JP6218716B2 - 多孔フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔フィルム及びその製造方法に関する。
微小な孔がフィルム面に沿って複数並んで形成されることによりハニカム構造とされた多孔フィルムが知られている。このハニカム構造を有する多孔フィルムは、例えば、結露法(Breath Figure法とも呼ばれる)により製造される。結露法は、フィルムを形成するための疎水性ポリマーを原料とした溶液を流延して流延膜を形成し、この流延膜に結露させて溶媒と水滴とを蒸発させることによりフィルムを製造する方法である。この結露法で得られる多孔フィルムは、水滴が孔の鋳型となって極めて微小な孔が形成されているので、例えば細胞を培養する培養面が平坦なフィルム及び細胞培養シャーレに比べて、伸長が抑えられた細胞がうまれやすいとともにスフェロイド(細胞凝集体)が形成しやすいという点から細胞を培養する培養担体として利用されている。スフェロイドは、生体に類似した挙動を示すために、生体外で生体内の細胞挙動を模倣した実験を行う場合等に非常に有用である。
一方、ハニカム構造ではないが、微細な孔が多数形成された多孔フィルムは、各種の分野で利用されている。例えば、非電解質電池のセパレータとして用いられる多孔フィルム(多孔質フィルム)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、水浄化処理用の分離膜として用いられる多孔フィルム(多孔質フィルム)が知られている(特許文献2を参照)。特許文献1,2の多孔フィルムは、いずれも、多孔質のフィルム基材と、このフィルム基材の表面に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜とからなる。特許文献1のダイヤモンドライクカーボン膜は、それにより多孔フィルムの表面硬度を高くし、非電解質電池の製造時にセパレータとしての多孔フィルムが摩擦や圧力の付加による孔の閉塞や縮小を抑制することを目的としている。また、特許文献2のダイヤモンドライクカーボン膜は、それにより多孔フィルムを親水性としている。
また、多孔質の物品の親水性をプラズマ処理により向上する技術が特許文献3により知られている。この特許文献3では、多孔質の物品に付着することにより、親水性の組成物を形成する種(ラジカル、イオン、励起種など)を含むプラズマを発生させ、このプラズマに物品を晒すものである。
特開2012−72285号公報 特開2010−214255号公報 特表2005−511297号公報
ところで、結露法によって製造される多孔フィルムは、上記のように培養面が平坦なフィルムや細胞培養シャーレに比べて、スフェロイドが形成しやすいが、細胞の培養効率が低いという問題があった。
本発明は、細胞の培養効率を向上させることができる多孔フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の多孔フィルムは、フィルム基材と、ダイヤモンドライクカーボン層とを有するものである。フィルム基材は、疎水性ポリマーを含み、一方の面に開口した複数の孔が形成されている。ダイヤモンドライクカーボン層は、フィルム基材の各面にそれぞれ形成されている。また、フイルム基材は、隣接した孔同士が、フィルム基材の内部で繋がっており、複数の孔が、フィルム基材の表面に沿って配列されており、かつ、フィルムの厚み方向に貫通して形成され、ハニカム構造となっており、厚みが、500nm以上100μm以下の範囲内であり、開口の径が、100nm以上30μm以下の範囲内である。
ダイヤモンドライクカーボン層は、プラズマ表面処理による親水化のためのものであることが好ましい。
ダイヤモンドライクカーボン層は表面に親水性の官能基を有することが好ましい。
親水性の官能基は、プラズマ表面処理によって付与されたことが好ましい。
ダイヤモンドライクカーボン層は、表面が酸素ガスを用いてプラズマ表面処理されることが好ましい。
ダイヤモンドライクカーボン層が形成された形成領域と非形成領域とを有することが好ましい。
形成領域は、複数設けられ、それぞれが非形成領域に囲まれて相互に独立していることが好ましい。
ダイヤモンドライクカーボン層は、ケイ素原子を含むことが好ましい。
本発明の多孔フィルムの製造方法は、疎水性ポリマーが溶媒に溶けている溶液を流延して流延膜を形成する流延工程と、流延膜上に結露させて水滴を形成する結露工程と、流延膜から溶剤と水滴とを蒸発させることにより、流延膜を複数の孔が厚み方向に貫通して形成されたフィルム基材とする蒸発工程と、フィルム基材の各面にダイヤモンドライクカーボン層を形成するDLC膜形成工程と、を有するものである。
DLC膜形成工程の後に、ダイヤモンドライクカーボン層の表面にプラズマ表面処理を施して親水性の官能基を付与するプラズマ処理工程を有することが好ましい。
