JP6212816B2 - 分電盤 - Google Patents

分電盤 Download PDF

Info

Publication number
JP6212816B2
JP6212816B2 JP2013135105A JP2013135105A JP6212816B2 JP 6212816 B2 JP6212816 B2 JP 6212816B2 JP 2013135105 A JP2013135105 A JP 2013135105A JP 2013135105 A JP2013135105 A JP 2013135105A JP 6212816 B2 JP6212816 B2 JP 6212816B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bus bar
distribution board
duct
casing
breaker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013135105A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015012660A (ja
Inventor
智徳 田中
智徳 田中
Original Assignee
内外電機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 内外電機株式会社 filed Critical 内外電機株式会社
Priority to JP2013135105A priority Critical patent/JP6212816B2/ja
Publication of JP2015012660A publication Critical patent/JP2015012660A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6212816B2 publication Critical patent/JP6212816B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Distribution Board (AREA)

Description

本発明は分電盤に関し、特に住宅用途に好適な分電盤に関する。
分電盤は、基台に立設された母線バー支持部材に単相三線に対応した三本の母線バーが高さ方向に離隔するように支持され、母線バーに接続された複数の分岐ブレーカが母線バーの長手方向に配列されるようにケーシングに収容されている。さらに、主幹ブレーカを備えた分電盤では、主幹ブレーカと母線バーとが渡りバーを介して電気的に接続されている。
正常使用状態で電圧が印加される充電部として機能する母線バーは、各分岐ブレーカから負荷への給電によって発熱するため、環境温度との温度差が所定温度を超えないように安全上の規格が定められている。
大型の分電盤では盤内に十分な放熱用の空間が確保され、母線バーも放熱面積を確保し易い十分な長さに構成されているため、母線バーの発熱はさほど問題とはならない。
しかし、小型化の要請が強い住宅用分電盤では、盤内に十分な放熱用の空間が確保できず、また母線バーの長さも制限されるようになり、発熱した母線バーを如何に放熱させるかが大きな問題となっている。
特に、一端面から母線バーに差込接続されるプラグイン式の分岐ブレーカを用いる住宅用分電盤では、母線バーの表裏両面が分岐ブレーカの接続部、つまりプラグイン端子部によって覆われてしまうため、母線バーとネジを用いて電気的に接続する従来の分岐ブレーカを用いた分電盤に比べて、母線バーの放熱面積が小さくなり十分な放熱特性が得られ難くなっている。
尚、主幹ブレーカの容量が同一である場合に、分岐数が多い住宅用分電盤では母線バーが長くなり比較的放熱面積を確保し易いのであるが、分岐数が少ない住宅用分電盤では分岐ブレーカ1個当たりの電流容量が増加するうえに母線バーの長さが短くなり放熱性が著しく低下する。
このような問題を解決するために、特許文献1には、母線バーの幅方向中央部で厚みを増して電気抵抗を小さくして、母線バーの発熱量を抑制する構成が開示されている。
また、特許文献2には、主幹ブレーカと母線バーとを接続する渡りバーに放熱表面積を増加させる放熱用延長部を形成して、母線バーに変更を加えることなく充電部の放熱性を高める構成が開示されている。
特開平10−248120号公報 特開2009−195020号公報
しかし、特許文献1に記載された構成を採用すると、母線バーの断面形状がシンプルな矩形から複雑な形状に変化するため、安価な汎用の板材を用いることができず、特殊な断面形状の成型材料を用いたり、厚手の板材や無垢材を切削加工したりする必要があり、部品コストの上昇を招き、場合によっては部材の加工性にも難を生じるという問題があった。
