JP3735816B2 - 酸化ストレス評価のための健康指標としての酸化ストレス診断分析図を使用して酸化ストレスを評価する方法 - Google Patents
酸化ストレス評価のための健康指標としての酸化ストレス診断分析図を使用して酸化ストレスを評価する方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、個人の健康状態に有意に寄与する2つの鍵パラメータを特徴付ける分析実験測定から導かれた酸化ストレス評価のための健康指標としての酸化ストレス診断分析図を使用して酸化ストレスを評価する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
あらゆる生体のすべての生物的構成物は、何百万年の間に起こった強制進化の利益対不利益の妥協の結果である。かくして、ある生体の正確な機能のために必要なほとんどすべての発生および代謝の過程は、本来、一般により長期間である負の作用面も有する。
【0003】
ヒトの老化過程自体は、現在では、発生およびエネルギー代謝の副反応を含む上記妥協の結果であるように思われる。たとえば、エネルギーを生じる上できわめて効率的なミトコンドリアでの好気的代謝の有害副反応に関して多くのことが知られている。しかし、これらの反応の有毒な副生物であるフリーラジカルまたは反応性酸素種(ROS)も産生される。これらのROSが破壊されなければ、それらは、それらを生成した細胞を速やかに破壊するであろう。
【0004】
現在の自然科学的徴候の否定し難い核心は、ヒトにおける多くの機能障害および疾患が酸化ストレスの所産であることを示している。これらには下記のものが含まれる。
【0005】
老化:正常速度よりも高い速度での通常の老化過程、分節性早老障害(ダウン症候群)
心疾患および心血管疾患:アテローム性動脈硬化、アドリアマイシン心毒性、アルコール性心筋症
腎臓:自己免疫性腎炎症候群、重金属腎毒性、太陽輻射、温熱性損傷、ポルフィリン症
胃腸管:炎症性および免疫性傷害、糖尿病、膵炎、ハロゲン化炭化水素肝障害
眼:白内障発生、退行性網膜傷害、黄斑変性
肺:肺癌(煙草の煙)、気腫、オキシダント汚染因子(O3、NO2)、気管支肺嚥下困難、アスベストの発癌性
神経系障害:高圧酸素、パーキンソン病、ニューロンセロイドリポフスチン沈着症、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、多発性硬化症
赤血球:マラリア、鎌状赤血球貧血、ファンコニ型貧血、早熟溶血性貧血
鉄過剰:特発性血色素症、食事過剰、サラセミア(地中海貧血)
虚血血流再開状態:発作
炎症性免疫損傷:糸球体腎炎、自己免疫疾患、慢性関節リウマチ
肝:アルコール性病変、アルコール性鉄過剰損傷
その他の酸化ストレス障害:AIDS、放射線誘発損傷(事故および放射線療法)、一般の低度炎症性障害、臓器移植、炎症性リウマチ様関節、不整脈、心筋梗塞
【0006】
至適健康および動作が年齢に依存して普通に衰退すること(正常老化として知られている)は、その主要原因因子の一つであるROSの結果であるように思われる。さらに、多くの異なるタイプの細菌、真菌およびウイルスによる感染が、生体内で産生されるROSの量を増加させる。この増加はときには劇的である(AIDSの場合など)が、多くの低度の細菌および真菌感染症におけるように、きわめてわずかなこともありうる。
【0007】
酸化ストレス(OS)は、ROSによって惹起される細胞、組織または器官内での酸化損傷の定常状態レベルであると定義される。所与の生体系中に存在する酸化ストレスの程度または酸化ストレス状態(OSS)は、3つの主要因子の最終結果によって決定される。図1に明らかにしたこれら3つの因子は、つぎのものである。
【0008】
(1)ROS生成の初期速度
(2)抗酸化性保護プロセスのレベル
(3)核酸、蛋白質および脂質を包含する酸化された標的の修復および代謝回転の速度または除去速度
【0009】
全身を通じて産生された酸化損傷成分の多くは、図1に(4)で示した通り、血清、尿または息へと運ばれる。OSSは、図1に(5)で示したように、個体の全身、器官、組織、細胞または細胞成分分画などのあらゆる成分または系について言及することができる。OSS値を決定するのは、損傷入力〔(6)によって示されている〕対損傷出力〔(7)によって示されている〕の比である。この比は、大部分が、「寿命決定遺伝子」として知られている特定の一組の遺伝子によって支配される。どの食物要素がもっとも重要で、かつ各個体にとって最適であるかが知られていれば、食事も有効な制御手段を提供する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
OSSの概念は、それが、図1に(8)で示されているように、異常な機能や疾患の初期化が、時間の経過とともに発生する確率を決定するため、ヒトの健康維持を理解する上で基礎となる。年齢に伴って主要疾患の進行の開始および速度が個人個人の特有のOSSと強く関連しているので、OSSの制御は、ヒトの健康および寿命を制御する上で必須である。この目的を達成するために、(a)OSSの微妙な変化を測定するのに有効である、特異的で、信頼でき、非侵襲的で、費用効果の高い分析および(b)個人個人のOSSをもっとも効果的に算出するのに用いうる無類で統合された一組の分析の必要性が科学や臨床医学の分野で増している。
【0011】
本発明の目的とするところは、酸化ストレス状態を効果的に算出して視覚的に評価することができる、分析実験測定から導かれた酸化ストレス評価のための健康指標としての酸化ストレス診断分析図を使用して酸化ストレスを評価する方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく様々な検討を重ねた結果、2つの鍵パラメータを特徴付ける分析実験測定から導かれた酸化ストレス評価のための健康指標としての酸化ストレス診断分析図を使用することにより、上記目的を達成することを見い出し、本発明をするに至った。
【0013】
即ち、本発明は、全アルケナール、水溶性ヒドロペルオキシド、脂質ヒドロペルオキシド、自己抗体により酸化されたリボ蛋白質、8−ヒドロキシデオキシグアノシン、8−エピプロスタグランジンF 2 (イソプロスタン)、クレアチニン、全鉄、有効鉄結合能、全鉄結合能、鉄飽和百分率、フェリチン、銅、セルロプラスミンのうちの8−10の酸化損傷および酸化促進ポテンシャルの分析実験から算出され、100%平均レベルに対する酸化損傷の平均レベルにより表される、ジェノックス酸化ストレス特性指数(GOSPI)を縦軸とし、酸素ラジカル吸収能、水溶性酸素ラジカル吸収能、脂質酸素ラジカル吸収能、脂質過酸化阻害能、ビタミンC、チオール類、尿酸、直接型および全ビリルビン、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、リコペン、α−カロテン、β−カロテン、レチノール、パルミチン酸レチニル、カロテノイド類、α−トコフェロール、δ−トコフェロール、γ−トコフェロール、トコフェロール/(コレステロール+トリグリセリド類)比、ユビキノールのうちの20−22の抗酸化剤の分析実験から算出され、100%平均レベルに対する酸化損傷の平均レベルにより表される、ジェノックス抗酸化剤特性指数(GAPI)を横軸とした、第I象限から第IV象限からなる、酸化ストレス評価のための健康指標としての酸化ストレス診断分析図を使用し、当該酸化ストレス診断分析図に前記分析実験を行った患者の酸化的ストレス特性の状態をプロットするとともに、複数の参照する酸化的ストレス特性の値をプロットし、両者を比較する、患者の心血管系酸化ストレスを評価する方法である。
