JP6214626B2 - 絶縁体化合物に埋め込まれた電気部品を備えるランプ - Google Patents

Description

本発明は、ランプ及びランプの製造方法、特に放電ランプ、より具体的には、車両用ヘッドライトに使用されるランプに関する。

放電ランプ、特に高輝度放電（ＨＩＤ）ランプは、今日、例えば車両用ヘッドライトに広く使用されている。このような自動車用ＨＩＤランプの第１世代は、バーナーの機械的取付け及び電気的接触のためだけにランプベースを有したが、現在開発されたランプは、ランプベースに一体化されたバーナーの動作及び／又は点火のための回路を含む。

例えばバーナー内でのアーク放電の点火のための高電圧を供給するのに使用され得るいくつかの部品は、特別な電気的絶縁を必要とする。特に良好な電気的絶縁のために、電気部品、特に変圧器は、「埋め込まれ（potted）」てきた、すなわち周囲の絶縁体化合物（絶縁コンパウンド）の中に埋め込まれてきた。

米国特許出願公開第２０１０／０１３４０１０Ａ１号公報は、導電性若しくは金属化プラスチックから成るランプベースに固定された、又は、例えばアルミニウム、マグネシウム若しくは真ちゅうでできた導電性ケースに包囲されたプラスチックによって固定されたバーナーを備えるガス放電ランプを説明する。ベースは、アルミニウム又はマグネシウムなど熱的にも電気的にも伝導性の良い材料から成るベースプレートによって閉じられている。ベースの内部に、点火変圧器を含む点火電子装置及び動作電子部品が提供される。導電性シールド面は、導電性ケースに接続された、２つの回路基板間に挿入された金属シートによって、点火電子装置と動作電子部品との間に確立される。ケース内の、特に点火変圧器の周りに残る中空チャンバは、点火変圧器によって作り出される高電圧による電気的フラッシュオーバを防止するために、並びに更に、電子部品を加熱しないため及び機械的に頑丈なユニットを提供するために、鋳造化合物で充填される。

後のランプの動作中に、悪影響を及ぼさずに良好な絶縁を容易に提供することができるランプ及びその製造方法を提供することが目的と考えられる。

この目的は、請求項１によるランプによって、及び請求項１１によるランプの製造方法によって解決される。従属請求項は、発明の好ましい実施形態を述べる。

本発明者は、ランプベース内で「埋め込まれ」る電気部品の実際を検討し、使用される絶縁体化合物（絶縁コンパウンド）は、適切に扱われない場合、ランプの動作中に悪影響を与え得ることに気が付いた。特に、多くの絶縁体化合物は、シリコーンを含み、これは、高い動作温度及びバーナーからの強い放射により蒸発し得る。反射器に入る蒸発したシリコーンは、結露防止用コーティングとの反応だけでなく反射器の白化ももたらし得る。それ故、発明者は、絶縁体化合物が、反射器に向けられているランプベースの前部に入るのを防止することは不可欠であることに気が付いた。部品の埋め込み（potting）によく適した多くの絶縁体化合物は、正に液状で供され、製造工程の間、扱い易くないため、これを達成するのは難しい。

本発明によれば、ランプは、ランプベースに固定された、特に電気的アーク放電を生成するための放電容器を備えるバーナーを有する。ランプベースは、頂壁要素内に少なくとも一つの開口部を有し、バーナーに向けられている頂壁要素を備えるハウジングを有する。ベース内に、少なくとも一つの絶縁チャンバが配置され、動作回路の電気部品、特に変圧器が絶縁体化合物の中に埋め込まれている。

生産時に、頂壁を通ってバーナーの方へ絶縁体化合物が漏れるのを回避するために、起立した保持壁が開口部の周りに設けられる。好ましくは、起立した保持壁は、頂壁から絶縁チャンバと同じ方向に、例えば少なくとも実質的に矩形に延びる。

