JP6213280B2 - 樹脂組成物およびそれよりなる発泡体 - Google Patents

樹脂組成物およびそれよりなる発泡体 Download PDF

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本発明は、酸素吸収性を有する樹脂組成物及びそれを用いた酸素吸収性を有する発泡体に関する。本発明で提供する該樹脂組成物、及び該発泡体は、食品、薬剤、医薬品、化粧品、電子部品等の酸化防止を目的とした包装材、酸素吸収性容器、酸素吸収性を有する容器栓、容器蓋、或いはパッキンの材料として有用である。
包装容器には軽量で成形性に優れるプラスチック容器が利用されているが、金属容器、或いはガラス容器に比べ、酸素バリア性に劣っている。このような問題を解決するため、酸素バリア性のフィルム、金属蒸着したフィルム、無機物を蒸着したフィルム等が利用されている。一方、これらの酸素バリア性樹脂、或いはフィルムを用いて酸素が包装された内容物、或いは容器中に侵入しないようにする方法とは別に、酸素吸収性を有する樹脂を用いる方法が知られている。該樹脂は、熱可塑性樹脂に酸素吸収剤を配合し、溶融混練によって該酸素吸収剤を該樹脂中に均一分散させた後、容器、フィルム、パッキン等、所望の形状に成形して利用される。酸化セリウムを含んだ酸素吸収性のフィルムの両面に樹脂フィルムを積層した酸素吸収性フィルム(例えば、特許文献1)、或いは線状低密度ポリエチレンと鉄系酸素吸収材からなる組成物をフィルム化して熱可塑性樹脂の発泡体と積層したパッキン(例えば、特許文献2)が提案されている。
しかしながら、特許文献1で開示されている酸素吸収性樹脂組成物中の酸化セリウムは50重量%よりも多く、このような大量の酸化セリウムを添加すると樹脂の流動性が低下して溶融成形が難しくなり、用いる樹脂が制限され、そのMFRが8g/10分を超えていることが必要となる。このような高MFRの樹脂を単独で溶融加工すると溶融粘度(MV)、及び溶融張力(MS)が小さいため製膜が難しいため、酸素吸収性樹脂組成物をフィルム化する際には、該酸素吸収性樹脂層の両面を他の樹脂で保護した3層構造のフィルムとして製膜する必要があり、該酸素吸収性樹脂のみを単独でフィルム化することは難しいという問題があった。また、特許文献2にはクッション性と弾性を有する酸素吸収性のパッキンを得る方法が開示されているが、この技術は酸素吸収性の無い発泡体層とクッション性のない酸素吸収性フィルムを熱、或いは接着によりラミネートさせる方法であり、該酸素吸収性樹脂自体にクッション性を付与することは難しかった。
クッション性がある酸素吸収性樹脂は、各種容器のパッキン、蓋内部のはめ込むシール材、栓等に利用することで、容器内の酸素を吸収するだけでなく、容器の密封性を高め、容器内部への酸素の侵入も防止できること、発泡体はシート、或いはフィルムに対して酸素の透過性が高いため、酸素吸収性にも優れること、が期待される。しかしながら、上記のように、従来技術では酸素吸収性樹脂自体が押出加工しにくい材料であったため、該酸素吸収性樹脂を単独で成形してシート状発泡体を得るのは難しいという問題があった。一方、前述の用途においては製造時の品質をより長期に維持することが必要となってきており、材料コスト低減、及び廃棄物の減量等の環境対策の観点からも、より軽量で、酸素吸収性、及びクッション性にも優れた酸素吸収性樹脂成型体が求められていた。
特開2012−158125号公報 特許第4370630号公報
本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであり、軽量でクッション性を有し、かつ優れた酸素吸収性を有する樹脂組成物、およびその発泡体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、(1)特定の高圧法低密度ポリエチレンが、溶融押出加工中に、そのMVが著しく上昇すること、(2)酸素吸収剤を大量に添加しても組成物を押出機に投入した時点では、該組成物のMV、及びMSが低く押出負荷が小さいこと、(3)押出機出口付近では該樹脂組成物のMV、及びMSが押出加工、及び発泡に適した値まで上昇すること、及び(4)該高圧法低密度ポリエチレンに化学発泡剤を添加すれば、押出発泡が可能となり、軽量、かつクッション性を有する酸素吸収性発泡体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ビニリデン基量(Vd)が1.2個/10C以上2.1個/10C以下であり、メルトフローレート(MFR)(測定条件:190℃、2.16kg荷重)が0.1g/10分以上6.0g/10分以下である高圧法低密度ポリエチレン、酸素吸収性剤及び化学発泡剤を含む樹脂組成物、該高圧法低密度ポリエチレンの溶融張力(測定条件:温度190℃、引取速度0.5m/分)が50mN以上200mN以下である該樹脂組成物、該樹脂組成物からなる発泡体、及び該樹脂組成物を押出機に供給して加熱溶融混練し、低圧域に押出して発泡させることを特徴とする該発泡体の製造方法に関するものである。
