JP6214409B2 - 組織切除用受け台 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば生体組織診断において組織を切除するときに用いられる組織切除用受け台に関する。
生体組織診断において、特に、皮膚の一部を採取して標本を作製するとき、あるいは、皮膚の一部を切除してその部分での皮膚の再生能力を観察するときなどに、皮膚を切除するための方法として、メスを用いるバイオプシー、あるいは図9に示す、または例えば特許文献1に記載されるような医療用トレパンを用いて行うパンチバイオプシーが多用されている。また、マウスなどの動物を用いた実験においても、同様な皮膚採取が行われている。
特開2003-339714号公報
皮膚をはじめとするある種の軟組織は、その伸縮性・柔軟性のため、切除用の刃物が通り難く、切断が必ずしも容易でない。特に、高齢者やマウスなど、皮膚にたるみがあったり皮下組織が柔らかい場合に、そのことは顕著である。無理にトレパンを押し付けると、切断刃による圧迫が皮下組織や内臓にまで達してしまい、皮下組織や内臓に予期しない損傷を生じさせることがある。また、メスやハサミで切り込みを増やしながら切断する場合、切断面が挫滅して治癒し難くなる恐れもある。そのようなことから、皮膚の採取には慎重な作業が求められており、また高度の経験も必要となることから、より安定的にかつ容易に皮膚の採取ができる方法が求められている。
本発明は、そのような要請に答えるためのものである。具体的には、メスを用いるバイオプシーあるいは医療用トレパンを用いて行うパンチバイオプシーなどにおいて、生体組織を切除するために用いる刃物を下から受けるための新たな組織切除用受け台を提供することを課題としており、本発明による組織切除用受け台を用いることで、安定的にかつ容易に生体組織の切除と採取ができるようになる。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、マウスを用いて実験を行った。最初に、切除すべき皮膚と皮下組織の間に、剛性の高い金属からなる平板状の受け台を挿入し、その状態で皮膚の上から刃物を押し付けて皮膚を切除することを行った。剛性の高い平板状の受け台が存在することで、刃物からの押圧力は集中応力として皮下組織に作用することはなく分散することから、圧迫によって皮下組織や内臓を傷つけることなく、皮膚のみを切除し採取することができた。しかし、受け台が、剛性が高く表面が平坦な金属製であることから、切除時に、刃物が金属製の受け台上を滑動してしまい、組織を傷つけてしまったり、きれいな組織の切片が得られないことを経験した。
その経験を踏まえて、次に、組織切除用受け台として、支持体層と弾性体層の2層構造からなるものを用意し、それを皮下に挿入して切除実験を行ったところ、皮下組織や内臓に傷つけることなく、皮膚のみを簡便にかつ切断面をきれいに切除できることを経験した。弾性体層としては、支持体層よりも剛性が低く、かつ刃物を支持体層側に向けて押圧したときに、その押圧力によって厚さ方向に変形するか刃先が厚さ方向に進入できるような物性を備えた弾性体層が好適であった。
本発明は、本発明者らが実験を通して得た上記の知見に基づくものであり、本発明による組織切除用受け台は、刃物によって生体組織を切除するときに当該刃物を受けるための組織切除用受け台であって、剛体である平板状の支持体層と、前記支持体層の少なくとも一部に配置されており前記支持体層よりも剛性が低い平板状の弾性体層と、を少なくとも備えることを特徴とする。
本発明による組織切除用受け台の一態様では、前記支持体層のGPaでのヤング率が30以上であり、前記弾性体層のGPaでのヤング率が10以下であることを特徴とする。
本発明による組織切除用受け台の一態様では、前記支持体層は、金属、ガラス、セラミックまたは合成樹脂からなる層であり、前記弾性体層は合成樹脂、ゴム、皮革、布、または紙からなる層であることを特徴とする。より好ましくは、前記支持体層はステンレスであり、前記弾性体層はシリコーン樹脂である。
本発明による組織切除用受け台の一態様では、全体形状が平面視で矩形状であることを特徴とする。また、上記の態様において、少なくとも一方端の外形は曲線を含むように形成されていることを特徴とする。
