JP6211745B1 - アンテナ調整装置およびアンテナ調整方法 - Google Patents

アンテナ調整装置およびアンテナ調整方法 Download PDF

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Abstract

三次元空間内における姿勢に関する情報を取得するセンサと、前記センサを装着したアンテナを、前記複数の軸のそれぞれを中心として回転させた場合における前記センサの出力の変化を軸ごとに取得することで、それぞれの軸に対応する複数のベクトルを取得する可動軸取得手段と、前記センサが出力した情報に基づいて、前記アンテナの指向軸に対応する第一の方向を取得する第一の方向取得手段と、前記アンテナの指向軸を合わせるべき方向である第二の方向を取得する第二の方向取得手段と、前記第一の方向と第二の方向を一致させるためにアンテナを回転すべき角度である補正角度を、前記複数のベクトルを用いて前記軸ごとに算出する算出手段と、を有し、前記第一および第二の方向は、地球を基準とした座標系で表されることを特徴とする。

Description

本発明は、人工衛星との通信に用いるアンテナの調整を補助する技術に関する。
放送や通信などのサービスに静止人工衛星が利用されている。静止人工衛星は、静止軌道を地球の自転と同じ周期で周回しており、地上からは常に同じ方位角及び仰角のところに見えるという特徴を持つ。静止人工衛星との通信には、通常、指向性を持ったアンテナが利用される。
静止人工衛星と通信するアンテナを設置する際は、その指向軸の方向が、当該アンテナから見える静止人工衛星の方向と一致するように調整する必要がある。一方、アンテナから見た衛星の方位角および仰角は、地球上におけるアンテナの設置場所によって変わる。よって、通常アンテナを設置する際は、その設置場所に応じて、設定すべき方位角および仰角を決定し、対象のアンテナの角度を合わせるという方法がとられている。
通常のパラボラアンテナは、方位角方向および仰角方向にそれぞれ角度の調整が可能なものが多い。例えば、特許文献1には、方位角に対応する回転軸と、仰角に対応する回転軸をそれぞれ中心としてアンテナを回転させ、微調整できるアンテナ装置が開示されている。
特開2012−80362号公報
予め定められた角度を用いてアンテナを調整する場合、アンテナを水平に設置することが必須とされる。しかし、実際の設置場所を完全に水平にすることは難しく、このような場合、アンテナの角度を所定の方位角および仰角に設定しても、ずれが発生してしまうことがある。また、この問題は、アンテナが移動式(例えば車載アンテナ等)である場合に特に顕著となる。この問題を解決するためには、おおよその角度を設定した後で、衛星からの信号を受信しながら、信号強度が最も強くなるようにアンテナの向きを微調整する動作が必要となる。
しかし、受信した信号のレベルを確認しながらアンテナの向きを微調整する作業は、アンテナの設置を専門にしない一般のユーザにとって容易なことではない。
本発明は上記の課題を考慮してなされたものであり、静止衛星から信号を受信するアンテナ装置において、角度の調整を容易にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための、本発明に係るアンテナ調整装置は、指向性を有し、複数の軸によって姿勢を変更可能なアンテナの姿勢の調整に用いるアンテナ調整装置である。
具体的には、三次元空間内における姿勢に関する情報を取得するセンサと、前記センサを装着したアンテナを、前記複数の軸のそれぞれを中心として回転させた場合における前記センサの出力の変化を軸ごとに取得することで、それぞれの軸に対応する複数のベクトルを取得する可動軸取得手段と、前記センサが出力した情報に基づいて、前記アンテナの指向軸に対応する第一の方向を取得する第一の方向取得手段と、前記アンテナの指向軸を合わせるべき方向である第二の方向を取得する第二の方向取得手段と、前記第一の方向と第二の方向を一致させるためにアンテナを回転すべき角度である補正角度を、前記複数のベクトルを用いて前記軸ごとに算出する算出手段と、を有し、前記第一および第二の方向は、地球を基準とした座標系で表されることを特徴とする。
センサは、アンテナ本体に装着することで、三次元空間内におけるアンテナの姿勢を取得するための手段である。センサは、三次元空間内における姿勢を取得することができれば、加速度センサ、地磁気センサ、ジャイロスコープ、GPS受信機、またはこれらの組み合わせなど、どのようなものであってもよい。
また、可動軸取得手段は、アンテナの姿勢を調整するための回転軸の向きをベクトル形式で取得する手段である。具体的には、複数の軸を中心としてアンテナを実際に回転させ、軸ごとに取得したセンサの出力結果に基づいて、回転軸に対応するベクトル(以下、軸ベクトル)を取得する。
第一の方向取得手段は、センサから取得した情報に基づいて、アンテナの指向軸に対応する方向(第一の方向)を求める手段である。例えば、センサを装着したアンテナ上の位置と、アンテナの指向軸との位置関係が予めわかれば、センサから取得した情報に基づいて、指向軸の方向を求めることができる。