本発明による製造方法では、絶縁チャンバは、少なくとも部分的に絶縁体化合物で充填され、これによって電気部品（例えば変圧器）を埋め込む。特に、絶縁チャンバが、頂壁から、バーナーから離れる方向に面して向けられており、「逆さま」の向きで、すなわちバーナーを下に向けて（及び頂壁を絶縁チャンバの下にして）充填されている場合、頂壁の開口部の周りに設けられた起立した保持壁は、絶縁体化合物がチャンバからこぼれて開口部を通って漏れるのを防止する。

このように、起立した保持壁は、「埋め込まれ」た部品を備えるランプの製造を容易にする。万一、絶縁チャンバから絶縁体化合物がこぼれても、こぼれた絶縁体化合物は、容易に開口部を通って漏れてバーナーに晒されるランプの重要な部分に入ることは無く、保持壁によって食い止められる。

保持壁は、シンプルな手段であるが、ランプの露出された前部の方に絶縁体化合物が漏れるという潜在的な問題を防止するのに効果的であることが判明している。

好ましくは起立した保持壁によって囲まれる頂壁の一つの開口部は、バーナーがランプベースから突出する開口部である。一つより多くの開口部が頂壁に設けられることが可能である。例えば、頂壁の他の開口部は、バック接点（バーナーへの導電体）、又は電気的グランド接点のために設けられてもよい。頂壁内に設けられた開口部のそれぞれに、起立した保持壁を設けることが好ましい。

発明の好ましい実施形態によれば、ランプベースは、ホルダ要素を有し、これは、好ましくは電気的絶縁材料でできている。ホルダ要素は、頂壁と、開口部とを有してもよく、（好ましくはホルダ要素と一体で）起立した保持壁を含んでもよい。更に、ホルダ要素は、少なくとも絶縁チャンバのための側壁を含むことが好ましい。対応するホルダ要素は、例えばプラスチック材料から容易に製造されてもよく、絶縁チャンバと、保持壁との両方を含んでもよい。ホルダ要素は、外部金属製ハウジング内に配置されることが更に好ましい。

好ましい実施形態では、電子動作回路は、電力をバーナーに供給するためにベース内に配置される。動作回路は、高い点火電圧をバーナーに提供するための点火回路、又はバーナーの動作用の電力を供給するための駆動回路、或いは、好ましくは両方を含んでもよい。

発明の好ましい実施形態によれば、金属シールド要素は、動作回路の電気部品をシールドするためにランプベース内に設けられる。特に、バーナーのアーク放電の点火に必要な高電圧は、電磁妨害（ＥＭＩ）を作り出し得る。金属シールド要素は、例えば半導体部品など影響を受けやすい部品をＥＭＩから保護する役割を果たす。金属シールド要素は、好ましくは変圧器及び／又はコア部品と、バーナーのための電気動作回路の他の部品との間に設けられてもよい。

更に、ハウジングは、ハウジング内に延びる接点パス要素に電気的に接続されるプラグ／ソケットコネクタを有してもよい。金属シールドは、ＥＭＩが電気的接続を介して広がるのを防止するために、プラグ／ソケットコネクタ及び／又は接点パス要素を少なくとも部分的に覆うように構成されてもよい。

本発明によるランプを製造する場合、絶縁体化合物、好ましくはシリコーン含有絶縁体化合物を、液状で提供することが好ましい。絶縁体化合物は、絶縁チャンバに液状で充填されてもよく、これにより容易に扱うことができ、「埋め込まれ」る部品が完全に埋め込まれることを確実にする。万一こぼれた場合、液体化合物は、保持壁によって保持される。その後の硬化処理において、液体化合物は、固まった状態にするために、例えば熱することにより硬化される。この硬化は、保持壁によって保持される如何なる潜在的なこぼれに対してだけでなく絶縁チャンバ内の化合物にも適用する。硬化処理の後、絶縁体化合物の既に固まった状態のおかげで、その後の動作中のランプの向きに関係なく、ランプの露出された前部に漏れる化合物の更なるリスクは無い。

