JP6219387B2 - 改良された密封要素を有するカプセル - Google Patents

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Description

本発明は、改良された密封要素を有するカプセルに関する。具体的には、本発明は、カプセルに含まれる1以上の製品の一杯分の原料から飲料を供給するための1回使い切り、すなわち使い捨てのカプセル又はカートリッジに関し、また、カプセルと相互作用する飲料製造装置(抽出装置)を備える飲料製造システムに関する。
飲料カプセル、特にコーヒーを供給するための使い捨てカプセルは、1930年代から知られている。飲料カプセルは、少なくとも1つの抽出可能又は再構成可能な製品(一般的には粉コーヒー、その他、茶ハーブエキス抽出製品、インスタント(すなわち、粉)飲料や濃縮液)を収容した容器部を備えている。また、カプセルは、所望の飲料を供給するための抽出装置と相互作用する部分も有している。典型的な抽出装置は、水加熱手段と、カプセルと協働して供給室を形成する取り囲み部材又は容器と、カプセル中の製品から飲料を抽出又は再構成するために抽出液(好ましくは、圧力がかけられた熱水)をカプセルに供給するためのポンプ又は類似の手段と、を備えている。
一般的に、抽出装置は、カプセルの少なくとも一部を収容する容器を有する第1の部分と、カプセルから飲料を抽出する際に第1の部分と協働する第2の部分と、を含んでいる。第1及び/又は第2の部分は互いに移動可能である。また、典型的には第2の部分の上端又は下端に位置し、飲料供給プロセス中にカプセルと密封係合するように、カプセルのシール要素を抽出装置の第2の部分に押しつけるようにカプセルのシール要素と接触させる端部を容器は有している。
公知の飲料供給プロセスにおいて、カプセルは抽出装置の容器に入れられ、抽出液(典型的には、熱水)がカプセルに注入される。注入された熱水はカプセルを通過し、カプセルに収容された原料から飲料を抽出する。飲料はカプセルから出て飲料コレクターその後カップ又はコンテナへと到達する。
容器は、カプセルの少なくとも一部を収容し、カプセル内に注入された熱水を全く漏らすことなく又はわずかな漏れのみにて飲料を抽出可能なように、密封状態にてカプセルと協働する。抽出液の漏れは飲料の抽出プロセスに負の影響を与えることがあり、その結果、飲料の所望の味及び品質を得られなくなる。
公知のタイプのカプセルは、実質的に円錐台形の本体と、カプセルの2つの底のうち1つから延びる縁フランジ部分とを有している。抽出装置は、抽出ステップ中に必要な密封状態に達するように、容器をフランジに押さえつけるための手段を備えている。飲料の出口が配置されているカプセルの側に対応する位置に配置されたフランジを有する公知のカプセルが存在する。飲料は、カプセルのフランジが配置された底から出て行く。フランジと容器との間の密封状態は、容器から水が漏れないことを要求される。
公知の抽出装置においては、一般的に、カプセルと容器との間の密封係合は、縁フランジに圧力を加えることにより得られる。言い換えると、カプセルを収容するためにカップ形状となっている容器は、カプセルのフランジ様縁(カプセルの側面から周辺に沿って延びる縁)及びカプセルに穴を開ける手段が配置された受容板に押さえつけられる。
カプセルと抽出装置の容器との間に確実に密封係合を形成することについての課題が存在する。実際、抽出液がカプセルの外へ漏れてしまうと、カプセル中の圧力が減少し、その結果、コーヒーの風味の抽出量が減少する。加えて、水が分注機のしずくトレイに放出されたりカップに入り込んだりすると見苦しい。密封状態がよくないために水がカップに到達し、その結果、カプセルから抽出された飲料の味が薄められると、できあがった飲料の官能特性や品質に影響する。
密封部材としての弾性材を有する公知のカプセルは、上記の問題を解決するには不向きである。そのため、カプセルと凹凸を有する容器との間で満足な密封係合を確実に行うための他の解決法が提案されてきた。使用後のカプセルを容器から取り除く場合には、カプセルの密封部分は、抽出ステップの終了時に容器の押圧部分と付着したままになってはならない(これは、ゴム状の密封要素を用いた場合によく発生する)。
加えて、異なるタイプの公知の抽出機に使用可能なカプセルを提供したいという課題がある。ある1つのタイプのカプセルは、異なるモデルの抽出機に用いることができないか、用いることができても困難を伴うことがある。このような問題は、不正確な設計のため、又は、設計を慎重に選択したことによる副作用の注意深い評価のため、第1及び第2の部分の移動距離が抽出機毎に異なるため、ある抽出機では密封要素が大きすぎる(この場合は抽出機を閉じるのが難しくなる)一方、他の抽出機では密封要素が小さすぎる(この場合は水漏れが発生する)ために発生する。また、同じ1台の抽出機において、当該1台の抽出機を繰り返し使用すると摩耗やほころびが生じることがあり、その結果、第1及び第2の部分の移動距離が経時的にわずかに変化して、抽出室から水が漏れ出す可能性がある。
