウム錯体、ピラゾール誘導体、パーフルオロ化フェニレン誘導体、トリアジン誘導体、ピラジン誘導体、ベンゾキノリン誘導体(2,2’−ビス(ベンゾ[h]キノリン−2−イル)−9,9’−スピロビフルオレンなど)、イミダゾピリジン誘導体、ボラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体(トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼンなど)、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、キノリン誘導体、テルピリジンなどのオリゴピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、テルピリジン誘導体(1,3−ビス(4’−(2,2’:6’2”−テルピリジニル))ベンゼンなど)、ナフチリジン誘導体(ビス(1−ナフチル)−4−(1,8−ナフチリジン−2−イル)フェニルホスフィンオキサイドなど)、アルダジン誘導体、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、リンオキサイド誘導体、ビススチリル誘導体などがあげられる。
また、電子受容性窒素を有する金属錯体を用いることもでき、例えば、キノリノール系金属錯体やヒドロキシフェニルオキサゾール錯体などのヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体およびベンゾキノリン金属錯体などがあげられる。
上述した材料は単独でも用いられるが、異なる材料と混合して使用しても構わない。
上述した材料の中でも、キノリノール系金属錯体、ビピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体、ボラン誘導体またはベンゾイミダゾール誘導体が好ましい。
キノリノール系金属錯体は、下記一般式(E−1)で表される化合物である。
式中、R〜Rは水素または置換基であり、MはLi、Al、Ga、BeまたはZnであり、nは1〜3の整数である。
キノリノール系金属錯体の具体例としては、8−キノリノールリチウム、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(3,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,5−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,6−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,3−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,4−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−t−ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,5,6−テトラメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−t−ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリン)ベリリウムなどがあげられる。
ビピリジン誘導体は、下記一般式(E−2)で表される化合物である。
式中、Gは単なる結合手またはn価の連結基を表し、nは2〜8の整数である。また、ピリジン−ピリジンまたはピリジン−Gの結合に用いられない炭素原子は置換されていてもよい。
一般式(E−2)のGとしては、例えば、以下の構造式のものがあげられる。なお、下記構造式中のRは、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリルまたはテルフェニリルである。
ピリジン誘導体の具体例としては、2,5−ビス(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール、2,5−ビス(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,1−ジメチル−3,4−ジメシチルシロール、2,5−ビス(2,2’−ビピリジン−5−イル)−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール、2,5−ビス(2,2’−ビピリジン−5−イル)−1,1−ジメチル−3,4−ジメシチルシロール、3,4−ジフェニル−2,5−ジ(2,2’−ビピリジン−6−イル)チオフェン、3,4−ジフェニル−2,5−ジ(2,3’−ビピリジン−5−イル)チオフェン、6’6”−ジ(2−ピリジル)2,2’:4’,4”:2”,2”’−クアテルピリジンなどがあげられる。
フェナントロリン誘導体は、下記一般式(E−3−1)または(E−3−2)で表される化合物である。
式中、R〜Rは水素または置換基であり、隣接する基は互いに結合して縮合環を形成してもよく、Gは単なる結合手またはn価の連結基を表し、nは2〜8の整数である。また、一般式(E−3−2)のGとしては、例えば、ビピリジン誘導体の欄で説明したものと同じものがあげられる。
フェナントロリン誘導体の具体例としては、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、9,10−ジ(1,10−フェナントロリン−2−イル)アントラセン、2,6−ジ(1,10−フェナントロリン−5−イル)ピリジン、1,3,5−トリ(1,10−フェナントロリン−5−イル)ベンゼン、9,9’−ジフルオル−ビス(1,10−フェナントロリン−5−イル)、バソクプロインや1,3−ビス(2−フェニル−1,10−フェナントロリン−9−イル)ベンゼンなどがあげられる。
特に、フェナントロリン誘導体を電子輸送層、電子注入層に用いた場合について説明する。長時間にわたって安定な発光を得るには、熱的安定性や薄膜形成性に優れた材料が望まれ、フェナントロリン誘導体の中でも、置換基自身が三次元的立体構造を有するか、フェナントロリン骨格とのあるいは隣接置換基との立体反発により三次元的立体構造を有するもの、あるいは複数のフェナントロリン骨格を連結したものが好ましい。さらに、複数のフェナントロリン骨格を連結する場合、連結ユニット中に共役結合、置換されていてもよい芳香族炭化水素、置換されていてもよい芳香複素環を含んでいる化合物がより好ましい。
ボラン誘導体は、下記一般式(E−4)で表される化合物であり、詳細には特開2007-27587号公報に開示されている。
式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換シリル、置換されていてもよい窒素含有複素環、またはシアノの少なくとも一つであり、R13〜R16は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル、または置換されていてもよいアリールであり、Xは、置換されていてもよいアリーレンであり、Yは、置換されていてもよい炭素数16以下のアリール、置換ボリル、または置換されていてもよいカルバゾールであり、そして、nはそれぞれ独立して0〜3の整数である。
上記一般式(E−4)で表される化合物の中でも、下記一般式(E−4−1)で表される化合物、さらに下記一般式(E−4−1−1)〜(E−4−1−4)で表される化合物が好ましい。具体例としては、9−[4−(4−ジメシチルボリルナフタレン−1−イル)フェニル]カルバゾール、9−[4−(4−ジメシチルボリルナフタレン−1−イル)ナフタレン−1−イル]カルバゾールなどがあげられる。
式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換シリル、置換されていてもよい窒素含有複素環、またはシアノの少なくとも一つであり、R13〜R16は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル、または置換されていてもよいアリールであり、R21およびR22は、それぞれ独立して、水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換シリル、置換されていてもよい窒素含有複素環、またはシアノの少なくとも一つであり、Xは、置換されていてもよい炭素数20以下のアリーレンであり、nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、そして、mはそれぞれ独立して0〜4の整数である。
各式中、R31〜R34は、それぞれ独立して、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかであり、そして、R35およびR36は、それぞれ独立して、水素、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかである。
上記一般式(E−4)で表される化合物の中でも、下記一般式(E−4−2)で表される化合物、さらに下記一般式(E−4−2−1)で表される化合物が好ましい。
式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換シリル、置換されていてもよい窒素含有複素環、またはシアノの少なくとも一つであり、R13〜R16は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル、または置換されていてもよいアリールであり、Xは、置換されていてもよい炭素数20以下のアリーレンであり、そして、nはそれぞれ独立して0〜3の整数である。
式中、R31〜R34は、それぞれ独立して、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかであり、そして、R35およびR36は、それぞれ独立して、水素、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかである。
上記一般式(E−4)で表される化合物の中でも、下記一般式(E−4−3)で表される化合物、さらに下記一般式(E−4−3−1)または(E−4−3−2)で表される化合物が好ましい。
式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換シリル、置換されていてもよい窒素含有複素環、またはシアノの少なくとも一つであり、R13〜R16は、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル、または置換されていてもよいアリールであり、Xは、置換されていてもよい炭素数10以下のアリーレンであり、Yは、置換されていてもよい炭素数14以下のアリールであり、そして、nはそれぞれ独立して0〜3の整数である。
各式中、R31〜R34は、それぞれ独立して、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかであり、そして、R35およびR36は、それぞれ独立して、水素、メチル、イソプロピルまたはフェニルのいずれかである。
ベンゾイミダゾール誘導体は、下記一般式(E−5)で表される化合物である。
式中、Ar〜Arはそれぞれ独立に水素または置換されてもよい炭素数6〜30のアリールである。特に、Arが置換されてもよいアントリルであるベンゾイミダゾール誘導体が好ましい。
炭素数6〜30のアリールの具体例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチレン−1−イル、アセナフチレン−3−イル、アセナフチレン−4−イル、アセナフチレン−5−イル、フルオレン−1−イル、フルオレン−2−イル、フルオレン−3−イル、フルオレン−4−イル、フルオレン−9−イル、フェナレン−1−イル、フェナレン−2−イル、1−フェナントリル、2−フェナントリル、3−フェナントリル、4−フェナントリル,9−フェナントリル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリル、フルオランテン−1−イル、フルオランテン−2−イル、フルオランテン−3−イル、フルオランテン−7−イル、フルオランテン−8−イル、トリフェニレン−1−イル、トリフェニレン−2−イル、ピレン−1−イル、ピレン−2−イル、ピレン−4−イル、クリセン−1−イル、クリセン−2−イル、クリセン−3−イル、クリセン−4−イル、クリセン−5−イル、クリセン−6−イル、ナフタセン−1−イル、ナフタセン−2−イル、ナフタセン−5−イル、ペリレン−1−イル、ペリレン−2−イル、ペリレン−3−イル、ペンタセン−1−イル、ペンタセン−2−イル、ペンタセン−5−イル、ペンタセン−6−イルである。
ベンゾイミダゾール誘導体の具体例は、1−フェニル−2−(4−(10−フェニルアントラセン−9−イル)フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、2−(4−(10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル)フェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、2−(3−(10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル)フェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、5−(10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル)−1,2−ジフェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、1−(4−(10−(ナフタレン−2−イル)アントラセン−9−イル)フェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、2−(4−(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)フェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、1−(4−(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)フェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール、5−(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)−1,2−ジフェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールである。
電子輸送層または電子注入層には、さらに、電子輸送層または電子注入層を形成する材料を還元できる物質を含んでいてもよい。この還元性物質は、一定の還元性を有するものであれば、様々なものが用いられ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体および希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも1つを好適に使用することができる。
好ましい還元性物質としては、Na(仕事関数2.36eV)、K(同2.28eV)、Rb(同2.16eV)またはCs(同1.95eV)などのアルカリ金属や、Ca(同2.9eV)、Sr(同2.0〜2.5eV)またはBa(同2.52eV)などのアルカリ土類金属が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち、より好ましい還元性物質は、K、RbまたはCsのアルカリ金属であり、さらに好ましくはRbまたはCsであり、最も好ましいのはCsである。これらのアルカリ金属は、特に還元能力が高く、電子輸送層または電子注入層を形成する材料への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。また、仕事関数が2.9eV以下の還元性物質として、これら2種以上のアルカリ金属の組み合わせも好ましく、特に、Csを含んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、CsとRb、またはCsとNaとKとの組み合わせが好ましい。Csを含むことにより、還元能力を効率的に発揮することができ、電子輸送層または電子注入層を形成する材料への添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。
