JP6217442B2 - イソプレンの製造方法 - Google Patents

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本発明は、イソアミレンを脱水素反応させることで、イソプレンを製造する方法に関する。
合成ゴム等の主原料であるイソプレンは、通常、エチレンセンターのエチレンクラッカーより排出されるC5留分中に含まれるイソプレンを抽出蒸留することによって得られる。
C5留分中に含まれるイソプレンを抽出蒸留するプロセスにおいては、C5留分からシクロペンタジエンを二量化(ジシクロペンタジエンとなる)して除去した後、ペンタン、ペンテン類等の軽質分、およびペンタジエン類(ジシクロペンタジエンおよび1,3−ペンタジエンを含む)、アセチレン類等の重質分をそれぞれ2つの蒸留塔で除去し、さらに次の抽出蒸留塔でジオレフィン類(1,3−ペンタジエンを含む)および残りのアセチレン類を除去した後、残留分を蒸留することで、塔底より効率よくイソプレンを得ることができる。
この際に、イソプレンを抽出蒸留により抽出した際の抽出残油として、残留分が得られるが、該残留分は、エチレンセンターに返送され、主としてガソリン基材やエチレンクラッカーの原料として用いられている。その一方で、このような残留分中には、イソアミレン(2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン)が含まれており、イソアミレンは、脱水素化することによってイソプレンを与えるものであるが、イソプレンの合成原料としては利用されず、上述したように、エチレンセンターに返送され、ガソリン基材やエチレンクラッカーの原料として消費されているのが実状である。これは、イソアミレンを脱水素化することによりイソプレンを得る方法における、イソプレンの収率が低いことによると考えられる。
たとえば、特許文献1では、プロピレンおよびイソブテンを不均化させ、不均化させた流れからイソアミレンを分離し、分離したイソアミレンを脱水素化させることにより、イソプレンに変換できる点が開示されている。しかしながら、この特許文献1には、イソアミレンを脱水素化させる際に用いる触媒や、脱水素化反応の条件等についての開示がされておらず、そのため、この特許文献1に記載された技術では、イソアミレンを原料として、イソプレンを収率良く製造することは困難であった。
米国特許第4,091,046号明細書
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、イソアミレンを脱水素反応させることでイソプレンを製造する際に、高い収率でイソプレンを製造することのできる方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、イソアミレンを脱水素反応させることでイソプレンを製造する際に、該脱水素反応を、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、金属を担持させてなる担持型固体触媒を用いて行うことにより、高い収率でイソプレンを製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、イソアミレンを脱水素反応させることで、イソプレンを製造する方法であって、前記脱水素反応を、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、金属を担持させてなる担持型固体触媒を用いて行うことを特徴とするイソプレンの製造方法が提供される。
本発明の製造方法において、前記金属が、パラジウムおよび/または白金を含有するものであることが好ましい。
また、本発明の製造方法において、前記脱水素反応の際の温度が、500〜620℃であることが好ましい。
本発明によれば、イソアミレンを脱水素反応させることでイソプレンを製造する際に、高い収率でイソプレンを製造することができる。
本発明の製造方法は、イソアミレンを脱水素反応させることで、イソプレンを製造する方法であって、前記脱水素反応を、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、金属を担持させてなる担持型固体触媒を用いて行うことを特徴とするイソプレンの製造方法である。
本発明において脱水素反応に用いるイソアミレンは、炭素数5の分岐状炭化水素である、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、および3−メチル−1−ブテンから選ばれる炭化水素化合物またはそれらの2種以上の混合物である。
本発明で用いるイソアミレンは、たとえば、ナフサを熱分解してエチレンを生産する際に副生する、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分から、少なくともイソプレンの一部を抽出蒸留により分離した後に、抽出残油として得られる残留分中に含まれているものを用いてもよい。なお、このようなイソプレンの抽出残油として得られる残留分は、本発明で用いるイソアミレンを構成する、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、および3−メチル−1−ブテンに加えて、たとえば、n−ペンタン、1−ペンテン、および2−ペンテンなどの炭素数5の直鎖状炭化水素なども含むものである。そのため、本発明においては、このような残留分中に含まれているイソアミレンを用い、これを脱水素反応させることにより、イソプレンを得る際には、イソアミレンを構成する、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、および3−メチル−1−ブテンに加えて、たとえば、n−ペンタン、1−ペンテン、および2−ペンテンなどの炭素数5の直鎖状炭化水素などを含むものを用いることとなる。ただし、イソアミレンを構成する、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、および3−メチル−1−ブテン以外の成分の含有割合が高すぎると、イソプレンの製造効率が低くなってしまう場合があるため、このような場合には、前処理として、分離膜などを用いて、炭素数5の直鎖状炭化水素などを分離するための処理を行い、残留分中の、イソアミレンを構成する、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、および3−メチル−1−ブテンを濃縮してもよい。
