JP6220768B2 - 超高分子量ポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法に関する。
超高分子量ポリエチレンは、高強度、耐摩耗性、潤滑性、衛生性などの特長を有するため、摺動材料などの工業部品等に広く使われている。しかるに、超高分子量ポリエチレンは、その分子の巨大さ故に成形加工性に劣るという問題がある。そこで、通常は圧縮成形したブロックや、丸棒や異型の形状で押出加工したものを機械加工等で目的の形状に切削して各用途に供される。
このような超高分子量ポリエチレン樹脂の成形加工性の課題に対して、種々の検討がなれさて来たが、従来の検討はその大部分は重合段階で多峰性の分子量分布を有する組成物を製造するものであり、超高分子量ポリエチレン樹脂を含む組成物を溶融混練によって組成物を製造することについて検討された例はあまりなかった。また、仮にあったとしても、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中の超高分子量ポリエチレン樹脂の分散状態にまで踏み込んで議論した例はなかった。
例えば、特許文献1には、極限粘度が1,000〜5,000mL/gのポリエチレン40〜99質量%と、極限粘度が100〜700mL/gのポリエチレン60〜1質量%と、を含み、それぞれの該ポリエチレン成分の分子量分布が9よりも狭く、1,500mL/gよりも高い極限粘度の材料が提案されている。
また、特許文献2には、極限粘度が6dL/g以上の超高分子量ポリエチレン99〜50質量%と、極限粘度が1.5〜4.5dL/gのポリエチレン1〜50質量%と、の組成物が提案されており、その実施例では超高分子量ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン粉末とを溶融混練した例が開示されている。
更に、特許文献3では、重量平均分子量が1,000,000以上の超高分子量ポリオレフィンと、重量平均分子量が500〜3,000のポリオレフィンワックスと、を特定比率で混練した後、重量平均分子量が50,000〜800,000のポリオレフィンを加えて更に混練する組成物の製造方法が提案されている。
一方、非特許文献1によれば、極限粘度が1.5dL/gの高密度ポリエチレン90質量%と、極限粘度が12dL/gの超高分子量ポリエチレン10質量%とを種々条件で混練し、その混練物中の超高分子量成分の分散状態を観察した結果が報告されている。
特開平06−322190号公報 特開昭60−240748号公報 特開2012−77220号公報
AN INVESTIGATION ON RHEOLOGICAL AND IMPACT BEHAVIOUR OF HIGH DENSITY AND ULTRAHIGH MOLECULAR WEIGHT POLYETHYLENE MIXTURES(Eur. Polym. J. Vol. 33, No. 1, pp. 97−105, 1997)
しかしながら、特許文献1には、適当な混合器中で出発材料を均質に混合すると記載されているのみであり、また、その実施例にも、混合物を射出成形機によって成形すると記載されているのみである。すなわち、特許文献1では、予め溶融混練したものを射出成形機に導入することについては記載されていない。また、成形体の評価も、折り曲げて薄層状構造形成傾向を視覚的に評価しているにすぎない。しかし、予め溶融混練しないと、超高分子量ポリエチレンの分散性が劣り、超高分子量ポリエチレンは大きな塊として存在し、ひいては成形品の外観を損ねるという問題が生じる。
また、特許文献2に記載の組成物は、後に同一出願人によって出された出願(特許第4173444号公報)によれば、「単に、超高分子量ポリエチレンを極限粘度[η]の低いポリエチレンにブレンドしても超高分子量ポリエチレンと極限粘度[η]の低いポリエチレンとの相溶性が悪く、耐摩耗性の顕著な向上は認められず、耐衝撃性や外観も劣っている。」と評価されている。
また、特許文献3に記載されている、重量平均分子量が1,000,000以上の超高分子量ポリオレフィンと、重量平均分子量が500〜3,000のポリオレフィンワックスと、を特定比率で混練した後、重量平均分子量が50,000〜800,000のポリオレフィンを加えて更に混練した場合、得られる組成物中の超高分子量ポリエチレン/ポリオレフィンワックス組成物の分散性が劣るという問題がある。
更に、非特許文献1では、混練物中の超高分子量成分の分散状態を観察した結果が報告されているが、超高分子量ポリエチレン成分は100μm以上の大きな塊として存在しているに過ぎない。超高分子量ポリエチレン成分は100μm以上の大きな塊として存在する場合、成形品の外観が損なわれるという問題が生じうる。
上記文献に見る様に、超高分子量ポリエチレンと低分子量ないしは高分子量ポリエチレン樹脂とを混合し、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形加工性を改良する手段は公知の技術である。しかし、上記特許文献1〜3には、超高分子量ポリエチレン成分の分散に関する記述は殆どなく、あるとしても、目視等で定性的に外観の良否を判断しているに過ぎない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高強度、耐摩耗性、潤滑性、衛生性、及び耐薬品性などの超高分子量ポリエチレンの本来の特性を活かしつつ、優れた成形加工性を有し、外観性及び機械的強度に優れる成形体を与える超高分子量ポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題点について鋭意検討した。その結果、所定の超高分子量ポリエチレンと所定のポリオレフィンとから成る超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物を、複数回溶融混練することによって、更に成形体中の塊状物が小さくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
極限粘度[η]が5dL/g以上40dL/g以下の超高分子量ポリエチレン樹脂と、該超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物を得る第1の溶融混練工程と、
前記超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物と、前記ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体を得る第2の溶融混練工程と、
前記超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体と、前記ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る第3以降の溶融混練工程と、を有し、
前記第1の溶融混練工程で用いる前記ポリオレフィン樹脂のMFRが、0.1〜800dg/minである、
超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
〔2〕
前記第2の溶融混練工程、及び前記第3以降の溶融混練工程のうち少なくとも1つの工程で用いる前記ポリオレフィン樹脂のMFRが、0.1〜800dg/minである、前項〔1〕に記載の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
〔3〕
前記ポリオレフィン樹脂が、高密度ポリエチレンを含む、前項〔1〕又は〔2〕のいずれか1項に記載の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
〔4〕
極限粘度[η]が5dL/g以上40dL/g以下の超高分子量ポリエチレン樹脂と、該超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して得られる、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物であって、