【0015】
酸化ストレス特性(OSP)は、個人のOSSを評価すべく企図されたもっとも完全な一揃えの分析を提供する。
【0016】
これらの分析は、(a)基礎研究に携わっている科学分野、(b)開業臨床医および医師および(c)個人的に自身の健康および寿命をもっとも効果的に利用することに関心のある個人によって利用されるべく設計されている。
【0017】
OSPは10の成分から構成され、その各々は2〜22の健康バイオマーカーからなる。これら10の成分および各成分に特異的なバイオマーカーの数を以下に明らかにする。
【0018】
1.斑点スクリーニング(バイオマーカー#1−7)
2.酸化促進ポテンシャル(バイオマーカー#8−14)
3.糖化ポテンシャル(バイオマーカー#15−16)
4.全抗酸化剤(バイオマーカー#17−20)
5.水溶性抗酸化剤(バイオマーカー#21−24)
6.脂溶性抗酸化剤(バイオマーカー#25−38)
7.脂質および蛋白質(バイオマーカー#39−43)
8.心疾患危険因子パネル(バイオマーカー#44−50)
9.年齢関連ホルモンパネル(バイオマーカー#51−60)
10.鉱質(無機)および微量元素パネル(バイオマーカー#61−82)
使用される分析試験の各々はその特性の他の分析試験と相補的であり、従って確認情報を提供するかまたは総合された新情報を提供する。かくして、OSPに用いられる分析試験の総計の診断上の価値は、個々のものよりずっと大きい。
【0019】
OSPからの分析試験データを解釈するために、ジェノックス(Genox)酸化ストレス特性診断分析図(GOSP診断分析図)と呼ぶ新規手法を開発した。GOSP診断分析図は、個々のOSPから2つの鍵となるパラメータを算出することに基づいている。
【0020】
第一のパラメータは、ジェノックス酸化ストレス特性指数(GSOPI)と呼ばれる。それは、8−10の酸化損傷および酸化促進ポテンシャルの分析実験から算出され、100%平均レベルに対する酸化損傷の平均レベルにより表される。
【0021】
すなわち:
GOSPI=1/nΣ(平均百分率−100%)、ここにnは総体中の分析実験の数に等しい。
【0022】
第二のパラメータはジェノックス抗酸化特性指数(GAPI)と呼ばれる。それは、20−22の抗酸化剤の分析実験から算出され、100%平均レベルに対する抗酸化剤による保護の平均レベルを表す。
【0023】
すなわち:
GAPI=1/nΣ(平均百分率−100%)、ここにnは総体中の分析実験の数である。
【0024】
つぎに、類似するGOSP診断分析図がもつ約300の参照個体との関係を明らかにするため、GOSPIおよびGAPIをXY軸にプロットする。これを図2に示す。
【0025】
該診断分析図は、各々顕著な特性をもつ4つの象限からなる。
【0026】
第I象限:この象限にある個体は、低い抗酸化剤レベルに伴う高い予測酸化ストレスレベルをもつ、それゆえ、それらの人は、それらのOSSを低下させるための説明通りの相対的に高い抗酸化剤の用量に反応するものと期待される。
【0027】
第II象限:この象限にある個体は、上記平均レベルの抗酸化剤保護にもかかわらず、高いOSSレベルをもっている。実験的研究から得られたデータは、この状態が、まったく普通のものであり、OSPのもっとも重要な適用の一つを表していることを示唆している。この状態は、ストレスが下記によって生じる結果として発生しうるであろう。
【0028】
(a)高いレベルの鉄および/または銅ストレス
(b)微生物感染(細菌、ウイルスによる低度感染;例はAIDSおよびマラリア)により惹起されるごとき高いレベルの炎症性関連疾患
(c)抗酸化剤の吸収または合成を妨害するかまたはROSを発生させる薬物
(d)アルコール症
(e)微量金属、アスベストなどの毒性環境因子への暴露
(f)糖尿病などの酸化ストレス関連疾患
【0029】
第III象限:この象限にある個体は、正常より低いOSSを有し、抗酸化状態は低い。これは、至適健康状態を表し、抗酸化剤レベルの増大によって将来の改善さえも実現できることを示唆している。かかる症例は、関連する抗酸化剤のすべて(それらのほとんどは血液以外の組織中にある)が測定されているわけではないことをも示している。
【0030】
第IV象限:この象限にある個体は、正常よりも低いOSSを有し、正常レベルよりも高い抗酸化剤による保護を伴うものと予測される。いかなる処置が最良であるかは、個体のOSPの詳細によって示されるであろう。
【0031】
要約すれば、OSPの特定の細部とともに、ジェノックスOSP診断分析図を利用することによって、医師らは、患者らを適切に処置する上での助けとなる強力な手段をもつことになるであろう。各々の人は、遺伝形質、生活様式および環境への暴露に関して独特であるから、それらの人のニーズも独特である。ジェノックスOSP診断分析図は、ヒトにおける酸化ストレスを評価するべく設計された独特の手段である。
【0032】
【発明の実施の形態】
酸化損傷の正確な測定
酸化損傷は、年齢に関連した退行性疾患発症の上での主たる原因因子である。ヒトの健康および寿命を最大限に活用する診断手段として用いうる多くの異なるタイプの酸化損傷を測定する分析試験は、個人個人の酸化ストレス状態を評価する上で必須である。多くの異なるバイオマーカーを集合的に測定することによって、患者の酸化ストレスの一般的基準のもっとも正確かつ包括的な徴候の輪郭を描くことができる。各個のタイプの損傷を解析すれば、正確な危険度および指示可能な予防方策のより明確な指標を得ることができる。
【0033】
OSPの成分およびこれらの成分の各々を構成するバイオマーカーを以下に簡単に記述する。
【0034】
スポットスクリーニング
1.全アルケナール(血清および尿中)− 細胞脂質膜およびリポ蛋白質(すなわちLDL)に対するフリーラジカルの攻撃による過酸化脂質の生産物(マロンアルデヒドおよび4−ヒドロキシノネナール)を測定する。血清過酸化脂質量の測定は、体内のフリーラジカルによる傷害の量を反映する。
【0035】
2.水溶性ヒドロペルオキシド(血清中)− プロオキシダント金属と反応し、きわめて反応性のヒドロキシラジカルを生じうる過酸化水素などの水溶性のものを直接測定する。血清ヒドロペルオキシド量の測定は、そのときに体内で産生されているフリーラジカルの量を反映する。
【0036】
3.脂質ヒドロペルオキシド(血清中および尿中)− 脂質ヒドロペルオキシド〔過酸化水素や過酸化脂質傷害の生産物、すなわちアルデヒド類(MDA)ではない〕を直接測定する。血清脂質ヒドロペルオキシド量の測定は、そのときに体内で産生されているフリーラジカルの量を反映する。
