JP6221347B2 - 吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法 - Google Patents
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そこで、圧縮機の吸気側にミストを噴射することで燃焼用空気を冷却する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
したがって、吸気口形成領域に吸気される空気の全体にミストが均一に供給されるので、複数の吸気口から吸気される空気に十分な蒸発潜熱を生じさせ、高い冷却効率を得ることができる。
この構成によれば、第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルの少なくとも一方から空気の流れに逆らう方向にミストが噴射されるので、ミストの飛翔距離を延ばすことができる。よって、吸気口に到達するまでに空気中でミストを良好に蒸発させることができる。
この構成によれば、水平面に対して鉛直方向上方に向けて第2噴射ノズルからミストが噴射されるので、第2噴射ノズルから放射状に噴射されたミストにおける空気中での滞留時間を長くすることができる。よって、空気中でのミストの蒸発量を向上させることができる。
この構成によれば、吸気口を区画するルーバーを有するので、吸気部内に雨、雪、或いは風が入り込むのを防止できる。また、第1又は第2噴射ノズルの少なくとも一方がルーバーの面と交差する面内に設置されるので、噴射したミストがルーバー方向に拡がることでルーバーに付着させ易くすることができる。よって、ルーバーに付着したミストに空気が触れることでミストが蒸発することで空気をより一層効率的に冷却できる。
この構成によれば、空気を外側から巻き込むことで吸気口に向かう流速が相対的に低くなる領域に対し、第1噴射ノズルによって吸気口形成領域の近くからミストを供給することができる。これにより、ミストの飛翔距離を第2噴射ノズルにおけるミストの噴射領域に対して相対的に短くすることができる。よって、第1噴射ノズルから噴射されたミスト及び第2噴射ノズルから噴射されたミストにおける空気中での滞留時間を均一化できる。よって、吸気口形成領域に形成された複数の吸気口に吸気される空気の全域を均一に冷却することができる。
この構成によれば、吸気用ホーン部材を吸気口に対する風よけとして機能させることで空気を吸気口に対して効率良く取り込むことができる。また、吸気用ホーン部材は、吸気口側から上流側に向かって開口部の大きさを漸次拡大した形状を有するため、吸気口形成領域よりも広い空間でミストが散布されることとなり、ミストの蒸発効率が向上する。また、吸気用ホーン部材により区画された広角側の空間では、空気の流速が相対的に遅くなるので、ミストの滞留時間が長くなることでミストの蒸発効率を向上できる。また、上記風よけ効果によりミストの蒸発効率を向上させることができる。
この構成によれば、吸気用ホーン部材を第1噴射ノズルの支持部材として兼用することができる。よって、装置構成の部品点数を少なくすることができ、装置の小型化及び低コスト化を実現できる。また、吸気用ホーン部材が第1噴射ノズルを支持するため、該第1噴射ノズルにおけるミストの噴射方向を所定方向に簡便且つ確実に調整することができる。
したがって、吸気口形成領域に吸気される空気の全体にミストが均一に供給されるので、複数の吸気口から吸気される空気に十分な蒸発潜熱を生じさせ、高い冷却効率を得ることができる。
この構成によれば、第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルの少なくとも一方から空気の流れに逆らう方向にミストが噴射されるので、ミストの飛翔距離を延ばすことができる。よって、吸気口に到達するまでに空気中でミストを良好に蒸発させることができる。
この構成によれば、水平面に対して鉛直方向上方に傾いた方向に第1噴射ノズルからミストが噴射されるので、第1噴射ノズルから放射状に噴射されたミストにおける空気中での滞留時間を長くすることができる。よって、空気中でのミストの蒸発量を向上させることができる。
この構成によれば、空気を外側から巻き込むことで吸気口に向かう流速が相対的に低くなる領域に対し、第2噴射ノズルによって吸気口形成領域の近くからミストを供給することができる。これにより、ミストの飛翔距離を第1噴射ノズルにおけるミストの噴射領域に対して相対的に短くすることができる。よって、第1噴射ノズルから噴射されたミスト及び第2噴射ノズルから噴射されたミストにおける空気中での滞留時間を均一化できる。よって、吸気口形成領域に形成された複数の吸気口に吸気される空気の全域を均一に冷却することができる。
この構成によれば、吸気用ホーン部材を吸気口に対する風よけとして機能させることで空気を吸気口に対して効率良く取り込むことができる。また、吸気用ホーン部材は、吸気口側から上流側に向かって開口部の大きさを漸次拡大した形状を有するため、吸気口形成領域よりも広い空間でミストが散布されることとなり、ミストの蒸発効率が向上する。また、吸気用ホーン部材により区画された広角側の空間では、空気の流速が相対的に遅くなるので、ミストの滞留時間が長くなることでミストの蒸発効率が向上する。また、上記風よけ効果によりミストの蒸発効率を向上させることができる。
