JP6214045B2 - エンジンの検査方法及びその検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの検査方法及びその検査装置に関し、特にコンロッドとクランクピンの間に配置される軸受メタルの装着忘れ防止対策の改良技術に関する。
自動車等の車両用エンジンでは、ピストンとクランクシャフトがコンロッド(コネクティングロッド)によって接続される。コンロッドの小端部はピストンのピストンピンに連結され、コンロッドの大端部はクランクシャフトのクランクピンに連結される。コンロッドの大端部とクランクピンの間には軸受メタルが配置される。
クランクシャフトには潤滑油路が形成され、この潤滑油路がクランクピンの外周面に形成された油穴に連通している。これにより、潤滑油路を流れる潤滑油が、油穴を通じてクランクピンの外周面に供給されるようになっている。
そして、上記のように構成されるエンジンの組付工程では、コンロッドの大端部とクランクピンの間に配置される軸受メタルの装着忘れを防止するために、当該軸受メタルが装着されているか否かが検査される。この種の検査としては、例えば特許文献1に開示されているように、クランクシャフトを回転させながら、クランクシャフトの潤滑油路に潤滑油の代わりにエアを供給し、そのエアの供給圧力の変化に基づいて軸受メタルの装着の有無を検査する方法が挙げられる。詳細には、軸受メタルが装着されている場合にはエアの漏れが抑えられてエアの供給圧力が高くなるのに対し、軸受メタルが装着されていない場合にはエアの漏れが生じてエアの供給圧力が低くなる。したがって、エアの供給圧力の変化によって、軸受メタルの装着の有無を検査することができる。
特開平4−339232号公報
ところで、クランクシャフトを回転させると、クランクピンが所定の円軌道上を円運動する。この円軌道の上死点から下死点に至るまでの範囲内では、クランクピンはコンロッドの大端部を押し下げるため、クランクピンはコンロッドの大端部内側の下方部側に押し付けられる。一方、クランクピンの円軌道の下死点から上死点に至るまでの範囲内では、クランクピンはコンロッドの大端部を押し上げるため、クランクピンはコンロッドの大端部内側の上方部側に押し付けられる。
そのため、軸受メタルが全く装着されていない場合であっても、クランクピンが押し付けられる側に潤滑油路と連通する油穴が位置していると、コンロッドの大端部内側で油穴が塞がれて、エアの供給圧力が異常を検出できる程度まで低下しないことがあり、軸受メタルの装着の有無を精度よく検査できないという問題がある。
また、軸受メタルは、半割状のアッパーメタルとロアメタルの2つに分割されるため、そのいずれか一方のメタルが装着されていない場合もあるが、この場合も同様の問題が生じ得る。すなわち、クランクピンが押し付けられる側のみにメタルが装着されている場合ではそのメタルによって油穴が塞がれることがあり、クランクピンが押し付けられる側の反対側のみにメタルが装着されている場合ではコンロッドの大端部内側で油穴が塞がれることがある(後述する図3(a),図4(a),図5(a)を参照)。そのため、アッパーメタルとロアメタルのいずれか一方のメタルが装着されていない場合も、エアの供給圧力が異常と判定できる程度まで低下しないことがある。
ここで、クランクシャフトのクランクジャーナルの外表面からクランクピンの外表面に向かって潤滑油路が直線状に設けられている場合(いわゆるI穴)など、クランクピンの外表面に油穴が一つだけ形成されているタイプのものでは、特にエアの供給圧力に変化が生じにくく、上記の問題が顕著になる。
以上の実情に鑑み、本発明は、コンロッドとクランクピンの間に配置される軸受メタルの装着の有無を精度よく検査することを課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明は、コンロッドの一端部がピストンに連結され、コンロッドの他端部がクランクシャフトのクランクピンに連結されたエンジンにおいて、クランクシャフトに設けられ、クランクピンの外周面に開口した潤滑油路にエアを供給し、エアの供給圧力に基づいてコンロッドとクランクピンの間に配置される軸受メタルの装着の有無を検査する方法であって、供給圧力の測定時に、クランクシャフトの回転を停止させた状態で、コンロッドの他端部がクランクピンの回転方向に移動するように、ピストンを上動又は下動させることを特徴とする。
