JP2014233667A - 静電噴霧装置、および静電噴霧装置の制御方法 - Google Patents

静電噴霧装置、および静電噴霧装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】噴霧安定性に優れた静電噴霧装置を提供する。【解決手段】静電噴霧装置100は、スプレー電極1と、基準電極2と、液体貯留部31と、を備え、圧力水頭を、自装置の運転時にスプレー電極1の先端部から噴霧される液体をコーンジェットモードにする第1圧力水頭以上、かつ、自装置の運転停止時にスプレー電極1の先端部から液体を漏出させる第2圧力水頭以下に制御する。【選択図】図13

Description

本発明は、噴霧安定性に優れた静電噴霧装置、および静電噴霧装置の制御方法に関する。
従来から、容器内の液体をノズル(以下、スプレー電極と称する)から噴射する噴霧装置が幅広い分野に適用されている。この種の噴霧装置として、電気流体力学(EHD:Electro Hydrodynamics)により液体を霧化して噴霧する静電噴霧装置が知られている。この静電噴霧装置は、スプレー電極の先端部に電場を形成し、その電場を利用してスプレー電極の先端部から液体を霧化噴射するものである。そのような静電噴霧装置を開示する文献として、特許文献1が知られている。
国際特許公開公報WO2003/000431
しかしながら、特許文献1等の従来の技術には次のような点で改善の余地がある。
一般に、静電噴霧装置は、基準電極とスプレー電極との間に電圧を印加することで両電極間に電場を形成し、その電場を利用してスプレー電極の先端部から液体を霧化噴射する。そのため、両電極間に形成される電場によって噴霧量や噴霧特性などが左右される。このとき、本願発明者らは、液体の噴霧量や噴霧特性などを左右する他の要因として、スプレー電極の先端部における圧力水頭も同様に重要な要因となることを見出した。
具体的には、静電噴霧装置は、スプレー電極の先端部の液体に対して電場を作用させて液体を噴霧している。このとき、液体には圧力水頭が加わっている。そこで、本願発明者らは、噴霧の安定性を高めつつ、装置の運転停止時に圧力水頭によってスプレー電極の先端部からの液体の漏出を防ぐという改善を、圧力水頭の観点から行いうると考えた。
この点、特許文献1は、圧力水頭の観点から噴霧安定性に優れた静電噴霧装置を提供することについては言及していない。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、噴霧安定性に優れた静電噴霧装置、および静電噴霧装置の制御方法を提供することにある。
本発明の一態様に係る静電噴霧装置は、上記の課題を解決するために、液体を噴霧する静電噴霧装置であって、先端部から液体を噴霧する第1電極と、上記第1電極との間で電圧が印加される第2電極と、上記第1電極へ上記液体を供給するために当該液体を貯留する貯留部と、上記第1電極の先端部における圧力水頭を、自装置の運転時に上記第1電極の先端部から噴霧される上記液体をコーンジェットモードにする第1圧力水頭以上、かつ、自装置の運転停止時に上記第1電極の先端部から上記液体を漏出させる第2圧力水頭以下に制御する水頭制御部と、を備え、上記液体の表面張力が27mN/m以上、上記第1電極と上記第2電極との間に印加される電圧が3.5kV以上7kV以下であり、上記水頭制御部は、上記第1圧力水頭を5mm、上記第2圧力水頭を11mmに制御することを特徴としている。
本発明の一態様に係る静電噴霧装置の制御方法は、上記の課題を解決するために、液体を噴霧する静電噴霧装置の制御方法であって、静電噴霧装置は、先端部から液体を噴霧する第1電極と、上記第1電極との間で電圧が印加される第2電極と、上記第1電極へ上記液体を供給するために当該液体を貯留する貯留部と、を備えており、上記第1電極の先端部における圧力水頭を、自装置の運転時に上記第1電極の先端部から噴霧される上記液体をコーンジェットモードにする第1圧力水頭以上、かつ、自装置の運転停止時に上記第1電極の先端部から上記液体を漏出させる第2圧力水頭以下に制御する制御ステップを含み、上記液体の表面張力が27mN/m以上、上記第1電極と上記第2電極との間に印加される電圧が3.5kV以上7kV以下であり、
上記制御ステップにて、上記第1圧力水頭が5mm、上記第2圧力水頭が11mmに制御されることを特徴としている。
本発明の一態様に係る静電噴霧装置(制御方法)は、上記構成を備えることにより、圧力水頭を第1圧力水頭以上で制御することで第1電極の先端部から噴霧される液体をコーンジェットモードにすることができる。これにより、本発明の一態様に係る静電噴霧装置(制御方法)は、噴霧量を安定させることができる。
さらに、本発明の一態様に係る静電噴霧装置(制御方法)は、圧力水頭を第2圧力水頭以下に制御するため、自装置の運転停止時に上記第1電極の先端部からの上記液体の漏出を防ぐことができる。これにより、ユーザが液体に接触する機会を軽減することができる。
加えて、圧力水頭が高くなり過ぎると、液体の噴霧方向が変動し、それにより液体が装置表面に付着し、その結果、装置表面に付着した液体を介した短絡電流が発生することも考えられる。
この点、本発明の一態様に係る静電噴霧装置(制御方法)は、上記の構成を備えることにより、液体をコーンジェットモードにすることができ、かつ、短絡電流の発生を抑えることができるため、噴霧安定性に優れた静電噴霧装置、および静電噴霧装置の制御方法を提供することが可能となる。
また、本発明の一態様に係る静電噴霧置は、上記貯留部へ上記液体を供給する液体供給部をさらに備え、上記貯留部は、大気開放されており、上記液体供給部は、上記貯留部よりも上方に配置され、かつ、大気開放されておらず、上記貯留部および上記液体供給部は流路を介して液通し、上記水頭制御部は、上記第1圧力水頭において、上記流路を介して上記貯留部から上記液体供給部へ空気を移動させて、上記液体供給部から上記貯留部へ上記液体を供給させることにより、圧力水頭を上記第1圧力水頭以上に制御する構成であってもよい。
本発明の一態様に係る静電噴霧置は、上記の構成を備えることにより、上記流路を介して上記貯留部から上記液体供給部へ空気を移動させることで圧力水頭を上記第1圧力水頭以上に制御することができるため、装置構成を簡素化することが可能となる。
また、本発明の一態様に係る静電噴霧置は、上記流路は、一端が上記液体供給部に連結され、他端が上記貯留部の内部に位置決めされており、上記第1圧力水頭は、上記貯留部の底面から上記流路の上記他端までの高さにより規定され、上記貯留部の底面から上記流路の上記他端までの高さは可変である構成であってもよい。
本発明の一態様に係る静電噴霧置は、上記の構成を備えることにより、第1圧力水頭の位置を微調整することができ、より正確な圧力水頭の制御が可能となる。
また、本発明の一態様に係る静電噴霧置は、上記流路は、一端が上記液体供給部に連結され、他端が上記貯留部の側面に連結されており、上記第1圧力水頭は、上記流路との連結によって上記貯留部の側面に形成された連結孔の上端部から上記貯留部の底面までの高さにより規定される構成であってもよい。