特許文献1には、容器の押圧部分と係合し所望の密封係合を得るために容器と相互作用するための、カスケット又は密封要素としての弾性材をフランジ様縁に対応する位置に設けたカプセルが開示されている。
特許文献2には、容器の押圧部分、すなわち、カプセルと接触する容器の端部に、凹凸、刻み目、及び/又は間隙を設けた抽出装置が開示されている。特許文献2の記載によると、間隙は、カプセルを挿入しないで装置を用いたときの漏れを制御する流れ方向制御手段を容器に設けるために、容器の端に設けられている。この装置をこのような容器に対応した特定のカプセルと共に用いたとしても、水は容器からコーヒーが入っているカップ中へと漏れてしまい、その結果、しずく受けコンテナを過剰な水で満たしてしまう可能性があるという欠点に加えて、視覚や味に対しても負の効果を及ぼす。
容器と密封係合を形成するための、カプセルと同じ材料により製造されており、カプセルの外表面、特にカプセルのフランジ様縁から延びている1以上の突起要素を有するカプセルがすでに知られている。
特許文献3(出願人:Ethical Coffee Company)には、外表面、特にフランジ様縁の上面に設けられた突起要素を有するカプセルに関する数種類の実施形態が記載されている。
特許文献4(出願人:Sara Lee)には、容器と密封係合を形成する少なくとも1つの突起を有するカプセルが開示されている。特許文献3及び4に開示されている突起要素は、異なるタイプの抽出装置の容器とカプセルとの間に満足な密封係合を補償するとの上記の課題を解決するには不向きである。実際、公知のカプセルの突起部分は、抽出機によって、抽出機を閉めるのを難しくしたり、水漏れを発生したりしていた。
欧州特許出願公開第1654966号明細書 国際公開第2009/115474号 国際公開第2010/084475号 国際公開第2010/137946号 国際公開第2007/063411号
本発明の課題は上記の問題点を解決することであり、容器の押圧部分の形状や構成が異なっていても、また、容器が異なる閉鎖機構を有していても、ディスペンシングユニット(Dispensing Unit)の動作に悪影響を及ぼすことなく、すなわち、機械を閉めたり、カプセルを容器へ挿入する/容器から取り出したりする際に問題を生じさせることなく使用可能なカプセルを提供することである。
本発明のもう一つの目的は、摩耗やほころび、不正確な設計、又は異なる閉鎖機構のために容器に設けられる凹凸の密封を補償するために外表面に弾性を有する密封材を追加することなく、製造が簡単であり、密封要素を本体と一体に形成したカプセルを提供することである。
上記の及び他の目的は、本発明のカプセルによって達成できる。すなわち、請求項1に係る、1回分の製品から飲料を供給するための使い捨てカプセルにより達成できる。カプセルは、カプセルの少なくとも一部を囲む容器を備える飲料製造装置(「ディスペンシングユニット」又は「抽出装置」とも呼ぶ)に挿入可能である。カプセルは、上記の製品が入れられている中空体を形成する側面壁と、上部壁と、下部壁とを備える。カプセルは、さらに、上側と下側とを有しカプセルから横方向へ延びるフランジ様縁と、フランジ様縁からの突起、又は、フランジ縁の厚み増加部分として形成され、使用中、すなわち、例えば抽出工程中にカプセルのフランジ縁に容器が押さえつけられているときに、飲料製造装置の容器の押圧部分と密封係合を形成する少なくとも1つの密封要素と、を備える。このように、突起部分はフランジ様縁から容器へと延びている。また、カプセルは、カプセルの出口壁を形成し、カプセル本体のフランジ縁に部分的に取り付けられている蓋を備えている。
本発明によると、カプセルは、入口壁と、側面壁と、上側と下側とを有するフランジ縁とを含む中空体を備え、フランジ縁の上側には密封要素が配置され、フランジの下側には、カプセル軸(A−A)に対して異なる高さに配置されフランジ縁の下側に空洞部を形成する少なくとも2つの部分が備わっている。言い換えると、カプセルは、入口壁と、側面壁と、フランジ縁とを含む中空体を備え、縁は、上側と下側と上側に配置された密封要素とを有し、フランジの下側は、カプセル軸(A−A)に対して異なる高さにある2以上の面上に配置された(すなわち、当該面は、異なる高さにおいて、カプセルの軸と交わる)少なくとも2つの部分を備える。さらに詳細には、面のうちの1つは、好ましくは少なくとも密封要素領域の一部を含んでいるが、他の面よりも高くなっている。これにより、抽出装置による抽出工程において密封要素が圧縮された際に、フランジ縁の部分を受容する空間を形成できる。当該面は互いに平行であってもよいし、平行でなくてもよい。例えば、後述するように、図10に示すように当該面は交わっている。複数の面が存在していてもよいし、フランジの下側に形成される空洞は、非平面形状及び/又は不規則形状を有していてもよい。