このような構成によれば、エアの供給圧力を測定する時に、ピストンの上動又は下動により、コンロッドの他端部がクランクピンの回転方向に移動する。そのため、クランクピンがコンロッドの他端部内側に押し付けられて潤滑油路の開口部が塞がれていたとしても、軸受メタルが正しく装着されていない場合には、ピストンの上記操作によってコンロッドの他端部がクランクピンよりも回転方向に先行するように移動する。その結果、クランクピンがコンロッドの他端部内側から離れ、両者の間に隙間が形成される。これにより、形成された隙間から潤滑油路に供給するエアが漏れ出して、エアの供給圧力が大幅に低下する。したがって、軸受メタルが正しく装着されていない場合において、エアの供給圧力の変化を正しく生じさせることができる。
上記の構成において、供給圧力の測定時に、クランクピンの上死点から下死点に至るまでの範囲内でクランクシャフトの回転を停止させ、ピストンを下動させることが好ましい。
このようにすれば、軸受メタルが正しく装着されていない場合には、ピストンの下動に伴って、クランクピンをコンロッドの他端部内側から離して両者の間に隙間を形成することができる。そして、ピストンの下動はピストンを上方から押圧するなどの方法で実現できるため、ピストンの操作が簡単という利点がある。
上記課題を解決するために創案された本発明は、コンロッドの一端部がピストンに連結され、コンロッドの他端部がクランクシャフトのクランクピンに連結されたエンジンにおいて、コンロッドとクランクピンの間に配置される軸受メタルの装着の有無を検査する装置であって、クランクシャフトに設けられ、クランクピンの外周面に開口した潤滑油路にエアを供給するエア供給手段と、エアの供給圧力を測定する圧力測定手段と、クランクシャフトの回転を停止させた状態で、コンロッドの他端部がクランクピンの回転方向に移動するように、ピストンを上動又は下動させるピストン移動手段とを備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、既に述べた対応する構成と同様の作用効果を享受することができる。
以上のように本発明によれば、軸受メタルが正しく装着されていない場合に、エアの供給圧力の変化を正しく生じさせることができるため、コンロッドとクランクピンの間に配置される軸受メタルの装着の有無を精度よく検査することができる。
本発明の実施形態に係るエンジン検査装置が取り付けられたエンジンの一部を示す断面図である。 本実施形態に係るエンジン検査装置が取り付けられたエンジンの一部を示す断面図であって、(a)は第1の潤滑油路と第2の潤滑油路が非連通の状態、(b)は両者が連通している状態をそれぞれ示す。 本実施形態に係るエンジン検査装置の作用を説明するための断面図であって、(a)はピストンを下動させる前の状態、(b)はピストンを下動させた後の状態をそれぞれ示す。 本実施形態に係るエンジン検査装置の作用を説明するための断面図であって、(a)はピストンを下動させる前の状態、(b)はピストンを下動させた後の状態をそれぞれ示す。 本実施形態に係るエンジン検査装置の作用を説明するための断面図であって、(a)はピストンを上動させる前の状態、(b)はピストンを上動させた後の状態をそれぞれ示す。
以下、本発明の一実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、エンジンのクランクシャフト1は、クランクシャフト1を支持するためのクランクジャーナル2と、コンロッド3の大端部3aが連結されるクランクピン4と、クランクピン4とクランクジャーナル2を繋ぐクランクアーム5と、クランクアーム5に設けられたバランスウエイト6とを備えている。