なお、このような残留分中に含まれているイソアミレンを用いる場合における、脱水素反応に用いる残留分中における、イソアミレンを構成する、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、および3−メチル−1−ブテン合計の含有割合は、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜100重量%、特に好ましくは50〜100重量%である。また、イソアミレンを構成する、2−メチル−1−ブテンと、2−メチル−2−ブテンと、3−メチル−1−ブテンとの割合は、特に限定されず、通常、用いる残留分中における割合に依存したものとなる。
本発明の製造方法で用いる担持型固体触媒は、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、金属を担持させてなる担持型の固体触媒である。ジルコニウムの酸化物からなる担体に担持させる金属は、金属単体として存在していても、金属酸化物として存在していてもよく、また、それらの混合物として存在していてもよい。担持型固体触媒の担体として、ジルコニウムの酸化物を用いることで、イソプレン以外の炭化水素化合物への転化反応を低く抑えながら、イソプレンへの転化率を高めることができる。ジルコニウムの酸化物からなる担体に担持させる金属としては、特に限定されないが、脱水素反応におけるイソプレンの収率を高めることができるという点より、パラジウムおよび/または白金を含有するものが好ましい。パラジウムおよび/または白金を担持させる際における、担持量は、担体としてのジルコニウムの酸化物の量を100重量%とした場合に、金属単体として、好ましくは0.3〜3.0重量%であり、より好ましくは0.5〜2.0重量%である。担持量を上記範囲とすることにより、脱水素反応におけるイソプレンの収率を適切に高めることができる。
また、本発明の製造方法で用いる担持型固体触媒は、ジルコニウムの酸化物からなる担体に担持させる金属として、パラジウムおよび/または白金に加えて、パラジウムおよび白金以外の他の金属を含有していてもよく、このような他の金属としては、6A族元素、1B族元素、および、4B族元素(長周期型周期表による。以下、同じ。)から選ばれる少なくとも1つの金属が好ましい。6A族元素のなかでは、Mo、Crが好ましく、1B族元素のなかでは、Cuが好ましく、4B族元素のなかでは、Snが好ましい。なお、これら他の金属としては、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
ジルコニウムの酸化物からなる担体に担持させる金属として、パラジウムを用いる場合には、脱水素反応におけるイソプレンの収率をより高めることができるという点より、他の金属として、6A族元素および1B族元素のうち少なくとも1つの金属を含有させることが好ましく、6A族元素および1B族元素の両方の金属を含有させることが好ましい。パラジウムを用いる場合において、6A族元素を含有させる際における、6A族元素の担持量は、担体としてのジルコニウムの酸化物の量を100重量%とした場合に、金属単体として、好ましくは0.3〜8.0重量%であり、より好ましくは0.5〜6.0重量%である。また、1B族元素を含有させる際における、1B族元素の担持量は、担体としてのジルコニウムの酸化物の量を100重量%とした場合に、金属単体として、好ましくは0.3〜7.0重量%であり、より好ましくは0.5〜5.0重量%である。6A族元素、1B族元素の担持量を上記範囲とすることにより、脱水素反応におけるイソプレンの収率を適切に高めることができる。
また、ジルコニウムの酸化物からなる担体に担持させる金属として、白金を用いる場合には、脱水素反応におけるイソプレンの収率をより高めることができるという点より、他の金属として、6A族元素および4B族元素のうち少なくとも1つの金属を含有させることが好ましく、6A族元素および4B族元素の両方の金属を含有させることが好ましい。白金を用いる場合において、6A族元素を含有させる際における、6A族元素の担持量は、担体としてのジルコニウムの酸化物の量を100重量%とした場合に、金属単体として、好ましくは0.3〜9.0重量%であり、より好ましくは0.5〜7.0重量%である。また、4B族元素を含有させる際における、4B族元素の担持量は、担体としてのジルコニウムの酸化物の量を100重量%とした場合に、金属単体として、好ましくは0.3〜7.0重量%であり、より好ましくは0.5〜5.0重量%である。6A族元素、4B族元素の担持量を上記範囲とすることにより、脱水素反応におけるイソプレンの収率を適切に高めることができる。
また、本発明で用いる担持型固体触媒の形状は特に限定されず、一般的には、ペレット状、球状、円柱状、リング状等である。さらに、担持型固体触媒の粒径も特に限定されず、脱水素反応に用いる反応管の内径等によって最適な値を選べばよいが、脱水素反応を効率よく進行させるという観点より、平均粒径が、好ましくは0.5〜20.0mm、より好ましくは0.8〜10.0mmである。
本発明の製造方法で用いる担持型固体触媒を製造する方法としては、特に限定されないが、たとえば、担体としてのジルコニウムの酸化物に、担持させる金属のイオンを含有する溶液を含浸させて、担体としてのジルコニウムの酸化物上に、金属塩を担持させるいわゆる含浸法を用いることができる。なお、担体としてのジルコニウムの酸化物上に担持させた金属塩は、通常、乾燥され、次いで、酸化性雰囲気にて焼成されることにより金属酸化物の状態とされ、金属酸化物の状態で、担体としてのジルコニウムの酸化物上に担持される。また、担体としてのジルコニウムの酸化物に複数種類の金属を担持させる場合には、担持させる金属ごとに、含浸法による金属塩の担持、乾燥、および焼成の各工程を繰り返し行うことにより製造することができる。その後、担持型固体触媒を、後述する還元処理に供することにより、担持された金属酸化物の少なくとも一部は、金属単体に還元される。
本発明の製造方法で用いる担持型固体触媒を製造する際における、焼成温度は、好ましくは550〜620℃、より好ましくは590〜610℃である。また、焼成時間は、好ましくは2〜10時間、より好ましくは4〜6時間である。
本発明における、脱水素反応は、たとえば、上記した担持型固体触媒を充填した反応管に、脱水素反応させるイソアミレンを気体状態で導入させることにより行うことができる。
