JP6217665B2 - 粉粒体分離装置および粉粒体分離方法 - Google Patents

粉粒体分離装置および粉粒体分離方法 Download PDF

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Description

本発明は、比重や粒子径が異なる粉粒体の混合物を、気流を利用して分離する粉粒体分離装置に関するものである。特に、凝集した粒子を効果的に解砕して、高い精度で粉粒体を分離することができ、製鋼スラグを始めとする各種の粉粒体混合物に適用可能な粉粒体分離装置に関するものである。
また、本発明は、上記粉粒体分離装置を用いた粉粒体分離方法に関するものである。
複数の粉粒体の混合物から、物性に応じて粉粒体を分離することは、様々な産業分野において行われており、とりわけ、高精度で粉粒体を分離できる装置に対しては、高い需要がある。
例えば、鉄鋼分野においては、製鋼ラインで発生するスラグに含まれる粒子を分離する手法が求められている。製鋼ラインでは、溶銑予備処理や転炉工程などの精錬プロセスにおいて、スラグ(製鋼スラグ)と呼ばれる残渣が発生する。このスラグは、主にSiO2、Al23、CaOなどの酸化物からなるが、鉄粒子も多く含んでいる。スラグに含まれる鉄粒子のうち、粒子径が大きいものについては、転炉工程における冷鉄源として再利用が行われている。
しかし、スラグ中に含まれる鉄粒子のうち、小粒径のものについてはほとんどリサイクルが実施されていない。これは、スラグ中にリンや硫黄などの不純物元素が含まれており、小粒径の鉄粒子と混在しているためである。これらの不純物元素が混入したまま鉄粒子を冷鉄源として使用すると、精錬プロセスが阻害される。したがって、製鋼スラグ中の鉄粒子を有効に利用するためには、鉄粒子と、それ以外の成分からなる粒子とを高精度に分離することが必要となる。
上記製鋼スラグの例をはじめ、様々な分野において、粉粒体の高精度分離に関する研究が行われており、各種の手法が提案されている。
例えば、磁力を利用した分離方法として、ドラム式マグネットセパレーターを使用する方法が提案されている。この方法では、内部に磁石を有するドラム上に粉粒体混合物が供給され、ドラム表面に吸着する粒子と吸着しない粒子とに分離される。
また、特許文献1には、旋回気流を利用して、微粉と粗粉とを含有する混合粒子を分離する気流分級装置が記載されている。この装置では、ブロワによって発生させた空気流を円筒形のケーシング内に吹込んで旋回気流を発生させるとともに、回転する分散板を用いて前記旋回気流中に粉粒体混合物がフィードされる。フィードされた粉粒体混合物の内、粒径が小さい粒子は気流に乗って上方から排出され、粒径の大きい粒子は落下して下方より回収される。
特許文献2には、旋回気流を用いて粉体を分離する気流分級装置において、粉体をフィードするための回転分散板上に、複数のピンを立設することが記載されている。特許文献2では、凝集した状態でフィードされた粉体が、遠心力によって分散板上を移動する途中で前記ピンと衝突することにより解砕されるとしている。
特開2010−069393号公報 特開平07−080413号公報
しかし、上に挙げたような既存の分離方法には、いくつかの問題点があった。
例えば、ドラム式マグネットセパレーターを用いる分離方法には、乾式と湿式の2つの方式があるが、いずれの方式も、磁性差を有する粉粒体にしか適用することができない。また、乾式ドラム式マグネットセパレーターで粒径の小さい粉粒体混合物を分離する場合、磁性粉体がドラムに吸着する際に、その下に非磁性粉体を巻き込んでしまうため、高い分離精度を得ることが難しい。湿式ドラム式マグネットセパレーターを用いる場合には、発生する廃液の処理や、分離後の粉体の乾燥を行う必要があり、処理費用が高くなる。
特許文献1に記載された方法では、Van der Waals 力、静電引力、液架橋力、固体架橋力等の作用により複数の微粒が凝集した粗大粒子は、その大きさのために気流に乗って上昇することができず、落下する。その結果、装置下方より回収される粗粒の中に、本来、上方より排出されるべき微粒が凝集粒子として混入し、分離精度が低下する。