<有機電界発光素子における陰極>
陰極108は、電子注入層107および電子輸送層106を介して、発光層105に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極108を形成する材料としては、電子を有機層に効率よく注入できる物質であれば特に限定されないが、陽極102を形成する材料と同様のものを用いることができる。なかでも、スズ、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金、鉄、亜鉛、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムおよびマグネシウムなどの金属またはそれらの合金(マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、フッ化リチウム/アルミニウムなどのアルミニウム−リチウム合金など)などが好ましい。電子注入効率をあげて素子特性を向上させるためには、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかしながら、これらの低仕事関数金属は一般に大気中で不安定であることが多い。この点を改善するために、例えば、有機層に微量のリチウム、セシウムやマグネシウムをドーピングして、安定性の高い電極を使用する方法が知られている。その他のドーパントとしては、フッ化リチウム、フッ化セシウム、酸化リチウムおよび酸化セシウムのような無機塩も使用することができる。ただし、これらに限定されるものではない。
さらに、電極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、スズ、アルミニウムおよびインジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チタニアおよび窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、炭化水素系高分子化合物などを積層することが、好ましい例としてあげられる。これらの電極の作製法も、抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプレーティングおよびコーティングなど、導通を取ることができれば特に制限されない。
<各層で用いてもよい結着剤>
以上の正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層に用いられる材料は単独で各層を形成することができるが、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用いることも可能である。
<有機電界発光素子の作製方法>
有機電界発光素子を構成する各層は、各層を構成すべき材料を蒸着法、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、印刷法、スピンコート法またはキャスト法、コーティング法などの方法で薄膜とすることにより、形成することができる。このようにして形成された各層の膜厚については特に限定はなく、材料の性質に応じて適宜設定することができるが、通常2nm〜5000nmの範囲である。膜厚は通常、水晶発振式膜厚測定装置などで測定できる。蒸着法を用いて薄膜化する場合、その蒸着条件は、材料の種類、膜の目的とする結晶構造および会合構造などにより異なる。蒸着条件は一般的に、ボート加熱温度50〜400℃、真空度10−6〜10−3Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−150〜+300℃、膜厚2nm〜5μmの範囲で適宜設定することが好ましい。
次に、有機電界発光素子を作製する方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/ホスト材料とドーパント材料からなる発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機電界発光素子の作製法について説明する。適当な基板上に、陽極材料の薄膜を蒸着法などにより形成させて陽極を作製した後、この陽極上に正孔注入層および正孔輸送層の薄膜を形成させる。この上にホスト材料とドーパント材料を共蒸着し薄膜を形成させて発光層とし、この発光層の上に電子輸送層、電子注入層を形成させ、さらに陰極用物質からなる薄膜を蒸着法などにより形成させて陰極とすることにより、目的の有機電界発光素子が得られる。なお、上述の有機電界発光素子の作製においては、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
このようにして得られた有機電界発光素子に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として印加すればよく、電圧2〜40V程度を印加すると、透明または半透明の電極側(陽極または陰極、および両方)より発光が観測できる。また、この有機電界発光素子は、パルス電流や交流電流を印加した場合にも発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
<有機電界発光素子の応用例>
また、本発明は、有機電界発光素子を備えた表示装置または有機電界発光素子を備えた照明装置などにも応用することができる。
有機電界発光素子を備えた表示装置または照明装置は、本実施形態にかかる有機電界発光素子と公知の駆動装置とを接続するなど公知の方法によって製造することができ、直流駆動、パルス駆動、交流駆動など公知の駆動方法を適宜用いて駆動することができる。
表示装置としては、例えば、カラーフラットパネルディスプレイなどのパネルディスプレイ、フレキシブルカラー有機電界発光(EL)ディスプレイなどのフレキシブルディスプレイなどがあげられる(例えば、特開平10-335066号公報、特開2003-321546号公報、特開2004-281086号公報など参照)。また、ディスプレイの表示方式としては、例えば、マトリクスおよび/またはセグメント方式などがあげられる。なお、マトリクス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
マトリクスとは、表示のための画素が格子状やモザイク状など二次元的に配置されたものをいい、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状やサイズは用途によって決まる。例えば、パソコン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられ、また、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマトリクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やアクティブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の方が構造が簡単であるという利点があるが、動作特性を考慮した場合、アクティブマトリックスの方が優れる場合があるので、これも用途によって使い分けることが必要である。
セグメント方式(タイプ)では、予め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、決められた領域を発光させることになる。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示および自動車のパネル表示などがあげられる。
照明装置としては、例えば、室内照明などの照明装置、液晶表示装置のバックライトなどがあげられる(例えば、特開2003-257621号公報、特開2003-277741号公報、特開2004-119211号公報など参照)。バックライトは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示板および標識などに使用される。特に、液晶表示装置、中でも薄型化が課題となっているパソコン用途のバックライトとしては、従来方式のものが蛍光灯や導光板からなっているため薄型化が困難であることを考えると、本実施形態に係る発光素子を用いたバックライトは薄型で軽量が特徴になる。
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明する。まず、実施例で用いたアントラセン誘導体の合成例について、以下に説明する。
<式(ET−975)で表される化合物の合成例>
<5’−ブロモ−3−メチル−2,2’−ビピリジンの合成>
2−ブロモ−3−メチルピリジン(22.4g)およびTHF(100ml)の入ったフラスコをドライアイス−メタノール浴で冷却し、この溶液に1.65Mのノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(78.0ml)を滴下した。滴下終了後、0℃程度まで徐々に昇温した。次に、再び氷浴で冷却し、塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン(39.3g)を加え、その後、還流温度で30分間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、この溶液に、2,5−ジブロモピリジン(37.0g)およびPd(PPh(4.5g)を加え、還流温度で4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、目的の化合物に対しておよそ3倍モルに相当するエチレンジアミン四酢酸・四ナトリウム塩二水和物を適量の水に溶解した溶液(以後、EDTA・4Na水溶液と略記する。)およびトルエンを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=9/1(容量比))で精製した。更にヘプタンから2度再結晶させることで、5’−ブロモ−3−メチル−2,2’−ビピリジン(13.5g)を得た。
<5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(3−メチル−2,2’−ビピリジン)の合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン(2.5g)、5’−ブロモ−3−メチル−2,2’−ビピリジン(3.0g)、Pd(PPh(0.2g)、リン酸三カリウム(4.2g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(15ml)、t−ブチルアルコール(3ml)および水(1ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で6時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水、トルエンを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をNH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=20/1(容量比))にて精製後、トルエンとヘプタンから再沈殿させることで、式(ET−975)で表される化合物「5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(3−メチル−2,2’−ビピリジン)」(0.7g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−975)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.87(m,2H),8.65(br,2H),8.17(t,2H),8.03(m,2H),7.96(s,1H),7.87(d,1H),7.80−7.71(m,5H),7.59(d,2H),7.46−7.40(m,4H),7.35−7.30(m,3H),2.74(s,3H),2.73(s,3H).
目的化合物(ET−975)のガラス転移温度(Tg)は、114.5℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−976)で表される化合物の合成例>
<5’−ブロモ−4−メチル−2,2’−ビピリジンの合成>
2−ブロモ−4−メチルピリジン(6.9g)およびTHF(20ml)の入ったフラスコをドライアイス−メタノール浴で冷却し、この溶液に2MのイソプロピルマグネシウムクロリドTHF溶液(24.0ml)を滴下した。滴下終了後、室温で2時間撹拌した。次に、再び氷浴で冷却し、塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン(12.1g)を加え、その後、室温で30分撹拌した。この溶液に、2,5−ジブロモピリジン(9.5g)およびPd(PPh(1.4g)を加え、還流温度で2.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、EDTA・4Na水溶液およびトルエンを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=9/1(容量比))で精製した。更にヘプタンから2度再結晶させることで、5’−ブロモ−4−メチル−2,2’−ビピリジン(5.5g)を得た。
<5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(4−メチル−2,2’−ビピリジン)の合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン(2.5g)、5’−ブロモ−4−メチル−2,2’−ビピリジン(3.3g)、Pd(PPh(0.2g)、リン酸三カリウム(5.5g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(20ml)、t−ブチルアルコール(5ml)および水(1ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で15時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水およびトルエンを加えて分液した。溶媒を減圧留去した後、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン=9/1(容量比))で精製した。次に活性炭カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン)にて精製した。更に酢酸エチルとヘプタンから再結晶させることで、式(ET−976)で表される化合物「5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(4−メチル−2,2’−ビピリジン)」(1.8g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−976)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.87−8.85(m,2H),8.71(d,2H),8.64(d,2H),8.42(br,1H),8.05−8.00(m,2H),7.93(d,1H),7.84(d,1H),7.78−7.69(m,3H),7.57(m,2H),7.44−7.37(m,4H),7.32(t,1H),7.22(d,2H),2.51(s,6H).