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレンのビニリデン基量は1.2個/10C以上2.1個/10C以下であり、好ましくは1.3個/10C以上1.9個/10C以下であり、更に好ましくは1.5個/10C以上1.8個/10C以下である。ビニリデン基量が1.2個/10C未満、又は2.1個/10Cを超えると、何れも発泡倍率が低下するため好ましくない。
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレンのMFRは0.1g/10分以上6.0g/10分以下であり、好ましくは0.5g/10分以上5.0g/10分以下、更に好ましくは1.0g/10分以上5.0g/以下である。0.1g/10分未満、又は6.0g/10分を超えると、何れも発泡倍率が低下するため好ましくない。
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレンの溶融張力(測定条件:温度190℃、引取速度0.5m/分)は50mN以上200mN以下が好ましく、好ましくは60mN以上180mN以下、更に好ましくは70mN以上160mNである。溶融張力がこの範囲内にあると、発泡倍率が高くなるため好ましい。
本発明の高圧法低密度ポリエチレンの分子量分布は特に制限されないが、押出加工性の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で定義される分散度(Q)=Mw/Mnが7以上12以下が好ましく、更に好ましくは8以上11以下である。
本発明の高圧法低密度ポリエチレンの製造はラジカル重合開始剤の存在下で、溶媒の存在下あるいは不存在下において、必要に応じて主に分子量調節を目的に連鎖移動剤を添加して、高圧圧縮機を備えた連続式のベッセル型、或いはチューブラー型高圧法ポリエチレン製造装置により製造できるが、重合装置としては反応器内部の温度分布を制御し易いベッセル型重合装置が好適に用いられる。本発明の低密度ポリエチレンは、エチレン流量、エチレンガス温度、ラジカル開始剤量の最適化により反応器入口と出口の間に、必要に応じて予め設定した温度勾配を生じさせると同時に、この温度勾配の大きさに応じた最適な反応圧力を設定することにより容易かつ効率的に製造出来る。具体的には、本発明の低密度ポリエチレンは、反応器内の平均反応温度を出来る限り高温にしてビニリデン基量を高め、同時に、MFRを可能な限り低下させるため、高分子量成分を生成する低温領域を同一反応器内に設けて、反応器内部に温度勾配を生じさせた上で、所望のビニリデン基量とMFRとなるように、反応圧力、及び反応器内部に供給するエチレンの温度を最適化することで容易、かつ効率的に製造することが出来る。
重合圧力としては100MPa以上400MPa以下、好ましくは150MPa以上190MPa以下が用いられる。この圧力の範囲内であれば、ビニリデン基量が高く、かつMFRが低い低密度ポリエチレンを得ることが出来るため好ましい。
反応温度としては100℃以上330℃以下、好ましくは200℃以上280℃以下が用いられる。反応器内部の最高温度と最低温度の差は10℃以上200℃以下、好ましくは13℃以上100℃以下の条件が用いられる。反応器の温度が100℃以上であり、かつ反応器上部と下部の温度差が上記の範囲内であれば、ビニリデン基量が高く、かつMFRが低い低密度ポリエチレンを得ることが出来るため好ましい。
反応器に供給するエチレンの供給量と温度は、反応圧力、反応温度に依存し、所望のビニリデン基量とMFRとするため、適宜変更され、エチレン供給量は生産速度に応じても適宜変更し得る。エチレン供給量としては10kg/h以上30kg/h以下が用いられ、エチレンの温度は10℃以上100℃以下が用いられる。エチレン供給量が10kg/h以上であり、エチレン温度が10℃以上であれば、低密度ポリエチレンが経済性に優れた生産速度で製造出来るため好ましい。
