JP6212504B2 - 静電噴霧装置 - Google Patents

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Description

本発明は、噴霧安定性に優れた静電噴霧装置に関する。
従来から、容器内の液体をノズルから噴射する噴霧装置が幅広い分野に適用されている。この種の噴霧装置として、電気流体力学(EHD:Electro Hydrodynamics)により液体を霧化して噴霧する静電噴霧装置が知られている。
上述した静電噴霧装置では、ノズルの先端近傍に電界を形成し、その電界を利用してノズルの先端の液体を霧化して噴射している。一般に、静電噴霧装置では、2つの電極(ピンおよびキャピラリー(ノズルに対応))の間に電圧を印加することで、両電極の間に電界を形成している(例えば、特許文献1および2参照)。
ノズルの先端近傍に形成される電界の強さを制御することは、所望の噴霧を行う上で重要である。例えば、電界が弱ければ、噴霧が不安定になるとともに、スプレーバック(噴霧した液滴が、装置側へ戻ってくる現象)によって静電噴霧装置が濡れてしまう。一方、電界が強ければ、マルチジェッティングになる。
従来の静電噴霧装置では、2つの電極の間に印加する電圧を直接調節することによって、ノズルの先端近傍に形成される電界の強さを制御している。当該方法は、電圧以外に電界に対して影響を与える因子が無い場合には有効であるが、電圧以外にも電界に対して影響を与える因子がある場合には有効ではない。
研究が進むにつれて、電圧以外にも、様々な因子が、電界に対して影響を与えることが明らかになりつつある。例えば、静電噴霧装置を構成する各種部材の設計が異なれば、ノズルの先端近傍に形成される電界の強さが異なることが明らかになりつつある。この場合、各種部材の設計等によって変化する膨大な数のパラメーターを考慮しながら、電圧を直接補正する必要が生じる。しかしながら、膨大な数のパラメーターの全てを検出し、当該検出値に基づいて電圧を直接補正することは、困難な作業である。
特表2004−530552号公報(2004年10月7日公開) 特表2006−521915号公報(2006年9月28日公開)
上述した状況下にあって、電界を制御する全く新たな方法として、2つの電極のうちのピンに流れる電流を所定の値に制御(換言すれば、所定の値に維持)しながら、当該電流の値に基づいて、ピンとキャピラリーとの間に電圧を印加することによって、ノズルの先端近傍に形成される電界の強さを制御する方法の開発が試みられている。
しかしながら、当該原理に基づいた静電噴霧装置は、噴霧の初期に、設計された噴霧量よりも実際の噴霧量が少ないスタートアップ期間が存在するという問題点を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、噴霧の初期であっても噴霧量が多い静電噴霧装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、第2電極の先端部の形状を調節することによって、噴霧の初期に存在する噴霧量が少ないスタートアップ期間が出現することを防ぐことが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の静電噴霧装置は、上記課題を解決するために、物質を噴霧する第1電極と、上記第1電極との間で電圧が印加される第2電極と、上記第2電極に流れる電流値を所定の範囲に制御する電流制御手段と、上記電流制御手段により制御された電流値に基づいて、上記第1電極と上記第2電極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、上記第2電極の先端部は、曲率半径を有する形状であり、上記曲率半径が、0.025mm以上0.25mm以下であることを特徴としている。
本発明の静電噴霧装置では、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されることで、第1電極と第2電極との間に電界が形成される。このとき、第1電極は正に帯電し、第2電極は負に帯電する(その逆でもよい)。これにより、第1電極は正帯電した液滴を噴霧する。また、第2電極は電極近傍の空気をイオン化して負に帯電させる。負に帯電した空気は、電極間に形成された電界と負に帯電された空気粒子間の反発力とによって第2電極から遠ざかる動きをする。この動きが空気の流れ(以下、イオン流と称する場合もある)を生み、このイオン流によって正に帯電した液滴が静電噴霧装置から離れる方向へと噴霧される。
このとき、従来の静電噴霧装置では、第2電極の先端部が鋭く尖った形状を有しているために、第1電極と第2電極との間に適切な電界を形成することができない。その結果、従来の静電噴霧装置では、噴霧の初期に、噴霧量が少ないスタートアップ期間が出現してしまう。
