JP6214497B2 - 池等の放射性物質の除染方法およびそれに使用する除染装置 - Google Patents
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Description
前記発明は、放射性物質を周囲に無用に飛散させることがなく、且つ洗浄作業漏れの場所が生じることがなく、しかも作業者にも無用な肉体的負担を強いることのない、有効な発明である。
しかも、池等の場合、時間の経過とともに、事故直後に周囲の野山や路面に降った放射性物質が雨水によってその近傍の河川を経て池等に流れ込み、当該池等の底(「水底」のことを言う:この明細書および特許請求の範囲の範囲において同じ)に沈殿(堆積)する。
したがって、かかる池等の底では、時間の経過とともに事故直後に比べて放射性物質による汚染がより増加する傾向がある。
かかる池等の底に堆積した放射性物質を除染することは、その下流域における今後の放射能汚染を有効に低減するのに必須のことであるにもかかわらず、陸上で使用していた除染方法や除染装置では、有効な除染をおこなうことはできない。
本出願人は、池等の底に堆積した放射性物質の有効な除染に関する発明については、この出願時点では不知である。
池等の水面上に浮くよう設けられた浮体となる装置本体と、
吐出口から加圧流体を吐出する加圧洗浄装置と、
前記装置本体から吊り下げられ、開口した底面が池等の底面に略接するように設けられる汚泥回収装置と、
前記汚泥回収装置に設けられ、当該汚泥回収装置内へ前記加圧流体を導入する加圧流体導入口と、
前記加圧洗浄装置の吐出口と前記汚泥回収装置の加圧流体導入口とを接続する第1の接続管路と、
前記汚泥回収装置に設けられ、当該汚泥回収装置内の放射性物質を含有する汚染泥水を外部へ吸引する吸引口と、
前記吸引口と第2の接続管路を介して接続され、吸引された前記汚染泥水を固液分離する脱水装置と、
前記脱水装置において固液分離した液分に含まれる放射性物質を除去する、水処理装置と、を備えた除染装置を用い、
前記装置本体を池等の水面に浮かべて移動させて、池等の底に堆積している放射性物質を前記加圧流体の噴射力を利用して前記汚泥回収装置内で攪拌するとともに、その攪拌で汚泥回収装置内に形成される前記汚染泥水を前記吸引口から吸引して前記第2の接続管路を介して前記脱水装置に送って当該脱水装置で固液分離し、前記固液分離した液分に前記水処理装置でポリイオン水と凝集剤を添加することによって当該液分から放射性物質を除去して当該除去した放射性物質を回収することを特徴とする。
前記ポリイオン水として、アクリルアミド・アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパン スルホン酸共重合物ナトリウム塩を成分として有する薬剤を、当該アクリルアミド・アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパン スルホン酸共重合物ナトリウム塩濃度が、所定濃度(具体的には、約100ppm〜約2000ppm、好ましくは800ppm〜約1200ppm程度)となるように希釈して得たものであると、好ましい。
池等の水面上に浮くよう設けられた浮体となる装置本体と、
吐出口から加圧流体を吐出する加圧洗浄装置と、
前記装置本体から吊り下げられ、開口した底面が池等の底に接する又は略接するように設けられる汚泥回収装置と、
前記汚泥回収装置に設けら、当該汚泥回収装置内へ前記加圧流体を導入する加圧流体導入口と、
前記加圧洗浄装置の吐出口と前記汚泥回収装置の加圧流体導入口とを接続する第1の接続管路と、
前記汚泥回収装置に設けられ、当該汚泥回収装置内の放射性物質を含有する汚染泥水を外部へ吸引する吸引口と、
前記吸引口と第2の接続管路を介して接続され、吸引された前記汚染泥水を固液分離する脱水装置と、
前記脱水装置において固液分離した液分に含まれる放射性物質を除去する、水処理装置と、
前記装置本体を池等の水面上を移動させる移動手段とを備えており、
前記加圧洗浄装置と脱水装置を作動させた状態で、前記移動手段で前記装置本体を移動させることにより、池等の底に堆積した放射性物質を除染することを特徴とする。
従って、池等の底に堆積している放射性物質を、作業者が直接手で触れることなく効率良く且つ安全に除去することができる。