本発明によれば、多孔フィルムを、疎水性ポリマーからなるフィルム基材の孔の開口が形成された面に、ダイヤモンドライクカーボン層を形成したから、多孔フィルム上での細胞の培養効率を向上させることができる。
本発明を実施した多孔フィルムの平面図である。 図1のII−II線の沿う断面図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 多孔フィルムの製造工程を示す説明図である。 多孔フィルムの断面の走査型電子顕微鏡による写真である。 多孔フィルムの断面をさらに拡大した走査型電子顕微鏡による写真である。 多孔フィルムの断面を走査透過型電子顕微鏡による写真である。 DLC膜を形成する前のフィルム基材の断面の走査型電子顕微鏡による写真である。 DLC膜を形成する前のフィルム基材の断面をさらに拡大したさらに拡大した走査型電子顕微鏡による写真である。 プラズマ表面処理を施す第2実施形態における多孔フィルムの製造工程を示す説明図である。 プラズマ表面処理が施された多孔フィルムを示す断面図である。 プラズマ表面処理を実施した多孔フィルムの断面の走査型電子顕微鏡による写真である。 プラズマ表面処理を実施した得られた多孔フィルムの断面をさらに拡大した走査型電子顕微鏡による写真である。 複数の培養領域を設けた第3実施形態の多孔フィルムを示す斜視図である。 マスク板を示す斜視図である。 実施例で用いたプラズマCVD装置の概略を示す説明図である。 実施例1で得られた多孔フィルムを一方のフィルム面の垂直方向から見た顕微鏡写真である。 多孔フィルムの表面のX線光電子分光分析のスペクトルチャートである。 図18のスペクトルチャートの一部を拡大したものである。
[第1実施形態]
図1ないし図3に示すように、本発明を実施した多孔フィルム10は、表面に開口した複数の孔11を有するフィルム基材12と、このフィルム基材12の両表面に膜状に形成されたダイヤモンドライクカーボン(DLC,Diamond-Like Carbon)層(以下、DLC膜と称する)13とを備える。多孔フィルム10は、細胞を培養するための培養担体として用いられ、細胞を培養する際には、いずれか一方のフィルム面10aに培養する細胞が載せられる。なお、図2,図3では、フィルム基材12の厚みに対してDLC膜13の厚みを誇張して描いてある。
フィルム基材12には、表面に沿って複数の孔11がマトリクス状に配列されている。孔11は、フィルム基材12を厚み方向に貫通しており、フィルム基材12の両表面にそれぞれ開口し、表面開口部11aを形成している。また、図2、図3に示されるように、隣接した孔11同士は、フィルム基材12の内部で繋がっている。各孔11は、その大きさ、形状が一定であり、表面開口部11aの大きさ、形状も一定である。このようなフィルム基材12は、表面に垂直な方向から見たときに、任意の1つの孔11を中心にした六角形の各頂点に周囲の6個の孔11が配された状態に、各孔11が密に配列されている。これによりフィルム基材12は、蜂の巣状となるハニカム構造となっている。
ハニカム構造は、表面開口部11aの形状や、孔11のフィルム面10aに平行な断面の形状が6角形である必要はない。この例では、表面開口部11aの形状は円形となっている。フィルム面10aの単位面積当たりの孔11の密度や隣り合う孔同士の距離等に応じて表面開口部11a、孔11の断面の形状は例えば丸みを帯びた略6角形や略8角形等になる場合もあり、ハニカム構造とはこのような態様も含む。また、ハニカム構造は、各孔11が互いに独立している構造の他、この例のように隣接した孔11同士がフィルム基材12の内部で繋がっている構造をも含む。さらに、孔11の配列は、上記のものに限定されない。任意の1つの孔11の周囲に3〜5個、あるいは7個以上の孔11が配されてもよく、孔11が正方配列されてもよい。
フィルム基材12は、疎水性ポリマーを含む。疎水性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシブチレート、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、およびこれらの繰り返し単位を含む共重合体等が好ましい。なお、フィルム基材12には、界面活性剤(両親媒性化合物)を、フィルム基材12の質量に対して10質量%以下ならば含んでいてもよい。
DLC膜13は、上述のようにフィルム基材12の表面にそれぞれ形成されるが、DLC膜13は表面開口部11aには形成されない。このDLC膜13は、ダイヤモンド構造とグラファイト構造の炭素が混在、すなわちダイヤモンド構造に対応するsp混成軌道による共有結合を有する炭素と、グラファイト構造に対応するsp混成軌道による共有結合を有する炭素が混在した炭素を主成分とする非晶質(アモルファス)の薄膜である。DLC膜13は、炭素と炭化水素のいずれか一方によって構成される。DLC膜13の構造は、ラマン分光法などにより分析することができる。なお、DLC膜13は、ケイ素(Si)を含有させたSi−DLCであってもよい。