ラジカル重合開始剤としては例えば酸素、過酸化水素、ジエチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシピバレート等を用いることが出来るが、反応温度に応じて最適な分解温度の開始剤を選定出来る。本発明で用いる開始剤の量は、開始剤の種類、反応器内部の温度、高圧反応器へ導入するエチレン流量、及びエチレンの温度に合わせ適宜調整されるため、厳密に特定の範囲に限定し得るものではないが、一般的には1〜25kg/hである。
連鎖移動剤は主に分子量の増大を抑える目的で使用でき、また二重結合量を増加させる目的でも使用できる。連鎖移動剤の例としてはエタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン等のオレフィン化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド化合物、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレンの造粒方法に特に制限はなく、一般的に用いられている公知の方法を用いることができる。造粒方法の例としてストランドカット、アンダーウォーターカット等が例示される。本発明で用いる造粒機の押出機内のスクリューは溶融樹脂に強いせん断力がかからず、樹脂がせん断発熱しにくいニーディングゾーンの無いシングルフライト型スクリューを備えた一軸押出機を用いるのが好ましい。
本発明で用いる酸素吸収剤としては鉄、酸化セリウム等の金属化合物、アスコルビン酸及びその誘導体、システイン、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、及び、没食子酸プロピル 、没食子酸エピガロカテキン等の没食子酸誘導体が例示され、塩化鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、ステアリン酸鉄、トリス(2,4−ペンタンジオナト)鉄、硫酸銅、硫酸マンガン等の遷移金属化合物を併用できる。必要に応じてポルフィリン金属錯体、或いはフタロシアニン錯体等の金属錯体を触媒として添加してもよく、また、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩を助剤として添加出来る。
本発明で用いる酸素吸収剤の量は、高圧法低密度ポリエチレン100重量部に対して、30重量部以上100重量部以下が好ましく、更に好ましくは40重量部以上90重量部以下、最も好ましくは50重量部以上80重量部以下である。該酸素吸収剤の量がこの範囲にあれば、発泡性、酸素吸収性、成形性に優れているため好ましい。
本発明で用いる化学発泡剤としては、分解温度が150℃〜240℃のものを用いるのが好ましく、このような化学発泡剤としてアゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、等を例示することが出来る。
また、化学発泡剤の助剤を用いることができ、該助剤としてはサリチル酸、ステアリン酸、フタル酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、エチレングリコール、グリセリン、エタノールアミン、尿素、尿素誘導体、メラミン、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛、酸化亜鉛等が例示される。該助剤の添加量は化学発泡剤1重量部に対して0.0002重量部以上0.8重量部以下が好ましく、更に好ましくは0.0003重量部以上0.6重量部以下、最も好ましくは0.0005重量部以上0.4重量部である。該助剤の添加量がこの範囲内に有れば、高い発泡倍率となるため好ましい。
本発明で用いる化学発泡剤の添加量は、製造しようとする発泡体の厚みにより適宜変更する必要があるが、高圧法低密度ポリエチレン100重量部に対して、0.1重量部以上15重量部以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5重量部以上10重量部であり、最も好ましくは0.5重量部以上5重量部以下である。該発泡剤の添加量がこの範囲に有れば、発泡性に優れた組成物となるため好ましい。