一方、本発明の静電噴霧装置では、第2電極の先端部が曲率半径を有する球の少なくとも一部分に対応する形状であるので、当該形状によって、第1電極と第2電極との間に適切な電界を形成することができる。そして、その結果、本発明の静電噴霧装置では、スタートアップ期間が出現することを防ぐことができる。
一般的に、第2電極の先端部が鋭利であるほど、第2電極の周辺に形成される電界は強くなり、第2電極において、イオン化された空気を効率よく発生させることができる。
本発明の静電噴霧装置では、第2電極の先端部が丸く形成されているので、従来技術に基づいて考えれば、第2電極の周辺に形成される電界は弱くなり、第2電極において、イオン化された空気を効率よく発生させることができない、と考えられる。
しかしながら、本発明の静電噴霧装置では、第2電極に流れる電流を所定の値にするために出力電圧を変化(例えば、上昇)させることができる。そして、これによって、本発明の静電噴霧装置では、第2電極の周辺に形成される電界が弱くなることを防ぐとともに、第2電極において、イオン化された空気を効率よく発生させることができる。
本発明は、噴霧の初期に存在する噴霧量が少ないスタートアップ期間が出現することを防ぐことができるという効果を奏する。
本発明は、長期間にわたって、安定に、かつ、大量に噴霧することができるという効果を奏する。
本発明は、簡単な装置構成および簡単な操作によって、大量の噴霧を実現することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る静電噴霧装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る静電噴霧装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る電源装置の構成の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る基準電極の構成の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施例に係る基準電極の構成の一例を示す図である。 本発明の実施例に係る静電噴霧装置の噴霧特性の結果を示すグラフである。 本発明の実施例に係る静電噴霧装置の噴霧特性の結果を示すグラフである。 本発明の実施例に係る静電噴霧装置の噴霧特性の結果を示すグラフである。 本発明の実施例に係る静電噴霧装置の噴霧特性の結果を示すグラフである。 本発明の実施例に係る静電噴霧装置の噴霧特性の結果を示すグラフである。 本発明の実施例に係る静電噴霧装置の噴霧特性の結果を示すグラフである。 本発明の実施例に係る静電噴霧装置の噴霧特性の結果を示す写真である。
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態に係る静電噴霧装置100等について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
〔1.静電噴霧装置100の要部構成について〕
図1を用いて、静電噴霧装置100の要部構成を説明する。
静電噴霧装置100は、芳香油、農産物用化学物質、医薬品、農薬、殺虫剤、空気清浄化薬剤等の噴霧等に用いられる装置であり、少なくとも、スプレー電極(第1電極)1と、基準電極(第2電極)2と、電源装置3と、誘電体10とを備えている。なお、本実施の形態の静電噴霧装置100では、静電噴霧装置100とは別の構成として電源装置3が構成され、当該電源装置3と静電噴霧装置100とが接続されていてもよい。
スプレー電極1は、例えば、金属性のキャピラリー(例えば、304型ステンレス鋼など)等の導電性導管と、先端部と、を有する構成であってもよい。スプレー電極1は、電源装置3を介して基準電極2と接続されている。そして、先端部5からは、噴霧物質が噴霧される。
スプレー電極1の形状は、スプレー電極1の軸心に対して傾斜している傾斜面を有し、先端部に向かうほど先端が細く、尖った形状であり得る。当該構成であれば、その尖状の形状により、噴霧物質の噴霧方向を規定することができる。
図1に示すように、スプレー電極1は、誘電体10内に形成されている空間内に配置され、このとき、スプレー電極1の先端部は、当該空間の開口側に配置され得る。上記構成によれば、スプレー電極1から噴霧される液滴が、開口から誘電体10の外側へ向かって放出され得る。
スプレー電極1を設けるための空間の形状および大きさは、様々なパラメーター(例えば、電極に印加する電圧、または、各構成の材質)に応じて設計可能である。例えば、上記空間は筒状に形成され、当該筒の断面の形状および大きさが、当該空間の開口の形状および大きさと同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、上記開口の形状は、例えば、円または楕円であってもよい。