目的化合物(ET−976)のガラス転移温度(Tg)は、141.1℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−977)で表される化合物の合成例>
<5’−ブロモ−5−メチル−2,2’−ビピリジンの合成>
2−ブロモ−5−メチルピリジン(20.0g)およびTHF(130ml)の入ったフラスコをドライアイス−メタノール浴で冷却し、この溶液に2MのイソプロピルマグネシウムクロリドTHF溶液(64.0ml)を滴下した。滴下終了後、室温で4時間撹拌した。次に、再び氷浴で冷却し、塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン(32.3g)を加え、その後、室温で30分撹拌した。この溶液に、2,5−ジブロモピリジン(30.3g)およびPd(PPh(4.0g)を加え、還流温度で2.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、EDTA・4Na水溶液および酢酸エチルを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=30/1(容量比))で精製した。更にヘプタンから3度再結晶させることで、5’−ブロモ−5−メチル−2,2’−ビピリジン(14.6g)を得た。
<5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(5−メチル−2,2’−ビピリジン)の合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン(2.5g)、5’−ブロモ−5−メチル−2,2’−ビピリジン(3.0g)、Pd(PPh(0.2g)、リン酸三カリウム(4.2g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(15ml)、t−ブチルアルコール(3ml)および水(1ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で4時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水およびトルエンを加えて分液し、次いで、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン=4/1(容量比))で精製した。更にトルエンとヘプタンから再沈殿させることで、式(ET−977)で表される化合物「5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(5−メチル−2,2’−ビピリジン)」(1.0g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−977)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.85−8.82(m,2H),8.68(d,2H),8.61(br,2H),8.47(d,2H),8.03−7.68(m,5H),7.56(d,2H),7.43−7.38(m,4H),7.32(t,3H),2.47(s,6H).
目的化合物(ET−977)のガラス転移温度(Tg)は、131.5℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−978)で表される化合物の合成例>
<5’−ブロモ−6−メチル−2,2’−ビピリジンの合成>
2−ブロモ−6−メチルピリジン(22.4g)およびシクロペンチルメチルエーテル(200ml)の入ったフラスコをドライアイス−メタノール浴で冷却し、この溶液に1.65Mのノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(96.0ml)を滴下した。滴下終了後、0℃程度まで徐々に昇温し、2時間撹拌した。次に、氷浴で冷却し、塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン(39.3g)を加え、その後、室温で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、この溶液に、2,5−ジブロモピリジン(37.0g)およびPd(PPh(4.5g)を加え、還流温度で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、EDTA・4Na水溶液およびトルエンを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=97/3(容量比))で精製した。更にヘプタンから3度再結晶させることで、5’−ブロモ−6−メチル−2,2’−ビピリジン(16.4g)を得た。
<5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(6−メチル−2,2’−ビピリジン)の合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン(4.1g)、5’−ブロモ−6−メチル−2,2’−ビピリジン(4.4g)、Pd(PPh(0.28g)、リン酸三カリウム(6.8g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(20ml)、t−ブチルアルコール(5ml)および水(1ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で4時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水を加え吸引濾過にて析出物を採取した。得られた固体を水、メタノール、次いで酢酸エチルで洗浄後、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン)で精製した。更にトルエンとヘプタンから再沈殿した後、クロロベンゼンから再結晶させることで、式(ET−978)で表される化合物「5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(6−メチル−2,2’−ビピリジン)」(2.3g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−978)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.87−8.84(m,2H),8.74−8.71(m,2H),8.35(br,2H),8.03−7.98(m,2H),7.94(s,1H),7.84(d,1H),7.80−7.73(m,4H),7.69(dd,1H),7.56(d,2H),7.41−7.37(m,4H),7.30(t,1H),7.24(m,2H),2.71(s,6H).
目的化合物(ET−978)のガラス転移温度(Tg)は、138.3℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−76)で表される化合物の合成例>
<2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの合成>
3−ブロモ−2−メチルピリジン(100.0g)、ビスピナコラートジボロン(171.1g)、PdCl(dppf)(9.5g)、酢酸カリウム(171.2g)およびシクロペンチルメチルエーテル(1600ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で6時間半撹拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、吸引濾過にて無機塩を除去した。更にこの濾液を活性炭に通した後、溶媒を留去し、2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(120.0g)を得た。
<5’−ブロモ−2−メチル−3,2’−ビピリジンの合成>
2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(6.0g)、2,5−ジブロモピリジン(6.5g)、Pd(PPh(0.9g)、リン酸三カリウム(11.7g)および1,2,4−トリメチルベンゼン(50ml)、t−ブチルアルコール(10ml)および水(2ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、水、およびトルエンを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル混合溶媒)で精製した。この際、「有機化学実験のてびき(1)−物質取扱法と分離精製法−」株式会社化学同人出版、94頁に記載の方法を参考にして、展開液中の酢酸エチルの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させ、5’−ブロモ−2−メチル−3,2’−ビピリジン(3.8g)を得た。
<9,10−ビス(2−メチル−3,2’−ビピリジン−5’−イル)アントラセンの合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−アントラセン(2.5g)、5’−ブロモ−2−メチル−3,2’−ビピリジン(3.5g)、Pd(PPh(0.2g)、リン酸三カリウム(2.5g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(12ml)、t−ブチルアルコール(2ml)および水(1ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で17時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水を加え吸引濾過にて析出物を採取した。得られた固体を水、メタノールで洗浄後、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:クロロベンゼン/酢酸エチル混合溶媒)で精製した。この際、展開液中の酢酸エチルの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させた。更にクロロベンゼンから再結晶し、トルエンで洗浄することで、式(ET−76)で表される化合物「9,10−ビス(2−メチル−3,2’−ビピリジン−5’−イル)アントラセン」(0.6g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−76)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.87−8.85(m,2H),8.65(m,2H),8.00−7.95(m,4H),7.77−7.75(m,6H),7.48(m,4H),7.34(m,2H),2.83(s,6H).
目的化合物(ET−76)のガラス転移温度(Tg)は、96.9℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−992)で表される化合物の合成例>
<5’−ブロモ−5−メチル−3,2’−ビピリジンの合成>
3−ブロモ−5−メチルピリジン(10.0g)およびTHF(70ml)の入ったフラスコをドライアイス−メタノール浴で冷却し、この溶液に2MのイソプロピルマグネシウムクロリドTHF溶液(32.0ml)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌した。次に、再び氷浴で冷却し、塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン(16.2g)を加え、その後、室温で30分撹拌した。この溶液に、2,5−ジブロモピリジン(15.2g)およびPd(PPh(2.0g)を加え、還流温度で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、EDTA・4Na水溶液および酢酸エチルを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=10/1(容量比))で精製することで5’−ブロモ−5−メチル−3,2’−ビピリジン(9.6g)を得た。
<5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(5−メチル−3,2’−ビピリジン)の合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン(2.5g)、5’−ブロモ−5−メチル−3,2’−ビピリジン(3.0g)、Pd(PPh(0.2g)、リン酸三カリウム(4.2g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(14ml)、t−ブチルアルコール(3ml)および水(1ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で7時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水を加え吸引濾過にて析出物を採取した。得られた固体を水、メタノールで洗浄後、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:クロロベンゼン/酢酸エチル混合溶媒)で精製した。この際、展開液中の酢酸エチルの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させた。次に活性炭カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン)にて精製し、得られた固体をトルエンで洗浄することで、式(ET−992)で表される化合物「5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(5−メチル−3,2’−ビピリジン)」(0.3g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−992)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=9.19(br,2H),8.91−8.88(m,2H),8.58(t,2H),8.38(m,2H),8.10−8.07(m,2H),8.00−7.97(m,2H),7.91(d,1H),7.84(d,1H),7.77−7.73(m,3H),7.58(dd,2H),7.47−7.40(m,4H),7.34(m,1H),2.51(s,6H).
目的化合物(ET−992)のガラス転移温度(Tg)は、131.5℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1003)で表される化合物の合成例>
<2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの合成>
4−ブロモ−2−メチルピリジン(24.8g)、ビスピナコラートジボロン(36.8g)、PdCl(dppf)(2.5g)、酢酸カリウム(42.8g)およびシクロペンチルメチルエーテル(400ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で5時間撹拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、吸引濾過にて無機塩を除去した。濾液の溶媒を留去した後、活性炭カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン)で精製し、2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(31.4g)を得た。
<5’−ブロモ−2−メチル−4,2’−ビピリジンの合成>
2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1.0g)、2,5−ジブロモピリジン(1.1g)、Pd(PPh(0.1g)、リン酸三カリウム(1.9g)およびN−ジメチルアセトアミド(20ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で6時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加え、分液し、有機層の溶媒を減圧留去した。得られた粗製品をNH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:ヘプタン/トルエン=4/1(容量比))で精製することで、5’−ブロモ−2−メチル−4,2’−ビピリジン(0.3g)を得た。
<5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(2−メチル−4,2’−ビピリジン)の合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン(2.5g)、5’−ブロモ−2−メチル−4,2’−ビピリジン(3.0g)、Pd(PPh(0.3g)、リン酸三カリウム(4.2g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(15ml)、t−ブチルアルコール(3ml)および水(0.6ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で4時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却した後、EDTA・4Na水溶液を加え、無機塩を溶解させた後、吸引濾過にて目的物を含む固体を採取した。この固体をクロロベンゼンで洗浄し、次いで、活性炭カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン)にて精製することで、式(ET−1003)で表される化合物「5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(2−メチル−4,2’−ビピリジン)」(0.9g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1003)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.93−8.90(m,2H),8.71(dd,2H),8.13−8.11(m,2H),8.03−8.00(m,4H),7.88−7.82(m,3H),7.80(d,1H),7.73−7.71(m,3H),7.57(d,2H),7.46−7.40(m,4H),7.34(t,1H),2.74(s,3H),2.73(s,3H).