【0037】
4.自己抗体により酸化されたLDL(血清中)− 心血管疾患の進展に関する現在の有力な理論は、LDLが酸化され、単核細胞によって飲み込まれ、単核細胞は「泡沫」細胞となり、それがつぎに動脈細胞壁に付着して、脂肪酸線条傷害(プラーク)を惹起するというものである。免疫反応は、全身を通じて存在するOx−LDLの量に正比例する。Ox−LDLのほとんどは動脈細胞壁中にあるので、血清中のそれを測定することはあまり効果的ではない;それゆえ、現在では、Ox−LDLに対する自己免疫抗体アッセイが心血管疾患のきわめて強力な危険度予測手段であると認識されている。
【0038】
5.8−ヒドロキシデオキシグアノシン〔8−OH dG〕(尿中)− 細胞内での染色体DNAおよびミトコンドリアDNAに対する酸化損傷を測定するための「黄金の」基準である。8−OH dGは、エンドヌクレアーゼ修復酵素によって切り出されたヒドロキシラジカル損傷グアニンヌクレオチドであって、ヒトのDNA変異可能性を、従って癌の危険度を反映する。修復は通常は速やかに、効率的に行われることが知られているので、血清および尿中の切り出されたDNA付加物の量は、全身における損傷の量を直接的に反映する。
【0039】
6.8−エピプロスタグランジンF2 〔イソプロスタン〕(尿中)− 細胞膜およびリポ蛋白質(すなわちLDL)中のアラキドン酸の、フリーラジカルが触媒となった非酵素的過酸化によって生体内で生成される。損傷過酸化脂質は細胞壁から血清中へ除去され、つぎに尿中へ排泄される。反応性アルデヒドと異なり、いったんイソプロスタン類が形成されると、それらは化学的に安定であり、血清または尿中で正確に測定できる。8−エピPGF2 の生成は、アスピリン摂取によって影響されず、酸化ストレスおよび抗酸化剤補充の有効性の敏感な尺度であることが示されている。
【0040】
7.クレアチニン(尿中)− 患者の代謝効率〔利用されたエネルギー(ATP合成)に対するフリーラジカル産生(損傷)の量〕を算出するために用いる。クレアチニンは、ATP/クレアチニン利用の分解産物であって、尿中へ排泄される。12〜24時間クレアチニン値を用いて、その人のエネルギーまたは活動の量に対する発生中の損傷の量(比)を算出する。12〜24時間クレアチニン値は、その人の基礎代謝率を反映する。クレアチニンをその人の除脂肪体重で割ると、所与の時間にわたる細胞当たりの代謝活性(ATP利用)量が得られる。
【0041】
酸化促進ポテンシャル
8.全鉄− 結合されていない鉄は、過酸化水素およびアスコルビン酸またはホモシステインなどの強い還元剤からのきわめて反応性のヒドロキシラジカルの産生(フェントン反応)の触媒となることによって、酸化促進剤として働くことができる。高レベルの鉄(過負荷)は、フリーラジカル損傷量が高いことおよび糖尿病、心疾患、癌などの年齢関連疾患の多くの発生危険度が高いことと関連している。
【0042】
9.有効鉄結合能(AIBC)− トランスフェリン、フェリチンおよび鉄を結合していないアルブミンの量であり、従って、遊離鉄分子を受け入れる(捕捉)することができる。鉄結合蛋白質は、鉄が触媒となるフリーラジカル産生のきわめて効果的な予防手段であることが知られている。高いAIBCは、酸化損傷反応の開始に対する良好な保護を与えるものである。AIBC蛋白質は、肝中で合成され、血清中でかなり一定した定常状態レベルに保たれている;一般に、鉄(蛋白質結合鉄)レベルが高いほど、AIBCは低い。
【0043】
10.全鉄結合能(TIBC)− AIBC+全鉄の値によって表される。この値は、鉄結合蛋白質をつくる肝の能力を反映させるために用いる。
【0044】
11.鉄飽和百分率− (全鉄/TIBC)の百分率。これは、鉄結合能に対する鉄の相対比である;鉄飽和度が高いほど、フリーラジカル種の触媒となる作用に鉄が関与する危険度が高い。
【0045】
12.フェリチン− 血清中の鉄の量に応じて肝により合成される鉄結合蛋白質である。フェリチンは、身体の鉄貯蔵および可能な長期鉄過負荷の指標となる。血清中の高いフェリチンレベルが、フリーラジカル損傷量が高いことおよび糖尿病、心疾患、癌などの年齢関連疾患の多くの発生危険度が高いことと関連付けられている。
【0046】
13.銅− 結合されていない銅は、とくにアスコルビン酸(ビタミンC)やホモシステインなどの強力な還元剤の存在下では、鉄よりも一層反応性の酸化促進剤であることが知られている。血清中の高い銅レベルは、高レベルの酸化損傷を惹起することができ、それと関連している。CuZnスーパーオキシドジスムターゼおよびセルロプラスミンのために少量が必要とされる。
【0047】
14.セルロプラスミン− 血清中に見いだされる銅の95%までを結合する。正常患者では、セルロプラスミンの量は、血清中の銅の量に正比例し、高い銅濃度は普通高い量の脂質過酸化および心血管疾患のリスクと関連している。セルロプラスミンは、フェロオキシダーゼとして働き(遊離鉄を酸化する)、それによって鉄が酸化促進剤として関与するのを妨げ、身体から過剰の鉄を除去するのに必須であることから、抗酸化剤であると考えられる。セルロプラスミンはまた、スーパーオキシドジスムターゼとして働く。セルロプラスミンの減少は、ウィルソン病において見られる。
【0048】
糖化ポテンシャル
15.グルコース− グルコースレベルは、患者が絶食していることを示すかまたは制御されない真性糖尿病または低血糖症を示すことができる。
【0049】
16.糖化蛋白質(フルクトサミン)− 試料採取時に先立つ最後の1〜3週間にわたる平均血糖レベルを測定するために用いる。このアッセイは、血清中の糖化蛋白質のすべて〔アルブミンを含む全蛋白質、ただし、全血中にのみ存在するヘモグロビン(RBC)を含まない〕を測定する。糖化蛋白質の量は、酸化ストレスおよび加齢とともに増加する。
【0050】
全抗酸化剤
17.酸素ラジカル吸収能〔ORAC〕(血清および唾液中)− 試料中の全抗酸化能を測定する。95%ORAC値は、防御の第一線を構成する血清中即効性抗酸化剤を表わす。これらにはアスコルビン酸、チオール類、尿酸、バイオフラボノイド類、ポリフェノール類などが包含される。50%ORAC値は、血清により利用される速効性および中速作用性抗酸化剤を表し、アルブミンおよび脂質などの活性が穏やかな抗酸化剤を包含する。
【0051】
18.水溶性ORAC− 血清試料中の、蛋白質および脂質を除去後の抗酸化剤を測定する。多量に存在することから、全血清ORAC値のほとんど半分が蛋白質および脂質からのものである。ほとんどの蛋白質および脂質はあまり活性ではない抗酸化剤(犠牲的)であり、それほど多量には存在していない、しかしより活性な抗酸化剤を測定するに当たってのORAC分析実験の感度を低下させる。血清試料から脂質および蛋白質を除去することは、他の水溶性抗酸化剤を測定するときのORACアッセイの感度を上昇させる。
【0052】
19.脂質ORAC− 血清試料中の、試料の蛋白質および水層を除去後の抗酸化剤を測定する。多量に存在するために、全血清ORACの半分以上が、蛋白質および水溶性抗酸化剤からのものである。血清試料から蛋白質および水溶性抗酸化剤を除去することにより、脂溶性抗酸化剤を測定する分析実験の感度が向上する。