「より高い」との語は、面の1つが、カプセル軸(A−A)に対して、フランジ縁の下側の他の面よりも入口壁(図中の頂上壁)により近い位置にあることを意味する。一般的に、以下の明細書や請求項において、「より低い」と「より上側」又は「より高い」、「下向き」と「上向き」は、入口壁がカプセルの最も高い位置に配置していると仮定して、カプセル軸A−A及び添付の図に対するカプセルの各要素の位置関係を意味するものとする。
フランジ縁の下の空間(すなわち、一種の空洞部)は、少なくとも一部が、密封要素の少なくとも一部の下側に形成され、また、密封要素に隣接した部分に配置されることが好ましい。または、空間又は空洞部は、フランジ縁の反対側、すなわち、フランジの下側の密封要素に隣接した位置にのみ配置される。
カプセルは、一般的に、カプセル本体を閉じる蓋も備えている。当該蓋は、フランジに沿って延びて、フランジ縁の少なくとも一部の下において蓋材料の少なくとも一層を形成する。例示的な実施形態において、カプセル本体のフランジ縁は、少なくとも密封要素が配置された領域において、蓋により形成された層からは垂直方向に離れた位置にある。これにより、抽出装置において密封要素が圧縮されたときにフランジ縁の部分を受容する空間を形成できる。
蓋は、典型的には、プラスチック蓋及び金属箔要素から選択されるが、他の材料にて製造される。典型的な金属箔要素は、密封品質、柔軟性、及びガス遮断特性(たまに、酸素遮断特性を含む)を持たせるための、熱形成又は熱射出により形成した、プラスチック層、又は、適切なプラスチック又はバイオプラスチック層と組み合わせられたアルミニウム層を備えている。
特にプラスチック蓋の場合、フランジと蓋壁とは、フランジ縁の端部と密封要素との間の位置において一緒に溶接される。蓋が金属箔部材の場合には、金属箔は、密封要素とカプセル(含まれる(included))の側面壁の底部との間にあるカプセルの下側の一部に溶接されていてもよい。他の実施形態においては、金属箔は、より高い位置(すなわち、入口壁により近い位置)にある面の一部と溶接される。この場合、高さの違い、すなわち、フランジ縁の下側の2つの面間の距離は、フランジが抽出装置により圧縮された際に、フランジの対応する部分が下方向に移動可能な程度の距離となっている。
本発明のさらなる目的は、請求項16に係る特徴による飲料を供給するためのシステムである。このシステムは、本発明のカプセルと、カプセルの少なくとも一部を収容する容器を有する第1の部分と当該カプセルから飲料を抽出する際に第1の部分と協働する第2の部分とを含む抽出装置と、を備える。第1及び/又は第2の部分は、少なくとも互いに対して移動可能となっている。第1の部分の容器は、それを第2の部分に押しつけて、カプセル中の原料から飲料を供給する工程中にカプセルと密封係合を形成するように、密封要素と接触する下端を有している。
本発明の例示的な実施形態によると、フランジ縁と蓋との間の空間は、密封要素の少なくとも一部からカプセル本体の壁へと延びている。本発明の他の実施形態においては、この空間は、カプセルの内側と、例えば、溝により接続されている。
好ましい実施形態において、密封要素は、三角形形状又は頂点が切断された三角形形状の断面を有する。三角形の辺は、フランジ縁から、直接又はカプセルの側面壁を貫通して延びている。すなわち、三角形は、実質的に垂直方向にフランジから突出している。
言い換えると、この実施形態において、密封要素は、フランジ縁の上面から延び35度−120度の範囲にある角度(α)を定義する2つの直線上に2つの辺がある実質的に三角形状の断面を有する部分を備える。
密封要素の側面壁からの距離は、図9及び10に示すように、抽出装置の容器の押圧要素が側面壁と密封要素との間の空間に収容するのに十分な距離であってもよい。
本発明のさらなる目的は、飲料を供給するためのカプセルの蓋である。カプセルは、入口壁と側面壁とフランジ縁とを含む中空体を備える。蓋は、カプセルの中空体を閉じる中央部分と、カプセル本体のフランジ縁と協働する周辺部分と、を備える。蓋は、蓋から外側に突出し、溝により定義される複数の自己開口要素として形成される出口手段を備えることを特徴とする。また、当該溝は、複数の鋭角を含むパターンを形成することを特徴とする。