本発明において、脱水素反応を行う際には、上記した担持型固体触媒を活性化するために、担持型固体触媒について予め還元処理を行うことが好ましい。還元処理条件としては、特に限定されないが、水素ガスなどの還元ガス雰囲気下において、好ましくは350〜410℃、より好ましくは390〜400℃に加熱する方法などが挙げられる。なお、この場合における、還元処理時間は、特に限定されないが、好ましくは30分〜5時間、より好ましくは60分〜3時間である。
また、担持型固体触媒を充填した反応管にイソアミレンを気体状態で導入する方法としては、特に限定されないが、イソアミレン中に含まれる各成分が気化する温度(たとえば、180〜220℃)に、イソアミレンを加熱し、スイープガス(たとえば、窒素ガスなど)とともに、担持型固体触媒を充填した反応管に導入する方法などが挙げられる。
担持型固体触媒を充填した反応管に、イソアミレンを含むガスを導入する際の空間速度(イソアミレンを含むガスの1時間当りの総流量を担持型固体触媒の充填容積(空筒基準)で除した値。以下、「GHSV」という。)は、特に限定されないが、好ましくは330〜2000h-1であり、より好ましくは600〜1600h-1である。
また、脱水素反応させる際における温度は、好ましくは500〜620℃、より好ましくは530〜600℃、さらに好ましくは540〜570℃である。脱水素反応させる際における温度が上記範囲であると、イソプレンへの転化反応が十分に進行し、高い収率でイソプレンを製造することができる。また、クラッキング反応を抑制することができ、未反応物をイソプレンを得るための原料として再利用することができる。特に、本発明においては、脱水素反応の触媒として、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、金属を担持させてなる担持型固体触媒を用いることで、上記のように比較的低い温度にて、高い効率で脱水素反応を進行させることができるものであり、加熱によるエネルギー消費を低く抑えることができ、これよりイソプレンの製造効率を高めることができるものである。また、上記のように比較的低い温度にて脱水素反応を行うことで、クラッキング反応を抑制することができ、これにより、未反応物をイソプレンを得るための原料として再利用することができるものである。一方、脱水素反応させる際の温度が高すぎると、クラッキング反応が顕著となり、未反応物をイソプレンを得るための原料として再利用することが困難となる傾向にある。
脱水素反応の圧力は、ゲージ圧で、上限は、好ましくは0.05MPa、より好ましくは0.01MPaであり、低圧であるほど望ましい。脱水素反応は、イソアミレンから水素とイソプレンを生成する平衡反応であるため、低圧であるほどイソプレンの収率が向上する。一方、下限は、特に限定されないが、生産コストの観点より、好ましくは0MPaである。
脱水素反応に用いる反応管としては、特に限定されないが、内径は、好ましくは6〜100mm、より好ましくは10〜70mmであり、反応管の長さは、好ましくは0.15〜2.5m、より好ましくは0.2〜2.0mである。
本発明の製造方法によれば、脱水素反応の触媒として、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、金属を担持させてなる担持型固体触媒を用いて、イソアミレンを脱水素反応させるため、高い収率にてイソプレンを製造することができる。特に、本発明によれば、脱水素反応の触媒として、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、金属を担持させてなる担持型固体触媒を用いることで、イソプレン以外の炭化水素化合物への転化反応を低く抑えながら、イソプレンへの転化率を高めることができるため、これにより、極めて良好にイソプレンを製造することができるものである。すなわち、たとえば、1−ペンテンや2−ペンテンなどのイソプレン以外の炭化水素化合物への転化率が高いと、このような1−ペンテンや2−ペンテンなどは、イソプレンを得るための原料として再利用することができないため、結果として、イソプレンの収率を大きく悪化させてしまうこととなる。これに対して、本発明の製造方法によれば、このような1−ペンテンや2−ペンテンなどのイソプレン以外の炭化水素化合物への転化率を低く抑えることができるため、このような問題を有効に解決できるものである。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験および評価は下記に従った。
(製造例1)
(1%Pd−4%Cu−1%Mo/ZrO触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、七酸化モリブデン六アンモニウム四水和物1.38g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に酸化ジルコニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(1A)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに硝酸銅(II)三水和物11.41g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(1A)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(1B)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに、純水200ml、および36%の塩酸水溶液7.14gを入れ、続いて、塩化パラジウム(II)1.25gを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(1B)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られ残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成した。このようにして得られた残分を乳鉢で破砕し、ふるいにかけて850μm〜2mmの大きさのものを分取することで、1%Pd−4%Cu−1%Mo/ZrO触媒(ZrOに対して、Pd−Cu−Moが、金属単体として、Pd1%、Cu4%、Mo1%の割合にてそれぞれ担持されてなる触媒)を得た。
