JP6214346B2 - 二重系制御装置 - Google Patents
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Description
しかしながら従来の二重系CPUユニットから構成された制御装置は、SEU(SingleEvent Upset:放射線によって発生する一過性の電子デバイス異常)に起因する異常発生時でも、即、系切替を行っていた。
ここで、トラッキング処理とは、二重化構成をとる制御装置において、ホットスタンバイを実現するためには、制御系CPUユニットから待機系CPUユニットへ定期的にデータを送る必要があり、その機能をトラッキング処理と言う。また、送るデータはトラッキングデータと呼ぶ。
また、従来のCPUユニットからなる制御装置では、シングルコアCPUチップを搭載しているCPUユニットで二重系を組んでいるために、SEUによる一過性のエラーでも重故障と見做して、系切替を行い、CPUユニットとしての稼働率は低いという問題点があった。
デュアルコアCPUチップを制御装置に適用する場合、従来のシングルコアCPUチップで使用している系切替方式を、そのまま適用すると、1つのCPUコアで異常検出しただけで、他のCPUコアは正常に実行しているのに、CPUユニット毎、系切替を行い、CPUユニットとして稼働率が悪いという問題もある。
またこの発明は、CPUカード上のデュアルCPUコアで同一タスクを同じアルゴリズムで処理させ、両コアの演算結果を比較して一致していたらデータをトラッキング送信することで、信頼性の高い二重化制御装置を得ることを目的とするものである。
また、CPUカード上のデュアルCPUコアで同一タスクを同じアルゴリズムで処理させ、両コアの演算結果を比較して、一致していたらデータをトラッキング送信し、異なっていたら系切替を行っているから、信頼性の高い装置を得ることができる。
以下、この発明の実施の形態1の二重系制御装置を図1に基づいて説明する。
図1において、制御装置は制御系CPUユニット1と待機系CPUユニット2で構成され、制御系CPUユニット1が故障した場合は待機系CPUユニット2に系切り換えが行われるように二重系の構成となっている。
そしてホットスタンバイを実現するために、制御系CPUユニット1から待機系CPUユニット2に対して定期的にデータを送るようになっている。
また、CPUチップ13は、演算処理を行うデュアルCPUコア15a、15bと、メモリ14へのアクセス制御を行うメモリコントローラ16と、他系との通信を行う系間通信コントローラ17と、I/Fカード12との通信制御を行うシステムバスコントローラ18と、CPUコア15a、15b間でメモリコントローラ16、系間通信コントローラ17、システムバスコントローラ18へのアクセスを調停する調停器19から構成されている。
CPUカード21は、CPUチップ23とメモリ24しか示していないが、CPUチップ23は、制御系CPUユニット1のCPUチップ13と同様に、演算処理を行うデュアルCPUコアと、メモリコントローラと、系間通信コントローラと、システムバスコントローラと、調停器から構成されている。ここでは待機系ということで図を省略している。
次に、この発明の実施の形態2の二重系制御装置を図2に基づいて説明する。
実施の形態2の二重系制御装置の構成は、図1に示すものと同様であって、制御装置は制御系CPUユニット1と待機系CPUユニット2で構成され、デュアルCPUコア15a、15bの両コアは同じタスクを同じアルゴリズムで演算している。
データ転送を行っている間の空き時間が発生した片コアでは、別処理の実施(S103)を行うことによって、デュアルコアによる効率良い処理を実施することが可能である。
図2の右側では、Core―#2の方がCore―#1に比べて早く演算完了(S102)しているので、Core―#2の方でトラッキングデータのデータ転送(S104)を行い、そのデータ転送中の空き時間に、もう片方のCore―#1は演算完了(S102)後に別処理を実施(S103)している。