自己穴開け要素は、抽出装置の少なくとも一部によって加えられた機械的な力、及び/又は、カプセルに注入された水により加えられた力の作用によって破壊可能である。
好ましい実施形態において、蓋の周辺部分は、カプセルのフランジ縁の端部にそって垂直に延び、蓋とフランジ縁とをさらに強固に組み付ける端部を有する。蓋がカプセルのフランジ縁に貼り付けられた金属箔により作られている他の実施形態において、フランジ自体がその端部に補強隆起を有する。当該隆起は、上向き(フランジの上側から入口壁に向けて)又は下向き(フランジの下側からカプセルの入口壁からは離れる方向に)延びていてもよい。
本発明の他の目的は、請求項18に記載の、上記の抽出装置において上記のカプセルから飲料を供給するプロセスである。当該プロセスにおいて、カプセルは入口壁と側面壁とフランジ縁とを含む中空体を備え、フランジ縁は上側と下側とフランジ縁の上側に配置された密封要素とを有し、抽出装置は互いに対して移動可能な第1の部分と第2の部分とを備える。当該プロセスにおいて、密封要素は圧縮され、カプセルのフランジ縁の部分と共に、第1の部分により、装置の第2の部分へと移動させられる。
本発明は、先行技術に対していくつかの有利な点を提供する。
実際、フランジ縁の下の空間、すなわち、密封要素の下又はそれに隣接した空間は、「ばね」効果を呈する。この「ばね」効果により、カプセルの密封状態を改善できる。その結果、第1及び第2の部分の移動長さ、その結果、閉鎖状態の第1の部分と第2の部分との間の距離が、設計上または偶然に同一でない異なるタイプ又はモデルの機械において、カプセルを用いることができる。また、ばね効果により、摩耗やほころびにより発生する可能性がある抽出機の移動部分の移動長さの変化を補償できる。
蓋を示すカプセルの斜視図。 抽出装置中のカプセルの断面概略図。 本発明の2つの変形例に係る密封領域の拡大断面図。 本発明の2つの変形例に係る密封領域の拡大断面図。 本発明の例示的な実施形態の拡大図。 本発明の例示的な実施形態の拡大図。 他の例示的な実施形態の拡大図。 他の例示的な実施形態の拡大図。 圧縮状態のフランジと密封要素を模式的に示す図。 本発明の他の例示的な実施形態の圧縮状態を示す図。 本発明の参考例の詳細断面図。 本発明の参考例の詳細断面図。
例示的な限定されない実施形態を表す添付した図を用いて、本発明をさらに開示していく。図1に示すように、飲料供給用カプセル1は、中空体3を備えている。中空体3は、入口壁4と、側面壁5と、フランジ縁6とを有している。図1においては、例えば、成型された可塑性プラスチック、又は、熱形成された積層体であり、自己穴開け部分8を有する蓋である出口壁7が示されている。例えば、穴開け可能であるか又は破ったり引き裂いたりできる金属箔7’、穴開け前の箔、当業者にとって利用可能な他のタイプの壁のような、他のタイプの出口壁を用いることもできる。カプセルは、水をカプセル内に入口壁4を通して供給し、出口壁7から飲料を回収する抽出装置と共に使用される。フランジ縁6(図4〜9)は、上側10と、下側11と、フランジ縁の上側10に配置された密封要素12を有している。「上側」及び「下側」の意味は上記で説明しており、図に示された軸A−A及び位置を参照する。
図2に示すように、カプセルは、カプセル1の少なくとも一部を収容する容器を形成する第1の部分2Aと、カプセルから飲料を抽出するときに第1の部分と協働する第2の部分2Bとを有する抽出装置において使用できる。第1の及び/又は第2の部分2A、2Bは、互いに対して移動可能である。例えば、部分2Aが可動であり部分2Bが固定されており、又はその反対も可能である。容器すなわち部分2Aは、下端、すなわち、それを第2の部分に対して押しつけて飲料供給プロセス中にカプセルと密封係合を形成する、(図2に示す位置から容器が抽出装置の部分2Bに対して移動する又はその逆のときに)密封要素12と接触する押圧端9を有する。
図2は、押圧端9の可能な形状を示す。左側では押圧端は実質的に平坦であり、左側では押圧端はそれ自体を2つの部分に分割する溝を有している。これら両方の形状は周知である。
密封要素12は異なる形状を有していてもよく、好ましくは、カプセル本体の円周である少なくとも1つ(または複数であっても良い)の突出要素により形成される。開示された実施形態では、密封要素12は、頂点が切断された三角形形状の断面を有している。当該三角形の辺はフランジ縁6から延びている。好ましくは、密封要素は、要素2Aのための座部(seat)を形成するよう、カプセルの側面壁5からは離れている。