本発明による組織切除用受け台の一態様では、前記支持体層の表面であって前記弾性体層が配置されていない領域の全部または一部には潤滑材によるコーティング層が形成されていることを特徴とする。
本発明による組織切除用受け台の一態様では、前記支持体層と前記弾性体層との間に1個または1個以上のマグネットまたはマグネットシートが配置されていることを特徴とする。
本発明による組織切除用受け台の一態様では、前記支持体層は、一部に他の部分と比較して横幅の大きい部分、厚みの大きい部分、または、横幅と厚みの双方が大きい部分を有することを特徴とする。
本発明による組織切除用受け台の一態様では、前記支持体層がハサミの刃先部分であることを特徴とする。
本発明による組織切除用受け台の他の態様は、先端部に平板状の挟持部を有し後端部に取っ手部を有する対をなす第1の長尺部材と第2の長尺部材とが支軸を介して回動可能自在に取り付けられており、第1の長尺部材の前記平板状の挟持部の先端は第2の長尺部材の前記平板状の挟持部の先端よりも前方に延出しており、前記第1の長尺部材の前記平板状の挟持部は上記したいずれかの組織切除用受け台で構成されており、前記延出している領域に前記弾性体層が位置していることを特徴とする。
本発明による組織切除用受け台を用いることで、安定的にかつ容易に生体組織の切除と採取ができるようになる。
本発明による組織切除用受け台の第1の実施の形態を示す図。 本発明による組織切除用受け台の第2の実施の形態の2つの例を示す図。 本発明による組織切除用受け台の第3の実施の形態の3つの例を示す図。 本発明による組織切除用受け台の第4の実施の形態を示す図。 本発明による組織切除用受け台の第5の実施の形態を示す図。 本発明による組織切除用受け台の第6の実施の形態を示す図。 本発明による挟持型組織切除用受け台の一実施の形態を示す図。 図1に示した組織切除用受け台を用いて皮膚の切除を行う状態を説明する図。 図8で用いた医療用トレパンの詳細図。
以下、図面を参照しながら、本発明による組織切除用受け台の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明による組織切除用受け台の第1の実施の形態を斜視図で示している。組織切除用受け台1は、剛体である平板状の支持体層2と、その一方側の端部の一面側に積層された前記支持体層2よりも剛性が低い平板状の弾性体層3とを備える。支持体層2における前記弾性体層3が積層されている側には、適宜の目盛4が彫り込まれている。
例示として、支持体層2の長さaは100〜150mm程度、幅bは10〜20mm程度、厚みcは0.5〜2.5mm程度である。弾性体層3の長さdは20〜40mm程度、幅eは10〜20mm程度、厚みfは0.5〜2.5mm程度である。弾性体層3は支持体層2の一端側に重畳するようにして積層されており、したがって、組織切除用受け台1における前記弾性体層3が重畳されている領域の長さは20〜40mm程度であり、横幅は10〜20mm程度であり、厚みは1〜5mm程度である。
上記の態様の組織切除用受け台1において、好ましくは、支持体層2および弾性体層3には、滅菌が可能なこと、生体組織に傷をつけない滑らかさを備えること、生体毒性がないことなどが求められるが、そのような観点から、前記支持体層2の具体的な材料の例としては、金属、ガラス、セラミックまたは合成樹脂などの材料を挙げることができる。また、前記弾性体層3の具体的な材料の例としては、シリコーンを含む合成樹脂、ゴム、皮革、布、または紙などの材料を挙げることができる。支持体層2を構成する金属材料としては特にステンレスが好適であり、ガラスとしては特に強化ガラスが好適であり、合成樹脂としては特に強化プラスチックが好適である。弾性体層3を構成する合成樹脂としては、シリコーン樹脂、なかでもPDMSが好適である。
なかでも好適には、弾性体層3の材料としてシリコーン樹脂等の密着性を備えた材料が用いられ、それにより、支持体層2と弾性体層3とが密着し、両者の積層を、特別の接着剤や粘着剤を用いないで行うことができ、製造が容易となる。もちろん、適宜の接着剤や粘着剤を用いて両者を接着積層してもよい。また、弾性体層3の材料は、支持体層2の材料よりも、表面での静止摩擦係数が大きいものであることが好ましく、それにより、後記するように、切除時に、刃物の刃先が支持体層2の表面で滑るのを一層確実に阻止することができる。