また、本発明では均一かつ微細なセル構造を形成させるために発泡核剤を利用することが出来る。発泡核剤としては、ナイロン粉末やテフロン(登録商標)粉末、アゾジカルボンアミドおよびタルク、窒化ホウ素、シリカなどが例示される。発泡核剤の配合量は、高圧法低密度ポリエチレン100重量部に対して、0.02〜3.0重量部、好ましくは0.1〜1.5重量部が好ましい。添加量がこの範囲に有れば均一で微細なセル構造が形成されるため好ましい。
本発明の樹脂組成物のブレンド物を製造する方法としては、樹脂を溶融させて行うメルトブレンド、及び樹脂を溶融させずペレットとその他の添加剤をブレンドするドライブレンドが例示される。ドライブレンドを用いる場合は、V型ブレンダー、リボンミキサー、ヘンシェルミキサー、タンブラー等を用いて室温〜100℃以下で行うのが好ましく、更に好ましくは室温〜80℃で行い、最も好ましくは室温〜60℃で行う。
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレンは既に述べたように、溶融加工時のMV及びMSの変化が大きいため、メルトブレンドを行う場合、単軸、或いは2軸の押出機を使用して、該ポリエチレンが溶融する限り出来る限り低温、即ち120℃以上200℃以下で行うことが好ましく、更に、用いる化学発泡剤の分解温度(150℃〜220℃)以下で行うのが好ましい。従い、メルトブレンドの温度としては、120℃以上150〜220℃以下が好ましく、更に好ましくは120℃以上160℃以下、最も好ましくは120℃以上150℃以下である。ブレンド温度がこの範囲内に有れば、高圧法低密度ポリエチレンのMV、及びMSの変化が小さく、化学発泡剤が無駄に分解することを防ぐことが出来るため好ましい。
本発明の樹脂組成物からなる発泡体の製造方法としては、発泡体が得られる限りいかなる方法を用いてもよい。例えば、本発明の樹脂組成物、及び、タルク等の気泡調整剤、収縮防止剤等を必要に応じて添加して押出機に供給し、加熱溶融、混練した後、押出樹脂温度、押出ダイ内部圧力、吐出量等を調整して、押出機先端のダイから低圧域に押出して発泡させる押出発泡法を用いることが出来る。この方法では、必要とされる発泡体の形状に応じ、押出機先端に取付けるダイを選択することが可能であり、ストランドダイ、環状ダイ、及びスリットダイを用いた場合、それぞれ丸棒状、シート状、板状の発泡体を製造できる。押出発泡における加工温度は高圧法低密度ポリエチレンの融点以上で、かつ、化学発泡剤の分解温度以上であれば、何ら制限されず、150℃以上250℃とするのが好ましく、更に好ましくは150℃以上220℃であり、最も好ましくは180℃以上220℃である。
本発明の樹脂組成物には、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、核剤、顔料、タッキファイヤー、カーボンブラック、タルク、ガラス粉、ガラス繊維等の無機充填剤または補強剤、有機充填剤または補強剤、難燃剤、中性子遮蔽剤等の公知の添加剤を配合することができる。また、他の熱可塑性樹脂と混合して用いることもできる。これらの例として、粘着付与樹脂、ワックス、HDPE、L−LDPE、LDPE、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、これらの無水マレイン酸グラフト物等を例示することができる。
軽量でクッション性を有し、優れた酸素吸収性を有する樹脂組成物、およびその発泡体を提供出来る。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。
以下に、実施例および比較例で用いた測定方法を示す。
(1)ビニリデン基量
樹脂を窒素下、150℃、2分間プレスを行って厚み200μmのフィルムを作製し、パーキンエルマー社製Spectrum One赤外分光光度計を用い、ビニリデン基の特性吸収ピーク888cm−1を用いて定量分析し、炭素原子10000個当たりのビニリデン基の個数(個/10C)を求めた。
(2)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(3)メルトフローレート(MFR)
JIS K6922−1に準拠して測定した。
(4)溶融張力(MS)
設定温度23℃の恒温室内で、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、製品名:キャピログラフ)を用いて、長さ8mm、直径2.095φ、流入角90℃のフラットダイを使用し、温度190℃で、樹脂を18g充填し、ピストン降下速度10mm/分、引取速度0.5mで引取った際に必要な張力を溶融張力とした。
(5)メルトフローレート(MFR)