(製造例2)
(1%Pd−2.5%Cu−2.5%Mo/ZrO触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、七酸化モリブデン六アンモニウム四水和物3.45g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に酸化ジルコニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(2A)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに硝酸銅(II)三水和物7.13g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(2A)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(2B)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに、純水200ml、および36%の塩酸水溶液7.14gを入れ、続いて、塩化パラジウム(II)1.25gを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(2B)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られ残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成した。このようにして得られた残分を乳鉢で破砕し、ふるいにかけて850μm〜2mmの大きさのものを分取することで、1%Pd−2.5%Cu−2.5%Mo/ZrO触媒(ZrOに対して、Pd−Cu−Moが、金属単体として、Pd1%、Cu2.5%、Mo2.5%の割合にてそれぞれ担持されてなる触媒)を得た。
(製造例3)
(1%Pd−4.5%Cu−0.5%Mo/ZrO触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、七酸化モリブデン六アンモニウム四水和物0.69g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に酸化ジルコニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(3A)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに硝酸銅(II)三水和物12.83g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(3A)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(3B)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに、純水200ml、および36%の塩酸水溶液7.14gを入れ、続いて、塩化パラジウム(II)1.25gを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(3B)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られ残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成した。このようにして得られた残分を乳鉢で破砕し、ふるいにかけて850μm〜2mmの大きさのものを分取することで、1%Pd−4.5%Cu−0.5%Mo/ZrO触媒(ZrOに対して、Pd−Cu−Moが、金属単体として、Pd1%、Cu4.5%、Mo0.5%の割合にてそれぞれ担持されてなる触媒)を得た。
(製造例4)
(0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/ZrO触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、塩化すず(II)2.40g、およびエタノール150mlを入れて溶解させ、この溶液に酸化ジルコニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、40℃でエタノールを留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(4A)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに硝酸クロム(II)九水和物34.64g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(4A)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(4B)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに、純水150ml、および塩化白金(VI)酸n水和物(n=5.7)1.18gを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(4B)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られ残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成した。このようにして得られた残分を乳鉢で破砕し、ふるいにかけて850μm〜2mmの大きさのものを分取することで、0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/ZrO触媒(ZrOに対して、Pt−Cr−Snが、金属単体として、Pt0.6%、Cr6%、Sn2%の割合にてそれぞれ担持されてなる触媒)を得た。
(製造例5)
