JP6217742B2 - 糖タンパク質の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、糖タンパク質の検出方法に関する。具体的には、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、糖タンパク質1分子あたり少なくとも1本以上もつ糖タンパク質の検出方法に関する。
現在、癌の診断は内視鏡やPET、MRIといった画像診断が中心であるが、これらは患者に対する苦痛が大きく、または費用負担が大きいなどの理由で、健常人が定期的に受ける診断として必ずしも普及していない。自覚症状のない初期癌を発見するためには、画像診断よりも簡便でかつ費用負担の少ない血液検査が望ましいが、現在の癌マーカーは精度が不充分であるために、健常人が定期的に受ける健康診断では実施されていない。仮にこれを実施すると偽陽性と判定される健常者が続出し、彼らの追加検査(画像診断など)によっては病院の診断機能が麻痺してしまうためである。判別精度の高い癌マーカーが望まれるが、画像診断と同等の性能をもつ癌マーカーは未だ存在しないのが実状である。
血清に含まれる糖タンパク質は、古くから癌化に伴い糖鎖構造が変化することが知られ、特に癌の進行に伴い糖鎖のフコシル化が進むことが知られている(非特許文献1、非特許文献2)。例えば、肝臓癌患者の血清には、3本鎖または4本鎖N結合型糖鎖におけるシアリルルイスX型フコースが顕著に増加することが開示されている(非特許文献1、非特許文献2)。
上述したようなN結合型糖鎖のフコシル化を検出する方法として、レクチン(糖鎖結合タンパク質の総称)を使った方法が開示されている。特にAALレクチン(ヒイロチャワンタケレクチン)は、結合力やフコース認識の選択性に優れ、これまでに広く癌マーカーの探索に使われてきた。
特許文献1には、試料をレクチンと接触させて、試料中のグリコシル化タンパク質とレクチンとの間で複合体を形成すること、次に、グリコシル化タンパク質−レクチン複合体を検出することを含む方法が開示されている。この方法において、はじめに、検出の対象とする糖タンパク質に特異的な抗体に、試料を接触させて、試料中の検出の対象とするグリコシル化タンパク質を捕捉する工程を含んでいてもよいことも記載されている。
また、特許文献2には、α1−酸性糖タンパク質について3鎖および4鎖構造を有するN型糖鎖の存在比率と当該N型糖鎖に付加したフコースの修飾率を求めることにより、癌に侵食された臓器組織切除手術後の患者の予後を判定する方法が開示されおり、フコースの修飾率を、AALレクチンを用いた交叉親和性免疫電気泳動により求める方法が記載されている。
また、非特許文献3には、バイセクティング型GlcNAcを有するγGTPタンパク質を検出することを目的として、血清サンプルを、まず、シアリダーゼ処理し、これを、赤インゲン豆のEレクチン(E−PHA)−アガロースカラムにかけた実験例が開示されている。
特表2008−541060号公報 特開2005−069846号公報
Biochem Biophys Res Commun. vol.374, No.2, p219-225 Hepatology, vol. 46, No.5, p1426-1435 (2007) 野口研究所時報 第49号 p4-20 (2006)
非特許文献1および2に記載の通り、これまでにN結合型糖鎖のフコシル化と癌との関係は広く研究されており、癌の進行に伴い、血清中の糖タンパク質のフコシル化が進むことが知られている。しかしながら、糖鎖のフコシル化の有無のみを検出したのでは、特異度も感度も不充分であった。
そこで、本発明者らは、癌マーカーとなり得る糖鎖の構造について探索および解析を行なったところ、N結合型糖鎖1分子に1つのフコースではなく、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、糖タンパク質1分子あたり少なくとも1本以上もつ糖タンパク質(以下、「マルチフコース糖タンパク質」と称する場合がある。)が癌患者から採取された体液で有意に増加することを見出した。そして、このマルチフコース糖タンパク質が、癌マーカーとして特異度も感度も優れていることも見出した。
このマルチフコース糖タンパク質を検出する際、上述の特許文献1および2に記載の方法では、レクチンが、糖鎖1本当たりのフコース数によらずに結合するため、マルチフコース糖タンパク質のみを選択的に検出することはできないという問題がある。現時点では、マルチフコース糖タンパク質を検出する際は、質量分析装置を用いるのが唯一の方法であるが、この質量分析装置を用いる方法は、煩雑な処理を必要とし、さらにコストが高いなどの理由により、診断検査の方法としては実用的ではないという問題がある。
また、非特許文献3では、バイセクティング型GlcNAcの検出を行なっており、マルチフコース糖タンパク質の検出方法については記載も示唆もない。
本発明は、マルチフコース糖タンパク質を、より効率的に検出する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、レクチンと、マルチフコース糖タンパク質に含まれる、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖(以下、「マルチフコース糖鎖」と称する場合がある。)との結合について調べた。その結果、シアル酸を脱離させたフコースを含有するN結合型糖鎖において、フコース結合数が1個の糖鎖はAALレクチンに結合しないのに対し、フコース結合数が2個以上であるマルチフコース糖鎖はシアル酸を脱離させた後もAALレクチンに強く結合することを見出した。さらに、被検動物の体液に含まれる糖タンパク質のシアル酸を、AALレクチンに接触させる前に脱離させれば、AALレクチンがマルチフコース糖タンパク質のみを選択的に認識させることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、以下の(1)〜(11)に存する。
(1)体液に含まれるマルチフコース糖タンパク質を検出する方法であって、
(B)該体液に含まれる全糖タンパク質の糖鎖に結合するシアル酸を脱離させたものをAALレクチン(ヒイロチャワンタケレクチン)に接触させる工程、および、
