JP6209059B2 - カーボンナノファイバーの集合体、カーボンナノファイバーの集合体の製造方法、及び磁性体 - Google Patents

カーボンナノファイバーの集合体、カーボンナノファイバーの集合体の製造方法、及び磁性体 Download PDF

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Description

この発明は、カーボンナノファイバーの集合体、カーボンナノファイバーの集合体の製造方法、及び磁性体に関し、更に詳しくは、特定形状をした金属粒子を一端に有するカーボンナノファイバーの集合体、そのような特異な形態のカーボンナノファイバーの集合物である集合体の製造方法、及び磁性体に関する。
カーボンナノファイバー(CNFと略称されることがある。)は、ナノレベルの微細な炭素繊維であり、その機械的特性を活かして機能性材料として広く用いられている。また、カーボンナノチューブ(CNTと略称されることがある。)を代表とした各種のカーボンナノ材料も開発されており、例えば、導電フィラー、熱伝導材料、発光素子、電池やキャパシターの電極材料、配線材料や配線どうしの電極接合材料、補強材料、黒色顔料などの各種用途において、多様な機能を有する材料として有望視されている。なお、カーボンナノチューブは中空である形態に着目して命名されることがあり、カーボンナノファイバーに含まれる用語である。
CNT又はCNFの代表的な合成方法には、例えば電極放電法、気相成長法、及びレーザ法が知られており、現在においてもその合成方法について多くの研究が進められている。気相成長法は、例えば、鉄、ニッケル、コバルトなどの酸化物を触媒として用い、一酸化炭素または二酸化炭素と水素との混合ガスを原料ガスとし、高温下で原料ガスの熱分解によって生成したカーボンを、触媒粒子を核として繊維状に成長させる製造方法である(特許文献1、2、3)。
従来、触媒を用いて気相成長法によって製造したCNFは、塩酸、硝酸、フッ酸などに浸漬して残留触媒を除去している。
特許文献3には、昇温された温度で、遷移金属又はその合金からなる多孔質金属に、炭素含有ガスを、接触させることを特徴とする繊維状炭素の合成方法が開示されている(Claim 1参照)。特許文献3には、前記多孔質金属がラネーニッケルであることが開示されている(Claim 3参照)。この特許文献3に開示された合成方法は、遷移金属又はその合金からなる触媒に、炭素含有ガスを、昇温された温度下で、接触させる方法において、前記炭素含有ガスが天然ガスであることを特徴とし(特許文献3のClaim 7参照)、また、炭素含有ガスと遷移金属触媒とを昇温された温度下に接触させることにより球状炭素を製造する方法において、非晶質炭素に対する黒鉛炭素の所望の比率を有する球状炭素を製造することができるように、温度及びガス圧を選択することを特徴とし(特許文献3のClaim 8参照)、また、最初の期間中に最初の温度で最初の炭素含有ガスとカーボンナノファイバー製造のための触媒とを接触させる最初の合成段階と、次の期間中に次なる温度で次の炭素含有ガスとカーボンナノファイバー製造のための触媒とを接触させる第二の合成段階とからなるカーボンナノファイバーの合成方法において、最初の炭素含有ガスが次の炭素源ガスにおけるよりも低濃度で水素ガスを含有し、最初の温度が次なる温度よりも低く、最初の合成段階の期間が次の合成段階の期間よりも短いことを特徴とし(特許文献3のClaim 10参照)、特許文献3に開示された合成方法によって製造される繊維状炭素は毛玉の形態であり、粉砕器によってその毛玉を繊維状にすることができる(特許文献3の第10頁第5行〜第7行参照)。その合成方法によって製造されるカーボンは、黒鉛炭素及び非晶質炭素である(特許文献3の第11頁第9行〜第10行参照)。合成方法により製造される炭素製造物は、含有される金属の量を低減するために処理されることが、特許文献3に開示される(Claim 19参照)。
このように特許文献3に記載されるカーボンナノファイバーの合成方法においては多孔質のラネーニッケルが触媒として採用されているものの、製造されるカーボンナノファイバーは非晶質と黒鉛質とが入り混じっている。そして、炭素製造物中に含まれる触媒金属量を低減するために、炭素製造物が1000℃以上、好ましくは2000℃以上、例えば2200〜3000℃に加熱される処理がなされる(特許文献3の第14頁第28行〜第15頁第6行参照)。
製造されたカーボンナノファイバー或いは炭素製造物を強酸に浸漬し、又は高温に加熱するといった触媒を取り除く工程は、残留触媒は除去すべき不純物であるとして不純物のないCNFを製造する方法においては必須の行程である。そして、触媒を取り除く工程は、使用する強酸の取扱い、及び使用後の強酸の取扱いに多大の注意を必要とし、また、使用済みの強酸の処理が必要になり、結果として不純物のないCNFを製造する方法は多大のコストがかかる。