図8は、図1に示した組織切除用受け台1を用いて、生体から組織の一部(この例では皮膚)を切除するときの状態を示している。図8において、10は、例えばマウスの皮膚であり、切除に際しては、マウスの一部を切開する。そして、その切開口11から皮膚10と皮下組織との間に、組織切除用受け台1を弾性体層3側を先端として挿入する。必要な場合には、作業者は、前記目盛4を読むことで、挿入後の弾性体層3の位置を確認することができる。
その状態で、作業者は、挿入した組織切除用受け台1における弾性体層3が位置する部位の上から、図示しないメスを用いて皮膚10の切除を行うか、または、図9に示すような医療用トレパン20を用い、該医療用トレパン20を弾性体層3に垂直な姿勢として押し付けることで円形状に皮膚10を切除する。なお、図9に示す医療用トレパン20は従来から用いられているものであり、先端に直径0.5〜8mm程度の円筒状の切断刃21を備えており、該切断刃21が把持部22に一体的に取り付けられている。
皮膚10を切除した後に、メスの刃先または医療用トレパン20の切断刃21の刃先は、組織切除用受け台1の弾性体層3に達する。刃先の押し付け力は、平板状である弾性体層3および剛体である支持体層2を通して、組織切除用受け台1の下位にある組織(例えば、皮下組織)に達するが、弾性体層3において一部が吸収されることと、剛体である平板状の支持体層2によって応力を受け止めることで、組織切除用受け台1の下位にある組織(例えば、皮下組織)に集中応力が作用することはなく、下位の組織が傷つくことが抑制される。
また、切断刃21の刃先は、切除すべき組織を切除した後、押圧力を保持した状態で前記弾性体層3の表面に到達するが、その押圧力によって弾性体層3が厚さ方向に変形し、その変形とともに刃先が厚さ方向に進入する。そのために、切断刃21の刃先によって脂肪や皮膚等の柔軟性が高く、かつ強度のある膜や組織を容易に切り離すことができる。また、切除後の切断刃21が不用意に弾性体層3の面方向に移動することはなく、切除された組織の切断面が不用意に損傷するのも回避できる。それにより、切断面に損傷のないきれいな切片を得ることができる。
切除対象物の種類に応じて、切除時に刃物に加えるべき押圧力の大きさは異なってくるので、実際には、押圧力により変形しないだけの剛性をもち、かつ下位の組織に損傷を与えない大きさの応力を分散できる面積を備えた支持体層を、実験的に設定することとなる。マウスのような実験動物の皮膚を切除対象物とする場合には、前記した材料を用い、かつ前記した大きさの組織切除用受け台1を用いることで、十分に所期の目的を達成することができる。
なお、本発明による組織切除用受け台1において、平面状の支持体層2の厚みや剛性は、切除時に作用する上からの荷重によって変形しないことが条件に、組織を切除しようとする対象物および切断時に刃物から作用する応力に応じて、実験的に設定すればよい。本発明者らの実験では、前記のように、支持体層2と弾性体層3の合計の厚みが0.3〜5mm程度であれば、組織にテンションをかけずに挿入することができた。また、その厚み範囲において、GPaでのヤング率が30以上の剛性である支持体層2であれば、不用意に変形しないという所期の目的を十分に達成できることが分かった。また、前記弾性体層3では、切断対象が、マウスのような実験動物の場合に、GPaでのヤング率が10以下の低い剛性の材料であれば、十分に所期の目的を達成することが分かった。したがって、本発明による組織切除用受け台1の一態様では、前記支持体層2のGPaでのヤング率が30以上であり、前記弾性体層3のGPaでのヤング率が10以下であることが好ましい態様である。
また、本発明による組織切除用受け台1において、切除時に、少なくとも切除しようとする組織の下に挿入される部位は、組織にテンションをかけないように薄いことが好ましい。
[第2の実施の形態]