【0053】
20.脂質過酸化阻害能〔LPIC〕分析実験− 血漿抗酸化剤はつぎの2つの主要タイプに分類できる:(a)セルロプラスミン、トランスフェリンなどの、酸化促進金属に結合することによって脂質過酸化の開始速度を低下させる一次抗酸化剤および(b)トコフェロールなどの、脂質過酸化の連鎖伝播および増幅を低減させる二次抗酸化剤。尿酸などの多くの抗酸化剤が、多くの酸化促進金属に結合でき、また酸化された種を直接除去する複合的抗酸化性を有する。LPICの分析実験は、試料中で一緒に働いている一次および二次の両抗酸化剤系の活性を測定する。ヒトでは、低い血清LPIC値は、成人型糖尿病の発生を強く予測させることが示されている。
【0054】
水溶性抗酸化剤
21.ビタミンC〔アスコルビン酸〕(血清および唾液中)− アスコルビン酸は、酸化性の種を直接除去でき、またビタミンEなどの他の酸化された抗酸化剤を産生させることができる。しかし、鉄、銅などの、遊離の酸化促進金属がまわりに存在する条件下では、ビタミンCの強い還元能が酸化性フリーラジカル産生の触媒となるであろう。
【0055】
22.チオール類(血清および唾液中)− きわめて活性な抗酸化剤であり、還元剤である。ほとんどの血清中チオール類はアルブミン中に見出され、遊離システインおよびグルタチオンがそれに続く。アルブミンチオール類は、損傷されることの生物学的重要性がほとんどない犠牲的抗酸化剤として働くと考えられる。高い抗酸化反応性および高い濃度のために、アルブミンチオール類は、フリーラジカル損傷に対する細胞膜のための主な防御手段として働く。
【0056】
23.尿酸(血清および唾液中)− 尿酸は脳の活性を刺激するメチルキサンチン(カフェイン類似の)である。それは、酸化性の種を直接除去し、酸化促進金属をキレート化することが知られている。
【0057】
24.直接型および全ビリルビン:− ヘム代謝の廃棄物であると考えられる。ビリルビンは、きわめて活性な脂質であり、水溶性血清抗酸化剤であることが知られている。直接型(複合)ビリルビンは、吸収されて身体から胆汁中へと除去されうる形のビリルビンである。
【0058】
脂溶性抗酸化剤
25.ルテイン:− きわめて活性な(ビタミンEよりも2.3倍高い)脂溶性カロテノイド抗酸化剤であり、血清中へ容易に吸収される。ルテインおよびゼアキサンチンは、ヒトでの全盲目の10%に相当し、高年者における失明の主原因である黄斑変性を阻止する主要因子である。
【0059】
26.ゼアキサンチン:− きわめて活性な(ビタミンEよりも2.8倍高い)脂溶性カロテノイド抗酸化剤であり、血清中へ容易に吸収される。ルテインおよびゼアキサンチンは、ヒトでの全盲目の10%に相当し、高年者における失明の主原因である黄斑変性の阻止に関係している。
【0060】
27.β−クリプトキサンチン:− 恐らくはもっとも活性な(ビタミンEよりも3.1倍高い)脂溶性抗酸化剤であり、血清中へ容易に吸収される。
【0061】
28.リコペン:− もっとも活性な脂溶性抗酸化剤の一つ(ビタミンEよりも2.8倍高い)。研究によって、リコペンが前立腺癌を予防する上できわめて重要でありうることが示されている。
【0062】
29.α−カロテン:− 既知の抗酸化剤であり、ビタミンAの前駆体である。実験による証拠が、α−カロテンがβ−カロテンよりも強力な抗酸化剤であり、細胞分化剤であることを示しており、従って癌予防によりよいかもしれない。
【0063】
30.β−カロテン:− 既知の抗酸化剤であり、ビタミンAの前駆体であり、食事補充剤としてきわめて広範に研究されており、広く用いられている。それは強力な細胞分化剤であり、それゆえ癌を防止するかもしれない。
【0064】
31.レチノール〔ビタミンA〕:− 既知の抗酸化剤であり、細胞分化剤であり、それゆえ癌および老化の多くの局面を防止するかもしれない。
【0065】
32.パルミチン酸レチニル:− 食事補充剤および食品中にビタミンAの源としてもっとも普通に用いられているレチノールのエステルである。
【0066】
33.カロテノイド類:− このカロテノイド群は、健康にとってきわめて有益と思われる多くの未だ特性の記述されていないカロテノイド類を含んでいる。これの値は、消費されている果物および野菜の量の良い総合値を提供してくれる。
【0067】
34.α−トコフェロール(ビタミンE):− もっともよく特性描写されている食事補充用脂溶性抗酸化剤の一つである。その抗酸化能とは別に、それは細胞分化性を有しており、それらの性質は癌の予防によいと思われる。
【0068】
35.δ−トコフェロール(ビタミンE):− 普通、食品およびヒト血清中に相対的に低い量が見出されるが、δ−トコフェロールのヒトに対する有益な作用については、あまり知られていない。
【0069】
36.γ−トコフェロール(ビタミンE):− 心臓中に見出されるビタミンEの主要なタイプであり、それゆえ、抗酸化剤としてまたは分化剤としてのその独特の性質のゆえに、身体のために選択してよい。
【0070】
37.トコフェロール/(コレステロール+トリグリセリド):− 保護されるべき脂質の量に対する脂質抗酸化剤の比である。このタイプのパラメータは、これらのバイオマーカーを単独で評価することによるよりも、心血管疾患発生の危険度をずっとよく示すことが見出されている。
【0071】
38.ユビキノール〔補酵素Q10〕:− 通常、ミトコンドリアの酸化的燐酸化系の一部として細胞中で合成され、脂質膜中に存在している。CoQ10は、食事を通じて吸収されることもでき、LDLを酸化から保護するきわめて活性な抗酸化剤として働くことができる。
【0072】
脂質および蛋白質
39.コレステロール:− コレステロールは、酸化される可能性のある脂質の量を示すことによって心血管疾患の危険を予測する周知の因子である。心血管疾患の発生に関する現行の理論は、LDLが酸化され、単核細胞によって包み込まれ、その細胞は「泡沫」細胞となり、動脈細胞壁に付着し、脂肪酸条斑傷害(プラーク)を惹起する。
【0073】
40.トリグリセリド類:− トリグリセリド類は、リポ蛋白質と呼ばれる蛋白質に結合した脂肪酸とグリセリンとのエステルである。トリグリセリド類およびコレステロールの双方は、血清中のリポ蛋白質の総量を測定するものであり、この量は心血管疾患危険度のおおざっぱな指標となりうる。トリグリセリド類およびコレステロールそれら自体によってもたらされる関連心血管疾患危険度の予測は、実際には低い(44%);しかし、ビタミンAおよびEと組み合わせれば、(コレステロール+トリグリセリド類)/(ビタミンAおよびE)の比は、危険度予測力の正確さを85%まで上昇させる。
【0074】
41.アルブミン:− 各々のアルブミン分子は、強力な抗酸化剤として働くきわめて活性なチオール基を多く含んでいる。アルブミンは、それがリサイクル経路を持たず、それの損傷の結果が細胞機能に直接には影響しないので、犠牲的抗酸化剤として知られている。アルブミンは高い回転速度を有する;損傷されたアルブミンは分解され、身体がそれらの良いアミノ酸を利用する。他のほとんどの抗酸化機構は、ある種の直接再生系(すなわちビタミンE、ビタミンCおよびグルタチオンペルオキシダーゼ)を利用している。
