JP6210486B2

JP6210486B2 - 超音波送受波器

Info

Publication number: JP6210486B2
Application number: JP2013166418A
Authority: JP
Inventors: 誠也深田; 勲生吉田
Original assignee: Nippon Ceramic Co Ltd
Current assignee: Nippon Ceramic Co Ltd
Priority date: 2013-08-09
Filing date: 2013-08-09
Publication date: 2017-10-11
Anticipated expiration: 2033-08-09
Also published as: JP2015035749A

Description

本発明は、良好な音響特性を保持しつつ、小型化と低コスト化が可能な空中用の超音波送受波器に関するものである。

自動車の障害物検知等に用いられる超音波送受波器において、屋外で利用可能な防滴型超音波センサの利用が増えている。
この防滴型超音波送受波器は、アルミニウム合金等から成る有底筒状の金属筐体の底面内部に圧電素子を貼り合わせ、ユニモルフ振動子を構成している。
また、近年、前述金属筐体の筒状部と、圧電素子が貼り合わされることで振動面となる板状の底部を独立させることにより、加工や組み立てコストの低減や、さらに筒状部と底部を異種材料とすることにより導電性や強度等の機能性の向上が検討されている。

図１に一般的な有底筒状の筐体を有する超音波送受波器の構造を示す。樹脂からなる筒状の支持部に、アルミニウム合金からなる振動板を接着剤によって接着した筐体で、この筐体底面に、折返し電極の施された圧電素子７が接着されている。圧電素子７の＋側の電極７ａとＧＮＤ側の電極７ｂにリード線５が半田付けされている。リード線５の一端は、外部入出力端子６の＋側とＧＮＤ側にそれぞれ半田づけされている。圧電素子７は、シリコーン発泡体からなる吸音材３で覆われている。有底筒状ケース２の内部はショアＡ硬度３０〜６０のシリコーンなどの封止剤４によって充填されている。

特開平１１−２６６４９７特開２０００−２３２８９

従来の有底筒状の筐体を有する超音波送受信器では、残響の低減のために多孔質材からなる吸音材が筐体底面に設置され、筐体内部に水分が流入して部品を劣化させることを防ぐためにシリコーン樹脂やウレタン樹脂等の封止材により内部を充填している。この吸音材や、封止材を筐体内部に配置するために、筐体の筒部は一定以上の高さが必要となり、筐体の高さを低くすることによる小型化が困難となっている。

さらに、筐体の筒状部が金属より剛性の低い樹脂であるため、振動エネルギーが開口部周辺での不要振動に消費され易く、感度の低下や残響の伸びが問題となっている。

請求項１と請求項２の発明では、筐体を開口部を有しない密閉構造にすることで、

支持部の材質が樹脂であったとしても不要振動が生じにくくなるため

吸音材を設けることなく感度の低下や残響の伸びが抑えられ、

封止材無しでも防水性を高めることが可能となる。

よって、筐体内部から吸音材と封止材が不要となり、

超音波送受波器の小型化と部材削減により低コスト化が可能となる。
さらに、筐体と金属からなる入出力端子を有する樹脂部材との間に、

筐体の振動を吸収する効果を有する弾性体を設けることにより、

超音波送受波器の駆動時の振動により筐体に生じるノイズ信号が振動吸収体で低減され、

出力信号へのノイズ信号の影響を抑制することが可能となる。

上述したように本発明の超音波送受波器は、良好な音響特性を保持しつつ、構成部材を減らすことができるため、小型かつ低コストな超音波送受波器を提供できる。

従来の超音波送受波器の概略断面図と上面図と、筐体内の素子の配置図本発明の実施の形態に関わる超音波送受波器の概略断面図と上面図本発明の実施の形態に関わる超音波送受波器の概略断面図と上面図本発明の実施の形態に関わる超音波送受波器の概略断面図と上面図本発明の実施の形態に関わる超音波送受波器の概略断面図と上面図本発明の実施の形態に関わる超音波送受波器の概略断面図と上面図

