JP6207926B2 - 身体機能の推定方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、見た目年齢と身体機能値の間の相関関係を利用した、見た目年齢の算出方法及び算出装置、見た目年齢を改善する機能をもつ健康食品等の評価方法、並びに見た目年齢を改善することによる身体機能の改善方法に関する。
しかし、評価者の目視による見た目年齢の評価では、評価者と被験者の属する年代によっては、精度の高い見た目年齢の評価が困難な場合がある。例えば、評価者が10〜30代の若者であって、被験者が40〜60代の中高年である場合、若者の評価者にとっては自分よりも大幅に年齢が高い中高年の被験者の見た目年齢を客観的に細かく評価することは容易ではない。
そこで、見た目年齢を細かく評価する方法として、これまでは皮膚そのものの状態を示すパラメータを指標に用いる方法が知られていた。
しかし、人間の見た目の年齢の改善効果を発揮する物質の評価は、実験動物を用いた方法では不可能である。そのため、物質が有する人間の見た目年齢の改善効果を評価するに当たっては、人間を被験対象としなければならない。そして、人間を被験対象とすることについては、大規模な候補物質ライブラリーからのスクリーニングが困難であること、安全性が未確認な物質を評価対象とすることは倫理的に許されないなどの問題があった。
そこで、人間を被験対象とすることなく、人間の見た目年齢を改善する効果を有する物質の評価を行う技術が求められていた。
また、本発明は、見た目年齢を評価する新規な技術を提供することを課題とする。特に、本発明は、見た目年齢を正確に、かつ簡便に評価する技術を提供することを課題とする。
そして、本発明者らは、この知見から、見た目年齢から身体機能を簡便に推定できることを見出した。
すなわち、本発明は以下に示すとおりである。
このような推定方法を用いることで、評価することが比較的簡単な被験者の見た目年齢から、非侵襲的に、かつ簡便に該被験者の身体機能を推定することができる。
見た目年齢と身体機能値の相関関係を示す回帰式を用いることで、被験者の見た目年齢から、該被験者の身体機能値を算出することで、該被験者の身体機能を高い精度をもって簡便に推定することができる。
本方法は、血管系性状を推定するのに有用である。
このような算出方法を用いることによって、上述した評価者の年代による評価のぶれなどに左右されることのない客観的な、かつユニークな見た目年齢のカウンセリングが可能になる。
見た目年齢と身体機能値の相関関係を示す回帰式を用いることで、被験者の身体機能値から、該被験者の見た目年齢を、高い精度をもって簡便に推定することができる。
血管系性状値を指標に用いることで、被験者の見た目年齢を簡便に、高い精度をもって客観的に算出することができる。
該推定装置によれば、極めて簡便な身体機能の推定が可能になる。
本推定装置は、血管系性状を推定するのに有用である。
該算出装置を利用することによって、上述した評価者の年代による評価のぶれなどに左右されることのない客観的な、かつユニークな見た目年齢の評価を極めて簡便に行うことができる。
血管系性状値を指標とすることによって、簡便に被験者の見た目年齢を高い精度をもって算出することができる。
被験物質の見た目年齢の改善効果を指標とすることによって、簡便かつ高い精度をもって被験物質の身体機能値の改善効果を評価することができる。
被験物質の身体機能値の改善効果を指標とすることで、簡便に被験物質の見た目年齢の改善効果を評価することができる。
また、本発明によれば、実験動物の身体機能値の改善効果を指標として、人間の見た目年齢の改善効果を有する物質の評価を行うことができる。
被験物質の血管系性状値の改善効果を指標とすることによって、精度よく被験物質の見た目年齢の改善効果を評価することが可能となる。
上述したように、身体機能値と見た目年齢には相関関係があるので、本身体機能値改善効果を有する成分は、見た目年齢の改善剤として有用である。
血管系性状値の改善効果を有する成分を用いることによって、より効果の大きい見た目年齢改善剤を実現することができる。