また、第二の方向取得手段は、アンテナの指向軸を合わせるべき方向(第二の方向)を求める手段である。第二の方向は、典型的には、アンテナの設置場所から見た静止衛星の方向である。第二の方向は、手動で入力してもよいし、予め記憶された情報の中から選択してもよい。また、センサにGPS受信機が含まれる場合、予め記憶された情報とGPS座標とを用いて取得してもよい。
第一および第二の方向は、地球を基準とした座標系(例えばECEF直交座標系)で表される。これにより、アンテナが地球上のどこに設置されていても同じ方法で調整が行えるようになる。
算出手段は、第一の方向と第二の方向とのずれを補正するために、各軸を中心として回転させるべき角度を求める手段である。具体的には、可動軸取得手段が求めた、各軸に対応するベクトルと、センサから取得した情報に基づいて、アンテナを軸ごとにそれぞれどの程度回転させれば両者が一致するかを求める。
かかる構成によると、センサを装着したアンテナを軸ごとに動かすだけで、衛星を捕捉するためにどの程度の回転量が必要なのかを得ることができる。すなわち、衛星から受信した信号の強度を観察する必要がなくなり、アンテナの調整を容易に行うことができるようになる。
また、前記センサは、重力方向、真北の方向、GPS座標を取得可能なセンサであり、前記第一の方向取得手段は、前記重力方向、真北の方向、GPS座標を用いて前記第一の方向を取得することを特徴としてもよい。
第一および第二の方向は、地球を基準とした座標系で表されるため、センサが取得した情報を、地球を基準とした姿勢に変換する必要がある。センサがGPS座標を用いることで、地球上の地点が特定でき、重力および真北の方向を用いることで、当該地点における姿勢が特定できる。
また、前記第二の方向取得手段は、前記センサが取得したGPS座標と、予め記憶された衛星の位置情報とを用いて前記第二の方向を決定することを特徴としてもよい。
センサが取得したGPS座標は、第二の方向を決定するための情報としても利用することができる。
また、前記第一の方向取得手段は、前記アンテナにおける前記センサの装着位置に関する情報であるセンサ位置情報を取得し、当該情報をさらに用いて前記第一の方向を取得することを特徴としてもよい。
センサの姿勢とアンテナが有する指向軸との関係が予めわかっていれば、センサが出力した情報から第一の方向を求めることができる。このため、センサを基準とした座標系を、アンテナを基準とした座標系に変換するための情報(センサ位置情報)を取得するようにしてもよい。センサ位置情報は、センサの取り付け位置が決まっている場合、事前に記憶されていてもよい。
また、前記アンテナは、前記センサを装着するセンサベースを一つ以上有し、前記第一の方向取得手段は、前記センサが装着されたセンサベースに対応するセンサ位置情報を取得することを特徴としてもよい。
センサベースとは、例えば、センサを置く台や窪みであってもよいし、スマートフォンなどの携帯端末をセンサとして用いる場合、ホルダー等であってもよい。また、センサ位置情報をセンサベースごとに取得可能とすることで、複数のセンサベースを選択して使用することができるようになる。
また、前記第一の方向および第二の方向は、ECEF座標系を用いて表されることを特徴としてもよい。
ECEF座標系は、地球の中心を原点とする直交座標系である。GPSが利用する世界測地系では、地球を近似した楕円体(準拠楕円体)を用いて位置を表しているが、ECEF座標系を用いることで、衛星との位置関係をより正確に表せるようになる。
また、本発明に係るアンテナ調整装置は、前記複数の軸を中心として前記アンテナを回転させることで当該アンテナの姿勢を変更する駆動手段をさらに有し、前記算出手段は、衛星を追従するために必要な補正角度を所定の周期で算出し、前記駆動手段が、算出した前記補正角度に基づいてアンテナの姿勢を補正することを特徴としてもよい。
所定の周期で補正に必要な角度を算出し、駆動手段を用いてアンテナの姿勢を変更することで、アンテナが移動しても指向軸を衛星に追従させることができる。すなわち、車載環境など、アンテナの位置や方向が変化する環境であっても、常に衛星との通信状態を維持することができる。
なお、本発明は、上記手段の少なくとも一部を含むアンテナ調整装置として特定することができる。また、前記アンテナ調整装置が実行するアンテナ調整方法として特定することもできる。上記処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
本発明によれば、静止衛星から信号を受信するアンテナ装置において、角度の調整を容易にすることができる。
アンテナと衛星との位置関係を説明する図である。 調整を行う対象のアンテナを示した斜視図である。 第一の実施形態に係るアンテナ調整装置100のシステム構成図である。 衛星情報記憶部に記憶される情報の例である。 アンテナ調整処理におけるフローチャートである。 アンテナ調整処理におけるフローチャートである。 アンテナ調整処理におけるフローチャートである。 演算装置に表示される画面の例である。
実施形態の説明に入る前に、図1を参照しながら、本発明に係るアンテナ調整装置の概要について説明する。
符号101は、赤道上に位置する静止軌道上を周回する静止人工衛星(以下、衛星)であり、符号102は、衛星101と通信を行うアンテナである。アンテナと衛星との間の通信は、UHF帯やSHF帯といった高い周波数の電波を用いて行われる。符号103は、電波の伝播経路である。当該伝播経路は、衛星101とアンテナ102とを直線で結ぶ経路となる。