JIS K6922−1に準拠して測定した。
(6)ドライブレンド(A法)
誠和鉄工所製のタンブラーブレンダ―、型式SD−25を用いて、ブレンド時間を20分としてドライブレンドした。
(7)押出発泡シートの製造
単軸押出機(スクリュー径50mmφ、L/D=36、共伸機械製)に、樹脂組成物を15kg/時で供給し、溶融混練し、130℃に設定したスリットダイ(幅500mm)からシート状の発泡体を押出した。
(8)発泡倍率
押出発泡シートから、幅5cm×長さ5cm×厚さ1.5cmの発泡体を切り出し、重量W(g)を測定し、JIS K 6767に準拠して、次式で見掛密度を算出した。
見掛密度(g/cm)=W/(5×5×1.5)
発泡倍率は、この見掛密度より、 発泡倍率=1/見掛密度により求めた。
(9)発泡シート性状
押出発泡シートの外観、および断面における気泡の状態を目視で評価し、○:表面が平滑で均一な気泡状態、×:表面の平滑性にはかかわらず気泡状態が不均一、と2段階で評価した。
(10)発泡成形体の独立気泡率
発泡成形体の独立気泡率(S)(%)は、ASTM D2856−70に記載の手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型を使用して測定される発泡体の実容積(独立気泡の容積と樹脂部分の容積との和)V(L)、測定に使用した発泡体試験片の外寸法から計算される見掛け容積V(L)、試験片の重量W(g)、試験片を構成する樹脂の密度ρ (g/L)を用い、下記式により算出した。
S(%)=(V−V)×100/(V−W/ρ)
尚、試験片を構成する樹脂の密度ρ(g/L)及び試験片の重量W(g)は、発泡体試験片を加熱プレスにより気泡を脱泡させてから冷却する操作を行い、得られた試験片から求めることができる。
(11)酸素吸収能力(酸素吸収量)
内容積85cmのスチール箔積層カップに、体積が27cmとなるように切り出した発泡体シートを入れてヒートシールして密閉し、23℃雰囲気下にて、7日間保管し、島津製作所製GC−3BTを用いて、カップ内の酸素濃度を測定し、発泡体の単位表面積当たりの酸素吸収量(cc/cm)を算出した。
合成例1
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン22.4kg/hを温度25℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド13.8g/hを添加し、圧力180MPa、反応器上部の温度257℃、反応器下部の温度277℃で連続的に重合し、密度918kg/m、ビニリデン基量1.9個/10C、MFR5.2g/10分、MS71mNの高圧法低密度ポリエチレンA1を得た。
合成例2
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン22.1kg/hを温度33℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド17.5g/hを添加し、圧力164MPa、反応器上部の温度250℃、反応器下部の温度271℃で連続的に重合し、密度918kg/m、ビニリデン基量1.2個/10C、MFR4.0g/10分、MS113mNの低密度ポリエチレンA2を得た。
合成例3
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン23.4kg/hを温度35℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド7.3g/hを添加し、圧力185MPa、反応器上部の温度262℃、反応器下部の温度265℃で連続的に重合し、密度918kg/m、ビニリデン基量1.5個/10C、MFR11.0g/10分、MS3mNの低密度ポリエチレンA3を得た。
合成例4
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン22.6kg/hを温度33℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド10.3g/hを添加し、圧力190MPa、反応器上部の温度261℃、反応器下部の温度265℃で連続的に重合し、密度918kg/m、ビニリデン基量1.5個/10C、MFR7.1g/10分、MS7mNの低密度ポリエチレンA4を得た。
合成例5