被験物質が実験動物において身体機能値改善効果を有する場合には、人間においても同様の効果を発揮することが期待される。すなわち、実験動物において身体機能値改善効果を発揮する物質は、人間においても同様の効果を発揮し、上記相関関係に基づいて、見た目年齢を改善する効果があると評価することができる。
かかる方法によれば、人間を被験対象とする場合には困難である、見た目年齢改善効果を有する物質の大規模なスクリーニングが可能となる。さらに、安全性が未確認であり、人間に摂取させるには不適切な物質の見た目年齢改善効果を評価することができる。
本発明は、見た目年齢と身体機能値の相関関係に基づいて、被験者の見た目年齢を指標として該被験者の身体機能を推定することを特徴とする、身体機能の推定方法である。上記相関関係は好ましくは式またはモデルで示される。
式またはモデルとしては、単回帰式又は単回帰モデルが好ましく挙げられる。
また、専門家に被験者の見た目年齢を評価させても良い。専門家によれば、主観的判断の入らない、極めて客観的な見た目年齢の評価が可能であるからである。ここでいう専門家とは、人の肌の状態を評価することに長けた化粧品カウンセラーや、皮膚科専門医などのことをいう。
本発明においては、身体機能値は血管系性状値とすることが好ましい。血管系性状値とは、血管の状態(血管性状)、血液の状態(血液性状)及び心臓の状態をも含む血管系全体の状態を表す値のことである。
さらに本発明において血管系性状値としては、血管性状値と血液性状値が好ましく挙げられる。
血中脂質濃度とは、血中に存在する脂質の濃度のことである。血中に存在する脂質は、コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類が挙げられる。このうち、コレステロール、中性脂肪は動脈硬化の原因となる脂質である。さらにコレステロールはLDLとHDLの2種類に分類することができ、特に、活性酸素により酸化されたLDL(酸化LDL)は、動脈硬化の最も危険な因子であることが知られている。
本発明における血中脂質濃度は、中性脂肪、HDL、LDL、酸化LDLの血中濃度とすることが好ましい。
前記回帰式等は、統計学的に有意な数の対象者の、定法に従って測定・算出した身体機能値と、上述した手法により算出した見た目年齢を、統計学的に解析して得ることができる。具体的には、身体機能値を目的変数、見た目年齢を説明変数として、回帰分析することによって前記回帰式等を得るのが好ましい。
本発明の見た目年齢の算出方法は、見た目年齢と身体機能値の相関関係に基づいて、被験者の身体機能値を指標として該被験者の見た目年齢を算出することを特徴とする。上記相関関係は好ましくは式またはモデルで示される。
式またはモデルとしては、単回帰式又は単回帰モデルが好ましく挙げられ、さらに好ましくは重回帰式又は予測式が挙げられる。
また、本実施形態においては、前記重回帰式又は前記予測式は、見た目年齢を目的変数、複数の身体機能値を説明変数として、重回帰分析することで得られる。
(1−1)高血圧レベルの測定・算出方法
高血圧レベルは、収縮期血圧と拡張期血圧の総合評価により算出することができる。収縮期血圧と拡張期血圧は市販の血圧計によって測定することができる。高血圧レベルの算出は、医療現場における一般的な手法により算出することができる。すなわち、収縮期血圧と拡張期血圧の値から、高血圧の段階を、至適正値、正常高値血圧、I度高血圧(軽症)、II度高血圧(中等症)、III度高血圧(重症)の5つに分類し、それぞれの分類に段階的に1〜5点の点数をつけることによって、高血圧レベルとすることができる。
(1−2)CAVIの測定・算出方法
CAVIは、市販の動脈硬化検査機(例えば、VaSera VS−1500)によって、測定・算出することができる。
(1−3)ABIの測定・算出方法
ABIは、市販の動脈硬化検査機(例えば、VaSera VS−1500)によって、測定・算出することができる。
(1−4)血管老化得点の測定・算出方法
血管老化得点の測定・算出方法は以下のようにして行う。加速度脈波測定器(例えば、AGPハートレーター SA−3000p)を用い、座位安静状態にて被験者の指先の脈波を測定する。測定された脈波を2回微分することで以下に示す加速度脈波の波形を得る。