発明のこれら又は他の態様は、以下の実施形態から明らかになり、当該実施形態を参照して説明されるであろう。

図１は、自動車用ＨＩＤランプの実施形態の斜視図を示す。 図２は、図１のＡ．．Ａに沿った断面を有する図１のランプの断面図を示す。 図３は、図１、図２のランプの分解図を示す。 図４は、部分的に切り取ったハウジングを有する図１乃至図３のランプの側面図を示す。 図５は、図１のＢ．．Ｂに沿った断面を有する図１乃至図４のランプの拡大部分断面図を示す。 図６は、図１乃至図５のランプの部品の斜視分解図を示す。 図７は、図１乃至図６のランプの部品の斜視図を示す。 図８は、図１乃至図７のランプの部分断面図を示す。 図９は、図１のＡ．．Ａに沿った断面を有する図１乃至図８のランプの部品の断面斜視図を示す。 図１０は、電磁シールドを含む図１乃至図９のランプの部品の斜視図を示す。

図１は、バーナー１４が突出するランプベース１２を含むランプ１０を示す。

特に図２の断面図から視認できるように、バーナー１４は、封止された放電スペースを備える放電容器１８を形成するバーナーチューブ１６と、放電容器１８の周りに配置される外側バルブ２０とで構成される。外側バルブ２０と、放電容器１８を備えるバーナーチューブ１６とは、石英ガラス材料でできている。金属ハロゲン化物及びキセノンの充填物を含む放電スペース内には、第１電極と、第２電極とが設けられる。第１電極は、バーナーチューブ１６内をハウジング１２の中に延びる第１の中央接点リード２２に電気的に接続される。第２電極は、バーナー１４の長手方向軸Ｘに平行に延びるリターン接点リード２４に接続される。セラミックチューブ２６は、絶縁のためにリターン接点リード２４の周りに設置される。

バーナー１４は、スポット溶接されたばね舌片によってバーナー１４のカラーに固定された、バーナー１４の周りに設けられる保持リング構造３２によって、ランプキャップハウジング１２に対して機械的に保持される。

ランプベース１２は、金属製外部ハウジング４０と、内部ハウジングホルダ要素３０と、底板４４とを有する。外部ハウジング壁要素４０、４４は全て、良好な熱伝導特性を持つ金属材料であるアルミニウムでできている。内部ホルダ要素３０は、プラスチック材料でできている。

ランプベース１２内には、ランプ動作回路５０の電気部品が配置される。ランプ動作回路５０は、ランプベース１２の側面に開いている電気プラグ／ソケットコネクタ５２から電力を供給される。自動車用ヘッドランプでの使用のために、ランプ１０は、コネクタ５２を介して車載電源及びグランドに電気的に接続される。ランプベース１２内に一体化されたランプ動作回路５０は、コネクタ５２で供給された電圧を、点火（イグニッション）、後続のランアップ、及び安定動作の間、バーナー１４の動作に必要な電気駆動電圧及び電流のタイプに適応させることが必要な全ての回路に提供する。ランプ動作回路５０は、バーナー１４の動作を制御するためのマイクロコントローラだけでなく、プリント回路基板５８上に、それに接続されるランプ１０の点火及び動作のための回路及び電気部品も有する。

図３に示される分解図（ベース内のいくつかの内部部品は、理解を深めるために不図示）から視認できるように、プラスチック製ホルダ３０は、アルミニウム製ハウジング４０内に収容されている。以下に説明される通り、ホルダ３０は、変圧器及び電気プラグ／ソケットコネクタ５２などのランプ動作回路５０の複数の部品を実装するのに役立つ。ホルダ３０は、これら部品の電気接点を更に保持する。ホルダ３０は、側壁３４及び頂壁３８を備える実質的にボックス型である。図２に示されるように、頂壁３８は、バーナー１４に向いており、金属製ハウジング４０によって覆われている。