目的化合物(ET−1003)のガラス転移温度(Tg)は、131.3℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1004)で表される化合物の合成例>
<5’−ブロモ−3−メチル−4,2’−ビピリジンの合成>
4−ブロモ−3−メチルピリジン(5.0g)およびTHF(30ml)の入ったフラスコをドライアイス−メタノール浴で冷却し、この溶液に2MのイソプロピルマグネシウムクロリドTHF溶液(16.0ml)を滴下した。滴下終了後、室温で3時間撹拌した。次に、再び氷浴で冷却し、塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン(8.1g)を加え、その後、室温で30分撹拌した。この溶液に、2,5−ジブロモピリジン(7.6g)およびPd(PPh(1.0g)を加え、還流温度で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、EDTA・4Na水溶液および酢酸エチルを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル混合溶媒)で精製した。この際、展開液中の酢酸エチルの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させることで、5’−ブロモ−3−メチル−4,2’−ビピリジン(5.6g)を得た。
<5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(3−メチル−4,2’−ビピリジン)の合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン(2.5g)、5’−ブロモ−3−メチル−4,2’−ビピリジン(3.0g)、Pd(PPh(0.3g)、リン酸三カリウム(4.2g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(16ml)、t−ブチルアルコール(3.0ml)および水(1ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で3時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水およびトルエンを加えて分液し、次いで、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=5/1(容量比))で精製することで、式(ET−1004)で表される化合物「5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(3−メチル−4,2'−ビピリジン)」(1.0g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1004)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.94−8.91(m,2H),8.65(m,4H),8.03−8.00(m,2H),7.89(s,1H),7.83(d,1H),7.80−7.74(m,5H),7.60−7.58(m,4H),7.50−7.43(m,3H),7.37(t,1H),2.62(s,3H),2.60(s,3H).
目的化合物(ET−1005)のガラス転移温度(Tg)は、112.9℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1047)で表される化合物の合成例>
<5’−ブロモ−6−メチル−2,3’−ビピリジンの合成>
2−ブロモ−6−メチルピリジン(10g)およびシクロペンチルメチルエーテル(70ml)の入ったフラスコをドライアイス−メタノール浴で冷却し、この溶液に1.65Mのノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(78.0ml)を滴下し、1時間撹拌した。次に塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン(17.6g)を加え、その後、室温で30分撹拌した。この溶液に、3,5−ジブロモピリジン(20g)およびPd(PPh(0.7g)を加え、還流温度で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、EDTA・4Na水溶液およびトルエンを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=9/1(容量比))で精製し、5’−ブロモ−6−メチル−2,3’−ビピリジン(9.6g)を得た。
<5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(6−メチル−2,3’−ビピリジン)の合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン(2.5g)、5’−ブロモ−6−メチル−2,3’−ビピリジン(3.2g)、Pd(PPh(0.3g)、リン酸三カリウム(4.2g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(15ml)、t−ブチルアルコール(3.0ml)および水(1ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で7時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水およびトルエンを加えて分液し、次いで、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン)で精製することで、式(ET−1047)で表される化合物「5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(6−メチル−2,3’−ビピリジン)」(0.4g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1047)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=9.46(dd,2H),8.84−8.80(m,2H),8.54−8.53(m,2H),7.90(s,1H),7.82(d,1H),7.73−7.66(m,7H),7.57−7.55(m,2H),7.43−7.38(m,4H),7.32(t,1H),7.19(t,2H),2.62(s,6H).
目的化合物(ET−1047)のガラス転移温度(Tg)は、122.9℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1049)で表される化合物の合成例>
<5’−ブロモ−4−メチル−2,3’−ビピリジンの合成>
2−ブロモ−4−メチルピリジン(9.3g)およびTHF(65ml)の入ったフラスコをドライアイス−メタノール浴で冷却し、この溶液に2MのイソプロピルマグネシウムクロリドTHF溶液(28.1ml)を滴下した。滴下終了後、室温で1時間撹拌した。次に、再び氷浴で冷却し、塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン(16.3g)を加え、その後、室温で30分撹拌した。この溶液に、3,5−ジブロモピリジン(19g)およびPd(PPh(0.6g)を加え、還流温度で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、EDTA・4Na水溶液およびトルエンを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン)で精製し、5’−ブロモ−4−メチル−2,3’−ビピリジン(4.3g)を得た。
<5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(4−メチル−2,3’−ビピリジン)の合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン(1.8g)、5’−ブロモ−4−メチル−2,3’−ビピリジン(2.8g)、Pd(PPh(0.2g)、リン酸三カリウム(3.0g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(11ml)、t−ブチルアルコール(2.0ml)および水(0.5ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で4時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水およびトルエンを加えて分液し、次いで、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン)で精製することで、式(ET−1049)で表される化合物「5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(4−メチル−2,3’−ビピリジン)」(0.5g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1049)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=9.48−9.45(m,2H),8.84−8.80(m,2H),8.60(t,2H),8.49(d,1H),7.88(s,1H),7.81(d,1H),7.74−7.67(m,5H),7.56(d,2H),7.42−7.38(m,4H),7.32(t,1H),7.14(t,3H),2.45(m,6H).
目的化合物(ET−1049)のガラス転移温度(Tg)は、117.9℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1060)で表される化合物の合成例>
<5’−ブロモ−2−メチル−4,3’−ビピリジンの合成>
2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1.0g)、3,5−ジブロモピリジン(1.0g)、Pd(PPh(0.1g)、リン酸三カリウム(1.9g)およびN−ジメチルアセトアミド(20ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で6時間撹拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加えて分液し、次いで、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:ヘプタン/トルエン=3/2(容量比))で精製し、5’−ブロモ−2−メチル−4,3’−ビピリジン(0.5g)を得た。
<5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(2−メチル−4,3’−ビピリジン)の合成>
9,10−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラニル)−2−フェニルアントラセン(2.5g)、5’−ブロモ−2−メチル−4,3’−ビピリジン(3.7g)、Pd(PPh(0.3g)、リン酸三カリウム(4.2g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(15ml)、t−ブチルアルコール(3.0ml)および水(1ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で6時間攪拌した。加熱終了後、反応液を室温まで冷却し、水およびトルエンを加えて分液し、次いで、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン混合溶媒)で精製した。この際、展開液中のトルエンの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させた。これを活性炭カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/トリエチルアミン=30/1(容量比))で精製することで、式(ET−1060)で表される化合物「5’,5”−((2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ビス(2−メチル−4,3’−ビピリジン)」(0.7g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1060)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=9.15(t,2H),8.89−8.84(m,2H),8.64(t,2H),8.13−8.09(m,2H),7.85(s,1H),7.78(d,1H),7.72−7.67(m,3H),7.51(d,2H),7.47−7.41(m,8H),7.36(t,1H),2.66(s,3H),2.65(s,3H).
目的化合物(ET−1060)のガラス転移温度(Tg)は、112.0℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1037)で表される化合物の合成例>
<2−フェニルアントラキノンの合成>
2−クロロアントラキノン(125.0g)、フェニルボロン酸(75.4g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.79g)、リン酸三カリウム(109.3g)、シュードクメン(400mL)、t−ブチルアルコール(100mL)、水(20mL)をフラスコに入れ窒素雰囲気下、還流温度で3.5時間過熱攪拌した。反応後冷却し、析出した結晶をろ過、水洗いしたのちに、シリカゲルショートカラム(展開溶媒トルエン)で精製して2−フェニルアントラキノン(106.0g)を得た。
<9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2−フェニル−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオールの合成>
2,6−ジブロモピリジン(71.1g)と脱水トルエン(300mL)をフラスコに入れ−78℃に冷却した。そこへn−ブチルリチウム(濃度2.69M、ヘキサン溶液、123mL)をゆっくり加えたのち、1時間撹拌した。そこへ2−フェニルアントラキノン(29.9g)を加え、そのままの温度で4時間撹拌した。反応後水を加えて反応を停止させ、トルエンで分液抽出をして、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させたのち減圧濃縮した。この化合物をシリカゲルショートカラム(展開液:トルエン/酢酸エチル=1/1(容量比))に通したのちに濃縮したものをそのまま次の反応に用いた。
<9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2−フェニルアントラセンの合成>
前述の反応で得られた9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2−フェニル−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオールの粗体(114g)とホスフィン酸ナトリウム1水和物(225.7g)、ヨウ化カリウム(75.5g)、酢酸(600mL)をフラスコに入れ、還流温度で4時間撹拌した。反応後室温まで冷却し、水を加えたのちに沈殿物をろ過し、水、メタノール、酢酸エチルで洗浄した。この粗体をシリカゲルショートカラム(展開液:トルエン/酢酸エチル=1/1(容量比))で精製し、さらにクロロベンゼン/メタノールで再沈殿することで9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2−フェニルアントラセン(40.1g)を得た。
<9,10−ビス(2’−メチル−2,3’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセンの合成>
9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2−フェニルアントラセン(3.96g)、2−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(3.68g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.24g)、リン酸三カリウム(2.97g)、シュードクメン(20mL)、t−ブチルアルコール(5mL)、水(1mL)をフラスコに入れ窒素雰囲気下、還流温度で10時間過熱攪拌した。反応後冷却し、トルエンで分液抽出し有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させたのち減圧濃縮した。この粗体をNH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製して、式(ET−1037)で表される化合物「9,10−ビス(2’−メチル−2,3’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセン」(2.05g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1037)の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl):δ=8.6〜8.5(m,2H),8.1(dt,2H),7.9〜7.8(m,3H),7.8〜7.7(m,1H),7.7〜7.5(m,9H),7.4(m,4H),7.3(m,1H),7.3〜7.2(m,2H),2.7(s,3H),2.7(s,3H).
目的化合物(ET−1037)のガラス転移温度(Tg)は、105.2℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1040)で表される化合物の合成例>
<9,10−ビス(4’−メチル−2,3’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセンの合成>
4−メチル−3−ブロモピリジン(4.21g)、脱水THF(30mL)をフラスコに入れ、0℃に冷却して塩化イソプロピルマグネシウム(濃度2.0M、THF溶液、13.5mL)を加えた。50℃に加熱して5時間撹拌したのちに0℃に冷却して塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン錯体(ZnCl・TMEDA)(6.80g)を加えて1時間撹拌した。そこへ9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2−フェニルアントラセン(3.96g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.24g)を加えて還流温度で2時間撹拌した。冷却後、エチレンジアミン・4ナトリウム(33g)/50mL水溶液で反応を停止させたのち、トルエンで分液抽出し有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させたのち減圧濃縮した。この粗体をNH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製して、式(ET−1040)で表される化合物「9,10−ビス(4’−メチル−2、3’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセン」(2.55g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1040)の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl):δ=8.8(d,2H),8.5(m,2H),8.1(septet,2H),7.8(m,1H),7.7(m,1H),7.7〜7.6(m,6H),7.6〜7.5(m,3H),7.4〜7.3(m,5H),7.2(m,2H),2.5(s,3H),2.5(s,3H).