前記移動手段として装置本体を水面上において移動させるための推進装置と、
装置本体上に配置され当該装置本体の位置を検出するGPS装置と、
池等の底部の放射能を測定する放射能測定装置とを有し、
本除染装置に設けられ前記GPS装置と放射能測定装置と信号線を介して接続された制御装置が、
前記GPS装置からの位置情報に基づいて本除染装置を次の作業位置に移動させるべく前記推進装置を作動させるとともに、
池等の各位置での放射能を前記放射能測定装置で検出して、当該放射能の検出値と、前記GPS装置からのそのときの位置情報とを、前記制御装置に設けられた記憶装置内にデータとして記憶するように構成されていると、池等の全ての領域を漏れることなく且つ重複することなく、除染することができる。
また、前記記憶装置内のデータに基づいて、除染(汚染)マップや、池等の位置に関連づけられた除染(汚染)データを表として作成することができ、例えば、マップ上で汚染濃度別に色分けや色の濃さ等で表すようにしておくと、除染(汚染)状況が一目瞭然に把握できる。
また、前記ポリイオン水としては、海草や山芋等に含まれる天然のポリイオン成分(所謂「ねばねば」した成分)を、放射能の汚染程度に応じて、希釈したものを用いてもよい。このように天然由来の成分を用いたポリイオン水は、地球環境にやさしい構成となる。
また、前記連結部材1a,1bの間で且つ左右の船体部1c,1dの間の領域の上方には、図1に図示するように、甲板1f (図1参照)が張られ、その甲板1fの上に、前記加圧洗浄装置2、前記エンジンで駆動される発電装置10Aが載置されている。そして、この実施形態では、前記脱水装置7、前記水処理装置8、前記吸引装置9および制御装置11は陸上に配置されている。 なお、この実施形態では、前記脱水装置7、前記水処理装置8は、外観形態上、前記吸引装置9と一体のユニットとして構成されている。 また、これら脱水装置7、水処理装置8、吸引装置9の各動力装置(本実施形態では「電動モータ」)には、トラックT上に配置された前記発電装置10Bから電力が供給されるように構成されている。
そして、この除染装置Aは、前記制御装置11からの制御に基づいて、前記操舵装置で前記噴射ノズルの向きと、前記推進ポンプの噴射量を変えて、所望の方向に所望の量の圧力水を噴射することによって、あらゆる方向に所望の速度で移動(航行)可能となっている。
そして、この実施形態の場合には、前記加圧洗浄装置2とは別に、第2の加圧洗浄装置(この実施形態において区別するため「加圧空気供給装置」という)として、前記汚泥回収装置3に加圧空気を供給するための、加圧空気供給装置(エアコンプレッサー)13が配置されている。
前記加圧洗浄装置2の吐出口2aには、図1に図示するように、前記第1の接続管路(この実施の形態では「ホース」)5の基端5bが接続され、当該第1の接続管路5の先端5tは、図4に図示するように、前記汚泥回収装置3の加圧流体導入口3aに接続されている。
その結果、前記加圧洗浄装置2から汚泥回収装置3へ加圧流体である加圧水を供給できるような構成になっている。この実施形態では、前記加圧水としては、0.2kPa〜50kPa程度に加圧された水(池等の水あるいはタンクで用意された水であってもよい)が供給されている。前記加圧水としては、0.1kPa〜70kPa程度のものであればよい。
また、前記加圧空気供給装置13の吐出13aには、図1に図示するように、前記第3の接続管路(この実施の形態では「ホース」)15の基端15bが接続され、図4に図示するように、当該第3の接続管路15の先端15tは前記汚泥回収装置3の加圧流体導入口(第2の加圧流体導入口ともいう)3cに接続されている。その結果、前記加圧空気供給装置13から汚泥回収装置3へ加圧流体である加圧空気を供給できるよう構成されている。この実施形態では、前記加圧空気としては、0.2kPa〜50kPa程度に加圧された空気が供給されている。しかし、加圧空気としては、0.1kPa〜70kPa程度のものであればよい。
また、汚泥回収装置3の内方底部には、図4に図示するように、その内周壁面に沿って平面視リング状に前記加圧流体を供給すべく供給管(加圧流体導入口の一部を構成する)3gが設けられ、当該供給管3gには周方向内向き且つやや斜め下方を向けて加圧水を噴射するための噴射ノズル(加圧流体導入口の終端部を構成する)3hが当該供給管3gの複数箇所(この実施形態の場合には4箇所)に設けられている。