図1は、第1実施形態に係るガスタービンプラントの概略構成を示す図である。
ガスタービンプラント1は、図1に示すように、圧縮空気を生成する圧縮機2と、圧縮機2で生成された圧縮空気を用いて燃焼ガスを生成する燃焼器3と、燃焼器3で生成された燃焼ガスによって動力を発生するガスタービン4と、吸気冷却装置10と、を備える。ガスタービン4は、発電機5に連結されており、ガスタービン4で発生した動力が発電機5により電力に変換されるようになっている。
なお、図3、4は、壁面11aと噴射ノズル13との配置例を示すものである。以下の説明では、図3、4を参照し、壁面11aに対する噴射ノズル13の配置を説明するが、壁面11b、11cに対する噴射ノズル13の配置についても図1に示されるように同様の条件に基づいてなされたものであることからその詳細については省略する。
図5に示すように、吸気冷却装置10は、吸気室14(吸気用建屋11)内に設けられたフィルタ部材(捕捉部材)18と、塵埃フィルタ部材19と、を有している。
また、吸気冷却装置10は、吸気口形成領域20と平面的に重なる位置に配置された第2噴射ノズル13BからミストMを大気中に噴射する。これにより、第2噴射ノズル13Bから噴射されたミストMは、一様な流れK2の空気中に良好に取り込まれることで下流側に進む。一様な流れK2の空気中に取り込まれたミストMは、取入口ユニットAz2、Az3、Ax2(図4参照)の空気取入口21に入り込むまでの間に概ね蒸発するので、多量の蒸発潜熱が空気から奪われ、空気の冷却効率を向上させることができる。
このように本実施形態によれば、吸気口形成領域20に吸気される空気であって、異なる流れK1、K2を含むことで不均一な流れの空気中にミストMを均一に供給することができる。よって、複数の空気取入口21から吸気される空気の全体に十分な蒸発潜熱を生じさせることで高い冷却効率を得ることができる。
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態との違いは、噴射ノズル13の配置、すなわち、ミストMの噴射方向である。そのため、以下では、噴射ノズル13の配置を主体に説明し、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態と第1、第2実施形態との違いは、ノズル13A、13BにおけるミストMの噴射方向である。そのため、以下では、ミストMの噴射方向を主体に説明し、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
また、第1噴射ノズル13Aについても、ミスト噴射口13aを空気の流れK1と真逆方向に設置しているため、該第1噴射ノズル13Aから噴射したミストMの飛翔距離を上記第2実施形態よりも長くすることができる。よって、空気中に噴射したミストMを効率よく蒸発させることで空気の冷却効率をより向上させることができる。
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態と上記第1実施形態との違いは、噴射ノズル13の設置方法である。そのため、以下では、噴射ノズル13の設置方法を主体に説明し、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
取入口ユニットAz1、Ax1、Ax3においては、外側から内側に巻き込む空気の流れK1が生じており、取入口ユニットAz2、Az3、AX2においては、+Y方向に沿って一様な空気の流れK2が生じている。そのため、空気の流れK1が生じた領域は、空気の流れK1が生じている領域に比べて、空気の流速が低くなっている。すなわち、空気の流速が遅い領域は、空気の流速の早い領域に比べてミストMの滞留時間が長くなる。流速が異なる上記流れK1、K2が生じている領域においてミストMの滞留時間を一定にするには、ミストMの飛翔距離を短く調整すればよい。
続いて、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態と上記第1実施形態との違いは、吸気用建屋11の構造である。そのため、以下では、吸気用建屋11の構造及び該構造による作用効果を主体に説明し、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
続いて、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態と上記実施形態との違いは、ガスタービンプラント1がガスタービン4から排出された排ガスを回収して給湯する排熱回収ボイラを備える点であり、それ以外の構成は上記実施形態と共通である。以下の説明では、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