【0075】
42.全蛋白質:− アルブミンおよび免疫グロブリン類を包含する。従って、血清試料中のグロブリン類の量はつぎの単純な式から算出できる:
グロブリン量=全蛋白質−アルブミン量
43.アルブミン/グロブリン比:− 健康・安寧の一般的マーカーとして用いる。理想的な比は1.85以上である。高い免疫グロブリンレベルは、自己免疫疾患発生の危険を増加させる可能性のある長期間の感染の歴史を知らせることができる。
【0076】
心疾患危険因子パネル
44.ホモシステイン:− ホモシステインは強力な還元剤であり、酸化促進金属が触媒となったフリーラジカル産生を促進することができる。上昇したホモシステインレベルは、心血管疾患の高い危険性と高度に関連している。ほとんどの患者において、高いホモシステインレベルは葉酸および/またはビタミンB12の不足によって惹起される。
【0077】
45.葉酸:− 葉酸は、DNA合成、赤血球再生およびホモシステイン代謝に関与している。低いレベルは、先天性欠損、DNA損傷およびホモシステインの蓄積と関連している。不足は、高く上昇したDNA変異率、酸化されたLDL、不可逆性神経変性および貧血という結果となる。葉酸およびビタミンB12はそれぞれの作用において共働作用する。
【0078】
46.ビタミンB12〔シアノコバラミン〕:− ビタミンB12は、DNA合成、赤血球再生およびホモシステイン代謝に関与している。低いレベルは、先天性欠損、DNA損傷およびホモシステインの蓄積と関連している。不足は、高く上昇したDNA変異率、酸化されたLDL、不可逆性神経変性および貧血という結果となる。ビタミンB12および葉酸はそれぞれの作用において共働作用する。
【0079】
47.低密度リポ蛋白質(LDL):− 通俗的文献では「悪玉」コレステロールとして知られているLDLは、心疾患の危険と直接的に関連している。LDLの酸化からの防止は、遊離の酸化促進性金属を減少させ、水溶性抗酸化剤(アルブミン、尿酸およびビタミンC)および脂溶性抗酸化剤(ビタミンA、ビタミンE、CoQ10およびカロテノイド類)を増加させることによって達成できる。
【0080】
48.高密度リポ蛋白質(HDL):− 通俗的文献では「善玉」コレステロールとして知られているHDLは、心疾患の危険と逆に関連している。
【0081】
49.アポリポ蛋白質B:− 主としてLDL表面に見出される蛋白質であり、それゆえ実際にLDLの尺度である。
【0082】
50.アポリポ蛋白質A1:− 主としてHDL表面に見出される蛋白質であって、それゆえ実際にHDLの尺度である。
【0083】
年齢関連ホルモンパネル
51.5−ジヒドロテストステロン:− 毒性のある形態のテストステロンであって、若禿げ(男性型脱毛)を惹起し、前立腺細胞を損傷し、前立腺癌の危険を増大させることが知られている。
【0084】
52.硫酸6−ヒドロキシメラトニン〔6−SM〕(尿中):− 循環メラトニンレベルは、年齢とともに低下することが知られており、それゆえ最近では老化防止方策のための、また自然な睡眠を誘発するための、きわめて通俗的な補給物となっている。メラトニンはまた、ニューロンへと向けられうる抗酸化作用を有することが証明されている。血清メラトニンレベルは、日夜を通じて多くの周期的ピークを有する;血清/唾液メラトニンの単独の測定は、メラトニンの不適切なまたは過剰の放出を測定する上であまり正確ではない。メラトニンは硫酸6−ヒドロキシメラトニンに代謝されるが、これは高度に安定な最終生成物であり、尿中へ排泄される。12時間または24時間の時間を定めた採尿が、ヒトのメラトニン排泄レベルを測定するもっとも正確な方法である。
【0085】
53.コルチゾール:− コルチゾールは、酸化ストレスを含めて多くの異なるタイプのストレスの間に増加するステロイドホルモンである。上昇したコルチゾールレベルへの長期の暴露は、老化の徴候を加速することが示されている。
【0086】
54.硫酸デヒドロエピアンドロステロン〔DHEA−S〕:− DHEAは、他の多くのホルモンの合成の前駆体であるゆえに、マスターホルモンとして知られている。DHEA−Sレベルは年齢とともに減少することが証明されているので、それは、最近では、生涯の若年期に見られる範囲にまでホルモンレベルを上昇させるために用いられるきわめて通俗的な食事への補給物となっている。DHEA−Sは身体中に普通に貯蔵されている形態であり、従って、これの補給は、直接DHEAを補充するのと比較して、負の副作用が少ない。
【0087】
55.エストラジオール:− エストラジオールは、とくに過剰の補給物を摂取している閉経後の女性における、乳癌発生の高い危険度と結びついている。他の形態のエストロゲンはより安全でありことが報告されている。循環エストラジオール量が慢性的に高い女性は、通常よりもずっと早く閉経に達することが知られている。
【0088】
56.インスリン様成長因子−1〔IGF−1〕またはソマトメジン−C:−IGF−1は、細胞の更新、修復および成長を刺激するなど、ヒト成長ホルモン(HGH)の作用に介在する。正常な患者では、IGF−1は肝中で成長ホルモンに正比例する量だけ産生される。その半減期が長いために、IGF−1を、その前の48時間のうちに放出された成長ホルモンの平均量を測定するのに利用できる。HGHは日夜を通じて多くの周期的ピークを有するので、単一の血清HGHの定量は、HGHの不適切なまたは過剰の放出を測定する上であまり正確ではない。HGHおよびIGF−1の注射は、高齢者が筋肉および力を取り戻すのを助け、それにより彼らの生活の質を改善することが示されている。
【0089】
57.プロゲステロン:− プロゲステロンは、現在では、記憶および認知機能を増強すると考えられている通俗的な補給物である。
【0090】
58.テストステロン:− テストステロンは、顔面の毛や筋肉成長などのほとんどの成人男性特性の発現および維持の原因となっている。しかし、テストステロンは、毛包、前立腺細胞などの若干の細胞中で毒性形態(ジヒドロテストステロン、DHT)に転化されることができ、これがそれらの細胞タイプを損傷している。
【0091】
59.甲状腺刺激ホルモン(TSH)第三世代:− TSHは甲状腺細胞による沃素の取り込みを刺激する。
【0092】
60.チロキシン(T4):− チロキシンは、代謝率を調整し、適正な甲状腺機能を示す包括的なステロイドホルモンである。沃素からのチロキシンの合成によって、過酸化水素が副産物として生じる。甲状腺機能亢進のある者は加速された老化の徴候をもつことが示されている。
【0093】
鉱質および微量元素パネル
61.アルミニウム:− 脳中でのアルミニウムの蓄積は、アルツハイマー病の発症と強く関連付けられている。これは、原因であるよりも、該疾患の結果であると考えられる。
【0094】
62.アンチモン:− アンチモンは毒素であり、ヒトにとっての必要性は知られていない。
【0095】
63.砒素:− 砒素は、呼吸を阻害する周知の毒物である。