そこで、残留触媒を除去することのないCNFの独自の製造方法及び残留触媒のあるCNFの用途開発が提案されている。
例えば、残留触媒金属を含むCNFの用途の一つとして、特許文献4には、先端にFeなどを内包させたカーボンナノチューブを配列させた磁気記録媒体が開示されている。この特許文献4に開示された発明は、金属内包カーボンナノチューブの保磁力を利用した技術である。しかし、この磁気記録媒体を作製するには多くの工程が必要であるため大変な手間を要する(特許文献4)。
また、特許文献5には、単層・多層カーボンナノチューブに二種類以上の磁性金属を含む金属を内包もしくは充填することを特徴とする強磁性金属充填カーボンナノチューブ素子が開示されている(特許文献5の請求項1参照)。
しかし、強磁性金属が内包されたカーボンナノチューブを作製するために特別な積層基板を作製する必要があるため、効率的に大量に生産するのが困難である。(特許文献5)
特許第4565384号公報 特開2003−206177号公報 WO03/097910 特開2004−262666号公報 特開2007−277061号公報
この発明の課題は、特定形状をした金属粒子を一端に有するカーボンナノファイバーの集合物であり、カーボンナノファイバーが合成される表面の形状に倣う表面形状を有するカーボンナノファイバーの集合体、そのような特異な形態のカーボンナノファイバーの集合体の製造方法、及びそのようなカーボンナノファイバーの集合体を形成することのできる磁性体を提供することにある。
前記課題を解決するための手段は、
(1) カーボンナノファイバーが形成される基材の表面形状に倣う形状を有すると共に、炭素六角網面で形成されたカーボンナノファイバー本体と前記カーボンナノファイバー本体の一端に存在する遷移金属とを有するカーボンナノファイバーの集合体であり、
前記遷移金属は、前記カーボンナノファイバー本体の軸線方向に沿った軸線を有すると共にカーボンナノファイバー本体の軸線方向においてカーボンナノファイバー本体の外側に向かう台面部と、カーボンナノファイバー本体の軸線方向に沿ってカーボンナノファイバー本体の内部に形成された中空部に向かう鋭角の錐台部とを有する形態を備えることを特徴とするカーボンナノファイバーの集合体であり、
(2) 前記遷移金属は、Ni、Co、及びFeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であることを特徴とする前記(1)に記載のカーボンナノファイバーの集合体であり、
(3) 前記(1)又は(2)に記載のカーボンナノファイバーの集合体を製造する方法であって、カーボンナノファイバーの成長時にカーボンナノファイバーの成長点となる遷移金属を分散させる遷移金属含有スポンジ触媒の存在下に、炭素を含む原料ガスを450〜800℃に加熱することを特徴とするカーボンナノファイバーの集合体の製造方法であり、
(4) 前記(3)に載の遷移金属含有スポンジ触媒がNi、Co、及びFeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Alを含む化合物とからなることを特徴とする前記(3)に記載のカーボンナノファイバーの集合体の製造方法であり、
(5) 炭素六角網面で形成されたカーボンナノファイバー本体の一端に保持されるとともに、前記カーボンナノファイバー本体の軸線方向に沿った軸線を有すると共にカーボンナノファイバー本体の軸線方向においてカーボンナノファイバー本体の外側に向かう台面部と、カーボンナノファイバー本体の軸線方向に沿ってカーボンナノファイバー本体の内部に形成された中空部に向かう鋭角の錐台部とを有する形態を備える遷移金属を有することを特徴とする磁性体であり、
(6) 前記遷移金属は、Ni、Co、及びFeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であることを特徴とする前記(5)に記載の磁性体である。
この発明によると、カーボンナノファイバーの製造によってカーボンナノファイバーを製造するのに使用した基材の表面に倣う形状を有するカーボンナノファイバーの集合体を製造することができる。従来のカーボンナノファイバーの製造方法によって得られるカーボンナノファイバーの集合体は見かけ上、繊維のランダムな集合体に過ぎなかったので、繊維のランダムな集合体であるカーボンナノファイバーを用いて成形品を製造しようとするときには、繊維のランダム集合体であるカーボンナノファイバーを合成樹脂中に分散させ、次いでカーボンナノファイバー含有の樹脂を所定形状の成形体に形成するという手順を踏んでいたが、この発明によると、カーボンナノファイバーの製造の結果としてカーボンナノファイバーを製造するのに使用された基材の表面に倣う形状をしたカーボンナノファイバーの集合体を得ることができるので、所定形状をしたカーボンナノファイバーの集合体を効率良く製造することができる。したがって、この発明のカーボンナノファイバーの集合体についての発明についてさらに言うと、この発明によると、所望形状をしたカーボンナノファイバーの集合体を得ようとするときには、その所望形状をした表面を有する基材を用いてカーボンナノファイバーを製造すると、その製造品は直ちに所望形状をしたカーボンナノファイバーの集合体として製造される。