目的化合物(ET−1040)のガラス転移温度(Tg)は、110.1℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1039)で表される化合物の合成例>
<9,10−ビス(5’−メチル−2,3’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセンの合成>
9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2−フェニルアントラセン(2.00g)、5−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1.86g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.12g)、リン酸三カリウム(3.00g)、シュードクメン(20mL)、t−ブチルアルコール(5mL)、水(1mL)をフラスコに入れ窒素雰囲気下、還流温度で7時間過熱攪拌した。反応後冷却し、トルエンで分液抽出し有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させたのち減圧濃縮した。この粗体をNH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製して、式(ET−1039)で表される化合物「9,10−ビス(5’−メチル−2,3’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセン」(0.82g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1039)の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl):δ=9.1(d,2H),8.5(s,2H),8.3(m,2H),8.1(dt,2H),8.0(m,2H),7.9(s,1H),7.8(m,1H),7.7(m,3H),7.6〜7.5(m,4H),7.4(m,4H),7.3(t,1H),2.4(s,3H),2.4(s,3H).
<式(ET−1038)で表される化合物の合成例>
<9,10−ビス(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセンの合成>
6−メチル−3−ブロモピリジン(3.84g)、脱水THF(30mL)をフラスコに入れ、0℃に冷却して塩化イソプロピルマグネシウム(濃度2.0M、THF溶液、12.3mL)を加えた。50℃に加熱して2時間撹拌したのちに0℃に冷却して塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン錯体(ZnCl・TMEDA)(6.19g)加えて1時間撹拌した。そこへ9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2−フェニルアントラセン(3.60g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.22g)を加えて還流温度で2時間撹拌した。冷却後、エチレンジアミン・4ナトリウム(33g)/50mL水溶液で反応を停止させたのち、トルエンで分液抽出し有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させたのち減圧濃縮した。この粗体をNH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製して、式(ET−1038)で表される化合物「9,10−ビス(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセン」(2.22g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1038)の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl):δ=9.2(d,2H),8.4〜8.3(m,2H),8.1〜8.0(m,2H),8.0〜7.9(m,2H),7.9(s,1H),7.8(m,1H),7.7(m,2H),7.7(dd,1H),7.6〜7.5(m,4H),7.4(m,4H),7.3(t,1H),7.2(d,2H),2.6(s,6H).
目的化合物(ET−1038)のガラス転移温度(Tg)は、128.8℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1043)で表される化合物の合成例>
<9,10−ビス(2’−メチル−2,4’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセンの合成>
2−メチル−4−ブロモピリジン(4.21g)、脱水THF(30mL)をフラスコに入れ、−78℃に冷却してn−ブチルリチウム(濃度2.60M、THF溶液、2.70mL)を加えた。1時間撹拌したのちに塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン錯体(ZnCl・TMEDA)(6.19g)加えて0℃で1時間撹拌した。そこへ9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2−フェニルアントラセン(3.60g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.24g)を加えて還流温度で4時間撹拌した。冷却後、エチレンジアミン・4ナトリウム(33g)/50mL水溶液で反応を停止させたのち、トルエンで分液抽出し有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して減圧濃縮した。この粗体をNH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製して、式(ET−1043)で表される化合物「9,10−ビス(2’−メチル−2、4’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセン」(1.51g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1043)の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl):δ=8.6(d,2H),8.1(dt,2H),8.0(m,2H),7.9(m,3H),7.8(m,3H),7.7〜7.6(m,5H),7.5(d,2H),7.4(m,4H),7.3(t,1H),2.6(s,3H),2.6(s,3H).
<式(ET−1044)で表される化合物の合成例>
<9,10−ビス(3’−メチル−2,4’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセンの合成>
9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2−フェニルアントラセン(3.40g)、3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(3.15g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.21g)、リン酸三カリウム(3.82g)、シュードクメン(20mL)、t−ブチルアルコール(5mL)、水(1mL)をフラスコに入れ窒素雰囲気下、還流温度で6時間過熱攪拌した。反応後冷却し、トルエンで分液抽出し有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させたのち減圧濃縮した。この粗体をNH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製して、式(ET−1044)で表される化合物「9,10−ビス(3’−メチル−2、4’−ビピリジン−6−イル)−2−フェニルアントラセン」(1.52g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1044)の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl):δ=8.6〜8.5(m,4H),8.1(dt,2H),7.8(dd,1H),7.7〜7.6(m,8H),7.6〜7.5(m,2H),7.5(t,2H),7.4(m,4H),7.3(m,1H),2.5(s,3H),2.5(s,3H).
<式(ET−1190)で表される化合物の合成例>
<2−([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)アントラキノンの合成>
2−クロロアントラキノン(65.5g)、[1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イルボロン酸(81.4g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.94g)、リン酸三カリウム(114.6g)、シュードクメン(500mL)、t−ブチルアルコール(50mL)、水(10mL)をフラスコに入れ窒素雰囲気下、還流温度で8時間過熱攪拌した。反応後冷却し、析出した結晶をろ過、水洗いして2−([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)アントラキノン(98.7g)を得た。
<9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオールの合成>
2,6−ジブロモピリジン(33.1g)と脱水トルエン(140mL)をフラスコに入れ−78℃に冷却した。そこへn−ブチルリチウム(濃度2.69M、ヘキサン溶液、58mL)をゆっくり加えたのち、1時間撹拌した。そこへ2−([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)アントラキノン(15.3g)と脱水THF(100mL)を加え、そのままの温度で4時間撹拌した。反応後水を加えて反応を停止させ、トルエンで分液抽出をし、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させたのち減圧濃縮した。この化合物をシリカゲルショートカラム(展開液:トルエン/酢酸エチル=1/1(容量比))に通したのちに濃縮したものをそのまま次の反応に用いた。
<9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)アントラセンの合成>
前述の反応で得られた9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオールの粗体とホスフィン酸ナトリウム1水和物(45.1g)、ヨウ化カリウム(15.1g)、酢酸(100mL)をフラスコに入れ、還流温度で6時間撹拌した。反応後室温まで冷却し、水を加えたのちに沈殿物をろ過し、水、メタノール、酢酸エチルで洗浄した。この粗体をシリカゲルショートカラム(展開液:トルエン/酢酸エチル=1/1(容量比))で精製し、さらにクロロベンゼン/メタノールで再沈殿することで9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)アントラセン(12.3g)を得た。
<9,10−ビス(4’−メチル−2,3’−ビピリジン−6−イル)−2([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)アントラセンの合成>
9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)アントラセン(3.65g)、4−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(3.10g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.18g)、リン酸三カリウム(4.31g)、シュードクメン(20mL)、t−ブチルアルコール(5mL)、水(1mL)をフラスコに入れ窒素雰囲気下、還流温度で7.5時間過熱攪拌した。反応後冷却し、トルエンで分液抽出し有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させたのち減圧濃縮した。この粗体をNH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製して、式(ET−1190)で表される化合物「9,10−ビス(4’−メチル−2,3’−ビピリジン−6−イル)−2([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)アントラセン」(1.45g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1190)の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl):δ=8.8(d,2H),8.5(m,2H),8.1〜8.0(m,2H),7.9(d,1H),7.8〜7.7(m,5H),7.7〜7.6(m,10H),7.5(t,4H),7.4(m,4H),7.2(m,1H),7.1(m,1H),2.5(s,3H),2.4(s,3H).
<式(ET−1189)で表される化合物の合成例>
<9,10−ビス(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−6−イル)−2([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)アントラセンの合成>
9,10−ビス(6−ブロモピリジン−2−イル)−2([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)アントラセン(3.65g)、6−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2.67g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.18g)、リン酸三カリウム(4.31g)、シュードクメン(20mL)、t−ブチルアルコール(5mL)、水(1mL)をフラスコに入れ窒素雰囲気下、還流温度で5時間過熱攪拌した。反応後冷却し、トルエンで分液抽出し有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させたのち減圧濃縮した。この粗体をNH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製して、式(ET−1189)で表される化合物「9,10−ビス(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−6−イル)−2([1,1’:3’,1”−ターフェニル]−5’−イル)アントラセン」(3.18g)を得た。
NMR測定により目的化合物(ET−1189)の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl):δ=9.2(m,2H),8.4〜8.3(m,2H),8.1〜8.0(m,3H),8.0〜7.9(m,2H),7.9〜7.8(m,1H),7.8〜7.7(m,6H),7.6(m,6H),7.4〜7.3(m,8H),7.2(d,1H),7.2(d,1H),2.6(s,3H),2.6(s,3H).
<式(ET−1123)で表される化合物の合成例>
<2,2’−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)の合成>
2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−9,10−ジブロモアントラセン(30g)、ビスピナコラートジボロン(38g)、Pd(dba)(3.5g)、炭酸カリウム(14g)、酢酸カリウム(30g)、トリシクロヘキシルホスフィン(4.3g)、およびアニソール(150mL)をフラスコに入れ、窒素雰囲気下、還流温度で12時間攪拌した。反応液を60℃まで冷却し、固体を濾別した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、析出した固体をヘプタンで洗浄して目的化合物(24g)を得た。
NMR測定によりこの化合物の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.26−8.32(m,2H),8.26(d,1H),8.10(d,1H),7.54−7.58(m,1H),7.40−7.51(m,5H),7.23−7.25(m,2H),7.13−7.18(m,4H),1.50(s,12H),1.54(s,12H).