a波:収縮初期陽性波(加速度脈波を評価する際の基準)
b波:収縮初期陰性波(心臓の拍出強度と関連)
c波:収縮中期再上昇波(血管の弾性と関連)
d波:収縮後期再下降波(残血量と関連)
以上の4つの波の高さを下式に当てはめて、血管老化得点を算出する。
血管老化得点=(b−c−d)/a
血管老化得点は、血管の総合的な老化指標であり、得点が低いほど老化が進行していることを示す。
(2−1)血中中性脂肪濃度の測定
血中中性脂肪濃度は、一般的な手法により測定することができる。すなわち、採取した血液中の中性脂肪をリポ蛋白リパーゼで加水分解して生成したグリセロールを比色法やUV法で測定することができる。かかる測定には市販されている検査キットを使用することが好ましい。
(2−2)血中LDL濃度の測定
血中LDL濃度は、いわゆるF式や直接法によって測定・算出することができる。市販のキットを使用することが好ましい。
(2−3)血中酸化LDL濃度の測定
血中酸化LDL濃度はELIZA法によって測定することができる。
また、本発明の身体機能推定装置は、見た目年齢と、身体機能値との相関関係を示す身体機能値相関データを記憶する記憶手段と、被験者の見た目年齢を、前記記憶手段に記憶された身体機能値相関データと照合して、前記被験者の身体機能値を算出する身体機能値算出手段と、を備える。
また、本発明の身体機能推定装置の一実施形態では、被験者の顔画像データからしわの数、深さ、肌の色味、しみの数、面積などの指標を読み取り、該被験者の見た目年齢を算出する見た目年齢算出手段を備える。
数値化手段41は、画像入力部2から出力された該被験者の顔画像データから、しわの数・深さ、肌の色味、しみの数・面積などの老化の指標を数値化する。
見た目年齢算出手段42は、数値化手段41により数値化された指標を、第1の記憶手段31に記憶された老化の指標と見た目年齢の相関関係を表す重回帰式に代入し、該被験者の見た目年齢を算出する。
身体機能値算出手段43は、見た目年齢算出手段42により算出された該被験者の見た目年齢を、第2の記憶手段32に記憶された見た目年齢と身体機能値の相関関係を表す単回帰式に代入し、該被験者の身体機能値を算出する。
身体機能値表示部51は、身体機能値算出手段43が算出した、該被験者の身体機能値を表示するディスプレイである。
すなわち、このような構成とした本発明の身体機能推定装置11は、被験者の顔を撮影するだけで、容易に被験者の身体機能値を算出することができる。
本発明の見た目年齢算出装置は、身体機能値と、見た目年齢との相関関係を示す見た目年齢相関データを記憶する記憶手段と、被験者の身体機能値を、前記記憶手段に記憶された見た目年齢相関データと照合して、前記被験者の見た目年齢を算出する見た目年齢算出手段と、を備える。
また、本実施形態においては、前記見た目年齢相関データは、上述した手法により得られた、見た目年齢を目的変数、複数の身体機能値を説明変数とした重回帰式又は予測式であることが、より好ましい。
見た目年齢算出手段44は、身体機能値入力部6より入力された被験者の身体機能値の数値を、記憶手段33に記憶された見た目年齢と身体機能値の相関関係を表す単回帰式又は重回帰式へ代入し、該被験者の見た目年齢を算出する。
見た目年齢表示部52は、見た目年齢算出手段44が算出した、該被験者の見た目年齢を表示するディスプレイである。
すなわち、このような構成とした本発明の見た目年齢算出装置は、被験者の身体機能値を入力するだけで、容易に被験者の見た目年齢を算出することができる。
本発明の被験物質の身体機能値の改善効果を評価する方法は、被験物質の見た目年齢の改善効果を指標とする。
上述したように、見た目年齢と身体機能値の間には相関関係が成り立っている。したがって、見た目年齢を改善する効果を有する物質は、同時に身体機能値を改善する効果を有する物質であるということができる。
すなわち、被験物質を摂取した人の見た目年齢が改善した場合には、該被験物質を、身体機能値の改善効果を有する候補物質として評価する。
