JP6221347B2 - 吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法 - Google Patents

吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法 Download PDF

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Description

本発明は、吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法に関する。
ガスタービンに供給される燃焼用空気は、大気中から吸気ダクトを経てガスタービンの圧縮機に取り込まれる。このような圧縮機では、外気温が上昇する夏期において、圧縮機に吸気される空気の質量が空気密度の低下に伴って減少し、圧縮比が低下してしまう。
そこで、圧縮機の吸気側にミストを噴射することで燃焼用空気を冷却する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4563489号公報
ところで、上述の燃焼用空気を冷却する技術においては、圧縮機の高い圧縮比を実現するために、吸気された空気の冷却効率を向上させることが望ましい。しかしながら、上記従来技術では、大気中から吸気口に取り込まれる空気の流れが考慮されていないため、吸気口から取り込まれる空気中にミストを均一に噴霧することができず、空気の冷却効率が十分とは言い難かった。そこで、吸気口に取り込まれる空気の流れを考慮してミストを噴射することで空気の冷却効率を向上させる新たな技術の提供が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、吸気口から取り込まれる空気にミストを均一に噴霧することで冷却効率を向上させることが可能な吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法を提供することを目的としている。
本発明の吸気冷却装置は、大気中から空気を吸気する複数の吸気口が設けられる吸気部と、前記吸気部により吸気された前記空気を圧縮機の吸気側へと導くダクトと、前記吸気部を平面視した際、前記吸気部における前記複数の吸気口が形成された吸気口形成領域の外縁部に対応する第1の前記吸気口の開口端若しくは前記開口端よりも外側であって、且つ前記吸気口形成領域よりも上流側に設けられて前記空気中にミストを噴射する噴射口を有する第1噴射ノズルと、前記吸気部を平面視した際、前記吸気部における前記吸気口形成領域と平面的に重なり且つ前記吸気口形成領域よりも上流側に設けられて前記空気中にミストを噴射する噴射口を有する第2噴射ノズルと、を備え、前記第1噴射ノズルは、前記噴射口を水平面に対して鉛直方向上方に傾けて設けられることを特徴とする。
本発明の吸気冷却装置によれば、第1の吸気口の開口端若しくは該開口端よりも外側に配置された第1噴射ノズルを備えるので、外側から巻き込むように第1の吸気口に吸気される空気中にミストを噴射することができる。これにより、他の吸気口と異なる流れで第1の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。また、第1の吸気口以外の吸気口に対して一様な流れで取り込まれる空気中に対しては、第2噴射ノズルからミストが噴射されるので、第1の吸気口以外の吸気口に吸気される空気中にミストを供給することができる。
したがって、吸気口形成領域に吸気される空気の全体にミストが均一に供給されるので、複数の吸気口から吸気される空気に十分な蒸発潜熱を生じさせ、高い冷却効率を得ることができる。
また、上記吸気冷却装置においては、前記第1噴射ノズル及び前記第2噴射ノズルの少なくとも一方は、前記吸気口形成領域の前記吸気口に吸気される前記空気の流れに逆らう方向に前記ミストを噴射するのが好ましい。
この構成によれば、第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルの少なくとも一方から空気の流れに逆らう方向にミストが噴射されるので、ミストの飛翔距離を延ばすことができる。よって、吸気口に到達するまでに空気中でミストを良好に蒸発させることができる。
また、上記吸気冷却装置においては、前記第2噴射ノズルは、前記ミストを噴射する噴射口を水平面に対して鉛直方向上方に傾けて設けられるのが好ましい。
この構成によれば、水平面に対して鉛直方向上方に向けて第2噴射ノズルからミストが噴射されるので、第2噴射ノズルから放射状に噴射されたミストにおける空気中での滞留時間を長くすることができる。よって、空気中でのミストの蒸発量を向上させることができる。
また、上記吸気冷却装置においては、前記吸気部は、前記複数の吸気口の少なくとも一部を区画する板状のルーバーを有し、前記第1噴射ノズル及び前記第2噴射ノズルの少なくとも一方は、前記ルーバーの面と平行な面と交差する面に前記噴射口が位置するように設置されているのが好ましい。
この構成によれば、吸気口を区画するルーバーを有するので、吸気部内に雨、雪、或いは風が入り込むのを防止できる。また、第1又は第2噴射ノズルの少なくとも一方がルーバーの面と交差する面内に設置されるので、噴射したミストがルーバー方向に拡がることでルーバーに付着させ易くすることができる。よって、ルーバーに付着したミストに空気が触れることでミストが蒸発することで空気をより一層効率的に冷却できる。
また、上記吸気冷却装置においては、前記第1噴射ノズルは、前記第2噴射ノズルよりも前記吸気口形成領域の近くに設けられているのが好ましい。
この構成によれば、空気を外側から巻き込むことで吸気口に向かう流速が相対的に低くなる領域に対し、第1噴射ノズルによって吸気口形成領域の近くからミストを供給することができる。これにより、ミストの飛翔距離を第2噴射ノズルにおけるミストの噴射領域に対して相対的に短くすることができる。よって、第1噴射ノズルから噴射されたミスト及び第2噴射ノズルから噴射されたミストにおける空気中での滞留時間を均一化できる。よって、吸気口形成領域に形成された複数の吸気口に吸気される空気の全域を均一に冷却することができる。
また、上記吸気冷却装置においては、前記吸気部の前記吸気口形成領域の外周を囲んだ状態に設けられ、前記吸気口側から前記上流側に向かって前記吸気口形成領域に前記空気を取り込む開口部の大きさを漸次拡大させるホーン形状の吸気用ホーン部材を備え、前記第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルは、前記吸気用ホーン部材によって囲まれた空間内において前記ミストを噴射するのが好ましい。
この構成によれば、吸気用ホーン部材を吸気口に対する風よけとして機能させることで空気を吸気口に対して効率良く取り込むことができる。また、吸気用ホーン部材は、吸気口側から上流側に向かって開口部の大きさを漸次拡大した形状を有するため、吸気口形成領域よりも広い空間でミストが散布されることとなり、ミストの蒸発効率が向上する。また、吸気用ホーン部材により区画された広角側の空間では、空気の流速が相対的に遅くなるので、ミストの滞留時間が長くなることでミストの蒸発効率を向上できる。また、上記風よけ効果によりミストの蒸発効率を向上させることができる。