多孔フィルム10では、フィルム基材12の両面にDLC膜13をそれぞれ形成してある。このようにすることにより、両フィルム面10aのいずれをも培養面として利用できる他、水に対する濡れ性の向上により培養液に対しても濡れ性が向上する。両フィルム面10aの培養液に対する濡れ性が向上することで、培養液が孔11の内部へ誘導されやすくなり、細胞の培養効率が向上する点で有利である。
上述のように、フィルム基材12の表面にDLC膜13を形成することにより、フィルム面10aの水に対する濡れ性を向上させて培養する細胞との親和性が高まり、細胞の培養効率が向上する。また、DLC膜13は、水に対する濡れ性の経時的な低下が小さく、また培養中に多孔フィルム10を浸漬しても剥がれることがないなど安定している。さらに、DLC膜13は、水に対する濡れ性の経時的な低下が小さいので、多孔フィルム10は、培養等の使用に供するまでの保管期間を長く設定することができる。加えて、DLC膜13は、例えば有機ポリマーで形成された場合に比べて耐傷性に優れ、多孔フィルム10は重ねて保管することもできる。
DLC膜13を形成したフィルム面10aにおける水の接触角が小さいほど、培養液に対する濡れ性が高まり、さらに細胞との親和性が高まるので、細胞の培養効率を向上させる点で好ましい。フィルム面10aにおける水の接触角は、50°以下であることが好ましく、より好ましくは、40°以下である。50°以下であることにより、50°よりも大きい場合に比べて、培養液に対する濡れ性及び細胞との親和性が高いので、細胞の培養効率のさらなる向上を図ることができる。
DLC膜13は、フィルム基材12の表面だけではなく孔11の内壁面に形成されてもよい。孔11の内部に培養液を導入する観点からは、フィルム基材12の表面のうち表面開口部11との境界部分にDLC膜13を形成して、水に対する濡れ性を向上させることが重要である。このようにすることによって、本来撥水性であるハニカム構造のフィルムの親水性が向上するので培養液が孔11の内部に培養液が自然に導入される。培養液が孔11の内部に導入されることによって、孔11の内部は空気が排除されて培養液で満たされるようになるから、細胞が多孔フィルム10に担持されやすくなって増殖の場としての機能、すなわち培養担体としての機能が高まる。このようにして、細胞の培養効率が向上する。
なお、この例では、各孔11が厚み方向に貫通しているフィルム基材12を用いているが、フィルム基材12は、各孔11が厚み方向に貫通していない構造であってもよい。孔11が貫通していない構造では、孔11は、フィルム基材12の一方の表面にだけ開口するので、この開口している表面にDLC膜13を形成する。
フィルム基材12の厚みT1は、500nm以上100μm以下の範囲内であることが好ましい。DLC膜13の厚みT2は、10nm以上200nm以下の範囲内であることが好ましい。多孔フィルム10の全体としての厚みT3は、500nm以上100μm以下の範囲内であることが好ましい。
フィルム基材12の厚みT1を100μm以下とすることで、培養担体に用いる際に培養液の浸透の観点でより好ましくなり、500nm以上とすることで、多孔フィルム10としての自己支持性が確保されるため取り扱いが容易である。また、DLC膜13の厚みT2を200nm以下とすることで、孔11の開口部の閉塞がより確実に抑制、すなわち表面開口部11がより確実に形成され、10nm以上とすることで、培養効率向上、水に対する濡れ性の経時的低下が小さいこと、安定性といったDLC膜13の前述の種々の機能がより確実に発現する。さらに、多孔フィルム10の厚みT3を100μm以下とすることで、培養担体として用いる際に培養液の浸透の観点でより好ましく、500nm以上とすることで多孔フィルム10としての自己支持性が確保されるため取り扱いが容易である。
なお、孔11が一方の表面にだけ開口している場合、孔11の深さは、500nm以上50μm以下の範囲内であることが好ましい。深さを500nm以上とすることで、多孔フィルム10としての自己支持性が確保されるため取り扱いが容易あり、50μm以下とすることで、孔11の内部が培養液でより充たされやすくなる。
表面開口部11aの径φ1は目的に応じてそれぞれ孔径を使い分ける。多孔フィルム10の用途が細胞培養である場合には、表面開口部11aの径φ1は、100nm以上30μm以下の範囲内であることが好ましい。フィルム基材12の内部における孔11の径についても同様である。径φ1を100nm以上30μm以下とすることで、細胞の培養効率のさらなる向上効果が期待される。