この発明によると、所定形状をしたカーボンナノファイバーの集合体を、カーボンナノファイバーの製造方法によって製造することができる。つまり、製造されるカーボンナノファイバーをさらに成形工程に委ねることなく、この発明の方法によって、所定形状をしたカーボンナノファイバーの集合体である成形品を、容易に、かつ、より少ない工程で、製造することができる。
この発明によると、カーボンナノファイバー本体と遷移金属粒子とを含有し、たとえば、特定形状をした金属粒子を一端に有し、これによって磁性材料、導電フィラー、熱伝導材料、発光素子、電池、キャパシター等の電極材料、配線材料、電極接合材料、補強材料、黒色顔料、電磁波吸収体等の用途、及び多様な機能を有する磁性体を提供することができる。
図1は、この発明のカーボンナノファイバーの端部を示す模式図である。 図2は、この発明の一例であるカーボンナノファイバーの端部を示すTEM図である。 図3は、この発明の一実施例である実施例1で得られたカーボンナノファイバーの集合体を形成するカーボンナノファイバーのXRDスペクトルを示すXRDスペクトル図である。 図4は、この発明の一実施例である実施例1で得られたカーボンナノファイバー集合体を形成するカーボンナノファイバーのSEM画像図である。 図5は、この発明の一実施例である実施例1で得られたカーボンナノファイバー集合体を形成するカーボンナノファイバーのTEM画像及び元素分析結果の相関を示す相関図である。 図6は、この発明の一実施例である実施例1で得られたカーボンナノファイバーの集合体を形成するカーボンナノファイバーにおけるカーボンナノファイバー本体のTEM画像図である。 図7は、この発明の一実施例である実施例1で得られたカーボンナノファイバーの集合体を形成するカーボンナノファイバーのラマンスペクトル図である。 図8は、この発明の一実施例である実施例5において基板の表面上を被覆するようにカーボンナノファイバーの集合体が成長する有様を経時的に撮影して示した説明図である。 図9は、この発明の一実施例である実施例6においてジルコニア製の球体の表面を覆うように形成されたカーボンナノファイバー集合体を示す説明図である。 図10は、この発明の一実施例である実施例7において、カーボンナノファイバー及びニッケル微粒子について磁気特性評価を行って得られた磁化曲線を示す説明図である。 図11は、比較例5において製造したカーボンナノファイバー集合体の成長を示す説明図である。
この発明に係る「カーボンナノファイバーの集合体」(以下において、「カーボンナノファイバー集合体」と略称することがある。)は、カーボンナノファイバーの集積物である。図1に示されるように、カーボンナノファイバー1は、炭素六角網面で形成されたカーボンナノファイバー本体2と前記カーボンナノファイバー本体2の一端に存在する遷移金属3とを有し、前記遷移金属3は、前記カーボンナノファイバー本体2の軸線方向に沿った軸線を有すると共にカーボンナノファイバー本体2の軸線方向においてカーボンナノファイバー本体2の外側に向かう台面部4と、カーボンナノファイバー本体2の軸線方向に沿ってカーボンナノファイバー本体2の内部に形成された中空部5に向かう鋭角の錐台部6とを有する。
カーボンナノファイバー本体2は、炭素六角網面つまり炭素原子同士がSP混成軌道で結合した網面で形成される。
カーボンナノファイバー本体の平均直径は、通常5〜150nm、特に10〜150nmであり、平均アスペクト比は、通常10以上、特に100〜10,000である。カーボンナノファイバーの平均アスペクト比は、カーボンナノファイバーの平均長さ(L)とカーボンナノファイバーの平均外形(D)との比(L/D)である。カーボンナノファイバーの平均直径は、走査型電子顕微鏡を用いて倍率10,000倍以上で観察されるカーボンナノファイバーから10本のカーボンナノファイバーを任意に選択し、選択された10本におけるそれぞれのカーボンナノファイバーにつきそのもっとも太い部分を測定し、得られた測定値の数平均値である。カーボンナノファイバーの平均長さは、走査型電子顕微鏡を用いて倍率10,000倍以上で観察されるカーボンナノファイバーから10本のカーボンナノファイバーを任意に選択し、選択された10本におけるそれぞれのカーボンナノファイバーの長さを測定し、それら10本のカーボンナノファイバーの長さの数平均値である。