また、上記吸気冷却装置においては、前記第1噴射ノズルは、前記吸気用ホーン部材に支持されるのが好ましい。
この構成によれば、吸気用ホーン部材を第1噴射ノズルの支持部材として兼用することができる。よって、装置構成の部品点数を少なくすることができ、装置の小型化及び低コスト化を実現できる。また、吸気用ホーン部材が第1噴射ノズルを支持するため、該第1噴射ノズルにおけるミストの噴射方向を所定方向に簡便且つ確実に調整することができる。
また、本発明のガスタービンプラントは、吸気した空気を圧縮し、圧縮空気を生成する圧縮機と、前記圧縮空気を用いて燃焼ガスを生成する燃焼器と、前記燃焼ガスによって動力を発生するガスタービンと、前記圧縮機の吸気側に供給される空気を冷却する吸気冷却部と、を備え、前記吸気冷却部が、上記の吸気冷却装置により構成されることを特徴とする。
本発明のガスタービンプラントによれば、上記吸気冷却装置から構成された吸気冷却部を備えるので、圧縮機に導かれる空気の冷却効率を向上させることで出力を向上させることができる。
また、本発明の吸気冷却方法は、大気中から吸気された空気を冷却して圧縮機の吸気側へと導く吸気冷却方法であって、前記空気を吸気する複数の吸気口よりも上流側において、前記複数の吸気口が形成された吸気口形成領域の外縁部に対応する第1の前記吸気口の開口端、若しくは前記開口端よりも外側に設けられた第1噴射ノズルからミストを前記空気中に噴射するとともに、前記吸気口形成領域と平面的に重なる位置に設けられた第2噴射ノズルから前記ミストを前記空気中に噴射するミスト噴射工程を備え、前記ミスト噴射工程において、前記第1噴射ノズルのミスト噴射口を水平面に対して鉛直方向上方に傾けた状態とすることを特徴とする。
本発明の吸気冷却方法によれば、第1の吸気口の開口端若しくは該開口端よりも外側に配置された第2噴射ノズルによって、外側から巻き込むように第1の吸気口に吸気される空気中にミストを噴射することができる。これにより、他の吸気口と異なる流れで第1の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。また、第1の吸気口以外の吸気口に対して一様な流れで取り込まれる空気中に対しては、第1噴射ノズルからミストが噴射されるので、第1の吸気口以外の吸気口に吸気される空気中にミストを供給することができる。
したがって、吸気口形成領域に吸気される空気の全体にミストが均一に供給されるので、複数の吸気口から吸気される空気に十分な蒸発潜熱を生じさせ、高い冷却効率を得ることができる。
また、上記吸気冷却方法においては、前記ミスト噴射工程において、前記第1噴射ノズル及び前記第2噴射ノズルの少なくとも一方は、前記吸気口形成領域の前記吸気口に吸気される前記空気の流れに逆らう方向に前記ミストを噴射するのが好ましい。
この構成によれば、第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルの少なくとも一方から空気の流れに逆らう方向にミストが噴射されるので、ミストの飛翔距離を延ばすことができる。よって、吸気口に到達するまでに空気中でミストを良好に蒸発させることができる。
また、上記吸気冷却方法においては、前記ミスト噴射工程において、前記第1噴射ノズルのミスト噴射口を水平面に対して鉛直方向上方に傾けた状態とするのが好ましい。
この構成によれば、水平面に対して鉛直方向上方に傾いた方向に第1噴射ノズルからミストが噴射されるので、第1噴射ノズルから放射状に噴射されたミストにおける空気中での滞留時間を長くすることができる。よって、空気中でのミストの蒸発量を向上させることができる。
また、上記吸気冷却方法においては、前記ミスト噴射工程において、前記第2噴射ノズルは、前記第1噴射ノズルよりも前記吸気口形成領域に近い位置から前記ミストを噴射するのが好ましい。
この構成によれば、空気を外側から巻き込むことで吸気口に向かう流速が相対的に低くなる領域に対し、第2噴射ノズルによって吸気口形成領域の近くからミストを供給することができる。これにより、ミストの飛翔距離を第1噴射ノズルにおけるミストの噴射領域に対して相対的に短くすることができる。よって、第1噴射ノズルから噴射されたミスト及び第2噴射ノズルから噴射されたミストにおける空気中での滞留時間を均一化できる。よって、吸気口形成領域に形成された複数の吸気口に吸気される空気の全域を均一に冷却することができる。
また、上記吸気冷却方法においては、前記ミスト噴射工程において、前記吸気部の前記吸気口形成領域の外周を囲んだ状態に設けられ、前記吸気口側から前記上流側に向かって前記吸気口形成領域に前記空気を取り込む開口部の大きさを漸次拡大させるホーン形状の吸気用ホーン部材を用いるのが好ましい。
この構成によれば、吸気用ホーン部材を吸気口に対する風よけとして機能させることで空気を吸気口に対して効率良く取り込むことができる。また、吸気用ホーン部材は、吸気口側から上流側に向かって開口部の大きさを漸次拡大した形状を有するため、吸気口形成領域よりも広い空間でミストが散布されることとなり、ミストの蒸発効率が向上する。また、吸気用ホーン部材により区画された広角側の空間では、空気の流速が相対的に遅くなるので、ミストの滞留時間が長くなることでミストの蒸発効率が向上する。また、上記風よけ効果によりミストの蒸発効率を向上させることができる。
本発明によれば、吸気口から取り込まれる空気にミストを均一に噴霧することで冷却効率を向上させることが可能な吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法を提供する。
第1実施形態に係るガスタービンプラントの概略構成を示す図。 第1実施形態に係る吸気冷却装置空気取入口に対する空気の流れのシミュレーション結果を概念的に示した図。 第1実施形態に係る吸気用建屋と噴射ノズルとの配置関係を示す平面図。 第1実施形態に係る噴射ノズルによって噴射されたミストの流れを概念的に示す図。 第1実施形態に係る吸気冷却装置の要部構成を示す断面図。 第2実施形態に係る吸気用建屋と噴射ノズルとの配置関係及びミストの流れを概念的に示した図。 第3実施形態に係る吸気用建屋と噴射ノズルとの配置関係及びミストの流れを概念的に示した図。 第4実施形態に係る吸気用建屋と噴射ノズルとの配置関係を概念的に示した図。 第5実施形態に係るガスタービンプラントの概略構成を示す図。 第5実施形態に係る吸気冷却装置の要部構成を示す断面図。 第5実施形態の変形例に係る構成を示す図。 第6実施形態に係るガスタービンプラントの要部構成を示す図。
以下、本発明の吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法に係る一実施例について図面を参照して説明する。なお、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るガスタービンプラントの概略構成を示す図である。
ガスタービンプラント1は、図1に示すように、圧縮空気を生成する圧縮機2と、圧縮機2で生成された圧縮空気を用いて燃焼ガスを生成する燃焼器3と、燃焼器3で生成された燃焼ガスによって動力を発生するガスタービン4と、吸気冷却装置10と、を備える。ガスタービン4は、発電機5に連結されており、ガスタービン4で発生した動力が発電機5により電力に変換されるようになっている。