(1%Pd−4%Cu−1%Mo/γ−Al触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、七酸化モリブデン六アンモニウム四水和物1.38g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液にγ−酸化アルミニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(5A)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに硝酸銅(II)三水和物11.41g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(5A)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(5B)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに、純水200ml、および36%の塩酸水溶液7.14gを入れ、続いて、塩化パラジウム(II)1.25gを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(5B)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られ残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成した。このようにして得られた残分を乳鉢で破砕し、ふるいにかけて850μm〜2mmの大きさのものを分取することで、1%Pd−4%Cu−1%Mo/γ−Al触媒(γ−Alに対して、Pd−Cu−Moが、金属単体として、Pd1%、Cu4%、Mo1%の割合にてそれぞれ担持されてなる触媒)を得た。
(製造例6)
(0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/γ−Al触媒の製造)
300mlのナス型フラスコに、塩化すず(II)2.40g、およびエタノール150mlを入れて溶解させ、この溶液にγ−酸化アルミニウム担体(3mmペレット)75.0gを入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、40℃でエタノールを留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(6A)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに硝酸クロム(II)九水和物34.64g、および純水150mlを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(6A)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成し、前駆体(6B)を得た。
次いで、別の300mlのナス型フラスコに、純水150ml、および塩化白金(VI)酸n水和物(n=5.7)1.18gを入れて溶解させ、この溶液に上記にて得られた前駆体(6B)を入れ、一晩静置した。そして、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、60℃で水を留去し、得られた残分をマッフル炉にて、空気中にて120℃で12時間乾燥させ、さらに空気中にて600℃で4.5時間焼成した。このようにして得られた残分を乳鉢で破砕し、ふるいにかけて850μm〜2mmの大きさのものを分取することで、0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/γ−Al触媒(γ−Alに対して、Pt−Cr−Snが、金属単体として、Pt0.6%、Cr6%、Sn2%の割合にてそれぞれ担持されてなる触媒)を得た。
(実施例1)
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例1にて得られた1%Pd−4%Cu−1%Mo/ZrO触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
(2−メチル−2−ブテンの脱水素反応)
2−メチル−2ブテンを送液ポンプにて1.7mmol/分で、スイープガスとしての窒素を11.6mmol/分で、それぞれ、180℃に加熱したステンレス鋼製気化管(長さ:250mm、内径23.2mm)に供給し、2−メチル−2ブテンを気化させることで、2−メチル−2ブテンと窒素との混合ガスとし、この混合ガスを、550℃に加熱した反応管(還元処理を行なった1%Pd−4%Cu−1%Mo/ZrO触媒が充填されたステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm))に、供給速度:GHSV=1265h-1、反応圧力0.01MPa以下で導入することで、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行った。そして、反応管出口ガスから得られた脱水素反応後のガスを熱交換型の冷却器で冷却し、ガス状態にて、熱伝導性検出器付きガスクロマト装置(島津製作所製)および水素炎イオン検出器付きガスクロマト装置(島津製作所製)を用いて分析を行い、各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合(モル分率)を求めた。なお、組成割合を求めるにあたっては、あらかじめ、窒素、原料および脱水素化物を構成する各成分の(モル量/ピーク面積)の検量線を作成した。そして、得られた組成割合より、下記式(1)に従い、原料転化率を、下記式(2)に従い、イソプレン収率を、下記式(3)に従い、イソプレン選択率を、それぞれ求めた。結果を表1に示す。
原料転化率(モル%)=100×(反応前原料モル量−反応後原料モル量)/反応前原料モル量 ・・・(1)
イソプレン収率(モル%)=100×(生成イソプレンモル量/反応前原料モル量) ・・・(2)
イソプレン選択率(モル%)=100×(イソプレン収率/原料転化率) ・・・(3)
なお、本実施例においては、熱伝導性検出器付きガスクロマト装置による分析においては、パックドカラムとしてSHINCARBON ST 50/80(6.0m×3.0mm、信和化工社製)を用い、試料注入量:1.5mL、注入温度:150℃、検出器温度:200℃、キャリアガス:アルゴン、および、キャリアガス流量:40ml/minとし、オーブン温度:40℃の条件で加熱を開始し、12分保持し、次いで200℃まで10℃/minの速度で昇温させ、12分保持することにより行った。なお、熱伝導性検出器付きガスクロマト装置は、無機ガス類の分析を行うために用いた。