より一般的には、密封要素12は、フランジ縁6の上側から延び35度〜120度の範囲内、好ましくは40度〜50度あたりの角度α(図4)をなす2つの直線上の2つの辺を有する実質的に三角形の断面を有する。他の実施形態では、密封要素は、フランジの厚み増加部分として形成されるか、又は、三角形とは異なる形状を有している。
特に図4及び図5に示すように、本発明によれば、フランジ6の下側11は、カプセル軸(A−A、図4及び5を参照)に対して異なる高さにある2以上の面上に存在する、少なくとも2つの部分13、14を有している。図示された実施形態では、2面P及びQ上は2つの部分がある。より詳細には、面Q上にある部分13は、フランジ6の端から密封要素12(を含まない箇所)へと延びている。一方、面P上にある部分14は、密封要素12(を含む箇所)からカプセル本体3の側面壁5へと延びている。面PとQは、カプセルの軸A−Aに対して異なる高さ位置に存在している。すなわち、面PとQとは、異なる点において軸A−Aと交わる。
例示的な実施形態では、フランジの上側は、好ましくは単一の面である。すなわち、密封要素12のいずれかの側にあるフランジ6の部分は、好ましくは、同一面である。他の実施形態では、参考例としての図10及び11によれば、フランジ6の下側11は、軸A−Aに対して異なる高さの(及び、軸A−Aに対する傾斜角が異なっていてもよい)面上にある部分を有している。
上述したように、各面はカプセルの軸A−Aに対して異なる高さにある。面Pは、より高い位置、すなわち、カプセルの入口壁4により近い位置にある。面Qはその逆であり、すなわち、面Qはより低い(出口壁7により近い)位置の面である。
異なる面を有することにより、カプセル本体のフランジ縁6は、フランジ縁6に沿って延びる出口壁7によって形成される層から離れる。それにより、密封要素12が抽出装置において圧縮されたときにフランジ縁6の部分を受容する空間、又は空洞部20が形成される。図8は、圧縮状態のフランジ6及び密封要素12を模式的に示している。両方が、容器2Aの端部9により、外側壁7及び抽出装置の部分2Bに対して下向きに移動されている。
部分13及び14、及び対応する面Q、Pのいくつかの異なる構成が存在しうる。図5〜7には、外側壁から離れている密封要素12を示す2つの類似の実施形態が示されている。1つの実施形態においては、空間20は密封要素12の外端にて終わっている。もう一方の実施形態においては、空間20がフランジ6の端へと続いている。フランジと外側壁7とは、フランジ縁6の端と密封要素12との間の位置15(図5及び8を参照)において溶接されることが好ましい。図5及び7において、フランジ6は、溶接位置15に対応する位置において、フランジの端を除くフランジの他の箇所よりも大きい厚みを有している。蓋を超音波溶接する際に超音波ソノトロードにより供給されるエネルギーを伝達するために、縁の下側に凹部が形成されてもほぼ連続的な厚みとなるように、フランジ縁の上部はエンボス(emboss)部分を有している。
示されている実施形態において、フランジ縁6の下側には空間が設けられているが、当該空間を出口壁の上側に配置しても、上記の2つを組み合わせてフランジの下側と出口壁の上側とに配置しても、同様の効果が得られる。本発明とは直接関連はないが、超音波エネルギーを伝達する凹部を、蓋の上側と同様に縁の下側のメス部分に置き換えてもよいことは明らかである。
図3a及び3bは、他の可能性のある実施形態を示している。図3aにおいては、密封要素12は、その外側(カプセル本体3からは離れた側)に溝16を有している。溝16は、密封要素12が部分2Aにより圧縮されたときに破壊される。その結果、密封要素は反時計回りに回転し、出口壁7へと移動する。従って、この実施形態は、フランジの密封要素17に対応する領域が出口壁7から離れており、当該領域に、十分に大きな圧縮力が加えられたら壊れる開封線を与える溝16が設けられたカプセルに関する。例えば、部分2Aと2Bとの間の距離が過剰な圧縮を回避できる程度の距離であるためにそのような大きな圧力が加えられなければ、密封要素12は、圧縮のみで密封効果を得られるように、「通常」状態にて、すなわち、溝16が破壊されることなく圧縮される。
図3bは、密封要素24がおおよそ「M」字形状の二重犬歯状であり、M字形状の密封要素が下向きに圧縮されたときに必要であればM字形状の密封要素の中央部分が収容可能な大きさを有する溝23が出口壁7の上側に設けられている、本発明の他の可能な実施形態を示している。