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン24.2kg/hを温度34℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド11.1g/hを添加し、圧力156MPa、反応器上部の温度258℃、反応器下部の温度263℃で連続的に重合し、密度919kg/m、ビニリデン基量1.3個/10C、MFR9.1g/10分、MS9mNの低密度ポリエチレンA5を得た。
合成例6
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン21.1kg/hを温度36℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド15.3g/hを添加し、圧力162MPa、反応器上部の温度230℃、反応器下部の温度242℃で連続的に重合し、密度920kg/m、ビニリデン基量1.1個/10C、MFR7.8g/10分、MS11mNの低密度ポリエチレンA6を得た。
合成例7
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン19.2kg/hを温度35℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド8.9g/hを添加し、圧力84MPa、反応器上部の温度228℃、反応器下部の温度243℃で連続的に重合し、密度922kg/m、ビニリデン基量0.8個/10C、MFR3.9g/10分、MS31mNの低密度ポリエチレンA7を得た。
実施例1
合成例1で得られた高圧法低密度ポリエチレン(A1)100重量部に対して、酸化セリウムを100重量部、4,4‘−オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド1.3重量部、炭酸カリウム0.3重量部、発泡核剤(永和化成製、EE275F)0.3重量部を添加し、室温でドライブレンドした後、押出機を用いて発泡シートを成形した。得られた発泡シートはクッション性があり、優れた酸素吸収性能を示した。
実施例2
酸素吸収剤の酸化セリウム100重量部をアスコルビン酸60重量部と2−アミノ−3−スルファニルプロピオン酸40重量部とした以外は実施例1と同様の手法で、柔軟でクッション性優れ、酸素吸収性能にも優れた発泡シートを得た。評価結果を表1に示す。
実施例3
酸素吸収剤の酸化セリウムを3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸とした以外は実施例1と同様の手法で、柔軟でクッション性優れ、酸素吸収性能にも優れた発泡シートを得た。評価結果を表1に示す。
実施例4、5
酸素吸収剤の酸化セリウムの添加量を70〜80重量部とし、高圧法低密度ポリエチレンとしてA2を用いた以外は実施例1と同様の手法で、柔軟でクッション性優れ、酸素吸収性能にも優れた発泡シートを得た。評価結果を表1に示す。
比較例1
高圧法低密度ポリエチレンとしてA3を用いた以外は実施例1と同様の手法で、発泡シートを得た。評価結果を表1に示すが、発泡倍率、及び独立気泡率が小さく、柔軟性とシート外観に劣っており、酸素吸収能力も低いものであった。
比較例2〜5
高圧法低密度ポリエチレンとしてA4〜A7を用いた以外は実施例2〜5と同量の酸素吸収剤を用いて、押出発泡法によりシートを得た。評価結果を表1に示すが、発泡倍率、及び独立気泡率が小さく、柔軟性とシート外観に劣っており、酸素吸収能力も低いものであった。
Figure 0006213280

Claims (4)

  1. ビニリデン基量(Vd)が1.2個/10C以上2.1個/10C以下であり、メルトフローレート(MFR)(測定条件:190℃、2.16kg荷重)が0.1g/10分以上6.0g/10分以下である高圧法低密度ポリエチレン、酸素吸収剤及び化学発泡剤を含む樹脂組成物。
  2. 高圧法低密度ポリエチレンの溶融張力(測定条件:温度190℃、引取速度0.5m/分)が50mN以上200mN以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物からなる発泡体
  4. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を押出機に供給して加熱溶融混練し、低圧域に押出して発泡させることを特徴とする請求項3に記載の発泡体の製造方法。
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