本発明の一態様に係る静電噴霧置は、上記流路との連結によって上記貯留部の側面に形成された連結孔の上端部の位置を微調整することができ、より正確な圧力水頭の制御が可能となる。
また、本発明の一態様に係る静電噴霧置は、上記貯留部へ上記液体を供給する液体供給部を備え、上記液体供給部は、上記貯留部よりも上方に配置され、上記貯留部および上記液体供給部は流路を介して液通し、上記水頭制御部は、上記貯留部内の上記液体の液面が上記第1圧力水頭の位置にあるときに開動作し、上記貯留部内の上記液面の液面が上記第2圧力水頭の位置にあるときに閉動作する、上記流路に設けられたバルブである構成であってもよい。
また、本発明の一態様に係る静電噴霧置は、上記貯留部へ上記液体を供給する液体供給部を備え、上記水頭制御部は、上記貯留部内の上記液体の液面が上記第1圧力水頭の位置にあるときに上記液体供給部から上記貯留部へ上記液体を供給し、上記貯留部内の上記液体の液面が上記第2圧力水頭の位置にあるときに上記液体供給部から上記貯留部への上記液体の供給を停止するポンプであってもよい。
また、本発明の一態様に係る静電噴霧置は、上記貯留部へ上記液体を供給する液体供給部を備え、上記貯留部は、空気孔を介して大気開放されており、上記水頭制御部は、上記空気孔を塞ぐことによって上記液体供給部から上記貯留部への上記液体の供給を停止させ、上記空気孔を開放させることによって上記液体供給部から上記貯留部への上記液体の供給を開始させる、上記貯留部内に貯留された液体の液面高さに従って上下動する浮きであってもよい。
このように、本発明の一態様に係る静電噴霧置では、上記水頭制御部は、様々な方法により圧力水頭を第1圧力水頭以上、かつ、第2圧力水頭以下に制御することができる。
また、本発明の一態様に係る静電噴霧置は、上記第2電極における電流値を制御する電流制御手段と、上記電流制御手段により制御された電流値に基づいて、上記第1電極と上記第2電極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、をさらに備える構成であってもよい。
静電噴霧装置では、第1電極と第2電極との間に電圧が印加されることで、第1電極と第2電極との間に電場が形成される。このとき、第1電極は正に帯電し、第2電極は負に帯電する(その逆でもよい)。これにより、第1電極は正帯電した液滴を噴霧する。また、第2電極は電極近傍の空気をイオン化して負帯電させる。負帯電した空気は、電極間に形成された電場と負帯電された空気粒子間の反発力とによって第2電極から遠ざかる動きをする。この動きが空気の流れ(以下、イオン流と称する場合もある)を生み、このイオン流によって正帯電した液滴が静電噴霧装置から離れる方向へと噴霧される。
ここで、本発明の一態様に係る静電噴霧装置は、電圧印加手段が、電流制御手段により制御された電流値に基づいて、上記第1電極と上記第2電極との間に電圧を印加する。つまり、本発明の一態様に係る静電噴霧装置は、第2電極における電流値を所定の範囲内に制御することで、第1電極と第2電極との間に印加される電圧値を安定させ、その結果、第1電極と第2電極との間の電場強度を安定させることができる。
それゆえ、本発明の一態様に係る静電噴霧装置は、第1電極と第2電極との間に印加される電圧値をさらに安定させることができ、噴霧安定性に優れた静電噴霧装置を実現することができる。
本発明に係る静電噴霧装置は、先端部から液体を噴霧する第1電極と、上記第1電極との間で電圧が印加される第2電極と、上記第1電極へ上記液体を供給するために当該液体を貯留する貯留部と、上記第1電極の先端部における圧力水頭を、自装置の運転時に上記第1電極の先端部から噴霧される上記液体をコーンジェットモードにする第1圧力水頭以上、かつ、自装置の運転停止時に上記第1電極の先端部から上記液体を漏出させる第2圧力水頭以下に制御する水頭制御部と、を備え、上記液体の表面張力が27mN/m以上、上記第1電極と上記第2電極との間に印加される電圧が3.5kV以上7kV以下であり、上記水頭制御部は、上記第1圧力水頭を5mm、上記第2圧力水頭を11mmに制御する構成である。
また、本発明に係る静電噴霧装置の制御方法は、静電噴霧装置は、先端部から液体を噴霧する第1電極と、上記第1電極との間で電圧が印加される第2電極と、上記第1電極へ上記液体を供給するために当該液体を貯留する貯留部と、を備えており、上記第1電極の先端部における圧力水頭を、自装置の運転時に上記第1電極の先端部から噴霧される上記液体をコーンジェットモードにする第1圧力水頭以上、かつ、自装置の運転停止時に上記第1電極の先端部から上記液体を漏出させる第2圧力水頭以下に制御する制御ステップを含み、上記液体の表面張力が27mN/m以上、上記第1電極と上記第2電極との間に印加される電圧が3.5kV以上7kV以下であり、上記制御ステップにて、上記第1圧力水頭が5mm、上記第2圧力水頭が11mmに制御される構成である。
それゆえ、噴霧安定性に優れた静電噴霧装置、および静電噴霧装置の制御方法を実現することが可能になるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る静電噴霧装置の断面図である。 本発明の実施形態に係る静電噴霧装置の外観を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るスプレー電極、および基準電極を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る電源装置の構成図の一例を示す。 圧力水頭と噴霧量との関係を示すグラフである。 圧力水頭を6mmとしたときの印加電圧と噴霧量との関係を示す図である。 圧力水頭を11mmとしたときの印加電圧と噴霧量との関係を示す図である。 圧力水頭を15mmとしたときの印加電圧と噴霧量との関係を示す図である。 圧力水頭が11mmの場合を示す概念図である。 圧力水頭が5mmの場合を示す概念図である。 液体の表面張力が30mN/mにおける、経過日数と噴霧量との関係を示すグラフであり、圧力水頭が8mmのときを示す。 液体の表面張力が30mN/mにおける、経過日数と噴霧量との関係を示すグラフであり、圧力水頭が13mmのときを示す。 圧力水頭を制御する方法を示す概略図であり、圧力水頭が下限付近の様子を示す図である。 圧力水頭を制御する他の方法を示す概略図である。 圧力水頭を制御する他の方法を示す概略図である。 圧力水頭を制御する他の方法を示す概略図である。 圧力水頭を制御する他の方法を示す概略図である。
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態に係る静電噴霧装置100について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
〔静電噴霧装置100について〕
静電噴霧装置100は、芳香油、農産物用化学物質、医薬品、農薬、殺虫剤、空気清浄化薬剤等の噴霧等に用いられる装置であり、スプレー電極(第1電極)1と、基準電極(第2電極)2と、電源装置3とを備える。
まず、静電噴霧装置100の外観を図2により説明する。図2は、静電噴霧装置100の外観を説明するための図である。