孔11の間隔D1は、200nm以上100μm以下の範囲内であることが好ましい。間隔D1を100μm以下であることで、100μmより大きい場合に比べて、培養担体として用いる際に培養液の浸透がより促進される。間隔D1が200nm以上であることで、200nm未満の場合に比べて培養担体としてのフィルムの強度がより十分となる。
多孔フィルム10は、例えば図4に示す多孔フィルム製造工程20により製造される。フィルム製造工程20は、溶液調製工程21、流延工程22、結露工程23、蒸発工程24、剥離工程25、DLC膜形成工程26とを有する。
溶液調製工程21は、フィルム基材12を形成するための溶液31を調製する工程である。この例では、疎水性ポリマー32を、溶媒33に溶解して溶液31とする。流延工程22は、溶液31を支持体(図示省略)の上に流下して広げ、流延膜34を形成する工程である。支持体は、予め温度を調整しておき、流延膜34を形成する間も温度を調整していることが好ましい。
結露工程23は、流延膜34の膜面に結露させて水滴を形成する工程である。水滴は、周辺の雰囲気の温度よりも低い温度となるように支持体を介して流延膜34を冷却することで形成される。ただし、複数の水滴の発生のタイミングを揃えたり、形成される水滴の大きさを均一に揃える観点では、支持体が所定の温度に保持されるように支持体の温度を調整しつつ、加湿した気体(例えば空気)を流延膜34上に供給することが好ましい。
蒸発工程24は、結露工程23で形成した水滴と、溶媒33とを蒸発させる工程である。この蒸発工程24では、水滴よりも溶媒33を早く蒸発させる。これにより、流延膜34中に水滴を沈み込ませ、沈み込んだ水滴を鋳型にして孔11を形成する。このため、溶媒33としては、水よりも蒸発速度が大きいものを用いることが好ましい。ただし、水滴が蒸発し始めるタイミングは、溶媒33のすべてが蒸発し終わった後でなくてもよい。また、形成された孔11が維持される程度であれば、水滴の蒸発が完了した後にも多少の溶媒33が流延膜34に残っていてもよく、この場合には残存している溶媒33は水滴の蒸発が完了した後に蒸発させる。なお、結露工程23中に、水滴が流延膜34中に沈み込みを開始する場合もある。また、上記の結露工程23、蒸発工程24は、多孔フィルムの製造方法として周知である結露法の工程である。剥離工程25では、支持体から流延膜34をフィルム基材12として剥がす。
DLC膜形成工程26は、支持体から剥離したフィルム基材12の表面にDLC膜13を形成する。このDLC膜13の形成手法は、フィルム基材12を劣化、破壊するものでなければ特に限定されない。例えばプラズマCVD((Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)を用いてDLC膜13を形成することができる。プラズマCVDによると、フィルム基材12の劣化、破壊がほとんどなく、DLC膜13が形成される。プラズマCVD等でDLC膜13を形成する際に、孔11の内壁面にDLC膜が形成されてもかまわない。DLC膜13のその他の形成手法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、イオンビーム蒸着などが挙げられる。
プラズマCVDでDLC膜13を形成する場合の原料ガスとしては、例えば、メタン、エタン、プロパン等のアルカン、エチレン、プロピレン等のアルケン、ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン、アセチレン、メチルアセチレン等のアルキン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキサン等のシクロアルカン、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロアルケンなどが挙げられる。原料ガスは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、DLC膜13をSi−DLCで形成する場合、プラズマCVDで成膜する際に、上記原料ガスに、例えばTMS(tetramethylsilane:テトラメチルシラン(Si(CH)を加えればよい。
走査型電子顕微鏡Scanning Electron Microscope、SEM)による多孔フィルム10の断面の写真を図5、図6に示す。図6は、図5の写真内でDLC膜13及びその周辺を拡大したものである。撮影の際には、多孔フィルム10を凍結切片法(クライオミクロトーム法)により切片化し、その切片にオスミウムコートを施したものを、走査電子顕微鏡SU8030(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、加速電圧2kV、作動距離(WD)8mm)を用いて撮影した。撮影に用いた多孔フィルム10は、フィルム基材12は、ポリスチレンからなり、DLC膜13は、原料ガスとしてメタンガスを供給して形成したものである。