前記超高分子量ポリエチレン樹脂と、前記ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物を得る第1の溶融混練工程と、
前記超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物と、前記ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体を得る第2の溶融混練工程と、
前記超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体と、前記ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る第3以降の溶融混練工程と、を含み、
前記第1の溶融混練工程で用いる前記ポリオレフィン樹脂のMFRが、0.1〜800dg/minである方法によって製造され、
該超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体断面の位相差顕微鏡観察において、位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、200個以下であり、屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、20個以下であり、屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、50個以下であり、且つ、前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、7%以下である、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、高強度、耐摩耗性、自己潤滑性、衛生性、及び耐薬品性などの超高分子量ポリエチレンの本来の特性を活かしつつ、優れた成形加工性を有し、外観性及び機械的強度に優れる成形体を与える超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
実施例1による超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像である。 実施例2による超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像である。 実施例3による超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像である。 実施例4による超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像である。 実施例5による超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像である。 実施例6による超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像である。 比較例1による超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像である。 比較例2による超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像である。 比較例3による超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔超高分子量ポリエチレン樹脂組成物〕
本実施形態の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物は、
極限粘度[η]が5dL/g以上40dL/g以下の超高分子量ポリエチレン樹脂と、該超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して得られる、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物であって、
該超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体断面の位相差顕微鏡観察において、位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、200個以下であり、屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、20個以下であり、屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、50個以下であり、且つ、前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、7%以下である。
〔超高分子量ポリエチレン樹脂〕
極限粘度[η]が5dL/g以上40dL/g以下の超高分子量ポリエチレン樹脂(以下、単に「超高分子量ポリエチレン樹脂」ともいう。)を用いることにより高強度、耐摩耗性、自己潤滑性、衛生性、及び耐薬品性等に優れた成形品が得られる。
超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度[η]は、5dL/g以上であり、好ましくは8dL/g以上であり、より好ましくは15dL/g以上である。超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度[η]が5dL/g以上であることにより、得られる成形体の耐摩耗性及び摺動性がより向上する。また、極限粘度が5dL/g以上の超高分子量ポリエチレン樹脂は、通常の混練条件で分散しにくい傾向にあるが、本実施形態の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物であれば分散性よく超高分子量ポリエチレン樹脂を含むものとなる。一方で、超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度[η]が5dL/g未満であると、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物に含まれる樹脂全体の分子量が低すぎることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の本来の特性の一つである、耐摩耗性や摺動性といった特性が低下する。
超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度[η]は、40dL/g以下であり、好ましくは30dL/g以下であり、より好ましくは25dL/g以下である。超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度が40dL/g以下であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の生産工程での生産性がより向上する。
超高分子量ポリエチレン樹脂の極限粘度[η]は、超高分子量ポリエチレン樹脂の重合系に連鎖移動剤として水素を存在させるか、又は重合温度を変化させることによって調節することが可能である。尚、極限粘度は実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態で用いる超高分子量ポリエチレン樹脂としては、特に限定されないが、エチレンの単独重合体、又はエチレンと他の単量体との共重合体が挙げられる。他の単量体としては、特に限定されないが、例えば、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のα−オレフィン;酢酸ビニル等のビニル化合物;アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等の(メタ)アクリル化合物が挙げられる。このなかでも、エチレンの単独重合体、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体であってエチレン単量体単位を90モル%以上含有する共重合体が好ましい。