以上のように、ガスタービンプラント1Aによれば、排熱回収ボイラ6を備えることでガスタービン4の排熱を有効利用が可能な熱の利用効率が高いプラントが提供される。また、吸気用ホーン部材120が、排熱回収用ダクト7を備えることで温められた外気の空気取入口21への入り込みを防止するので、吸気温度を効率的に低下させることができる。
Claims (11)
- 大気中から空気を吸気する複数の吸気口が設けられる吸気部と、
前記吸気部により吸気された前記空気を圧縮機の吸気側へと導くダクトと、
前記吸気部を平面視した際、前記吸気部における前記複数の吸気口が形成された吸気口形成領域の外縁部に対応する第1の前記吸気口の開口端若しくは前記開口端よりも外側であって、且つ前記吸気口形成領域よりも上流側に設けられて前記空気中にミストを噴射する噴射口を有する第1噴射ノズルと、
前記吸気部を平面視した際、前記吸気部における前記吸気口形成領域と平面的に重なり且つ前記吸気口形成領域よりも上流側に設けられて前記空気中にミストを噴射する噴射口を有する第2噴射ノズルと、を備え、
前記第1噴射ノズルは、前記噴射口を水平面に対して鉛直方向上方に傾けて設けられる
ことを特徴とする吸気冷却装置。 - 前記第1噴射ノズル及び前記第2噴射ノズルの少なくとも一方は、前記吸気口形成領域の前記吸気口に吸気される前記空気の流れに逆らう方向に前記ミストを噴射する
ことを特徴とする請求項1に記載の吸気冷却装置。 - 前記吸気部は、前記複数の吸気口の少なくとも一部を区画する板状のルーバーを有し、
前記第1噴射ノズル及び前記第2噴射ノズルの少なくとも一方は、前記ルーバーの面と平行な面と交差する面に前記噴射口が位置するように設置されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸気冷却装置。 - 前記第1噴射ノズルは、前記第2噴射ノズルよりも前記吸気口形成領域の近くに設けられている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸気冷却装置。 - 前記吸気部の前記吸気口形成領域の外周を囲んだ状態に設けられ、前記吸気口側から前記上流側に向かって前記吸気口形成領域に前記空気を取り込む開口部の大きさを漸次拡大させるホーン形状の吸気用ホーン部材を備え、
前記第1噴射ノズル及び第2噴射ノズルは、前記吸気用ホーン部材によって囲まれた空間内において前記ミストを噴射する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸気冷却装置。 - 前記第1噴射ノズルは、前記吸気用ホーン部材に支持される
ことを特徴とする請求項5に記載の吸気冷却装置。 - 吸気した空気を圧縮し、圧縮空気を生成する圧縮機と、
前記圧縮空気を用いて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
前記燃焼ガスによって動力を発生するガスタービンと、
前記圧縮機の吸気側に供給される空気を冷却する吸気冷却部と、を備え、
前記吸気冷却部が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸気冷却装置により構成されることを特徴とするガスタービンプラント。 - 大気中から吸気された空気を冷却して圧縮機の吸気側へと導く吸気冷却方法であって、
前記空気を吸気する複数の吸気口よりも上流側において、前記複数の吸気口が形成された吸気口形成領域の外縁部に対応する第1の前記吸気口の開口端、若しくは前記開口端よりも外側に設けられた第1噴射ノズルからミストを前記空気中に噴射するとともに、前記吸気口形成領域と平面的に重なる位置に設けられた第2噴射ノズルから前記ミストを前記空気中に噴射するミスト噴射工程を備え、
前記ミスト噴射工程において、前記第1噴射ノズルのミスト噴射口を水平面に対して鉛直方向上方に傾けた状態とする
ことを特徴とする吸気冷却方法。 - 前記ミスト噴射工程において、前記第1噴射ノズル及び前記第2噴射ノズルの少なくとも一方は、前記吸気口形成領域の前記吸気口に吸気される前記空気の流れに逆らう方向に前記ミストを噴射する
ことを特徴とする請求項8に記載の吸気冷却方法。 - 前記ミスト噴射工程において、前記第1噴射ノズルは、前記第2噴射ノズルよりも前記吸気口形成領域に近い位置から前記ミストを噴射する
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の吸気冷却方法。 - 前記ミスト噴射工程において、前記吸気部の前記吸気口形成領域の外周を囲んだ状態に設けられ、前記吸気口側から前記上流側に向かって前記吸気口形成領域に前記空気を取り込む開口部の大きさを漸次拡大させるホーン形状の吸気用ホーン部材を用い、前記吸気用ホーン部材によって囲まれた空間内に対して前記ミストを噴射する
ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の吸気冷却方法。
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