アンテナ102は、特定の方向に強い指向性を持つアンテナであり、典型的にはパラボラアンテナである(以下、指向性を持っている方向を表す軸を指向軸と称する)。図1の例では、符号104が指向軸である。アンテナ102が衛星101から受信する信号の強度は、指向軸104の向きと伝播経路103の向きとが一致した場合に最も強くなる。
一方、既知のアンテナの多くは、指向軸の向きを変えるために、複数の軸によって姿勢が調整可能な構造となっている。例えば、一般的なパラボラアンテナは、図2に示したように、方位角および仰角の調整がそれぞれ可能な構造となっている。図2の例では、図中のZ軸方向に平行な軸を中心としてアンテナを回転させることで方位角の調整を行い、Y軸方向に平行な軸を中心としてアンテナを回転させることで仰角の調整を行う。
衛星はアンテナから見て静止しているため、アンテナを調整すべき方位角および仰角は、地球上のアンテナの設置場所によって一意に定まる。しかしこれは、アンテナを設置した場所が水平である場合に限られる。例えば、アンテナを固定するための設置ポール201がZ軸に対して傾いている場合、所定の方位角および仰角に調整しても、指向軸にずれが生じてしまう。また、アンテナが水平に設置されていた場合であっても、アンテナ自体に方位角や仰角を取得するための手段(コンパスやセンサ等)が内蔵されていない場合など、角度を厳密に合わせることが困難な場合がある。
以下、この問題を解決するための、本発明の実施形態について説明する。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係るアンテナ調整装置は、アンテナの現在の姿勢についての情報を取得したうえで、衛星を捕捉する(すなわち、アンテナの指向軸を衛星の方向と合わせる)ために必要な回転角を、方位角と仰角のそれぞれについて算出し、ユーザに通知する装置である。当該通知結果に基づいてユーザがアンテナの角度を調整することで、アンテナを理想的な角度に調整することができる。
図3は、第一の実施形態に係るアンテナ調整装置のシステム構成図である。第一の実施形態に係るアンテナ調整装置100は、センサモジュール10と演算装置20から構成される。
調整対象であるアンテナ102は、本発明を構成するものではないが、ここで説明する。本実施形態におけるアンテナ102は、前述したようなパラボラアンテナであり、ヒンジ構造や電子的な手段によって、指向軸の角度(方位角および仰角)を調整する機能を有している。
次に、センサモジュール10について説明する。センサモジュール10は、三次元空間内における姿勢を検出するための手段であり、加速度センサ11と、地磁気センサ12と、GPS受信部13からなるユニットである。
加速度センサ11は、重力方向を検出するためのセンサであり、典型的には3軸加速度センサである。本実施形態では、加速度センサ11は3軸加速度センサであるが、センサモジュール10に対してどちらの方向に重力方向(すなわち鉛直方向)があるかを検出できれば、どのようなセンサであってもよい。
地磁気センサ12は、磁北の方向を検出する手段である。本実施形態では地磁気センサを用いるが、センサモジュール10に対してどちらの方向に磁北があるかを検出できれば、どのようなセンサを用いてもよい。
GPS受信部13は、地球上におけるセンサモジュール10の位置を検出する手段である。本実施形態では、GPS受信部13は、緯度および経度を取得するものとするが、地球上におけるセンサモジュール10の位置を検出できれば、これ以外を取得するものであってもよい。
センサモジュール10には、前述した各センサが収納されており、各センサが取得したデータは、無線または有線通信によって演算装置20に送信される。
次に、演算装置20について説明する。
演算装置20は、CPU、主記憶装置、補助記憶装置を有するコンピュータである。補助記憶装置に記憶されたプログラムが主記憶装置にロードされ、CPUによって実行されることで、本明細書で説明する機能が実行される。なお、図示した機能の全部または一部は、専用に設計された回路を用いて実行されてもよい。
センサ情報取得部21は、センサモジュール10から情報を取得するインタフェースである。センサ情報取得部21は、センサモジュール10から情報を取得することができれば、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。例えば、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)を用いたものであってもよい。
衛星情報記憶部22は、捕捉対象の衛星についての位置情報を記憶する手段である。本実施形態では、図4に示したように、地球を基準とした衛星の位置情報を記憶する。衛星情報記憶部22が記憶する情報は、図4に示したようなテーブル形式であってもよいし、角度を算出するための数式であってもよい。また、地球以外を基準とした位置情報であってもよい。例えば、アンテナを設置する地点と、当該地点から見た衛星の方位角および仰角についての情報などであってもよい。
演算部23は、演算装置20全体の制御を司る手段である。具体的には、センサモジュール10から取得した情報に基づいて、方位角と仰角それぞれについて、修正が必要な角度を算出する。詳細な処理については後述する。