クランクジャーナル2は、シリンダブロック7の下部にベアリングキャップ8によって取り付けられている。
クランクジャーナル2の周囲には第1の軸受メタル9が配置され、クランクジャーナル2とシリンダブロック7の間およびクランクジャーナル2とベアリングキャップ8の間に介在している。第1の軸受メタル9は、半割状のアッパーメタル9aとロアメタル9bの2つに分割されている。
クランクピン4の周囲には第2の軸受メタル10が配置され、コンロッド3の大端部3aの内側(貫通穴)とクランクピン4の間に介在している。第2の軸受メタル10も、第1の軸受メタル9と同様に、半割状のアッパーメタル10aとロアメタル10bの2つに分割されている。
シリンダブロック7には、第1の軸受メタル9のアッパーメタル9aに対して潤滑油を供給する第1の潤滑油路11が設けられている。アッパーメタル9aには、貫通穴12が設けられおり、この貫通穴12を通じて潤滑油がクランクジャーナル2の外周面に供給されるようになっている。クランクジャーナル2の外表面とクランクピン4の外表面にはそれぞれ油穴13,14が形成されており、これら油穴13,14がクランクシャフト1に設けられた直線状の第2の潤滑油路15によって連通している。そのため、クランクジャーナル2の外表面に供給された潤滑油は、第2の潤滑油路15を通じてクランクピン4の外表面に供給されるようになっている。なお、直線状の第2の潤滑油路15はI穴と呼ばれ、加工コストが安いなどのメリットがあるため多く利用されている。
図2(a),(b)に示すように、この実施形態では、第1の軸受メタル9のアッパーメタル9aには、周方向に油溝16が形成されている。第1の潤滑油路11から供給される潤滑油は、貫通穴12を通じて油溝16に充填される。図2(a)に示す状態では、油溝16と第2の潤滑油路15が連通していないため、クランクピン4に潤滑油が供給されないが、クランクジャーナル2が回転して図2(b)に示す状態になると、油溝16と第2の潤滑油路15が連通し、油溝16に充填された潤滑油が第2の潤滑油路15を通じてクランクピン4の外表面に供給される。すなわち、この実施形態では、クランクシャフト1を一回転させると、所定の半周範囲でクランクピン4の外周面に潤滑油が供給されず、残りの半周範囲でクランクピン4の外周面に潤滑油が供給されるようになっている。なお、油溝16は、ロアメタル9bまで延長してもよい。
本実施形態に係るエンジン検査装置は、上記の潤滑油路11,15に潤滑油の代わりにエアを供給することで、第2の軸受メタル10の装着の有無、詳細には、第2の軸受メタル10のアッパーメタル10aとロアメタル10bが共に装着されているか否かを検査するものである。
図1及び図2(a),(b)に示すように、エンジン検査装置は、基本的な構成として、第1の潤滑油路11にエアを供給するエア供給手段21と、エア供給手段21によるエアの供給圧力を測定する圧力測定手段22とを備えている。
第2の軸受メタル10のアッパーメタル10aとロアメタル10bが共に装着されている場合、第1の潤滑油路11と第2の潤滑油路15が連通しているクランクシャフト1の回転角度範囲内(図2(b)の状態)でエア供給手段21からエアを供給すると、クランクピン4の油穴14が第2の軸受メタル10のアッパーメタル10a又はロアメタル10bによって塞がれるため、不当なエアの漏れが生じない。その結果、圧力測定手段22ではエアの供給圧力が高く測定される。一方、第2の軸受メタル10のアッパーメタル10aとロアメタル10bの少なくとも一方が装着されていない場合、第1の潤滑油路11と第2の潤滑油路15とが連通しているクランクシャフト1の回転角度範囲内でエア供給手段21からエアを供給すると、クランクピン4に設けられた油穴14が第2の軸受メタル10によって塞がれていないため、エアの漏れが生じる。その結果、圧力測定手段22ではエアの供給圧力が低く測定される。このように第2の軸受メタル10の装着の有無によってエアの供給圧力が変化するので、エアの供給圧力に基づいて第2の軸受メタル10の装着の有無が検査される。