基準電極2の具体的な構成は、例えば、金属ピン(例えば、304型スチールピンなど)等の導電性ロッドからなる構成であってもよい。スプレー電極1および基準電極2は、一定の間隔をあけて離間し、互いに平行に配置されている。スプレー電極1および基準電極2は、例えば、互いに1mm〜10mm、5mm〜8mm、または、8mmの間隔をあけて配置され得る。なお、基準電極2の更に具体的な構成(例えば、形状など)については後述する。
図1に示すように、基準電極2は、誘電体10内に形成されている空間内(スプレー電極1が設けられている空間とは、別の空間内)に配置され、このとき、基準電極2の先端部は、当該空間の開口側に配置され得る。上記構成によれば、基準電極2によってイオン化された空気が、開口から誘電体10の外側へ向かって放出され得る。
基準電極2を設けるための空間の形状および大きさは、様々なパラメーター(例えば、電極に印加する電圧、または、各構成の材質)に応じて設計可能である。例えば、上記空間は筒状に形成され、当該筒の断面の形状および大きさが、当該空間の開口の形状および大きさと同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、上記開口の形状は、例えば、円または楕円であってもよい。
電源装置3は、スプレー電極1と基準電極2との間に高電圧を印加するための構成である。例えば、電源装置3は、スプレー電極1と基準電極2との間に1kV〜30kVの間の電圧、1kV〜20kVの電圧、1kV〜10kVの電圧、または、3kV〜7kVの電圧を印加するものであり得る。
電源装置3は、基準電極2に流れる電流値に基づいてスプレー電極1と基準電極2との間に電圧を印加する必要がある。それ故に、電源装置3は、出来るだけ広範囲の電圧を印加し得るものであることが好ましい。
スプレー電極1と基準電極2との間に高電圧が印加されると、電極間に電界が形成され、誘電体10の内部に電気双極子が生じる。このとき、スプレー電極1は正に帯電し、基準電極2は負に帯電する(その逆であってもよい)。そして、負の双極子が、正に帯電しているスプレー電極1に最も近い誘電体10の表面に生じ、正の双極子が、負に帯電している基準電極2に最も近い誘電体10の表面に生じ、帯電したガスおよび物質種が、スプレー電極1および基準電極2によって放出される。
このとき、基準電極2において生成されるイオン化された空気が有している電荷は、噴霧物質の極性とは逆の極性の電荷である。したがって、噴霧物質の電荷は、基準電極2において生成される電荷によって平衡化される。それ故に、静電噴霧装置100は、電荷平衡の原理に基づき、電流のフィードバック制御によって、噴霧の安定性を図ることができる。その詳細については後述する。
誘電体10は、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ポリプロピレンまたはポリアセチル−ポリテトラフルオロエチレン混合物などの誘電体材料からなる。誘電体10は、スプレー電極1をスプレー電極取付部6において支持し、基準電極2を基準電極取付部7において支持する構成であってもよい。
次に、図2を用いて、静電噴霧装置100の外観を説明する。
図示するように、静電噴霧装置100は、直方形状である(勿論、その他の形状であってもよい)。静電噴霧装置100の一面には、スプレー電極1および基準電極2が配設されている。図示するように、スプレー電極1は、基準電極2の近傍に位置する。また、スプレー電極1を取り囲むように環状の開口11が、基準電極2を取り囲むように環状の開口12が、それぞれ形成されている。
上述したように、開口11および開口12の各々が、静電噴霧装置100の内部に設けられている別々の空間に繋がっている。そして、開口11および当該開口11に繋がる空間の内部に、スプレー電極1が設けられており、開口12および当該開口12に繋がる空間の内部に、基準電極2が設けられている。
スプレー電極1と基準電極2との間には電圧が印加され、それによりスプレー電極1と基準電極2との間に電界が形成される。スプレー電極1からは正に帯電した液滴が噴霧される。基準電極2は、基準電極2の近傍の空気をイオン化して負に帯電させる。そして、負に帯電した空気は、電極間に形成された電界と負に帯電された空気粒子間の反発力とによって、基準電極2から遠ざかる動きをする。この動きが空気の流れ(以下、イオン流と称する場合もある)を生み、このイオン流によって、正に帯電した液滴が静電噴霧装置100から離れる方向へと噴霧される。
〔2.電源装置3について〕
図3は、電源装置3の構成の一例を示す。電源装置3は、電源21と、高電圧発生装置(電圧印加手段)22と、スプレー電極1および基準電極2の電流における出力電圧を監視する監視回路23と、基準電極1の電流値を所定の値(所定の範囲)に制御した状態で高電圧発生装置22の出力電圧が所望の値となるように高電圧発生装置22を制御する制御回路(電流制御手段)24とを備えている。