超高分子量ポリエチレン樹脂の製造に使用される触媒としては、特に限定されないが、チーグラー・ナッタ触媒が好ましい。
超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中の超高分子量ポリエチレン樹脂の含有量は、好ましくは10〜70質量%であり、より好ましくは15〜60質量%であり、さらに好ましくは20〜50質量%である。超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中の超高分子量ポリエチレン樹脂の濃度が10質量%以上であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の本来の特性である耐摩耗性や摺動性等がより良好に発現される傾向にある。また、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中の超高分子量ポリエチレン樹脂の濃度が70質量%以下であることにより、流動性がより向上し、加工性がより向上する傾向にある。
〔超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂〕
上記超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂(以下、単に「ポリオレフィン樹脂」ともいう。)を用いることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体断面の位相差顕微鏡観察により、屈折率の差によって観察される塊状物を特定範囲の大きさ及び個数に制御することができる。
ポリオレフィン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンの単独重合体、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンと他の一種以上のα―オレフィンとの共重合体が挙げられる。このなかでも、超高分子量ポリエチレン樹脂との相溶性が良好であるという観点から、高密度ポリエチレンが好ましい。高密度ポリエチレンを用いることにより超高分子量ポリエチレン樹脂との相溶性がより向上する傾向にある。
本実施形態で用いるポリオレフィン樹脂の粘度平均分子量は、超高分子量ポリエチレン樹脂よりも小さいことが好ましく、好ましくは5dL/g未満である。ポリオレフィン樹脂の粘度平均分子量が上記範囲内であることにより、成形加工性及び流動性がより向上する傾向にある。
ポリオレフィン樹脂のMFR(メルトフローレート)は、好ましくは0.1〜800dg/minであり、より好ましくは1〜600dg/minであり、さらに好ましくは1〜500dg/minである。ポリオレフィン樹脂のMFRが0.1dg/min以上であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物全体の分子量がより低下し、その結果成形加工性が向上し、また、超高分子量ポリエチレン樹脂の分散性がより向上し、得られる成形体の物性がより向上する傾向にある。また、ポリオレフィン樹脂のMFRが800dg/min以下であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物全体の分子量を維持することができ、成形体の物性がより向上する傾向にある。
ポリオレフィン樹脂は、所定のMFRを有するポリマーを単独で用いてもよいし、異なるMFRを有するポリマーを2種以上用いてもよい。また、ポリオレフィン樹脂のMFRは、異なるMFRを有するポリマー二種以上を溶融混練又はドライブレンドして調整してもよい。尚、ポリオレフィン樹脂のMFRは実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリオレフィン樹脂の密度は、好ましくは942kg/m3以上であり、より好ましくは945kg/m3以上であり、さらに好ましくは950kg/m3以上である。なお、ポリオレフィン樹脂の密度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中のポリオレフィン樹脂の含有量は、好ましくは30〜90質量%であり、より好ましくは40〜85質量%であり、さらに好ましくは50〜80質量%である。超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中のポリオレフィン樹脂の含有量が90質量%以下であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の本来の特性である耐摩耗性や摺動性等がより良好に発現される傾向にある。また、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中のポリオレフィン樹脂の含有量が30質量%以上であることにより、流動性がより向上し、加工性がより向上する傾向にある。
本実施形態の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物には、例えば熱安定剤、耐候剤等の安定剤、顔料、染料等の着色剤、滑剤、架橋剤、架橋助剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、有機及び無機フィラーなどの充填剤、他の樹脂等を必要に応じて添加してもよい。
〔成形体〕
超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体は、該成形体断面の位相差顕微鏡観察において、位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、200個以下であり、屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、20個以下であり、屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、50個以下であり、且つ前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、7%以下である。
ここで、「塊状物」とは、成形体断面から切片を切り出して位相差顕微鏡で観察した時に観察される塊状物で、島状に点在するものをいう。この塊状物は、超高分子量ポリエチレン樹脂又は超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物の分散不良の部位が観察されているものと解釈されるが、これに制限されない。なお、特に射出成形体においてこの塊状物の多寡と成形体外観の良否とが概ね相関する。即ち、塊状物のサイズが大きく、量の多いものは成形体の外観が悪くなり、塊状物のサイズが小さく、量の少ないものは成形体の外観はよくなる。
位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mmにおいて、屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数は、200個以下であり、好ましくは100個以下であり、より好ましくは50個以下である。位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mmにおいて、10μm2以上の塊状物の個数の下限は、特に限定されないが、上述の様に、この塊状物は超高分子量ポリエチレン樹脂又は超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物の分散不良の部位が観察されているものと解釈されるので、この条件で観察されないこと、即ち0個が好ましい。また、10μm2以上の塊状物の個数は、実施例に記載の方法により測定することができる。