本評価方法の好ましい形態では、まず身体機能値の改善効果をもたらす可能性のある被験物質を一定期間継続して摂取した集団の、当該摂取期間の前後における見た目年齢を評価する(見た目年齢評価工程)。そして、当該摂取期間の前後の見た目年齢を、上述した身体機能値を目的変数、見た目年齢を説明変数とする単回帰式又は単回帰モデルにそれぞれ代入し、当該摂取期間の前後の身体機能値を算出する(身体機能値算出工程)。次に、算出した当該摂取期間の前後の身体機能値の変化量を算出する(身体機能値の変化量算出工程)。そして、当該摂取期間の前後の身体機能値の変化量を該集団で集計して、該変化量の平均値を算出し、該被験物質が身体機能値をどの程度改善したかを評価する(評価工程)。
本評価方法においては、該被験物質を摂取した集団と同時に、摂取していない集団(対照集団)の前記期間における身体機能値の変化量も評価することが好ましい。該被験物質を摂取した集団と、対照集団の身体機能値の変化量を、t検定によって検定することによって、該被験物質の身体機能値の改善効果が統計学的に有意であるか否かを評価することができる。
また、本発明の好ましい形態では、上記工程を複数の被験物質について行い、その中で身体機能値が有意に改善した物質を、身体機能値の改善効果を有する候補物質として選定するスクリーニング工程を含む。該スクリーニング工程を含む本発明の評価方法によれば、複数の被験物質の見た目年齢の改善効果の評価をすることで、前記相関関係に基づき、その複数の被験物質の中から身体機能値の改善効果を有する候補物質を簡便に選定することができる。
前記見た目年齢評価工程においては、上述した見た目年齢の評価手法を用いることが好ましい。
また、前記見た目年齢評価工程及び前記身体機能値算出工程においては、上述した本発明の身体機能推定装置を使用してもよい。
本発明の、被験物質の見た目年齢の改善効果を評価する方法は、被験物質の身体機能値の改善効果を指標とする。
上述したように、見た目年齢と身体機能値の間には相関関係が成り立っている。したがって、身体機能値を改善する効果を有する物質は、同時に見た目年齢を改善する効果を有する物質であるということができる。
すなわち、被験物質を摂取した人の身体機能値が改善した場合には、該被験物質を、見た目年齢の改善効果を有する候補物質として評価する。
本評価方法は、まず見た目年齢の改善効果をもたらす可能性のある被験物質を一定期間継続して摂取した集団の、当該摂取期間の前後における身体機能値を測定・算出する(身体機能値測定工程)。そして、当該摂取期間の前後の身体機能値を、上述した見た目年齢を目的変数、身体機能値を説明変数とする単回帰式又は単回帰モデル、もしくは重回帰式又は推定式に代入し、当該摂取期間の前後の見た目年齢を算出する(見た目年齢算出工程)。次に、当該摂取期間の前後の見た目年齢の変化量を算出する(見た目年齢の変化量算出工程)。そして、当該摂取期間の前後の見た目年齢の変化量を該集団で集計して、該変化量の平均値を算出し、該被験物質が見た目年齢をどの程度改善したかを評価する(評価工程)。
本評価方法においては、該被験物質を摂取した集団と同時に、摂取していない集団(対照集団)の前記期間における見た目年齢の変化量も評価することが好ましい。該被験物質を摂取した集団と、対照集団の見た目年齢の変化量を、t検定によって検定することによって、該被験物質の見た目年齢の改善効果が統計学的に有意であるか否かを評価することができる。
また、本発明の好ましい形態としては、上記工程を複数の被験物質について行い、その中で見た目年齢が有意に改善した物質を、見た目年齢の改善効果を有する物質として選定するスクリーニング工程を含む。該スクリーニング工程を含む本発明の評価方法によれば、複数の被験物質の身体機能値の改善効果の評価をすることで、前記相関関係に基づき、その複数の被験物質の中から見た目年齢の改善効果を有する物質を簡便に選定することができる。
また、前記見た目年齢算出工程においては、上述した本発明の見た目年齢算出装置を使用してもよい。
この実施形態によれば、人では実現が困難である大規模な、見た目年齢改善効果を有する候補物質のスクリーニングが可能である。また、安全性が未確認で人間が摂取するには不適切な物質についても、見た目年齢の改善効果を評価することができる。
本発明の、見た目年齢改善剤は、身体機能値改善作用を有する成分を含む。