図示するように、静電噴霧装置100は、直方形状である。その装置の一面に、スプレー電極1および基準電極2が配設されている。スプレー電極1は、基準電極2の近傍に位置する。また、スプレー電極1を取り囲むように環状の開口11が、基準電極2を取り囲むように環状の開口12が、それぞれ形成されている。スプレー電極1と基準電極2との間には電圧が印加され、それによりスプレー電極1と基準電極2との間に電場が形成される。スプレー電極1からは正帯電した液滴が噴霧される。基準電極2は、電極近傍の空気をイオン化して負帯電させる。そして、負帯電した空気は、電極間に形成された電場と負帯電された空気粒子間の反発力とによって基準電極2から遠ざかる動きをする。この動きが空気の流れ(以下、イオン流と称する場合もある)を生み、このイオン流によって正帯電した液滴が静電噴霧装置100から離れる方向へと噴霧される。
なお、静電噴霧装置100は、直方形状ではなく、他の形状であってもよい。また、開口11、開口12は、環状とは異なる形状であってよく、その開口寸法も適宜調整されうる。
〔スプレー電極1、基準電極2について〕
スプレー電極1、および基準電極2を図3により説明する。図3は、スプレー電極1、および基準電極2を説明するための図である。
スプレー電極1は、金属性キャピラリ(例えば、304型ステンレス鋼など)等の導電性導管と、先端部である先端部5とを有する。スプレー電極1は、電源装置3を介して基準電極2と電気的に接続される。先端部5からは噴霧物質(以下、「液体」と称する)が噴霧される。スプレー電極1は、スプレー電極1の軸心に対して傾斜する傾斜面9を有し、先端部5に向かうほど先端が細く、尖った形状である。
基準電極2は、金属ピン(例えば、304型スチールピンなど)等の導電性ロッドからなる。スプレー電極1および基準電極2は、一定の間隔をあけて離間し、互いに平行に配置されている。また、スプレー電極1および基準電極2は、例えば、互いに8mmの間隔をあけて配置される。
電源装置3は、スプレー電極1と基準電極2との間に高電圧を印加する。例えば、電源装置3は、スプレー電極1と基準電極2との間に1−30kVの間の高電圧(例えば、3−7kV)を印加する。高電圧が印加されると電極間に電場が形成され、誘電体10の内部に電気双極子が生じる。このとき、スプレー電極1は正に帯電し、基準電極2は負に帯電する(その逆でもよい)。そして、負の双極子が正のスプレー電極1に最も近い誘電体10の表面に生じ、正の双極子が負の基準電極2に最も近い誘電体10の表面に生じ、帯電したガスおよび物質種が、スプレー電極1および基準電極2によって放出される。ここで、上述したように、基準電極2において生成される電荷は、液体の極性とは逆の極性の電荷である。したがって、液体の電荷は、基準電極2において生成される電荷によって平衡化される。それゆえ、静電噴霧装置100は、電荷平衡の原理に基づき、電流フィードバック制御によって、噴霧の安定性を図ることができる。その詳細については後述する。
誘電体10は、例えばナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ポリプロピレン、ナイロン66またはポリアセチル−ポリテトラフルオロエチレン混合物などの誘電体材料からなる。誘電体10は、スプレー電極1をスプレー電極取付部6において支持し、基準電極2を基準電極取付部7において支持する。
〔電源装置3について〕
図4は、電源装置3の構成図の一例を示す。電源装置3は、電源21と、高電圧発生装置(電圧印加手段)22と、スプレー電極1および基準電極2の電流における出力電圧を監視する監視回路23と、基準電極2の電流値を所定の値(所定の範囲)に制御した状態で高電圧発生装置22の出力電圧が所望の値となるように高電圧発生装置22を制御する制御回路(電流制御手段)24とを備える。様々な用途に対応するために、制御回路24はマイクロプロセッサ241を備え、そのマイクロプロセッサ241は、他のフィードバック情報25に基づいて、出力電圧およびスプレー時間をさらに調整できるように設計されていてもよい。フィードバック情報25には、環境条件(気温、湿度、および/または、大気圧)、液体量、ユーザによる任意の設定などが含まれる。
電源21は周知の電源を用いることができ、主電源または1つ以上のバッテリーを含む。この電源21は、低電圧電源、直流(DC)電源が好ましく、例えば、1つ以上のボルタ電池を組み合わせて1つの電池を構成する。好適な電池には単3電池、単1電池が含まれる。電池の個数は、必要な電圧レベルと電源の消費電力とによって決まる。
高電圧発生装置22は、発振器221と、変圧器222と、コンバータ回路223とを備える。発振器221は直流を交流に変換し、変圧器222は交流で駆動する。この変圧器222にコンバータ回路223が接続される。通常、コンバータ回路223は、チャージポンプと整流回路とを備える。コンバータ回路223は、所望の電圧を生成し、交流を直流に変換する。典型的なコンバータ回路は、コックロフト・ウォルトン回路である。
監視回路23は、電流フィードバック回路231を備え、用途によっては、電圧フィードバック回路232を備えてもよい。電流フィードバック回路231は、基準電極2の電流値を測定する。静電噴霧装置100は電荷平衡されるため、基準電極2の電流値を測定し、参照することにより、スプレー電極1の先端部5での電流を正確に監視することができる。この方法によれば、高価で、複雑で、混乱を生じさせる測定手段をスプレー電極1の先端部5に設ける必要はなく、また、測定電流に対する放電(コロナ)電流の寄与を推定する必要もない。電流フィードバック回路231は、例えば変流器などの従来のいかなる電流測定装置を含んでもよい。
好ましい実施形態において、基準電極2における電流は、基準電極2と直列に接続されたセットレジスタ(フィードバック抵抗器)における電圧を測定することにより測定される。ある実施形態において、セットレジスタにおける測定電圧は、アナログ・デジタル(A/D)変換器を用いて読み取られる。なお、一般的に、アナログ・デジタル変換器は、マイクロプロセッサの一部である。アナログ・デジタル変換器を備えた好適なマイクロプロセッサは、Microchip社製のPIC16F18**ファミリー製品のマイクロプロセッサである。デジタル情報は、制御回路24に出力を供給するためにマイクロプロセッサにより処理される。
好ましい実施形態において、セットレジスタで測定された電圧は、比較器を用いて、所定の一定基準電圧値と比較される。比較器は、極めて低い電流(一般に、ナノアンペアかそれ以下)しか必要とせず、かつ、応答速度が速い。多くの場合、マイクロプロセッサ241には、その目的のために比較器が組み込まれている。例えば、上述したマイクロチップファミリーのPIC16F1824は、入力電流値が極めて低く、かつ一定の基準電圧を有する好適な比較器を提供する。比較器に入力される基準電圧値は、このマイクロプロセッサ241に含まれるD/A変換器を用いて設定され、選択可能な基準電圧値が用意されている。通常動作では、この回路は、基準電圧の大きさおよびフィードバック抵抗器によって決定される要求値よりも測定電流が高いか低いかを検出することができ、その情報を制御回路24に供給する。