吸気冷却装置10は、外部(大気中)から空気を取り込む吸気用建屋(吸気部)11と、該吸気用建屋11に連通し、外部から取り込んだ空気を圧縮機2の吸気側へと導く吸気ダクト(ダクト)12と、吸気用建屋11よりも上流側に配置され、ミストを噴射する複数の噴射ノズル13と、を備えている。なお、吸気用建屋11は、ガスタービンプラント1の設備の一部を構成するものである。
吸気用建屋11は立方体形状からなる建屋であり、6つの壁面を有している。吸気用建屋11は、外気を吸気するための吸気面を3つの壁面に有している。本実施形態において、吸気用建屋11は、XZ面に平行な2面のうち上流側の壁面11a、及びZY平面に平行な2面である壁面11b、11cに、吸気面をなす吸気口形成領域20がそれぞれ設けられている。各壁面11a、11b、11cにおける吸気口形成領域20は、大気中に開口された複数の取入口ユニットAを含む。本実施形態において、各取入口ユニットAは、例えば、4つの空気取入口21から構成されており、平面視矩形状を呈する。このような構成に基づき、吸気用建屋11は、3つの壁面11a、11b、11cに形成された上記吸気口形成領域20(空気取入口21)から大気中から空気を内部に形成された吸気室14内に導入することが可能とされている。なお、吸気室14の流路断面積は吸気ダクト12よりも大きい。
本実施形態において、吸気用建屋11の壁面11a、11b、11cには、複数の空気取入口21の少なくとも一部、例えば、複数の上記取入口ユニットAを区画するルーバー22が突出した状態に形成されている。ルーバー22は、各壁面11a、11b、11cに対し、Z方向に亘って延びる長板状の部材から構成される。本実施形態において、壁面11aには、6つのルーバー22がX方向に沿って設置され、壁面11b、11cには、2つのルーバー22がY方向に沿って設置されている。すなわち、本実施形態においては、壁面11aにおける上記吸気口形成領域20は、ルーバー22により7つの領域に区画され、壁面11b、11cにおける上記吸気口形成領域20は、ルーバー22により3つの領域に区画されている。壁面11a、11b、11cに形成された上記吸気口形成領域20のうちルーバー22により区画された各領域には、それぞれ取入口ユニットAが3つずつ配置されている。なお、ルーバー22の数は、吸気用建屋11の大きさ、空気取入口21(取入口ユニットA)の大きさ或いは数によって適宜設定され、本実施形態に限定されない。
ルーバー22は、吸気用建屋11の空気取入口21への雨や雪が直接的に入り込むのを防止するためのものである。このように吸気用建屋11は、ルーバー22を備えることで、空気取入口21に吸気した空気を効率的に取り込むことが可能とされている。また、ルーバー22は、後述のように噴射ノズル13から噴射されて空気中に残留したミストを捕捉する捕捉部材としても機能する。
噴射ノズル13は、吸気用建屋11の周囲に配置されている。噴射ノズル13は、空気取入口21に取り込まれる空気中に例えば水などの液体をミスト状としたミストMをミスト噴射口13aから噴射するものである。
ところで、ガスタービンプラント1において圧縮機2の高い圧縮比を実現するためには、吸気冷却装置10による冷却効率を向上させることが重要である。ここで、吸気冷却装置10による冷却効率は、噴射ノズル13から噴射されたミストMの量に対して、蒸発するミストMの量の割合により規定される。すなわち、吸気冷却装置10による冷却効率を向上させるためには、噴射ノズル13から噴射したミストMの蒸発量を増大させる必要がある。
本発明者らは、ミストMの蒸発量を増大させるべく、空気取入口21に対する空気の流れを考慮してミストを噴射することに着目した。以下の説明では、壁面11aに形成された空気取入口21を例に挙げて説明するが、壁面11b、11cに形成された空気取入口21についても同様のシミュレーション結果が得られていることからその詳細については省略する。
図2は、空気取入口21に対する空気の流れのシミュレーション結果を概念的に示した図であって、図2(a)は壁面11aに形成された吸気口形成領域20の空気取入口21に対する空気の流れをX軸方向から視た場合のシミュレーション結果を示すものであり、図2(b)は壁面11aに形成された吸気口形成領域20の空気取入口21に対する空気の流れをZ軸方向から視た場合のシミュレーション結果を示すものである。なお、以下の説明において便宜上、壁面11aに形成された吸気口形成領域20の鉛直方向(Z方向)の上方から下方に配置される取入口ユニットAをこの順に、取入口ユニットAz1、Az2、Az3と称すこともある。また、壁面11aに形成された吸気口形成領域20の水平方向(X方向)の一方側(−X側)から他方側(+X側)に配置される取入口ユニットAをこの順に、Ax1、Ax2、Ax3と称すこともある。
図2(a)に示されるように、吸気口形成領域20の鉛直方向上方(+Z方向)の外縁部に配置される取入口ユニットAz1(空気取入口21)には、空気取入口21に対して外側から巻き込むような空気の流れK1が生じることが確認できた。このような空気の流れK1は、例えば、吸気用建屋11の外側の空気が相対的に圧力の低い空気取入口21に向かって流れ込むことで生じたものと考えられる。一方、外縁部に配置される取入口ユニットAz1とは別、すなわち鉛直方向下方側に設置される取入口ユニットAz2、Az3には、+Y方向に沿って一様な空気の流れK2が生じることが確認できた。このように壁面11aに形成された吸気口形成領域20においては、鉛直方向における取入口ユニットAの位置によって異なる空気の流れK1、K2が生じることが確認できた。
また、吸気口形成領域20の水平方向(X方向)においても同様の現象が生じている。具体的に、図2(b)に示されるように、吸気口形成領域20の水平方向(X方向)の両外縁部に配置された取入口ユニットAx1、Ax3(空気取入口21)にも、外側から巻き込むような空気の流れK1が生じることが確認できた。一方、取入口ユニットAx1とは別の取入口ユニットAx2には、+Y方向に沿った一様な空気の流れK2が生じることが確認できた。
そのため、例えば、取入口ユニットAz1は、該取入口ユニットAz1に対向する位置からミストを噴射したとしても、ミストを含む空気が下方の取入口ユニットAz2、Az3に流れ込んでしまい、取入口ユニットAz1に取り込まれる空気中に十分な量のミストを供給することができない。
また、例えば、取入口ユニットAx1、Ax3は、該取入口ユニットAx1、Ax3に対向する位置からミストを噴射した場合、ミストを含む空気が中央の取入口ユニットAx2に流れ込んでしまい、取入口ユニットAz1に取り込まれる空気中に十分にミストを供給することができない。
このように吸気口形成領域20においては、取入口ユニットAの位置によって空気の流れK1、K2が異なっていることから、空気中に噴射されるミスト量が部分的に異なってしまっていた。そのため、吸気口形成領域20に吸気される空気を効果的に冷却することができず、結果的に冷却効率が低下しまっていた。なお、このような現象は、壁面11b、11cに形成された空気取入口21についても同様であって、取入口ユニットAの位置によって空気の流れK1、K2が異なっている。
このような問題に対し、本実施形態に係る吸気冷却装置10は、噴射ノズル13が第1噴射ノズル13Aと第2噴射ノズル13Bとを含む構成を採用する事で上記問題を解決するようにしている。