図２の断面図から特に視認できるように、バーナー１４は、中央開口部２８に取り付けられ、長手方向軸Ｘに沿って軸方向にかなりの距離をランプベース１２の中に突出するように配置される。ランプベース１２内のかなり深くにあるバーナー１４の対応する配置の結果は、減少された光中心距離（ＬＣＬ）、すなわち自動車用ヘッドライトユニットの反射器内の相対的位置決めのための位置基準要素を有する保持リング３２と放電容器１８の中心との間の減少された距離をもたらす。

このように、バーナー１４がランプキャップハウジング１２の中に突出するように取り付けられているため、バーナー１４からの電気接点リード、すなわち中央接点リード２２及びリターン接点リード２４も、ランプキャップハウジング１２の中に延びる。ランプ１０の動作では、特に点火の間、接点リード２２、２４のいずれかからランプ動作回路５０の部品若しくは接点リード、又はランプキャップハウジング１２の部品へのフラッシュオーバだけでなく、電気接点リード２２、２４間のフラッシュオーバも防止するために、絶縁が設けられる必要がある。この絶縁を提供するために、プラスチックキャップ６０が設けられ、中央接点リード２２とリターン接点リード２４とを軸方向に覆う。キャップ６０は、電気的絶縁を、特に、中央接点リード２２とリターン接点リード２４との間に提供し、接点リード２２、２４と金属底板４４との間にも提供するように機能する。

ランプ動作回路５０の部品は、ランプベース１２内に提供されるプリント回路基板５８上に配置され、当該基板は、上に設けられた電気回路部品を保持し電気的に相互接続する。電気部品が上面に実装されたプリント回路基板（ＰＣＢ）５８は、底板４４上に直接配置される。従って、底板４４がヒートシンクとしての役割を果たすように、ランプ動作回路５０と底板４４との間に近接熱接触がある。

全ての動作モードためにランプ１０が、プラグ／ソケットコネクタ５２で供給され得る自動車の搭載電圧への接続だけで良いように、ベース１２内に配置された動作回路５０は、全ての必要な回路を有する。動作回路５０は、アーク放電を放電容器１８内に点火するためにバーナー１４に高電圧を供給するための点火装置を含む。動作回路は、点火の後のランアップ期間、及び続く安定動作におけるバーナー１４の動作のための交流を生成する駆動回路を更に有する。動作回路５０は、動作回路５０及びバーナー１４の部品の動作を制御するマイクロコントローラを有する。

図７に示されるように、プラグ／ソケットコネクタ５２は、ホルダ要素３０内に形成されたソケットキャビティ６４内に突出する３つの接点６２を有する。接点６２の一つは、グランド接点であり、ランプ１０を車載電気システムの電気的グランドに接続する。他の接点は、電源電圧（例えば１２Ｖの車両の搭載電圧）のために提供され、車両上の電子制御ユニット（ＥＣＵ）から動作回路５０のマイクロコントローラへ、また同様にマイクロコントローラからＥＣＵへ通信制御信号を送信するために提供される。

図４乃至図７は、プラグ／ソケットコネクタ５２の電気接点６２が、どのようにホルダ３０により保持された接点パス要素７０を介してＰＣＢ５８に接続されるかを示す。

接点パス要素７０は、平坦で細長い金属片又はウエブである。プラグ／ソケットコネクタ５２の３つの接点６２に対応して、コネクタ５２からＰＣＢ５８に延びる、ベース１２内に平行に配置された３つの接点パス要素７０が有る。図４（ホルダ３０は不図示）、図５に示されるように、接点パス要素７０は、おおむねＬ字型に曲げられている。接点パス要素７０の両端は、コネクタ５２の電気接点６２に接触するための接点フラップ７１ａ及びＰＣＢ５８の接触面に接触するための７１ｂを形成するために曲げられる。接点パス要素７０の各接点フラップ７１ａは、スポット溶接を介して一つのプラグ接点６２に固定され、各接点フラップ７１ｂは、はんだ付けによって一つの接触面７２に固定される。