また、上記多孔フィルム10の断面の走査透過型電子顕微鏡(scanning transmission electron microscope; STEM)の写真を図7に示す。多孔フィルム10の切片を包埋した後に薄切りして超薄切片(厚み150nm)を作成して、これを走査透過電子顕微鏡(加速電圧30kv)にて撮影した。
なお、走査型電子顕微鏡によるDLC膜13を形成する前のフィルム基材12の断面の写真を図8,図9に示す。図9は、図8の写真内でDLC膜13及びその周辺を拡大したものである。撮影条件は、上記と同じである。
[第2実施形態]
第2実施形態は、プラズマ表面処理によって、DLC膜の表面に親水性の官能基を付することにより、多孔フィルムのフィルム面の水に対する濡れ性をより向上させたものである。なお、以下に説明する他は、第1実施形態と同様であり、実質的に同じ部材には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
この第2実施形態では、図10に示すように、多孔フィルム製造工程40では、DLC膜形成工程26の後にプラズマ表面処理工程37を行う。プラズマ表面処理工程37の各工程は、第1実施形態のものと同じである。プラズマ表面処理工程37では、プラズマ表面処理(改質処理)をDLC膜13の表面に行うことよって、DLC膜13の表面に親水性の官能基を付与した状態にする。プラズマ表面処理では、例えば酸素(O)ガスのプラズマを発生させ、DLC膜13の表面に親水性の官能基を付与した状態にする。これにより、図11に模式的に示すように、DLC膜13の表面には炭素原子と酸素原子とが結合した親水性の官能基を多く含有する表面膜13aが形成される。親水性の官能基(親水基)とは、水中で電離してイオンになるものと、電離せずに水素結合で水和するものとのいずれでもよい。酸素を含んだ親水性の官能基としては、例えば、C−O、C=O、O−C=Oが挙げられる。
プラズマ表面処理は、例えばDLC膜13を形成するためのプラズマCVD装置をプラズマ表面処理装置として、実施することが可能である。この場合には、プラズマCVD装置でのDLC膜13の形成後に、原料ガスを酸素ガスに切替えればよい。また、プラズマ表面処理を行う際の原料ガスは、酸素ガスに限るものではなく、酸素ガスとアルゴン(Ar)ガスを混合したものでもよい。
プラズマ表面処理を行う場合には、プラズマ中のラジカルやイオンがフィルム基材12に作用すると、フィルム基材12の表面や個々の孔11の内壁面が腐食(エッチング)されてしまい、例えば必要な表面性状が失われたり、ハニカム構造が崩れてしまう場合がある。しかしながら、DLC膜13をフィルム基材12の表面に形成し、DLC膜13の表面に親水性の官能基を付与するので、フィルム基材12の表面の劣化がない。なお、孔11の内壁面にプラズマ中のラジカルやイオンが作用しない方式のプラズマ表面処理装置が選択され、処理条件が設定される。
なお、プラズマ表面処理を実施する前に、例えばアルゴンのプラズマを発生させてDLC膜13の表面のクリーニングを行ってもよい。
上記のようにプラズマ表面処理を行うことで、多孔フィルム41のフィルム面41aの水に対する濡れ性をより高くし、細胞の培養効率をより向上させている。また、DLC膜13にプラズマ表面処理を行って得られるより高い水に対する濡れ性は安定しており、経時的にもほとんど低下せず、また培養液などに多孔フィルム41を浸漬しても濡れ性が維持される。
なお、DLC膜13が形成された所定長のフィルム基材をフィルムロールとしていったん巻き取り、この巻き取ったフィルムロールからフィルム基材を引き出してプラズマ表面処理工程を行ってもよい。プラズマ表面処理に供する前のDLC膜13は、前述の通り経時的な安定性に優れるとともに耐傷性に優れるので、プラズマ表面処理に供するまでの保管期間を長く設定することができるとともに、重ねて保管する等の保管態様の自由度も高い。
プラズマ表面処理を施した多孔フィルム41の走査型電子顕微鏡による断面の写真を図12、図13に示す。図13は、図12の写真内でDLC膜13を含むフィルム面41a及びその周辺を拡大したものである。図12の撮影の条件は、図5のものと同じであり、図13の撮影の条件は、図6のものと同じである。撮影に用いた多孔フィルム41は、フィルム基材12がポリスチレンからなり、DLC膜13は、原料ガスとしてメタンガスを供給して形成した後に、原料ガスとして酸素ガスだけを供給してプラズマ表面処理を行ったものである。
[第3実施形態]