カーボンナノファイバー本体を形成する炭素六角網面(グラフェンシートとも称される。)は一層であっても多層であってもよい。カーボンナノファイバー本体は、カーボンナノファイバー本体の先端部に存在する遷移金属が前記した特異な形状を有することにより、保磁力が優れるといった利点がある。
カーボンナノファイバー本体は、カーボンナノファイバー本体の中心軸線に対してグラフェンシート面の角度が0度であるチューブラー型、前記中心軸線に対してグラフェンシート面の角度が0度よりも大きく90度よりも小さいヘリンボーン型、前記中心軸線に対してグラフェンシート面の角度が90度であるプレートレット型であることができる。この発明のカーボンナノファイバーにおける好適なカーボンナノファイバー本体は、ヘリンボーン型である。ヘリンボーン型をしたカーボンナノファイバー本体を有するカーボンナノファイバーは、カップ状のグラフェンシートが積み重ねられ、かつ内部に形成された中空部が不連続に複数形成されて成る構造を有する。また、この発明においては、カップスタック型のカーボンナノファイバー本体を有するカーボンナノファイバーも好ましい。カップスタック型のカーボンナノファイバー本体は、前記カーボンナノファイバー本体の中心軸線に対してグラフェンシート面の角度が0度よりも大きく90度よりも小さくて、内部に連続した中空部が形成されている。
カーボンナノファイバー本体の端部に保持される遷移金属としてはFe、Co、及びNiよりなる群から選択される少なくとも一種を挙げることができる。好適な遷移金属はNiである。
通常、NiはFeよりは弱いが強磁性体である。Niを微粒子化すると、そのNi微粒子は超常磁性になる。超常磁性は、磁化曲線内側に占められる面積が小さいことで確認できる。Ni微粒子の保磁力は通常100 Oe程度と小さい。Ni以外の遷移金属微粒子についても、微粒子化によって、保持力が、Niと同様に小さい。
しかしながら、この発明に係る遷移金属(例えばNi)を含むカーボンナノファイバーは、遷移金属微粒子と比べてその保磁力は約10倍(1000 Oe)となる。この保磁力は磁気記録媒体としての使用可能な値である。この発明に係るカーボンナノファイバーの先端に含まれる遷移金属(例えばNi)微粒子の保持力の大きさは、遷移金属(例えばNi)微粒子がカーボンナノファイバー本体で被覆されたことにより遷移金属(例えばNi)微粒子の表面が酸化されなかったこと、更にはTEM観察から発見されたように、カーボンナノファイバー本体の先端部に含まれる遷移金属(例えばNi)微粒子の特異的な構造を有することに起因して発現したと考えられる。
特異な形状をした金属粒子をカーボンナノファイバー本体の一端に有するカーボンナノファイバーは、例えば次のようにして製造することができる。
すなわち、この発明のカーボンナノファイバーは、遷移金属含有スポンジ触媒の存在下に、炭素を含む原料ガスを、450〜800℃に加熱することにより、製造することができる。
遷移金属含有スポンジ触媒は、遷移金属と溶出金属と必要に応じて加えられる他の金属との合金から前記溶出金属を溶出することにより製造することのできる、多孔質の触媒である。前記遷移金属としては、Fe、Co及びNiを挙げることができる。好適な遷移金属はNiである。溶出金属は、水、アルカリ性水溶液及び酸性水溶液等の浸食剤に溶解する金属である。浸食剤としては、入手の容易さと安価であることとにより、水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。浸食剤として水酸化ナトリウム水溶液が採用され場合、水酸化ナトリウム水溶液における水酸化ナトリウムの濃度は、通常、15〜25%が好ましい。また、合金に対する水酸化ナトリウムの使用量は、合金1質量部に対して0.9〜2質量部が好ましい。水酸化ナトリウム水溶液に合金を浸漬する際のその水酸化ナトリウム水溶液における液温度は、常温であっても良いが、通常、50〜110℃である。溶出金属としては、アルミニウム、ケイ素、亜鉛及びマグネシウムなどを挙げることができる。合金を容易に製造すること、及び合金から容易に溶出させることができることという観点からすると、溶出金属としてアルミニウムが好ましい。また、触媒活性の向上を図るという必要性がある場合には、他の金属としてタングステンが好ましい。
好適な合金としては、10〜90質量部の、好ましくは20〜70質量部のNiと90〜10質量部の、好ましくは30〜80質量部のAlとからなる合金を挙げることができる。
前記合金は、遷移金属と溶出金属と必要に応じて加えられる他の金属とを電気炉等の加熱手段により溶融させることにより得ることができる。
前記合金を侵食剤に浸漬すると合金中の溶出金属が浸食剤中に溶出することにより多孔質の遷移金属含有スポンジ触媒が調製される。