特許文献2に記載された方法では、ピンの数が多すぎると粉粒体のフィードが阻害され、反対に、ピンの数が少なすぎるとピン同士の間隔が広くなり、フィードされた粉粒体の大部分がピンと衝突することなく分散板を通過してしまう。また、分散板上ではフィードされた粉粒体とピンが同じ速度で回転するため、粒子がピンに接触したとしても、凝集粒子を解砕するために必要とされる衝撃力が十分に得られないという問題がある。
本発明は、上記の実情に鑑み開発されたものであり、粒子の磁性にかかわらず、多数の凝集粒子を含有する粉粒体であっても、該凝集粒子を確実に解砕し、精度良く分離できる粉粒体分離装置および粉粒体分離方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記の目的を達成すべく、鋭意研究を行った結果、分散板の外周に解砕羽根を設け、フィードされた粉粒体の全量が、解砕羽根が回転する際に通過する空間(回転域)を通過する構成とすることにより、凝集粒子を確実に解砕できることを見出した。本発明は、前記知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)筒状のケーシングと、
前記ケーシング内へ粉粒体を供給する投入管と、
前記ケーシング内に設置され、その上面に前記投入管から供給された粉粒体を受けるとともに、任意の軸の回りに回転し、前記粉粒体を遠心力によって分散させる分散板と、
前記分散板の周縁より、前記軸から遠ざかる方向へ向かって延び、かつ前記軸の回りに回転して、前記分散板によって分散された粉粒体と衝突する解砕羽根と、
前記ケーシング内に設置され、任意の軸の回りに回転して該ケーシング内に旋回上昇気流を発生させる回転羽根と、を有し、
前記解砕羽根の下端の高さが、前記分散板の上面の高さと同じであるか、前記上面の高さよりも低い、粉粒体分離装置。
(2)前記ケーシングが、内側ケーシングと外側ケーシングとを有する2重ケーシングであり、
前記内側ケーシングの、前記分散板よりも下方にガイドベーンを有する、前記(1)に記載の粉粒体分離装置。
(3)前記解砕羽根が、該解砕羽根に衝突した前記粉粒体に対して下向きの力を加えるように角度を調整されている、前記(1)または(2)に記載の粉粒体分離装置。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の粉粒体分離装置を用いる粉粒体分離方法であって、
回転する前記分散板上へ、前記投入管を通って粉粒体を供給し、
前記粉粒体を遠心力によって前記分散板の外部へ向けて投射し、
投射された前記粉粒体の全量が、前記解砕羽根が回転する際に通過する空間を通過する、粉粒体分離方法。
本発明の粉粒体分離装置および粉粒体分離方法によれば、粒子の磁性にかかわらず、多数の凝集粒子を含有する粉粒体であっても、該凝集粒子を確実に解砕し、粉粒体に含まれる粒子を高い精度で分離することができる。かかる粉粒体分離装置および方法は、製鉄スラグをはじめとする様々な粉粒体の分離に極めて有用である。
本発明の一実施形態における粉粒体分離装置の断面図である。 本発明の一実施形態における解砕羽根の上面図である。 本発明の複数の実施形態における解砕羽根の側面図である。
次に、本発明を実施する方法について具体的に説明する。
なお、以下の説明においては、上、下、水平、垂直など用語を、本発明の粉粒体分離装置を稼働時の状態に設置したときにおける位置関係を表すものとして使用する。
本発明の粉粒体分離装置は、筒状のケーシングと、前記ケーシング内に水平に設置された回転分散板と、前記分散板の周縁より外側へ向かって延びる解砕羽根と、前記分散板上へ粉粒体を供給する投入管と、前記ケーシング内に設置された回転羽根とを有する。
前記ケーシングの形状は特に限定されず、筒状であれば良い。なお、旋回上昇気流を安定的に形成するために、ケーシングの水平方向断面は円形とすることが好ましいが、その場合にも、円の直径は高さ方向の位置によって異なっていて良い。前記ケーシングが、内側ケーシングと外側ケーシングとを有する2重ケーシングである場合には、内側ケーシングと外側ケーシングの両者が円筒状であり、同心円状に配置されていることが好ましい。