第3実施形態は、多孔フィルムのフィルム面に、DLC膜に培養領域と、非培養領域とを設けたものである。なお、以下に説明する他は、第1実施形態と同様であり、実質的に同じ部材には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図14に示すように、多孔フィルム50は、フィルム面50aに培養領域52と、非培養領域53とが設けられている。培養領域52は、フィルム面50aのうちのDLC膜13を形成した形成領域である。一方の非培養領域53は、DLC膜13を形成していない非形成領域である。なお、この例におけるフィルム基材12、多孔フィルム50は、フィルム面50aの全面にわたって孔11が形成されているが、図14,図15では、その一部のみを誇張して描いてある。
培養領域52は、フィルム面50a上に複数設けられており、フィルム面50aのうち培養領域52以外の部分が非培養領域53である。各培養領域52は、いずれも非培養領域53に囲まれて島状に独立している。培養領域52は、マトリックス状に配されているが、配置態様はマトリックス状に限定されない。培養領域52内に形成されたDLC膜13の表面は、第2実施形態と同じく、プラズマ表面処理を施してあるが、第1実施形態と同じく、プラズマ表面処理が施されないDLC膜13であってもよい。
なお、図示されるフィルム面50aとは反対側のフィルム面50aにも培養領域52と、非培養領域53とが設けられている。一方のフィルム面50aに設けた培養領域52の裏側の部分に他方のフィルム面50aに培養領域52が設けられている。なお、一方のフィルム面50aに培養領域52を設け、他方のフィルム面50aの全面にDLC膜13を形成してもよい。
培養領域52の形状は、この例では円形であるが、これに限定されない。培養領域52の直径は、100μm以上10mm以下が好ましい。培養領域52同士の間隔は、培養領域52の直径と同程度であることが好ましく、100μm以上10mm以下の範囲内が好ましい。
多孔フィルム50を製造する場合、図15に示すように、フィルム基材12にマスク板54を重ねた状態で、DLC膜13の形成とプラズマ表面処理とを行う。マスク板54は、例えばフィルム基材12と同じもしくはフィルム基材12よりも大きなサイズの板状部材であり、培養領域52に対応する部分にそれぞれ開口54aを形成してある。
フィルム基材12にマスク板54に重ねた状態で、プラズマCVD装置などでDLC膜13を形成することにより、開口54aから露呈されているフィルム基材12の表面にDLC膜13が形成され、それ以外の表面にはDLC膜13は形成されない。また、DLC膜13の形成後に、フィルム基材12にマスク板54を重ねた状態を維持して、続けてプラズマ表面処理を行う。これにより、形成されたDLC膜13の表面にだけプラズマ表面処理が行われる。したがって、培養領域52は、水に対する濡れ性がより高いが、非培養領域53は、フィルム基材12の表面が露呈しているので水に対する濡れ性が培養領域52よりも低いものとなる。
多孔フィルム50では、培養領域52に細胞を載せて培養を行う。培養領域52は、水に対する濡れ性が培養領域52よりも低い非培養領域53に囲まれている。このため、細胞は培養領域52から周囲へ移動したり剥がれたりすることなく、培養領域52上で増え、培養領域52上で例えばスフェロイドが形成される。また、1枚の多孔フィルム50に複数の培養領域52を設けているので、1枚の多孔フィルム50を用いて同時に複数の培養を独立して行うことができる。
以下に本発明の実施例について説明する。以下の実施例1〜5では、図4または図5に示される多孔フィルム製造工程20、40により、多孔フィルム10、41を製造した。実施例1〜3では、多孔フィルム製造工程40によりDLC膜形成工程26とプラズマ表面処理工程37とを行い、実施例4,5では、多孔フィルム製造工程20によりDLC膜形成工程26を行ったがプラズマ表面処理工程37を行わなかった。
実施例1〜5、比較例1,2に用いたフィルム基材12は同じ条件で製造したものである。フィルム基材12を製造するための溶液調製工程21では、疎水性ポリマー32としてのポリスチレンを溶媒33としてのクロロホルムに溶解した。溶液31における疎水性ポリマー32の濃度は、0.5質量%とした。この濃度(単位;質量%)は、疎水性ポリマー32の質量をM32、溶媒33の質量をM33とするときに、{M32/(M32+M33)}×100で求めたものである。
流延工程22では、冷却した支持体としてのガラス板に、溶液31を流延して流延膜34を形成した。流延膜34に加湿した空気を供給しながら流延膜34を乾燥することで、流延膜34の表面に結露させて水滴を形成し、最終的に溶媒33と水滴とを蒸発させることで、結露工程23、蒸発工程24を行った。水滴を蒸発させるために、吹き付ける空気を加湿したものから乾燥したものへと切り替えた。これにより、複数の孔11を有するハニカム構造のフィルム基材12を形成した。フィルム基材12は、孔径が均一であり、平均孔径(孔径の平均値)は約5μmであった。形成したフィルム基材12を支持体としてのガラス板からはがして、各実施例と各比較例に供した。