位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mmにおいて、400μm2以上の塊状物の個数は、20個以下であり、好ましくは15個以下であり、より好ましくは10個以下である。400μm2以上の塊状物の個数が20個以下であることにより、機械的強度がより向上し、またシート状に成形した時に凹凸が出るなどの成形体の外観不良がより改善される。また、位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mmにおいて、400μm2以上の塊状物の個数の下限は、特に限定されないが、0個が好ましい。400μm2以上の塊状物の個数は、超高分子量ポリエチレン樹脂と、ポリオレフィン樹脂との高濃度希釈物を作り、該高濃度希釈物を同一又は異なるポリオレフィン樹脂と共に複数回溶融混練することにより制御することができる。また、400μm2以上の塊状物の個数は、実施例に記載の方法により測定することができる。
位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mmにおいて、200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数は、50個以下であり、好ましくは40個以下であり、より好ましくは30個以下である。200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が50個以下であることにより、機械的強度がより向上し、またシート状に成形した時に凹凸が出るなどの成形体の外観不良がより改善される。また、位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mmにおいて、200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数の下限は、特に限定されないが、0個が好ましい。200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数は、超高分子量ポリエチレン樹脂と、ポリオレフィン樹脂との高濃度希釈物を作り、該高濃度希釈物を同一又は異なるポリオレフィン樹脂と共に複数回溶融混練することにより制御することができる。また、200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数は、実施例に記載の方法により測定することができる。
位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mmにおいて、位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の塊状物の総面積は、位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、7%以下であり、好ましくは6%以下であり、より好ましくは5%以下である。位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の塊状物の総面積が7%以下であることにより、シート状に成形した時に凹凸が出るなどの成形体の外観不良がより改善される。また、位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mmにおいて、位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の塊状物の総面積の下限は、特に限定されないが、位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、0%が好ましい。10μm2以上の塊状物の総面積は、超高分子量ポリエチレン樹脂と、ポリオレフィン樹脂との高濃度希釈物を作り、該高濃度希釈物を同一又は異なるポリオレフィン樹脂と共に複数回溶融混練することにより制御することができる。また、10μm2以上の塊状物の総面積は、実施例に記載の方法により測定することができる。
成形体の成形方法としては、特に限定されないが、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形が挙げられ、このなかでも射出成形が好ましい。
〔超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法は、極限粘度[η]が5dL/g以上40dL/g以下の超高分子量ポリエチレン樹脂と、該超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物を得る第1の溶融混練工程と、前記超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物と、ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体を得る第2の溶融混練工程と、前記超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体と、ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る第3以降の溶融混練工程と、を有する。
この様にして得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物は、その成形体断面の位相差顕微鏡観察において、位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、200個以下であり、屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、20個以下であり、屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、50個以下であり、且つ前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、7%以下である。
このように、超高分子量ポリエチレン樹脂と、ポリオレフィン樹脂との高濃度希釈物を作り、該高濃度希釈物に、同一又は異なるポリオレフィン樹脂をさらに添加して溶融混練する工程を複数回経ることにより、得られる超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体が上記特性を有するよう制御することができる。
〔第1の溶融混練工程〕
第1の溶融混練工程は、超高分子量ポリエチレン樹脂と、ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン高濃度希釈物を得る工程である。
超高分子量ポリエチレン樹脂とポリオレフィン樹脂は、上記と同様のものを用いることができる。また、超高分子量ポリエチレン樹脂とポリオレフィン樹脂は、それぞれ、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
溶融混練手段としては、特に限定されないが、例えば、単軸押出機、二軸等の多軸押出機、バンバリーミキサー等、公知の混練手段が挙げられる。従来の考え方によれば、溶融混練手段としては、例えば押出機のスクリューにダルメージ、ピン、ニーディングディスク、逆ねじ等の混練強化部位を設けて、剪断力を強化して機械的に混練する手法が用いられる。しかし、過度に剪断力を強化することによる超高分子量ポリエチレン樹脂の分子鎖の切断を回避する観点から、これら剪断力強化部位を設けたスクリューの使用は過度にならない程度に抑えることが好ましい。このような観点から、溶融混練手段としては、フルフライトスクリュー、若干の剪断力強化部位を設けたスクリューを備える混練手段が好ましい。