正確な電圧値が要求される用途において、監視回路23はまた、電圧フィードバック回路232を備え、スプレー電極1に印加される電圧を測定する。一般に、印加電圧は、2つの電極を接続する分圧器を形成する2つの抵抗器の接合部における電圧を測定することによって直接監視される。あるいは、印加電圧は、同様の分圧器の原理を用いて、コックロフト・ウォルトン回路内のノードで生成される電圧を測定することによって監視される。同様に、電流フィードバックに関して、フィードバック情報は、A/D交換器を介して、あるいは、比較器を用いてフィードバック信号を基準電圧値と比較することによって、処理される。
制御回路24は、監視回路23から基準電極2の電流値を示す情報を取得し、基準電極2の電流値と所定の電流値(例えば、0.867μA)とを比較する。そして、制御回路24は、基準電極2の電流値が所定の電流値でなければ、所定の電流値となるように基準電極2の電流値を制御する。そして、制御回路24は、基準電極2の電流値を所定の電流値に制御したうえで、発振器221の振幅の大きさ、周波数、またはデューティーサイクル、電圧のオンーオフ時間(あるいは、これらの組み合わせ)を制御することによって、高電圧発生装置22の出力電圧を制御する。なお、電源装置3のユニットごとの製造誤差、もしくは電流値の測定誤差などを考慮して、制御回路24は、基準電極2の電流値を、「所定の電流値」ではなく、一定の幅を有する所定の範囲(±5%)内に収まるように制御してもよい。
大気温度、湿度、大気圧、液体の液体量などに基づいて電圧またはデューティーサイクル/スプレー間隔を補償する必要から、マイクロプロセッサ241に他の入力(フィードバック情報25)が入力されてもよい。その情報は、アナログ情報またはデジタル情報として与えられ、マイクロプロセッサ241により処理される。マイクロプロセッサ241は、入力情報に基づいて、スプレー間隔、スプレーをオンにする時間、または印加電圧の何れかを変更することよってスプレーの品質および安定性を高めるための補償を行うことができる。
一例として、電源装置3は、温度補償のために使用されるサーミスタなどの温度検知素子を備える。ある実施形態において、電源装置3は、温度検知素子により検知された温度の変化に従ってスプレー間隔を変化させる。スプレー間隔は、電源のオン、オフ時間の総計である。例えば、電源がスプレーを35秒間オンとし(その間、電源は第1電極と第2電極との間に高電圧を印加する)、145秒間オフとする(その間、電源は第1電極と第2電極との間に高電圧を印加しない)周期的なスプレー間隔の場合、そのスプレー間隔は35+145=180秒である。スプレー間隔は、電源のマイクロプロセッサ241に内蔵されたソフトウエアにより変更することができ、温度が上昇すると設定点から増加し、温度が低下すると設定点から減少する。スプレー間隔の増加および短縮は、噴霧される物質の特性によって定まる所定の指標に従うことが好ましい。便宜上、スプレー間隔の補償変化量は、スプレー間隔が0−60℃(例えば、10−45℃)の間でのみ変化するよう制限されていてもよい。そのため、温度検知素子によって記録された極端な温度は誤りとみなされ、考慮されず、高温および低温に対しては、最適ではないものの容認しうるスプレー間隔が設定される。あるいは、スプレー間隔のオン、オフ間隔は、スプレー間隔を一定にするように調整され、気温が上下したときにスプレー間隔内でスプレー時間を増減させてもよい。
なお、電源装置3は、噴霧される物質の特性を検出し、当該物質の特性を示す特性情報を生成する検査回路をさらに備えてもよい。検査回路が生成した特性情報は、制御回路24に供給される。制御回路24は、この特性情報を用いて、少なくとも1つの電圧制御信号を補償する。上記電圧制御信号とは、周囲の環境条件(例えば、温度、湿度および/または大気圧、および/または噴霧量)の検出結果に基づいて生成された信号であり、出力電圧またはスプレー時間を調整するための信号である。電源装置3は、周囲の圧力(大気圧)を監視するために、圧力センサを備えていてもよい。
以上、電源装置3の内部構成について説明した。しかしながら、上記説明は電源装置3の一例であって、電源装置3は、上記の機能を有するのであれば、他の構成により実現されてもよい。
〔スプレー電極1への液体の供給について〕
次に、静電噴霧装置100においてスプレー電極1へ液体を供給する構成を図1により説明する。図1は、静電噴霧装置100の断面図である。ただし、図1は、静電噴霧装置100の断面図の一例を示すものであり、静電噴霧装置100は、以下の構成を備えるのであれば、その構成は限定されない。
静電噴霧装置100は、スプレー電極1、基準電極2、および電源装置3に加え、さらに、液体供給部30と液体貯留部(貯留部)31とを備える。
液体供給部30は、液体を貯留するとともに、貯留した液体を重力によって液体貯留部31へ供給する。液体供給部30は、液体貯留部31内部が大気圧(1atm)のときに液体貯留部31へ液体を供給し、液体貯留部31内が大気圧よりも昇圧された状態では液体貯留部31への液体供給を行わない構造となっている。液体供給部30は、圧力に応じて液体の供給および停止が切り替わるため、複雑な制御を必要しないという点で好ましく用いられる。
液体貯留部31は、液体供給部30から供給された液体を貯留する。液体貯留部31は、空気経路32および液体供給部30と接する。そのため、液体貯留部31を形成する空間は、液体噴霧装置100の外部から内部へと形成された空気経路32の、装置内部側の端部(図1の破線A)、および液体供給部30の外縁(図1の破線B)により規定される、と言うこともできる。貯留された液体は、その後、スプレー電極1から噴霧される。液体貯留部31の容積は、液体の噴霧量などに基づき設定され、例えば、200mmとすることができる。
液体貯留部31には空気経路32が通じている。空気経路32は、一端が液体貯留部31に、他端が静電噴霧装置100の外部に通じている。その空気経路32は、液体貯留部31内の液体の液面高さに応じて、当該液体によって閉塞または開放される。すなわち、液体貯留部31内に貯留された液体が空気経路32の内部に侵入すると、空気経路32は液体によって閉塞され、液体貯留部31は大気開放の状態ではなくなる。一方、液体貯留部31内の液体が空気経路32に達しなければ、液体貯留部31は、空気経路32を介して大気開放された状態となる。これにより、静電噴霧装置100の外部から空気経路32を介して液体貯留部31に空気(外気)が供給される。この機能を有するのであれば、空気経路32は、静電噴霧装置100の上面または側面に形成されていてもよい。また、この機能を実現するのであれば、液体貯留部31は、特定の形状に限定されない。
好ましい形態として、静電噴霧装置100では、液体供給部30が設置されている側(図面上側)に空気経路32の他端が通じている。これにより、静電噴霧装置100内に設けられた液体貯留部31から液体の液漏れを生じにくくすることができる。
なお、空気経路32の直径(多角形の場合、最大辺の長さ)は、特に限定されず、例えば、直径を0.5mm以上、3mm以下とすることができる。また、空気経路32の形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、三角形、矩形および正方形などの四角形、五角形、六角形などの多角形状などに設計されうる。空気経路32からの液漏れを防止する観点から、空気経路32は長い方が好ましい。