様々な用途に対応するために、制御回路24はマイクロプロセッサ241を備え、そのマイクロプロセッサ241は、他のフィードバック情報25に基づいて、出力電圧およびスプレー時間をさらに調整できるように設計されていてもよい。フィードバック情報25には、環境条件(気温、湿度、および/または、大気圧)、液体量、ユーザによる任意の設定などが含まれる。
電源21としては、周知の電源を用いることができ、電源21は、主電源または1つ以上のバッテリーを含み得る。電源21は、低電圧電源、直流(DC)電源が好ましく、例えば、1つ以上のボルタ電池を組み合わせて1つの電池を構成する。好適な電池としては、単3電池、単1電池を挙げることができる。電池の個数は、必要な電圧レベルと電源の消費電力とによって決定し得る。
高電圧発生装置22は、発振器221と、変圧器222と、コンバータ回路223と、を備え得る。発振器221は直流を交流に変換し、変圧器222は交流で駆動する。この変圧器222にコンバータ回路223が接続される。通常、コンバータ回路223は、チャージポンプと整流回路とを備え得る。コンバータ回路223は、所望の電圧を生成し、交流を直流に変換する。典型的なコンバータ回路としては、コックロフト・ウォルトン回路を挙げることができるが、本発明は、これに限定されない。
監視回路23は、電流フィードバック回路231を備え、用途によっては、電圧フィードバック回路232を備えていてもよい。電流フィードバック回路231は、基準電極2の電流値を測定する。静電噴霧装置100は電荷平衡されるため、基準電極2の電流値を測定し、参照することにより、スプレー電極1の先端部での電流を正確に監視することができる。この方法によれば、高価で、複雑で、混乱を生じさせる測定手段をスプレー電極1の先端部に設ける必要はなく、また、測定電流に対する放電(コロナ)電流の寄与を推定する必要もない。電流フィードバック回路231は、例えば変流器などの従来のいかなる電流測定装置を含んでいてもよい。
好ましい実施形態において、基準電極2における電流は、基準電極2と直列に接続されたセットレジスタ(フィードバック抵抗器)における電圧を測定することにより測定される。ある実施形態において、セットレジスタにおける測定電圧は、アナログ・デジタル(A/D)変換器を用いて読み取られる。なお、一般的に、アナログ・デジタル変換器は、マイクロプロセッサの一部である。アナログ・デジタル変換器を備えた好適なマイクロプロセッサとしては、Microchip社製のPIC16F18**ファミリー製品のマイクロプロセッサを挙げることができる。デジタル情報は、制御回路24に出力を供給するために、マイクロプロセッサにより処理される。
好ましい実施形態において、セットレジスタで測定された電圧は、比較器を用いて、所定の一定基準電圧値と比較される。比較器は、極めて低い電流(一般に、ナノアンペアかそれ以下)しか必要とせず、かつ、応答速度が速い。多くの場合、マイクロプロセッサ241には、その目的のために比較器が組み込まれている。例えば、上述したマイクロチップファミリーのPIC16F1824は、入力電流値が極めて低く、かつ一定の基準電圧を有する好適な比較器を提供する。比較器に入力される基準電圧値は、このマイクロプロセッサ241に含まれるD/A変換器を用いて設定され、選択可能な基準電圧値が用意されている。通常動作では、この回路は、基準電圧の大きさおよびフィードバック抵抗器によって決定される要求値よりも測定電流が高いか低いかを検出することができ、その情報を制御回路24に供給する。
正確な電圧値が要求される用途において、監視回路23はまた、電圧フィードバック回路232を備え、スプレー電極1に印加される電圧を測定する。一般に、印加電圧は、2つの電極を接続する分圧器を形成する2つの抵抗器の接合部における電圧を測定することによって直接監視される。あるいは、印加電圧は、同様の分圧器の原理を用いて、コックロフト・ウォルトン回路内のノードで生成される電圧を測定することによって監視される。同様に、電流フィードバックに関して、フィードバック情報は、A/D交換器を介して、あるいは、比較器を用いてフィードバック信号を基準電圧値と比較することによって、処理される。
制御回路24は、監視回路23から基準電極2の電流値を示す情報を取得し、基準電極2の電流値と所定の電流値(例えば、0.867μA)とを比較する。そして、制御回路24は、基準電極2の電流値が所定の電流値でなければ、所定の電流値となるように基準電極2の電流値を制御する。そして、制御回路24は、基準電極2の電流値を所定の電流値に制御したうえで、発振器221の振幅の大きさ、周波数、またはデューティーサイクル、電圧のオンーオフ時間(あるいは、これらの組み合わせ)を制御することによって、高電圧発生装置22の出力電圧を制御する。なお、電源装置3のユニットごとの製造誤差、もしくは電流値の測定誤差などを考慮して、制御回路24は、基準電極2の電流値を、「所定の電流値」ではなく、一定の幅を有する「所定の範囲」(例えば、0.8μA〜1.0μA)に収まるように制御してもよい。
