JP6326774B2 - プロピレン重合体組成物 - Google Patents
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Description
本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレンのMFRは0.1g/10分以上6.0g/10分以下であり、好ましくは0.5g/10分以上5.0g/10分以下、更に好ましくは1.0g/10分以上5.0g/以下である。0.1g/10分未満では成形時の樹脂の流動性が低下し、また、6.0g/10分を超えると発泡倍率、及び、独立気泡率が低下するため好ましくない。
具体的には、本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレンは、反応器内の平均反応温度を出来る限り高温にしてビニリデン基量を高め、同時に、MFRを可能な限り低下させるため、高分子量成分を生成する低温領域を同一反応器内に設けて、反応器内部に温度勾配を生じさせた上で、所望のビニリデン基量とMFRとなるように、反応圧力、及び反応器内部に供給するエチレンの温度を最適化することで容易、かつ効率的に製造することが出来る。
重合圧力としては100MPa以上400MPa以下、好ましくは150MPa以上190MPa以下が用いられる。この圧力の範囲内であれば、ビニリデン基量が高く、かつMFRが低い高圧法低密度ポリエチレンを得ることが出来るため好ましい。
(1)ビニリデン基量
樹脂を窒素下、150℃、2分間プレスを行って厚み200μmのフィルムを作製し、パーキンエルマー社製Spectrum One赤外分光光度計を用い、ビニリデン基の特性吸収ピーク888cm−1を用いて定量分析し、炭素原子10000個当たりのビニリデン基の個数(個/104C)を求めた。
(2)分子量分布
東ソー(株)製HLC−8121GPC/HTに、カラムTSKgel GMHhr−H(20)HTを3本連結し、カラム温度140℃、溶剤1,2,4−トリクロロベンゼン、
サンプル濃度1.0mL/1mL、注入量0.3mLの条件で測定を行い、直鎖ポリエ
チレンに換算した数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)から分散度Qを算出
した。
(3)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(4)メルトフローレート(MFR)
JIS K6922−1に準拠して測定した。
(5)溶融張力(MS)
設定温度23℃の恒温室内で、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、製品名:キャピログラフ)を用いて、長さ8mm、直径2.095φ、流入角90℃のフラットダイを使用し、温度190℃で、樹脂を18g充填し、ピストン降下速度10mm/分、引取速度0.5mで引取った際に必要な張力を溶融張力とした。
(6)発泡倍率
プロピレン重合体樹脂組成物を使用して押出発泡成形された発泡成形体から、直径5cm×長さ10cmの円筒状の発泡体を切り出し、重量W1(g)を測定し、JIS K6767に準拠して、次式で見掛密度を算出した。
発泡倍率は、この見掛密度より、次式で求めた。
〔発泡成形体の気泡形状〕
プロピレン重合体樹脂組成物を使用して押出発泡成形された発泡成形体の外観、および断面における気泡の状態を顕微鏡で観察し、発泡体が、概して、円滑な表面を有し、独立気泡からなる場合には○、発泡体が、概して、外観が凹凸で、連続気泡からなる場合には×と2段階法により評価した。
プロピレン重合体樹脂組成物を使用して成形された発泡成形体の独立気泡率(S)(%)は、ASTM D2856−70に記載の手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型を使用して測定される発泡体の実容積(独立気泡の容積と樹脂部分の容積との和)Vx(L)、測定に使用した発泡体試験片の外寸法から計算される見掛け容積Va(L)、試験片の重量W2(g)、試験片を構成する樹脂の密度ρ (g/L)を用い、下記式により算出した。
尚、試験片を構成する樹脂の密度ρ(g/L)及び試験片の重量W2(g)は、発泡体試験片を加熱プレスにより気泡を脱泡させてから冷却する操作を行い、得られた試験片から求めることができる。
プロピレン重合体樹脂組成物を使用して押出発泡成形された発泡成形体を手で引裂いた際の引裂け難易度により、容易に引裂けない場合には○、容易に引裂ける場合には×、両者の中間程度の引裂け易さを△とし、3段階法により評価した。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−1)の製造]
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン22.1kg/hを温度33℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド17.5g/hを添加し、圧力164MPa、反応器上部の温度250℃、反応器下部の温度271℃で連続的に重合して密度は918.0kg/m3、ビニリデン基量1.21個/104C、Q10.5、MFR4.0g/10分、MS89mNの高圧法低密度ポリエチレン(B−1)を得た。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−2)の製造]
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン22.8kg/hを温度35℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド13.8g/hを添加し、圧力180MPa、反応器上部の温度257℃、反応器下部の温度277℃で連続的に重合して密度918.3kg/m3、ビニリデン基量1.52個/104C、Q10.5、MFR2.8g/10分、MS113mNの高圧法低密度ポリエチレン(B−2)を得た。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−3)の製造]