特許文献2に記載された構成を採用すると、放熱面積を確保するために渡りバーの長さを延長すると、それだけ分電盤全体の寸法が大きくなるため、分電盤に対する小型化の要請に反することになるという問題があった。
本発明の目的は、上述した従来の問題点に鑑み、特殊な断面形状の母線バーを用いたり意図的に充電部の放熱面積を広げたりすることなく、小型で放熱性に優れた分電盤を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による分電盤の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、基台に立設された母線バー支持部材に単相三線に対応した三本の母線バーが高さ方向に離隔するように支持され、前記母線バーに接続された複数の分岐ブレーカが前記母線バーの長手方向に配列されるようにケーシングに収容されている分電盤であって、前記母線バー周辺の雰囲気が滞留することなく、前記母線バーに沿って一端から外気である空気が通流し他端から流出する開放通風路が形成されている点にある。
上述の構成によれば、充電部である母線バーの発熱が、母線バーの長手方向に沿って形成された通風路に沿って通流する空気によって積極的に放熱されるようになる。その結果、特殊な断面形状の母線バーを用いたり放熱用の大きな空間を形成したりしなくても十分な放熱性能が確保でき、小型の分電盤を実現できるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、基台に立設された母線バー支持部材に単相三線に対応した三本の母線バーが高さ方向に離隔するように支持され、前記母線バーに接続された複数の分岐ブレーカが前記母線バーの長手方向に配列されるようにケーシングに収容されている分電盤であって、前記母線バーの長手方向に沿って母線バーカバーが配置され、前記基台と前記母線バーカバーと各分岐ブレーカの一端面とで通風用のダクトが形成されている点にある。
上述の構成によれば、母線バーの長手方向に沿って配置された母線バーカバーと基台と各分岐ブレーカの一端面とで形成される空間が通風用のダクトに形成され、充電部である母線バーの発熱が当該ダクトを通流する空気によって積極的に放熱されるようになる。その結果、特殊な断面形状の母線バーを用いたり放熱用の大きな空間を形成したりしなくても十分な放熱性能が確保でき、小型の分電盤を実現できるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述した第二の特徴構成に加えて、前記母線バーカバーが前記母線バーの長手方向両端側にそれぞれ配置された前記母線バー支持部材に接当するように配置され、前記ダクトに冷却風が通流するように各母線バー支持部材に開口が形成されている点にある。
上述の構成によれば、母線バーカバーが母線バー支持部材に接当するように配置され、各母線バー支持部材に開口が形成されることで、一方の開口から流入した空気が他方の開口から流出するように一方向への空気の流れが安定的に形成されるようになる。その結果、ダクトを通流する空気の流れによって母線バーが効率的に放熱されるようになる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述した第二または第三の特徴構成に加えて、前記母線バー支持部材に単相三線に対応した導体を各母線バーと電気的に接続する導体接続用端子台が設けられている点にある。
母線バー支持部材に備えた導体接続用端子台に単相三線に対応した導体を接続すると、それぞれが母線バーと電気的に接続されるようになる。単相三線に対応した導体と各母線バーとを電気的に接続する別途の端子台を分電盤に設置する必要が無くなり、それだけ分電盤を小型化できるようになる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述した第四の特徴構成に加えて、前記基台に単相三線が接続される主幹ブレーカが取り付けられ、前記母線バーは前記導体接続用端子台に接続された渡りバーを介して前記主幹ブレーカと接続されている点にある。
単相三線に対応した導体である電源入力線が主幹ブレーカに接続される場合には、主幹ブレーカからの電源出力線となる渡りバーが、導体接続用端子台を介して母線バーと電気的に接続されるようになる。尚、主幹ブレーカが不要な場合には、電源入力線が導体接続用端子台に直接接続され、導体接続用端子台を介して母線バーと電源入力線とが電気的に接続されるようになる。