第1の溶融混練工程においては、超高分子量ポリエチレン樹脂が比較的高粘度の雰囲気中で撹拌され、それによって動きにくい長鎖の分子が広げられることが好ましい。超高分子量ポリエチレン樹脂の分子鎖を広げるための推進力を向上させる観点から、用いるポリオレフィン樹脂の分子量は比較的低い方が好ましい。また、超高分子量ポリエチレン樹脂の分子鎖を広げるための推進力を向上させる観点から、第1の溶融混練工程の系全体の粘度は高いほうが好ましく、粘度が高くなるよう温度を調整することが好ましい。
第1の溶融混練工程に用いるポリオレフィン樹脂のMFRは、好ましくは0.1〜800dg/minであり、より好ましくは1〜700dg/minであり、さらに好ましくは10〜600dg/minである。第1の溶融混練工程に用いるポリオレフィン樹脂のMFRが上記範囲内であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の分散性がより向上する傾向にある。
第1の溶融混練工程における超高分子量ポリエチレン樹脂の添加量は、特に限定されないが、超高分子量ポリエチレン樹脂と、ポリオレフィン樹脂の総量に対して、好ましくは30〜90質量%であり、より好ましくは40〜80質量%であり、さらに好ましくは50〜70質量%である。第1の溶融混練工程における超高分子量ポリエチレン樹脂の添加量が30質量%以上であることにより、系全体の粘度がより高くなり、超高分子量ポリエチレン樹脂の分子鎖を広げるための推進力がより向上し、結果として屈折率の差によって観察される塊状物のサイズがより小さくなり、またその数も減少する傾向にある。また、第1の溶融混練工程における超高分子量ポリエチレン樹脂の添加量が90質量%以下であることにより、混練装置への負荷がより低減される傾向にある。
第1の溶融混練工程における温度は、好ましくは150〜230℃であり、より好ましくは160〜200℃であり、さらに好ましくは170〜190℃である。第1の溶融混練工程における温度が150℃以上であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の易動性を上げることができ、超高分子量ポリエチレン樹脂の分散が促進される傾向にある。また、第1の溶融混練工程における温度が230℃以下であることにより、系全体の粘度が上がって超高分子量ポリエチレンの分散を促進すること、更に超高分子量ポリエチレン樹脂の熱分解による分子量低下をより抑制でき、結果として得られる成形体の強度低下をより抑制できる傾向にある。
第1の溶融混練工程における混練時間は、使用する混練装置によっても異なるが、好ましくは0.5〜20分であり、より好ましくは1〜10分であり、さらに好ましくは2〜8分である。第1の溶融混練工程における混練時間が0.5分以上であることにより、屈折率の差によって観察される塊状物のサイズがより小さくなり、またその数が減少する傾向にある。また、超高分子量ポリエチレン樹脂はその分子の巨大さ故に動きが鈍いため、第1の溶融混練工程における混練時間が0.5分以上であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂がより分散する傾向にある。また、第1の溶融混練工程における混練時間が20分以下であることにより、経済的に好ましい。なお、第1の溶融混練工程は、1回で行なっても、複数回混練してもよい。
〔第2の溶融混練工程〕
第2の溶融混練工程は、超高分子量ポリエチレン高濃度希釈物と、ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体を得る工程である。第2の溶融混練工程は、一回で行ってもよいし、複数回で行ってもよい。また、第2の溶融混練は、第1の溶融混練工程と同一の装置で行ってもよいし、異なる装置で行ってもよい。
溶融混練手段としては、特に限定されないが、例えば、第1の溶融混練工程と同様とすることができる。
第2の溶融混練工程で得られる超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体中の超高分子量ポリエチレン樹脂の含有量は、目的とする製品の要求物性によっても異なるが、好ましくは20〜80質量%であり、より好ましくは30〜70質量%であり、さらに好ましくは40〜60質量%である。第2の溶融混練工程で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体中の超高分子量ポリエチレン樹脂の含有量が20質量%以上であることにより、系全体の粘度がより高くなり、超高分子量ポリエチレン樹脂の分子鎖を広げるための推進力がより向上し、結果として屈折率の差によって観察される塊状物のサイズがより小さくなり、またその数も減少する傾向にある。また、第2の溶融混練工程における超高分子量ポリエチレン樹脂の添加量が80質量%以下であることにより、混練装置への負荷がより低減され、従って吐出量を上げることができ、結果として経済的にも向上する傾向にある。
第2の溶融混練工程で用いるポリオレフィン樹脂は、第1の溶融混練工程で用いたポリオレフィン樹脂と同一でもよいし、異なってもよい。
第2の溶融混練工程で用いるポリオレフィン樹脂のMFRは、好ましくは0.1〜800dg/minであり、より好ましくは0.5〜500dg/minであり、さらに好ましくは1〜200dg/minである。第2の溶融混練工程で用いるポリオレフィン樹脂のMFRが800dg/min以下であることにより、第2の溶融混練工程の系全体の粘度がより向上し、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物中の樹脂の分散をより促進できる傾向にある。
また、第2の溶融混練工程で用いるポリオレフィン樹脂のMFRは、第1の溶融混練工程で用いるポリオレフィン樹脂のMFRと同一か低いことが好ましい。これにより、第2の溶融混練工程での系の粘度を上げることができ、その結果として屈折率の差によって観察される塊状物のサイズの小さいものや、数が少ないものが得られる傾向にある。第2の溶融混練工程で用いるポリオレフィン樹脂のMFRは、第1の溶融混練工程で用いられたポリオレフィン樹脂のMFRの1倍以下が好ましく、より好ましくは0.5倍以下であり、さらに好ましくは0.3倍以下である。第2の溶融混練工程で用いるポリオレフィン樹脂のMFRが第1の溶融混練工程で用いたMFRの1倍以下であることにより、第2の溶融混練工程の系全体の粘度がより向上し、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物中の樹脂の分散をより促進できる傾向にある。
第2の溶融混練工程で用いる超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物とポリオレフィン樹脂の添加量は、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物中の超高分子量ポリエチレン樹脂の含有量によっても異なり、目的とする成形体の物性が得られるような超高分子量ポリエチレン樹脂の最終濃度や、目的とする成形体を生産するために必要な流動性等を勘案して適宜決めることができる。
第2の溶融混練工程における溶融混練時の温度は、好ましくは150〜230℃であり、より好ましくは160〜200℃であり、さらに好ましくは170〜190℃である。第2の溶融混練工程における溶融混練時の温度が230℃以下であることにより、系全体の粘度が向上してポリエチレン樹脂高濃度希釈物の分散がより向上する傾向にある。また、第2の溶融混練工程における溶融混練時の温度が230℃以下であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の熱分解による分子量低下を抑制でき、結果として得られる成形体の強度低下をより抑制できる傾向にある。また、第2の溶融混練工程における溶融混練時の温度が150℃以上であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の易動性を上げることができ、超高分子量ポリエチレン樹脂の分散が促進される傾向にある。