<5−ブロモ−4’−メチル−2,3’−ビピリジンの合成>
窒素雰囲気下、3−ブロモ−4−メチルピリジン(20g)のTHF(100mL)溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド(2.0M溶液 1.1当量)を氷冷下で滴下した後、50℃で2時間撹拌し、グリニャール試薬を調整した。得られた溶液に、氷冷下塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン錯体(35g)を加え、25℃で1時間撹拌した。得られた亜鉛試薬溶液に、Pd(PPh(4.0g)、および2,5−ジブロモピリジン(33g)をフラスコに加え、還流温度で6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、ゆっくり水を加えて反応を停止させた。得られた混合物を酢酸エチル(500mL)で抽出した後、エバポレーターで濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラム(展開液:ヘプタン/酢酸エチル=1/1(容量比))で精製し目的化合物(17g)を得た。
NMR測定により化合物の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.79(d,1H),8.58(s,1H),8.51(d,1H),7.94(dd,1H),7.34(d,1H),7.22(d,1H),2.41(s,3H).
<5,5”−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(4’−メチル−2,3’−ビピリジン)の合成>
2,2’−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(3.0g)、5−ブロモ−4’−メチル−2,3’−ビピリジン(2.4g)、Pd(PPh(0.3g)、リン酸三カリウム(5.5g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(14mL)、t−ブチルアルコール(2mL)および水(2mL)をフラスコに入れ、窒素雰囲気下、還流温度で6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し水を加え、析出した固体を吸引濾過にて採取した。この固体をシリカゲルカラム(展開液:トルエン〜トルエン/アセトン=2/3(容量比)混合溶媒)で精製した。この際、「有機化学実験のてびき(1)−物質取扱法と分離精製法−」株式会社化学同人出版、94頁に記載の方法を参考にして、展開液中のアセトンの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させた。その後、昇華精製して、式(ET−1123)で表される化合「5,5”−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(4’−メチル−2,3’−ビピリジン)」(0.4g)を得た。
NMR測定により化合物(ET−1123)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.88(t,1H),8.83(d,2H),8.57−8.59(m,3H),7.98(ddd,1H),7.64−7.75(m,4H),7.58(dd,1H),7.47−7.50(m,2H),7.42−7.46(m,7H),7.32(d,2H),7.19−7.22(m,3H),7.09−7.11(m,2H),2.63(s,6H).
目的化合物(ET−1123)のガラス転移温度(Tg)は、128.0℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1126)で表される化合物の合成例>
<5−ブロモ−2’−メチル−2,3’−ビピリジンの合成>
窒素雰囲気下、3−ブロモ−2−メチルピリジン(20g)のTHF(100mL)溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド(2.0M溶液 1.1当量)を氷冷下で滴下した後、50℃で3時間撹拌し、グリニャール試薬を調整した。得られた溶液に、氷冷下塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン錯体(35g)を加え、25℃で1時間撹拌した。得られた亜鉛試薬溶液に、Pd(PPh(4.0g)、および2,5−ジブロモピリジン(33g)をフラスコに加え、還流温度で6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、ゆっくり水を加えて反応を停止させた。得られた混合物を酢酸エチル(500mL)で抽出した後、エバポレーターで濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラム(展開液:ヘプタン/酢酸エチル=2/1(容量比))で精製し、目的化合物(12g)を得た。
NMR測定により化合物の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.78(d,1H),8.75(dd,1H),7.92(dd,1H),7.71(dd,1H),7.34(dd,1H),7.23(dd,1H),2.61(s,3H).
<5,5”−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(2’−メチル−2,3’−ビピリジン)の合成>
2,2’−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(3.0g)、5−ブロモ−2’−メチル−2,3’−ビピリジン(2.4g)、Pd(PPh(0.3g)、リン酸三カリウム(5.5g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(14mL)、t−ブチルアルコール(2mL)および水(2mL)をフラスコに入れ、窒素雰囲気下、還流温度で6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し水を加え、析出した固体を吸引濾過にて採取した。この固体をシリカゲルカラム(展開液:トルエン〜トルエン/アセトン=1/1(容量比)混合溶媒)で精製した。この際、「有機化学実験のてびき(1)−物質取扱法と分離精製法−」株式会社化学同人出版、94頁に記載の方法を参考にして、展開液中のアセトンの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させた。その後、昇華精製して、式(ET−1126)で表される化合物「5,5”−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(2’−メチル−2,3’−ビピリジン)」(1.3g)を得た。
NMR測定により化合物(ET−1126)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.87(s,1H),8.65(d,2H),8.59(d,1H),7.95−7.99(m,3H),7.66−7.75(m,4H),7.57(d,1H),7.41−7.49(m,9H),7.34(t,2H),7.18−7.24(m,3H),7.09(d,2H),2.83(s,6H).
<式(ET−1125)で表される化合物の合成例>
<5−ブロモ−6’−メチル−2,3’−ビピリジンの合成>
窒素雰囲気下、5−ブロモ−2−メチルピリジン(20g)のTHF(100mL)溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド(2.0M溶液 1.1当量)を氷冷下で滴下した後、50℃で3時間撹拌し、グリニャール試薬を調整した。得られた溶液に、氷冷下塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン錯体(35g)を加え、25℃で1時間撹拌した。得られた亜鉛試薬溶液に、Pd(PPh(4.0g)、および2,5−ジブロモピリジン(33g)をフラスコに加え、還流温度で6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、ゆっくり水を加えて反応を停止させた。得られた混合物を酢酸エチル(500mL)で抽出した後、エバポレーターで濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラム(展開液:酢酸エチル)で精製し目的化合物(10g)を得た。
NMR測定により化合物の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=9.05(d,1H),8.75(d,1H),8.19(dd,1H),7.89(dd,1H),7.62(d,1H),7.26(d,1H),2.62(s,3H).
<5,5”−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(6’−メチル−2,3’−ビピリジン)の合成>
2,2’−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(3.0g)、5−ブロモ−6’−メチル−2,3’−ビピリジン(2.4g)、Pd(PPh(0.3g)、リン酸三カリウム(5.5g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(14mL)、t−ブチルアルコール(2mL)および水(2mL)をフラスコに入れ、窒素雰囲気下、還流温度で6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し水を加え、析出した固体を吸引濾過にて採取した。この固体をシリカゲルカラム(展開液:クロロベンゼン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製した後、昇華精製して、式(ET−1125)で表される化合物「5,5”−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(6’−メチル−2,3’−ビピリジン)」(1.34g)を得た。
NMR測定により化合物(ET−1125)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=9.26(s,2H),8.83(s,1H),8.59(d,1H),8.39−8.42(m,2H),8.03(d,1H),7.94(d,1H),7.88(d,1H),7.64−7.73(m,3H),7.44−7.53(m,3H),7.33−7.40(m,8H),7.17−7.26(m,3H),7.06−7.08(d,2H),2.69(s,6H).
目的化合物(ET−1125)のガラス転移温度(Tg)は、146.4℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1203)で表される化合物の合成例>
<5−ブロモ−3−メチル−2,3’−ビピリジンの合成>
窒素雰囲気下、3−ブロモピリジン(14g)のTHF(100mL)溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド(2.0M溶液 1.1当量)を氷冷下で滴下した後、0℃で1時間撹拌し、グリニャール試薬を調整した。得られた溶液に、氷冷下塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン錯体(26g)を加え、25℃で1時間撹拌した。得られた亜鉛試薬溶液に、Pd(PPh(3.0g)、および2,5−ジブロモ−3−メチルピリジン(24g)をフラスコに加え、還流温度で6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、ゆっくり水を加えて反応を停止させた。得られた混合物を酢酸エチル(500mL)で抽出した後、エバポレーターで濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラム(展開液:ヘプタン/酢酸エチル=7/3(容量比))で精製し目的化合物(9.4g)を得た。
NMR測定により化合物の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.78(d,1H),8.66(dd,1H),8.61(d,1H),7.86(ddd,1H),7.78(d,1H),7.40(dd,1H),2.38(s,3H).
<5,5”−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(3−メチル−2,3’−ビピリジン)の合成>
2,2’−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(3.0g)、5−ブロモ−3−メチル−2,3’−ビピリジン(2.4g)、Pd(PPh(0.3g)、リン酸三カリウム(5.5g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(14mL)、t−ブチルアルコール(2mL)および水(2mL)をフラスコに入れ、窒素雰囲気下、還流温度で6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し水を加え、析出した固体を吸引濾過にて採取した。この固体をシリカゲルカラム(展開液:トルエン/酢酸エチル=4/1(容量比))で精製した後、昇華精製して、式(ET−1203)で表される化合物「5,5”−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(3−メチル−2,3’−ビピリジン)」(1.16g)を得た。
NMR測定により化合物(ET−1203)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=9.02(s,2H),8.69−8.74(m,3H),8.43(d,1H),8.08−8.11(m,2H),7.79(s,1H),7.64−7.76(m,3H),7.40−7.55(m,9H),7.32(dd,1H),7.15−7.21(m,3H),7.09(d,2H),2.56(s,3H),2.52(s,3H).
目的化合物(ET−1203)のガラス転移温度(Tg)は、144.9℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
<式(ET−1202)で表される化合物の合成例>
<5−ブロモ−4−メチル−3,4’−ビピリジンの合成>
窒素雰囲気下、4−メチル−3,5−ジブロモピリジン(20g)、4−ピリジンボロン酸(17.7g)、Pd(PPh(2.8g)、リン酸三カリウム(33.9g)およびN−ジメチルアセトアミド(50ml)をフラスコに入れて、窒素雰囲気下、還流温度で6時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水およびトルエンを加え、分液し、有機層の溶媒を減圧留去した。得られた粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=1/1(容量比))で精製することで、目的化合物(11.4g)を得た。
<5,5”−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(4−メチル−3,4’−ビピリジン)の合成>
2,2’−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(2.5g)、5−ブロモ−4−メチル−3,4’−ビピリジン(2.6g)、Pd(PPh(0.15g)、リン酸三カリウム(3.6g)、1,2,4−トリメチルベンゼン(20mL)、t−ブチルアルコール(5mL)および水(2mL)をフラスコに入れ、窒素雰囲気下、還流温度で10時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し水を加え、トルエンを加えて分液し、次いで、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル=1/1(容量比))で精製することで、式(ET−1202)で表される化合物「5,5”−(2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アントラセン−9,10−ジイル)ビス(4−メチル−3,4’−ビピリジン)」(0.3g)を得た。
NMR測定により化合物(ET−1202)の構造を確認した。
H−NMR(CDCl):δ=8.77−8.80(m,4H),8.67(s,1H),8.60−8.62(m,2H),8.33(d,1H),7.41−7.57(m,13H),7.35(dd,1H),7.29(d,1H),7.05−7.10(m,5H),1.91(s,3H),1.66(s,3H).