該身体機能値は、好ましくは、<見た目年齢の算出方法>において説明したものと同じである。以下に、各身体機能値を改善する作用を有する成分について説明する。
(1−1)高血圧レベルを改善する作用を有する成分
高血圧レベルを改善する作用を有する成分としては、高血圧症に効果がある成分が好ましい。すなわち、カリウム、γ・アミノ酪酸(GABA)、マグネシウム、カルシウム、酢酸、セサミン、ラクトトリペプチド(LTP)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、コラーゲン、アミノ酸、にんにくエキス、タウリンなどが好ましく挙げられる。
(1−2)CAVI及びABIの改善作用を有する成分
CAVI及びABIの改善作用を有する成分としては、動脈硬化の予防・改善に効果がある成分が好ましい。すなわち、大豆イソフラボン、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、キサントフモール、リコピン、カリウム、ビタミンE、ベータカロチンなどが好ましく挙げられる。
(1−3)血管老化得点の改善作用を有する成分
血管老化得点の改善作用を有する成分としては、動脈硬化、高血圧の予防・改善に効果のある成分が好ましい。すなわち、カリウム、γ・アミノ酪酸(GABA)、マグネシウム、カルシウム、酢酸、セサミン、ラクトトリペプチド(LTP)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、コラーゲン、アミノ酸、にんにくエキス、タウリン、大豆イソフラボン、キサントフモール、リコピン、ビタミンE、ベータカロチンなどが好ましく挙げられる。
血中脂質濃度の改善効果を有する成分は、動脈硬化の予防・改善に効果のある成分が好ましい。すなわち、大豆イソフラボン、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、キサントフモール、リコピン、カリウム、ビタミンE、ベータカロチン、インドキノなどが好ましく挙げられる。
被験者は45歳から55歳までの閉経前の健常な女性22名(平均年齢47.6±2.4歳)とし、各被験者について身体機能値の測定と、見た目の若さの指標となる見た目年齢の算出を行った。身体機能値は、血管性状値として血管老化得点と、血中脂質濃度として血中酸化LDL濃度の2項目を指標とし、それぞれ定法に従って測定・算出した。見た目年齢の算出並びに、血管老化得点及び血中酸化LDL濃度の測定・算出については、以下に記載する方法によって行った。
まず被験者の素顔の全顔写真を撮影し、その写真を被験者と同年代(40歳から60歳)の一般人女性18名に見せ、各被験者の顔画像が何歳に見えるのかを聞き取り調査した。18名から聞き取った年齢の平均値を各被験者の見た目年齢とした。
加速度脈波測定器(AGPハートレーター SA−3000p)を用い、座位安静状態にて左手人差し指あるいは中指の脈波を測定した。脈波を2回微分することで以下に示す加速度脈波の波形を得た。
a波:収縮初期陽性波(加速度脈波を評価する際の基準)
b波:収縮初期陰性波(心臓の拍出強度と関連)
c波:収縮中期再上昇波(血管の弾性と関連)
d波:収縮後期再下降波(残血量と関連)
以上の4つの波の高さを下式に当てはめて、血管老化得点を算出した。
血管老化得点=(b−c−d)/a
被験者の血液サンプル中の酸化LDL濃度をサンドイッチELISA法にて定量した。
上の結果をもとに、(1)血管老化得点を目的変数、実年齢を説明変数、(2)血管老化得点を目的変数、見た目年齢を説明変数、(3)血中酸化LDL濃度を目的変数、実年齢を説明変数、(4)血中酸化LDL濃度を目的変数、見た目年齢を説明変数として最小二乗法を用いて回帰分析を行った。その結果、以下の回帰式が得られた。
(1)「血管老化得点」=−0.7149×「実年齢」+71.556
R^2=0.0119
(2)「血管老化得点」=−0.8853×「見た目年齢」+79.041
R^2=0.0534
(3)「血中酸化LDL濃度」=−2.1374×「実年齢」+176.68
R^2=0.0291
(4)「血中酸化LDL濃度」=2.9429×「見た目年齢」−63.23
R^2=0.1611