入出力部24は、ユーザが行った入力操作を受け付け、ユーザに対して情報を提示する手段である。本実施形態では一つのタッチパネルディスプレイからなる。すなわち、液晶ディスプレイとその制御手段、タッチパネルとその制御手段から構成される。
次に、アンテナの角度を調整する具体的な処理について説明する。
図5〜図7は、演算部23が行う処理のフローチャート図である。
アンテナの調整を開始する際は、まず、対象のアンテナ102を組み立て、方位角および仰角を調整可能な状態とする。アンテナは、例えば、図2に示したように、ポールに固定してもよいし、ベランダの柵のような平面に固定してもよい。準備ができたら、ユーザは、入出力部24を通して、調整を開始する旨の入力を行う。
次に、演算部23は、センサモジュール10をアンテナに設置するように入出力部24を通じてユーザに促し、出力されるセンサ情報が安定するのを待つ。本実施形態では、アンテナ102は、センサモジュールを設置するためのホルダー(センサベース)を有しており、所定の向きにセンサを装着可能な構成となっている。センサ情報が安定したら、図5に示した処理が開始される。
ステップS11では、センサモジュール10の座標を取得する。
具体的には、GPS受信部13を用いて、センサモジュールのGPS座標を取得する。ここで得られる情報は、WGS84測地系に則った、緯度(φ),経度(λ),楕円体対高(h)の組み合わせ(以下、GPS測地座標)である。なお、演算部23は、のちの計算のため、得られたGPS測地座標をECEF直交座標系に変換する。ECEF直交座標系とは、地球の中心を原点とする直交座標系であり、各軸は以下のように定義される。
X軸:極運動の自転軸の北極方向
Y軸:経度0度と平均赤道面との交線
Z軸:Z軸およびX軸と右手直交系をなす直線
GPSによって計測された座標(φ,λ,h)は、以下の式によってECEF直交座標系における座標P(x0,y0,z0)に変換することができる。
0=(N+h)cosφcosλ
0=(N+h)cosφsinλ
0={N(1−e2)+h}sinφ
なお、N=a/√(1−e2sin2φ)であり、e2=2f−f2である。(aは赤道面平均半径、fは地球の偏平率)
ステップS12では、地磁気センサ12を用いて、センサモジュール10に対する磁北の方向を取得し、真北の方向を算出する。具体的には、センサモジュールを基準とする直交座標系(以下、センサ座標系)における磁北の方向を取得し、座標Pにおける、磁北と真北との偏角に基づいて、真北の方向を決定する。決定した方向は、センサ座標系におけるベクトルとして一時的に記憶される。なお、本例では地磁気センサを用いて真北の方向を算出したが、他のセンサによって真北の方向を算出することも可能である。例えば、加速度センサまたはジャイロセンサを用い、地球の自転による微弱な加速度変化(コリオリ力)を検知して、GPS座標と組み合わせて真北の方向を算出するようにしてもよい。
ステップS13では、加速度センサ11を用いて、センサ座標系における重力方向のベクトルを取得する。加速度センサのX軸の測定値、Y軸の測定値、Z軸の測定値をそれぞれgx,gy,gzとすると、重力方向のベクトルg'は、(gx,gy,gz)と表すことができる。また、向きが等しい単位ベクトルは、g'/|g'|と表すことができる。
なお、重力方向の加速度についても、地球の自転による遠心力、自転による加速度、月や太陽の重力などの影響を受けるが、地球の重力と比較すると十分に小さいため、ここでは無視する。
なお、以降の説明文(数式を除く)において、ベクトルはν(重力方向のベクトルはg)という変数を用いて表し、ベクトルを表す矢印記号は省略する。また、シングルアポストロフィー(’)は、センサモジュールを基準とした直交座標系(センサ座標系)であることを表し、ダブルアポストロフィー('')は、アンテナを基準とした直交座標系(以下、アンテナ座標系)であることを表す。また、アポストロフィーの無いものは、ECEF座標系であることを表す。
ステップS12〜S13の処理は、所定の周期で繰り返され、真北の方向および重力方向は、センサ座標系における真北ベクトル(νtn')および重力ベクトル(g')として常に更新され、維持される。これらの情報の利用方法については後述する。
次に、図6に示した処理が実行される。
ステップS21は、センサモジュール10設置された地点Pにおける重力ベクトルを、ECEF座標系で取得するステップである。GPSによって得られた緯度は、WGS84の準拠楕円対に基づくものであるため、ECEF座標系の原点(すなわち地球の中心)と、センサモジュール10が設置された地点Pを結ぶベクトルが必要となる。
地点Pの座標(x0,y0,z0)はステップS11で既に取得しているため、地点Pでの、ECEF座標系における重力ベクトルgpは、(−x0,−y0,−z0)と表すことができる。また、向きが等しい単位ベクトルは、gp/|gp|と表すことができる。
ステップS22では、アンテナが捕捉すべき衛星の位置を、ECEF座標系を用いて取得する。ここでは、衛星の座標を(xtgt,ytgt,ztgt)とする。