目的化合物(ET−1202)のガラス転移温度(Tg)は、144.2℃であった。
[測定機器:Diamond DSC (PERKIN−ELMER社製); 測定条件:冷却速度200℃/Min.、昇温速度10℃/Min.]
原料の化合物を適宜変更することにより、上述した合成例に準じた方法で、本発明で用いる他のアントラセン誘導体を合成することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために各実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜10および比較例1〜4に係る電界発光素子を作製し、それぞれ、定電流駆動試験における駆動開始電圧(V)、初期輝度の95%以上の輝度を保持する時間(hr)の測定を行った。以下、実施例および比較例について詳細に説明する。
作製した実施例1〜10および比較例1〜4に係る電界発光素子における、各層の材料構成を下記表1に示す。なお、電子輸送層は下記表で挙げられた化合物と8−キノリノールリチウム(Liq)との混合物で形成した。
表1において、「Liq」は、8−キノリノールリチウムである。また、比較例として用いた化合物(A)および(B)と共に、以下に化学構造を示す。
<実施例1>
<化合物(ET−975)を電子輸送材料、(BH−2)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置(真空機工(株)製)の基板ホルダーに固定し、HI−1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、HAT−CNを入れたモリブデン製蒸着用ボート、HT−1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、BH−2を入れたモリブデン製蒸着用ボート、BD1−44を入れたモリブデン製蒸着用ボート、化合物(ET−975)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、Liqを入れたモリブデン製蒸着用ボート、アルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10−4Paまで減圧し、まず、HI−1が入った蒸着用ボートを加熱して膜厚40nmになるように蒸着し、さらにHAT−CNが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚5nmになるように蒸着することで2層からなる正孔注入層を形成し、次いで、HT−1が入った蒸着用ボートを加熱して膜厚25nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、BH−2が入った蒸着用ボートとBD1−44の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚20nmになるように蒸着して発光層を形成した。BH−2とBD−44の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に、化合物(ET−975)の入った蒸着用ボートとLiqの入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚30nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。化合物(ET−975)とLiqの重量比がおよそ1対1になるように蒸着速度を調節した。各層の蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
その後、Liqが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように0.01〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着した。次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚100nmになるように0.01〜2nm/秒の蒸着速度でアルミニウムを蒸着することにより陰極を形成し、有機EL素子を得た。
ITO電極を陽極、Liq/アルミニウム電極を陰極として、1500cd/mの輝度が得られる電流密度で定電流駆動試験を実施した結果、駆動試験開始電圧は3.8Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は290時間であった。
<実施例2>
<化合物(ET−976)を電子輸送材料、(BH−2)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−975)を化合物(ET−976)に替えた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.7Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は100時間であった。
<実施例3>
<化合物(ET−977)を電子輸送材料、(BH−2)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−975)を化合物(ET−977)に替えた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.7Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は200時間であった。
<実施例4>
<化合物(ET−978)を電子輸送材料、(BH−2)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−975)を化合物(ET−978)に替えた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.7Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は200時間であった。
<比較例1>
<化合物(A)を電子輸送材料、(BH−2)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−975)を比較例の化合物(A)に替えた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.7Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は75時間であった。
<実施例5>
<化合物(ET−975)を電子輸送材料、(BH−2)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
陰極の形成方法を変更した以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。陰極は、Liqが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように0.01〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着した後、別途用意したマグネシウムの入ったボートと銀の入ったボートを同時に加熱して膜厚100nmになるように蒸着することにより形成した。このとき、マグネシウムと銀の原子数比が10対1で蒸着速度が0.1〜10nm/秒となるように調節した。
実施例1と同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.8Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は180時間であった。
<実施例6>
<化合物(ET−976)を電子輸送材料、(BH−2)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−975)を化合物(ET−976)に替えた以外は実施例5と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.7Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は90時間であった。
<実施例7>
<化合物(ET−977)を電子輸送材料、(BH−2)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−975)を化合物(ET−977)に替えた以外は実施例5と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.6Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は80時間であった。
<実施例8>
<化合物(ET−978)を電子輸送材料、(BH−2)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−975)を化合物(ET−978)に替えた以外は実施例5と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.6Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は150時間であった。
<比較例2>
<化合物(A)を電子輸送材料、(BH−2)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−975)を比較例の化合物(A)に替えた以外は実施例5と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.8Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は65時間であった。
<実施例9>
<化合物(ET−1060)を電子輸送材料、(BH−1)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−975)を化合物(ET−1060)、化合物(BH−2)を化合物(BH−1)に替えた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は4.5Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は210時間であった。
<比較例3>
<化合物(B)を電子輸送材料、(BH−1)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1060)を比較例の化合物(B)に替えた以外は実施例9と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は4.6Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は50時間であった。
<実施例10>
<化合物(ET−1060)を電子輸送材料、(BH−1)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−975)を化合物(ET−1060)、化合物(BH−2)を化合物(BH−1)に替えた以外は実施例5と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は4.5Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は210時間であった。
<比較例4>
<化合物(B)を電子輸送材料、(BH−1)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1060)を比較例の化合物(B)に替えた以外は実施例10と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は4.7Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は50時間であった。
下記表2は、上述した実施例1〜10および比較例1〜4に係る電界発光素子の試験結果をまとめたものである。
さらに実施例11〜13および比較例5〜7に係る電界発光素子を作製し、それぞれ、定電流駆動試験における駆動開始電圧(V)、初期輝度の95%以上の輝度を保持する時間(hr)の測定を行った。以下、実施例および比較例について詳細に説明する。
作製した実施例11〜13および比較例5〜7に係る電界発光素子における、各層の材料構成を下記表3に示す。なお、電子輸送層は下記表で挙げられた化合物と8−キノリノールリチウム(Liq)との混合物で形成した。
表3における各略号は表1におけるものと同じものを意味する。以下に、「BH−3」、化合物(C)および(D)の化学構造を示す。
<実施例11>
<化合物(ET−1038)を電子輸送材料、(BH−3)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置(真空機工(株)製)の基板ホルダーに固定し、HI−1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、HAT−CNを入れたモリブデン製蒸着用ボート、HT−1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、BH−3を入れたモリブデン製蒸着用ボート、BD1−44を入れたモリブデン製蒸着用ボート、化合物(ET−1038)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、Liqを入れたモリブデン製蒸着用ボート、マグネシウムを入れたタングステン製蒸着用ボート、銀を入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10−4Paまで減圧し、まず、HI−1が入った蒸着用ボートを加熱して膜厚40nmになるように蒸着し、さらにHAT−CNが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚5nmになるように蒸着することで2層からなる正孔注入層を形成し、次いで、HT−1が入った蒸着用ボートを加熱して膜厚25nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、BH−3が入った蒸着用ボートとBD1−44の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚20nmになるように蒸着して発光層を形成した。BH−3とBD−44の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に、化合物(ET−1038)の入った蒸着用ボートとLiqの入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚30nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。化合物(ET−1038)とLiqの重量比がおよそ1対1になるように蒸着速度を調節した。各層の蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
その後、Liqが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように0.01〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着した。次いで、マグネシウムの入ったボートと銀の入ったボートを同時に加熱して膜厚100nmになるように蒸着することにより陰極を形成し、有機EL素子を得た。このとき、マグネシウムと銀の原子数比が10対1で蒸着速度が0.1〜10nm/秒となるように調節した。
ITO電極を陽極、Liq/Mg+Ag電極を陰極として、1500cd/mの輝度が得られる電流密度で定電流駆動試験を実施した結果、駆動試験開始電圧は3.6Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は120時間であった。
<比較例5>
<化合物(C)を電子輸送材料、(BH−3)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1038)を比較例の化合物(C)に替えた以外は実施例11と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.9Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は75時間であった。
<実施例12>
<化合物(ET−1202)を電子輸送材料、(BH−1)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1038)を化合物(ET−1202)、および化合物(BH−3)を化合物(BH−1)に替えた以外は実施例11と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は4.3Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は40時間であった。
<比較例6>
<化合物(D)を電子輸送材料、(BH−1)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1202)を比較例の化合物(D)に替えた以外は実施例12と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は4.5Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は30時間であった。
<実施例13>
<化合物(ET−1202)を電子輸送材料、(BH−3)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1038)を化合物(ET−1202)に替えた以外は実施例11と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は4.5Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は140時間であった。
<比較例7>
<化合物(D)を電子輸送材料、(BH−3)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1202)を比較例の化合物(D)に替えた以外は実施例13と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は4.6Vで、初期輝度の95%(1425cd/m)以上の輝度を保持する時間は100時間であった。