図2(a)(b)は、本発明による組織切除用受け台の第2の実施の形態の2つの例を斜視図で示している。2つとも、組織切除用受け台の弾性体層3を配置した側(挿入側)の先端部の形状を除き、また、目盛4の有無を除き、図1に示した組織切除用受け台1と実質的に同じであり、対応する部材には同じ符号を付すことで説明は省略する。図2(a)に示す組織切除用受け台1aでは、弾性体層3を配置した側の先端部は、直線部5aと、直線部5aの左右と左右の側縁部を結ぶ曲線部5b、5bとで形成されており、図2(b)に示す組織切除用受け台1bでは、弾性体層3を配置した側の先端部は、連続する滑らかな曲線部5cのみで形成されている。このように、挿入側の先端部に丸みを持たせることで、挿入時に組織に与えるストレスを低減でき、生体へのダメージを抑制することができるとともに、抜き差し作業も容易となる。なお、図2に示すものにおいても、目盛4を付すようにしてもよい。
[第3の実施の形態]
図3(a)〜(d)は、本発明による組織切除用受け台の第3の実施の形態の3つの例を示している。第3の形態は、弾性体層3が支持体層2の形成場所において、また、目盛4を有しないことで、図1に示した組織切除用受け台1と相違している。他の構成は実質的に組織切除用受け台1と同じであり、対応する部材には同じ符号を付すことで説明は省略する。
図3(a)に斜視図を示す組織切除用受け台1cは、支持体層2の両端部に弾性体層3、3が形成されている。この形態の組織切除用受け台1cは、同じ組織切除用受け台1cを、図1に示した組織切除用受け台1と比較して、少なくとも2倍の回数だけ、組織の切除作業に用いることが可能となる。なお、図3(a)に示すものにおいても、目盛4を付すようにしてもよい。
図3(b)に斜視図を示す組織切除用受け台1dは、支持体層2の一方の面の全面に弾性体層3が形成されている。この形態の組織切除用受け台1dは、図1に示した組織切除用受け台1と比較して、組織の切除作業を行うときの切除場所の選択の自由度が大きくなる利点がある。また、弾性体層3と支持体層2の密着性が増大するため、弾性体層3が支持体層2からずれることが抑制される。
図3(c)に斜視図を、図3(d)に図3(c)のd−d線に沿う断面図を示す組織切除用受け台1eは、支持体層2の全面が弾性体層3によって覆われている点で、図3(b)に示した組織切除用受け台1dと異なっている。この形態の組織切除用受け台1eも、組織の切除作業を行うときの切除場所選択の自由度が大きくなる利点があるとともに、表裏反転させることで、使用回数も大きくすることができる。また、弾性体層3が支持体層2からずれることが抑制される。なお、この形態の組織切除用受け台1eは、樹脂材料を弾性体層3に用いる場合に、溶融した樹脂材料中に支持体層2をどぶ付けすることで得ることができる。
[第4の実施の形態]
図4は、本発明による組織切除用受け台の第4の実施の形態を斜視図で示している。第4の形態である組織切除用受け台1fは、支持体層2における弾性体層3が形成されている側とは反対の側に、支持体層一般部よりも形状が大きくされた部位が把持部6として形成されている点で、また、目盛4を有しないことで、図1に示した組織切除用受け台1と相違している。他の構成は実質的に組織切除用受け台1と同じであり、対応する部材には同じ符号を付すことで説明は省略する。
図4に示した組織切除用受け台1fにおいては、把持部6は円筒状とされており、その直径は20〜30mm程度、長さは50〜100mm程度である。このような支持体層一般部よりも形状が大きくされた把持部6を備えることで、切除作業時での組織切除用受け台1fの把持が容易かつ確実となり、切除作業を円滑に行うことができるようになる。なお、把持部6は、支持体層一般部と同じ材料で作られていてもよく、別途製造した樹脂材料やゴム材料からなる円筒体を支持体層2に一体に組み付けるようにしてもよい。また、把持部6は、円筒体に限られず、支持体層一般部よりも横幅を大きくした部分、厚みを厚くした部分、または、横幅と厚みの双方が大きい部分を形成して、その部分を把持部6として用いるようにしてもよい。また、シート状のものを支持体層一般部の一部に巻きつけることで、把持部6とすることもできる。なお、図4に示すものにおいても、目盛4を付すようにしてもよい。
[第5の実施の形態]