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述した第二から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記ダクトが前記母線バーよりも上方空間に位置するように前記ケーシングが取付け部に取り付けられるように構成されている点にある。
分電盤が壁面等の取付け部に取り付けられた状態で、発熱部となる母線バーの上方空間にダクトが位置するため、一方の開口から流入した空気がダクト内で加熱されて、母線バーよりも上方つまり母線バーや母線バーに接続された分岐ブレーカから離れる方向に移動するように通流して他方の開口から流出するという空気の流れが形成されるようになり、母線バーが効率的に放熱されるようになる。これに伴って、ケーシング内部の比較的低温の空気が引き続いてダクトの一方の開口に流入し、ダクト内部で加熱された後に他方の開口から流出するという安定した空気の通流経路が形成されるようになり空気の流れによる放熱作用が持続するようになる。
同第七の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述した第六の特徴構成に加えて、前記取付け部に取り付けられた状態で前記ダクトよりも下方から外気を案内する外気流入部が前記ケーシングに形成されている点にある。
分電盤の内部で最も高温になる母線バー近傍を流れる空気が母線バーで加熱されて上昇すると、その下方から比較的低温の空気が流入するようになる。外気流入部はダクトよりも下方から外気を案内するようにケーシングに形成されているので、低温の外気が外気流入部からケーシング内部に流入してダクトに導かれるようになる。尚、取付け部に取り付けられた状態でダクトよりも上方から排気する排気部をケーシングに形成しておけば、ダクト内部で加熱された後に他方の開口から流出した空気が排気部から速やかに排気されるようになる。
同第八の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、上述した第七の特徴構成に加えて、前記外気流入部から前記ケーシングの内部に導かれた外気を前記ダクトに導く案内経路が形成されている点にある。
外気流入部から前記ケーシングの内部に導かれた外気が、案内経路を介して効率的にダクトに導かれるので、ケーシングの内部に導かれた外気による放熱効率を高めることができるようになる。
同第九の特徴構成は、同請求項9に記載した通り、上述した第二から第八の何れかの特徴構成に加えて、前記母線バーカバーと前記ケーシングが一体に成形されている点にある。
母線バーカバーとケーシングを一体に形成することで、部品点数の減少によるコスト低減と、一層の小型化を図ることができるようになる。
同第十の特徴構成は、同請求項10に記載した通り、上述した第一から第九の何れかの特徴構成に加えて、前記分岐ブレーカは前記一端面から前記母線バーに差込接続されるプラグイン式のブレーカである点にある。
既に説明したように、プラグイン式のブレーカを用いると母線バーの放熱面積が小さくなり十分な放熱特性が得られ難くなるという問題に対して、上述の通風用のダクトが形成されることにより母線バーの放熱効率が上昇するので、より小型の分電盤を実現できるようになった。
以上説明した通り、本発明によれば、特殊な断面形状の母線バーを用いたり意図的に充電部の放熱面積を広げたりすることなく、小型で放熱性に優れた分電盤を提供することができるようになった。
(a)は本発明による分電盤の上部ケーシングを示す斜視図、(b)は分電盤の上部ケーシングを取り外した状態を示す斜視図 本発明の分電盤の外観および内部構造を示す斜視図 本発明による分電盤の内部構造を示す斜視図 母線バー支持部材構造を示す斜視図 主幹ブレーカ、渡りバーを取り外した状態の内部構造を示す斜視図 本発明による分電盤の別実施形態を示す斜視図 本発明による分電盤の別実施形態を示す斜視図
以下、本発明による分電盤を図面に基づいて説明する。
図1(a)には、分電盤Pの上部ケーシング9及び蓋体Cが示され、図1(b)には、上部ケーシング9及び蓋体Cが取り外され、分電盤Pの下部ケーシング8に収容された主幹ブレーカ1及び複数の分岐ブレーカ4が示されている。ケーシング8,9は何れも樹脂の成型品である。
図1(a)及び図3に示すように、上部ケーシング9は、主幹・分岐ブレーカカバー9aと側部カバー9bとからなり、それらが一体に形成されている。主幹・分岐ブレーカカバー9aには、主幹ブレーカ1及び分岐ブレーカ4の操作部に対応する領域に開口9cが形成されている。主幹・分岐ブレーカカバー9aの左端部側にヒンジ機構を介して蓋体Cが開閉可能に取り付けられ、上部ケーシング9が下部ケーシング8に対して着脱自在に取り付けられている。