下記表4は、上述した実施例11〜13および比較例5〜7に係る電界発光素子の試験結果をまとめたものである。
さらに実施例14〜17および比較例8に係る電界発光素子を作製し、それぞれ、定電流駆動試験における駆動開始電圧(V)、初期輝度の85%以上の輝度を保持する時間(hr)の測定を行った。以下、実施例および比較例について詳細に説明する。
作製した実施例14〜17および比較例8に係る電界発光素子における、各層の材料構成を下記表5に示す。なお、電子輸送層は下記表で挙げられた化合物と8−キノリノールリチウム(Liq)との混合物で形成した。
表5における各略号は表1におけるものと同じものを意味する。以下に、化合物(E)の化学構造を示す。
<実施例14>
<化合物(ET−1123)を電子輸送材料、(BH−1)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1038)を化合物(ET−1123)、および化合物(BH−3)を化合物(BH−1)に替えた以外は実施例11と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は4.3Vで、初期輝度の85%(1275cd/m)以上の輝度を保持する時間は125時間であった。
<実施例15>
<化合物(ET−1125)を電子輸送材料、(BH−1)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1123)を化合物(ET−1125)に替えた以外は実施例14と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.7Vで、初期輝度の85%(1275cd/m)以上の輝度を保持する時間は140時間であった。
<実施例16>
<化合物(ET−1126)を電子輸送材料、(BH−1)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1123)を化合物(ET−1126)に替えた以外は実施例14と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は3.8Vで、初期輝度の85%(1275cd/m)以上の輝度を保持する時間は125時間であった。
<実施例17>
<化合物(ET−1203)を電子輸送材料、(BH−1)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1123)を化合物(ET−1203)に替えた以外は実施例14と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は4.2Vで、初期輝度の85%(1275cd/m)以上の輝度を保持する時間は160時間であった。
<比較例8>
<化合物(E)を電子輸送材料、(BH−1)および(BD1−44)を青色発光材料に用いた素子>
化合物(ET−1123)を比較例の化合物(E)に替えた以外は実施例14と同様にして有機EL素子を得た。また、同様の試験を実施したところ、駆動試験開始電圧は4.4Vで、初期輝度の85%(1275cd/m)以上の輝度を保持する時間は100時間であった。
下記表6は、上述した実施例14〜17および比較例8に係る電界発光素子の試験結果をまとめたものである。
本発明の好ましい態様によれば、素子寿命を改善させた有機電界発光素子、それを備えた表示装置およびそれを備えた照明装置などを提供することができる。
100 有機電界発光素子
101 基板
102 陽極
103 正孔注入層
104 正孔輸送層
105 発光層
106 電子輸送層
107 電子注入層
108 陰極

Claims (29)

  1. 陽極および陰極からなる一対の電極と、
    該一対の電極間に配置された発光層と、
    前記陰極と該発光層との間に配置され、下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含む電子輸送層および/または電子注入層と
    を備えた有機電界発光素子。
    上記式(1)中、
    、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、R〜Rが同時に水素になることはなく、
    nは、1〜3の整数であり、
    、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜6のアルキル、炭素数3〜12のシクロアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであり、
    式(1)で表される化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよく、
    ただし、一般式(1)におけるビピリジン構造が2,2’−ビピリジン−5−イルである場合を除く
  2. 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジン構造からなる部位は、それぞれ独立して、下記式(Py−1)〜式(Py−6)のいずれかで表される基(R、R、R、Rおよびnは不図示)であり、
    、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、R〜Rが同時に水素になることはなく、
    nは、1〜3の整数であり、そして、
    は、水素、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであって、R、RおよびRは水素であり
    ただし、式(Py−1)で表される基のうち2,2’−ビピリジン−5−イルを除く、
    請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、下記式(Py−8)〜式(Py−18)のいずれかで表される基(R、R、R、Rおよびnは不図示)であり、
    、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、R〜Rが同時に水素になることはなく、
    nは、1〜3の整数であり、そして、
    は、水素、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであって、R、RおよびRは水素である、
    請求項1に記載の有機電界発光素子。
  4. 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−8)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
    、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、R〜Rが同時に水素になることはなく、
    nは、1の整数であり、そして、
    は、水素、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであって、R、RおよびRは水素である、
    請求項1に記載の有機電界発光素子。
  5. 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−8)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
    およびRは、共に水素であり、
    nは、1の整数であり、そして、
    は、水素、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであって、R、RおよびRは水素である、
    請求項1に記載の有機電界発光素子。
  6. 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−8)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
    およびRは、共に水素であり、
    nは、1の整数であり、そして、
    は、水素、炭素数1〜4のアルキル、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリルまたはナフチルであって、R、RおよびRは水素である、
    請求項1に記載の有機電界発光素子。
  7. 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−8)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
    およびRは、共に水素であり、
    nは、1の整数であり、そして、
    は、水素またはフェニルであって、R、RおよびRは水素である、
    請求項1に記載の有機電界発光素子。
  8. 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−8)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
    およびRは、共に水素であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
    nは、1の整数であり、そして、
    は、水素、炭素数1〜6のアルキルまたは炭素数6〜20のアリールであって、R、RおよびRは水素である、
    請求項1に記載の有機電界発光素子。
  9. 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−8)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
    およびRは、共に水素であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
    nは、1の整数であり、そして、
    は、水素、炭素数1〜4のアルキル、フェニル、ビフェニリル、テルフェニリルまたはナフチルであって、R、RおよびRは水素である、
    請求項1に記載の有機電界発光素子。
  10. 一般式(1)で表される化合物におけるビピリジンからなる部位は、それぞれ独立して、上記式(Py−8)〜式(Py−18)のいずれかで表される基であり、
    およびRは、共に水素であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキルであり、RおよびRが同時に水素になることはなく、
    nは、1の整数であり、そして、
    は、水素またはフェニルであって、R、RおよびRは水素である、
    請求項1に記載の有機電界発光素子。
  11. 一般式(1)で表される化合物が、下記式(ET−76)(ET−992)、(ET−1003)、(ET−1004)、(ET−1047)、(ET−1049)または(ET−1060)で表される化合物である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  12. 一般式(1)で表される化合物が、下記式(ET−1037)、(ET−1038)、(ET−1039)、(ET−1040)、(ET−1043)、(ET−1044)、(ET−1123)、(ET−1125)または(ET−1126)で表される化合物である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  13. 一般式(1)で表される化合物が、下記式(ET−1189)、(ET−1190)、(ET−1202)または(ET−1203)で表される化合物である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  14. 前記発光層が、少なくとも1つのアントラセン環を分子構造中に含む発光材料(BH)と、少なくとも1つのアリールまたはヘテロアリール置換のアミノ基を分子構造中に含む発光材料(BD)から構成される、請求項1ないし13のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  15. 前記発光材料(BH)が、下記一般式(2)で表されるアントラセン化合物を含む、請求項14に記載の有機電界発光素子。
    上記式(2)中、
    11〜R18は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜12のシクロアルキル、または炭素数6〜30のアリールであり、
    Ar11およびAr12は、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリールであり、
    nは1〜3の整数であり、nが2以上の場合は、角括弧内に示されるそれぞれのアントラセン構造が同じであっても異なっていてもよく、そして、
    式(2)で表されるアントラセン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
  16. 前記発光材料(BH)が、下記式(BH−1)、(BH−2)、(BH−3)、(BH−4)、(BH−5)、(BH−6)、(BH−7)、(BH−24)、(BH−25)、または(BH−28)で表される化合物を含む、請求項14に記載の有機電界発光素子。
  17. 前記発光材料(BD)が、アリール置換アミノ基が結合したベンゾフルオレン環を分子構造中に含む発光材料(BD1)である、請求項14に記載の有機電界発光素子。
  18. 前記発光材料(BD1)が、下記一般式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物を含む、請求項17に記載の有機電界発光素子。
    上記式(3)中、
    21およびR22は、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル、置換シリル、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリール、シアノ、またはフッ素であり、
    mおよびnは、それぞれ独立して1〜5の整数であり、
    23は、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、2つのR23が結合して環を形成していてもよく、そして、
    式(3)で表されるベンゾフルオレン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
  19. 前記発光材料(BD1)が、下記式(BD1−43)、(BD1−44)、(BD1−64)または(BD1−66)で表される化合物を含む、請求項17に記載の有機電界発光素子。
  20. 前記発光材料(BD)が、アリールまたはヘテロアリール置換のアミノ基が結合したピレン環を分子構造中に含む発光材料(BD2)である、請求項14に記載の有機電界発光素子。
  21. 前記発光材料(BD2)が、下記一般式(4)で表されるピレン化合物を含む、請求項20に記載の有機電界発光素子。
    上記式(4)中、
    31〜R38は、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、または置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、
    Ar31〜Ar34は、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、または置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、そして、
    式(4)で表されるピレン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
  22. 前記発光材料(BD2)が、下記式(BD2−1)、(BD2−17)、(BD2−36)、(BD2−53)、(BD2−54)または(BD2−57)で表される化合物を含む、請求項20に記載の有機電界発光素子。
  23. 前記発光材料(BD)が、アリールまたはヘテロアリール置換のアミノ基が結合したクリセン環を分子構造中に含む発光材料(BD3)から構成される、請求項14に記載の有機電界発光素子。
  24. 前記発光材料(BD3)が、下記一般式(5)で表されるクリセン化合物を含む、請求項23に記載の有機電界発光素子。
    上記式(5)中、
    40〜R49は、それぞれ独立して、水素、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、または置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、
    Ar41〜Ar44は、それぞれ独立して、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール、または置換されていてもよい環形成原子数5〜30のヘテロアリールであり、そして、
    式(5)で表されるクリセン化合物における少なくとも1つの水素が重水素で置換されていてもよい。
  25. 前記発光材料(BD3)が、下記式(BD3−17)、(BD3−33)、(BD3−38)、(BD3−53)、(BD3−57)または式(BD3−61)で表される化合物を含む、請求項23に記載の有機電界発光素子。
  26. 前記電子輸送層および電子注入層の少なくとも1つは、さらに、キノリノール系金属錯体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体、ボラン誘導体およびベンゾイミダゾール誘導体からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、請求項1ないし25のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  27. 前記電子輸送層および電子注入層の少なくとも1つは、さらに、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土類金属の有機錯体および希土類金属の有機錯体からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、請求項1ないし26のいずれかに記載する有機電界発光素子。
  28. 請求項1ないし27のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた表示装置。
  29. 請求項1ないし27のいずれかに記載する有機電界発光素子を備えた照明装置。
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