大気温度、湿度、大気圧、噴霧物質の液体量などに基づいて電圧またはデューティーサイクル/スプレー間隔を補償する必要から、マイクロプロセッサ241に他の情報(フィードバック情報25)が入力されてもよい。その情報は、アナログ情報またはデジタル情報として与えられ、マイクロプロセッサ241により処理される。マイクロプロセッサ241は、入力情報に基づいて、スプレー間隔、スプレーをオンにする時間、または、印加電圧の何れかを変更することによって、スプレーの品質および安定性を高めるための補償を行うことができる。
一例として、電源装置3は、温度補償のために使用されるサーミスタなどの温度検知素子を備え得る。ある実施形態において、電源装置3は、温度検知素子により検知された温度の変化に従ってスプレー間隔を変化させ得る。スプレー間隔は、電源のオン、オフ時間の総計である。例えば、電源がスプレーを35秒間オンとし(その間、電源は第1電極と第2電極との間に高電圧を印加する)、145秒間オフとする(その間、電源は第1電極と第2電極との間に高電圧を印加しない)周期的なスプレー間隔の場合、そのスプレー間隔は35+145=180秒である。
スプレー間隔は、マイクロプロセッサ241に内蔵されたソフトウエアにより変更することができ、温度が上昇すれば設定点から増加し、温度が低下すれば設定点から減少し得る。スプレー間隔の増加および短縮は、噴霧される物質の特性によって定まる所定の指標に従うことが好ましい。便宜上、スプレー間隔の補償変化量は、スプレー間隔が0−60℃(例えば、10−45℃)の間でのみ変化するように制限されていてもよい。そのため、温度検知素子によって記録された極端な温度は誤りとみなされ、考慮されず、高温および低温に対しては、最適ではないものの容認し得るスプレー間隔が設定される。あるいは、スプレー間隔のオン、オフ間隔は、スプレー間隔を一定にするように調整され、気温が上下したときにスプレー間隔内でスプレー時間を増減させてもよい。
なお、電源装置3は、噴霧される物質の特性を検出し、当該物質の特性を示す特性情報を生成する検査回路をさらに備えていてもよい。検査回路が生成した特性情報は、制御回路24に供給される。制御回路24は、この特性情報を用いて、少なくとも1つの電圧制御信号を補償する。上記電圧制御信号とは、周囲の環境条件(例えば、温度、湿度および/または大気圧、および/または噴霧量)の検出結果に基づいて生成された信号であり、出力電圧またはスプレー時間を調整するための信号である。電源装置3は、周囲の圧力(大気圧)を監視するために、圧力センサを備えていてもよい。
以上、電源装置3の内部構成について説明した。しかしながら、上記説明は電源装置3の一例であって、電源装置3は、上記の機能を有するのであれば、他の構成により実現されてもよい。
〔3.基準電極2について〕
本実施の形態の基準電極2は、スプレー電極1との間で電圧が印加される電極であって、例えば、針状の形状(換言すれば、細長い形状)を有している。そして、基準電極2の先端部は曲率半径を有する(曲率半径が0よりも長い)形状を有している。換言すれば、基準電極2の先端部の形状は、球の一部分に対応する形状である。
図4(a)に、本実施の形態の基準電極2の構成の一例を示す。図4(a)に示すように、本実施の形態の基準電極2は、断面の大きさが略均一である幹部50、および、断面の大きさが徐々に小さくなる錐体部60を有していてもよい。また、図示してはいないが、本実施の形態の基準電極2は、錐体部60のみからなるものであってもよいし、幹部50のみからなるものであってもよい。なお、図4(a)では、幹部50の方が錐体部60よりも長いが、幹部50と錐体部60とが同じ長さであってもよいし、幹部50の方が錐体部60よりも短くてもよい。
図4(a)に示すように、基準電極2が幹部50および錐体部60の両方を有している場合、例えば、錐体部60の端部の1つ(具体的には、幹部50と接していない、細い方の端部)が、基準電極2の先端部に相当する。
一方、基準電極2が錐体部60のみからなる場合、例えば、錐体部60の端部の1つ(具体的には、細い方の端部)が、基準電極2の先端部に相当する。
一方、基準電極2が幹部50のみからなる場合、例えば、幹部50の端部の1つが、基準電極2の先端部に相当する。
上記幹部50の具体的な形状は、例えば、柱状(例えば、円柱、多角柱など)であり得る。
上記幹部50が柱状である場合、その上面(例えば、錐体部60と接している面)および下面(上面と対向する面)の大きさは、例えば、上面と下面とが同じ大きさであってもよいし、上面と下面とが異なる大きさであってもよい。