しかしながら、実際には、例えば、図3(a)に示すように、第2の軸受メタル10のアッパーメタル10aが装着されず、ロアメタル10bのみが装着されている場合でも、クランクピン4の油穴14が塞がれ、エアの供給圧力が低下しないことがある。
詳細には、クランクシャフト1を回転させると、クランクピン4の中心Yが、クランクジャーナル2の中心Xを中心とする円軌道P上を円運動する。この際、クランクピン4の中心Yが上死点Tから下死点Bに至るまでの範囲内では、クランクピン4がコンロッド3の大端部3aを押し下げ、クランクピン4が第2の軸受メタル10のロアメタル10bに押し付けられる。そのため、この状態でクランクピン4の油穴14が下方部に位置していると、油穴14がロアメタル10bによって塞がれ、アッパーメタル10aが装着されていないにもかかわらず、エアの供給圧力が正常値から低下しないか或いは低下しにくい。
そこで、本実施形態に係るエンジン検査装置は、特徴的な構成として、コンロッド3の大端部3aがクランクピン4の回転方向Rに移動するように、コンロッド3の小端部3bが連結されたピストン17を強制的に移動させるピストン移動手段23を備えている。なお、ピストン17のピストンピン18をコンロッド3の小端部3bの内側(貫通穴)に挿通することで、ピストン17とコンロッド3の小端部3bが連結されている。また、ピストン17は、シリンダブロック7のシリンダボア7aに沿って上下方向に移動可能となっている。
以下、本実施形態に係るエンジン検査装置を用いたエンジン検査方法を説明する。
図3(a)に示すように、クランクピン4の中心Yが上死点Tから下死点Bに至るまでの範囲内(クランクピン4の下降範囲内)でクランクシャフト1の回転を停止させた状態で、ピストン移動手段23によってピストン17の上方を下方に向かって押圧し、ピストン17を強制的に下動させる。これにより、図3(b)に示すように、コンロッド3の大端部3aは、第2の軸受メタル10のアッパーメタル10aがないため、アッパーメタル10aに対応した隙間の分だけクランクピン4よりも回転方向Rに先行するように下降する。その結果、クランクピン4の下方部が、第2の軸受メタル10のロアメタル10bから離れて両者の間に隙間が形成され、クランクピン4の下方部に位置する油穴14が塞がれた状態が解除される。そのため、エア供給手段21から供給したエアが油穴14から漏れ出し、圧力測定手段22で測定するエアの供給圧力が正常値から大幅に低下する。
ここで、クランクシャフト1の回転を停止させた状態とは、クランクシャフト1のクランクジャーナル2に駆動力を与えて、クランクシャフト1を駆動回転させるのを停止させた状態を意味する。そのため、上記のようにピストン17を強制的に下動させた際に、コンロッド3の大端部3aでクランクピン4が回転方向に押されることにより、クランクシャフト1が従動回転しても構わない(以下、同様)。
また、図4(a)に示すように、第2の軸受メタル10のロアメタル10bが装着されず、アッパーメタル10aのみが装着されている場合でも、クランクピン4の中心Yが上死点Tから下死点Bに至るまでの範囲内では、クランクピン4の油穴14がコンロッド3の大端部3aの内側下方部によって塞がれ、エアの供給圧力が正常値から低下しないか或いは低下しにくい場合がある。
この場合も同様に、図4(a)に示すように、クランクピン4の中心Yが上死点Tから下死点Bに至るまでの範囲内でクランクシャフト1の回転を停止させた状態で、ピストン移動手段23によってピストン17を下方に押圧し、ピストン17を強制的に下動させる。これにより、図4(b)に示すように、コンロッド3の大端部3aは、第2の軸受メタル10のロアメタル10bがないため、ロアメタル10bに対応した隙間の分だけクランクピン4よりも回転方向Rに先行するように下降する。その結果、クランクピン4の下方部が、コンロッド3の大端部3aの内側下方部から離れて両者の間に隙間が形成され、クランクピン4の下方部に位置する油穴14が塞がれた状態が解除される。そのため、エア供給手段21から供給したエアが油穴14から漏れ出し、圧力測定手段22で測定するエアの供給圧力が正常値から大幅に低下する。