図４、図５（金属製外部ハウジング４０は不図示）から視認できるように、接点パス要素７０は、コネクタ５２から第１部分７０ａに、ベース１２の上面と実質的に平行に、バーナーに向かって（すなわち、図４、図５では水平に）延びる。接点パス要素７０の第１部分７０ａは、接点パス要素７０の第１部分７０ａをプラスチック材料の中に部分的に埋め込むことによってホルダ３０に固定される。

接点パス要素７０は、第２部分７０ｂとして、ＰＣＢ５８に向かって、すなわちランプ１０の長手方向軸Ｘに実質的に平行に延びるために、約９０°の角度で曲げられる。接点パス要素７０の第２部分７０ｂは、ホルダ３０によって保持され、ガイドされるが、それに固定されない。金属ウエブのそれぞれが、ホルダ３０のプラスチック材料によって横方向に囲まれるように、ホルダ３０は、接点パス要素７０の第２部分７０ｂが突出する細長い開口部を提供する。従って、包囲するプラスチック材料によって横方向にガイドされながら、長手方向に動くことができるように、接点パス要素７０の第２部分７０ｂは、スライド可能にホルダ３０の開口部内に収容される。

ランプ１０の組み立て時、組み立てられたＰＣＢ５８は、接点パス要素７０の第２接点フラップ７１ｂがＰＣＢ５８の接触面７２上に載るように、図３の分解図に示される通り、ホルダ３０に接続される。

信頼性の高いはんだ接続を確立することができるために、ホルダ３０及び接点パス要素７０は、締まり嵌めするようにデザインされた第２部分７０ｂの長さ、すなわち接点パス要素７０の第１部分７０ａと第２部分７０ｂとの間でちょうど９０°曲げるのに必要な長さよりも長い長さに予め組み立てられる。このように、組み立て前、接点フラップ７１ｂは、ホルダ３０の外に延び、少しの距離下に突出する。ＰＣＢ５８が固定されると、接点パス要素７０の第２部分７０ｂがホルダ３０のガイド固定内で長手方向にスライドするように、力は、接点パス要素７０のこの部分の上に長手方向に作用する。ベース１２内では、ホルダ３０は、ばねスペース７４を空いたままにし、この中に、接点パス要素の第３部分７０ｃが、接点パス要素７０の第２部分７０ｂにかけられた力によって曲げられるため、収容される。

前述の特大の、スライド可能な収容部及びばねスペース７４を提供することにより、ＰＣＢ５８の接触面７２上への接点フラップ７１ｂの締め付け固定が達成され、接点パス要素７０の曲げられた第３部分７０ｃのスプリング力は、接点フラップ７１ｂを接触面７２の上に押し付ける押圧を得る。その後、はんだ接続が行われる。

ホルダ３０は、はんだ付けのために接点フラップ７１ｂ及び接触面７２にアクセスすることができる開口部４５を有する。

既に述べたように、コネクタ５２に設けられた接点６２の一つは、自動車の電気的グランドに接続される電気的グランド接点である。図６、図８に示されるように、接点ばね７６は、電気的グランド接点として機能する接点パス要素７０の一つと一体で提供され、接点ばね７６は、金属製ハウジング４０に電気的グランド接続を確立するために設けられる。

ホルダ３０は、頂壁３８内に設けられた開口部７８を含む。接点ばね７６は、ホルダ３０に固定され、開口部７８を通って金属製ハウジング４０まで延びる。

図８、図９の部分図に示されるように、ベース１２の上面８０は、金属製ハウジング４０の一部でありアルミニウムでできた金属シート要素である。接点シート要素８２は、金属製ハウジング４０の上面８０の下に、密着して平坦に配置される。接点シート要素８２は、鋼材でできたシート金属の薄片であり、上面８０のアルミニウムシート材料よりもかなり薄い。