上記幹部50が円柱である場合の上面および下面の円の直径、および、上記幹部50が多角柱である場合の上面および下面の多角形の外接円の直径は、例えば、0.1mm〜1.0mmであってもよく、0.1mm〜0.9mmであってもよく、0.1mm〜0.8mmであってもよく、0.1mm〜0.7mmであってもよく、0.1mm〜0.6mmであってもよく、0.1mm〜0.5mmであってもよく、0.1mm〜0.4mmであってもよく、0.1mm〜0.3mmであってもよく、0.1mm〜0.2mmであってもよい。
上記幹部50が柱状である場合の当該幹部50の長軸方向(図4(a)において、紙面の左右方向)への長さは、例えば、上述した上面および下面の直径の長さの1倍〜100倍の長さであってもよく、1倍〜50倍の長さであってもよく、1倍〜20倍の長さであってもよく、1倍〜10倍の長さであってもよく、1倍〜5倍の長さであってもよい。
上記錐体部60の具体的な形状は、例えば、錐体状(例えば、円錐、多角錐など)であり得る。
上記錐体部60が円錐である場合の下面の円の直径、および、上記錐体部60が多角錐である場合の下面の多角形の外接円の直径は、幹部50の形状に合わせて適宜設定することができる。例えば、上記錐体部60の下面の形状は、当該下面が接する幹部50の面の形状と同じであってもよい。
具体的に、上記錐体部60が円錐である場合の下面の円の直径、および、上記錐体部が多角錐である場合の下面の多角形の外接円の直径は、例えば、0.1mm〜1.0mmであってもよく、0.1mm〜0.9mmであってもよく、0.1mm〜0.8mmであってもよく、0.1mm〜0.7mmであってもよく、0.1mm〜0.6mmであってもよく、0.1mm〜0.5mmであってもよく、0.1mm〜0.4mmであってもよく、0.1mm〜0.3mmであってもよく、0.1mm〜0.2mmであってもよい。
本実施の形態の基準電極2の先端部は、曲率半径Rを有する形状(曲率半径Rが0よりも長い形状)である。換言すれば、本実施の形態の基準電極2の先端部の表面の形状は、球の表面の少なくとも一部分に対応する形状である。図4(b)および図4(c)を用いて、基準電極2の先端部の形状について説明する。
図4(b)および図4(c)は、各々、異なる形状を有する先端部の断面の形状を示している。つまり、異なる形状を有する先端部の、中央軸(図4(a)において左右方向へ延びる中央軸)を通過する面における断面の形状を示している。なお、図中、先端部の表面を実線にて記載している。
図4(b)では、先端部に、曲率半径Rの球の半分に相当する領域が設けられている。一方、図4(c)では、先端部に、曲率半径Rの球の一部分に相当する領域が設けられている。
先端部に設けられる球に相当する部分の球に占める割合は、図4(b)および図4(c)に示すθの値によって規定することができる。例えば、図4(c)に示すθは、0°<θ≦360°であってもよく、0°<θ≦270°であってもよく、0°<θ≦180°であってもよく、0°<θ≦120°であってもよく、0°<θ≦60°であってもよく、勿論、これらに限定されない。上述した範囲では下限値を0°としたが、当該下限値は、5°であってもよく、10°であってもよく、15°であってもよく、20°であってもよく、25°であってもよく、30°であってもよく、35°であってもよく、40°であってもよく、45°であってもよい。
基準電極2の先端部を滑らかにして、より精度良く電極間に形成される電界の強さを制御するという観点からは、0°<θ≦180°であることが好ましいといえる。
上記曲率半径Rの長さは、例えば、0mmよりも長く1.0mm以下であり得、0mmよりも長く0.5mm以下であり得、0mmよりも長く0.4mm以下であり得、0mmよりも長く0.3mm以下であり得、0mmよりも長く0.25mm以下であり得、0mmよりも長く0.2mm以下であり得、0mmよりも長く0.1mm以下であり得る。
さらに具体的には、曲率半径Rは、0.025mm以上0.25mm以下であることが好ましく、0.075mm以下0.2mm以下であることが更に好ましい。
曲率半径Rが0.025mm以上0.25mm以下であれば、より確実にスタートアップ期間の出現を防ぐことができる。また、曲率半径Rが0.075mm以下0.2mm以下であれば、スタートアップ期間の出現を防ぐことができるばかりではなく、スプレーバックが生じることも防ぐことができる。
曲率半径Rの下限値は、例えば、0.1mmであってもよく、0.15mmであってもよい。それ故に、上述した曲率半径Rの具体的な数値範囲において、下限値「0mm」を、「0.025mm」、「0.075mm」、「0.1mm」または「0.15mm」に置き換えることも可能である。例えば、曲率半径Rは、0.1mm以上0.4mm以下、0.1mm以上0.2mm以下、または、0.15以上0.3以下であってもよい。当該構成であれば、スタートアップの出現の防止と、スプレーバックの発生の防止とを、バランスよく実現することができる。