また、前記供給管3gの上方(又は下方であってもよい)部位には、その内周壁面に沿って平面視リング状に前記加圧流体を供給すべく設けられた供給管(加圧流体導入口の一部を構成する)3kが設けられ、当該供給管3kから周方向内向き且つやや斜め下方を向けて加圧空気を噴射するための噴射ノズル(加圧流体導入口の終端部を構成する)3mが当該供給管3kの複数箇所(この実施形態の場合には4箇所)に設けられている。この実施形態の場合、前記噴射ノズル3hと噴射ノズル3mは、周方向において平面視同じ位置に上下に対峙するよう設けられている。
この結果、前記噴射ノズル3h,3mから加圧水と加圧空気が汚泥回収装置3内部にその内周壁面に略沿うように供給され、かかる汚泥回収装置3内部においてトルネード流Y(図4参照)が上方に向けて形成される。また、前記噴射ノズル3h,3mがやや下方を向いて配置されていることから、加圧水と加圧空気が池等の底部に当たって、当該底部に堆積している放射性物質を含む汚泥が汚泥回収装置3内で上方へ向けて有効に舞い上がる。
なお、図示しないが、別の実施形態として、加圧空気と加圧水を一緒に前記供給管3gへ供給するように構成して、前記噴射ノズル3hから加圧空気が混入された加圧水を噴射するように構成してもよい。
その結果、前記汚泥回収装置3内部で攪拌状態になった池等の底の汚染泥水は、当該汚泥回収装置3の内部に形成されるトルネード流と前記吸引装置9による負圧によって、前記第2接続管路6を経て前記吸引装置9に吸引される。そして、前記吸引装置9に吸引された汚染泥水は、前記脱水装置7によって、固液分離される。
前記脱水装置7としては、種々の形態のものが考えられるが、下水処理分野で用いられる遠心力で固液分離するドラム式のものや、圧縮して固液分離するような形態のもの、あるいはその他の形態のものであってよい。
前述のように固液分離された液体(液分)は、前記水処理装置8に供給されて、含有されている放射性物質が除去される。かかる放射性物質の除去は、水処理装置8内の液体に、放射性物質の補足剤として機能するポリイオン水と、凝集剤が投入されることによって、おこなわれる。
そして、前記固体分と、前記液体から除去された放射性物質とは、所定量溜まると図示しない回収容器内に回収される。
また、前記ロープ(又はワイヤー等)は、巻き取り装置(図示せず)により、水深に合わせて水中に垂下する長さが調整できるように構成されている。
また、この実施形態の場合、図4に図示するように、前記汚泥回収装置3の底部3Bには、下方に向かって回転防止のため底に突き刺さる突起爪3dが少なくとも複数箇所(この実施形態では2箇所)に周設されている。前記突起爪3dを何カ所設けるかは、前記噴射ノズル3h,3mの噴射反力による回転力に抗するのに必要な数だけ設ければよい。
また、この汚泥回収装置3は、前記加圧流体(特に加圧空気)が供給されることに起因して水中で上方に浮きだすことがないように、十分な自重を有するよう構成されているとともに、前記吸引によって汚泥回収装置3の内部が負圧になるのを防止するための仕切り弁3Vが配置されている。この結果、前記仕切り弁3Vは、内部が負圧になろうとすると、周囲の水を汚泥回収装置3内に流入させる。
また、この実施形態にかかる除染装置Aでは、操作員が遠隔場所において水中の周囲の状態を監視できるようにするため、撮影方向を変更可能な水中カメラ3Nが本汚泥回収装置3の外周方に配置されている。かかる水中カメラ3Nの撮影方向は、操作員が後述するコントロールパネル19の操作によって、前記制御装置11を介して、おこなうことができるよう構成されている。
また、前記GPS装置17は、前記装置本体1に配置され、その時々の装置本体1の位置を検知するよう構成されている。 このため、刻々の放射能の検出値は、検知した位置と関連させて把握することができる。
したがって、前記記憶装置18には、前記GPS装置17からの位置情報、放射能測定装置13で検知した放射能の検出値等がそのときの時刻とともに記憶される。
また、前記コントロールパネル19は、図1に図示する前記トラックT上の制御装置11近傍に配置され、当該制御装置11を介して、前記加圧洗浄装置2、前記発電装置10(10A,10B)、前記脱水装置7、前記水処理装置8、前記吸引装置9、前記推進装置12、前記加圧空気供給装置13、および水中カメラ3Nを操作することができるように構成されている。