また、水素炎イオン検出器付きガスクロマト装置による分析においては、キャピラリーとしてHP−1(60m×0.25μm×1.00μm、Agilent Technologies社製)を用い、試料注入量:1.0mL、スプリット比:1/50、注入温度:140℃、検出器温度:260℃、キャリアガス:ヘリウム、および、キャリアガス流量:56.3ml/minとし、オーブン温度:40℃の条件で加熱を開始し、15分保持し、次いで250℃まで20℃/minの速度で昇温させ、5分保持することにより行った。なお、水素炎イオン検出器付きガスクロマト装置は、炭素化合物の分析を行うために用いた。
(実施例2)
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例2にて得られた1%Pd−2.5%Cu−2.5%Mo/ZrO触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
(2−メチル−2−ブテンの脱水素反応)
反応管として、還元処理を行なった1%Pd−2.5%Cu−2.5%Mo/ZrO触媒が充填されたステンレス鋼製反応管を用いた以外は、実施例1と同様にして、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(実施例3)
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例3にて得られた1%Pd−4.5%Cu−0.5%Mo/ZrO触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
(2−メチル−2−ブテンの脱水素反応)
反応管として、還元処理を行なった1%Pd−4.5%Cu−0.5%Mo/ZrO触媒が充填されたステンレス鋼製反応管を用いた以外は、実施例1と同様にして、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(実施例4)
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例4にて得られた0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/ZrO触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
(2−メチル−2−ブテンの脱水素反応)
反応管として、還元処理を行なった0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/ZrO触媒が充填されたステンレス鋼製反応管を用いた以外は、実施例1と同様にして、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(実施例5)
(2−メチル−1−ブテンの脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、2−メチル−1−ブテンを用いた以外は、実施例4と同様にして、2−メチル−1−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(実施例6)
(3−メチル−1−ブテンの脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、3−メチル−1−ブテンを用いた以外は、実施例4と同様にして、3−メチル−1−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(比較例1)
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例5にて得られた1%Pd−4%Cu−1%Mo/γ−Al触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
(2−メチル−2−ブテンの脱水素反応)
反応管として、還元処理を行なった1%Pd−4%Cu−1%Mo/γ−Al触媒が充填されたステンレス鋼製反応管を用いた以外は、実施例1と同様にして、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
(比較例2)
(触媒の還元処理)
ジャケット式ステンレス鋼製反応管(長さ:250mm、内径:23.2mm)に、製造例6にて得られた0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/γ−Al触媒14.1mlを充填し、窒素雰囲気下、反応管の温度を400℃まで昇温した後、供給速度:GHSV=300h-1で水素を1時間導入し、触媒の還元処理を行なった。
(2−メチル−2−ブテンの脱水素反応)
反応管として、還元処理を行なった0.6%Pt−6%Cr−2%Sn/γ−Al触媒が充填されたステンレス鋼製反応管を用いた以外は、実施例1と同様にして、2−メチル−2−ブテンの脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。そして、得られた組成割合より、実施例1と同様にして、原料転化率、イソプレン収率、およびイソプレン選択率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
Figure 0006217442
Figure 0006217442
(実施例1〜6、比較例1,2の評価)
表1より、脱水素反応の触媒として、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、金属を担持させてなる担持型固体触媒を用いた場合には、転化化合物中のイソプレン選択率が高く、また、イソプレン収率も高くなる結果となった(実施例1〜6)。特に、この傾向は、担体としてのジルコニウムの酸化物に担持させる金属の種類および量を変更した場合(実施例1〜4参照)、および、原料として、イソアミレンを構成する、2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、および3−メチル−1−ブテンのいずれを用いた場合(実施例4〜6参照)のいずれにおいても同様であった。
これに対し、アルミニウムの酸化物からなる担体を用いた比較例1においては、原料転化率は高かったものの、転化化合物中のイソプレン選択率が低く、イソプレン収率に劣るものであった。