図5は、本発明による組織切除用受け台の第5の実施の形態を斜視図で示している。第5の形態である組織切除用受け台1gは、支持体層2と、その一端部に積層した弾性体層3とを、パラフィンフィルムのような固定バンド7によって、バインドしている点で、また、目盛4を有しないことで、図1に示した組織切除用受け台1と相違している。他の構成は実質的に組織切除用受け台1と同じであり、対応する部材には同じ符号を付すことで説明は省略する。
生体内に挿入して用いる組織切除用受け台では、支持体層2と弾性体層3との間に液体(例えば、血液)が浸入すると、両者の密着性が低下して弾性体層3とともに刃物が面方向に滑動する恐れがある。第5の形態である組織切除用受け台1gは、パラフィンフィルムのような固定バンド7によって弾性体層3を支持体層2側にしっかりとバインドすることで、支持体層2と弾性体層3との間に不要な相対移動が生じるのを阻止できるようになり、切除時に刃物が不用意に滑動して切片に傷をつけるのを確実に回避できるようになる。なお、両者をバインドする材料としては、パラフィンフィルムのようなフィルム材料に限ることなく、輪ゴムなどであってもよい。また、図5に示すものにおいても、目盛4を付すようにしてもよい。
[第6の実施の形態]
図6は、本発明による組織切除用受け台の第6の実施の形態を示しており、図6(a)は全体の斜視図を、図6(b)は図6(a)のb−b線に沿う断面図を示している。第6の実施の形態である組織切除用受け台1hは、支持体層2の表面であって弾性体層3が配置されていない領域の全部または一部には潤滑材によるコーティング層8が形成されている点、支持体層2の弾性体層3が積層されている領域のほぼ中央部にマグネット9が支持体層2の表面と面一となるようにして埋設されている点を除き、他の構成は実質的に組織切除用受け台1と同じであり、対応する部材には同じ符号を付すことで説明は省略する。
本発明による組織切除用受け台を用いて、皮膚などの組織の切除を行うには、組織切除用受け台を切除すべき組織とその下部の組織との間に、組織切除用受け台を挿入する必要がある。その際に、支持体層2が滑り難い材料(例えば硬質ゴムのような材料)や表面が粗い材料(例えばコンクリート、素焼きの陶磁器のような材料)である場合に、挿入時に生体に傷をつける恐れがある。図6に示す組織切除用受け台1hでは、支持体層2の裏面の全面および4周の側面の全面とに、潤滑材によるコーティング層8を形成することで、その不都合を解消している。使用する潤滑材としては、プロピレングルコール、ワセリン、ゴム膜を挙げることができる。
また、組織切除用受け台1hの先端側を生体内に挿入したときに、弾性体層3が生体の皮膚等の組織下に入り込んでしまい、視認できなくなる場合がある。その場合でも、刃物が磁性体である場合には、埋設されたマグネット9からの磁性によって医療用トレパンの刃先が誘導されることで、弾性体層3の上に的確に医療用トレパンを位置させることができる。
なお、図6に示した組織切除用受け台1hでは、弾性体層3の周側面にもコーティング層8を形成しているが、この部分は省略してもよい。さらに、支持体層2の表面(弾性体層3を積層した側の面)における弾性体層3を積層していない領域にもコーティング層8を形成してもよい。
[挟持型組織切除用受け台の他の実施の形態]
図7は、本発明による挟持型組織切除用受け台の一実施の形態を示している。挟持型組織切除用受け台30は、先端部に平板状の挟持部31を有し後端部に取っ手部32を有する第1の長尺部材33と、先端部に平板状の挟持部34を有し後端部に取っ手部35を有する第2の長尺部材36とが、X字状に交叉している構成を有し、該交叉部に支軸37を挿通することで、第1の長尺部材33と第2の長尺部材36とは、支軸37を支点として回動可能となっている。そして、図7に示す閉じた状態では、双方の平板状の挟持部31と34とは、互いに近接しかつ平行な姿勢で重畳するように設計されている。
また、第1の長尺部材33の平板状の挟持部31の長さは、第2の長尺部材36の平板状の挟持部34の長さよりも長い。そのために、図7に示す閉じた姿勢では、第1の長尺部材33の平板状の挟持部31の先端位置は、第2の長尺部材36の平板状の挟持部34の先端位置よりも前方に位置しており、第1の長尺部材33の平板状の挟持部31の先端側には、第2の長尺部材36の平板状の挟持部34が重畳しない(覆われない)領域38が形成される。