また、前記測深装置20は、前記装置本体1に配置され、その時の装置本体1の位置の池等の水深を検知するよう構成されている。 このため、本除染装置Aは、前記装置本体1の位置の水深を検知して、その水深に合わせて前記巻き取り装置を操作して、前記汚泥回収装置3の底面が常に池等の底に接するようにすることができるよう構成されている。前記測深装置20としては、市販されている所謂「魚探」を使用することができる。
そして、図2に図示するように、前記制御装置11は、前記加圧洗浄装置2、前記脱水装置7、前記水処理装置8、前記吸引装置9、前記発電装置10(10A,10B)、前記推進装置12、前記加圧空気供給装置13、放射能測定装置16、前記GPS装置17、前記記憶装置18、前記推進装置12、前記コントロールパネル19、測深装置20、および水中カメラ3Nと、それぞれ信号線で接続されている。もちろん、前記信号線による接続にかえて無線等によって接続してもよい。
その後、本除染装置Aの図示しないメインスイッチをONの状態にし、前記コントロールパネル19のボタン等の設定手段を用いて、所定の設定をおこなう。例えば、航行速度、航路等を設定する。なお、この実施形態の場合、前記航路の設定は、航行する各緯度、経度から、あるいはGPS装置の地図を用いて設定される。
また、前記メインスイッチをONにすることによって、前記制御装置11がONになり、且つ、図2等に示す、前記発電装置10(10A,10B)が稼働し、前記加圧洗浄装置2、前記加圧空気供給装置13、吸引装置9、脱水装置7、水処理装置8、推進装置12、放射能測定装置16、GPS装置17、記憶装置18、測深装置20、水中カメラ3N等が稼働する。
また、前記制御装置11は、前記記憶装置18内に格納されている電子地図データと前記GPS装置17とから洗浄しようとする位置(池等が占める地球上の位置)を特定し、前記操舵装置と推進装置12とを操作して、前記装置本体1を、前記設定された航路に基づいて装置本体1を航行させる。この明細書および特許請求の範囲において「航行」とは、連続的に移動する場合と所定時間(例えば、装置本体1が停止して除染する時間)間隔で断続的に移動する場合とを含む。
前記航行状態下で、前記測深装置20が稼働しているため、その位置での水深を検知して、その水深に合わせて前記巻き上げ装置を操作して、前記汚泥回収装置3の底面(下端)が池等の底に接する又は略接するような状態を形成する。
また、航行状態下において、前記加圧洗浄装置2、加圧空気供給装置(第2の加圧洗浄装置)13、吸引装置9等が稼働しているため、前記汚泥回収装置3が池等の底に堆積している放射性物質を含む汚泥に加圧水や加圧空気を噴射して攪拌して汚染泥水にし、かかる汚染泥水を、前記トルネード流Y(図4参照)と吸引装置9による負圧によって上昇させて、前記吸引口3から前記第2の接続管路6を経て前記吸引装置9へ吸引する。
そして、前記吸引装置9へ吸引された汚染泥水は、前記脱水装置7へ送られて、当該脱水装置7で固液分離される。
前記固液分離された液体(液分)は、次に水処理装置8へ送られ、かかる水処理装置8において、ポリイオン水と凝集剤が投入され、その後、攪拌されて、放射性物質が除去される。つまり、前記液体に含まれる放射性物質は、ポリイオン水の「ねばねば」成分によって捕獲され、且つ前記凝集剤によって凝集される。
ところで、前記所定の濃度のポリイオン水は、
アクリルアミド・アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパン スルホン酸共重合物ナトリウム塩を成分として有する薬剤(例えば、商品名「PHD200」(株式会社エコボンド環境工学リサーチ(本社:広島県庄原市東城町三坂1053番地の8)販売で、原液の、アクリルアミド・アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパン スルホン酸共重合物ナトリウム塩の濃度は20000ppm)を、放射能の汚染程度に応じて、当該アクリルアミド・アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパン スルホン酸共重合物ナトリウム塩の濃度が、約100ppm〜約2000ppmの濃度(好ましくは、約800ppm〜約1200ppmで、この実施形態では約1000ppm)になるよう希釈して得られる。前記ポリイオン水の濃度をどの程度にするかは、洗浄しようとする場所の放射能の予想値や一部実施されて得た実測値等によって適宜設定する。なお、ポリイオン水の濃度が高くなると粘度が高くなる。また、ポリイオン水としては、前記化学製品からなる薬剤に代えて、海草や山芋等に含まれる所謂「ねばねば」成分である天然のポリイオン成分によって形成されるものであってもよい。