図9は、抽出装置の容器2Aが第2の部分2Bに対して移動するかその逆の場合に、容器2Aがカプセルの側面壁5と密封要素12との間に位置するように、密封要素12がカプセルの側面壁5から離れて配置された、本発明の可能な他の実施形態を示している。図9は、部分2Aと2Bとの間にてすでに圧縮されて密封要素12が変形した場合のカプセルを示している。この実施形態においては、空間20は、主に、密封要素12と側面壁5との間のフランジの部分の下に形成しており、フランジが圧縮されると密封要素が側面壁5へ向けて回転し、容器2Aに接触して密封効果を改善できる。
なお、抽出装置の容器2Aの端部9は、密封部材の内側側面12Aと少なくとも部分的に接触することに注意されたい。例えば、可能性のある実施形態(例えば、図10を参照)によると、容器2Aは、カプセルの側面壁5と密封部材12との両方、特に密封部材の内側側面12Aに接触できる。図9に示す実施形態では、圧縮状態において、フランジ縁6の部分14は、容器2Aによって、外側壁7と抽出装置の第2の部分2Bとに対して下向きに移動させられている。そうすることにより、密封部材12は、少なくとも部分的に、容器2Aの外表面へと回転する。この結果、容器2Aとカプセルとの間の密封係合が増加する。
図10に示す参考例は、容器2Aの端部9が抽出工程中に収容される空間が密封部材12とカプセルの側面壁5との間に形成される点において、図9に示す実施形態と類似している。図10に示す参考例において、フランジ6の下側の空洞部20は、下側の密封要素12からフランジ6へと至る部分に位置している。下側の側面壁5と密封要素12との間の部分14は、実質的に平坦である。出口壁7’は公知の金属箔にて製造されており、抽出装置の部分2Bは、抽出工程中に金属箔7’を破る穴開け要素7を、公知の方法にて備えている。
図10に示すように、下側11は異なる面、すなわち、面Q、P、及びP’上に異なる部分を有する。面P’は、面P及びQに対して傾いており、それらと交わっている。面は、異なる高さにて、軸A−Aと交わる。
他の実施形態において、フランジ縁6の上側10は、平坦面(点線Lにて示されている)を有する。この実施形態において、図9に示す実施形態に示すように、密封は、密封要素12の側の(好ましくは側面壁5の側においても)容器2Aの押圧力により得られる。このように、密封要素は、フランジ縁6から突出する三角形又は隆起である必要はない。上記のように、フランジ6の上側は(線Lのように)平坦であってもよいし、密封要素は、フランジの厚み増加層として形成されていてもよい。
この実施形態においては、空洞部又は空間20が存在することにより、密封要素12が容器2Aにより圧縮されたとき、特に当該圧縮が横方向の圧縮であるときに、必要であれば、密封要素12がフランジの端部に向けて変形できる。言い換えると、容器2Aが密封要素を圧縮する際に、空間20は、抽出装置の部分2Bに対して押されたフランジ6の部分を「受容する」のに適している。特に、容器2Aの圧縮パスが、密封要素の設計上の基準圧縮パスよりも大きいときに、空間20は、カプセルのフランジの変形部分を収容して、密封要素12の圧縮過剰を補償できる。
図11に示す、下側の空間20がフランジの部分13に設けられる実施形態においても、類似の効果が発生する。図10及び11にも、図10及び11の参考例には限定されない、フランジに対して下向きに延びる隆起22Aをフランジの端部に設けたフランジの参考例を示す。
示された実施形態には、自己穴開け要素8を備えた開口を設けた蓋(例えば、図1を参照)によって形成された壁が設けられている。示された実施形態において、カプセルには、中央出口手段8が設けられているが、当該1つの手段は、下壁7の複数の自己穴開け要素8に置き換え可能である。自己穴開け手段を有する蓋には、蓋が注入された熱可塑性物質又は波形の熱成形プラスチックから作られた場合に、蓋をより硬くするため及び容易に自己穴開け可能なように、(当該要素の数や形状とは独立して)内部にリブを設けることが好ましい。自己穴開け要素8は、出口壁7の下面7bから少なくとも部分的に突出した部分を備え、この結果、自己穴開け要素8は、抽出装置により加えられた機械的な力、及び/又はカプセルに注入された水により加えられた力により破ることが可能となっている。特に、図4及び5の拡大図に示されるように、要素8は、出口壁7から突出した要素8の部分が抽出装置の2Bに対して押されたときに破ることができる下壁の厚み減少部分17として形成されている。
所望の飲料の品質やタイプに従って様々な破れやすさ度合いを達成するために、異なるデザインの厚み減少領域を用いることができる。例えば、厚み減少部分は、破れ領域のいずれか側又は両側に、面内に水平に延ばすことができる。全体が破れる部分を用いた実施形態も可能であるが、好ましくは、ヒンジは、リブが壁7から完全に破れ落ちることなく振動し開けられることを保証できる。このタイプの自己穴開け要素は、特許文献5(本出願の出願人による特許出願)に詳細に記載されている。