(D)該レクチンに結合したマルチフコース糖タンパク質の存在量を測定する工程、
を有することを特徴とする、検出方法。
但し、マルチフコース糖タンパク質とは、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、糖タンパク質1分子あたり少なくとも1本以上もつ糖タンパク質である。
)前記(B)工程において、前記全糖タンパク質とシアリダーゼ酵素とを接触させることによりシアル酸を脱離させることを特徴とする、(1)に記載の検出方法。
)前記(B)工程に先立ち、
(A)前記体液を、糖タンパク質のタンパク質部分を認識する抗体を固定した担体に接触させる工程、を有し、
かつ、前記(B)工程が、
(B’)該(A)工程で該担体に結合した糖タンパク質の糖鎖に結合するシアル酸を脱離させたものをレクチンに接触させる工程、
であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の検出方法。
)前記(B)工程または前記(B’)工程と、前記(D)工程との間に、
(C)前記レクチンに結合したマルチフコース糖タンパク質を該レクチンから溶出する工程、
を有することを特徴とする、(1)〜()のいずれかに記載の検出方法。
)前記(A)工程において、前記抗体に結合した糖タンパク質に対して、該抗体から該糖タンパク質を脱離することなく、前記(B’)工程を行なうことを特徴とする、()または()に記載の検出方法。
)前記(A)工程において、前記抗体に結合した糖タンパク質を該抗体から脱離させ、脱離された該糖タンパク質に対して、前記(B’)工程を行なうことを特徴とする、()または()に記載の検出方法。
)前記(A)工程において、前記抗体のモル数に対して前記マルチフコース糖タンパク質のモル数と、前記マルチフコース糖タンパク質と同じタンパク質部分を有し、かつ糖鎖部分がマルチフコース糖鎖ではない糖タンパク質(以下、「非マルチフコース糖タンパク質」と称する。)のモル数との合計が等倍以上になるように、該抗体および/または前記糖タンパク質の濃度を調整することを特徴とする、()〜()のいずれかに記載の検出方法。
)前記(D)工程において、さらに、前記体液中に含まれる全糖タンパク質の存在量に対する、前記マルチフコース糖タンパク質の存在量の割合を求めることを特徴とする、()〜()のいずれかに記載の検出方法。
)前記(D)工程において、さらに、前記(A)工程において抗体に結合した非マルチフコース糖タンパク質の存在量に対する、前記マルチフコース糖タンパク質の存在量の割合を求めることを特徴とする、()〜()のいずれかに記載の検出方法。
10)前記マルチフコース糖タンパク質が、特定の疾病の発症または進行により、有意に増減するものであることを特徴とする、(1)〜()のいずれかに記載の検出方法。
(11)癌の発症または進行を検査するために、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法により体液に含まれるマルチフコース糖タンパク質を検出する方法





本発明により、マルチフコース糖タンパク質を効率的に検出する方法を提供することができる。これにより、特に、従来よりも感度および特異度の高い癌の検出方法提供することができる。
参考例1で得られた測定結果を示す。 実施例2における、マルチフコース糖タンパク質についての、2段階抽出法による測定結果と、質量分析装置による測定結果との相関関係を示す。 実施例2における、シングルフコース糖タンパク質についての、2段階抽出法による測定結果と、質量分析装置による測定結果との相関関係を示す。
本発明の検出方法は、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、糖タンパク質1分子あたり少なくとも1本以上もつ糖タンパク質(すなわち、「マルチフコース糖タンパク質」)を検出の対象とする検出方法であり、(B)該体液に含まれる全糖タンパク質の糖鎖に結合するシアル酸を脱離させたものをレクチンに接触させる工程、次いで、(D)前記レクチンに結合したマルチフコース糖タンパク質の、存在量を測定する工程、を有することを特徴とする。
また、本発明の検出方法は、前記(B)工程、および前記(D)工程に加えて、以下の工程を設けることができる。本発明の検出方法は、前記(B)工程に先立ち、(A)前記体液を、前記マルチフコース糖タンパク質のタンパク質部分を認識する抗体を固定した担体に接触させる工程を有することが好ましい。即ち、前記(B)工程に先立ち、(A)前記体液を、糖タンパク質のタンパク質部分を認識する抗体を固定した担体に接触させる工程を有し、かつ、前記(B)工程が、(B')該(A)工程で該担体に結合した糖タンパク質の糖鎖に結合するシアル酸を脱離させたものをレクチンに接触させる工程であることが好ましい。
本発明の検出方法は、例えば、以下のように(A)工程、(B')工程、および(D)工程を有する方法とすることもできる。
(A)前記体液を、糖タンパク質のタンパク質部分を認識する抗体を固定した担体に接触させる工程。
(B')該担体に結合した糖タンパク質の糖鎖に結合するシアル酸を脱離させたものをレクチンに接触させる工程。
(D)前記レクチンに結合したマルチフコース糖タンパク質の存在量を測定する工程。
また、本発明の検出方法は、前記(B)工程または(B')工程と、前記(D)工程との間に、(C)前記レクチンに結合したマルチフコース糖タンパク質を該レクチンから溶出する工程、を加えることもできる。
本発明の検出方法が、前記(A)〜(D)工程のすべてを有する場合、本発明の検出方法は、以下のような方法となる。但し、この場合は、(A)工程の後に、前記抗体に結合した前記糖タンパク質を前記抗体から脱離させてから(B')工程に進むことが好ましい。
(A)前記体液を、糖タンパク質のタンパク質部分を認識する抗体を固定した担体に接触させる工程。
(B')該担体に結合した糖タンパク質の糖鎖に結合するシアル酸を脱離させたものをレクチンに接触させる工程。
(C)前記レクチンに結合したマルチフコース糖タンパク質をレクチンから溶出する工程。
(D)前記レクチンに結合したマルチフコース糖タンパク質の存在量を測定する工程。