なお、静電噴霧装置100では液漏れ防止のため、空気経路32が屈曲部37を有していてよい。屈曲部37が存在することにより、静電噴霧装置100が転倒などにより傾いた場合に、液体が空気経路32に流入したとしても、屈曲部37にて滞留し、即座に空気経路32から装置外部へ液漏れが生じない。また、屈曲部37において液体が滞留している間に、空気経路32が液体によって閉塞され、液体供給部30から液体貯留部31への液体供給が停止されうる。このように、静電噴霧装置100は、液漏れ防止効果を有すると共に、液面高さのコントロールが可能な構造となっていてよい。
さらに、空気経路32には、図1に示すように、好ましい形態として空気経路32に液体保持空間(液体を保持する空間)35が形成されていることが好ましい。液体保持空間35は、液体を保持する空間である。
上記構成によれば、静電噴霧装置100が転倒などにより傾いた場合、空気経路32を通過した液体は、液体保持空間35にて滞留し、液体が装置外部に到達するまでに長時間を要することとなる。その結果、空気経路32から装置外部への液漏れを防止できる。
液体保持空間35の形成箇所は、1箇所に限定されず、静電噴霧装置100のように、2箇所に形成されていてもよいし、3箇所以上形成されていてもよい。
〔スプレー電極1における圧力水頭について〕
静電噴霧装置100では、液体貯留部31内の液体の液面高さが変化する。上述したように、液体貯留部31内に液体が貯留されていない状態では、液体貯留部31は、空気経路32を介して外気と通じ大気圧となっている。この状態では、液体供給部30から液体貯留部31へ液体が供給される。液体貯留部31に供給された液体の体積分の空気は、空気経路32を通って静電噴霧装置100の外部に移動しつつ、液体貯留部31は大気圧に保持される。液体貯留部31への液体の供給量が増し、液体貯留部31内の液面位置が上昇すると、空気経路32は液体によって閉塞される。これにより、液体貯留部31内部の空気が外部に移動しなくなり、液体貯留部31は大気圧が保持されず、大気圧よりも高い圧力となる。この状態では、液体供給部30から液体貯留部31へ液体が供給されなくなり、それにより液面位置が保持される。
その後、スプレー電極1から液体が噴霧され液体貯留部31内の液体の液面が下降すると、再び空気経路32が開放され、液体貯留部31が大気圧となる。そして、液体供給部30から液体貯留部31へ液体が供給され、液体貯留部31内の液面位置が上昇し、再び一定高さに保持される。
つまり、静電噴霧装置100では、スプレー電極1の先端部5における圧力水頭(図1のH)は所定の範囲内に制御される。そして、本願発明者らは、液体の噴霧量、装置の運転停止時におけるスプレー電極1の先端部5からの液漏れ防止等の観点から、適正な範囲内に圧力水頭Hを制御することが重要であることを見出した。以下、そのことを説明する。
静電噴霧装置100の運転停止時、すなわち、スプレー電極1と基準電極2との間に電場が形成されていないとき、スプレー電極1から液体が漏出するかどうかは、液体の特性やスプレー電極1の形状等の要因に左右される。スプレー電極1から液体が漏出しない場合、液体は、液体の表面張力とスプレー電極1の内径などに応じて、スプレー電極1の先端部5にメニスカスを形成する。このとき、スプレー電極1の先端部5は、スプレー電極1からの液体の漏出を抑えるバルブとしての役割を果たしている。
次に、静電噴霧装置100の運転が始まると、スプレー電極1と基準電極2との間に電圧が印加され、スプレー電極1の先端部5に電場が形成される。電場が形成され、静電気力がある一定の強さを超えると、スプレー電極1の先端部5から液滴が噴霧される。好適な噴霧状態では、スプレー電極1の先端部5から噴霧される液体は円錐状であるテイラーコーンとなる。ここで、スプレー電極1の先端部5に形成される円錐形の液体は一般的にテイラーコーンと呼ばれ、スプレー電極1の先端部5側への液体の表面張力と電場による静電気力とが釣り合うことにより形成される。スプレー電極1から噴霧される液体がテイラーコーン状のときは、噴霧が安定していると言える。また、液体がテイラーコーン状となっている状態を、コーンジェットモードと称することもある。
このように、静電噴霧装置100では、噴霧の安定性を実現するうえで圧力水頭および静電気力が重要と言える。
このことを裏付けるために、スプレー電極1と基準電極2との間に電圧を印加した状態、および、印加していない状態の2通りのケースにおいて、圧力水頭および印加電圧と噴霧量との関係を確認した。このことを図5〜図8により説明する。
図5は、圧力水頭と噴霧量との関係を示すグラフであり、横軸の水頭は、スプレー電極1の先端部5における圧力水頭を示す。縦軸は、液体の噴霧量を示す。なお、スプレー電極1と基準電極2との間に4.75kVの電圧が印加されている。
図示するように、噴霧量は、圧力水頭と相関関係を示し、圧力水頭が大きくなるほど噴霧量も大きくなる。つまり、噴霧量は、圧力水頭に左右されることが分かる。
図6は、圧力水頭を6mmとしたときの印加電圧と噴霧量との関係を示す図である。図7は、圧力水頭を11mmとしたときの印加電圧と噴霧量との関係を示す図である。図8は、圧力水頭を15mmとしたときの印加電圧と噴霧量との関係を示す図である。図6〜図8に示すように、噴霧量は、印加電圧が大きくなるほど噴霧量も大きくなる。つまり、噴霧量は、印加電圧(すなわち、静電気力)に左右されることが分かる。
これらの結果から、静電噴霧装置100では、噴霧量、そして噴霧の安定性は、圧力水頭および静電気力による影響を受けることが理解される。そのため、圧力水頭が低ければスプレー電極1への液体の供給が十分に行われずに、噴霧安定性が損なわれることが懸念される。また、圧力水頭が高すぎると、液体の噴霧方向が変動し、それにより液体が装置表面(誘電体10)に付着し、誘電体10に付着した液体を介して、誘電体10上に漏れ電流(短絡電流)が発生し、その漏れ電流によって電源装置3が影響を受けることも考えうる。
また、静電噴霧装置100は、芳香油、農産物用化学物質、医薬品、農薬、殺虫剤、空気清浄化薬剤等の噴霧等に用いられる装置である。そのため、静電噴霧装置100の運転停止時にスプレー電極1から液漏れが発生すると、その処理をユーザに委ねることになり、ユーザに液体と接触させ好ましくない。そのため、スプレー電極1からの液漏れはできる限り防ぐことが好ましい。
このように、静電噴霧装置100の噴霧安定性を維持するためには圧力水頭を適切な範囲に制御することが望ましく、発明者らは、圧力水頭を、5mm(第1圧力水頭)以上、かつ、11mm(第2圧力水頭)以下にすることが好ましいことを見出した。具体的には、発明者らは、圧力水頭が5mmよりも低いと噴霧の安定性が損なわれ、圧力水頭が11mm以上であると、静電噴霧装置100の運転を停止した後にスプレー電極1の先端部5から液体が漏れ出しうることを見出した。静電噴霧装置100が電流フィードバック制御により運転されるときは特に、誘電体10への液体の付着、その付着に伴って生じうる漏れ電流に注意が必要となる。そのため、電流フィードバック制御が漏れ電流により影響を受けないように、上記範囲内で圧力水頭を制御することが重要となる。