基準電極2の具体的な材料は、例えば、金属ピン(例えば、304型スチールピンなど)等の導電性ロッドからなる構成であってもよい。
基準電極2の電気伝導度は、例えば、10S/m以上10S/m以下であってもよい。
本実施の形態の静電噴霧装置100では、制御回路(電流制御手段)24によって、基準電極2に流れる電流を所定の範囲に制御している。つまり、本実施の形態の静電噴霧装置100では、基準電極2に流れる電流の値を、1つの値になるように制御されていてもよいし、複数の値の何れかになるように制御されていてもよいし、所定の幅を持った数値範囲の中に収まるように制御されていてもよい。
具体的に、基準電極2に流れる電流の値は、例えば、0.1μA以上1.0μA以下の範囲の中に収まるように制御されていてもよいし、0.5μA以上5.0μA以下の範囲の中に納まるように制御されていてもよいし、0.8μA以上1.0μA以下の範囲の中に納まるように制御されていてもよい。
また、基準電極2に流れる電流の値は、上述した範囲内にある、1つの値または複数の値になるように制御されていてもよい。例えば、基準電極2に流れる電流の値は、0.867μAになるように制御されていてもよいが、これに限定されない。
上述した中では、基準電極2に流れる電流の値は、0.867μA±5%に制御されていることが好ましい。その理由は、液を安定的に噴霧させることが可能であるためである。
一般的に、基準電極2の先端部が鋭利であるほど、基準電極2の周辺に形成される電界は強くなり、基準電極2において、イオン化された空気を効率よく発生させることができる。
本実施の形態の静電噴霧装置100では、基準電極2の先端部が丸く形成されているので、従来技術であれば、基準電極2の周辺に形成される電界は弱くなり、基準電極2において、イオン化された空気を効率よく発生させることができない。
しかしながら、本実施の形態の静電噴霧装置100では、基準電極2に流れる電流を所定の値にするために出力電圧を変化(例えば、上昇)させる。そして、これによって、本実施の形態の静電噴霧装置100では、基準電極2の周辺に形成される電界が弱くなることを防ぐとともに、基準電極2において、イオン化された空気を効率よく発生させることができる。
〔4.補足〕
本発明は、以下のように構成することもできる。
本発明の一態様に係る静電噴霧装置では、上記曲率半径が、0.075mm以上0.2mm以下であることが好ましい。
上記構成によれば、スタートアップ期間が出現することを防ぐことができるとともに、スプレーバックが生じることも防ぐことができる。
また、本発明の一態様に係る静電噴霧装置では、上記電流制御手段は、上記第2電極に流れる電流値を0.8μA〜1.0μAの範囲内の値に制御するものであることが好ましい。
上記構成によれば、より確実に、スタートアップ期間が出現することを防ぐことができる。
<1.静電噴霧装置の噴霧特性に関する検討−1>
3種類の基準電極A〜Cを用いて3種類の静電噴霧装置A〜Cを作製し、各噴霧装置の噴霧特性を検討した。
以下に、静電噴霧装置A〜Cの基本構成を示す。なお、静電噴霧装置A〜Cは、基準電極が異なる以外は、同じ構成を用いている。
・噴霧する液滴 :10%の香料、79%のモノメチルエーテル、8%のイソパラフィン、3%の酢酸ナトリウム水溶液からなる液滴;
・スプレー電極1:ステンレスによって形成されている、外径0.4mm、内径0.2mmであるスプレー電極;
・誘電体10 :ポリプロピレンからなる誘電体;
・開口11 :直径8mmである円形の開口;
・開口12 :直径4mmである円形の開口;
・基準電極2に流す電流:0.867μA。
図5(a)〜図5(c)に、本実施例に用いた3種類の基準電極の概要を説明する。なお、図5(a)に示す基準電極は、曲率半径が0.025mmよりも小さい(曲率半径が極小である)鋭利な先端部を有するものであり(以下、基準電極Aと呼ぶ)、図5(b)に示す基準電極は、曲率半径0.1mmの先端部を有するものであり(以下、基準電極Bと呼ぶ)、図5(c)に示す基準電極は、曲率半径0.2±0.05mmの先端部を有するものである(以下、基準電極Cと呼ぶ)。
図6および7に、基準電極Aを用いて作製した静電噴霧装置Aの噴霧特性の結果を示す。具体的に、図6は、噴霧を開始してからの時間と、噴霧量との関係を示し、図7は、噴霧を開始してからの時間と、出力電圧との関係を示している。
図6に示すように、静電噴霧装置Aでは、噴霧を開始してから略33日目までは、噴霧量が0.4g/日よりも低かった。つまり、静電噴霧装置Aでは、噴霧量が少ない33日間のスタートアップ期間が存在した。