静止軌道衛星は、赤道上空の一定の高度、任意の経度に存在するため、衛星の経度がわかれば、ECEF直交座標系における座標に変換することができる。例えば、衛星が東経β度に位置する場合、ECEF直交座標系における座標(xtgt,ytgt,ztgt)は、(rfsscosβ,rfsssinβ,0)と表すことができる。このとき、rfssは静止軌道衛星の公転半径である。なお、実際には公転半径は多少変動するが、20〜50kmと公転半径に比べて十分に小さいため、ここでは無視する。
βおよびrfssは、図4に示したように、衛星情報記憶部22に予め記憶させておく。なお、本例ではβおよびrfssを用いるが、衛星の位置を特定することができれば、他の情報を用いてもよい。
ステップS23では、衛星とアンテナとを結ぶ伝播路に対応するベクトルを求める。
センサモジュール10の座標が(x0,y0,z0)であり、衛星の座標が(xtgt,ytgt,ztgt)であるため、この二点を結ぶ直線は、式(1)によって表すことができる。
Figure 0006211745

また、この二点を結ぶベクトル(νtgt)は、(xtgt−x0,ytgt−y0,ztgt−z0)と表すことができる。また、向きが等しい単位ベクトルは、νtgt/|νtgt|と表すことができる。
次に、図7に示した処理が実行される。
本実施形態で調整を行う対象のアンテナ102は、方位角および仰角方向に回転可能である。しかし、前述したように、アンテナの設置基台(図2の例では設置ポール201)は必ずしも垂直であるとは限らない。そこで、本実施形態に係るアンテナ調整装置は、アンテナが回転可能な軸の向きを検出し、当該軸を中心として回転すべき角度を算出する。
ステップS31が、方位角を調整するための軸を取得するステップであり、ステップS32が、仰角を調整するための軸を取得するステップである。また、ステップS33〜S35が、取得した軸に基づいて、必要な回転量を算出するステップである。
ステップS31では、アンテナの仰角を固定し、方位角の調整方向にアンテナを動かすよう入出力部24を介してユーザに通知する。
具体的には、方位角の調整方向にアンテナを回転させながら、3点以上の異なる任意の位置で一旦停止させ、その状態で演算部23がセンサ座標系における重力ベクトルを得る。
これにより、3点で得られたベクトルの座標点を通る平面が定義でき、その法線が方位角調整の回転軸となる。すなわち、法線の単位ベクトルと回転軸の単位ベクトルは、一致するか、逆ベクトルとなる。
ここで、三つの異なる点で測定した重力ベクトル(センサ座標系におけるベクトル)が、
(1)νa'=(xa,ya,za
(2)νb'=(xb,yb,zb
(3)νc'=(xc,yc,zc
であったとき、これらをそれぞれ点A,点B,点Cの位置ベクトルとみなせば、3点を通る平面の法線ベクトルは、(AB),(BC),(CA)のいずれか二つの外積から求めることができる(ベクトル符号は省略)。なお、(AB)および(BC)は、式(2)で表すことができる。
Figure 0006211745
また、この二つの外積は、式(3)で表すことができる。なお、計算式は省略するが、後の計算のため、単位ベクトルをνAZ'として一時的に記憶する。
重力ベクトルg'とνAZ'は、アンテナが重力方向に対して水平に設置された場合に一致する。しかし、アンテナが重力方向に対して水平に設置されていない場合、二つのベクトルから回転四元数を求めることで、方位角を調整するための軸(ECEF座標系におけるベクトル)を求めることができる。
Figure 0006211745
ステップS32では、アンテナの方位角を固定し、仰角の調整方向にアンテナを動かすよう入出力部24を介してユーザに通知する。
具体的には、仰角の調整方向にアンテナを回転させながら、3点以上の異なる任意の位置で一旦停止させ、その状態で演算部23がセンサ座標系における重力ベクトルを得る。
これにより、3点で得られたベクトルの座標点を通る平面が定義でき、その法線が仰角調整の回転軸となる。すなわち、法線の単位ベクトルと回転軸の単位ベクトルは、一致するか、逆ベクトルとなる。
なお、計算式はステップS31と同様であるため、ここでは省略する。
また、ステップS31と同様に、取得したベクトルの単位ベクトルをνEL'として一時的に記憶する。
ステップS33は、衛星とアンテナとを結ぶベクトル(ステップS23で取得したベクトルνtgt)と、アンテナの指向軸に対応するベクトルを一致させるための回転量を算出するステップである。なお、νEL'は方位角方向の回転と同期して回転するため、方位角方向にアンテナが回転した場合、回転量に応じてνEL'を補正する必要があることに留意すべきである。
ここで、回転量の算出について具体的な説明を行う前に、あるベクトルを、他のベクトルまで移動させる動作を、四元数上の回転で表す場合の公式を示す。
ここでは、仮に、ベクトルν1=(x1,y1,z1)と、ベクトルν2=(x2,y2,z2)があり、ν1をν2まで回転させることを考える。回転を表す場合、回転軸のベクトルと回転角が必要となる。回転軸のベクトルは、二つのベクトルを含む面の法線ベクトルとなるため、二つのベクトルの外積に相当する(式(4))。
Figure 0006211745
次に、回転角について説明する。内積の公式(式(5))を用いると、回転角θは、式(6)のように表すことができる。
Figure 0006211745

Figure 0006211745