挟持型組織切除用受け台30において、前記した平板状の挟持部31は、上記した本発明による組織切除用受け台1の構成を備えている。すなわち、平板状の挟持部31は、剛体である平板状の支持体層2と、前記支持体層2の先端側に配置された前記した支持体層2よりも剛性が低い平板状の弾性体層3とで構成されており、弾性体層3側がもう一方の平板状の挟持部34に対向するようにされている。第1の長尺部材33における取っ手部32を含む前記平板状の挟持部31より後方部は、前記支持体層2に一体に連接しており、好ましくは、該支持体層2と同じ材料で作られる。前記後方部は平板状である必要はなく、所要の強度を備えることを条件に、操作のしやすい形状とされる。
第2の長尺部材36は、第1の長尺部材33の平板状の挟持部31に対向する領域が平板状の挟持部34とされる以外は、任意の形状であってよく、好ましくは、前記第1の長尺部材33の前記後方部と同じ材料によって同じ形状に形成される。
挟持型組織切除用受け台30を使用するに当たっては、最初に、2つの挟持部31と34を開いた姿勢とする。その姿勢で、挟持部31を生体の切開口から挿入する。所要距離だけ挿入した後に、取っ手部32、35を操作して、平板状の挟持部31と34とを互いに平行な閉じた姿勢とする。それにより、図7に示すように、切除しようとする組織の一部は挟持部31と34の間に挟持された状態となる。その状態で、挟持部31上に露出している組織(皮膚10)の上から刃物、例えば医療用トレパン20(図8,図9参照)を押し付けることで、組織(皮膚10)の切除を行うことができる。
[他の実施の形態]
図示しないが、図3に示した第3の実施の形態による組織切除用受け台1c、1d、1e、図4に示した第4の実施の形態による組織切除用受け台1f、図5に示した第5の実施の形態による組織切除用受け台1g、図7に示した挟持型組織切除用受け台30のいずれにおいても、切開口から挿入される側の先端を、図2に示した第2の実施の形態による組織切除用受け台1bのように、丸みを持った形態とすることができ、それにより、挿入作業が容易となりかつ生体に傷をつけるのも回避することができる。また、組織切除用受け台のすべての実施の形態および挟持型組織切除用受け台30において、所要の強度(剛性)が保持されることを条件に、挿入側の支持体層2の先端側を先端に向けて次第に厚みが薄くなるようにすることもできる。それにより、挿入作業が一層容易となり、また、生体に傷をつけるのも効果的に回避することができる。
さらに、図6に示した組織切除用受け台1hでは、1つのマグネット9を弾性体層3の下に埋設するようにしたが、図1〜図6に示したすべての形態の組織切除用受け台および挟持型組織切除用受け台30にも適用可能であり、その際に、図3に示した形態の組織切除用受け台1c、1d、1eのように、複数個の弾性体層3を備える場合、あるいは広い面積の弾性体層3を備える場合には、2個以上のマグネット9を適宜の間隔を置いて配置するようにしてもよい。
さらに、本発明による組織切除用受け台の一態様において、前記支持体層がハサミの刃先部分であることもできる。この態様では、例えば、生体の皮膚を切開するときに用いるハサミの刃先部分の先端に前記の弾性体層を積層しておくことで、切開作業と同じ器具を用いて効果的な切除作業を行うことが可能となり、作業の効率化が図られる。
以下、本発明による組織切除用受け台を実施例と比較例により説明する。
[実施例]
(組織切除用受け台の製造)
支持体層2の材料としてステンレス製金属板を用い、弾性体層3としてPDMS(ジメチルポリシロキサン)を用いて、図1に示した形状の組織切除用受け台1を製造した。ステンレス製金属板の寸法は、長さa:150mm、幅b:10mm、厚みc:1mmとし、PDMSの寸法は、長さd:20mm、幅e:10mm、厚みf:2mmである。ステンレス製金属板の一方の先端に、先端が一致するようにしてPDMSを積層した。積層には接着剤は使用せず、PDMSの持つ自己粘着性を利用して、両者を密着させて一体化した。