図1(a),(b)に示すように、主幹・分岐ブレーカカバー9aの手前側の段差部には長手方向に沿った二つのスリットSLが形成され、下部ケーシング8の手前側の側部には長手方向に沿った二つの開口APが形成されている。スリットSL及び開口APは、ケーシング8,9内部に冷却用の外気を流入させる外気流入部として機能する。また、下部ケーシング8の背面側部にも開口APと対称な位置に二つの開口APが形成され、主にケーシング8,9内部で加熱された空気を排気する排気部として機能する。
図2及び図3に示すように、主幹ブレーカ1及び分岐ブレーカ4は下部ケーシング8の底部にネジで固定された金属製の基台11に取り付けられている。そして、基台11に立設された一対の母線バー支持部材5,5に単相三線に対応した三本の母線バー2,2,2が高さ方向に離隔するように支持され、各母線バー2の何れか二つと電気的に接続される複数の分岐ブレーカ4が母線バー2の長手方向に配列されている。
主幹ブレーカ1の一側面には単相三線に対応した給電線が挿入される三つの開口1aが形成され、当該開口1aに挿入された各給電線がネジ1bで固定可能に構成されている。各給電線から供給される単相三線の各相電圧は主幹ブレーカ1の内部に収容された過電流保護用のバイメタル接点を介して背面から三本の渡りバー3,3,3に出力されている。図4に示すように、各渡りバー3は渡りバーカバー6aで覆われている。
主幹ブレーカ1の近傍に位置する母線バー支持部材5には、単相三線に対応した導体、ここでは三本の渡りバー3,3,3を各母線バー2,2,2と電気的に接続する端子ネジ7とナット10が設けられた三つの導体接続用端子台が設けられ、渡りバー3,3,3の端部が各導体接続用端子台に端子ネジ7とナット10で締付固定されることで、主幹ブレーカ1と各母線バー2が電気的に接続されるように構成されている。本実施形態では、各母線バー2及び渡りバー3は銅製の平板で構成されており、最上部の母線バー2は中性極に設定されている。
図3に示すように、母線バー2には必要分岐数に応じた数の分岐ブレーカ4が接続可能に構成されている。本実施形態で用いられている分岐ブレーカ4は、一端面から母線バー2に差込接続されるプラグイン式のブレーカで、細幅の手前側一側面には各母線バー2が嵌入可能な三本のスリットが形成されている。
分岐ブレーカ4には、スリットに挿入された母線バー2を上下から挟持して電気的に接続するクランプ機構が収容され、分岐ブレーカ4の一側面に三本の母線バー2のうちの何れの母線バー2と電気的に接続するのかに応じてクランプ機構の位置を切替設定する回転操作部4aが設けられている。母線バー2へ接続された状態で各分岐ブレーカ4は母線バー2の長手方向に配列され、当該一端面が面一に揃った状態になる。
ケーシング8,9の内部では、充電部となる母線バー2が最も高温になり、次に主幹ブレーカ1が高温になる。安全規格上、これらの上限温度を所定温度以下に維持する必要があり、そのために母線バー2周辺の空間を大きくして放熱特性を上げると、分電盤Pが大型になり小型化の要請に反することになる。
そこで、図2から図4に示すように、本発明による分電盤Pには、各母線バー2の長手方向に沿って一つの母線バーカバー6が配置され、基台11と母線バーカバー6と各分岐ブレーカ4の一端面とで通風用のダクトDが形成されるように構成されている。
そして、母線バーカバー6は、母線バー2の長手方向両端側にそれぞれ配置された母線バー支持部材5,5に接当するように配置され、ダクトDに冷却風が通流するように各母線バー支持部材5に開口5a,5aが形成されている。
即ち、ダクトDが、母線バー2周辺の雰囲気が滞留することなく、母線バー2に沿って通流する通風路となる。
当該分電盤Pが家屋の壁面上方に設けられた取付け部に取り付けられた状態で、ダクトDが母線バー2よりも上方空間に位置するように、ダクトDと母線バー2との位置関係が設定されている。さらに、当該取付状態でケーシング8,9に形成されたスリットSL及び開口APがダクトDよりも下方に位置するように位置関係が設定されている。
一方の開口5aから流入した空気が、母線バー2の近傍で加熱されて上昇し、他方の開口5aから流出する空気の流れが形成され、相対的に低温の空気が一方の開口5aから流入するような空気の流れが形成される。
外気流入部となるスリットSL及び開口APからケーシング8,9内部に案内された外気は、ケーシング8,9の内部の温度勾配に従って通流して、一方の母線バー支持部材5に形成された複数の開口5aからダクトDに流れ込み、他端の母線バー支持部材5に形成された複数の開口5aから流出し、その後排気部となる開口APからケーシング8,9の外部に流出する。