上記筒状のケーシング内で、前記回転羽根を任意の軸の回りに回転させることにより、該ケーシング内に旋回上昇気流を発生させる。前記任意の軸は、本発明の粉粒体分離装置を稼働時の状態に設置した際に竪軸となる軸であり、筒状のケーシングの高さ方向に平行な任意の軸とすることができる。円筒状のケーシングのように、ケーシングの水平断面が円形である場合には、前記軸の位置を、前記円の中心とすることが好ましい。前記回転羽根の取り付け位置は、後述する分散板と解砕羽根よりも上方であることが好ましい。前記回転羽根の形状については特に限定されず、必要な上昇気流を発生できるものであれば使用できる。
処理対象の粉粒体混合物は、投入管を通じて、ケーシング内部に設けられた分散板の上に供給される。前記分散板の形状は、特に限定されないが、円形(円盤状)とすることが好ましい。前記分散板は、前記回転羽根と同様に、任意の軸(竪軸)の回りに回転可能である。前記分散板の回転軸は、前記回転羽根の回転軸と異なってもよいが、同じであることが好ましい。
分散板上の粒子が供給される位置は特に限定されないが、分散板上面の略中心であることが好ましい。分散板上に供給された粒子は、分散板の回転により発生する遠心力によって分散板の外側へ向かって移動し、最終的には分散板の外側へ向けて投射される。
前記分散板には、その周縁より、分散板の回転軸から遠ざかる方向へ向かって延びる解砕羽根が設けられている。前記解砕羽根の延びる方向は、分散板の外周の法線方向であってもよく、また、法線方向に対し角度を有していてもよい。前記解砕羽根は、分散板とともに竪軸回りに回転するように構成されている。前記分散板、解砕羽根、および回転羽根を同軸に配置すれば、単一の駆動装置でそれらを回転させることが可能となるため、好ましい。その際には、前記投入管を前記分散板等と同軸に配置し、該投入管を、分散板等を駆動するためのシャフトとして用いれば、装置構造をさらに簡略化できるため、より好ましい。
本発明では、前記解砕羽根の下端の高さが、前記分散板の上面の高さと同じであるか、前記上面の高さよりも低くなるように、解砕羽根を設置することが重要である。このような配置とすることにより、遠心力によって分散板から飛び出した粉粒体は、その全量が解砕羽根の回転域を通過することになる。この際、解砕羽根を高速で回転させておくことにより、大きな相対速度で粉粒体を回転羽根に衝突させることができる。その結果、粉粒体中に凝集した粒子が存在したとしても、衝突時の衝撃によって効果的に一次粒子(凝集していない粒子)へと解砕される。
なお、前記解砕羽根の下端が過度に下方に位置すると、気流の乱れの原因となるため、前記解砕羽根の下端は、後述するガイドベーンの上端よりも上方に位置することが好ましい。
前記回転羽根と解砕羽根の枚数は特に限定されないが、2枚以上とすることが好ましく、4枚以上とすることがより好ましい。また、回転バランスを確保するため、複数の羽根を、円周方向に等間隔で取り付けることが好ましい。
解砕羽根の角度等の条件によっては、解砕羽根と衝突した後の粉粒体は、さらに外側へはじき飛ばされてケーシングの内壁と衝突する。もし、解砕羽根との衝突後の時点において、凝集粒子が完全には解砕されずに残存していたとしても、このケーシング内壁との衝突により、残存している凝集粒子をさらに解砕することができる。したがって、解砕効果を向上させるという観点からは、解砕羽根によってはじき飛ばされた粒子がケーシング内壁と衝突するように解砕羽根の角度を設定することが好ましい。
以上のようにして解砕された粉粒体は、次に、前記回転羽根によって生じている旋回上昇気流によって分離される。粒子の質量は、密度が均一である場合、その体積に比例し、したがって、半径の3乗に比例する。一方、粒子が気流から受ける力は、粒子の投影面積に比例し、したがって、半径の2乗に比例する。その結果、比重が同じ粒子の場合、半径が大きい粒子では重力の影響が支配的となって落下し、半径が小さい粒子では気流の影響が支配的となって、上昇する。また、粒径が同じ粒子の場合、比重が高い(重い)粒子は落下し、比重が低い(軽い)粒子は気流に乗って上昇する。