〔第3の溶融混練工程〕
第3の溶融混練工程は、第2の溶融混練工程で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体と、ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る工程である。
第3の溶融混練は、第1、第2の溶融混練工程と同一の装置で行ってもよいし、異なる装置で行ってもよい。溶融混練手段としては、特に限定されないが、例えば、第1の溶融混練工程と同様とすることができる。
第3の溶融混練工程で用いるポリオレフィン樹脂は、第1、第2の溶融混練工程で用いたポリオレフィン樹脂と同一でもよいし、異なってもよい。第3の溶融混練工程で用いるポリオレフィン樹脂のMFRは、目的とする用途が要求する流動性、強度によって適宜選択することができる。
第3の溶融混練工程で用いるポリオレフィン樹脂のMFRは、好ましくは0.1〜800dg/minであり、より好ましくは0.5〜500dg/minであり、さらに好ましくは1〜200dg/minである。第3の溶融混練工程で用いるポリオレフィン樹脂のMFRが800dg/min以下であることにより、第3の溶融混練工程の系全体の粘度がより向上し、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物の分散をより促進できる傾向にある。
第3の溶融混練工程で用いる超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体とポリオレフィン樹脂の添加量は、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体中の超高分子量ポリエチレン樹脂の含有量によっても異なり、目的とする成形体の物性が得られるような超高分子量ポリエチレン樹脂の最終濃度や、目的とする成形体を生産するために必要な流動性等を勘案して適宜決めることができる。
第3の溶融混練工程における溶融混練時の温度は、好ましくは150〜230℃であり、より好ましくは160〜200℃であり、さらに好ましくは170〜190℃である。第3の溶融混練工程における溶融混練時の温度が230℃以下であることにより、系全体の粘度が向上してポリエチレン樹脂高濃度希釈物の分散がより向上する傾向にある。また、第3の溶融混練工程における溶融混練時の温度が230℃以下であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の熱分解による分子量低下を抑制でき、結果として得られる成形体の強度低下をより抑制できる傾向にある。また、第3の溶融混練工程における溶融混練時の温度が150℃以上であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の易動性を上げることができ、超高分子量ポリエチレン樹脂の分散が促進される傾向にある。
これに加えて、必要に応じて第4以降の溶融混練工程を設けることも可能である。第4以降の溶融混練工程は、上記第3の溶融混練工程と同様の操作、条件で行うことができる。
第1の溶融混練工程と、第2及び第3若しくは第4以降の溶融混練工程とは別々の工程で行ってもよいし、第1の溶融混練工程を行う装置に第2以降の溶融混練工程を行う装置をつなげて第1の溶融混練工程と、第2以降の溶融混練工程とを連続的に行なってもよいし、高濃度希釈物を溶融混練する装置の混練途中にポリオレフィン樹脂をサイドフィードすることにより第1の溶融混練工程と、第2以降の溶融混練工程とを連続的に行なってもよい。いずれの場合も、各々の工程で前述した超高分子量ポリエチレン樹脂及び超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物及び超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体が充分に分散する様に温度条件等を勘案して溶融混練することが好ましい。
最終的に得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中の超高分子量ポリエチレン樹脂の含有量は、目的とする製品の要求物性によっても異なるが、好ましくは10〜70質量%であり、より好ましくは15〜60質量%であり、さらに好ましくは20〜50質量%である。最終的に得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中の超高分子量ポリエチレン樹脂の含有量が10質量%以上であることにより、超高分子量ポリエチレン樹脂の本来の特性である耐摩耗性や摺動性等がより良好に発現される傾向にある。また、最終的に得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中の超高分子量ポリエチレン樹脂の含有量が70質量%以下であることにより、流動性がより向上し、加工性がより向上する傾向にある。
上記第1の溶融混練工程と、第2及び第3若しくは第4以降の溶融混練工程を経ることにより、驚くべきことに従来では考えられない、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体は、該成形体断面の位相差顕微鏡観察において、位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、200個以下であり、屈折率の差によって観察される400μm2以上の前記塊状物の個数が20個以下となり、屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の前記塊状物の個数が50個以下となり、且つ前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積の割合が7%以下となる。これにより、超高分子量ポリエチレン樹脂本来の特性をある程度維持しながら、成形加工性を飛躍的に向上でき、外観のよい成形体を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本実施形態を更に具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)極限粘度([η])
極限粘度は、ISO 1628−3:2010に準じて、135℃のデカリン(デカヒドロナフタレン)中で測定した。
(2)MFR
使用したポリオレフィン樹脂のMFRは、JIS K7210:1999に準じて、条件コードD(温度:190℃、荷重:2.16kg)の条件で測定した。
得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のMFRは、JIS K7210:1999に準じて、条件コードF(温度:190℃、荷重:10kg)の条件で測定した。
(3)密度
密度は、JIS K 7112:1999に準じて、D法(密度こうばい管)で測定した。
(4)塊状物の観察及び定量化
実施例及び比較例で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を190℃で約10MPaの圧力で圧縮成形し、1mm厚みのシートを作製した。該シートの一部を切り取り、その断面からミクロトームを用いて厚み約10μmの切片を作製した。該切片をOLYMPUS製BX51N−33−PHU−D型顕微鏡にて、10倍の対物レンズを用いて透過位相差観察を行った。透過位相差観察画像には、200μmのスケールを表示した。この時、観察視野は0.899mm×0.668mmの範囲とした。透過位相差観察画像(以下、「原画」ともいう。)を1360×1024ピクセルのサイズでJPEG形式で取り込み、以下の処理に供した。