例えば、主幹ブレーカ1近傍の母線バー支持部材5に形成された開口5aから流入した空気が他方の母線バー支持部材5に形成された開口5aから流出するように一方向への空気の流れが安定的に形成され、僅かな空隙を備えたダクトDを通流する空気の流れによって母線バー2が効率的に放熱されるようになり、母線バー2近傍に広い放熱空間を形成する必要が無くなるので、小型で放熱性に優れた分電盤を実現できるようになる。
例えば、各母線バー2の温度が分電盤Pの内部で機器が密集する主幹ブレーカ1の側が最も高く、主幹ブレーカ1より遠ざかるにつれて温度が低下するような構成であれば、ダクトDの内部に良好な温度勾配が生じ、これによりダクトD内部に一方向への空気の流れが生じて、下部ケーシング8及び上部ケーシング9に囲まれた内部の空気が、一方の母線バー支持部材5に形成された開口5aを通じて母線バー2の露出部分へ導かれ、母線バー2によって暖められた空気がダクトD内部を通流して排気部から排気され、母線バー2を効率よく冷却することができるようになる。
外気流入部となるスリットSL及び開口APからケーシング8,9の内部に導かれた外気をダクトDの何れか一方の端部に導くように案内経路が形成されていることが好ましい。
母線バー支持部材5に単相三線に対応した導体を各母線バー2と電気的に接続する導体接続用端子台を設けることにより、単相三線に対応した導体と各母線バー2とを電気的に接続する別途の端子台を分電盤に設置する必要が無くなり、それだけ分電盤Pをさらに小型化できるようになる。
上述した例では、単相三線に対応した導体が三本の渡りバー3である場合を説明したが、図5に示すように、分電盤Pに主幹ブレーカ1を備えない場合には、単相三線に対応した各給電線が単相三線に対応した導体となり、当該導体を導体接続用端子台に備えた端子ネジ7とナット10で締付固定すればよい。
母線バーの基材となる銅の電気抵抗率は1.68×10−8Ωmであるが、大気中で酸化して大きな電気抵抗率10+6〜10+7Ωmの酸化銅皮膜が形成されると、分岐ブレーカとの接触部の電気抵抗が大きくなりジュール熱により発熱するという不都合が生じる虞がある。
しかし、例えば基材の表面に電気抵抗率1.09×10−7Ωmの錫めっきを施すと、大気中で酸化した酸化錫被膜の電気抵抗率4×10−4Ωmは、酸化銅皮膜に比べて極めて小さいうえ、硬い錫の酸化皮膜は軟らかい錫めっきの変形に追従できずプラグイン端子の挿入により容易に破壊されるため、ジュール熱による発熱という問題が大きく低減され、分電盤の温度管理が容易になる。
しかも、母線バー2の基材表面が、伝熱性に優れ且つ導電性に優れた錫のような放熱性の金属でメッキされると、基材と金属メッキ層間に熱の境膜抵抗が発生して母線バー2表面の温度上昇が抑制されるとともに、電気抵抗による発熱の懸念が解消される。そして、このような金属メッキ層は一般に銅基材より放射性が改善されるため、基材表面付近の空気層の温度上昇が抑制されるようになる。因みに銅の放射率は0.06、酸化銅の放射率は0.85、錫の放射率は0.25、酸化錫の放射率は0.60である。
つまり、母線バー2が金属メッキによる複層構造となるため、熱の境膜抵抗により母線バー2の表面温度が低くなるが、逆に母線バー2内部に熱が蓄積することによる温度上昇が懸念され、また金属銅や錫に比べて電気抵抗が大きな酸化物によるジュール熱の発生も懸念される。しかし、錫等の酸化物は銅よりも相対的に放射率が大きいために効果的に放熱され、しかも、母線バー2周辺の雰囲気が滞留することなく、母線バー2に沿って通流する通風路が形成されているため、効率的に自然冷却される。母線バー2の熱放射による冷却を促進するために、例えば、通風路を形成するダクトの内面を黒色の塗料や熱吸収性の塗料等でコーティングしておくことが好ましい。
尚、めっきに用いる金属として、錫、ニッケル、亜鉛及びこれらの1種又は2種以上、更には銅、金、銀、白金等を含む合金等が例示でき、めっき方法として、溶融めっき、溶射めっき、無電解置換めっき及び通常の電解めっき等を好適に用いることができる。
壁面への設置姿勢で、横幅が320mm、高さが150mm、奥行きが110mmの分電盤(図1(a),(b)で説明した分電盤)に対して、ダクトDを取り付けた状態と取り外した状態とで温度上昇試験を行ったところ、ダクトDを取り外した状態で52Kの温度上昇となるところ、ダクトDを取り付けた状態では49.5Kと約2.5Kの温度低下がみられた。当該温度上昇試験の結果は、JIS C8328(2003)住宅用分電盤9.3に基づいて行なわれた結果である。
さらに、基材に錫めっきを施した母線バーを用い、ダクトDを取り付けた状態で温度上昇試験を行ったところ、ダクトDを取り外した状態での温度上昇値よりも5K以上低下するという結果が得られた。尚、当該温度上昇値は分電盤の周囲温度に対する上昇値である。