【0096】
64.カドミウム:− カドミウムは、水銀に類似の周知の毒素であり、ヒトにとっての必要性は知られていない。
【0097】
65.カルシウム:− カルシウムは、アポトーシス、血液凝固および神経シグナル伝達を助ける。血清中の量が低いと、骨粗しょう症、骨および歯の成長および維持の低下を惹起することが知られている。
【0098】
66.クロム:− 産業用のクロム〔Cr+6〕はきわめて毒性のプロオキシダントである。糖耐性蛋白質および血糖レベル調整機能に少量のCr+3が必要とされる。
【0099】
67.コバルト:− コバルトはビタミンB12の成分である。それは高いレベルでは毒性をもちうる。
【0100】
68.銅:− 結合されていない銅は、とくにアスコルビン酸やホモシステインなどの強力な還元剤の存在下では、鉄よりもさらに反応性の酸化促進剤であることが知られている。高レベルの銅は酸化損傷を惹起しうる。CuZnスーパーオキシドジスムターゼおよびセルロプラスミンに少量が必要である。
【0101】
69.沃素:− 沃素は、甲状腺ホルモンであるチロキシンの合成のために必要であるが、過酸化水素を副生物として生じさせる。沃素はハロゲンであり(弗素や塩素と同様に)、容易にフリーラジカル発生剤として働きうる。高い量の沃素はきわめて有毒でありうる。
【0102】
70.鉄:− 結合されていない鉄は、過酸化水素とアスコルビン酸やホモシステインなどの強力な還元剤とからのきわめて反応性のヒドロキシラジカルの産生の触媒となることによって、酸化促進剤として働きうる。高レベルの鉄(過負荷)は高量のフリーラジカル損傷と、また糖尿病、心疾患、癌などの年齢関連疾患の多くを発生させる相対的に高い危険と、関連している。
【0103】
71.鉛:− 鉛は周知の神経毒であり、ヒトにとっての必要性は知られていない。
【0104】
72.マグネシウム:− マグネシウムは、RNA/DNA合成、蛋白質合成、ADP合成および筋肉収縮に必要である。それは+2という固定された外部電子価をもつので、鉄をその結合部位から置換することによって、鉄に基づく多くのフリーラジカル生成反応を阻害することができる。マグネシウムは、心疾患の予防に役立つことが示されている。
【0105】
73.マンガン:− 結合されていないマンガンは、とくにアスコルビン酸やホモシステインなどの強力な還元剤の存在下では、強力な酸化促進剤であることが知られている。高レベルでは、それは毒性を示す。
【0106】
74.水銀:− 水銀は周知の神経毒であり、ヒトにとっての必要性は知られていない。
【0107】
75.モリブデン:− モリブデンは、キサンチン類を尿酸に転化する際に、キサンチンオキシダーゼによって要求される。それは、アルデヒドオキシダーゼおよび亜硫酸オキシダーゼにおいても、それらの毒性物質をより反応性の低い産物に酸化するに際して必要とされる。オキシダーゼ類は、それらの反応の副生物として、過酸化水素を産生する。
【0108】
76.ニッケル:− 結合されていないニッケルは強力な酸化促進剤であることが知られており、高レベルでは毒性がある。赤血球および肝機能のために少量が必要とされる。
【0109】
77.セレン:− 結合されていないセレンは、酸素と類似の原子価をもつ酸化促進剤であることが知られている。高レベルでは毒性がある。グルタチオンペルオキシダーゼのために少量が必要とされる。
【0110】
78.硫黄:− 硫黄は蛋白質の構造および酵素の活性にとって必須である;それはまた、多くの解毒反応において必要とされ、ヒトの発癌の危険度を低下させることができる。
【0111】
79.ストロンチウム:− ストロンチウムはビタミンD合成を阻害することが知られている;それゆえ、それは、骨粗しょう症および発育中の小児における骨の奇形の重大な危険因子となりうる。
【0112】
80.錫:− 錫は、骨および歯の正常な代謝および成長に必要とされる。
【0113】
81.バナジウム:− バナジウムは脂質代謝に関与している。バナジウム不足はコレステロールレベルを上昇させることが示されている(高用量は、通常の設定値を過ぎたコレステロールを低下させなかった)。現在の研究は、癌細胞を殺すバナジウムの能力を評価中である。高レベルでは、バナジウムは毒性を示しうる。
【0114】
82.亜鉛:− 亜鉛は、代謝、RNAポリメラーゼ類およびCuZnスーパーオキシドジスムターゼにとって必要である。それは、+2という固定された外部電子価をもつので、鉄をその結合部位から置換することによって、多くの鉄に基づくフリーラジカル反応を阻害することができる。高レベルでは、亜鉛は毒性を示しうる。
【0115】
82のバイオマーカー(試験試料から直接測定する)のほとんど全てを、もっとも正確な、最近確立された生化学的な分析実験法により、精巧な、自動化された装置を用いて、定量する。
【0116】
これらの分析実験の特別な細目を以下に列挙する。
【0117】
バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法
スポットスクリーニング
1.全アルケナール 分光光度法/化学的
2.水溶性ヒドロペルオキシド 分光光度法/化学的
3.脂質ヒドロペルオキシド 分光光度法/化学的
4.自己抗体酸化LDL 分光光度法/免疫化学的
5.8−ヒドロキシデオキシグアノシン 分光光度法/免疫化学的
6.8−エピプロスタグランジンF2 分光光度法/免疫化学的
〔イソプロスタン〕
7.クレアチニン 分光光度法/化学的
【0118】
バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法
酸化促進ポテンシャル
8.全鉄
9.有効鉄結合能〔AIBC〕 分光光度法
10.全鉄結合能〔TIBC〕
11.鉄飽和%
12.フェリチン 均一系EIA/化学的
13.銅 バソクプロイン法またはICP−MS
14.セルロプラスミン 免疫沈降法(比濁法)
【0119】
バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法
グリケーションポテンシャル
15.グルコース 分光光度法/化学的
16.糖化蛋白質(フルクトサミン) 分光光度法/化学的
【0120】
バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法
総合抗酸化剤
17.酸素ラジカル吸収能〔ORAC〕 蛍光法/化学的
18.水溶性ORAC 蛍光法/化学的
19.脂質ORAC 蛍光法/化学的
20.脂質過酸化阻害能〔LPIC〕 分光光度法/化学的
【0121】
バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法
水溶性抗酸化剤
21.ビタミンC〔アスコルビン酸〕 分光光度法/化学的
22.チオール類 分光光度法/化学的
23.尿酸 分光光度法/化学的
24.直接型および全ビリルビン 分光光度法/化学的
【0122】
バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法
脂溶性抗酸化剤
25.ルテイン HPLC