図3は、本実施形態に係る吸気冷却装置10における吸気用建屋11と噴射ノズル13との配置関係を示す平面図である。図4は、噴射ノズル13によって噴射されたミストの流れを概念的に示した図である。具体的に、図4(a)は壁面11aに形成された吸気口形成領域20の空気取入口21に対するミストの流れをX軸方向から視た場合のシミュレーション結果を示すものであり、図4(b)は壁面11aに形成された吸気口形成領域20の空気取入口21に対するミストの流れをZ軸方向から視た場合のシミュレーション結果を示すものである。
なお、図3、4は、壁面11aと噴射ノズル13との配置例を示すものである。以下の説明では、図3、4を参照し、壁面11aに対する噴射ノズル13の配置を説明するが、壁面11b、11cに対する噴射ノズル13の配置についても図1に示されるように同様の条件に基づいてなされたものであることからその詳細については省略する。
図3に示されるように、第1噴射ノズル13Aは、吸気用建屋11を平面視、すなわち壁面11aを平面視した場合において、吸気口形成領域20の外縁部に対応する空気取入口21a(第1の吸気口)の開口端、すなわち該空気取入口21aを含む取入口ユニットAz1、Ax1の開口端よりも外側且つ吸気口形成領域20よりも上流側(外気の導入方向における上流側)に設置されている。なお、吸気口形成領域20の外縁部に対応する空気取入口21aとは、図3においてハッチングで示される領域の空気取入口21をいう。本実施形態においては、第1噴射ノズル13Aを上記空気取入口21aの開口端の外側に配置したが、第1噴射ノズル13Aは開口端上に設置されていてもよい。
また、第2噴射ノズル13Bは、壁面11aを平面視した場合において、吸気口形成領域20と平面的に重なる位置であり、且つ吸気口形成領域20よりも上流側(外気の導入方向における上流側)に設置されている。本実施形態において、第2噴射ノズル13Bは、例えば、取入口ユニットAの中央部に対応する位置に配置されている。なお、第1噴射ノズル13A及び第2噴射ノズル13B(以下、これらを総称してノズル13A、13Bと称す場合もある)の個数は、該ノズル13A、13Bから噴射されるミストMの拡散範囲を考慮して決定されることが好ましい。本実施形態において、ノズル13A、13Bは、ミスト噴射口13aを吸気方向と180度反対方向(+Y方向)に向けるように配置されている。
本実施形態において、ルーバー22は、YZ面に平行な面を有する板状部材から構成されている。また、複数のノズル13A、13Bは、例えば、板状のルーバー22の面と平行な面内に設置されている。すなわち、複数のノズル13A、13BはYZ面と平行な面内に設置されている。なお、ノズル13A、13Bとルーバー22との位置関係は上記に限定されない。例えば、ノズル13A、13Bは、ルーバー22の面と平行な面(YZ面へ平行な面)と交差する面にミスト噴射口が位置するように設置してもよい。この場合、噴射したミストMがルーバー22に向かって拡散することでルーバー22に付着させ易くなる。ルーバー22に付着したミストMは、ルーバー22間を通り抜けて空気取入口21に吸気される空気に触れることで蒸発する。よって、空気取入口21に吸気される空気をより一層効率的に冷却することが可能となる。
ノズル13A、13Bには、噴射される液体を該ノズル13A、13Bに供給するための配管15が接続されており、該配管15を介してポンプ16によって液体がタンク17から噴射ノズル13に供給されるようになっている。なお、ノズル13A、13Bからの液体の噴射量は、外気温および湿度に応じて調節される。ノズル13A、13Bは、上記配管15に取り付けられることで上記所定位置(空気取入口21aの開口端よりも外側、或いは吸気口形成領域20と平面的に重なる位置)に設置されている。なお、配管15は、例えば、不図示の領域において吸気用建屋11から延びる固定部材に固定されていても良いし、吸気用建屋11とは別の固定部材を介して設置されていてもよい。
なお、ノズル13A、13Bから噴射されるミストMの平均粒径は、極力小さい方が好ましいが、相対的に大きなものであってもよい。ミストの平均粒径の具体例として20μm以上50μm以下を例示できる。このようにミストMの平均粒径を50μm以下とすれば、ミストMの蒸発を促進して、空気の冷却効率を向上させることが可能である。一方、平均粒径が20μm未満となる場合、極細なミストとなる。そのため、このような極細ミストを得るためには特別仕様の高価なミスト生成器が必要となってしまい、コストが嵩んでしまう。これに対し、平均粒径が20μm以上のミストMとすれば、廉価なミスト生成器として噴射ノズル13(ノズル13A、13B)を利用可能となるので、吸気冷却装置10の低コスト化を図ることが可能である。
図4(a)、(b)に示すように、取入口ユニットAz1、Ax1、Ax3の開口端よりも外側に配置された第1噴射ノズル13Aから噴射されたミストMは、吸気口形成領域20の外側から巻き込む流れK1の空気中に良好に取り込まれることで取入口ユニットAz1、Ax1、Ax3(空気取入口21)に吸気されるまでの間に概ね蒸発する。これにより、取入口ユニットAz1、Ax1、Ax3に取り込まれる空気は、ミストMが蒸発した際の蒸発潜熱(気化熱)により冷却される。
一方、吸気口形成領域20と平面的に重なる位置に配置された第2噴射ノズル13Bから噴射されたミストMは、図4(a)、(b)に示すように、+Y方向に沿って一様な空気の流れK2に良好に取り込まれることで取入口ユニットAz2、Az3、Ax2(空気取入口21)に吸気されるまでの間に概ね蒸発する。これにより、取入口ユニットAz2、Az3、Ax2に取り込まれる空気は、ミストMが蒸発した際の蒸発潜熱(気化熱)により冷却される。
以上のように、本実施形態に係る吸気冷却装置10によれば、空気取入口21の位置によって空気の流れK1、K2が異なる場合であっても、第1噴射ノズル13A及び第2噴射ノズル13Bを含む噴射ノズル13を備えることで、空気中の全体に亘ってミストを均一に供給することが可能とされている。
図5は、吸気冷却装置10の要部構成を示す断面図である。
図5に示すように、吸気冷却装置10は、吸気室14(吸気用建屋11)内に設けられたフィルタ部材(捕捉部材)18と、塵埃フィルタ部材19と、を有している。
フィルタ部材18は、吸気室14の壁面に設けられ、噴射ノズル13から噴射されたミストMのうちルーバー22に付着することなく、且つ蒸発せずに空気に同伴して飛翔してくるものを捕集するためのものである。フィルタ部材18としては、例えば、長繊維グラスファイバ製パッドを用いることが好ましい。これによれば、フィルタ部材18の内部に捕集したミストMをより多く保持して、フィルタ部材18内におけるミストMの蒸発によって空気をより一層効率的に冷却できる。なお、フィルタ部材18は、従来のエバポレーティブクーラに用いられている冷却メディアであってもよく、特に限定されない。
塵埃フィルタ部材19は、吸気室14内から吸気した空気中の塵埃を除去するためのものである。なお、塵埃フィルタ部材19は、フィルタ部材18の下流側に設けられるのが好ましい。これによれば、塵埃を除去するための塵埃フィルタ部材19にミストが到達する前にフィルタ部材18によってミストMを捕捉できるので、塵埃フィルタ部材19がミストMで濡れることで捕集した塵埃が膜を形成し、圧力損失が上昇してしまうといった不具合の発生を防止することが可能である。