また、前記凝集剤としては、この実施形態では、PAC(ポリ塩化アルミニュウム)が用いられている。しかし、同じ機能を有する他の薬剤が使用されてもよい。
例えば、汚染度が高いときには、連続的に移動する場合にあっては前記航行速度を低く(例えば、0.1m/min)、前記加圧洗浄装置2の吐出圧力を高く、噴射量を多く、また、加圧空気供給装置13の噴射圧力を高く、噴射量を多くする補正をおこなう。一方、汚染度が低いときには、連続的に移動する場合にあっては前記航行速度を高く(例えば、0.3m/min)、前記加圧洗浄装置2の吐出圧力を低く、噴射量を少なく、また、加圧空気供給装置13の噴射圧力を低く、噴射量を少なくする補正をおこなう。
このため、本実施形態にかかる除染方法および除染装置Aは、池等に堆積している放射性物質を汚染状況に応じて有効に対応しつつ除去することができる。この結果、下流側にある溝や川を汚染水で汚染するようなことも効果的に回避できる。
また、前述のように、前記放射能測定装置16で測定した放射能の検出値は、当該検出値が得られたときの前記GPS装置17で測定された地球上の位置と関連づけて、前記記憶装置18に記憶される。このため、地球上のそれら測定された位置(除染位置)での汚染(除染)状況を表した「除染マップ」や「テーブル(表)」の形態の、汚染データ(除染データ)を簡単に得ることができる。
また、前記アンカリング装置Uを使用して一時的に係留して、所定時間(例えば、15時間)を隔てて除染作業の続きをおこなおうとするときにも、前記GPS装置17を用いた除染位置の記録に基づいて、自動的に確実に未除染エリアと既除染エリアとを選別しておこなうことができる。このため、除染もれの場所が生じるのを防止することができる。また、重複する除染作業を排除することができる。
さらに、1回目と所定期間隔てた二回目(あるいはそれ以降)に除染したときの汚染状態(除染状態)を簡単に比較することが可能となり、必要な除染箇所を特定してその箇所を重点的に再除染することができる。このため、除染作業を効率的におこなうことができる。
1 …装置本体
2 …加圧洗浄装置
3 …汚泥回収装置
3a…加圧流体導入口
3b…吸引口
5 …第1の接続管路
6 …第2の接続管路
7 …脱水装置
8 …水処理装置
9 …吸引装置
11…制御装置
12…推進装置
16…放射能測定装置
Claims (9)
- 池等の放射性物質の除染方法は、
池等の水面上に浮くよう設けられた浮体となる装置本体と、
吐出口から加圧流体を吐出する加圧洗浄装置と、
前記装置本体から吊り下げられ、開口した底面が池等の底に略接する又は接するように設けられ、横断面が円形をし少なくとも上部の内壁が上方で縮径した縦長の断頭円錐形状に形成されている汚泥回収装置と、
前記汚泥回収装置内部へ加圧空気を含む加圧流体を導入するべく設けられ、前記加圧流体が前記汚泥回収装置内部でトルネード流を形成するよう少なくとも終端の噴射ノズルの向きが当該汚泥回収装置の内周壁面に沿うように形成されている加圧流体導入口と、
前記加圧洗浄装置の吐出口と前記汚泥回収装置の加圧流体導入口とを接続する第1の接続管路と、
前記汚泥回収装置の頭部に設けられ、当該汚泥回収装置内の放射性物質を含有する汚染泥水を外部へ吸引する吸引口と、
前記吸引口と第2の接続管路を介して接続され、吸引された前記汚染泥水を固液分離する脱水装置と、
前記脱水装置において固液分離した際の液分に含まれる放射性物質を除去する、水処理装置とを、備えた除染装置を用い、