バーナー保持リング３２は、上面８０へと下向きに延びるフランジ３３を含む。バーナー保持リング３２は、金属製ハウジング４０の上面８０とフランジ３３との圧着接続によってベース１２に固定される。図９に示されるように、接点シート要素８２の鋼材と、金属製ハウジング４０の上面８０のアルミニウム材料とで形成されるサンドイッチ構造は、バーナー保持リング３２のフランジ３３を囲むために、バーナー１４のための中央開口部２８で曲げられる。従って、形成された圧着接続は、バーナー１４に設けられた上面８０の実質的に円形の開口部２８の周りに延び、フランジ３３を固定するのに、及びこれによってバーナー保持リング３２を上面８０に固定するのに、両方効果的であり、接点シート要素８２と金属製ハウジング４０の上面８０との間の近接した機械的（及びこれによって更に電気的）接続を提供することにも効果的である。

図６、図８に示されるように、接点ばね７６は、締まり嵌めで接点シート要素８２の下面を支える２つの接触フィンガ８４を提供する。このように、コネクタ５２に設けられた電気的グランド接続は、接点ばね７６と接点シート要素８２とを介して金属製ハウジング４０に電気的に接触される。

既に説明したように、動作回路５０は、放電容器１８内の電気的アーク放電を点火するための点火装置を有する。点火装置は、図２に示されるように、ホルダ３０と一体的に形成された側壁を備える絶縁チャンバ４２内に配置された点火変圧器５４を含む。点火変圧器５４は、電気的絶縁の目的で、絶縁体化合物４３の中に埋め込まれる。

絶縁体化合物４３は、シリコーン絶縁体化合物であり、例えば図６に示されるように、逆さまの向きで絶縁チャンバ４２内部に充填される。変圧器５４は、絶縁チャンバ４２内に配置され、絶縁体化合物４３は、液状でチャンバ４２内部に充填される。充填された絶縁チャンバ４２を含むホルダ３０は、その後、絶縁体化合物４３が凝固するように、絶縁体化合物４３の熱硬化処理のためにオーブンの中に置かれる。

図６に示されるように、逆さまの向きで絶縁チャンバ４２を充填する間、絶縁チャンバ４２からホルダ３０の内部に漏れる可能性がある液状絶縁体化合物４３の何れの量も、中央開口部２８の周りに設けられた保持壁４６によって保持される。それ故、絶縁体化合物４３の漏れた量は、開口部２８を通って、ホルダ３０の（図６の逆さまの向きでは）底面に、すなわちバーナー１４からの熱及び放射に晒されるベース１２の上面（図２）に漏れない。従って、シリコーンの蒸発、特に、ランプ１０の前部及びランプ１０が取り付けられる反射器へのシリコーンの侵入が効果的に防止される。

バーナー１４が突出するホルダ３０の頂壁３８の中央開口部２８は、リターン接点２４がベース１２へと入る頂壁３８の他の開口部に接続される。保持壁４６は、両方の開口部を囲むように配置される。更に、ホルダ３０の頂壁３８は、既に説明したように、グランド接点ばね７６のための開口部７８を含む。開口部７８は、図８に示されるように、中央開口部２８の周りの保持壁４６と同じ態様で、ホルダ３０の頂壁３８から垂直に延びる起立した保持壁４８によって更に囲まれる。それ故、漏れた絶縁体化合物４３の量がもっと多くても、硬化処理までホルダ３０内に安全に保持される。硬化処理の間、ホルダ３０の内部に漏れた化合物４３は、ランプ１０の前部にシリコーンが侵入するという更なるリスクが無いように、同様に凝固される。

図、特に図２に示されるように、電気部品間の距離が小さいので、電気部品及び接点をベース１２内にパッケージすることは、特に高密度である。特に、点火変圧器５４など点火部品からのＥＭＩのリスクを軽減するために、図１０に示されるように、金属シールド３６がベース１２内に配置される。金属シールド３６は、例えば図２、図４に示されるように、ベース１２の上面及び底面に実質的に平行に、例えば実質的に水平に配置される。金属シールド３６は、ＰＣＢ５８を部分的に覆うように、特にＰＣＢ５８上の部品を点火変圧器５４から分離するように配置される。更に、図２に示されるように、金属シールド３６は、これらの接続を介してベース１２内に広がるＥＭＩを防止するために、プラグ／ソケットコネクタ５２及び接点リード７０を、ベース１２内の更なる部品から部分的にシールドするようにも配置される。