さらに、図示は省略するが、第2の軸受メタル10のアッパーメタル10aとロアメタル10bが共に装着されていない場合でも、クランクピン4の中心Yが上死点Tから下死点Bに至るまでの範囲内において、クランクピン4の下方部に位置する油穴14がコンロッド3の大端部3aの内側下方部によって塞がれ、エアの供給圧力が正常値から低下しないか或いは低下しにくいことがある。この場合でも、図4(a),(b)に示したように、ピストン移動手段23によってピストン17を強制的に下動させることで、同様にエアの供給圧力を正常値から大幅に低下させることができる。
したがって、本実施形態に係るエンジンの検査装置を用いてエンジンの検査をすれば、クランクピン4が上死点Tから下死点Bに至るまでの範囲内において、第2の軸受メタル10のアッパーメタル10aとロアメタル10bの少なくともいずれか一方が装着されていない場合に、エアの供給圧力の変化を正しく生じさせることができ、第2の軸受メタル10の装着の有無を精度よく検査することが可能となる。
また、第2の潤滑油路15がI穴のようにクランクピン4の外表面に油穴14を一つだけ有する場合には、第2の軸受メタル10が正しく装着されていないときでも、油穴14が不当に塞がれる事態が生じやすい。したがって、上述のエンジンの検査装置及び検査方法は、第2の潤滑油路15がクランクピン4の外表面に油穴14を一つだけ有するタイプのものである場合に特に有効である。
ここで、エンジンの検査工程では、ロアシリンダブロックなどが取り付けられていないのが通例であるため、ピストン移動手段23によって、ピストン17の上方を押圧する代わりに、ピストン17の下方を磁力や負圧で吸着しながら引き下げることで、ピストン17を下動させてもよい。
また、本実施形態において、ピストン移動手段23によってピストン17を下動させるタイミングの条件は、例えば、(1)第1の潤滑油路11と第2の潤滑油路15が連通している回転角度範囲内であること(図2(b)の状態)、(2)クランクピン4が上死点Tから下死点Bに至るまでの回転角度範囲内であること、(3)クランクピン4の油穴14が下方側(ロア側)にある回転角度範囲内であることである。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の形態で実施することができる。
上記の実施形態では、クランクピン4の中心Yが上死点Tから下死点Bに至るまでの範囲内でピストン17を下動させて、エアの供給圧力を測定する場合を説明したが、図5(a)及び(b)に示すように、クランクピン4の中心Yが下死点Bから上死点Tに至るまでの範囲内(クランクピン4の上昇範囲内)でピストン17を上動させて、エアの供給圧力を測定するようにしてもよい。
すなわち、クランクピン4の中心Yが下死点Bから上死点Tに至るまでの範囲内では、クランクピン4がコンロッド3の大端部3aを押し上げるため、図5(a)のように第2の軸受メタル10のアッパーメタル10aのみが装着されている場合には、クランクピン4がアッパーメタル10aに押し付けられる。その結果、クランクピン4の油穴14が上方部に位置していると、油穴14がアッパーメタル10aによって塞がれ、ロアメタル10bが装着されていないにもかかわらず、エアの供給圧力が正常値から低下しないか或いは低下しなくいという事態が生じ得る。