前記装置本体を池等の水面上を移動させて、池等の底に堆積している放射性物質を前記加圧流体の噴射力を利用して前記汚泥回収装置内で攪拌するとともに、その攪拌で当該汚泥回収装置内に形成される前記汚染泥水を、前記加圧流体導入口からの加圧流体の噴射と前記吸引口からの吸引により当該汚泥回収装置内に形成されるトルネード流によって、前記吸引口から吸引して前記第2の接続管路を介して前記脱水装置に送って当該脱水装置で固液分離し、前記固液分離した液分に前記水処理装置でポリイオン水と凝集剤を添加することによって当該液分から放射性物質を除去して当該除去した放射性物質を回収することを特徴とする池等の放射性物質の除染方法。 - 前記ポリイオン水が、アクリルアミド・アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパン スルホン酸共重合物ナトリウム塩を成分として有する薬剤を、当該アクリルアミド・アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパン スルホン酸共重合物ナトリウム塩濃度が、100ppm〜2000ppmとなるように希釈して得たポリイオン水であることを特徴とする請求項1記載の放射性物質の除染方法。
- 池等の水面上に浮くよう設けられた浮体となる装置本体と、
吐出口から加圧流体を吐出する加圧洗浄装置と、
前記装置本体から吊り下げられ、開口した底面が池等の底に略接するように設けられ、横断面が円形をし少なくとも上部の内壁が上方で縮径した縦長の断頭円錐形状に形成されている汚泥回収装置と、
前記汚泥回収装置内部に加圧空気を含む加圧流体を導入するべく設けられ、前記加圧流体が当該汚泥回収装置内部でトルネード流を形成するように少なくとも終端の噴射ノズルの向きが当該汚泥回収装置の内周壁に沿うように形成されている加圧流体導入口と、
前記加圧洗浄装置の吐出口と前記汚泥回収装置の加圧流体導入口とを接続する第1の接続管路と、
前記汚泥回収装置の頭部に設けられ、当該汚泥回収装置内の放射性物質を含有する汚染泥水を外部へ吸引する吸引口と、
前記吸引口と第2の接続管路を介して接続され、吸引された前記汚染泥水を固液分離する脱水装置と、
前記脱水装置において固液分離した液分に含まれる放射性物質を除去する、水処理装置と、
前記装置本体を池等の水面上を移動させる移動手段とを、備えており、
前記加圧洗浄装置と脱水装置を作動させた状態で、前記移動手段で前記装置本体を移動させることにより、池等の底に堆積した放射性物質を除染することを特徴とする池等の放射性物質の除染装置。 - 前記加圧流体の液分が、加圧水、ポリイオン水の少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項3記載の放射性物質の除染装置。
- 前記加圧流体導入口が前記汚泥回収装置の底部に設けられていることを特徴とする請求項4記載の放射性物質の除染装置。
- 前記放射性物質の除染装置が、さらに、
前記移動手段として装置本体を水面上において移動させるための推進装置と、
装置本体上に配置され当該装置本体の位置を検出するGPS装置と、
池等の底部の放射能を測定する放射能測定装置とを有し、
本除染装置に設けられ前記GPS装置と放射能測定装置と信号線を介して接続された制御装置が、
前記GPS装置からの位置情報に基づいて本除染装置を次の作業位置に移動させるべく前記推進装置を作動させるとともに、
池等の各位置での放射能を前記放射能測定装置で検出して、当該放射能の検出値と、前記GPS装置からのそのときの位置情報とを、前記制御装置に設けられた記憶装置内にデータとして記憶するように、
構成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1の項に記載の放射性物質の除染装置。 - 前記制御装置が、前記作業位置の放射能の検出値に基づいて、前記推進装置の推進速度を適正に制御するよう構成されていることを特徴とする請求項6記載の放射性物質の除染装置。
- 前記制御装置が、前記作業位置の放射能の検出値に基づいて、前記供給するポリイオン水及び凝集剤の単位時間当たりの各供給量を、調整するよう構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の放射性物質の除染装置。
- 前記ポリイオン水として、アクリルアミド・アクリル酸・2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパン スルホン酸共重合物ナトリウム塩を成分として有する薬剤を、放射能の汚染程度に応じて適宜濃度となるよう希釈したものを用いることを特徴とする請求項4記載の放射性物質の除染装置。
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