回転を表す四元数は、先に求めた、回転軸となるベクトルと回転角により定義される。具体的には、回転軸に対応するベクトルをνaxis、回転角をθとすると、当該回転に対応する四元数は式(7)〜式(9)によって表すことができる。
Figure 0006211745

Figure 0006211745

Figure 0006211745
また、この四元数を複素数で表すと、式(10)のようになる。ここで、i,j,kは、直交座標系の基底ベクトルである。すなわち、以下のような性質を持つ。
2=j2=k2=ijk=−1
ij=−ji=k,jk=−kj=i,ki=−ik=j
Figure 0006211745
また、回転の計算においては、式(7)および式(10)に加え、共役クォータニオン(式(11))、ノルム(式(12))、逆クォータニオン(式(13))の定義を用いる。
Figure 0006211745

Figure 0006211745

Figure 0006211745
ここで、前述した二つのベクトルν1=(x1,y1,z1)と、ベクトルν2=(x2,y2,z2)について、ν1からν2までの回転を表す四元数をqとおくと、当該回転は式(14)で表すことができる(以下、変数qを用いて四元数を表し、本文中ではチルダは省略する)。また、ベクトルν1がν2に一致するように座標系を回転させる場合、当該回転は式(15)で表すことができる。
Figure 0006211745

Figure 0006211745
ここで、回転を表す四元数は、ベクトルν1およびν2をパラメータにとる関数とみなすことができるため、式(16)のように表すこともできる。
Figure 0006211745
ステップS33の説明を続ける。
回転を表す四元数は、ECEF座標系、アンテナ座標系、センサ座標系のいずれにおいても利用することができる。本実施形態では、ECEF座標系を利用するものとするが、座標系を変換するための情報があれば、アンテナ座標系およびセンサ座標系を用いてもよい。
四元数を用いると、座標系の原点を通る軸における回転を、簡易な計算で求めることができる。しかし、原点を通らない軸を用いる場合、回転の中心を一度原点に移し、回転後に回転前の座標に戻す必要があり、計算が複雑になる。そこで、今後の計算では、アンテナ座標系における原点を回転の中心として計算を行う。
なお、アンテナの仰角調整の回転軸はアンテナ座標系の原点を通らない場合もあるが、ECEF座標系においては十分に近接しており、無視できるものとする。つまり、四元数空間の直交座標系の原点と、アンテナ座標系の原点が一致している前提で説明を行う。
アンテナ座標系における、アンテナの指向軸に対応するベクトルをνpnt''とおき、センサ座標系における、アンテナの指向軸に対応するベクトルをνpnt'とおくと、両者の関係は式(17)のようになる。なお、a→sは、アンテナ座標系からセンサ座標系への回転を表す。当該回転を表す四元数qa→sは、アンテナ座標系とセンサ座標系との位置関係に応じて予め記憶されている。例えば、演算装置20に記憶されていてもよいし、外部から取得してもよい。
例えば、qa→sを表す四元数をエンコードし、二次元バーコードにしたものをセンサベースの近辺に印刷し、それを演算装置20が取得する(例えばカメラで撮像してデコードする)ようにしてもよい。このようにすることで、センサベースを複数設けた場合であっても、対応する四元数を容易に取得することができるようになる。
Figure 0006211745
次に、(1)アンテナを設置した場所における、センサ座標系での重力の単位ベクトルであるgp'/|gp'|と、(2)真北方向を表す単位ベクトルであるνtn'と、重力の単位ベクトルから求めた、アンテナを設置した場所を含む子午面と、(3)ECEF座標系での重力の単位ベクトルであるg/|g|と、を用いて、ECEF座標系とセンサ座標系との関係を四元数の回転で求めると、式(18)のようになる。なお、s→eは、センサ座標系からECEF座標系への回転を表す。
Figure 0006211745
この四元数を用いれば、式(19)のように、ECEF座標系で表したアンテナの指向軸に対応するベクトル(νpnt)を得ることができる。
Figure 0006211745
ここまでの説明で、ECEF座標系で表したアンテナの指向軸に対応するベクトル(νpnt)と、同じくECEF座標系で表した衛星の方向に対応するベクトル(νtgt)が得られた。次に、この二つのベクトルを一致させるための回転を得る。ここで、必要な回転を四元数qadjで表現すると、qadjは式(20)で表すことができる。
Figure 0006211745
ステップS33では、必要な回転を四元数qadjで取得した。ここで、ステップS34に遷移する前に、ステップS31で取得した、方位角調整面に対応する軸ベクトルνAZ'と、仰角調整面に対応する軸ベクトルνEL'を、ECEF座標系に変換し、ベクトルνAZおよびνELを得る。変換式は、式(21)の通りである。
Figure 0006211745
次に、ステップS34およびS35で、得られた回転qadjに基づいて、アンテナを回転させるべき角度を軸ごとに算出する。すなわち、νAZおよびνELで表された軸を中心とした回転角をそれぞれ算出する。ここでは、方位角方向に調整すべき角度をα、仰角方向に調整すべき角度をβとおく。