ここで、圧力水頭を5mm以上、かつ、11mm以下にすることは、次の条件におけるものである。すなわち、スプレー電極1は外径が0.408mm、内径が0.21mmのものを使用し、液体は、相対湿度55%、気温25度において電気伝導率170μS/m、表面張力27mN/m−30mN/mであった。また、スプレー電極1と基準電極2との間に印加した電圧は3.5以上7kV以下の範囲であった。また、「5mm以上、かつ、11mm以下」の圧力水頭の範囲は、上記の各条件のもと、静電噴霧装置100からの噴霧量が0.6g/日以上となることを目安として得たものである。試験条件は、気温15度、相対湿度35%−気温35度、相対湿度75%であった。表面張力は、上記の説明では上限を30mN/mとしているが、特定の上限値を設ける必要はない。
図9は、圧力水頭が11mmの場合を、図10は圧力水頭が5mmの場合を示す概念図であり、静電噴霧装置100は、図示される範囲、つまり、圧力水頭を5mm以上かつ、11mm以下に抑えることが好ましく、これにより安定噴霧を実現し、装置のライフサイクルを通じてユーザの満足度を高めることができる。
ここで、噴霧の安定性を高め、漏れ電流の発生を抑制するといった観点において、圧力水頭を5mm以上、かつ、11mm以下にすることは静電噴霧装置100に特有のものである。また、静電噴霧装置100が電流フィードバック制御によって動作するのであれば、漏れ電流を抑制する必要性は自ずと高まる。このような理由からも、圧力水頭は、装置周辺の気温、ユーザによる装置の取り扱い方によって上下するものの、装置のライフサイクルを通じて、また毎度の運転において、噴霧性能に影響を与えない上記範囲内に制御されていることが好ましい。
次に、圧力水頭を上記範囲に抑えた場合の長期の噴霧安定性を図11、図12により説明する。図11、および図12は、液体の表面張力が30mN/mにおける、経過日数と、10台の試験における平均噴霧量との関係を示すグラフであり、図11は圧力水頭が8mmのときを、図12は圧力水頭が13mmのときを示す。図11、図12において、横軸は経過日数を示し、縦軸は平均噴霧量および標準偏差の2倍(2σ)を示す。
図11で説明する圧力水頭8mmという数値は、5mm以上、かつ、11mm以下に含まれる圧力水頭であり、また、図12で説明する圧力水頭13mmは、11mmよりも僅かに上側の値である。そのため、これらの数値を用いて長期の噴霧安定性を確認することは有意義なことと言える。
図11、図12の結果によれば、圧力水頭が8mmのとき、および13mmのいずれの場合においても、試験開始から25日経過した場合であっても噴霧量は安定している。また、2σの値も、特段悪い数値ではない。
ただし、図12の圧力水頭13mmの場合、上述したように、スプレー電極1から液体が漏出しうる。液体の漏出は、それ自体で噴霧性能に影響を及ぼすものではないものの、漏出した液体が装置表面に付着することが考えられる。まgた、付着した液体が、スプレー電極1と基準電極2との間に漏れ電流を発生させうる。そのため、圧力水頭は、スプレー電極1から液体の漏出が発生しない11mm以下とすることが好ましい。
以上の結果から、圧力水頭を5mm以上、かつ、11mm以下に抑えることが噴霧の長期安定性の観点においても好ましいことが裏付けられる。
最後に、上述したように、上記の種々のデータの採取においては、スプレー電極1は外径が0.408mm、内径が0.21mmのものを使用し、液体は、相対湿度55%、気温25度において電気伝導率170μS/m、表面張力30mN/mのものを使用した。また、スプレー電極1と基準電極2との間に印加した電圧は3−7kVの範囲であった。また、「5mm以上、かつ、11mm以下」の圧力水頭の範囲は、上記の各条件のもと、静電噴霧装置100からの噴霧量が0.6g/日〜0.8g/日となることを目安として得たものである。
しかしながら、静電噴霧装置100は、スプレー電極1の先端部5における圧力水頭を、静電噴霧装置100の運転時に、スプレー電極1の先端部5から噴霧される液体をテコーンジェットモードにする圧力水頭以上、かつ、静電噴霧装置100の運転停止時に、圧力水頭によってスプレー電極1の先端部5から液体を漏出させる圧力水頭以下で制御すればよい。つまり、その条件を満たすのであれば、スプレー電極1の内径・外径、あるいは液体特性等は特定のものに限定されず、種々の組み合わせにおいて本実施形態に係る圧力水頭の制御を行うことができる。
〔圧力水頭の制御方法〕
次に、本実施の形態において圧力水頭を制御する方法を図13等により説明する。
図13は、圧力水頭を制御する方法を示す概略図であり、圧力水頭が下限付近(第1圧力水頭)の様子を示す。なお、図1等により説明したものと同一の内容は、その説明を省略する。
図13に示す静電噴霧装置は、大気開放されていない液体供給部30と、空気孔38を有する液体貯留部31と、水頭制御機構(水頭制御部)40とを備える。
水頭制御機構40は、液体供給路40aおよび支持部40bを備える。
液体供給路40aは、液体供給部30の底面に連結しており、液体供給部30に貯留された液体を液体貯留部31へ供給するときの供給路として機能する。液体供給路40aは、その外表面が支持部40bに支持される。
支持部40bは、液体貯留部31と連結している。支持部40bは、その内表面で液体供給路40aを支持する。
ここで、液体供給路40aの外表面と支持部40bの内表面とは螺合する関係にある。図13では、液体供給路40aの外表面側が雄螺子、液体供給路40aの内表面が雌螺子という関係である。
したがって、支持部40bに対して液体供給路40aを回転させることで、液体供給部30と液体貯留部31との相対的な位置関係を変化させることができる。言い換えると、液体貯留部31の底面から液体供給路40aの液体貯留部31側の端部までの高さは可変である。
上述したように、図13は、圧力水頭が第1圧力水頭付近の様子を示す。本図では、液体貯留部31に貯留された液体の液面は、液体供給路40aの先端部(液体貯留部31側)付近に位置する。
このとき、液体供給路40aの先端部から液体供給路40aの内部へ気泡(図中のE)が侵入する。その気泡は、液体供給部30の内部に蓄積され、液体供給部30の内部の空気圧が徐々に高くなる。そして、液体供給部30の内部の空気圧が大気圧と等しくなるにつれ、液体供給部30に貯留された液体が液体貯留部31へと供給される。
そして、液体供給部30に貯留された液体が液体貯留部31へ供給されると、液体供給部30の内部の空気が占める体積が大きくなり、それに伴い、液体供給部30の内部の空気圧は大気圧よりも低くなる。つまり、液体供給部30の内部の空気圧は、空気孔38を有する液体貯留部31の内圧(大気圧)よりも低くなり、その結果、液体供給部30から液体貯留部31への液体の供給が停止する。
図13の静電噴霧装置は、液体供給路40aを支持部40bに対して回転させることで、液体供給部30と液体貯留部31との相対的な位置関係を上下させることができる。つまり、図13の静電噴霧装置では、スプレー電極1の先端部5における圧力水頭を、液体供給路40aを支持部40bに対して回転させることで、好適な範囲である、5mm(第1圧力水頭)以上、かつ、11mm(第2圧力水頭)以下とすることができる。