なお、塵埃フィルタ部材19としては、例えば、以下に示す3つのタイプのいずれかを用いることができる。第1のタイプは、中性能フィルタが1つ設けられたものである。第2のタイプは、中性能フィルタと、中性能フィルタの下流側にこれと所定距離を隔てて設けられたHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air filter)とからなる。第3のタイプは、中性能フィルタと、中性能フィルタの下流側にこれと所定距離を隔てずに一体化して設けられたHEPAフィルタとからなる。
なお、上記フィルタ部材18は、複数(例えば、2つ)の部材から構成されていても良い。この場合において、一方のフィルタ部材18を吸気室14内のうち塵埃フィルタ部材19の上流側であって空気取入口21に近い側(以下、上流側と称す場合もある)に設置し、他方のフィルタ部材18を吸気室14内のうち塵埃フィルタ部材19の上流側であって該塵埃フィルタ部材19に近い側(以下、下流側と称す場合もある)に設置すればよい。
また、上流側に設置されるフィルタ部材18は、下流側に配置されるフィルタ部材18よりも目の粗い濾材からなるものを用いるのが好ましい。このようにすれば、例えば、空気中に噴射されたミストMがルーバー22に付着することなく、且つ蒸発せずに空気取入口21内に入り込んでしまった場合であっても、空気中に残存した比較的大粒径のミストMを、上流側のフィルタ部材18で予め捕集することが可能となり、上流側のフィルタ部材18で捕集されずに飛翔してきた小粒径のミストMを下流側のフィルタ部材18で確実に捕集する事が可能となる。よって、圧縮機2側へのミストMの入り込みによる圧縮効率の低下をより確実に防止することができる。
続いて、上記構成を備えるガスタービンプラント1の動作について説明するとともに、本発明の吸気冷却方法の一実施例についても説明する。
ガスタービンプラント1は、吸気冷却装置10により吸気された空気を圧縮機2によって圧縮し、該圧縮機2で生成された圧縮空気を用いて燃焼器3により燃焼ガスを生成し、該燃焼器3で生成した燃焼ガスによってガスタービン4を回転させる。そして、ガスタービン4で発生した動力を発電機5により電力に変換する。
吸気冷却装置10は、取入口ユニットAz1、Ax1、Ax3の開口端よりも外側に配置された第1噴射ノズル13AからミストMを大気中に噴射する。これにより、第1噴射ノズル13Aから噴射されたミストMは、吸気口形成領域20の外側から巻き込む流れK1の空気中に良好に取り込まれることで下流側に進む。空気の流れK1に取り込まれたミストMは、取入口ユニットAz1、Ax1、Ax3(空気取入口21)に吸気されるまでの間に概ね蒸発するので、多量の蒸発潜熱が空気から奪われ、空気の冷却効率を向上させることができる。
また、吸気冷却装置10は、吸気口形成領域20と平面的に重なる位置に配置された第2噴射ノズル13BからミストMを大気中に噴射する。これにより、第2噴射ノズル13Bから噴射されたミストMは、一様な流れK2の空気中に良好に取り込まれることで下流側に進む。一様な流れK2の空気中に取り込まれたミストMは、取入口ユニットAz2、Az3、Ax2(図4参照)の空気取入口21に入り込むまでの間に概ね蒸発するので、多量の蒸発潜熱が空気から奪われ、空気の冷却効率を向上させることができる。
このように本実施形態によれば、吸気口形成領域20に吸気される空気であって、異なる流れK1、K2を含むことで不均一な流れの空気中にミストMを均一に供給することができる。よって、複数の空気取入口21から吸気される空気の全体に十分な蒸発潜熱を生じさせることで高い冷却効率を得ることができる。
また、吸気冷却装置10は、ルーバー22を備えるので、空気取入口21内に雨、雪、或いは風が直接的に入り込むのを防止することができる。また、噴射ノズル13から噴射されたミストMの一部は、ルーバー22に付着することで捕捉される。すなわち、ルーバー22は、ミストMの一部を捕捉する捕捉部材として機能する。ルーバー22に付着したミストMは、ルーバー22間を通り抜けて空気取入口21に吸気される空気に触れることで蒸発する。よって、空気取入口21に吸気される空気をより一層効率的に冷却することが可能となる。
また、吸気冷却装置10は、噴射ノズル13の下流側にフィルタ部材18が設けられているので、例えば、空気中に噴射されたミストMがルーバー22に付着することなく、且つ蒸発せずに空気取入口21内に入り込んでしまった場合であっても、空気中に残存したミストMをフィルタ部材18によって捕捉することができる。よって、空気がフィルタ部材18を通過する際に該フィルタ部材18に捕捉されたミストMを蒸発させることで空気の冷却効率を高めつつ、圧縮機2側にミストMが入り込むことによって圧縮効率が低下するといった不具合の発生を防止することができる。
また、吸気冷却装置10は、塵埃フィルタ部材19を備えるので、吸気室14内から吸気した空気中に含まれた塵埃を確実に除去することができる。よって、塵埃が圧縮機2側に導かれることで圧縮効率が低下するといった不具合の発生が防止される。
以上述べたように、本実施形態に係るガスタービンプラント1によれば、上記吸気冷却装置10を備えることで圧縮機2に導かれる空気の冷却効率が向上するので、高い出力を得ることができる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態との違いは、噴射ノズル13の配置、すなわち、ミストMの噴射方向である。そのため、以下では、噴射ノズル13の配置を主体に説明し、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
図6は第2実施形態における吸気用建屋11と噴射ノズル13との配置関係、及び該噴射ノズル13によって噴射されたミストの流れを概念的に示した図である。具体的に、図6(a)は壁面11aに形成された吸気口形成領域20の空気取入口21に対して噴射ノズル13から噴射されたミストの流れをX軸方向から視た図であり、図6(b)は壁面11aに形成された吸気口形成領域20の空気取入口21に対して噴射ノズル13から噴射されたミストの流れをZ軸方向から視た図である。なお、以下の説明では、図6を参照し、壁面11aに対する噴射ノズル13の配置を説明するが、壁面11b、11cに対する噴射ノズル13の配置についても上記実施形態のように同様のことが言えることからその詳細については省略する。
本実施形態においては、図6(a)、(b)に示すように、ノズル13A、13Bが吸気方向(+Y方向)と180度反対方向(−Y方向)にミスト噴射口13aを向けるように設置(以下、逆方向設置と称す場合もある)されている。すなわち、本実施形態において、ノズル13A、13Bは、吸気口形成領域20に吸気される空気の流れK1、K2に逆らう方向にミストMを噴射するようにしている。
このように逆方向設置のノズル13A、13Bから噴射されたミストMは、はじめは空気の流れ方向(吸気方向)とは反対方向に進むが、やがて空気の流れに抗することができなくなり、最終的には空気に同伴して下流側へと運ばれる。そのため、第1実施形態のように吸気方向(+Y方向)にミスト噴射口を向けるように設置(以下、順方向設置と称す場合もある)した場合に比べてミストMの飛翔距離が長くなり、結果的にミストMが蒸発するまでの時間を稼ぐことができる。ここで、ミストMの飛翔距離とは、ノズル13A、13Bから噴射されたミストMがノズル13A、13Bの下流側の所定位置に達するまでに進んだ合計距離である。