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン21.1kg/hを温度33℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド13.6g/hを添加し、圧力180MPa、反応器上部の温度257℃、反応器下部の温度278℃で連続的に重合して密度917.9kg/m3、ビニリデン基量1.63個/104C、Q10.7、MFR4.8g/10分、MS77mNの高圧法低密度ポリエチレン(B−3)を得た。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−4)の製造]
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン23.4kg/hを温度33℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド7.3g/hを添加し、圧力185MPa、反応器上部の温度262℃、反応器下部の温度265℃で連続的に重合して密度918.3kg/m3、ビニリデン基量1.50個/104C、Q8.3、MFR11.0g/10分、MS47mNの高圧法低密度ポリエチレン(B−4)を得た。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−5)の製造]
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン20.1kg/hを温度36℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド8.4g/hを添加し、圧力162MPa、反応器上部の温度231℃、反応器下部の温度247℃で連続的に重合して密度924.6kg/m3、ビニリデン基量0.70個/104C、Q7.6、MFR3.8g/10分、MS29mNの高圧法低密度ポリエチレン(B−5)を得た。
[高圧法低密度ポリエチレン(B−6)の製造]
ベッセル型反応器に往復型高圧圧縮機で圧縮したエチレン24.0kg/hを温度29℃で圧入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキサイド10.9g/hを添加し、圧力183MPa、反応器上部の温度256℃、反応器下部の温度264℃で連続的に重合して密度919.2kg/m3、ビニリデン基量1.10個/104C、Q9.8、MFR1.7g/10分、MS132mNの高圧法低密度ポリエチレン(B−6)を得た。
[プロピレン重合体組成物の製造]
プロピレン重合体(日本ポリプロ(株)製 商品名FX4E、密度900kg/m3、MFR5g/10分)と合成例1で得られたLDPE(B−1)を70:30(重量%)でドライブレンド後、バレルの温度をC1;180℃、C2;200℃、C3;220℃、ダイヘッド;220℃としたプラコー社製50mm径単軸押出機を用いて溶融混合して、プロピレン重合体樹脂組成物を調製した。
[プロピレン重合体組成物の押出発泡成形体の製造]
プロピレン重合体組成物100重量部に対し、発泡核剤として平均粒径8μmのタルクを0.7重量部の割合で含有する発泡成形用プロピレン重合体組成物をメルトブレンドにより調製した。バレルの途中に揮発性液体注入用のバレル孔を有する単軸押出機(スクリュー径50mmφ、L/D=36、共伸機械製)の発泡成形用押出設備を用い、発泡成形用プロピレン重合体樹脂組成物を10kg/時で供給し、溶融混練を行った。さらに、揮発性液体であるブタンを700g/時でバレル孔から圧入して、該ブタンを分散させ、発泡成形体表面に凹凸が発生しない最低の樹脂温度である160℃に設定した丸棒用ダイ(径13mmφ)により棒状の発泡成形体を押出した。該棒状発泡成形体の外側に空気を吹き付け5.0m/分で引き取り、発泡成形体を得た。
実施例1において、高圧法低密度ポリエチレンとして(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様に、プロピレン重合体組成物の押出発泡成形を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、高圧法低密度ポリエチレンとして(B−3)を用いた以外は、実施例1と同様に、プロピレン重合体組成物の押出発泡成形を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、高圧法低密度ポリエチレン/プロピレン重合体配合比を20:80(重量%)に変えたこと以外は、実施例1と同様に、プロピレン重合体組成物の押出発泡成形を行った。評価結果を表1に示す。
実施例5〜10
実施例1で用いたプロピレン重合体、及び高圧法低密度ポリエチレンとして合成例1〜3で製造した(B−1)、(B−2)及び(B−3)を表1に示した配合比率でブレンドしたものを用いて、実施例1と同様に、プロピレン重合体組成物の押出発泡成形を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1において、高圧法低密度ポリエチレンとして合成例4で得られた(B−4)を用いた以外は、実施例1と同様に、プロピレン重合体組成物の押出発泡成形を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1で用いたプロピレン重合体、及び高圧法低密度ポリエチレンとして合成例4〜6で製造した(B−4)、(B−5)及び(B−6)を表1に示した配合比率でブレンドしたものを用いて、実施例1と同様に、プロピレン重合体組成物の押出発泡成形を行った。評価結果を表1に示す。
Claims (2)
- プロピレン重合体100重量部に対し、ビニリデン基量(Vd)が1.2個/104C以上2.1個/104C以下であり、メルトフローレート(MFR)(測定条件:190℃、2.16kg荷重)が0.1g/10分以上6.0g/10分以下である高圧法低密度ポリエチレン1〜100重量部含むことを特徴とするプロピレン重合体組成物よりなる発泡成形体。
- 高圧法低密度ポリエチレンの溶融張力(測定条件:温度190℃、引取速度0.5m/分)が50mN以上200mN以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体。
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