なお、図13とは異なり、液体供給路40aの外表面側が雌螺子、液体供給路40aの内表面が雄螺子で形成され、液体供給路40aの外表面と支持部40bの内表面とが螺合する構成も本実施の形態に含まれる。
また、螺合するピッチ、雄・雌螺子のサイズ等を適宜変更することで、圧力水頭の制御をより正確に行うことができる。
また、液体供給部30は、図13では1つのみ存在する。しかしながら、液体供給部30は、複数存在し、それぞれが水頭制御機構40を介して液体貯留部31と連結される構成で実現されてもよい。
また、図13では、液体供給路40aの高さを変化させて液面を制御する構成を螺子螺合構造(スクリュー構造)により実現している。しかしながら、そのスクリュー構造をバネ構造とすることによっても、液体供給路40aの高さを変化させて液面を制御することができる。
次に、本実施の形態において圧力水頭を制御する他の方法を図14により説明する。
図14は、圧力水頭を制御する他の方法を示す概略図である。図14に示す静電噴霧装置は、大気開放されていない液体供給部30と、空気孔38を有する液体貯留部31とを備える。液体供給部30は、液体貯留部31よりも上方に位置する。
液体供給部30と液体貯留部31とは、流路39を介して液通する。具体的には、流路39は、一端が液体供給部30の底面に連結され、他端が液体貯留部31の側面に連結されている。この構成において、図14は、圧力水頭が下限(第1圧力水頭)付近の様子を示す。
図示する状態では、液体貯留部31に貯留された液体の液面高さは、流路39との連結によって液体貯留部31の側面に形成された連結孔の上端部から液体貯留部31の底面までの高さ(H2)と同一である。
このとき、液体貯留部31から流路39の内部へ気泡が侵入する。その気泡は、液体供給部30の内部に蓄積され、液体供給部30の内部の空気圧が徐々に高くなっていく。そして、液体供給部30の内部の空気圧が大気圧と等しくなるにつれ、液体供給部30の内部に貯留された液体が液体貯留部31へと供給される。
そして、液体供給部30の液体が液体貯留部31へと供給されると、液体供給部30の内部の空気が占める体積が大きくなり、それに伴って、液体供給部30の内部の空気圧は大気圧よりも低くなる。つまり、液体供給部30の内部の空気圧は、空気孔38を有する液体貯留部31の内圧(大気圧)よりも低くなり、その結果、液体供給部30から液体貯留部31への液体の供給が停止する。このようにして図14に示す静電噴霧装置は、圧力水頭Hが制御される。
なお、液体貯留部31に貯留される液体の液面面積が大きいほど、温度変化により発生する液面高さの変化を軽減することができ、液体貯留部31中の液面の液面高さをより安定させることができる。
また、圧力水頭Hが所定の範囲内に制御されるのであれば、流路39の長さは限定されない。
次に、本実施の形態において圧力水頭を制御する他の方法を図15により説明する。
図15は、圧力水頭を制御する他の方法を示す概略図である。図15に示す静電噴霧装置は、空気孔33を有する液体供給部30と、空気孔38を有する液体貯留部31と、バルブ(水頭制御部)42とを備える。液体供給部30は、液体貯留部31の上方に位置する。
液体供給部30と液体貯留部31とは、流路39を介して液通する。具体的には、流路39は、一端が液体供給部30の底面に連結され、他端が液体貯留部31に連結される。そして、流路39にはバルブ42が設けられており、液体供給部30から液体貯留部31への液通が制御される。具体的には、バルブ42は、開動作によって液体供給部30から液体貯留部31へ液体を供給し、閉動作によって液体供給部30から液体貯留部31への液体の供給を停止する。バルブ42は、その開閉動作を、液体貯留部31に設けられたセンサ41の検知結果に応じて制御する。
液体貯留部31はセンサ41を有する。そのセンサ41は、センサ41aおよびセンサ41bを備える。センサ41aは、第2圧力水頭に対応する位置に設けられ、センサ41bは、第1圧力水頭に対応する位置に設けられる。
センサ41aは、液体を検知すると、液体を検知したことを示す信号をバルブ42へ送る。バルブ42は、センサ41aから上記信号を受信すると、バルブの閉動作を実行する。
センサ41bは、液体を検知しなくなると、液体を検知しなくなったことを示す信号をバルブ42へ送る。バルブ42は、センサ41bから上記信号を受信すると、バルブの開動作を実行する。
このようにして、図14の静電噴霧装置は、スプレー電極1の先端部5における圧力水頭を、好適な範囲である、5mm(第1圧力水頭)以上、かつ、11mm(第2圧力水頭)以下にすることができる。
なお、バルブ42は、上記の機能を有するのであれば、その種類は限定されない。
また、図15では、スプレー電極1が下を向いているように見えるが、これは説明の便宜のためであって、実際は紙面に対して垂直方向に向いていると考えられたい。このことは、後述する図16、図17においても同様である。
次に、本実施の形態において圧力水頭を制御する他の方法を図16により説明する。
図16は、圧力水頭を制御する他の方法を示す概略図である。図16に示す静電噴霧装置は、空気孔33を有する液体供給部30と、空気孔38を有する液体貯留部31と、ポンプ(水頭制御部)43とを備える。図中では、液体供給部30は、液体貯留部31の下方に位置するが、これに限られない。
液体供給部30と液体貯留部31とは、流路39を介して液通する。流路39は、一端が液体供給部30に貯留された液体中に位置決めされ、他端が液体貯留部31に連結される。そして、流路39にはポンプ43が設けられており、液体供給部30から液体貯留部31への液通が制御される。具体的には、ポンプ43は、運転開始によって液体供給部30から液体貯留部31へ液体を供給し、運転停止によって液体供給部30から液体貯留部31への液体の供給を停止する。図16には不図示であるが、液体供給部30が図15に記載のセンサ41a、センサ41bを備え、それによりポンプ43の運転が自動制御されてもよい。
このようにして、図16の静電噴霧装置は、スプレー電極1の先端部5における圧力水頭を、好適な範囲である、5mm(第1圧力水頭)以上、かつ、11mm(第2圧力水頭)以下に制御することができる。
なお、流路39は、その一端が液体貯留部31の底面や側面等に連結されてもよく、また、他端が液体供給部30の底面等に連結されてもよく、適宜変更してよい。
次に、本実施の形態において圧力水頭を制御する他の方法を図17により説明する。
図17は、圧力水頭を制御する他の方法を示す概略図である。図17に示す静電噴霧装置は、液体供給部30と、空気孔38を有する液体貯留部31と、浮き44とを備える。液体供給部30は、液体貯留部31の上方に位置する。
液体供給部30と液体貯留部31とは、流路39を介して液通する。流路39は、一端が液体供給部30の底面に連結され、他端が液体貯留部31に連結されている。そして、液体貯留部31の内部には浮き44が存在し、液面の上下変化に合わせて浮き44も上下に移動する。とくに、浮き44は、上方向に移動していくと、液体貯留部31の上面に形成された空気孔38を塞ぐように位置決めされている。