本発明の検出方法の検体としては、被検動物から採取された体液が用いられる。体液としては、血液、リンパ液、髄液、尿およびその処理物などが用いられるが、好ましくは血液、さらに好ましくは該血液を分離して得られる血清、血漿が用いられる。また、被検動物としては、好ましくはヒトであるが、本発明の検出方法は、ヒト以外の動物実験にも用いることができる。
以下、本発明の検出方法の検出の対象となるマルチフコース糖タンパク質について説明した上で、本発明の検出方法((A)〜(D)工程の各工程)について詳細に説明する。
[マルチフコース糖タンパク質]
本発明において、マルチフコース糖タンパク質とは、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、糖タンパク質1分子あたり少なくとも1本以上もつ糖タンパク質のことをいう。ここで、N結合型糖鎖とは、タンパク質のアスパラギンに結合する糖鎖をいう。
マルチフコース糖タンパク質は、タンパク質部分と、「糖鎖1本あたり少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖」(以下、「マルチフコース糖鎖」と称することがある)を必須とする糖鎖部分とを有する。マルチフコース糖タンパク質は、その糖鎖部分にマルチフコース糖鎖を有していればよく、タンパク質部分については特に制限はない。
また、本発明においては、マルチフコース糖タンパク質の全体を検出してもよいが、マルチフコース糖タンパク質をペプチド断片化したものを検出してもよい。
以下、本発明の検出の対象となるマルチフコース糖タンパク質について、マルチフコース糖鎖、糖タンパク質に分けて説明する。
(マルチフコース糖鎖)
マルチフコース糖鎖は、N結合型糖鎖であり、かつ、前記N結合型糖鎖1本あたり少なくとも2つのフコース、即ち、マルチフコースを有する。
マルチフコース糖鎖の基本骨格は、特に制限はないが、通常、分岐しており、好ましくは3本分岐鎖以上、より好ましくは3本分岐鎖または4本分岐鎖、最も好ましくは4本分岐鎖である。これは、4本分岐鎖ほどマルチフコースが生成しやすく、マルチフコース糖鎖における4本分岐鎖の存在比率が大きいためである。このN結合型糖鎖に結合するフコースは、糖鎖1本あたり(ここでいう糖鎖1本あたりとは、前記分岐鎖1本あたりではなく、アスパラギン1分子に結合できる糖鎖分子全体を1本として数えることとする。)、好ましくは2個以上であり、また、好ましくは5個以下、より好ましくは4個以下である。これは、事実上、N結合型糖鎖1本あたりに6個以上のフコースが結合することが極めてまれであるためである。
マルチフコース糖鎖が有する少なくとも2つのフコースは、フコースであれば、そのN結合型糖鎖に対する結合様式に特に制限はなく、N結合型糖鎖の還元末端に存在するGlcNAcにα1−6結合するコアフコースであっても、それ以外のアウターフコースであってもよいが、アウターフコースであることが好ましい。シアル酸を有さず、かつ、結合しているフコースがアウターフコース1個である糖鎖はAALレクチンに結合することができない傾向が顕著であるため、アウターフコースの方が本発明の効果が得られやすいためである。
アウターフコースとしては、N結合型糖鎖の還元末端に存在するGlcNAcにα1−3結合するフコース(ルイスX型フコース)と、N結合型糖鎖の還元末端に存在するGlcNAcにα1−4結合するフコース(ルイスA型フコース)が挙げられる。なお、マルチフコース糖鎖は、少なくとも2つのフコースを有するが、これら2つのフコースの結合様式は、同一でも異なっていてもよい。
また、前記(B)工程または(B')工程に供される前のマルチフコース糖鎖は、N結合型糖鎖に結合するシアル酸残基の有無や、その数に特に制限はない。
マルチフコース糖鎖の具体的な構造としては、例えば、A2G2FcFo,A2G2Fo2,A2G2FcFo2,A3G3FcFo,A3G3FcFo2,A3G3FcFo3,A3G3Fo2,A3G3Fo3,A4G4FcFo,A4G4FcFo2,A4G4FcFo3,A4G4FcFo4,A4G4Fo2,A4G4Fo3,A4G4Fo4などの糖鎖骨格にシアル酸が任意の数結合したものが挙げられる。ここで、Aは分岐数、Gはガラクトース数、Sはシアル酸(N−アセチルノイラミン酸)数、Foはアウターフコース数、Fcはコアフコースを示す。具体的な構造の好ましい例として、A3G3S2Fo2、A3G3S3Fo2、A3G3S3Fo3、A4G4S3Fo2、A4G4S4Fo2およびA4G4S4Fo3の構造を下記に示す。
なお、以下の構造式において、「Gal」はガラクトースを、「GlcNAc」はN−アセチルグルコサミン、を「Man」はマンノースを、「Fuc」はフコースを、および「NeuAc」はN−アセチルノイラミン酸(シアル酸)を表す。
[A3G3S2Fo2]
Figure 0006217742
[A3G3S3Fo2]
Figure 0006217742
[A3G3S3Fo3]
Figure 0006217742
[A4G4S3Fo2]
Figure 0006217742
[A4G4S4Fo2]
Figure 0006217742
[A4G4S4Fo3]
Figure 0006217742
即ち、マルチフコース糖鎖は、3本または4本の分岐鎖を有するN結合型糖鎖であり、ガラクトース数が3個または4個であり、シアル酸数が0個から4個であり、主鎖であるN結合型糖鎖1本あたりに結合するフコースが2個または3個であることが好ましい。この場合、シアル酸とフコースの結合位置に特に制限はない。
本発明のマルチフコース糖タンパク質は、糖タンパク質1分子あたりマルチフコース糖鎖を1本以上有していることを必須とするが、糖タンパク質1分子あたり2本以上のマルチフコース糖鎖を有していてもよい。
マルチフコース糖鎖は、その結合部位に特に制限はないが、糖タンパク質のタンパク質部分のアスパラギンに結合することができる。
(糖タンパク質)
本発明において検出の対象とするマルチフコース糖タンパク質の、糖タンパク質の種類としては、特に制限はなく、検出の目的に応じて、好適な糖タンパク質を選択すればよい。その糖タンパク質が、特定の疾病の発症または進行により、糖鎖構造が変化し、マルチフコースを有する糖鎖が有意に増減し得るものを選択すれば、その疾病のマーカーとして活用することができるので好ましい。特定の疾病としては、癌、脳梗塞、糖尿病、リュウマチなどが挙げられる。