26.ゼアキサンチン HPLC
27.β−クリプトキサンチン HPLC
28.リコペン HPLC
29.β−カロテン HPLC
30.α−カロテン HPLC
【0123】
バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法
31.レチノール〔ビタミンA〕 HPLC
32.パルミチン酸レチニル HPLC
33.カロテノイド類別 HPLC
34.α−トコフェロール〔ビタミンE〕 HPLC
35.δ−トコフェロール〔ビタミンE〕 HPLC
36.γ−トコフェロール〔ビタミンE〕 HPLC
37.トコフェロール/(コレステロール+TG)比
38.ユビキノール〔補酵素Q10〕 HPLC
【0124】
バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法
脂質および蛋白質
39.コレステロール アッベル−ケンダルアッセイ/化学的
40.トリグリセリド類〔TG〕 分光光度法/化学的
41.アルブミン 分光光度法/化学的
42.全蛋白質 分光光度法/化学的
43.アルブミン/グロブリン比
【0125】
バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法
心疾患危険因子パネル
44.ホモシステイン HPLC
45.葉酸 均一系EIA/化学的
46.シアノコバラミン 均一系EIA/化学的
〔ビタミンB12〕
47.低密度リポ蛋白質〔LDL〕 フリーデワルトの式により算出
48.高密度リポ蛋白質〔HDL〕 アッベル−ケンダルアッセイ/化学的
49.アポリポ蛋白質B 比濁法/化学的
50.アポリポ蛋白質A1 比濁法/化学的
【0126】
年齢関連ホルモンパネル
51.5−ジヒドロテストステロン 分光光度法/免疫化学的
52.硫酸6−ヒドロキシメラトニン 分光光度法/免疫化学的
〔6−SM〕
53.コルチゾール 分光光度法/免疫化学的
54.硫酸デヒドロエピアンドロステ 分光光度法/免疫化学的
ロン〔DEHA−S〕
55.エストラジオール 分光光度法/免疫化学的
56.インスリン様成長因子1 分光光度法/免疫化学的
〔IGF−1〕
【0127】
バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法
57.プロゲステロン 分光光度法/免疫化学的
58.テストステロン 分光光度法/免疫化学的
59.甲状腺刺激ホルモン〔TSH〕 分光光度法/免疫化学的
60.チロキシン〔T4〕 分光光度法/免疫化学的
【0128】
バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法
鉱質および微量元素パネル
61.アルミニウム ICP−MS
62.アンチモン ICP−MS
63.砒素 ICP−MS
64.カドミウム ICP−MS
65.カルシウム ICP−MS
66.クロム ICP−MS
67.コバルト ICP−MS
68.銅 ICP−MS
69.沃素 ICP−MS
70.鉄 ICP−MS
71.鉛 ICP−MS
72.マグネシウム ICP−MS
73.マンガン ICP−MS
74.水銀 ICP−MS
75.モリブデン ICP−MS
76.ニッケル ICP−MS
77.セレン ICP−MS
78.硫黄 ICP−MS
79.ストロンチウム ICP−MS
80.錫 ICP−MS
81.バナジウム ICP−MS
82.亜鉛 ICP−MS
【0129】
EIA=酵素免疫分析;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;
ICP−MS=誘導結合プラズマ質量分析。
【0130】
ある患者について得られた包括的酸化ストレス特性を図3および表1に示す。
【0131】
【表1】
【0132】
【表2】
【0133】
【表3】
【0134】
【表4】
【0135】
典型的な心血管疾患危険因子特性を図4および表2に示す。
【0136】
【表5】
【0137】
年齢関連ホルモン特性を図5および表3に示す。
【0138】
【表6】
【0139】
尿および血清の典型的試料についての微量元素特性をそれぞれ図6aおよび6bに示す。毛および飲料水の典型的試料についての微量元素特性をそれぞれ図7aおよび7bに示す。
【0140】
これらの一次データから、図2に示したように、ジェノックス酸化ストレス特性指数(GOSPI)を縦軸に、ジェノックス抗酸化剤特性指数(GAPI)を横軸にとって、酸化ストレス特性診断分析図を描くことができる。患者の特別なOSP状態を、この診断プロットの4つの象限の一つに位置させることができる。図8、9および10は、患者のOSP状態の典型的な例を示しており、そこでは、患者のOSP状態が39の参照OSP値と比較されている。
【0141】
少量の尿、血清および唾液試料を用いてヒトの酸化ストレス状態(OSS)を測定する新規技術。この新規技術は、異なる、しかし相補的な生化学的分析の統合に基づいている。結果は、個人の酸化ストレスおよび抗酸化剤状態の測定における例外的に高い信頼度である。医師は、その患者のためにいかなる介入処置が適切であるかを決定するに当たって、この情報をより大きい信頼性を置いて利用することができる。
【0142】
個人の酸化ストレス状態に関する例外的に高い信頼しうるデータを、また可能な介入療法を示唆する詳細な情報を得るための特性描写という概念の適用。個人の酸化ストレスおよび抗酸化剤状態の双方を測定するために、この操作では、正確さ、信頼性およびコスト(大量生産経済の適用能力)に基づいて選ばれた82の異なる生化学的分析が用いられる。これらの分析の特有な配列の選択は、信頼しうる代表的な最終結果を得るためのデータの統合や分析手順の削減を可能とする。
【0143】
包括的酸化ストレス特性の読み取りおよび解釈において医師を助け、患者の酸化ストレス状態と抗酸化剤状態との間の関係を理解するための診断プロット。個人の身体が個人のOSSを制御する諸因子にどう対処しているかは、きわめて複雑である。個人の遺伝形質、生活様式および環境因子が重要な制御要素であることは明らかである。遺伝的特質が反応性酸素種の内因性産生のレベルならびに組織中での保護・修復過程のレベルを大いに左右する。抗酸化剤の組織中レベルを制御して、恒常性酸化ストレス状態を維持する個人の補償機構は、いまなお、患者の酸化ストレス状態と抗酸化剤状態との間の関係において認識されなければならない複雑な因子である。多くの個人において、抗酸化剤状態のレベルが彼らがもつ酸化損傷の量または彼らの酸化ストレス状態と、否定的にではなくて、肯定的に相関しているということこそが、我々の知見である。この知見は、抗酸化剤の高い組織中レベルは、過去にいくつかの診断試験所がしばしば考えたようにより低いレベルではない、組織の酸化損傷の高い内因性レベルを示しているかもしれないことを暗に意味している。多数の分析実験から情報を引出し、その意味を解釈し、患者らに彼らの酸化ストレス状態を低下させるにはどう処置をとるのが最適であるかを知らせるために、診断分析図と呼ぶ新規技術を開発したのである。
【0144】