遷移金属含有スポンジ触媒は、例えば溶媒中に分散した粉末状にして使用されるのが好ましい。つまり、粉末状に分散した遷移金属含有スポンジ触媒を含有する溶媒液を、基材の表面に塗布することにより、基材表面に遷移金属含有スポンジ触媒が、基材表面に設置される。
基材は、カーボンナノファイバーを製造する反応器又は反応器内に配置される部材であり前記遷移金属含有スポンジ触媒を配設することができる限り特に制限がない。単にカーボンナノファイバーを製造することを考慮するのであれば、遷移金属含有スポンジ触媒を配設することができ、しかも形成されたカーボンナノファイバーを捕集することが便利であるように、基材の材質、及び形状が選択される。
基材の材質として、例えば石英基板、シリコン(Si)基板、ヒ化ガリウム(GaAs)基板、リン化ガリウム(GaP)基板、リン化インジウム(InP)基板、サファイア基板、酸化亜鉛(ZnO)基板、酸化マグネシウム(MgO)基板、酸化ジルコニウム(ZrO)基板を挙げることができ、これらの中でも石英基板、シリコン基板、サファイア基板が好ましい。
基材の形状としては、単にカーボンナノファイバーを形成し、それを捕集するのであるならば、特に制限がなく、例えば平面板、矩形の底面とその底面の縁から立ち上がる側面とを有するバット、円形又は楕円形の底面とその底面の縁から立ち上がる環状側面とを有する水盤等を挙げることができる。反応管内でカーボンナノファイバーを製造するのであれば、その反応管の内壁が基材となる。
この発明のカーボンナノファイバーの製造方法において、原料ガスとしては、炭素を含有する化合物のガスであればよく、炭素を含有する化合物として、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、並びに、メタン、エタン、プロパン等の飽和炭化水素、エチレン及びアセチレン等の不飽和炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の飽和環状炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭化水素等を挙げることができる。好適な原料ガスとして飽和炭化水素ガスを挙げることができる。原料ガスには、炭素を含有する化合物の濃度を調整するために不活性ガス例えば窒素ガス、希ガス等が含まれていても良い。
加熱された基材の表面に供給する原料ガスの供給量は、炭素を含有する化合物の量が5〜40モル/分となるように、好ましくは10〜20モル/分となるように調整される。
カーボンナノファイバーの製造方法においては、前記基材の表面に遷移金属含有スポンジ触媒を配設し、その基材の表面及び基材雰囲気を450〜800℃に加熱し、好ましくは500〜600℃に加熱し、前記温度範囲内に加熱された基材表面に原料ガスを供給する。
前記遷移金属含有スポンジ触媒は、前記温度に加熱された反応領域において原料ガスが接触する基材の表面の全面に亙って均一に点状に分布するように配設されていてもよく、また、前記基材の表面の一端から他端までの間における中央部に線状に配設されていてもよく、また、前記基材の表面の一端に線状に配設されていても良い。
この発明に係るカーボンナノファイバー集合体の製造方法において、前記基材例えばその表面が平面状である基板のその表面上に配設された遷移金属含有スポンジ触媒に、前記温度範囲に加熱された原料ガスが接触すると、遷移金属含有スポンジ触媒の形が崩れつつカーボンナノファイバーが形成され、カーボンナノファイバーの集合物が基板表面を覆うように成長する。そして、加熱された原料ガスを基板表面に供給し続けるとついにはカーボンナノファイバー集合物が基板表面全体を被覆するに至る。基板表面全体を被覆するようにカーボンナノファイバー集合物が集積すると、そのカーボンナノファイバー集合物は、基板が平面形状であるなら、シート状のカーボンナノファイバー集合体となる。シート状のカーボンナノファイバー集合体は、容易に基板表面から分離することができる。つまり、この発明のカーボンナノファイバー集合体の製造方法においては、遷移金属含有スポンジ触媒を使用することにより、基材の表面の形状に倣う形状のカーボンナノファイバー集合体を製造することができる。しかも、製造されるカーボンナノファイバー集合体を構成する各カーボンナノファイバーは、その一端に、遷移金属粒子を含有する。カーボンナノファイバーの一端に含有される遷移金属粒子は、カーボンナノファイバー本体の軸線方向に沿った軸線を有すると共にカーボンナノファイバー本体の軸線方向においてカーボンナノファイバー本体の外側に向かう台面部と、カーボンナノファイバー本体の軸線方向に沿ってカーボンナノファイバー本体の内部に形成された中空部に向かう鋭角の錐台部とを有する特異的な形態を備える。
してみれば、所望形状のカーボンナノファイバー集合体を製造するには、カーボンナノファイバー集合体の所望形状に転写することのできる形状を有する基材を反応器内に設置するのが好ましい。所望形状に転写することのできる形状を有する基材を形状転写基材と称する。