なお、本実施例においては、イソアミレンを構成する、2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、および3−メチル−1−ブテンから選ばれる1種の化合物を用いたが、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分から、少なくともイソプレンの一部を抽出蒸留により分離した後に、抽出残油として得られる残留分中に含まれているものを用いても、同様の結果が得られるものと考えられる。
また、表2に、実施例1,4、比較例1,2における、各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より求めた、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を示す。表2より、比較例1,2においては、イソプレンの割合が低いことに加え、イソプレンや、イソアミレンを構成する、3−メチル−1ブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ブテン以外の化合物の割合が高く、イソプレンを得るための原料として再利用として適さないものであった。これに対し、実施例1,4においては、イソプレンの割合が高いことに加え、イソプレンや、イソアミレンを構成する、3−メチル−1ブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ブテン以外の化合物の割合が低く、再利用にも適したものであった。なお、表2中においては、実施例1,4、比較例1,2の結果のみを示したが、実施例2,3,5,6についても、実施例1と同様の傾向であった。
(実施例7)
(モデル液の脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、表3に示すモル分率にて各成分を含有するモデル液を用いた以外は、実施例1と同様にして、モデル液に含有される各成分の脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる各成分の組成割合を求めた。各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より求めた、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を表5に示す。
(実施例8)
(モデル液の脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、表3に示すモル分率にて各成分を含有するモデル液を用いた以外は、実施例4と同様にして、モデル液に含有される各成分の脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より求めた、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を表5に示す。
(比較例3)
(モデル液の脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、表3に示すモル分率にて各成分を含有するモデル液を用いた以外は、比較例1と同様にして、モデル液に含有される各成分の脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より求めた、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を表5に示す。
(比較例4)
(モデル液の脱水素反応)
2−メチル−2−ブテンに代えて、表3に示すモル分率にて各成分を含有するモデル液を用いた以外は、比較例2と同様にして、モデル液に含有される各成分の脱水素反応を行い、同様にして、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を求めた。各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より求めた、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を表5に示す。
Figure 0006217442
Figure 0006217442
Figure 0006217442
(実施例7,8、比較例3,4の評価)
表3に、実施例7,8、比較例3,4で使用したモデル液の組成を、表4に、実施例7,8、比較例3,4で使用した触媒の触媒組成を、表5に、モデル液の組成、および実施例7,8、比較例3,4における、各ガスクロマト装置で得られた各成分の面積比率より求めた、脱水素反応後のガス中に含まれる成分の組成割合を、それぞれ示す。
表4,5より、イソアミレンを構成する、2−メチル−1−ブテンおよび2−メチル−2−ブテン、ならびにその他の成分を含有するモデル液を用いた場合においても、脱水素反応の触媒として、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、金属を担持させてなる担持型固体触媒を用いることで、イソプレンへの転化率が高く、イソプレン収率が高くなることが確認できる(実施例7,8)。また、これに加えて、実施例7,8においては、イソプレンの割合が高いことに加え、イソプレンや、イソアミレンを構成する、3−メチル−1ブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ブテン以外の成分の増加も抑制されており、再利用にも適したものであることが確認できる。
一方、アルミニウムの酸化物からなる担体を用いた比較例3,4においては、イソプレンへの転化率が低く、イソプレン収率が低く、また、イソアミレンを構成する、3−メチル−1ブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ブテン以外の成分(特に、2−ペンテン)が大きく増加する結果となり、イソプレンを得るための原料として再利用として適さないものとなった。

Claims (2)

  1. イソアミレンを脱水素反応させることで、イソプレンを製造する方法であって、
    前記脱水素反応を、ジルコニウムの酸化物からなる担体に、パラジウム、6A族元素および1B族元素を少なくとも含む金属、または、白金、6A族元素および4B族元素を少なくとも含む金属を担持させてなる担持型固体触媒を用いて行うことを特徴とするイソプレンの製造方法。
  2. 前記脱水素反応の際の温度が、500〜620℃である請求項1に記載のイソプレンの製造方法。
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