図17の静電噴霧装置は、上記構成を備えることで、次のように圧力水頭を制御する。つまり、浮き(水頭制御部)44が空気孔38を塞いでいない状態においては、液体供給部30から液体貯留部31へ液体が供給される。また、浮き44が空気孔38を塞いでいる状態においては、液体貯留部31内部の方が液体供給部30の内部よりも空気圧が高くなり、液体供給部30から液体貯留部31への液体の供給が停止される。
このようにして、図17の静電噴霧装置は、スプレー電極1の先端部5における圧力水頭を、好適な範囲である、5mm(第1圧力水頭)以上、かつ、11mm(第2圧力水頭)以下に制御することができる。
以上、図13等により本実施の形態において圧力水頭を制御する方法を説明した。ただし、これらは一例であって、他の方法により圧力水頭を制御することも当然に可能である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、芳香油、農産物用化学物質、医薬品、農薬、殺虫剤、空気清浄化薬剤等を噴霧する静電噴霧装置に利用することができる。
1 スプレー電極(第1電極)
2 基準電極(第2電極)
3 電源装置
5 先端部
6 スプレー電極取付部
7 基準電極取付部
9 傾斜面
10 誘電体
11 開口
12 開口
21 電源
22 高電圧発生装置
23 監視回路
24 制御回路
25 フィードバック情報
30 液体供給部
31 液体貯留部
32 空気経路
33 空気孔
35 液体保持空間
37 屈曲部
38 空気孔
39 流路
40 水頭制御機構(水頭制御部)
40a 液体供給路
40b 支持部
41、41a、41b センサ
42 バルブ(水頭制御部)
43 ポンプ(水頭制御部)
100 静電噴霧装置
221 発振器
222 変圧器
223 コンバータ回路
231 電流フィードバック回路
232 電圧フィードバック回路
241 マイクロプロセッサ

Claims (9)

  1. 液体を噴霧する静電噴霧装置であって、
    先端部から液体を噴霧する第1電極と、
    上記第1電極との間で電圧が印加される第2電極と、
    上記第1電極へ上記液体を供給するために当該液体を貯留する貯留部と、
    上記第1電極の先端部における圧力水頭を、自装置の運転時に上記第1電極の先端部から噴霧される上記液体をコーンジェットモードにする第1圧力水頭以上、かつ、自装置の運転停止時に上記第1電極の先端部から上記液体を漏出させる第2圧力水頭以下に制御する水頭制御部と、を備え、
    上記液体の表面張力が27mN/m以上、上記第1電極と上記第2電極との間に印加される電圧が3.5kV以上7kV以下であり、
    上記水頭制御部は、上記第1圧力水頭を5mm、上記第2圧力水頭を11mmに制御することを特徴とする静電噴霧装置。
  2. 上記貯留部へ上記液体を供給する液体供給部をさらに備え、
    上記貯留部は、大気開放されており、
    上記液体供給部は、上記貯留部よりも上方に配置され、かつ、大気開放されておらず、
    上記貯留部および上記液体供給部は流路を介して液通し、
    上記水頭制御部は、上記第1圧力水頭において、上記流路を介して上記貯留部から上記液体供給部へ空気を移動させて、上記液体供給部から上記貯留部へ上記液体を供給させることにより、圧力水頭を上記第1圧力水頭以上に制御することを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧装置。
  3. 上記流路は、一端が上記液体供給部に連結され、他端が上記貯留部の内部に位置決めされており、
    上記第1圧力水頭は、上記貯留部の底面から上記流路の上記他端までの高さにより規定され、
    上記貯留部の底面から上記流路の上記他端までの高さは可変であることを特徴とする請求項2に記載の静電噴霧装置。
  4. 上記流路は、一端が上記液体供給部に連結され、他端が上記貯留部の側面に連結されており、
    上記第1圧力水頭は、上記流路との連結によって上記貯留部の側面に形成された連結孔の上端部から上記貯留部の底面までの高さにより規定されることを特徴とする請求項2に記載の静電噴霧装置。
  5. 上記貯留部へ上記液体を供給する液体供給部を備え、
    上記液体供給部は、上記貯留部よりも上方に配置され、
    上記貯留部および上記液体供給部は流路を介して液通し、
    上記水頭制御部は、上記貯留部内の上記液体の液面が上記第1圧力水頭の位置にあるときに開動作し、上記貯留部内の上記液面の液面が上記第2圧力水頭の位置にあるときに閉動作する、上記流路に設けられたバルブであることを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧装置。
  6. 上記貯留部へ上記液体を供給する液体供給部を備え、
    上記水頭制御部は、上記貯留部内の上記液体の液面が上記第1圧力水頭の位置にあるときに上記液体供給部から上記貯留部へ上記液体を供給し、上記貯留部内の上記液体の液面が上記第2圧力水頭の位置にあるときに上記液体供給部から上記貯留部への上記液体の供給を停止するポンプであることを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧装置。
  7. 上記貯留部へ上記液体を供給する液体供給部を備え、
    上記貯留部は、空気孔を介して大気開放されており、
    上記水頭制御部は、上記空気孔を塞ぐことによって上記液体供給部から上記貯留部への上記液体の供給を停止させ、上記空気孔を開放させることによって上記液体供給部から上記貯留部への上記液体の供給を開始させる、上記貯留部内に貯留された液体の液面高さに従って上下動する浮きであることを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧装置。
  8. 上記第2電極における電流値を制御する電流制御手段と、
    上記電流制御手段により制御された電流値に基づいて、上記第1電極と上記第2電極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の静電噴霧装置。
  9. 液体を噴霧する静電噴霧装置の制御方法であって、
    静電噴霧装置は、先端部から液体を噴霧する第1電極と、上記第1電極との間で電圧が印加される第2電極と、上記第1電極へ上記液体を供給するために当該液体を貯留する貯留部と、を備えており、
    上記第1電極の先端部における圧力水頭を、自装置の運転時に上記第1電極の先端部から噴霧される上記液体をコーンジェットモードにする第1圧力水頭以上、かつ、自装置の運転停止時に上記第1電極の先端部から上記液体を漏出させる第2圧力水頭以下に制御する制御ステップを含み、
    上記液体の表面張力が27mN/m以上、上記第1電極と上記第2電極との間に印加される電圧が3.5kV以上7kV以下であり、
    上記制御ステップにて、上記第1圧力水頭が5mm、上記第2圧力水頭が11mmに制御されることを特徴とする制御方法。
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