また、図7に示すように、静電噴霧装置Aでは、出力電圧が低いとともに、噴霧を開始してから略4日目までは出力電圧が上昇する傾向を示した。このことは、静電噴霧装置Aでは、噴霧を開始してから少なくとも略4日目までは、噴霧量が少ないばかりでなく、噴霧量が不安定であることを示している。
図8および9に、基準電極Bを用いて作製した静電噴霧装置Bの噴霧特性の結果を示す。具体的に、図8は、噴霧を開始してからの時間と、噴霧量との関係を示し、図9は、噴霧を開始してからの時間と、出力電圧との関係を示している。
図8に示すように、静電噴霧装置Bでは、噴霧開始時に噴霧量が0.4g/日以上であった。つまり、静電噴霧装置Bでは、噴霧量が少ないスタートアップ期間が存在しなかった。
また、図9に示すように、静電噴霧装置Bでは、静電噴霧装置Aと比較して、出力電圧が高いとともに、出力電圧が安定していた。
静電噴霧装置Bでは、高い出力電圧によって、スタートアップ期間の出現を防ぎ、安定な噴霧を実現することができた。
図10および11に、基準電極Cを用いて作製した静電噴霧装置Cの噴霧特性の結果を示す。具体的に、図10は、噴霧を開始してからの時間と、噴霧量との関係を示し、図11は、噴霧を開始してからの時間と、出力電圧との関係を示している。
図10に示すように、静電噴霧装置Cでは、噴霧開始時に噴霧量が0.4g/日以上であった。つまり、静電噴霧装置Cでは、噴霧量が少ないスタートアップ期間が存在しなかった。
静電噴霧装置Cでは、噴霧を開始してから略15日目以降において、噴霧量が不安定になる傾向を示したとともに、スプレーバックによって装置が濡れる傾向を示したものの、少なくとも15日間という長期にわたって、安定な噴霧を実現することができたとともに、スプレーバックの発生を防ぐことに成功した。
また、図11に示すように、静電噴霧装置Cでは、出力電圧が、静電噴霧装置Bよりも高かった。更に、静電噴霧装置Cでは、出力電圧が、静電噴霧装置Bよりは不安定であった。
静電噴霧装置Cでは、出力電圧が、静電噴霧装置Cが実現し得る最大電圧に達していた(作製した装置の限界に達していた)。静電噴霧装置Cでは、電圧を精密に調節することができなかったので、電流値を所定の範囲に精密に制御することができなかったものと考えられる。そして、それ故に、静電噴霧装置Cでは、出力電圧および噴霧量が、やや不安定になったものと考えられる。
<2.静電噴霧装置の噴霧特性に関する検討−2>
上述した静電噴霧装置A〜Cの噴霧の安定性を確認するために、静電噴霧装置A〜Cの表面を目視することによって、スプレーバックの有無を判定した。
図12(a)は、静電噴霧装置Aの表面の写真であり、図12(b)は、静電噴霧装置Bの表面の写真であり、図12(c)は、静電噴霧装置Cの表面の写真である。
図12(a)〜(c)に示すように、静電噴霧装置Cの表面のみに水滴が観察され、静電噴霧装置Cでは、スプレーバックが発生したことが明らかになった。
本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、芳香油、農産物用化学物質、医薬品、農薬、殺虫剤、空気清浄化薬剤等を噴霧する静電噴霧装置に利用することができる。
1 スプレー電極(第1電極)
2 基準電極(第2電極)
3 電源装置
6 スプレー電極取付部
7 基準電極取付部
10 誘電体
11 開口
12 開口
21 電源
22 高電圧発生装置(電圧印加手段)
23 監視回路
24 制御回路(電流制御手段)
25 フィードバック情報
39 電気伝導体
50 幹部
60 錐体部
100 静電噴霧装置
221 発振器
222 変圧器
223 コンバータ回路
231 電流フィードバック回路
232 電圧フィードバック回路
241 マイクロプロセッサ

Claims (3)

  1. 物質を噴霧する第1電極と、
    上記第1電極との間で電圧が印加される第2電極と、
    上記第2電極に流れる電流値を所定の範囲に制御する電流制御手段と、
    上記電流制御手段により制御された電流値に基づいて、上記第1電極と上記第2電極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、
    上記第2電極の先端部は、曲率半径を有する形状であり、
    上記曲率半径が、0.025mm以上0.25mm以下であることを特徴とする静電噴霧装置。
  2. 上記曲率半径が、0.075mm以上0.2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧装置。
  3. 上記電流制御手段は、上記第2電極に流れる電流値を0.8μA〜1.0μAの範囲内の値に制御するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の静電噴霧装置。
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