したがって、見た目年齢から血管老化得点及び血中酸化LDL濃度を高い精度で推定することができる。
また、新規の健康・美容食品の開発の現場における有効成分の評価、スクリーニング手法として応用することができる。
12 見た目年齢算出装置
2 画像入力部
3 ROM
31 第1の記憶手段
32 第2の記憶手段
33 記憶手段
4 CPU
41 数値化手段
42 見た目年齢算出手段
43 身体機能値算出手段
44 見た目年齢算出手段
51 身体機能値表示部
52 見た目年齢表示部
6 身体機能値入力部
Claims (6)
- 見た目年齢と身体機能値の相関関係に基づいて、被験者の見た目年齢を指標として該被験者の身体機能を推定する身体機能の推定方法であって、
前記身体機能値が、以下に示す方法により算出される血管老化得点又は血中酸化LDL濃度であることを特徴とする身体機能の推定方法。
(血管老化得点)
加速度脈波測定器を用い、座位安静状態にて被験者の指先の脈波を測定する。測定された脈波を2回微分することで以下に示す加速度脈波の波形を得る。
a波:収縮初期陽性波
b波:収縮初期陰性波
c波:収縮中期再上昇波
d波:収縮後期再下降波
以上の4つの波の高さを下式に当てはめて、血管老化得点を算出する。
血管老化得点=(b−c−d)/a - 見た目年齢と身体機能値の相関関係を示す単回帰式を用いて、被験者の見た目年齢から該被験者の身体機能値を算出することを特徴とする、請求項1に記載の身体機能の推定方法。
- 見た目年齢と身体機能値の相関関係に基づいて、被験者の身体機能値を指標として該被験者の見た目年齢を算出する見た目年齢の算出方法であって、
前記身体機能値が、以下に示す方法により算出される血管老化得点又は血中酸化LDL濃度であることを特徴とする見た目年齢の算出方法。
(血管老化得点)
加速度脈波測定器を用い、座位安静状態にて被験者の指先の脈波を測定する。測定された脈波を2回微分することで以下に示す加速度脈波の波形を得る。
a波:収縮初期陽性波
b波:収縮初期陰性波
c波:収縮中期再上昇波
d波:収縮後期再下降波
以上の4つの波の高さを下式に当てはめて、血管老化得点を算出する。
血管老化得点=(b−c−d)/a - 見た目年齢と身体機能値の相関関係を示す単回帰式又は重回帰式を用いて、被験者の身体機能値から該被験者の見た目年齢を算出することを特徴とする、請求項3に記載の見た目年齢の算出方法。
- 見た目年齢と、身体機能値との相関関係を示す身体機能値相関データを記憶する記憶手段と、
被験者の見た目年齢を、前記記憶手段に記憶された身体機能値相関データと照合して、前記被験者の身体機能値を算出する身体機能値算出手段と、を備える、身体機能推定装置であって、
前記身体機能値が、以下に示す方法により算出される血管老化得点又は血中酸化LDL濃度であることを特徴とする身体機能推定装置。
(血管老化得点)
加速度脈波測定器を用い、座位安静状態にて被験者の指先の脈波を測定する。測定された脈波を2回微分することで以下に示す加速度脈波の波形を得る。
a波:収縮初期陽性波
b波:収縮初期陰性波
c波:収縮中期再上昇波
d波:収縮後期再下降波
以上の4つの波の高さを下式に当てはめて、血管老化得点を算出する。
血管老化得点=(b−c−d)/a - 身体機能値と、見た目年齢との相関関係を示す見た目年齢相関データを記憶する記憶手段と、
被験者の身体機能値を、前記記憶手段に記憶された見た目年齢相関データと照合して、前記被験者の見た目年齢を算出する見た目年齢算出手段と、を備える、見た目年齢算出装置であって、
前記身体機能値が、以下に示す方法により算出される血管老化得点又は血中酸化LDL濃度であることを特徴とする見た目年齢算出装置。
(血管老化得点)
加速度脈波測定器を用い、座位安静状態にて被験者の指先の脈波を測定する。測定された脈波を2回微分することで以下に示す加速度脈波の波形を得る。
a波:収縮初期陽性波
b波:収縮初期陰性波
c波:収縮中期再上昇波
d波:収縮後期再下降波
以上の4つの波の高さを下式に当てはめて、血管老化得点を算出する。
血管老化得点=(b−c−d)/a
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