本発明において、検出の対象となる糖タンパク質としては、N結合型糖鎖を有する血中分泌タンパク質などが挙げられる。
特に、肝細胞癌の検出を行ないたいときは、測定対象とする糖タンパク質として、セルロプラスミン、セロトランスフェリン、α1−酸性糖タンパク質、GP−73、ヘモペキシン、HBsAg、α1−アンチキモトリプシン、α1−アンチトリプシン、α2−マクログロブリン、α2−HS−糖タンパク質、ハプトグロビン、フィブリノゲンγ鎖前駆体、免疫グロブリン、APO−D、キニノゲン、ヒスチジンリッチ糖タンパク質、補体因子1前駆体、補体因子I重鎖、補体因子I軽鎖、補体C1s、補体因子B前駆体、補体因子BBa、補体因子BBb、補体C3前駆体、補体C3β鎖、補体C3α鎖、C3aアナフィラトキシン、補体C3bα'鎖、補体C3c、補体C3dg、補体C3g、補体C3d、補体C3f、補体C5、補体C5β鎖、補体C5α鎖、補体C4結合タンパク質、C5aアナフィラトキシン、補体C5α'鎖、補体C7、α1B−糖タンパク質、B2−糖タンパク質、ビタミンD結合タンパク質、インターα−トリプシンインヒビター重鎖H2、α1B−糖タンパク質、アンギオテンシノゲン前駆体、アンギオテンシン−1、アンギオテンシン−2、アンギオテンシン−3、GARPタンパク質、β2−糖タンパク質、クルステリン(ApoJ)、インテグリンα8前駆体糖タンパク質、インテグリンα8重鎖、インテグリンα8軽鎖、C型肝炎ウィルス粒子、elf−5、キニノゲン、HSP33−ホモログ、リシルエンドペプチダーゼまたはロイシンリッチリピート含有タンパク質等を選択することが好ましく、中でもセルロプラスミン、セロトランスフェリン、α1−酸性糖タンパク質、ヘモペキシン、α1−アンチキモトリプシン、α2−マクログロブリン、ハプトグロビン、補体4結合タンパク質、またはロイシンリッチリピート含有タンパク質を選択することが好ましい。
このとき、例えば、測定対象とする糖タンパク質をα1−酸性糖タンパク質とする場合、マルチマーカー糖鎖としては、A4G4S4Fo2、A4G4S4Fo3、A4G4S3Fo2、A4G4S3Fo3、およびA3G3S3Fo2等を検出対象とすることができる。また、測定対象とする糖タンパク質をセロトランスフェリンとする場合、マルチマーカー糖鎖としては、A3G3S2Fo2、A3G3S3Fo2、A3G3S3Fo3、A4G4S3Fo2、A4G4S4Fo2、A4G4S4Fo3等を検出対象とすることができる。
[本発明の検出方法]
以下、本発明の検出方法について工程ごとに説明する。
検体は、必要に応じて、後述する(A)〜(D)工程に供する前に前処理を行なう。前処理としては、例えば、ペプチド断片化などが挙げられる。
[(A)工程]
(A)工程は、前記体液を、糖タンパク質のタンパク質部分を認識する抗体を固定した担体に接触させる工程である。本発明において、(A)工程は必須ではないが、(D)工程において、特定のタンパク質部分をもつマルチフコース糖タンパク質につき、存在量を測定できる点から、(A)工程を設けることが好ましい。
(A)工程では、まず、検出の対象とするマルチフコース糖タンパク質のタンパク質部分(以下、単に「タンパク質部分」と称する場合がある。)を認識する抗体を担体に固定するか、予め、前記抗体が固定された担体を用いる。
抗体としては、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体のいずれでもよく、また、前記タンパク質部分を認識する機能をもつものであれば抗体以外の物質で代用することもできる。
担体としては、プレート、ビーズ等を用いることができる。プレートとしては、ポリスチレンプレート等が好ましく、ビーズとしては、ポリスチレン等が好ましい。
担体に前記抗体を固定する目的は、検出の対象とする糖タンパク質を抗体に結合させたのちに、非結合成分を洗い流し、検出の対象とする糖タンパク質を単離するためであり、このような機能を有するものであれば、前記抗体をプレートやビーズ以外のものに固定してもよく、他の方法に代えることも可能である。
(A)工程において、前記抗体を担体に結合させる方法としては、特に制限はないが、その後の処理によって前記抗体が担体から脱離しないように結合させる方法が好ましく、例えば、ビオチン・アビジン結合を介するもの、または直接プレート類に疎水結合させるもの等が好ましい。前記抗体を、直接、担体に疎水結合させる場合、そのインキュベーション温度としては、通常0℃〜50℃、好ましくは4℃〜37℃であり、また、そのインキュベーション時間としては、通常10分間〜24時間、好ましくは30分間〜16時間である。
担体に結合させた前記抗体は、そのまま体液に接触させても構わないが、前記抗体が有する糖鎖に後述するレクチンが直接結合することを防ぐ目的で、体液を接触させる前に、前記抗体が有する糖鎖を、修飾、分解もしくは切断することが好ましい。ここで、前記抗体が有する糖鎖を分解する方法としては、過ヨウ素酸酸化法が好ましい。前記抗体の過ヨウ素酸酸化は、過ヨウ素酸ナトリウム0.1mM〜100mMのリン酸緩衝液を、前記抗体に接触させ、例えば、0℃〜50℃で、10分間〜5時間反応することにより行なうことができるが、特に、過ヨウ素酸ナトリウム1mM〜20mMのリン酸緩衝液を前記抗体に接触させ、20℃〜30℃で、30分間〜2時間反応することが好ましい。
次に、体液を、担体に固定された前記抗体に接触させる。この際、前記抗体のモル数に特に制限はないが、前記マルチフコース糖タンパク質のモル数と、前記非マルチフコース糖タンパク質のモル数との合計が、前記抗体のモル数に対して等倍以上が好ましく、2倍以上がより好ましく、10倍以上が特に好ましい。ここで、同じのタンパク質部分を有する糖タンパク質とは、アミノ酸の1次配列および3次構造が一致している糖タンパク質を意味する。
体液を前記抗体に接触させる条件としては、特に制限はないが、20℃〜50℃で、10分間〜3時間、接触させることが好ましい。