そこで、図5(b)に示すように、クランクピン4の中心Yが下死点Bから上死点Tに至るまでの範囲内でクランクシャフト1の回転を停止させた状態で、ピストン移動手段23によってピストン17を強制的に上動させる。これにより、図5(b)に示すように、コンロッド3の大端部3aは、第2の軸受メタル10のロアメタル10bがないため、ロアメタル10bに対応した隙間の分だけクランクピン4よりも回転方向Rに先行するように上昇する。その結果、クランクピン4の上方部が、第2の軸受メタル10のアッパーメタル10aから離れて両者の間に隙間が形成され、クランクピン4の上方部に位置する油穴14が塞がれた状態が解除される。そのため、エア供給手段21から供給したエアが油穴14から漏れ出し、圧力測定手段22で測定するエアの供給圧力を正常値から大幅に低下させることができる。もちろん、クランクピン4の中心Yが下死点Bから上死点Tに至るまでの範囲内で、第2の軸受メタル10のロアメタル10bのみが装着されていない場合や、アッパーメタル10aとロアメタル10bが装着されていない場合でも、クランクピン4の上方部に位置する油穴14が塞がれて、エアの供給圧力が低下しないことがあるが、ピストン移動手段23によってピストン17を上動させれば、エアの供給圧力を同様に低下させることができる。したがって、クランクピン4が下死点Bから上死点Tに至るまでの範囲内でも、第2の軸受メタル10のアッパーメタル10aとロアメタル10bの少なくともいずれか一方が装着されていない場合に、エアの供給圧力の変化を正しく生じさせることができ、第2の軸受メタル10の装着の有無を精度よく検査することが可能となる。
この場合、ピストン移動手段23によってピストン17を上動させるタイミングの条件は、例えば、(1)第1の潤滑油路11と第2の潤滑油路15が連通している回転角度範囲内であること、(2)クランクピン4が下死点Bから上死点Tに至るまでの回転角度範囲内であること、(3)クランクピン4の油穴14が上方側(アッパー側)にある回転角度範囲内であることである。
ピストン移動手段23でピストン17を上動させる方法としては、ピストン17を磁力や負圧で吸着して上昇させる方法や、ピストン17を下方から突き上げる方法などが挙げられる。
また、上記の実施形態では、第2の潤滑油路15がI穴の場合を説明したが、いわゆる、V穴やH穴であってもよい(例えば、特許3382867号明細書の図9、図10を参照)。
1 クランクシャフト
2 クランクジャーナル
3 コンロッド
4 クランクピン
5 クランクアーム
6 バランスウエイト
7 シリンダブロック
8 ベアリングキャップ
9 第1の軸受メタル
9a アッパーメタル
9b ロアメタル
10 第2の軸受メタル
10a アッパーメタル
10b ロアメタル
11 第1の潤滑油路
12 貫通穴
13,14 油穴
15 第2の潤滑油路
16 油溝
17 ピストン
18 ピストンピン
21 エア供給手段
22 圧力測定手段
23 ピストン移動手段

Claims (2)

  1. コンロッドの一端部がピストンに連結され、前記コンロッドの他端部がクランクシャフトのクランクピンに連結されたエンジンにおいて、前記クランクシャフトに設けられ、前記クランクピンの外周面に開口した潤滑油路にエアを供給し、前記エアの供給圧力に基づいて前記コンロッドと前記クランクピンの間に配置される軸受メタルの装着の有無を検査する方法であって、
    前記供給圧力の測定時に、前記クランクシャフトの回転を停止させた状態で、前記コンロッドの他端部が前記クランクピンの回転方向に移動するように、前記ピストンを上動又は下動させることを特徴とするエンジンの検査方法。
  2. コンロッドの一端部がピストンに連結され、前記コンロッドの他端部がクランクシャフトのクランクピンに連結されたエンジンにおいて、前記コンロッドと前記クランクピンの間に配置される軸受メタルの装着の有無を検査する装置であって、
    前記クランクシャフトに設けられ、前記クランクピンの外周面に開口した潤滑油路にエアを供給するエア供給手段と、
    前記エアの供給圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記クランクシャフトの回転を停止させた状態で、前記コンロッドの他端部が前記クランクピンの回転方向に移動するように、前記ピストンを上動又は下動させるピストン移動手段とを備えていることを特徴とするエンジンの検査装置。
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