[実施例1]
フィルム基材12に対して、DLC膜形成工程26と、プラズマ表面処理工程37とを、図16に示すプラズマCVD装置61を用いて実施した。プラズマCVD装置61は、真空チャンバ62、この真空チャンバ62内に設けた並行平板型の電極63a,63b、この電極63a,63bに高周波電圧を印加する高周波電源64、マッチングボックス65や、真空チャンバ62内を減圧する真空ポンプ(図示省略)など備えている。プラズマCVD装置61は、下側の電極63a上にDLC膜13を形成すべき面を電極63bに対面させた状態でフィルム基材12を置き、シャワーヘッド構造とされた電極63bから原料ガスを電極63aに向けて放出する構造である。
DLC膜形成工程26では、真空チャンバ62内を減圧した状態で、原料ガスを真空チャンバ62内に導入し、電極63a,63bに高周波電圧を印加して原料ガスをプラズマ化してDLC膜13を形成した。この実施例1では、原料ガスとしてメタンガス(CH)を供給することで、炭素と炭化水素とからなるDLC膜13を形成した。メタンガス(CH)の流量は、100×1.69×10−4Pa・m/秒となるように調整した。また、ガス圧力は0.3×133.322Pa、高周波電源64の出力周波数は13.56MHz、RF供給電力(RF出力)は100W、処理時間は1秒とした。
プラズマ表面処理工程37は、真空チャンバ62内を十分に排気して、DLC膜形成工程26に続けて行った。プラズマ表面処理工程37では、原料ガスとして酸素ガス(O)を供給して、DLC膜13の表面に親水性の官能基を付与した。酸素ガスの流量は、50×1.69×10−4Pa・m/秒となるように調整した。また、ガス圧力は0.3×133.322Pa、高周波電源64の出力周波数は13.56MHz、RF供給電力(RF出力)は50W、処理時間は30秒とした。実施例1で得られた多孔フィルム41の一方のフィルム面41aを垂直方向から見た顕微鏡写真を図17に示す。
プラズマCVD装置61では、フィルム基材12の片面ごとに、DLC膜形成工程26とプラズマ表面処理工程37とを1セットにして処理を行った。
[実施例2]
実施例2では、DLC膜形成工程26と、プラズマ表面処理工程37とを行った。DLC膜形成工程26における原料ガスとして、メタンガス(CH)とTMS(テトラメチルシラン(Si(CH))を供給し、Si−DLCからなるDLC膜13を形成した。メタンガスの流量が100×1.69×10−4Pa・m/秒、TMSの流量が24×1.69×10−4Pa・m/秒となるように調整した。DLC膜形成工程26の他の条件、及びプラズマ表面処理工程37の条件は実施例1と同じである。
[実施例3]
実施例3では、DLC膜形成工程26と、プラズマ表面処理工程37とを行った。プラズマ表面処理工程37における原料ガスとして、酸素ガス(O)とアルゴンガス(Ar)を供給して、親水性の官能基の付与を行った。アルゴンガスは、酸素ラジカルの反応効率を高める目的で導入したものであり、アルゴン原子を含む親水性の官能基を生成するものではない。酸素ガスの流量が40×1.69×10−4Pa・m/秒、アルゴンガスの流量が10×1.69×10−4Pa・m/秒となるように調整した。DLC膜形成工程26の条件、及びその他のプラズマ表面処理工程37の条件は実施例1と同じである。
[実施例4]
実施例4では、DLC膜形成工程26を行い、プラズマ表面処理工程37を行わなかった。DLC膜形成工程26の各条件は、実施例1と同じである。
[実施例5]
実施例5では、DLC膜形成工程26を行い、プラズマ表面処理工程37を行わなかった。DLC膜形成工程26の各条件は、実施例2と同じである。
[比較例1]
比較例1では、DLC膜形成工程26を行わずに、プラズマ表面処理工程37を行った。プラズマ表面処理工程37の各条件は、実施例1と同じである。
実施例1〜実施例5、比較例1で得られた各多孔フィルム10、41について、フィルム面10a,41aにおける水に対する濡れ性を評価した。この濡れ性の評価では、フィルム面10a,41a上の水の接触角(単位:°)を測定することにより行った。接触角は、協和界面科学株式会社製DropMasterシリーズにより測定した。測定では、DLC膜形成工程26、プラズマ表面処理工程37のいずれかの最終工程が終わって概ね24時間経過した時点と、7日すなわち1週間経過した時点とでそれぞれ行った。この測定結果を、DLC膜形成工程26、プラズマ表面処理工程37の条件とともに表1に示す。概ね24時間経過した時点の接触角は「24時間」欄に、概ね1週間経過した時点の接触角は「1週間」欄に示してある。また、DLC膜形成工程26、プラズマ表面処理工程37を行っていないフィルム基材12についても同様に水の接触角(単位:°)を測定した結果を示す。