また制御コア、待機コアでは、定期的にメモリ14などを自己診断での自発的な故障検出を行うようにしている。さらに、I/Fカード12やCPUカード11内では、カード内部のクロックロスや電圧低下などを自己検出し、CPUチップ13に割り込みをかけて、異常信号の故障検出を行うようにしている。
次に、この発明の実施の形態3の二重系制御装置を図3に基づいて説明する。
実施の形態3の二重系制御装置の構成は、図1に示すものと同様であって、制御装置は制御系CPUユニット1と待機系CPUユニット2で構成され、デュアルCPUコア15a、15bの両コアは同じタスクを同じアルゴリズムで演算している。
以下、図3の状態遷移図を用いて、実施の形態3の系切替動作について説明する。
コアであった場合は、制御コアは制御演算を継続する(S201)。
「両系正常・片コア異常」の状態で自系の制御コアが異常検出した場合は、状態を「片系異常・両コア正常」に遷移し、CPUユニット間で系切替を行う(S203)。
「片系異常・両コア正常」時に、制御系CPUユニット1の片コアで異常検出した場合は、状態を「片系異常・片コア異常」とし、更に異常検出したコアが制御であった場合はコア間で自コアは待機コアとし、それまで待機コアとなっていたコアを制御コアに切り替える。異常を検出したコアが待機コアであった場合は、制御コアは制御演算を継続する(S205)。
「片系異常・片コア異常」の状態で自系の制御コアが異常検出した場合は、「両系重故障」として制御演算を停止し、HALT状態になる(S207)。
制御系CPUユニット1及び待機系CPUユニット2は系間通信I/F3を用いて、制御演算データだけではなく、お互いの状態(両コア正常/片コア異常/両コア異常)を送受信し、自分と相手の状態に応じて、状態を遷移する(S204、S208、S209、S210)。
次に、この発明の実施の形態4の二重系制御装置を図4および図5に基づいて説明する。
実施の形態4の二重系制御装置の構成は、図4に示すように、図1と同様に制御系CPUユニット1と待機系CPUユニット2で構成され、各CPUチップ13、23内のデュアルCPUコア15a、15bの両コアは同じタスクを同じアルゴリズムで演算している。
そして、デュアルCPUコア15a、15bの両コアの演算結果をCPU10で比較して、一致していたらデータを送信し、異なっていたら待機系CPUユニット2に系切替を行うことにようにしている。その他の構成は図1と同じにつき、同一または相当する部分には同じ符号を付して説明を省略する。
以下、実施の形態4の動作を図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップS303は、制御系CPUユニット1のデュアルCPUコアの演算結果をメモリ14に格納し、演算結果をCPU10で比較する。
10:CPU、 11:CPUカード、 12:I/Fカード、
13:CPUチップ、14:メモリ、 15a、15b:デュアルCPUコア、
16:メモリコントローラ、 17:系間通信バスコントローラ、
18:システムバスコントローラ、 19:調停器、
21:CPUカード、 23:CPUチップ、 24:メモリ。
Claims (3)
- 制御系CPUユニットと待機系CPUユニットからなる二重系制御装置において、前記制御系CPUユニットと前記待機系CPUユニットは、それぞれデュアルCPUコアを搭載したCPUカードが設けられ、ホットスタンバイを実現するために、前記制御系CPUユニットのCPUカードから前記待機系CPUユニットのCPUカードに対して定期的にデータを送るものであって、前記定期的に送るデータは、前記デュアルCPUコアの両コアは同じタスクを同じアルゴリズムで演算し、早く処理できたコアの方のデータとしたことを特徴とする二重系制御装置。
- 前記デュアルCPUコアの両コアは、早く処理できたコアの方がデータを送信している間の空き時間に、もう片方のコアは別処理を行うようにした請求項1に記載の二重系制御装置。
- 前記デュアルCPUコアの両コアは、片方のコアが故障停止した場合でも、制御系CPUユニットから待機系CPUユニットへの切り替えは行わず、もう片方のコアに切り替えて継続動作するようにした請求項1に記載の二重系制御装置。
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