体液を、担体に固定された前記抗体に接触させた後、必要に応じて、例えば、リン酸バッファー、トリスバッファー等で、担体を、複数回洗浄することにより、前記抗体に結合しない糖タンパク質を除去した上で、後述する(B')工程に進むことが好ましい。
また場合によっては、(B')工程に進む前に、検出の対象とする糖タンパク質を担体から脱離させることがある。この際、糖タンパク質を担体から脱離させる方法としては特に制限はないが、その後の処理によって後述する(B')工程方法に影響及ぼさない条件が好ましく、例えば、1〜200mMの塩酸で4℃〜50℃で、10秒間〜30分間反応させることで糖タンパク質を担体から脱離させた後、脱離された糖タンパク質をTris緩衝液でpH6.0〜9.0に中和し、回収することができるが、10〜50mMの塩酸で20℃〜40℃で、1分間〜20分間反応させることで糖タンパク質を担体から脱離させた後、脱離された糖タンパク質をTris緩衝液でpH7.0〜8.0に中和し、回収することがより好ましい。
[(B)工程、および(B')工程]
(B)工程は、体液に含まれる全糖タンパク質の糖鎖に結合するシアル酸を脱離させたものをレクチンに接触させる工程であり、本発明において必須の工程である。
なお、前記(A)工程を行なっている場合は、(B)工程における全糖タンパク質は、前記(A)工程において前記抗体に結合した糖タンパク質であり、前記(A)工程において前記抗体に結合した糖タンパク質をそのままの状態で(B)工程に進めてもよいし、前記抗体から、前記抗体に結合した糖タンパク質を脱離させた後に(B)工程に進めてもよい。特に、後述の(C)工程を設ける場合は、(A)工程の後に、前記抗体に結合した糖タンパク質を脱離させておく必要がある。
また、(A)工程を経た後の(B)工程を特に(B')工程と称する。
まず、糖タンパク質の糖鎖に結合するシアル酸を、糖鎖から脱離させる。シアル酸の脱離の方法としては、特に制限はないが、シアリダーゼによる脱離が好ましく、シアリダーゼの中でも、ノイラミニダーゼによる脱離が好ましい。なお、シアル酸には、N−アセチルノイラミン酸と、N−グリコリルノイラミン酸とがある。これらのうち、N−アセチルノイラミン酸を脱離させる酵素がノイラミニダーゼであり、ヒトの身体にはN−アセチルノイラミン酸のみしか存在しないため、上述の通り、ノイラミニダーゼが好ましい。
シアリダーゼの消化条件としては、シアル酸が脱離するものであれば特に限定されるものではないが、pHが4.0〜7.0、温度が20℃〜40℃であることが望ましい。このようにシアル酸を脱離させると、原則として、後述のレクチンが、シングルフコース糖鎖とは結合せず、マルチフコース糖鎖とのみ結合するようになる。
なお、糖タンパク質の糖鎖のシアル酸の脱離は、前記(A)工程において、検出の対象とする糖タンパク質を前記抗体に結合させた後に行なっても、結合した糖タンパク質を前記抗体から脱離させ、回収した後に行なってもよい(すなわち、(B')工程)。特に、後述するレクチンサンドイッチELISA法では、前記(A)工程において前記抗体に結合した糖タンパク質に対して、該抗体から糖タンパク質を脱離することなく、(B')工程を行なう。一方で、後述する2段階抽出法では、前記(A)工程において前記抗体に結合した前記糖タンパク質を、該抗体から脱離させ、脱離された糖タンパク質に対して前記(B')工程を行なう。
また、前記(A)工程を事前に行なわなくても、糖タンパク質の糖鎖からシアル酸を脱離させることができる(すなわち、(B)工程)。
次に、シアル酸を脱離させた糖タンパク質にレクチンを接触させる。レクチンは、フコースを認識するレクチンであれば特に限定されないが、AALレクチン、AOLレクチン、レンズ豆レクチン等が望ましく、その中でも特にAALレクチンが望ましい。AALレクチンとはヒイロチャワンタケレクチン(Aleuria aurantia Lectin)を示す。天然のAALレクチンと同様の効果を示すものであれば、人工的に作られたAALレクチンでも問題なく、相同性が80%以上あれば組みかえタンパク質であってもよい。
このように、シアル酸を脱離させた糖タンパク質にレクチンを接触させると、該糖タンパク質のうち、マルチフコース糖タンパク質をレクチンに特異的に結合させることができる。
[(C)工程]
(C)工程は、前記レクチンに結合した該マルチフコース糖タンパク質を、レクチンから溶出する工程である。本発明において、(C)工程は必須ではなく、例えば、前記(B)工程において、検出の目的とする該マルチフコース糖タンパク質がレクチンに結合した状態となっているが、レクチンに結合した状態のまま、マルチフコース糖タンパク質の存在量を測定することができる(後述する(D)工程を行なうことができる)のであれば、この(C)工程は省略可能である。
レクチンに結合している該マルチフコース糖タンパク質を、レクチンから溶出することができれば、特に制限はないが、例えば、フコース溶液(濃度は、10mM〜200mMが好ましい。)により溶出することができる。
[(D)工程]
(D)工程は、前記レクチンに結合したマルチフコース糖タンパク質の、存在量を測定する工程であり、本発明において必須の工程である。
マルチフコース糖タンパク質の、存在量を測定する方法としては、正しく測定できれば特に制限はない。
後述するレクチンサンドイッチELISA法では、前記抗体、マルチフコース糖タンパク質、およびレクチンからなる3分子の結合体を定量するために、予め、レクチンに、発光物質を直接結合させておくか、もしくは、ペルオキシダーゼやアルカリフォスファターゼのような発色を誘導する酵素を結合させておき、発光や発色を測定することで、体液に含まれるマルチフコース糖タンパク質の存在量を測定することができる。
後述する2段階抽出法では、溶出して回収したマルチフコース糖タンパク質の存在量を、市販のELISAキットもしくは自作のELISAを用いて、測定することができる。
[本発明の検出方法の具体例]
上述した本発明の検出方法の具体例を以下に説明する。以下の説明は、あくまでも具体例であり、本発明の実施態様は、以下に限定されるものではない。
(サンドイッチELISA法)
(A)工程:
検出の対象とする糖タンパク質を認識できる抗体(例えば、1μg)を担体(ELISA用のプレート、免疫測定用のビーズ等)に対して固定化させ、抗体固定化反応後、余剰の抗体溶液を取り除く。ここで、前記条件で抗体固定化した担体に対して、ブロッキング剤を添加し、抗体が固定化されていない表面をブロッキング剤でコーティングすることが好ましい。さらに、例えば、上述の過ヨウ素酸酸化法により抗体に結合している糖鎖を分解し、次いで、例えば、0.25Mのジメチルアミン−ボランを含むリン酸緩衝液と接触させることにより糖鎖が脱離した部分を還元し、保護することが好ましい。
次に、検体と、前記の抗体を固定化した担体を接触させ、抗体と、検体に含まれる、検出の対象とする糖タンパク質とを結合させる。この後、検出の対象とする糖タンパク質が結合した状態の抗体を固定化した担体を、Tris緩衝液(25mM Tris、100mM NaCl,0.05% Tween)を用いて洗浄し、該糖タンパク質以外の成分を除去することが好ましい。
(B')工程:
前記(A)工程にて調整した担体に、シアリダーゼ溶液を添加し、例えば、37℃で30分間反応させることにより、シアル酸を脱離させる。
次に、シアリダーゼ反応後の担体に、ビオチンが結合されたAALレクチン溶液を添加して接触させる。次いで、検出対象とする糖タンパク質に含まれるマルチフコース糖タンパク質と、AALレクチンとを結合させる(このときの温度条件としては、4℃〜25℃が好ましい)。その後、担体を、Tris緩衝液にて洗浄し、マルチフコース糖タンパク質以外の成分を除去することが好ましい。
(D)工程:
(B')工程終了後の担体上に存在する、抗体、マルチフコース糖タンパク質、およびAALレクチンの結合体の存在量を測定する。測定方法に特に制限はないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
担体に、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)が結合されたアビジン溶液を添加し、20〜25℃の条件で接触させ、AALとアビジンを結合させ、抗体、マルチフコース糖タンパク質、AALレクチン、およびアビジンの結合体を形成させる。そこに、発色試薬を添加し、20〜25℃の条件で反応後、1Nの硫酸溶液等で発色を停止させる。その後、吸光度が測定可能なプレートリーダー等の測定機器で発色量を測定することで、マルチフコース糖タンパク質の存在量を測定することができる。
(2段階抽出法)
(A)工程:
検出の対象とする糖タンパク質を認識し、かつ、ビオチンが結合された抗体(例えば、50μg)を、アビジンが結合された担体(例えば、アガロースビーズ)に対して、20℃〜25℃の温度条件で接触させ、担体に前記抗体を固定化させる。次に、検体と、前記の抗体を固定化した担体とを接触させ、抗体と、検体に含まれる、検出の対象とする糖タンパク質とを結合させる。検出の対象とする糖タンパク質が結合した状態の抗体を固定化した担体を、Tris緩衝液にて洗浄し、検出の対象とする糖タンパク質以外の成分を除去した後、20mMのHClを3分間接触させる等して、検出の対象とする糖タンパク質を抗体から脱離させ、脱離された検出の対象とする糖タンパク質を、例えば、Tris緩衝液でpH7.5に中和し、回収する。
(B')工程:
前記(A)工程で回収された、検出の対象とする糖タンパク質を含む溶液(以下、「糖タンパク質溶液」と称する。)に、シアリダーゼを添加し、例えば、37℃で30分間、反応させ、シアル酸を脱離させる。
次いで、シアリダーゼ反応後の糖タンパク質溶液を、AALレクチンを固定化したアガロースビーズに接触させ、検出の対象とする糖タンパク質に含まれるマルチフコース糖タンパク質とAALレクチンとを結合させる(このときの温度は、20℃〜25℃が好ましい)。
(C)工程:
(B')工程終了後のマルチフコース糖タンパク質が結合した状態の担体を、例えば、Tris緩衝液(10mM、pH7.5)で洗浄し、マルチフコース糖タンパク質以外の成分を除去し、その後、フコース溶液(10mM Tris−HCl pH7.5 100mM Fucose)を5分間接触させる等して、マルチフコース糖タンパク質を溶出させ、回収する。
(D)工程:
回収されたマルチフコース糖タンパク質の存在量を、例えば、検出の対象とする糖タンパク質が測定可能な市販のELISAキット等にて測定する。
[解析方法]
本発明においては、体液中に含まれるマルチフコース糖タンパク質の存在量を測定するが、前記体液に含まれる全糖タンパク質の存在量に対する、前記マルチフコース糖タンパク質の存在量の割合を求めることもできる。この方法は、特に、炎症等によりマルチフコース糖鎖存在比は変わらなくても、タンパク質発現が増加することで、結果としてマルチフコース糖鎖存在量が増加してしまうようなケースに有効である。
また、前記(A)工程において抗体に結合した非マルチフコース糖タンパク質の存在量に対する、前記マルチフコース糖タンパク質の存在量の割合を求めることにより、マルチフコースの発現量の変化をより正確に表すことができる。この方法も、特に、炎症等によりマルチフコース糖鎖存在比は変わらなくても、タンパク質発現が増加することで、結果としてマルチフコース糖鎖存在量が増加してしまうようなケースに有効である。なお、ここで、同じタンパク質部分を有する糖タンパク質とは、上述の通りである。
また、検出の対象とするマルチフコース糖タンパク質が、特定の疾病の発症または進行により、有意に増減するものである場合、本発明により、特定の疾病の発症や進行具合を検出することができる。例えば、前記特定の疾病が、癌である場合、必要に応じて、癌患者から採取された体液に含まれる前記マルチフコース糖タンパク質の存在量と、非癌患者から採取された体液に含まれる前記マルチフコース糖タンパク質の存在量とを比較する工程を設ける等することで、本発明の検出方法により、体液に含まれる前記マルチフコース糖タンパク質の存在量を指標として癌の発症や進行具合を検出することができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[参考例1]
まず、以下のようにして、AALレクチン(ジェイオイルミルズ社製)に、シアル酸を有さないシングルアウターフコース糖鎖が結合しないことを確認した。