他のタイプの出口手段は対応する複数の突出要素8を有しているが、リブの周辺の溝が、壁7が存在していない極薄の切り込み、すなわち、プレカット(pre−cut)領域と、まだ存在しているヒンジ部とに置き換えられる。加えて、この例示的な実施形態において、リブは壁7に対して外向き及び内向きの両方に突出してもよい。
機械的な力、抽出液の圧力、抽出装置による機械的な力と抽出液の圧力との合力により、上記の出口要素が開けられるか、又は、プレカット開口が広げられることにより、所望の自由経路が形成されることに注意されたい。
蓋の1つの好ましい実施形態(図1に示す)においては、機械的な圧力を集中させるための複数の鋭角19を含んだパターンを形成する溝18として形成された1以上の自己穴開け要素8が備わっている。
蓋の代わりに、出口壁7は金属箔又は膜7’としてもよい。特に、金属箔は、少なくとも酸素に対するバリアを与える積層体である。金属箔の開口は、金属箔を切り裂く複数の突起部材7Aを有する部分2Bに対して公知の方法により得られる。好ましくは、金属箔はフランジ6の下側の少なくとも部分13に例えば溶接により固定されるが、フランジの下側全体に固定されていてもよい。この場合、カプセルのフランジ縁6に対応する金属箔と接触する抽出装置の部分2Bは、好ましくは、必要な密封効果を得るのを助けるため平面であるが、金属箔を適切な穴開けを確実に行うための隆起部を有していてもよい。
本発明の例示的な実施形態において、図5に示すように、フランジ6と壁7との間の空間20は、例えば、溝21(図5の点線にて示す)により、カプセル3の内側に接続されている。この実施形態において、カプセル本体に供給された水、又は水と空気、又は他の流体は空間20に到達する。これにより、空間20中の圧力は、カプセル3中の圧力と同じになり、内部圧力が圧縮圧力に対抗するように働くことにより密封効果が改善される。
最後に、フランジ縁6の硬度を増加するため、出口壁が蓋である場合、出口壁7の周辺部分は、カプセルのフランジ縁の端部22に沿って垂直に延びる端部25を有している。これにより、フランジ縁の端部を部分的に収容し支持して、フランジ縁22の端部の厚みを2倍にできる。
最後に、本発明の改善された密封要素12は、カプセルと抽出装置の1以上の要素との間に密封効果を必要とするいかなるタイプのカプセルにおいても使用できることを繰り返し述べておく。図1及び2に示すカプセルは密封カプセルであるが、本発明の密封要素は開口カプセル、すなわち、入口壁4及び/又は出口壁(蓋又は膜)に水や飲料の通路となる開口を設けるカプセルにおいても、技術的な効果を有する。同様に、本発明の密封要素は、カプセルの密封が必要な他の箇所に配置されていてもよい。

Claims (15)

  1. 抽出装置における飲料を供給するカプセル(1)であって、
    入口壁(4)と、側面壁(5)と、フラン(6)と、を有する中空体(3)を備え、前記フランは上側(10)と下側(11)と前記フランの前記上側に配置された密封要素(12)とを有し、
    前記フラン(6)の前記下側(11)は、前記カプセルの軸(A−A)に対して異なる高さを有する2又はそれ以上の平面(Q、P、P’)上に少なくとも2つの部分(13、14)を有し、
    前記異なる高さによって、前記フランジの前記下側に、前記フランジの上にある前記密封要素(12)が圧縮されるときに前記フランジ(6)の一部を受け止める少なくとも1つの空間又は空洞部(20)が形成されており、
    前記密封要素(12)は前記カプセルの前記側面壁(5)から離れており、
    前記密封要素(12)は、三角形状又は頂点が直線にて切断された三角形状の断面を有しており、前記三角形状の辺は前記フランジ(6)から延びており、
    前記空間(20)は、前記下側において、少なくとも前記密封要素の反対側で近接した位置に配置されている
    ことを特徴とする、カプセル。
  2. 前記平面のうち少なくとも1つ(P’)は、前記他の平面(Q、P)の少なくとも1つと交差している、請求項に記載のカプセル。
  3. 前記中空体を閉じ、前記フラン(6)の少なくとも一部に沿って延びることにより、前記フランジの下において少なくとも一層の材料を有する蓋を形成する出口壁(7)をさらに備え、
    前記中空体の前記フランは、前記密封要素(12)が前記抽出装置内で圧縮されたときに前記フラン(6)の一部を受ける空間(20)を形成するよう、少なくとも前記密封要素(12)が配置された領域において前記蓋によって形成される層から上下方向に離れている、請求項1又は2に記載のカプセル。