本実施形態によれば、吸気口形成領域20に吸気される空気の流れに逆らう逆方向設置されたノズル13A、13Bを備えるので、上記第1実施形態に比べて、空気中に噴射したミストMの飛翔距離を延ばすことで空気中に噴射したミストMをより効率良く蒸発させることができる。よって、空気の冷却効率をより向上させることができる。
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態と第1、第2実施形態との違いは、ノズル13A、13BにおけるミストMの噴射方向である。そのため、以下では、ミストMの噴射方向を主体に説明し、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
図7は第3実施形態における吸気用建屋11と噴射ノズル13との配置関係、及び該噴射ノズル13によって噴射されたミストの流れを概念的に示した図である。具体的に、図7(a)は図6(a)に対応するものであって、ノズル13A、13Bのミスト噴射方向を異ならせた図であり、図7(b)は図6(b)に対応するものであって、ノズル13A、13Bのミスト噴射方向を異ならせた図である。なお、以下の説明では、図7を参照し、壁面11aに対する噴射ノズル13の配置を説明するが、壁面11b、11cに対する噴射ノズル13の配置についても上記実施形態のように同様のことが言えることからその詳細については省略する。
本実施形態においては、図7(a)、(b)に示すように、第2噴射ノズル13Bが鉛直方向上方(+Z方向)、且つ、吸気方向(+Y方向)と反対側(−Y方向)であって水平面から例えば45度傾けてミスト噴射口13aを設置(以下、逆斜め上方設置と称す場合もある)されている。また、本実施形態において、噴射ノズル13に液体を供給する配管15は、例えば、該噴射ノズル13におけるノズル噴射口13aと反対側であって、且つX方向に沿って設置されている。また、第1噴射ノズル13Aは、取入口ユニットAz1(空気取入口21)に対して流れ込む空気の流れK1に完全に逆らう方向、すなわち真逆方向に向けてミスト噴射口13aを向けるように設置されている。
このように逆斜め上方設置の第2噴射ノズル13Bから噴射されたミストMは、はじめは空気の流れ方向(吸気方向)とは反対方向に進むが、やがて空気の流れに抗することができなくなり、最終的には空気に同伴して下流側へと運ばれる。ここで、第2噴射ノズル13Bから噴射されたミストMは放射状に拡がる。ミストMは非常に微細な霧状からなるものであるが、少なからず重力の影響を受ける。そのため、鉛直方向下方側に拡がったミストMは、重力の影響により下方に早く落下してしまい、蒸発する前に地面等に付着してしまう可能性がある。
これに対し、逆斜め上方設置による第2噴射ノズル13Bから噴射されたミストMは、ミスト噴射口13aが上方を向くように設置されるため、ミストMの拡散領域が全域に亘って鉛直方向上方に調整される。これにより、鉛直方向下方側に拡がることで蒸発することなく地面等に付着していたミストMを水平面よりも上方に向けて噴射することができる。よって、第2噴射ノズル13Bから放射状に噴射されたミストMは、ミスト噴射口13aよりも上方に全体が拡散するため、空気に同伴して下流側へと良好に運ばれる。そのため、ミストMが蒸発することなく地面等に付着してしまうのを抑制することができる。
第2噴射ノズル13Bは、配管15Aに対して吸気方向の上流側にミストM1を噴射する。配管15Aは、ノズル13Aよりも大きいため、噴射したミストM1の一部が付着するおそれがある。
これに対し、本実施形態においては、第2噴射ノズル13Bのミスト噴射口13aが上方を向くことで該ミスト噴射口13aの反対側に設置された配管15を鉛直方向下方に位置させることで配管15にミストMを付着させ難くすることができる。
本実施形態によれば、第2噴射ノズル13Bを逆斜め上方設置することで、より多くのミストMを空気中に滞留させることで蒸発量を多くすることができるため、結果的に冷却温度を向上させることができる。
また、第1噴射ノズル13Aについても、ミスト噴射口13aを空気の流れK1と真逆方向に設置しているため、該第1噴射ノズル13Aから噴射したミストMの飛翔距離を上記第2実施形態よりも長くすることができる。よって、空気中に噴射したミストMを効率よく蒸発させることで空気の冷却効率をより向上させることができる。
なお、本実施形態では、第2噴射ノズル13Bにおける逆斜め上方設置の一例として、ミスト噴射口13aを水平面から斜め上方にミスト噴射口を45度だけ傾けるように設置する場合を例に挙げたが、第2噴射ノズル13Bの設置角度(傾斜角度)はこれに限定されない。第2噴射ノズル13Bは、空気取入口21と反対側、且つ、鉛直方向上方に、ミストMの噴射口を向ける傾斜された状態に設置されていればよい。したがって、第2噴射ノズル13Bの水平面に対する傾斜角度は、0度よりも大きく90度以下の範囲に設定されていれば冷却効率の向上を図ることが可能である。換言すると、第2噴射ノズル13Bは、水平面に対して斜め上方に僅かでも傾いて設置されていればよい。
(第4実施形態)
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態と上記第1実施形態との違いは、噴射ノズル13の設置方法である。そのため、以下では、噴射ノズル13の設置方法を主体に説明し、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
図8は第4実施形態における吸気用建屋11とノズル13A、13Bとの配置関係を概念的に示した図である。具体的に、図8(a)は壁面11aに形成された吸気口形成領域20に対するノズル13A、13Bの設置状態をX軸方向から視た図であり、図8(b)は壁面11aに形成された吸気口形成領域20に対するノズル13A、13Bの設置状態をZ軸方向から視た図である。なお、以下の説明では、図8を参照し、壁面11aに対する噴射ノズル13の設置状態を説明するが、壁面11b、11cに対するノズル13A、13Bの配置についても上記実施形態のように同様のことが言えることからその詳細については省略する。
本実施形態においては、空気中に噴射されたミストの滞留時間が一定になるようにノズル13A、13Bを設置するようにしている。
取入口ユニットAz1、Ax1、Ax3においては、外側から内側に巻き込む空気の流れK1が生じており、取入口ユニットAz2、Az3、AX2においては、+Y方向に沿って一様な空気の流れK2が生じている。そのため、空気の流れK1が生じた領域は、空気の流れK1が生じている領域に比べて、空気の流速が低くなっている。すなわち、空気の流速が遅い領域は、空気の流速の早い領域に比べてミストMの滞留時間が長くなる。流速が異なる上記流れK1、K2が生じている領域においてミストMの滞留時間を一定にするには、ミストMの飛翔距離を短く調整すればよい。