これは、ジェノックス酸化ストレス特性診断分析図(GOSP診断分析図)として記述されているものである。それは、個人のOSSから2つの鍵となるパラメータを算出することに基づいている。導入したそれら2つの鍵となるパラメータは、ジェノックス酸化ストレス特性指数(GOSPI)とジェノックス抗酸化剤特性指数(GAPI)とである。これら2つのパラメータはつぎのように算出する。
【0145】
GOSPI=1/nΣ(平均に対する%−100%)
GAPI=1/nΣ(平均に対する%−100%)
GOSPIおよびGAPIの両者において、nは全体の中のアッセイの数に等しい。GOSPIは、酸化損傷および酸化促進テンシャル分析実験のうちの8−10から算出する。GAPIは抗酸化剤の分析実験のうちの20−22から算出する。結果としての、図2に示したごとき、GOSPIを縦軸に、GAPIを横軸にとったプロットを、ジェノックス酸化ストレス特性診断分析図と称する。
【0146】
心血管系障害のある患者の酸化ストレスの特別な解析に当たって医師を助けるための診断分析図では、心血管系に関係のある酸化ストレスおよび抗酸化剤因子のみを考慮に入れる。結果は、示唆された介入療法に加えて、心血管疾患について知られている正確な危険性分析を医師に提供する。
【0147】
【発明の効果】
本発明により、心血管系、年齢関連ホルモンおよび微量金属の諸パネルに関する指標の全体のデータの統合に基づいた、個人の一般的健康状態を推定することができる。
【0148】
また、本発明により、診断分析図を構成する4つの象限中で参照OSP諸値と比較して、患者の酸化ストレス状態を視覚的に評価することができ、医師その他の保健医療専門家は、彼らの患者らに、酸化ストレス関連疾患の予防ならびに早期老化過程の遅延のために守る必要のある食事および生活様式の変化に関して賢明な助言を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸化ストレス状態(OSS)を示すプロトコルである。
【図2】 酸化ストレス特性診断分析図を示すプロトコルである。
【図3】 総合的酸化ストレス特性である。 図3中、
[1] 全アルケナール(1A)
[2] ヒドロペルオキシドI(水溶性)
[3] ヒドロペルオキシドII(脂質)
[4] 8−OH dG/クレアチニン
[5] 8−OH dG/Kg/時
[6] 全アルケナール/クレアチニン
[7] 全アルケナール/Kg/時
[8] 8−エピPGF2□/クレアチニン
[9] 8−エピPGF2□/Kg/時
[10] ヒドロペルオキシド/クレアチニン
[11] ヒドロペルオキシド/Kg/時
[12] 鉄
[13] 有効鉄結合能(AIBC)
[14] 全鉄結合能(TIBC)
[15] 鉄飽和%
[16] フェリチン
[17] 銅
[18] セルロプラスミン
[19] グルコース
[20] 糖化蛋白質
[21] 全ORAC(全体)
[22] 速いものの%
[23] 遅いものの%
[24] 全ORAC(水溶性)
[25] 速いものの%
[26] 遅いものの%
[27] 全ORAC(脂溶性)
[28] 速いものの%
[29] 遅いものの%
[30] 脂質過酸化阻害能
[31] アスコルビン酸
[32] チオール類
[33] 尿酸
[34] 抱合ビリルビン
[35] 全ビリルビン
[36] ルテイン
[37] ゼアキサンチン
[38] β−クリプトキサンチン
[39] リコペン
[40] α−カロテン
[41] β−カロテン
[42] レチノール
[43] レチノールおよび関連化合物
[44] キサントフィル類
[45] リコペンおよび異性体
[46] カロテン類
[47] α、β−カロテンおよび関連化合物
[48] 全カロテノイド
[49] α−トコフェロール
[50] δ−トコフェロール
[51] γ−トコフェロール
[52] 全トコフェロール/(コレステロール+ドリグリセリド類)
[53] 補酵素Q10
[54] コレステロール
[55] トリグリセリド類
[56] アルブミン
[57] 全蛋白質
[58] グロブリン類
[59] アルブミン/グロブリン類
である。
【図4】 心血管疾患危険因子特性である。
【図5】 年齢関連ホルモン特性である。
【図6】 (a)は、尿に関する微量元素特性であり、(b)は血清に関する微量元素特性である。図6(a)中、
[1] セレン/クレアチニン
[2] 亜鉛/クレアチニン
[3] クロム/クレアチニン
[4] マンガン/クレアチニン
[5] モリブデン/クレアチニン
[6] 鉄/クレアチニン
[7] 銅/クレアチニン
[8] カドミウム/クレアチニン
[9] ニッケル/クレアチニン
[10] 水銀/クレアチニン
[11] アンチモン/クレアチニン
[12] ヒ素/クレアチニン
[13] 鉛/クレアチニン
[14] アルミニウム/クレアチニン
[15] バリウム/クレアチニン
[16] スズ/クレアチニン
[17] コバルト/クレアチニン
である。
【図7】 (a)は、毛髪に関する微量元素特性であり、(b)は水に関する微量元素特性である。
【図8】 酸化ストレス特性(OSP)診断分析図1:全身酸化ストレスである。
【図9】 酸化ストレス特性(OSP)診断分析図2:心血管系酸化ストレス(CVSOS)、である。
【図10】 酸化ストレス特性(OSP)診断分析図3:心血管系酸化ストレス(CVSOS)を除く、である。
Claims (1)
- 全アルケナール、水溶性ヒドロペルオキシド、脂質ヒドロペルオキシド、自己抗体により酸化されたリボ蛋白質、8−ヒドロキシデオキシグアノシン、8−エピプロスタグランジンF 2 (イソプロスタン)、クレアチニン、全鉄、有効鉄結合能、全鉄結合能、鉄飽和百分率、フェリチン、銅、セルロプラスミンのうちの8−10の酸化損傷および酸化促進ポテンシャルの分析実験から算出され、100%平均レベルに対する酸化損傷の平均レベルにより表される、ジェノックス酸化ストレス特性指数(GOSPI)を縦軸とし、
酸素ラジカル吸収能、水溶性酸素ラジカル吸収能、脂質酸素ラジカル吸収能、脂質過酸化阻害能、ビタミンC、チオール類、尿酸、直接型および全ビリルビン、ルテイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、リコペン、α−カロテン、β−カロテン、レチノール、パルミチン酸レチニル、カロテノイド類、α−トコフェロール、δ−トコフェロール、γ−トコフェロール、トコフェロール/(コレステロール+トリグリセリド類)比、ユビキノールのうちの20−22の抗酸化剤の分析実験から算出され、100%平均レベルに対する酸化損傷の平均レベルにより表される、ジェノックス抗酸化剤特性指数(GAPI)を横軸とした、第I象限から第IV象限からなる、酸化ストレス評価のための健康指標としての酸化ストレス診断分析図を使用し、当該酸化ストレス診断分析図に前記分析実験を行った患者の酸化的ストレス特性の状態をプロットするとともに、複数の参照する酸化的ストレス特性の値をプロットし、両者を比較する、患者の心血管系酸化ストレスを評価する方法。
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