(切除作業)
一部を脱毛したマウスを用い、脱毛した皮膚の一部をメスを用いて長さ15mm切開した。マウスの皮膚と皮下組織との間に、切開口から、組織切除用受け台1をPDMSを積層した側からPDMSが見えなくなるまで挿入した。挿入後に、図9に示した形態の医療用トレパン(円筒状の刃先の直径4mm)をPDMS層に垂直な姿勢で、マウスの皮膚表面からPDMS層に向けて押圧し、皮膚の切除を行った。切除後、組織切除用受け台を取り外すとともに、医療用トレパンの刃先から、皮膚の切片を取り出した。上記の切除作業をマウスの複数個所において行った。
(結果1)
組織切除用受け台を取り外したのち、切除時に組織切除用受け台が位置していたところの皮下組織を、肉眼で観察したところ、皮下組織の損傷は観察されなかった。
(結果2)
マウスの皮膚の切断面を肉眼で観察したところ、切断面に損傷は観察されず、傷のない切片が得られた。
1〜1h…組織切除用受け台、
2…支持体層、
3…弾性体層、
4…目盛、
6…把持部、
7…固定バンド、
8…コーティング層、
10…皮膚、
20…医療用トレパン、
30…挟持型組織切除用受け台。

Claims (11)

  1. 刃物によって生体組織を切除するときに当該刃物を受けるための組織切除用受け台であって、
    剛体である平板状の支持体層と、
    前記支持体層の少なくとも一部に配置されており前記支持体層よりも剛性が低い平板状の弾性体層と、
    を少なくとも備えることを特徴とする組織切除用受け台。
  2. 前記支持体層のGPaでのヤング率が30以上であり、前記弾性体層のGPaでのヤング率が10以下であることを特徴とする請求項1に記載の組織切除用受け台。
  3. 前記支持体層は、金属、ガラス、セラミックまたは合成樹脂からなる層であり、前記弾性体層は合成樹脂、ゴム、皮革、布、または紙からなる層であることを特徴とする請求項2に記載の組織切除用受け台。
  4. 前記支持体層はステンレスであり、前記弾性体層はシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の組織切除用受け台。
  5. 全体形状が平面視で矩形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組織切除用受け台。
  6. 少なくとも一方端の外形は曲線を含むように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の組織切除用受け台。
  7. 前記支持体層の表面であって前記弾性体層が配置されていない領域の全部または一部には潤滑材によるコーティング層が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の組織切除用受け台。
  8. 前記支持体層と前記弾性体層との間に1個または1個以上のマグネットまたはマグネットシートが配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の組織切除用受け台。
  9. 前記支持体層は、一部に他の部分と比較して横幅の大きい部分、厚みの大きい部分、または、横幅と厚みの双方が大きい部分を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の組織切除用受け台。
  10. 前記支持体層がハサミの刃先部分であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の組織切除用受け台。
  11. 先端部に平板状の挟持部を有し後端部に取っ手部を有する対をなす第1の長尺部材と第2の長尺部材とが支軸を介して回動可能に取り付けられており、第1の長尺部材の前記平板状の挟持部の先端は第2の長尺部材の前記平板状の挟持部の先端よりも前方に延出しており、前記第1の長尺部材の前記平板状の挟持部は請求項1〜8のいずれか一項に記載の組織切除用受け台で構成されており、前記延出している領域に前記弾性体層が位置していることを特徴とする挟持型組織切除用受け台。
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