本発明の装置によれば、上述したように凝集粒子を解砕した後に、気流を用いた分離を行うため、粒子の磁性に依存せず、粒径、比重、またはその両者に基づいて、高い精度で粒子を分離することができる。
なお、上述のように粒子の分離を実施する際に、粒子の物性や、解砕羽根の形態、気流の状態などの条件によっては、解砕羽根に衝突した粒子の一部が、水平方向ではなく上方へはじき飛ばされてしまうおそれがある。ケーシング内には回転羽根によって旋回上昇気流が形成されているため、そのように上方へはじき飛ばされてしまった粒子は、前記気流に乗って容易に上昇する。したがって、本来、重力の作用により下方へ回収されるべき高比重粒子や大粒系粒子が上方へはじき飛ばされると、上方から回収される低比重粒子や小粒径粒子に混入し、分離精度が低下するおそれがある。
このような分離精度の低下を防止するという観点からは、前記解砕羽根が、該解砕羽根に衝突した前記粉粒体に対して下向きの力を加えるように調整されていることが好ましい。これにより、解砕羽根に衝突した粒子が上方へはじき飛ばされてしまうことを防止し、分離精度の低下を抑制できる。前記角度の調整の方法は特に限定されず、解砕羽根に衝突する粒子に対して、下向きの力を加えることができる方法であれば、どのような方法であってもよい。例えば、板状の解砕羽根の取り付け角度を調整する方法、板状の解砕羽根の一組の側面のうち、粒子と衝突する側の側面を傾斜させる方法などを用いることができる。
次に、本発明の一実施形態について、図面に基づいて具体的に説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な一例を示すものであり、本発明は、その記載によって何ら限定されるものではない。本発明の実施形態は、本発明の趣旨に適合する範囲で適宜変更することが可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に包含される。
本実施形態における粉粒体分離装置の断面図を図1に示す。この例においては、ケーシングを、外側ケーシング1と内側ケーシング2とからなる2重円筒状としている。外側ケーシング1は上部が閉鎖された有蓋円筒状であり、その内部に内側ケーシング2を、外側ケーシング1と同軸となるように収容している。外側ケーシング1と内側ケーシング2の間には、気流中に分散した粉粒体が通過可能な間隙が設けられている。そして、内側ケーシング2は上部が開放された無蓋円筒状であり、その内部に投入管3、分散板4、および解砕羽根5が設けられている。
投入管3は中空の円筒であり、外側ケーシング1の天板を貫通するように、ケーシングの中心に垂直に設置されている。投入管3の上端には、図示されない粉粒体供給手段が設けられている。
投入管3の下端には、円盤状の分散板4が水平に取り付けられている。投入管3の下端と分散板4の上面との間には、粉粒体が通るための空間が設けられている。
分散板4の外周部には、解砕羽根5が設けられている。解砕羽根5は、分散板に直接取り付けても良いが、本実施形態においては、投入管3に設けられた解砕羽根固定板6を用いて解砕羽根5を固定している。解砕羽根固定板6は、円盤状の部材であり、分散板4と平行に、一定の間隔を開けて取り付けられている。
図2は、上から見たときの解砕羽根5の配置を表す図である。この図に示したように、本実施形態における解砕羽根5は8枚の羽根からなり、それらの羽根は、分散板5の外周部から放射状に延びるように円周方向に等間隔に取り付けられている。解砕羽根5は、分散板4および解砕羽根固定板6と同軸に、図中に示した矢印の方向へ回転する。