形状転写基材の材質、及び形状については、前述した基材の材質及び形状と同様である。例えば円筒管状をしたカーボンナノファイバー集合体を製造するには、反応器内に、基材として円筒管状の形状転写基材を、配置するのが良い。反応器内に円筒管状の形状転写基材を配置し、形状転写基材である円筒管の内周面に、例えば円筒管の軸線を中心にして内周面を一巡するように遷移金属含有スポンジ触媒を筋状に配設しておき、少なくともこの円筒管の内部を450〜800℃に加熱しつつ少なくともこの円筒管の内部に原料ガスを供給すると、前記筋状に配設した遷移金属含有スポンジ触媒の形が崩れつつカーボンナノファイバーが成長し始め、見かけ上前記筋状の遷移金属含スポンジ触媒の形状が消失して行く一方、カーボンナノファイバーが円筒管の内周面を被覆するように成長する。原料ガスの供給時間を長くすると、カーボンナノファイバーの集合物が円筒管の内周面全面を被覆するに至り、前記円筒管の内周面に円筒形状のカーボンナノファイバー集合体が形成される。円筒管から、円筒形状をしたカーボンナノファイバー集合体が、分離される。
この円筒形状をしたカーボンナノファイバー集合体に液状のエポキシ樹脂を含浸させ、次いで含浸したエポキシ樹脂を硬化すると、エポキシ樹脂とカーボンナノファイバーとからなる円筒形の複合体が形成される。
形状転写基材の形状は、前記円筒管に限らずに、形状転写基材からカーボンナノファイバー集合体を分離することができる限り、様々の形状を想定することができる。たとえば、形状転写基材が球体であれば、その球体の球状表面にカーボンナノファイバー集合体を形成することができる。形状転写基材とその球状表面に形成された球面状のカーボンナノファイバー集合体との一体化物を適宜の用途に使用することができるし、また、球状をした形状転写基材の球状表面に形成されたカーボンナノファイバー集合体を適宜の手段により赤道線で切断することにより二つの半球状のカーボンナノファイバー集合体を得ることもできる。
この発明に係る磁性体は、前記カーボンナノファイバー集合体を破砕することにより得ることができる。この発明に係る磁性体は、既に説明したように、強磁性であり、特に高い保磁力を有する。
以下の実施例及び比較例で使用された分析機器は以下の通りである。
・XRD(X-Ray Diffraction)
試料水平型多目的X線回折装置 Ultima IV((株)リガク)
線源:Cukα1、40kV、30mA
・SEM(Scanning Electron Microscope)
JEOL JEM5500LV(日本電子(株))
加速電圧:15~25kV
・TEM (Transmission Electron Microscope)
JEOL JEM2010F(日本電子(株))
加速電圧:200kV
EDS(energy-dispersive X-ray spectroscopy)装置が付属しており、組成分析が可能である。試料は、メタノールを滴下して乳鉢でよく混合することにより粒径を細かくした後、銅製のメッシュ上に分散させることにより得られ、これを観察用とした。
・ラマンスペクトル
レーザーラマン分光装置:NRS-3300(日本分光(株))
測定条件:励起用レーザ波長:532 nm、
対物レンズ:20倍 露光時間:120秒×2
スリット:0.1×6 mm グレーティング:600 L/mm
試料条件:室温、大気中
・抵抗測定器(LORESTA-IP)
型式:MCP-T250、三菱化学(株)
4探針法(電極間距離:5m、温度:25℃)で測定した。
・触媒の定性・定量分析EPMA( Electron Probe Micro Analyzer)
JEOL JXA8900(日本電子(株))
加速電圧:15kV
・磁気特性評価 振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)
理研電子(株)
印加磁場:10KOe
掃引速度:5分(磁化曲線1サイクル)
(実施例1)
塊状の55質量%のニッケルと45質量%のアルミニウムとからなる合金触媒0.5gを載置した石英基板を石英反応管内に配置した。この石英反応管は、その全体が電気炉で加熱されることができるように、開閉型セラミックス管状炉内に、設置されている。電気炉内の温度を20分で600℃まで昇温し、その間、塩化水素ガスを電気炉内に流通させて塩化水素ガスを合金に接触させた。塩化水素ガスと合金中のアルミニウムとが反応して合金中のアルミニウムが塩化アルミニウムとなり、スポンジ状のニッケル触媒が形成された。電気炉内に流すガスを塩化水素ガスからメタンに変更し、流量500sccmで30分間メタンガスと触媒とを反応させることにより、石英基板の表面上に石英基板と同じ形状をしたシート状のカーボンナノファイバー集合体が形成された。形成されたシート状のカーボンナノファイバー集合体は基板から簡単に剥離した。剥離したシート状のカーボンナノファイバー集合体を縦にするとそのシート形状が崩壊することなく自立した。つまり、このシート状をしたカーボンナノファイバー集合体は自立性を有していた。このカーボンナノファイバー集合体の重量は4.5gであった。この重量は、カーボンナノファイバー本体とカーボンナノファイバーの一端に存在する触媒金属との総重量である。このカーボンナノファイバー集合体を乳鉢ですりつぶすことにより粉体のカーボンナノファイバーからなる集合物を得た。得られたカーボンナノファイバーの物性は次の通りであった。