本実施形態においては、図8(a)、(b)に示すように、相対的に低い流速の流れK1が生じる領域にミストMを噴射する第1噴射ノズル13Aにおける吸気口形成領域20に対する距離H1を、相対的に高い流速の流れK2が生じる領域にミストMを噴射する第2噴射ノズル13Bにおける吸気口形成領域20に対する距離H2をよりも小さく設定している。すなわち、第2噴射ノズル13Bは、第1噴射ノズル13Aよりも吸気口形成領域20の近くに設けられている。
なお、吸気口形成領域20の各空気取入口21に流れ込む空気の流速は、上記シミュレーション結果から算出可能である。上記距離H1、H2は、上記シミュレーション結果(流れK1、K2の流速)、及びノズル13A、13Bの能力(例えば、ミストMの噴射量、ミストMの平均粒径等)に応じて適宜設定される。
以上述べたように本実施形態によれば、空気を外側から巻き込むことで空気取入口21に向かう流速が相対的に低くなる領域に対し、第1噴射ノズル13Aによって吸気口形成領域20の近くからミストMを供給することができる。これにより、ミストMの飛翔距離を第2噴射ノズル13BにおけるミストMの噴射領域に対して相対的に短くすることができる。よって、第1噴射ノズル13Aから噴射されたミストM及び第2噴射ノズル13Bから噴射されたミストMにおける空気中での滞留時間を均一化できる。よって、吸気口形成領域20に形成された複数の空気取入口21に吸気される空気の全域を均一に冷却することができる。
なお、本実施形態では、ノズル13A、13Bが第1実施形態のように空気の流れ方向と反対方向を向くように設置する場合を例に挙げたが、これに限定されず、第2、第3実施形態のように空気の流れ方向と逆らう方向にミスト噴射口13aを向けるようにノズル13A、13Bを設置してもよい。
(第5実施形態)
続いて、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態と上記第1実施形態との違いは、吸気用建屋11の構造である。そのため、以下では、吸気用建屋11の構造及び該構造による作用効果を主体に説明し、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
図9は第5実施形態に係るガスタービンプラントの概略構成を示す図である。図9に示すように、本実施形態に係るガスタービンプラント1は、圧縮機2と、燃焼器3と、ガスタービン4と、吸気冷却装置10と、を備える。
本実施形態に係る吸気冷却装置110は、吸気用建屋11の壁面11a、11b、11cにそれぞれ吸気用ホーン部材120を有している。吸気用ホーン部材120は、各壁面11a、11b、11cに形成された吸気口形成領域20の外周を囲んだ状態に設けられ、空気取入口21側から空気の流れ方向の上流側に向かって空気を取り込むための開口部120aの大きさを漸次拡大させるホーン形状を呈する。
吸気用ホーン部材120は、例えば、平面視矩形状をなす吸気口形成領域20の外縁部に沿って配置された4つの板状部材を組み合わせることで構成される。なお、吸気用ホーン部材120の形状は、吸気口形成領域20の外周を囲むことが可能であれば、上記形状に限定されることは無く、例えば、平面形状が円形や楕円形であってもよい。
図10は、本実施形態に係る吸気冷却装置110の要部構成を示す断面図である。図10に示すように、本実施形態において、ノズル13A、13Bは、吸気用ホーン部材120によって周囲が囲まれた空間内に配置されている。これにより、吸気用ホーン部材120は、吸気口形成領域20に吸気される空気に対する横風等の影響を防止する風よけとして機能する。
本実施形態によれば、吸気冷却装置110が吸気口側から上流側に向かって開口部120aの大きさを漸次拡大した形状の吸気用ホーン部材120を有するので、吸気される空気が流れ込む空間を空気導入側において拡大させることができる。これにより、吸気口形成領域20から離れた広い空間の空気導入部内でミストMの散布を行うことができるので、空気中におけるミストMの蒸発率を向上させることができる。また、吸気用ホーン部材120により区画された広角側の空間では、空気の流速が相対的に遅くなるので、ミストMの滞留時間が長くなることでミストMの蒸発効率が向上する。また、上述の風よけ効果によりミストMの蒸発効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、ノズル13A、13Bが第1実施形態のように空気の流れ方向と反対方向を向くように設置する場合を例に挙げたが、これに限定されず、第2、第3実施形態のように空気の流れ方向と逆らう方向にミスト噴射口13aを向けるようにノズル13A、13Bを設置してもよい。
また、上記第5実施形態においては、図11に示すように、第1噴射ノズル13Aが取付部材121を介して吸気用ホーン部材120に支持されるようにしても良い。すなわち、吸気用ホーン部材120は、第1噴射ノズル13Aの支持部材として利用するようにしても良い。このようにすれば、吸気用ホーン部材120が第1噴射ノズル13Aの支持部材として兼用されるので、吸気冷却装置110の部品点数を少なくすることができ、吸気冷却装置110の小型化及び低コスト化を実現できる。また、吸気用ホーン部材120が第1噴射ノズル13Aを支持するため、該第1噴射ノズル13AにおけるミストMの噴射方向を上記実施形態に示したように種々な方向に簡便且つ確実に調整することができる。
(第6実施形態)
続いて、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態と上記実施形態との違いは、ガスタービンプラント1がガスタービン4から排出された排ガスを回収して給湯する排熱回収ボイラを備える点であり、それ以外の構成は上記実施形態と共通である。以下の説明では、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
図12は本実施形態に係るガスタービンプラント1Aの概略構成を示す図である。図12に示すように、ガスタービンプラント1Aは、圧縮機2と、燃焼器3と、ガスタービン4と、発電機5と、吸気冷却装置210とを有し、さらにガスタービン4から排出された排ガスを利用して給湯を行う排熱回収ボイラ6を備えている。排熱回収ボイラ6とガスタービン4とは排熱回収用ダクト7を介して接続されている。
ガスタービンプラント1Aにおいては、例えば、プラントのスペース的な制約から排熱回収用ダクト7と吸気冷却装置210の吸気用建屋11が近接した状態に配置されることがある。排熱回収用ダクト7内を流れる排気ガスは、外気に比べて非常に高温である。そのため、排熱回収用ダクト7は、内部を流れる排気ガスの影響により表面温度が外気温度に比べて高くなってしまう。これにより、排熱回収用ダクト7の周囲の空気は温められて温度が上昇する。
本実施形態において、排熱回収用ダクト7は、吸気用建屋11の上面に近接した位置に設置されている。そのため、排熱回収用ダクト7と吸気用建屋11との間の隙間Sの外気が温められることで温度上昇してしまう。このように温度上昇した外気は、外側から巻き込まれる空気の流れによって空気取入口21に吸い込まれることで吸気温度を効率的に低下させる可能性がある。
これに対し、本実施形態においては、図12に示すように、上記第5実施形態と同様、吸気冷却装置210が吸気用ホーン部材120を備えている。これによれば、吸気用ホーン部材120が排熱回収用ダクト7によって温められた外気が空気取入口21に吸い込まれるのを防止することができる。