図6に示すように、母線バーカバー6と下部ケーシング8を一体に成形することも可能であり、このような構成を採用すれば部本点数の減少によるコスト低減と、一層の小型化を図ることができるようになる。少なくとも、母線バー2周辺の雰囲気が滞留することなく、母線バー2に沿って通流する通風路が形成されていればよく、必ずしも専用の母線バーカバー6を設ける必要なない。
図7に示すように、母線バーカバー6を母線バー2の長手方向に沿ってダクトDの断面積が次第に変化するように傾斜させることも可能であり、このような構成を採用すれば、分電盤Pを壁面に設置した時に、よりダクトD内部の空気の流れを円滑にすることができるようになる。
本発明による分電盤Pは、小形化が進む住宅用分電盤及びプラグイン式のブレーカを用いた分電盤に特に好適なものであるが、必ずしも住宅用分電盤及びプラグイン式のブレーカを用いた分電盤に用途が限定されるものではない。
上述した実施形態は本発明による分電盤Pの一例を示したものに過ぎず、本発明の範囲が当該実施形態に記載された態様に限定されるものではない。また、上述した実施形態に示す各部の具体的形状、サイズ、素材は当該発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
1:主幹ブレーカ
2:母線バー
3:渡りバー
4:分岐ブレーカ
5:母線バー支持部材
5a:開口
6:母線バーカバー
6a:渡りバーカバー
7:端子ネジ
8:下部ケーシング
9:上部ケーシング
9a:主幹・分岐ブレーカカバー
10:ナット
11:基台
AP:開口
P:分電盤
SL:スリット

Claims (10)

  1. 基台に立設された母線バー支持部材に単相三線に対応した三本の母線バーが高さ方向に離隔するように支持され、前記母線バーに接続された複数の分岐ブレーカが前記母線バーの長手方向に配列されるようにケーシングに収容されている分電盤であって、
    前記母線バー周辺の雰囲気が滞留することなく、前記母線バーに沿って一端から外気である空気が通流し他端から流出する開放通風路が形成されている分電盤。
  2. 基台に立設された母線バー支持部材に単相三線に対応した三本の母線バーが高さ方向に離隔するように支持され、前記母線バーに接続された複数の分岐ブレーカが前記母線バーの長手方向に配列されるようにケーシングに収容されている分電盤であって、
    前記母線バーの長手方向に沿って母線バーカバーが配置され、
    前記基台と前記母線バーカバーと各分岐ブレーカの一端面とで通風用のダクトが形成されている分電盤。
  3. 前記母線バーカバーが前記母線バーの長手方向両端側にそれぞれ配置された前記母線バー支持部材に接当するように配置され、前記ダクトに冷却風が通流するように各母線バー支持部材に開口が形成されている請求項2記載の分電盤。
  4. 前記母線バー支持部材に単相三線に対応した導体を各母線バーと電気的に接続する導体接続用端子台が設けられている請求項2または3記載の分電盤。
  5. 前記基台に単相三線が接続される主幹ブレーカが取り付けられ、前記母線バーは前記導体接続用端子台に接続された渡りバーを介して前記主幹ブレーカと接続されている請求項4記載の分電盤。
  6. 前記ダクトが前記母線バーよりも上方空間に位置するように前記ケーシングが取付け部に取り付けられるように構成されている請求項2から5の何れかに記載の分電盤。
  7. 前記取付け部に取り付けられた状態で前記ダクトよりも下方から外気を案内する外気流入部が前記ケーシングに形成されている請求項6記載の分電盤。
  8. 前記外気流入部から前記ケーシングの内部に導かれた外気を前記ダクトに導く案内経路が形成されている請求項7記載の分電盤。
  9. 前記母線バーカバーと前記ケーシングが一体に成形されている請求項2から8の何れかに記載の分電盤。
  10. 前記分岐ブレーカは前記一端面から前記母線バーに差込接続されるプラグイン式のブレーカである請求項1から9の何れかに記載の分電盤。

JP2013135105A 2013-06-27 2013-06-27 分電盤 Active JP6212816B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013135105A JP6212816B2 (ja) 2013-06-27 2013-06-27 分電盤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013135105A JP6212816B2 (ja) 2013-06-27 2013-06-27 分電盤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015012660A JP2015012660A (ja) 2015-01-19