なお、方位角を変更すると、仰角方向の回転軸νELも移動してしまうため、本実施形態では、まず方位角の調整量を算出したあとで、仰角の調整量を算出する。以後の説明では、νELは、νAZを軸として回転した後の、補正された仰角方向の回転軸として取り扱う。
ステップS34では、方位角の調整を行う。
ここで、νAZを軸とした回転を示す回転四元数をqAZとおき、νELを軸とした回転を示す回転四元数をqELとおくと、これらの回転四元数は式(22)で表せる。
Figure 0006211745
そして方位角方向の調整を先行して行うとした場合、得られた回転qadjは、
adj=qELAZ
で表すことができる。
よって、各軸の回転角(αおよびβ)については、式(23)を満たすαおよびβを求めることで決定することができる。
Figure 0006211745
αの計算が終了したら、入出力部24を通して結果をユーザに提示し、方位角の調整を実施させる。調整が完了したら、その旨を入力させ、処理はステップS35へ進む。ステップS35の処理も、ステップS34と同様である。例えば、入出力部24を通して結果をユーザに提示し、方位角の調整を実施させる。
このステップが終了すると、アンテナの指向方向と、理論値が一致していることになる。
なお、本例では、方位角の調整と仰角の調整を別々のステップで行ったが、双方を平行して実行してもよい。例えば、図8のような画面を表示してユーザに調整を実施させてもよい。
以上説明したように、第一の実施形態に係るアンテナ調整装置は、センサをアンテナに装着して姿勢に関する情報を取得し、それをECEF座標系に変換することで、アンテナの調整に必要な回転量を得る。これにより、調整に必要な回転量を取得することができる。
また、アンテナを実際に動かすことで、方位角を調整するための軸に対応するベクトルと、仰角を調整するための軸に対応するベクトルを取得する。これにより、軸が傾いた状態でアンテナが設置されていたとしても、調整すべき角度を正確に算出することができる。
なお、調整中において、センサから情報の取得を周期的に行い、ステップS33〜S35の処理を繰り返し行うようにしてもよい。すなわち、アンテナの角度を調整しながら、回転させるべき角度をリアルタイムで通知するようにしてもよい。
(第二の実施形態)
アンテナによって送受信される電磁波が、偏波隔離を行っていない場合や、旋回偏波を利用している場合、第一の実施形態に係るアンテナ調整装置でアンテナを調整することができる。しかし、水平偏波と垂直偏波による偏波隔離が行われている場合、偏波角の調整が必要になる場合がある。第二の実施形態では、偏波角の調整が可能なアンテナ調整装置について説明する。
電界の振動の向きと電磁波の伝搬方向を含む面を偏波面と呼ぶ。地上マイクロ波通信などの用途では、文字通り設置場所の重力方向を基準に水平なものを水平偏波、垂直なものを垂直偏波と呼んでいる。この場合、重力方向を基準として偏波角を一致させることができる。一方で、衛星通信で用いられる直線偏波では、地球局の位置が三次元的な球面(あるいは楕円体の表面)上に位置するため、重力方向を基準として偏波角を一致させることが難しい。しかし、本発明に係るアンテナ調整装置では、ECEF座標系を用いて衛星の偏波軸と地球局の偏波軸を表現できるため、偏波角を一致させるための調整角を容易に算出することができる。
第二の実施形態では、アンテナの偏波角を変更した場合に、センサモジュールの姿勢が変わるような場所にセンサモジュール10を装着する。また、アンテナと衛星とを結ぶ直線と対向する、偏波の軸を含む平面を定義し、調整中のアンテナの偏波軸とのずれを算出する。言い換えると、偏波の軸をECEF座標系におけるベクトルで定義し、調整中のアンテナの偏波軸が並行となるような調整角を算出し、ユーザに提供する。これにより、偏波角を理想的な角度に調整することができる。
なお、一般的な静止軌道衛星では、ECEF座標系におけるZ軸と平行な軸を含む形で垂直偏波、それに直交する形で垂直偏波を定義するが、衛星により、特定の地域で偏波面が地表面に対して垂直、水平に近づくように一定の傾き(ティルト角)を与えることがある。この場合もECEF座標系におけるベクトル計算で解決することができる。
(第三の実施形態)
調整対象のアンテナが地上で固定されている場合、一度指向方向(偏波角)の調整が完了すると、その後の調整の必要はない。
一方、移動体(航空、船舶、車両など)に指向性の鋭いアンテナを搭載する場合、運行に伴う移動や姿勢の変動により指向軸の方向が変化してしまう。このため、アンテナの指向方向、アンテナの偏波面を自動で調整し、揺動補正を行う自動追尾型アンテナが利用されている。
第三の実施形態では、第一および第二の実施形態に係るアンテナ調整装置において、短いタイムフレームで姿勢の変化を測定し、その変化を四元数として把握したうえで、その共役四元数に相当する制御をアンテナの姿勢制御装置に出力する。これにより、アンテナと衛星を常に正対させることが可能になる。
なお、第一および第二の実施形態では、独立したアンテナ調整装置を利用したが、アンテナの姿勢制御装置を用いる場合、当該姿勢制御装置に、前述したアンテナ調整装置の機能を持たせてもよい。
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