前記の操作で取り込んだ透過位相差観察画像を画像処理ソフトである「A像くん(Azo V2.50(AZO.EXE:Ver.2.52、WIPETC32.DLL:Ver2.01、IPLB32.DLL:Ver.2.01))」(登録商標)(旭化成エンジニアリング株式会社製)を用いて画像処理して二値化を行い、10μm2以上の塊状物の個数、200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数、400μm2以上の塊状物の個数、及び位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積(mm2)を算出した。また、位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の塊状物の総面積(%)は下記式に従って算出した。
位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の塊状物の総面積(%)=(10μm2以上の塊状物の総面積(mm2)/(0.899mm×0.668mm))×100
尚、画像処理においては、透過位相差観察画像をそのまま用い、以下の条件で処理した。「A像くん」(登録商標)の画像入出力を用いて、原画を取り込み、前述の200μmのスケールで縮尺を決定した。この時、縮尺のスケール値は0.653595μm/画素であり、画像面積は590850.06μm2とした。該画像を、二分の一に縮小して二値化処理に供した。二値化は、「粒子解析」のモードを用いて行い、パラメータは表1の様に設定した。
上記条件で二値化を実行し、「A像くん」(登録商標)によって自動計算された閾値に14をプラスすることで、見た目で最も原画に近いと判断し、全てこの方法で二値化を実施した。二値化後は、微小な塊を削除するために、「特徴量フィルタ」の処理を実施した。尚、「特徴量フィルタ」の処理は、面積:10〜∞μm2、最大長:10〜∞μm、最小幅:10〜∞μmの条件で実施した。
それぞれの試料について無作為に3箇所で、10μm2以上の塊状物の個数、200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数、400μm2以上の塊状物の個数、及び位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積(mm2)を測定し、その平均値を表2に示した。
(5)引張強度
実施例及び比較例で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を190℃で約10MPaの圧力で圧縮成形し、約1mmの厚みのシートを得た。該シートからJIS K7113:1995の2号ダンベルを打抜き、引張試験に供した。引張試験は JIS K7162:1994に準じて、引張速度50mm/minで行った。引張試験はn=5で行い、その平均値を表2に示した。
(6)外観
実施例及び比較例で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を190℃で約10MPaの圧力で圧縮成形し、約1mmの厚みのシートを得た。該シートを、約1m離れた40Wの棒状蛍光管にかざして、その見え方を目視で観察し、良否を判定した。
○:蛍光管の輪郭が分かる。(外観の良いもの)
△:蛍光管の存在は分かるが、その輪郭が不明確。(外観のやや良いもの)
×:蛍光管の存在すら確認できない。(外観の悪いもの)
〔実施例1〜6〕
超高分子量ポリエチレン樹脂としてサンファイン(登録商標)UH970(旭化成ケミカルズ株式会社製)を用いた。該試料製造ロットの異なるものを2種類用いたが、各々のロットの極限粘度は23.4dL/g及び23.5dL/gであった。ポリオレフィン樹脂として表2に示すMFRが40dg/minである高密度ポリエチレン樹脂粉末と、を表2に示す割合で混合したのち、ナカタニ機械株式会社製AS型30mm二軸押出機(L/D=32)にて溶融混練した。混練は、温度=170℃、スクリュー回転数=70回転で、吐出量が約4〜5kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物を得た。尚、該高濃度希釈物には樹脂総量100質量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.08質量部、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートを0.15質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.22質量部配合した。
上記で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物と、ポリオレフィン樹脂として表2に示すMFRが1〜40dg/minである高密度ポリエチレン樹脂粉末と、を表2に示す割合で混合したのち、上記二軸押出機に投入し、第2の溶融混練に供した。混練は、温度=170℃、スクリュー回転数=70回転で、吐出量が6〜7kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体のペレットを得た。尚、上記ポリオレフィン樹脂として用いたポリエチレン粉末には樹脂総量100質量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.08質量部、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートを0.15質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.22質量部配合した。
上記で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体と、ポリオレフィン樹脂としてMFRが40dg/minである高密度ポリエチレン粉末と、を表2に示す割合で混合したのち、上記二軸押出機に投入し、第3の溶融混練に供した。混練は、温度=190℃、スクリュー回転数=90回転で、吐出量が約7〜9kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のペレットを得た。尚、上記ポリオレフィン樹脂として用いた高密度ポリエチレン粉末には樹脂総量100質量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.08質量部、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートを0.15質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.22質量部配合した。
得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物ペレットのMFRを測定した。また、該超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を前記方法で圧縮成形し、シート外観、引張強度測定及び塊状物の観察に供した。実施例1〜6の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像を図1〜6に示す。これらの結果は、表2に示す。
〔比較例1〕
実施例で用いた超高分子量ポリエチレン樹脂と、実施例で用いたMFRが40dg/minのポリオレフィン樹脂とを表2に示す割合で混合したのち、実施例で用いた二軸押出機に投入して溶融混練し、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得た。混練は、温度=170℃、スクリュー回転数=70回転で、吐出量が約4kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行った。本比較例では第2以降の溶融混練工程は行っていない。尚、該高濃度希釈物には樹脂総量100質量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.08質量部、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートを0.15質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.22質量部配合した。