図3(a)は、図2の手前側より見たときの、解砕羽根の形状を表した図である。解砕羽根5を構成する個々の羽根の形状は特に限定されず、粒子と衝突して衝撃を与えられる形状であればよいが、本実施態様においては、図2および図3(a)に示したように板状の羽根を垂直に設置している。なお、図3においては、最も手前に位置する解砕羽根のみを示しており、他の解砕羽根は省略されているが、他のすべての解砕羽根は図示されている羽根と同様の態様で設置されている。このように設けられた解砕羽根に、分散板4から飛び出した粒子が衝突することにより、該粒子中に含まれる凝集粒子を解砕することができる。
また、粒子の物性や、解砕羽根の形態、気流の状態などの条件によっては、解砕羽根に衝突した粒子の一部が、水平方向ではなく上方へはじき飛ばされて、分離精度が低下するおそれがある。このような分離精度の低下を防止するという観点からは、前記解砕羽根が、該解砕羽根に衝突した前記粉粒体に対して下向きの力を加えるように調整されていることが好ましい。粉粒体に対して下向きの力を加えるように調整されている解砕羽根の具体的な例を、図3(b)〜(d)に示す。なお、図3中の矢印は、解砕羽根の回転方向を示している。
図3(b)に示した実施態様では、板状の解砕羽根が傾斜した状態で取り付けられている。このように解砕羽根の取り付け角度を調整することにより、傾斜した解砕羽根と衝突した粉粒体には、水平方向だけではなく、下方向にも力が加えられる。そのため、粒子が上方へはじき飛ばされて分離精度が低下することを防止できる。この際、解砕羽根に過度の傾斜をつけると、粒子が真下に打ち下ろされてしまい、ケーシング内壁との衝突による解砕効果が得られなくなるおそれがある。したがって、図3(b)に示したように解砕羽根を斜めに取り付ける場合には、その取り付け角度(図中のθ)を0°超、45°以下とすることが好ましい。また、前記取り付け角度θは解砕羽根の根元(解砕羽根固定板6)側から、その反対の先端側にかけて、一定であってよいが、プロペラなどに見られるねじり下げのように、根元側から先端側にかけて角度θが連続的または段階的に変化する形状とすることもできる。
図3(c)に示した実施態様では、板状の解砕羽根の一組の側面のうち、粉粒体と衝突する側の側面のみを傾斜させ、他方の側面は垂直のままとしている。このように、解砕羽根の形状自体を調整することでも、図3(b)の場合と同様に、解砕羽根に衝突した前記粉粒体に対して下向きの力を加えることができる。この場合においても、前述と同様の理由により、粉粒体と衝突する側の側面の傾斜角度(図中のθ)を0°超、45°以下とすることが好ましい。なお、図3(c)に示した実施態様では、断面が略三角形の解砕羽根を用いているが、例えば、台形、平行四辺形等、他の断面形状とすることも可能である。また、図3(c)に示した形状の解砕羽根を、さらに図3(b)に示した実施態様のように傾斜させて取り付けることもできる。その場合においては、最終的に取り付けられた状態における、粉粒体と衝突する側の側面の傾斜角度(図中のθ)を0°超、45°以下とすることが好ましい。
また、図3(d)に示した実施態様では、円弧状の解砕羽根を、その内側が粉粒体との衝突面となるように、傾斜した状態で設けている。この場合もやはり粉粒体と衝突する側の側面の傾斜角度(図中のθ)を0°超、45°以下とすることが好ましい。ただし、このような断面円弧状の羽根を用いる場合には、図に示したように、円弧の両端を結ぶ直線の傾きを、取り付け角度θと見なすこととする。
解砕羽根5の高さ方向の位置は、分散板4から飛び出したすべての粉粒体が、解砕羽根5が回転する際に通過する空間を通過するように設定する必要がある。もし、解砕羽根の下端が分散板の上面よりも上にあると、粉粒体が解砕羽根のない空間を通過してしまう。これを避けるため、少なくとも解砕羽根の下端の高さを、分散板の上面の高さと同じとするか、前記上面の高さよりも低くする必要がある。解砕羽根の上下方向の幅(高さ)についても同様に、すべての粉粒体が、解砕羽根の回転域を通過するように決定する必要がある。
解砕羽根5の上方には、ケーシング内に上昇気流を発生させるための回転羽根7が設けられている。回転羽根7は、分散板5および解砕羽根7と同様に、投入管3と同軸に取り付けられており、これらは、一体に、竪軸の回りに回転可能である。