例えば、実施形態の説明では、センサモジュール10を、専用のハードウェアであるものとしたが、センサモジュール10は、スマートフォンやウェアラブルコンピュータといったような、小型のコンピュータであってもよい。
また、実施形態の説明では、センサモジュール10と演算装置20をそれぞれ独立した装置であるものとしたが、単一のハードウェア(例えばスマートフォンやタブレットコンピュータ)に双方を含ませてもよい。例えば、スマートフォンに内蔵されたセンサをセンサモジュール10として用い、当該スマートフォンで実行されるプログラムによって演算装置20を実装してもよい。
また、実施形態の説明では、地上(地球局)と衛星との間の通信を例に挙げたが、本発明は、衛星通信のみならず、地上同士の無線通信や、移動体同士の無線通信にも適用することもできる。
10 センサモジュール
11 加速度センサ
12 地磁気センサ
13 GPS受信部
20 演算装置
21 センサ情報取得部
22 衛星情報記憶部
23 演算部
24 入出力部
101 衛星アンテナ
102 アンテナ装置
104 指向軸
201 設置ポール

Claims (9)

  1. 指向性を有し、複数の軸によって姿勢を変更可能なアンテナの姿勢の調整に用いるアンテナ調整装置であって、
    三次元空間内における姿勢に関する情報を取得するセンサと、
    前記センサを装着したアンテナを、前記複数の軸のそれぞれを中心として回転させた場合における前記センサの出力の変化を軸ごとに取得することで、それぞれの軸に対応する複数のベクトルを取得する可動軸取得手段と、
    前記センサが出力した情報に基づいて、前記アンテナの指向軸に対応する第一の方向を取得する第一の方向取得手段と、
    前記アンテナの指向軸を合わせるべき方向である第二の方向を取得する第二の方向取得手段と、
    前記第一の方向と第二の方向を一致させるためにアンテナを回転すべき角度である補正角度を、前記複数のベクトルを用いて前記軸ごとに算出する算出手段と、を有し、
    前記第一および第二の方向は、地球を基準とした座標系で表される
    ことを特徴とする、アンテナ調整装置。
  2. 前記センサは、重力方向、真北の方向、GPS座標を取得可能なセンサであり、
    前記第一の方向取得手段は、前記重力方向、真北の方向、GPS座標を用いて前記第一の方向を取得する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ調整装置。
  3. 前記第二の方向取得手段は、前記センサが取得したGPS座標と、予め記憶された衛星の位置情報とを用いて前記第二の方向を決定する、
    ことを特徴とする、請求項2に記載のアンテナ調整装置。
  4. 前記第一の方向取得手段は、前記アンテナにおける前記センサの装着位置に関する情報であるセンサ位置情報を取得し、当該情報をさらに用いて前記第一の方向を取得する
    ことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ調整装置。
  5. 前記アンテナは、前記センサを装着するセンサベースを一つ以上有し、
    前記第一の方向取得手段は、前記センサが装着されたセンサベースに対応するセンサ位置情報を取得する
    ことを特徴とする、請求項4に記載のアンテナ調整装置。
  6. 前記第一の方向および第二の方向は、ECEF座標系を用いて表される
    ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のアンテナ調整装置。
  7. 前記複数の軸を中心として前記アンテナを回転させることで当該アンテナの姿勢を変更する駆動手段をさらに有し、
    前記算出手段は、衛星を追従するために必要な補正角度を所定の周期で算出し、前記駆動手段が、算出した前記補正角度に基づいてアンテナの姿勢を補正する
    ことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のアンテナ調整装置。
  8. 前記複数の軸は、方位角に対応する軸および仰角に対応する軸からなる
    ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のアンテナ調整装置。
  9. 指向性を有し、複数の軸によって姿勢を変更可能なアンテナの姿勢を調整するアンテナ調整方法であって、
    三次元空間内における姿勢に関する情報を取得するセンサを装着したアンテナを、前記複数の軸のそれぞれを中心として回転させた場合における前記センサの出力の変化を軸ごとに取得することで、それぞれの軸に対応する複数のベクトルを取得する可動軸取得ステップと、
    前記センサが出力した情報に基づいて、前記アンテナの指向軸に対応する第一の方向を取得する第一の方向取得ステップと、
    前記アンテナの指向軸を合わせるべき方向である第二の方向を取得する第二の方向取得ステップと、
    前記第一の方向と第二の方向を一致させるためにアンテナを回転すべき角度である補正角度を、前記複数のベクトルを用いて前記軸ごとに算出する算出ステップと、を含み、
    前記第一および第二の方向は、地球を基準とした座標系で表される
    ことを特徴とする、アンテナ調整方法。
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