得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物ペレットのMFRを測定した。また、実施例と同一条件で圧縮成形シートを作り、実施例と同一条件でシート外観、引張強度及び塊状物を観察した。これらの結果を表2に示し、比較例1のポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像を図7に示す。
〔比較例2、3〕
実施例で用いた超高分子量ポリエチレン樹脂と、実施例で用いたMFRが40dg/minのポリオレフィン樹脂とを表2に示す割合で混合したのち、実施例で用いた二軸押出機に投入して混練し、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物を得た。混練は、温度=170℃、スクリュー回転数=70回転で、吐出量が約4kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行った。尚、該高濃度希釈物には樹脂総量100質量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.08質量部、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートを0.15質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.22質量部配合した。
上記で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物と、ポリオレフィン樹脂としてMFRが40dg/minである高密度ポリエチレン粉末とを表2に示す割合で混合したのち、上記二軸押出機に投入し、第2の溶融混練に供した。混練は、温度=190℃、スクリュー回転数=90回転で、吐出量が約4kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のペレットを得た。本比較例では第3以降の溶融混練工程は行っていない。尚、上記ポリオレフィン樹脂として用いたポリエチレン粉末には樹脂総量100質量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.08質量部、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナートを0.15質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.22質量部配合した。
得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物ペレットのMFRを測定した。また、実施例と同一条件で圧縮成形シートを作り、実施例と同一条件で引張強度及び塊状物を観察した。これらの結果を表2に示し、比較例2、3のポリエチレン樹脂組成物のシート断面の位相差顕微鏡写真及び画像処理によって得られた二値化像を図8、9に示す。
本発明の実施例によれば、比較例に比べて、屈折率の差によって観察される塊状物が小さく、数も少ないことが分かった。また、これにより、引張強度も高く、外観の良いシート成形品が得られた。また、実施例により得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のMFR(F)は高く、成形加工性に優れていた。
本発明の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物は、摺動材、高強度フィルム、パイプ、延伸成形体等の工業部品用材料として産業上の利用可能性を有する。

Claims (4)

  1. 極限粘度[η]が5dL/g以上40dL/g以下の超高分子量ポリエチレン樹脂と、該超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物を得る第1の溶融混練工程と、
    前記超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物と、前記ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体を得る第2の溶融混練工程と、
    前記超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体と、前記ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る第3以降の溶融混練工程と、を有し、
    前記第1の溶融混練工程で用いる前記ポリオレフィン樹脂のMFRが、0.1〜800dg/minである、
    超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
  2. 記第2の溶融混練工程、及び前記第3以降の溶融混練工程のうち少なくとも1つの工程で用いる前記ポリオレフィン樹脂のMFRが、0.1〜800dg/minである、請求項1に記載の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記ポリオレフィン樹脂が、高密度ポリエチレンを含む、請求項1又は2に記載の超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
  4. 極限粘度[η]が5dL/g以上40dL/g以下の超高分子量ポリエチレン樹脂と、該超高分子量ポリエチレン樹脂以外のポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して得られる、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物であって、
    前記超高分子量ポリエチレン樹脂と、前記ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物を得る第1の溶融混練工程と、
    前記超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物と、前記ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体を得る第2の溶融混練工程と、
    前記超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体と、前記ポリオレフィン樹脂と、を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る第3以降の溶融混練工程と、を含み、
    前記第1の溶融混練工程で用いる前記ポリオレフィン樹脂のMFRが、0.1〜800dg/minである方法によって製造され、
    該超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の成形体断面の位相差顕微鏡観察において、位相差顕微鏡観察範囲0.899mm×0.668mm内で、屈折率の差によって観察される10μm2以上の塊状物の個数が、200個以下であり、屈折率の差によって観察される400μm2以上の塊状物の個数が、20個以下であり、屈折率の差によって観察される200μm2以上、400μm2未満の塊状物の個数が、50個以下であり、且つ、前記位相差顕微鏡観察範囲中に占める10μm2以上の前記塊状物の総面積が、前記位相差顕微鏡観察範囲面積に対して、7%以下である、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
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