  4. 前記フランジ(6)の前記下側(11)は、前記密封要素(12)から前記フランジの外側縁に向かって延びる第1の部分(13)と、前記密封要素の少なくとも一部を含みかつ前記中空体の前記側面壁(5)へと延びる第2の部分(14)とを有しており、前記空間を形成するために、前記第2の部分(14)の前記平面(P)は、前記フランジの前記第1の部分(13)の前記平面(Q)よりも、前記カプセルの前記入口壁(4)に近くなっている、請求項1〜のいずれかに記載のカプセル。
  5. 前記空間(20)は前記カプセルの内側に接続されている、請求項4に記載のカプセル。
  6. 前記フラン(6)の前記下側(11)は、前記密封要素(12)から前記フランジ外側縁に向かって延びる第1の部分(13)と、前記密封要素の少なくとも一部を含みかつ前記中空体の前記壁(5)に向かって延びる第2の部分(14)とを有し、少なくとも1つの空間(20)が、前記第1の部分(13)に配置されており、選択的に、前記密封要素(12)と反対側の前記フランジの部分を含んでいる、請求項1〜のいずれかに記載のカプセル。
  7. 前記密封要素(12)は、前記フラン(6)の上側面から延び35度〜120度の範囲にある頂角(α)を形成する2つの直線上にある2つの辺を有する実質的に三角形の断面を有する部分を備える、請求項1〜のいずれかに記載のカプセル。
  8. 前記フランジは、下方に向けられた周辺部分(22A)を有する、請求項1〜のいずれかに記載のカプセル。
  9. 飲料を供給するためのカプセルに用いられる蓋であって、前記カプセル(1)は、入口壁(4)と側面壁(5)とフラン(6)とを含む中空体(3)を備えており、
    前記蓋は、前記カプセルの前記中空体を閉じる中央部分と、前記中空体の前記フランと協働する周辺部分とを備えており、
    前記蓋は、前記蓋から外側に突出し、内部に複数の鋭角(19)を含むパターンが形成されている溝(17、18)によって形成された複数の自己開口要素(8)として形成される出口手段を備える、蓋。
  10. 前記自己開口要素(8)は抽出装置により加えられた機械的な力及び/又は前記カプセルに注入された水からの力の作用によって破壊可能である、請求項に記載の蓋。
  11. 前記周辺部分は、前記カプセルの前記フランの縁に沿って上下方向に延びる縁を有している、請求項9又は10に記載の蓋。
  12. フラン(6)と、前記フラン(6)の前記下側に配置された空間又は空洞部(20)を有する、請求項1〜のいずれかに記載のカプセル(1)と、
    前記カプセルの少なくとも一部を収容するための容器(2A)を有する第1の部分と、前記カプセルから飲料を抽出する際に前記第1の部分と協働する第2の部分(2B)とを有する抽出装置と、
    を備え、
    前記第1の及び/又は第2の部分は可動であり、
    前記容器(2A)は、飲料の供給プロセス中に前記カプセルと密封係合するように前記密封要素(12)を前記第2の部分(2B)に対して圧縮するよう前記密封要素(12)に接触する下端(9)を有し、
    前記空間(20)は、前記第1の部分(2A)によって前記抽出装置の前記第2の部分(2B)に対して圧縮された前記フラン(6)の少なくとも一部を受容するのに適している、飲料供給システム。
  13. 前記カプセルは、請求項9〜11のいずれかに記載の蓋を有しており、前記第2の部分(2B)は、前記カプセルの前記蓋の自己開口要素部分に対して機械的な力を作用させる手段をさらに備えている、請求項12に記載の飲料供給システム。
  14. 互いに移動可能な第1の部分(2A)と第2の部分(2B)とを有する請求項12又は13に記載の抽出装置において、
    入口壁(4)と、側面壁(5)と、上側(10)と下側(11)と前記上側に配置された密封要素(12)とを含むフラン(6)とを有する中空体(3)と、前記フラン(6)の前記下側の上に配置された空間又は空洞部(20)と、を有する請求項1〜12のいずれかに記載のカプセルから飲料を供給するプロセスであって、
    前記密封要素は前記第1の部分によって圧縮され、前記第2の部分に向かって前記カプセルの前記フランの一部と共に移動し、
    前記空間(20)は、前記第1の部分(2A)によって前記抽出装置の前記第2の部分(2B)に対して圧縮された前記フラン(6)の少なくとも一部を受容する、プロセス。
  15. 抽出液が前記カプセルの内側に供給され、前記抽出液は、少なくとも部分的に前記第1の部分の機械的な圧力に対抗するように前記第1の部分及び/又はカプセルのフランの下に到達する、請求項14に記載のプロセス。
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