図3に、得られたカーボンナノファイバーのXRD測定の結果を示した。カーボンナノファイバーを示す(002)、(100)、(004)、(110)の回折ピークが観察された。
図4に、前記のようにして得られたカーボンナノファイバーのSEM像を示した。カーボンナノファイバーが湾曲しながら無数に成長していることがわかる。
図5に、カーボンナノファイバーの先端部を観察した透過型電子顕微鏡(TEM)画像と元素分析の結果を示した。カーボンナノファイバーの構造は、六角炭素網面で筒状に形成されたカーボンナノファイバーとカーボンナノファイバーの一端に遷移金属(ニッケル:Ni)を有する構造が観察された。カーボンナノファイバーの直径は70〜100nm、遷移金属Niの大きさは約50nmであった。更には、カーボンナノファイバーに内包された遷移金属(Ni)は、カーボンナノファイバーの軸線に沿った軸線を有すると共にカーボンナノチューブファイバーの軸線方向の外側に向かう台面部と、カーボンナノファイバーの軸線方向に沿ってカーボンナノファイバーの内部に形成された中空部に向かう鋭角の錐台部とを有する構造が観察された。
図6に、カーボンナノファイバー本体の、つまりグラフェンシートの透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。カーボンナノファイバーの六角炭素網面はカップ積層構造であることが観察された。
図7には、λ=532nmのYAGレーザ励起に関するカーボンナノファイバーのラマンスペクトルを示す。カーボンナノファイバーの基本骨格であるグラファイト層由来のGバンドが明確に観察された。
(実施例2)
スポンジニッケル触媒(NDT-90川研ファインケミカル(株)製)0.5gを乗せた石英基板を電気炉に配置した。電気炉を600℃まで昇温した後、この電気炉内にメタンガスを流し、流量500 sccmで、30分反応させた。触媒も含めて4.5gのカーボンナノファイバー集合体を作製した。カーボンナノファイバーを乳鉢ですりつぶすことで粉体のカーボンナノファイバーを得た。
XRD測定、SEM像測定、TEM像測定、ラマンスペクトル測定から、得られたカーボンナノファイバーは実施例1と同様の物性を持つことを確認した。
(実施例3)
スポンジコバルト触媒(ODHT-60 川研ファインケミカル(株)製)を使用した以外は実施例2と同様にしてカーボンナノファイバー集合体及びカーボンナノファイバーを作製した。
XRD測定、SEM像測定、TEM像測定、ラマンスペクトル測定から、得られたカーボンナノファイバーは実施例1と同様の物性を持つことを確認した。
(実施例4)
スポンジコバルト触媒(PL-9T 川研ファインケミカル(株)製)を使用した以外は実施例2と同様にしてカーボンナノファイバー集合体及びカーボンナノファイバーを作製した。
XRD測定、SEM像測定、TEM像測定、ラマンスペクトル測定から、得られたカーボンナノファイバーは実施例1と同様の物性を持つことを確認した。
(実施例5)
Si基板の先端に触媒0.05gを設置した以外は実施例2と同様にしてカーボンナノファイバー集合体を作製した。基板上のカーボンナノファイバー集合体の、反応時間後5分、15分、30分の状態を撮影したものを図8に示した。時間経過とともにカーボンナノファイバーの集合物が三次元方向に成長していくのではなく、Si基板の平面に沿って成長することがわかる。
30分反応させて作製したSi基板上のカーボンナノファイバー集合体の任意のポイント10ヵ所について定性・定量分析を行った。その結果を表1に示す。全ての点において、カーボンナノファイバーの構成成分である炭素(C)とカーボンナノファイバーの先端部に含まれる金属の組成とスポンジ合金触媒中の成分(Ni、Al)とがほぼ同一組成であることが確認された。この結果は、カーボンナノファイバーの成長とともに、スポンジ合金触媒が崩壊しながらSi基板上を一方向に広がって行き、Si基板の上面を形状転写基材の表面としてSi基板の上面に優先的にカーボンナノファイバーが成形された。
Si基板上のカーボンナノファイバー集合体の抵抗値は1.2Ω/□であった。
Figure 0006209059
(実施例6)