以上のように、ガスタービンプラント1Aによれば、排熱回収ボイラ6を備えることでガスタービン4の排熱を有効利用が可能な熱の利用効率が高いプラントが提供される。また、吸気用ホーン部材120が、排熱回収用ダクト7を備えることで温められた外気の空気取入口21への入り込みを防止するので、吸気温度を効率的に低下させることができる。
なお、上記説明では、吸気用ホーン部材120を用いて、排熱回収用ダクト7により温められた外気の空気取入口21への入り込みを防止したが、本発明は、これに限定されない。例えば、吸気用ホーン部材120が4枚の板状部材を貼り合せて構成される場合、排熱回収用ダクト7により温められた外気が存在する吸気口形成領域20における鉛直方向上方の外周にのみ板状部材を1枚設置しても良い。これによれば、少なくとも排熱回収用ダクト7により温められた外気の空気取入口21への入り込みを防止できる。
あるいは、吸気用ホーン部材120を構成する4枚の板状部材のうち、吸気口形成領域20の底面側のみ設けない構成を採用しても良い。すなわち、吸気口形成領域20のうち底面側を除く3辺の外周を囲むように板状部材を3枚設置しても良い。これによれば、排熱回収用ダクト7により温められた外気の空気取入口21への入り込みを防止するとともに、吸気口形成領域20に吸気される空気に対する横風等の影響を防止できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることは無く、発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、吸気用建屋11において、ルーバー22がZ方向に沿って延びる長板状の部材から構成される場合を例に挙げたが、ルーバー22の形状はこれに限定されず、例えばX方向或いはY方向に沿って延びる長板状の部材から構成されていてもよい。また、吸気用建屋11がルーバー22を有していなくても良い。
1、1A…ガスタービンプラント、2…圧縮機、3…燃焼器、4…ガスタービン、5…発電機、M…ミスト、10、110…吸気冷却装置、12…吸気ダクト(ダクト)、13…噴射ノズル、13a…ミスト噴射口(噴射口)、13A…第1噴射ノズル、13B…第2噴射ノズル、18…フィルタ部材(捕捉部材)、20…吸気口形成領域、21、210…空気取入口(吸気口)、21a…空気取入口(第1の吸気口)、22…ルーバー、120…吸気用ホーン部材、120a…開口部

Claims (11)

  1. 大気中から空気を吸気する複数の吸気口が設けられる吸気部と、
    前記吸気部により吸気された前記空気を圧縮機の吸気側へと導くダクトと、
    前記吸気部を平面視した際、前記吸気部における前記複数の吸気口が形成された吸気口形成領域の外縁部に対応する第1の前記吸気口の開口端若しくは前記開口端よりも外側であって、且つ前記吸気口形成領域よりも上流側に設けられて前記空気中にミストを噴射する噴射口を有する第1噴射ノズルと、
    前記吸気部を平面視した際、前記吸気部における前記吸気口形成領域と平面的に重なり且つ前記吸気口形成領域よりも上流側に設けられて前記空気中にミストを噴射する噴射口を有する第2噴射ノズルと、を備え
    前記第1噴射ノズルは、前記噴射口を水平面に対して鉛直方向上方に傾けて設けられる
    ことを特徴とする吸気冷却装置。
  2. 前記第1噴射ノズル及び前記第2噴射ノズルの少なくとも一方は、前記吸気口形成領域の前記吸気口に吸気される前記空気の流れに逆らう方向に前記ミストを噴射する
    ことを特徴とする請求項1に記載の吸気冷却装置。
  3. 前記吸気部は、前記複数の吸気口の少なくとも一部を区画する板状のルーバーを有し、
    前記第1噴射ノズル及び前記第2噴射ノズルの少なくとも一方は、前記ルーバーの面と平行な面と交差する面に前記噴射口が位置するように設置されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸気冷却装置。
  4. 前記第1噴射ノズルは、前記第2噴射ノズルよりも前記吸気口形成領域の近くに設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の吸気冷却装置。
  5. 前記吸気部の前記吸気口形成領域の外周を囲んだ状態に設けられ、前記吸気口側から前記上流側に向かって前記吸気口形成領域に前記空気を取り込む開口部の大きさを漸次拡大させるホーン形状の吸気用ホーン部材を備え、
    前記第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルは、前記吸気用ホーン部材によって囲まれた空間内において前記ミストを噴射する
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の吸気冷却装置。
  6. 前記第1噴射ノズルは、前記吸気用ホーン部材に支持される
    ことを特徴とする請求項に記載の吸気冷却装置。
  7. 吸気した空気を圧縮し、圧縮空気を生成する圧縮機と、
    前記圧縮空気を用いて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼ガスによって動力を発生するガスタービンと、
    前記圧縮機の吸気側に供給される空気を冷却する吸気冷却部と、を備え、
    前記吸気冷却部が、請求項1〜のいずれか一項に記載の吸気冷却装置により構成されることを特徴とするガスタービンプラント。
  8. 大気中から吸気された空気を冷却して圧縮機の吸気側へと導く吸気冷却方法であって、
    前記空気を吸気する複数の吸気口よりも上流側において、前記複数の吸気口が形成された吸気口形成領域の外縁部に対応する第1の前記吸気口の開口端、若しくは前記開口端よりも外側に設けられた第1噴射ノズルからミストを前記空気中に噴射するとともに、前記吸気口形成領域と平面的に重なる位置に設けられた第2噴射ノズルから前記ミストを前記空気中に噴射するミスト噴射工程を備え
    前記ミスト噴射工程において、前記第1噴射ノズルのミスト噴射口を水平面に対して鉛直方向上方に傾けた状態とする
    ことを特徴とする吸気冷却方法。
  9. 前記ミスト噴射工程において、前記第1噴射ノズル及び前記第2噴射ノズルの少なくとも一方は、前記吸気口形成領域の前記吸気口に吸気される前記空気の流れに逆らう方向に前記ミストを噴射する
    ことを特徴とする請求項に記載の吸気冷却方法。
  10. 前記ミスト噴射工程において、前記第噴射ノズルは、前記第噴射ノズルよりも前記吸気口形成領域に近い位置から前記ミストを噴射する
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の吸気冷却方法。
  11. 前記ミスト噴射工程において、前記吸気部の前記吸気口形成領域の外周を囲んだ状態に設けられ、前記吸気口側から前記上流側に向かって前記吸気口形成領域に前記空気を取り込む開口部の大きさを漸次拡大させるホーン形状の吸気用ホーン部材を用い、前記吸気用ホーン部材によって囲まれた空間内に対して前記ミストを噴射する
    ことを特徴とする請求項0のいずれか一項に記載の吸気冷却方法。
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