また、フィルム基材12、実施例1、4で得られ、製造から24時間が経過した多孔フィルム10,41の表面をX線光電子分光分析(ESCA, Electron Spectroscopy foe Chemical Analysis)により分析(確認)した。この分光分析のスペクトルチャートを図18に示し、そのスペクトルチャートの一部を図19に拡大して示す。図18及び図19においては、縦軸は強度(単位の「Counts/sec」はパルス数/秒を意味する)であり、横軸は結合エネルギー(単位はeV)である。×は、フィルム基材12についてのデータであり、○は実施例1の多孔フィルム41のデータであり、□は実施例4の多孔フィルム10のデータである。図18、図19に示されるスペクトルチャートから、実施例1,4で得られた多孔フィルム10,41は、フィルム基材12に対して、C−O、C=O、O−C=Oを含む官能基が増大していることがわかる。
また、実施例1で得られた多孔フィルム41については、1週間を経過したものについてもX線光電子分光分析により調べており、あわせて図18、図19に示してある。この1週間経過したデータは、図18、図19中において▲で示してある。1週間を経過した実施例1の多孔フィルム41は、フィルム基材12の表面に比べて十分に多く存在していることがわかる。この上記官能基の変化と実施例1で得られた多孔フィルム41の水の接触角の変化とから、少なくとも上記官能基が親水性の官能基であることが分かる。
なお、プラズマ表面処理を行わない実施例4の多孔フィルム10では、DLC膜13の表面に空気中の酸素と結合することにより、からDLC膜13の表面に親水性の官能基(C−O、C=O、O−C=C)が生成されたものと推測される。
また、上記の例では、結露法によりフィルム基材を作製した例について説明したが、フィルム基材は、他の方法、例えばナノインプリントで作製されたものでもよい。
10,41,50 多孔フィルム
11 孔
12 フィルム基材
13 ダイヤモンドライクカーボン膜
20,40 多孔フィルム製造工程
26 DLC膜形成工程
27 プラズマ表面処理工程

Claims (10)

  1. 疎水性ポリマーを含み、一方の面に開口した複数の孔が形成されたフィルム基材と、
    前記フィルム基材の各面にそれぞれ形成されているダイヤモンドライクカーボン層と、
    を有し、
    前記フィルム基材は、
    隣接した前記孔同士が、前記フィルム基材の内部で繋がっており、
    前記複数の孔が、前記フィルム基材の表面に沿って配列されており、かつ、前記フィルムの厚み方向に貫通して形成され、
    ハニカム構造となっており、
    厚みが、500nm以上100μm以下の範囲内であり、
    前記開口の径が、100nm以上30μm以下の範囲内である、
    ことを特徴とする多孔フィルム。
  2. 前記ダイヤモンドライクカーボン層は、プラズマ表面処理による親水化のためのものであることを特徴とする請求項1記載の多孔フィルム。
  3. 前記ダイヤモンドライクカーボン層は表面に親水性の官能基を有することを特徴とする請求項1に記載の多孔フィルム。
  4. 前記親水性の官能基は、プラズマ表面処理によって付与されたことを特徴とする請求項3に記載の多孔フィルム。
  5. 前記ダイヤモンドライクカーボン層は、表面が酸素ガスを用いてプラズマ表面処理されることを特徴とする請求項3または4に記載の多孔フィルム。
  6. 前記ダイヤモンドライクカーボン層が形成された形成領域と非形成領域とを有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の多孔フィルム。
  7. 前記形成領域は、複数設けられ、それぞれが前記非形成領域に囲まれて相互に独立していることを特徴とする請求項に記載の多孔フィルム。
  8. 前記ダイヤモンドライクカーボン層は、ケイ素原子を含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の多孔フィルム。
  9. 疎水性ポリマーが溶媒に溶けている溶液を流延して流延膜を形成する流延工程と、
    前記流延膜上に結露させて水滴を形成する結露工程と、
    前記流延膜から前記溶剤と前記水滴とを蒸発させることにより、前記流延膜を複数の孔が厚み方向に貫通して形成されたフィルム基材とする蒸発工程と、
    前記フィルム基材の各面にダイヤモンドライクカーボン層を形成するDLC膜形成工程と、
    を有することを特徴とする多孔フィルムの製造方法。
  10. 前記DLC膜形成工程の後に、前記ダイヤモンドライクカーボン層の表面にプラズマ表面処理を施して親水性の官能基を付与するプラズマ処理工程を有することを特徴とする請求項に記載の多孔フィルムの製造方法。
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