外側ケーシング1の上部には可変速電動機8が設置されており、可変速電動機8の軸は、電動機側プーリー9、および投入管側プーリー10を介して、駆動ベルト11によって投入管3と連結されている。駆動ベルト11としては、一般的なベルトドライブ用のVベルトなどを用いることができる。また、上記ベルトドライブ方式に代えて、チェーンドライブ方式を採用することもできる。その場合には、前記プーリーに代えてスプロケットが、前記駆動ベルトに代えてチェーンが、それぞれ使用される。
本実施形態では、1台の可変速電動機8によって、分散板4、解砕羽根5、および回転羽根7を駆動しているため、これらはすべて同一の速度で回転するが、ギア等の変速手段を使用して、これらを異なる速度で回転させることもできる。また、可変速電動機8を複数台使用して、分散板4、解砕羽根5、および回転羽根7を異なる速度で回転させてもよい。
また、本実施形態では解砕羽根5を一組使用しているが、解砕羽根5と回転羽根7の間に、さらに、第2の解砕羽根を設けてもよい。
内側ケーシング2の下方には、全周に渡って外部と連通している部分(連通部12)があり、連通部12にはガイドベーン13が設けられている。ガイドベーンは、連通部12から内側ケーシング2内に取り込まれる空気を整流し、旋回気流を形成する機能を有している。図1に示したように、連通部12は分散板4および解砕羽根5よりも下方に設けられる。これにより、連通部12およびガイドベーン13を通過して内側ケーシング2の内部へ取り込まれた気流が、解砕羽根5に直接吹きつけられて、凝集粒子の解砕が妨げられることを防止できる。
外側ケーシング1の下部には、円錐状の外側粒子回収部14が設けられており、その下端は外側粒子排出口15に接続されている。同様に、内側ケーシング2の下部には、円錐状の内側粒子回収部16が設けられており、その下端は内側粒子排出口17に接続されている。
次に、上記実施形態における本発明の粉粒体分離装置の動作を、製鋼スラグの分離を行う場合を例として、説明する。
転炉などから排出された製鋼スラグは、常温まで冷却された後、必要に応じて各種前処理が施された上で、本発明の粉粒体分離装置に供給される。前記前処理としては、例えば、冷却時に製鋼スラグを水冷している場合は乾燥処理、粒子同士の固着が大きい場合はクラッシャーによる破砕処理などを行うことができる。製鋼スラグは、図示されないシュートなどを使用して投入管3の上端へ供給され、投入管3の内部を落下して、分散板4上に到達する。製鋼スラグは凝集性が強いため、この時点では、粒子同士が凝集した粗大な凝集物を含んでおり、このままでは精度良く分離することができない。
分散板4は高速で回転しているため、分散板4上へ供給されたスラグは遠心力によって分散板4の外側へ向かって移動し、最終的には分散板4と解砕羽根固定板6の間の空間を通って分散板4の上から飛び出す。分散板4より投射されたスラグは、回転する解砕羽根5に衝突し、凝集している粒子は、その際の衝撃力によって一次粒子へと解砕される。本発明では、この際に分散板の外部へ向けて投射された粉粒体の全量を、解砕羽根が回転する際に通過する空間を通過させることが重要である。そのような条件を達成するために、本発明の分離装置においては、解砕羽根の下端の高さが、分散板の上面の高さと同じであるか、前記上面の高さよりも低くなるように設定されている。また、必要に応じて、解砕羽根の上下方向の幅や、分散板、解砕羽根、および回転羽根の回転数を調整すればよい。
次いで、解砕羽根と衝突したスラグは、外側に押し出され、内側ケーシング2の内壁面と衝突することにより、さらに解砕される。もし、解砕羽根がなかったとすると、粉粒体は分散板の回転に起因する遠心力のみによって投射されるため、その速度は遅い。したがって、その場合には、スラグが内壁面と衝突したとしても、十分な解砕効果を得ることができない。しかし、本発明の装置においては、解砕羽根と衝突することによってスラグ粒子がはね飛ばされる。解砕羽根は高速で回転しているため、その外周部における速度は極めて大きく、解砕羽根によってはね飛ばされた粒子の速度は、遠心力のみによって投射された粒子の速度よりもはるかに大きい。その結果、本発明の装置においては、ケーシングの内壁面との衝突による解砕効果が極めて高い。