当該発明は、図面及び前述の記載において詳細に図示及び説明されたが、このような図示及び説明は解説的又は例示的であって限定するものではないと見なされるべきである。即ち、当該発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。

開示された実施形態に対する他の変形例は、当業者であれば、請求項に記載された発明を実施する際に、図面、開示内容及び添付請求項の精査から理解し、実施することができる。請求項において、「有する（comprising）」又は「含む（including）」なる文言は、他の構成要素を排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を排除するものではない。また、特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。請求項におけるいかなる符号も、当該範囲を限定するものと見なされるべきではない。

Claims (13)

1. ‐ランプベースに固定されたバーナーを有し、
   ‐前記ランプベースは、前記バーナーに向けられている頂壁要素を含むハウジング要素を有し、前記頂壁要素は、少なくとも一つの開口部を有し、
   ‐前記ランプベースは、電気部品が絶縁体化合物の中に埋め込まれている絶縁チャンバを更に有し、
   ‐起立した保持壁が、前記絶縁チャンバから離隔され且つ前記開口部を取り囲んで設けられる、
   ランプ。
2. ‐前記頂壁要素は、複数の開口部を有し、
   ‐前記開口部のそれぞれに、取り囲む保持壁が設けられる、
   請求項１に記載のランプ。
3. ‐前記ハウジング要素は、前記絶縁チャンバの側壁を有するホルダ要素を有する、
   請求項１又は２に記載のランプ。
4. ‐前記ホルダ要素は、前記開口部の周りに設けられる前記起立した保持壁を更に有する、
   請求項３に記載のランプ。
5. ‐前記ハウジング要素は、外部金属製ハウジング内に配置される電気的絶縁材料でできたホルダ要素を有する、
   請求項１乃至４のいずれか一項に記載のランプ。
6. ‐前記絶縁体化合物は、シリコーン含有絶縁体化合物である、
   請求項１乃至５のいずれか一項に記載のランプ。
7. ‐前記ランプベースは、電力を前記バーナーに供給するための電子動作回路を有する、
   請求項１乃至６のいずれか一項に記載のランプ。
8. ‐金属シールド要素が、前記電子動作回路の電気部品又は接点をシールドするために前記ランプベース内に設けられる、
   請求項７に記載のランプ。
9. ‐前記金属シールド要素は、変圧器及び／又はコイル部品と、前記電子動作回路の他の電子部品との間に配置される、
   請求項８に記載のランプ。
10. ‐前記ハウジング要素は、前記ハウジング要素内に延びる接点パス要素に電気的に接続されるプラグ／ソケットコネクタを有し、
    ‐前記金属シールド要素は、前記プラグ／ソケットコネクタ及び／又は前記接点パス要素を少なくとも部分的に覆うように配置されている、
    請求項８又は９に記載のランプ。
11. ‐バーナーのためのランプベースが設けられ、前記ランプベースは、前記バーナーに向けられた頂壁要素を含むハウジング要素を有し、前記頂壁要素は、少なくとも一つの開口部を有し、
    ‐前記ランプベース内の絶縁チャンバが、少なくとも部分的に絶縁体化合物で充填され、これによって前記絶縁チャンバ内に配置される電気部品を埋め込み、
    ‐起立した保持壁が、前記絶縁チャンバからこぼれた絶縁体化合物が前記開口部を通って漏れるのを防止するために、前記絶縁チャンバから離隔され且つ前記開口部を取り囲んで設けられる、
    ランプの製造方法。
12. ‐前記絶縁チャンバは、ランプベースを、前記頂壁要素が前記絶縁チャンバの下にある方向で保持して、充填される、
    請求項１１に記載の方法。
13. ‐前記絶縁体化合物は、前記絶縁チャンバに液状で充填され、
    ‐硬化処理で硬化される、
    請求項１１又は１２に記載の方法。

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