JP6212816B2 true JP6212816B2 (ja) 2017-10-18

Family

ID=52305373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013135105A Active JP6212816B2 (ja) 2013-06-27 2013-06-27 分電盤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6212816B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7545162B2 (ja) 2021-03-08 2024-09-04 テンパール工業株式会社 分電盤

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2509640B2 (ja) * 1987-11-04 1996-06-26 株式会社東芝 ガス絶縁開閉装置
JP2001314007A (ja) * 2000-04-27 2001-11-09 Fuji Electric Co Ltd 分電盤及び分岐回路遮断器
JP4748474B2 (ja) * 2005-08-02 2011-08-17 テンパール工業株式会社 分電盤
JP4989535B2 (ja) * 2008-03-26 2012-08-01 パナソニックエコソリューションズ電路株式会社 分電盤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015012660A (ja) 2015-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7852617B2 (en) Main circuit terminal assembly for vacuum circuit breaker
US8339772B2 (en) Heat dissipation means for increasing power density in enclosed equipment
EP1758136B1 (en) Electrical switching apparatus and heat sink therefor
KR200481213Y1 (ko) 직류 배선용 차단기의 커먼 버스바
EP2652761B1 (en) Electrical system, and circuit protection module and electrical switching apparatus therefor
JP6270618B2 (ja) 接続導体ユニット
EP2653022B1 (en) Electrical system and matrix assembly therefor
JP2005150277A (ja) 太陽電池モジュール用端子ボックス
JP6212816B2 (ja) 分電盤
US20210328413A1 (en) Bus section of a current carrying bus itself configured as a heat sink in an electrical system
JP2009290976A (ja) 電源分配ボックス
EP2306482B1 (en) Main circuit terminal assembly for vacuum circuit breaker
CN102412077A (zh) 一种晶闸管电子开关
JP6306297B2 (ja) 中継ユニットおよび太陽光発電装置
JP6503650B2 (ja) 電力変換装置の冷却構造
JP5088879B2 (ja) 分電盤
JP5969369B2 (ja) 導体積層体、太陽光発電システム用接続箱、及び太陽光発電システム
CN113410103B (zh) 一种塑料外壳式断路器
JP7409214B2 (ja) 回路ユニット
CN213184154U (zh) 一种空气开关
US9444230B2 (en) Power distribution assembly and header assembly therefor
JP2022191804A (ja) 回路構造体
KR101122795B1 (ko) 냉각기능을 갖는 배선용차단기의 고정접촉자
JP2016208690A (ja) 電子機器
JP2015035559A (ja) 接続箱及び太陽光発電システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6212816

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350