ピリジルアミノ化標識をしたN結合型糖鎖(タカラバイオ社製、具体的には、A4G4Fo1,A2G2,A2G0Fc1,A2G2Fc1,A3G3Fo1,A3G3,A3G3S3Fo1,A3G3S3)を、AALレクチンカラム(J−Oilミルズ社製,4.6mmID 150mm)にそれぞれ2pmol通液し、クロマトグラフィーにより分離することにより、糖鎖構造とAALレクチンとの結合の関係を調べた。
AALレクチンカラムを用いたクロマトグラフィーの条件を以下に示す。溶離液A液:10mM酢酸アンモニウム水溶液、溶離液B液:10mM酢酸アンモニウム、30mMフコース水溶液(pH=7)を用いた。測定対象とする糖鎖を注入後、40分間はA液100%を通液し、その後、40分間(注入後40分〜80分)かけてB液100%に直線的に割合を変化させた。流速は0.4mL/分とした。10分間毎に溶出液を回収し、液を濃縮後、以下の条件で逆相液体クロマトグラフィーを測定することで、それぞれの糖鎖のAALカラムへの結合の有無を調べた。
(逆相液体クロマトグラフィーの測定条件)
カラム :Develosil(野村科学)4.6mmID×150mm
オーブン:30℃
溶離液A:5mM酢酸アンモニウム(pH=4)
溶離液B:10%アセトニトリル、5mM酢酸アンモニウム(pH=4)
グラジエント:B20%(0分)−B42%(60分)
流速:0.5mL/min
励起波長:320nm
検出波長:400nm
その結果、3本分岐鎖にルイスX型フコースが1個ついている糖鎖において、シアル酸が結合していないアシアロ型(A3G3Fo)はAALカラムに結合しないものの、シアル酸が結合しているA3G3S3Foは強くAALカラムに結合することがわかった(図1参照)。これは、フコースを認識するAALレクチンが、シアル酸をも認識していることを示すものであり、新しい事実である。
[実施例1]
市販のα1−酸性糖タンパク質(シグマ社製)を、ウレアおよびトリスバッファー(pH8.5)に溶解後、ジスルフィド結合を還元アミノ化した。その後、トリプシン、およびリシルエンドペプチターゼを使ってペプチド断片化し、得られた糖ペプチドを使って以下の実験を行った。
実験I: 得られたα1−酸性糖タンパク質由来の糖ペプチドを、AALレクチン(ベクター社製)を固定したカラム(バリアン社製、3mL)に結合させた。次いで、10mMのTrisHCL(pH7.4)液を通液させることにより、非結合成分をカラムから充分に溶出させたのちに、100mMのフコース溶液を通液して、AALレクチン結合糖ペプチドを回収した。
実験II: 得られたα1−酸性糖タンパク質由来の糖ペプチドを、シアリダーゼ(ナカライテクス社製)を使ってシアル酸を脱離させた後に、AALレクチンを固定したカラムに結合させた。次いで、10mMのTrisHCL(pH7.4)液を通液させることにより、非結合成分をカラムから充分に溶出させたのちに、100mMのフコース溶液を通液させて、AALレクチン結合糖ペプチドを回収した。
実験Iおよび実験IIで回収した糖ペプチドは、以下に示す条件でLC−MS分析を行ない、AALレクチンに結合したα1−酸性糖タンパク質由来の糖ペプチドの構造とその存在量を比較した。
なお、LC−MS分析は液体クロマトグラフィーにAgilent HP1200(Agilent technologies社製)、質量分析装置にQ-TOF 6520(Agilent technologies社製)を用いて以下の条件で測定を行なった。液体クロマトグラフィーのカラムはイナートシルODS4(内径1.5mm,長さ100mm,粒径2μm)を用いた。溶離液には、A液:0.1%ギ酸水溶液,B液:0.1%ギ酸、90%アセトニトリル水溶液を使用し、40分間かけてB液比率を10%から56%まで直線的に変化させた後、さらに10分間、B液比率を56%に維持した。カラムオーブン温度は40℃、流速は0.1ml/分とした。質量分析はネガティブモードとし、キャピラリーボルテージ:4000V,ネブライザーガス量:45psi,ドライガス10L/分(350℃)にて測定した。ペプチド同定を目的としたMSMS測定のコリジョンエネルギーは各ペプチドに応じて20eV〜70eV間で最適化した。
その結果、表1に示す通り、実験II(シアル酸を脱離させた後にAALレクチンに接触させたもの)は、実験I(シアル酸を脱離させなかったもの)と比較して、検出された糖ペプチド全体に含まれる、フコースを2個以上結合する糖ペプチド(マルチフコース)の割合が大幅に増加し、一方で、検出された糖ペプチド全体に含まれる、フコースを1個結合する糖ペプチド(シングルフコース)の割合が大幅に減少していた。これにより、糖タンパク質の糖鎖からシアル酸を脱離させると、シングルフコースを有する糖タンパク質はAALレクチンに結合しにくくなる傾向にあり、一方、マルチフコース糖タンパク質はAALレクチンに結合しやすくなる傾向にあることがわかる。
Figure 0006217742
[実施例2]
インフォームドコンセントを取得した肝細胞癌患者から採取した血清20検体、および健常人から採取した血清10検体について、マルチフコース糖鎖を有するα1−酸性糖タンパク質(以下、「AGP」と称する場合がある)の存在量を測定した。後述するように、2段階抽出法と質量分析法の2種類で測定を行ない、両者の測定値を比較した。
(2段階抽出法)
アビジン標識をしたアガロースビーズ100μLをスピンカラムに充填し、ビオチン化した抗AGP抗体(Abcam社)50μgを添加した。15分間インキュベートし、未結合抗体を除去した後、10倍希釈した血清50μLを添加した。30分間室温でインキュベート後、非結合画分を洗浄し、0.02N塩酸水溶液80μLを添加して抗体結合成分(AGP糖タンパク質)を溶出させた。次に、溶出させたAGP糖タンパク質に対して、シアリダーゼ1mU/mLを3μL添加し、37℃30分間反応させることにより、シアル酸を除去した。得られたAGP糖タンパク質を、pH7.5のトリス塩酸バッファーで平衡化したAALカラムに通液し、30分間室温でインキュベーションした。その後、100mMフコース溶液100μLを通液して、AAL結合タンパク質を溶出させた。溶出されたAAL結合タンパク質(マルチフコース糖鎖を有するAGP糖タンパク質であると考えられる。)を、市販のAGP測定キット(Abcam製)で定量した。
(質量分析法)