図２に本発明の実施の形態に関わる超音波送受波器の概略断面図と上面図とを表す。
振動板１ａは、アルミ合金を成形したものである。この振動板１ａの底面に折返し電極を有する圧電素子７が貼り合わされる。支持部２は、エポキシ樹脂を成形したものであり、上面に入出力端子６が設けられている。この入出力端子６と圧電素子７の電極は、リード線５の半田付けにより電気的につながっている。このリード線５は、支持部２と振動板１ｂの接着面付近で、支持部側に設けたリード引き出し部１０を通して筐体外部に引き出されている。このリード引き出し部１０は、リード線５を筐体外部に引き出した後、エポキシ樹脂からなる接着剤により密閉されている。
ここで、振動板１ａの材質は、アルミ合金に限定するものではなく、ステンレス等の他の金属を用いてもよい。また、筒状ケース２の材質は、エポキシ樹脂に限定するものでなく、ＰＢＴなどの他の樹脂を用いてもよい。外部に接続する入出力端子６の形状は、ピン端子以外でもよく、例えばワイヤーハーネスを端子とした構造や、リード線５を直接回路に接続した構造等が考えられる。リード線５は、柔軟性のある導体であれば良く、例えばフレキシブル基板等を用いてもよい。接着剤の材質に関しては、エポキシ樹脂に限定するものでなく、筐体の防水性が保たれれば、シリコン樹脂やウレタン樹脂等の他の樹脂を用いても良い。

図３に本発明の実施の形態に関わる超音波送受波器の概略断面図と上面図とを表す。
図３に示す超音波送受波器は、実施例１で示した超音波送受波器における、振動板１ａを有底筒状ケース１ｂに置き換え、リード線５の引き出し部１０を支持部２の側面に設けた構造からなる。
ここで、有底筒状ケース１ｂの材質は、アルミ合金に限定するものではなく、ステンレス等の他の金属を用いてもよい。

図４に本発明の実施の形態に関わる超音波送受波器の概略断面図と上面図とを表す。
図４に示す超音波送受波器は、実施例２で示した超音波送受波器における、入出力端子６を筐体内部まで伸ばし、筐体内部でリード線５と接続した構造からなる。

図５に本発明の実施の形態に関わる超音波送受波器の概略断面図と上面図とを表す。
図５に示す超音波送受波器は、実施例２で示した超音波送受波器における、支持部２の形状を円形状から楕円形状にし、有底筒状ケース１ｂの内部形状も支持部２の外形に対応する形状とした構造からなる。

図６に本発明の実施の形態に関わる超音波送受波器の概略断面図と上面図とを表す。
図６に示す超音波送受波器は、実施例４で示した超音波送受波器における、入出力端子６を支持部２との間に振動吸収体８を設けた構造をからなる。入出力端子には、支持のためのPBT等の樹脂部材を設けている。また、振動吸収体８とは、−４０℃〜９０℃の温度範囲で駆動にさせた際に、筐体の振幅＞入出力端子の振幅の関係を満たすことの出来る材質であり、例えばシリコーンゴム等の弾性体が用いられる。

本発明は、車のバックセンサやコーナーセンサのみならず、防滴型超音波送受波器が利用されている様々な分野に適用できる。

１ａ振動板
１ｂ有底筒状ケース
２支持部
３吸音材
４封止剤
５リード線
６入出力端子
７折返し電極を有する圧電素子
７ａＧＮＤ側電極
７ｂ＋側電極
８振動吸収体
９樹脂部材
１０リード引き出し部

Claims

内面底部に圧電素子が配置される金属からなる有底筒状ケースと、

別体の樹脂からなる有底筒状の支持部とからなる筐体を有し、

前記有底筒状ケースの内面の一部と前記支持部の開口部側の一部とが、
前記筐体に開口部が生じないように接着された超音波送受波器において、
前記支持部における前記有底筒状ケースが接着されていない一端と、
金属からなる入出力端子を有する樹脂部材との間に、
振動吸収体を設けたことを特徴とする超音波送受波器。
圧電素子が配置される金属からなる振動板と、

別体の樹脂からなる有底筒状の支持部とからなる筐体を有し、

前記振動板の内面の一部と前記支持部の開口部側の一部とが、
前記筐体に開口部が生じないように接着された超音波送受波器において、

前記支持部における前記振動板が接着されていない一端と、
金属からなる入出力端子を有する樹脂部材との間に、
振動吸収体を設けたことを特徴とする超音波送受波器。