10mm径の球状ジルコニアの1点に実施例2で使用した触媒0.05gを設置した以外は実施例2と同様にしてカーボンナノファイバー集合体を作製した。球状ジルコニアの表面形状に合わせて優先的にカーボンナノファイバー集合体が成長することが確認された。図9に球状ジルコニア(左側)とカーボンナノファイバー集合体で被覆された球状ジルコニア(右側)を示した。
この例から明らかなように、球体の表面を形状転写基材の表面であるとして、この発明の方法によると、カーボンナノファイバー集合体が球状の被覆体として形成された。
球状ジルコニアに被覆されたカーボンナノファイバー集合体の抵抗値は2.6Ω/□であった。
(実施例7)
実施例1で作製したカーボンナノファイバー及びニッケル微粒子について磁気特性評価を行った。
図10に実施例1で作成したカーボンナノファイバーの磁化曲線と、比較のために酢酸ニッケル触媒から合成したNi内包カーボンナノファイバー及びニッケル微粒子の磁化曲線を示す。ニッケル微粒子単体の保磁力と比べ、本発明のカーボンナノファイバーの保磁力は約10倍(1000 Oe)であった。また、球状のNi内包カーボンナノファイバー(比較例4)の保磁力は、実施例1のカーボンナノファイバーと比べて小さかった。
(比較例1)
スポンジニッケル触媒の代わりにNiメタルナノ粒子(平均粒径が100nm以下であるNi金属微粒子)を使用した以外は実施例2と同様の処理をしたが、カーボンナノファイバーを製造することができなかった。
(比較例2)
スポンジニッケル触媒の代わりにCoメタルナノ粒子(平均粒径が100nm以下であるCo金属微粒子)を使用した以外は実施例2と同様の処理をしたが、カーボンナノファイバーを製造することができなかった。
(比較例3)
スポンジニッケル触媒の代わりにFeメタルナノ粒子(平均粒径が100nm以下であるFe金属微粒子)を使用した以外は実施例2と同様の処理をしたが、カーボンナノファイバーを製造することができなかった。
(比較例4)
スポンジニッケル触媒の代わりに酢酸ニッケル・4水和物触媒(和光純薬(株)製)を使用した以外は実施例2と同様にしてカーボンナノファイバー集合体及びカーボンナノファイバーの作製を行った。
XRD測定、SEM像測定、ラマンスペクトル測定によりは、この比較例4において製造されたカーボンナノファイバーは実施例1において製造されたカーボンナノファイバーと同様の物性を持つことを確認したが、TEM像によると、この比較例4において製造されたカーボンナノファイバーに内包されたNiナノ粒子は球状であった。この比較例4で得られたカーボンナノファイバーの磁化曲線を図10に示した。図10に示されるように、この比較例4で得られたカーボンナノファイバーでは、実施例1で作成された特異形状を有するNiナノ粒子において発現した保磁力程の増大が確認されなかった。
(比較例5)
スポンジニッケル触媒の代わりにSi基板の先端にCo担持Alを0.05g設置した以外は実施例2と同様の処理をしたところ、製造されたカーボンナノファイバー集合体は、Si基板の表面全体を覆うように成長することがなく、Si基板の表面から垂直方向にカーボンナノファイバーが成長した。
(比較例6)
スポンジニッケル触媒の代わりにSi基板の先端にNi担持MgOを0.05g設置した以外は実施例2と同様の処理をしたところ、製造されたカーボンナノファイバー集合体は、図11に示されるように、Si基板の表面全体を覆うように成長することがなく、Si基板の表面から垂直方向にカーボンナノファイバーが成長した。
1 カーボンナノファイバー
2 カーボンナノファイバー本体
3 遷移金属
4 台面部
5 中空部
6 錐台部

Claims (2)

  1. カーボンナノファイバーが形成される基材の表面形状に倣う形状を有すると共に、炭素六角網面で形成されたカーボンナノファイバー本体と前記カーボンナノファイバー本体の一端に存在するNi又はCoとを有するカーボンナノファイバーの集合体を粉砕することにより得られる磁性体の製造方法であり、
    前記Ni又はCoは、前記カーボンナノファイバー本体の軸線方向に沿った軸線を有すると共にカーボンナノファイバー本体の軸線方向においてカーボンナノファイバー本体の外側に向かう台面部と、カーボンナノファイバー本体の軸線方向に沿ってカーボンナノファイバー本体の内部に形成された中空部に向かう鋭角の錐台部とを有する形態を備え、
    前記磁性体が超常磁性を有し、
    前記カーボンナノファバーの集合体がカーボンナノファイバーの成長時にカーボンナノファイバーの成長点となる前記Ni又はCoを分散させるNi又はCo含有スポンジ触媒の存在下に、炭素を含む原料ガスを450℃〜800℃に加熱することを特徴とする磁性体の製造方法
  2. Ni又はCo含有スポンジ触媒がNi又はoと、Alを含む化合物とからなることを特徴とする請求項に記載の磁性体の製造方法。
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