血清100μLに対しアセトン400μLを加えた後、12,000rpm、20分間、4℃で遠心分離し、タンパク質を沈殿させた。上清を除去後、沈殿物に尿素を含む変性剤を加え、タンパク質を変性後、還元アルキル化を行った。変性剤、還元剤を除去後、トリプシンを添加してタンパク質をペプチド断片化し、それをAALレクチンカラムによりフコース含有糖ペプチドを濃縮した。調整したフコース含有糖ペプチドを、液体クロマトグラフィー(Agilent HP1200、Agilent technologies社製)および質量分析装置(Q-TOF 6520、Agilent technologies社製)を用いて以下の条件で測定を行なった。
液体クロマトグラフィーのカラムはイナートシルODS4(内径1.5mm,長さ100mm,粒径2μm)を用いた。溶離液には、A液:0.1%ギ酸水溶液,B液:0.1%ギ酸、90%アセトニトリル水溶液を使用し、40分間かけてB液比率を10%から56%まで直線的に変化させた後、さらに10分間B液比率を45%に維持した。カラムオーブン温度は40℃、流速は0.1ml/分とした。質量分析はネガティブモードとし、キャピラリーボルテージ:4000V,ネブライザーガス量:45psi,ドライガス10L/分(350℃)にて測定した。
2段階抽出法により測定されたマルチフコース糖タンパク質の存在量は、質量分析装置により測定されたマルチフコース糖タンパク質の存在量と高い相関(R=0.89)を示した(図2参照)。一方で、2段階抽出法により測定されたシングルフコース糖タンパク質の存在量は、質量分析装置により測定されたシングルフコース糖タンパク質の存在量とは相関を示さなかった(R=0.45)(図3参照)。
[比較例1]
シアリダーゼによるシアル酸除去を行わないこと以外は、上述の実施例2の(2段階抽出法)と同じ条件でマルチフコースを有するAGP糖タンパク質の測定を試みた。
しかしながら、AGPタンパク質は、AALカラムに強く結合してしまい、溶出することが出来なかった。シアル酸とAALカラムの親和性が非常に高いためであると考えられる。
なお、2013年3月5日に出願された日本特許出願2013−043075号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (11)

  1. 体液に含まれるマルチフコース糖タンパク質を検出する方法であって、
    (B)該体液に含まれる全糖タンパク質の糖鎖に結合するシアル酸を脱離させたものをAALレクチン(ヒイロチャワンタケレクチン)に接触させる工程、および、
    (D)該レクチンに結合したマルチフコース糖タンパク質の存在量を測定する工程、
    を有することを特徴とする、検出方法。
    但し、マルチフコース糖タンパク質とは、糖鎖1本につき少なくとも2つのフコースを有するN結合型糖鎖を、糖タンパク質1分子あたり少なくとも1本以上もつ糖タンパク質である。
  2. 前記(B)工程において、前記全糖タンパク質とシアリダーゼ酵素とを接触させることによりシアル酸を脱離させることを特徴とする、請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記(B)工程に先立ち、
    (A)前記体液を、糖タンパク質のタンパク質部分を認識する抗体を固定した担体に接触させる工程、を有し、
    かつ、前記(B)工程が、
    (B’)該(A)工程で該担体に結合した糖タンパク質の糖鎖に結合するシアル酸を脱離させたものをレクチンに接触させる工程、
    であることを特徴とする、請求項1または2に記載の検出方法。
  4. 前記(B)工程または前記(B’)工程と、前記(D)工程との間に、
    (C)前記レクチンに結合したマルチフコース糖タンパク質を該レクチンから溶出する工程、
    を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の検出方法。
  5. 前記(A)工程において、前記抗体に結合した糖タンパク質に対して、該抗体から該糖タンパク質を脱離することなく前記(B’)工程を行なうことを特徴とする、請求項またはに記載の検出方法。
  6. 前記(A)工程において、前記抗体に結合した糖タンパク質を該抗体から脱離させ、脱離された該糖タンパク質に対して、前記(B’)工程を行なうことを特徴とする、請求項またはに記載の検出方法。
  7. 前記(A)工程において、
    前記抗体のモル数に対して前記マルチフコース糖タンパク質のモル数と、前記マルチフコース糖タンパク質と同じタンパク質部分を有し、かつ糖鎖部分がマルチフコース糖鎖ではない糖タンパク質(以下、「非マルチフコース糖タンパク質」と称する。)のモル数との合計が等倍以上になるように、
    該抗体および/または前記糖タンパク質の濃度を調整することを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の検出方法。
  8. 前記(D)工程において、さらに、前記体液中に含まれる全糖タンパク質の存在量に対する、前記マルチフコース糖タンパク質の存在量の割合を求めることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の検出方法。
  9. 前記(D)工程において、さらに、前記(A)工程において抗体に結合した非マルチフコース糖タンパク質の存在量に対する、前記マルチフコース糖タンパク質の存在量の割合を求めることを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の検出方法。
  10. 前記マルチフコース糖タンパク質が、特定の疾病の発症または進行により、有意に増減するものであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の検出方法。
  11. 癌の発症または進行を検査するために、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法により体液に含まれるマルチフコース糖タンパク質を検出する方法
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