JP6217442B2 - イソプレンの製造方法 - Google Patents
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また、本発明の製造方法において、前記脱水素反応の際の温度が、500〜620℃であることが好ましい。
(1%Pd−4%Cu−1%Mo/ZrO2触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、七酸化モリブデン六アンモニウム四水和物1.38g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に酸化ジルコニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(1A)を得た。
(1%Pd−2.5%Cu−2.5%Mo/ZrO2触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、七酸化モリブデン六アンモニウム四水和物3.45g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に酸化ジルコニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(2A)を得た。
(1%Pd−4.5%Cu−0.5%Mo/ZrO2触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、七酸化モリブデン六アンモニウム四水和物0.69g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に酸化ジルコニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(3A)を得た。
(0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/ZrO2触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、塩化すず(II)2.40g、およびエタノール150mlを入れて溶解させ、この溶液に酸化ジルコニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、40℃でエタノールを留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(4A)を得た。
(1%Pd−4%Cu−1%Mo/γ−Al2O3触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、七酸化モリブデン六アンモニウム四水和物1.38g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液にγ−酸化アルミニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(5A)を得た。
(0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/γ−Al2O3触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、塩化すず(II)2.40g、およびエタノール150mlを入れて溶解させ、この溶液にγ−酸化アルミニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、40℃でエタノールを留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(6A)を得た。
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例1にて得られた1%Pd−4%Cu−1%Mo/ZrO2触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
2−メチル−2ブテンを送液ポンプにて1.7mmol/分で、スイープガスとしての窒素を11.6mmol/分で、それぞれ、180℃に加熱したステンレス鋼製気化管(長さ:250mm、内径23.2mm)に供給し、2−メチル−2ブテンを気化させることで、2−メチル−2ブテンと窒素との混合ガスとし、この混合ガスを、550℃に加熱した反応管(還元処理を行なった1%Pd−4%Cu−1%Mo/ZrO2触媒が充填されたステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm))に、供給速度:GHSV=1265h-1、反応圧力0.01MPa以下で導入することで、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行った。そして、反応管出口ガスから得られた脱水素反応後のガスを熱交換型の冷却器で冷却し、ガス状態にて、熱伝導性検出器付きガスクロマト装置(島津製作所製)および水素炎イオン検出器付きガスクロマト装置(島津製作所製)を用いて分析を行い、各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合(モル分率)を求めた。なお、組成割合を求めるにあたっては、あらかじめ、窒素、原料および脱水素化物を構成する各成分の(モル量/ピーク面積)の検量線を作成した。そして、得られた組成割合より、下記式(1)に従い、原料転化率を、下記式(2)に従い、イソプレン収率を、下記式(3)に従い、イソプレン選択率を、それぞれ求めた。結果を表1に示す。
原料転化率(モル%)=100×(反応前原料モル量−反応後原料モル量)/反応前原料モル量 ・・・(1)
イソプレン収率(モル%)=100×(生成イソプレンモル量/反応前原料モル量) ・・・(2)
イソプレン選択率(モル%)=100×(イソプレン収率/原料転化率) ・・・(3)
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例2にて得られた1%Pd−2.5%Cu−2.5%Mo/ZrO2触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
反応管として、還元処理を行なった1%Pd−2.5%Cu−2.5%Mo/ZrO2触媒が充填されたステンレス鋼製反応管を用いた以外は、実施例1と同様にして、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例3にて得られた1%Pd−4.5%Cu−0.5%Mo/ZrO2触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
反応管として、還元処理を行なった1%Pd−4.5%Cu−0.5%Mo/ZrO2触媒が充填されたステンレス鋼製反応管を用いた以外は、実施例1と同様にして、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例4にて得られた0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/ZrO2触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
反応管として、還元処理を行なった0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/ZrO2触媒が充填されたステンレス鋼製反応管を用いた以外は、実施例1と同様にして、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(2−メチル−1−ブテンの脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、2−メチル−1−ブテンを用いた以外は、実施例4と同様にして、2−メチル−1−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(3−メチル−1−ブテンの脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、3−メチル−1−ブテンを用いた以外は、実施例4と同様にして、3−メチル−1−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例5にて得られた1%Pd−4%Cu−1%Mo/γ−Al2O3触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
反応管として、還元処理を行なった1%Pd−4%Cu−1%Mo/γ−Al2O3触媒が充填されたステンレス鋼製反応管を用いた以外は、実施例1と同様にして、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例6にて得られた0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/γ−Al2O3触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
反応管として、還元処理を行なった0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/γ−Al2O3触媒が充填されたステンレス鋼製反応管を用いた以外は、実施例1と同様にして、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
表1より、脱水素反応の触媒として、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、金属を担持させてなる担持型固体触媒を用いた場合には、転化化合物中のイソプレン選択率が高く、また、イソプレン収率も高くなる結果となった(実施例1〜6)。特に、この傾向は、担体としてのジルコニウムの酸化物に担持させる金属の種類および量を変更した場合(実施例1〜4参照)、および、原料として、イソアミレンを構成する、2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、および3−メチル−1−ブテンのいずれを用いた場合(実施例4〜6参照)のいずれにおいても同様であった。
これに対し、アルミニウムの酸化物からなる担体を用いた比較例1においては、原料転化率は高かったものの、転化化合物中のイソプレン選択率が低く、イソプレン収率に劣るものであった。
なお、本実施例においては、イソアミレンを構成する、2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、および3−メチル−1−ブテンから選ばれる1種の化合物を用いたが、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分から、少なくともイソプレンの一部を抽出蒸留により分離した後に、抽出残油として得られる残留分中に含まれているものを用いても、同様の結果が得られるものと考えられる。
(モデル液の脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、表3に示すモル分率にて各成分を含有するモデル液を用いた以外は、実施例1と同様にして、モデル液に含有される各成分の脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる各成分の組成割合を求めた。各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より求めた、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を表5に示す。
(モデル液の脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、表3に示すモル分率にて各成分を含有するモデル液を用いた以外は、実施例4と同様にして、モデル液に含有される各成分の脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より求めた、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を表5に示す。
(モデル液の脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、表3に示すモル分率にて各成分を含有するモデル液を用いた以外は、比較例1と同様にして、モデル液に含有される各成分の脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より求めた、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を表5に示す。
(モデル液の脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、表3に示すモル分率にて各成分を含有するモデル液を用いた以外は、比較例2と同様にして、モデル液に含有される各成分の脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より求めた、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を表5に示す。
表3に、実施例7,8、比較例3,4で使用したモデル液の組成を、表4に、実施例7,8、比較例3,4で使用した触媒の触媒組成を、表5に、モデル液の組成、および実施例7,8、比較例3,4における、各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より求めた、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を、それぞれ示す。
一方、アルミニウムの酸化物からなる担体を用いた比較例3,4においては、イソプレンへの転化率が低く、イソプレン収率が低く、また、イソアミレンを構成する、3−メチル−1ブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ブテン以外の成分(特に、2−ペンテン)が大きく増加する結果となり、イソプレンを得るための原料として再利用として適さないものとなった。
Claims (2)
- イソアミレンを脱水素反応させることで、イソプレンを製造する方法であって、
前記脱水素反応を、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、パラジウム、6A族元素および1B族元素を少なくとも含む金属、または、白金、6A族元素および4B族元素を少なくとも含む金属を担持させてなる担持型固体触媒を用いて行うことを特徴とするイソプレンの製造方法。 - 前記脱水素反応の際の温度が、500〜620℃である請求項1に記載のイソプレンの製造方法。
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