このように、本発明においては、解砕羽根との衝突と、ケーシング内壁面との衝突という2つの段階を経て、凝集粒子を確実に解砕することができる。
一方、内側ケーシング2の内部には、回転羽根7とガイドベーン13の働きにより、旋回上昇気流が形成されている。前記気流は、内側ケーシング2内を上昇した後、外側ケーシング1と内側ケーシング2との間の空間を下降し、連通部12とガイドベーン13を通過して再び内側ケーシング2の中へ戻る。
解砕羽根によって解砕されたスラグは、次に、上記旋回上昇気流によって分離される。すなわち、スラグ中に含まれる鉄粒子18は、比重が大きいため、上昇気流に乗ることなく、内側ケーシング2の下方へ落下する。落下した鉄粒子は、内側粒子回収部16を通って、内側粒子排出口17から回収される。
一方、鉄以外の成分を主体とする粒子である非鉄粒子19は、鉄粒子に比べて比重が小さいため、上昇気流により吹き上げられ、内側ケーシング2の上方へ移動する。その後、非鉄粒子19は、気流に乗って外側ケーシング1と内側ケーシング2との間の空間を通って下降し、外側粒子回収部14を通って、外側粒子排出口15から回収される。
分散板4、解砕羽根5、および回転羽根7の回転速度は、処理対象とする粉粒体の特性や、装置の形状、寸法などを考慮して決定される。製鋼スラグの分離の場合、前記回転速度を、例えば、100〜2000rpm、好ましくは300〜1200rpmとすることができる。
このようにして、本発明の粉粒体分離装置によれば、粒子の磁性にかかわらず、多数の凝集粒子を含有する粉粒体であっても、確実に解砕し、粉粒体に含まれる粒子を高い精度で分離することができる。なお、上記説明では製鉄スラグの分離を例に挙げたが、本発明の粉粒体分離装置は、製鋼スラグに限らず、様々な、粒子径と比重のいずれか一方または両方が異なる粉粒体の混合物の分離に利用できる。
1:外側ケーシング
2:内側ケーシング
3:投入管
4:分散板
5:解砕羽根
6:解砕羽根固定板
7:回転羽根
8:可変速電動機
9:電動機側プーリー
10:投入管側プーリー
11:駆動ベルト
12:連通部
13:ガイドベーン
14:外側粒子回収部
15:外側粒子排出口
16:内側粒子回収部
17:内側粒子排出口
18:鉄粒子(高比重粒子)
19:非鉄粒子(低比重粒子)

Claims (3)

  1. 筒状のケーシングと、
    前記ケーシング内へ粉粒体を供給する投入管と、
    前記ケーシング内に設置され、その上面に前記投入管から供給された粉粒体を受けるとともに、任意の軸の回りに回転し、前記粉粒体を遠心力によって分散させる分散板と、
    前記分散板の周縁より、前記軸から遠ざかる方向へ向かって延び、かつ前記軸の回りに回転して、前記分散板によって分散された粉粒体と衝突する解砕羽根と、
    前記ケーシング内に設置され、任意の軸の回りに回転して該ケーシング内に旋回上昇気流を発生させる回転羽根と、を有し、
    前記解砕羽根の下端の高さが、前記分散板の上面の高さと同じであるか、前記上面の高さよりも低く、
    前記解砕羽根が、該解砕羽根に衝突した前記粉粒体に対して下向きの力を加えるように、前記軸の方向と前記解砕羽根の面とがなす角である取り付け角度が0°超45°以下に調整されている、粉粒体分離装置。
  2. 前記ケーシングが、内側ケーシングと外側ケーシングとを有する2重ケーシングであり、
    前記内側ケーシングの、前記分散板よりも下方にガイドベーンを有する、請求項1に記載の粉粒体分離装置。
  3. 請求項1または2に記載の粉粒体分離装置を用いる粉粒体分離方法であって、
    回転する前記分散板上へ、前記投入管を通って粉粒体を供給し、
    前記粉粒体を遠心力によって前記分散板の外部へ向けて投射し、
    投射された前記粉粒体の全量が、前記解砕羽根が回転する際に通過する空間を通過する、粉粒体分離方法。
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