JP2003302396A - 酸化ストレス評価のための健康指標としての酸化ストレス診断分析図を使用して酸化ストレスを評価する方法 - Google Patents

酸化ストレス評価のための健康指標としての酸化ストレス診断分析図を使用して酸化ストレスを評価する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化ストレス状態を効果的に算出して視覚的
に評価することができる、酸化ストレス評価のための健
康指標としての酸化ストレス診断分析図を使用して酸化
ストレスを評価する方法を提供する。 【解決手段】 8−10の酸化損傷および酸化促進ポテ
ンシャルの分析実験から算出され、100%平均レベル
に対する酸化損傷の平均レベルにより表される、ジェノ
ックス酸化ストレス特性指数(GOSPI)を縦軸と
し、20−30の抗酸化剤の分析実験から算出され、1
00%平均レベルに対する酸化損傷の平均レベルにより
表される、ジェノックス抗酸化剤特性指数(GAPI)
を横軸とした、第I象限から第IV象限からなる、酸化
ストレス評価のための健康指標としての酸化ストレス診
断分析図を使用して酸化ストレスを評価する方法によっ
て課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、個人の健康状態に
有意に寄与する2つの鍵パラメータを特徴付ける分析実
験測定から導かれた酸化ストレス評価のための健康指標
としての酸化ストレス診断分析図を使用して酸化ストレ
スを評価する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】あらゆる生体のすべての生物的構成物
は、何百万年の間に起こった強制進化の利益対不利益の
妥協の結果である。かくして、ある生体の正確な機能の
ために必要なほとんどすべての発生および代謝の過程
は、本来、一般により長期間である負の作用面も有す
る。
【0003】ヒトの老化過程自体は、現在では、発生お
よびエネルギー代謝の副反応を含む上記妥協の結果であ
るように思われる。たとえば、エネルギーを生じる上で
きわめて効率的なミトコンドリアでの好気的代謝の有害
副反応に関して多くのことが知られている。しかし、こ
れらの反応の有毒な副生物であるフリーラジカルまたは
反応性酸素種(ROS)も産生される。これらのROS
が破壊されなければ、それらは、それらを生成した細胞
を速やかに破壊するであろう。
【0004】現在の自然科学的徴候の否定し難い核心
は、ヒトにおける多くの機能障害および疾患が酸化スト
レスの所産であることを示している。これらには下記の
ものが含まれる。
【0005】老化:正常速度よりも高い速度での通常の
老化過程、分節性早老障害(ダウン症候群) 心疾患および心血管疾患:アテローム性動脈硬化、アド
リアマイシン心毒性、アルコール性心筋症 腎臓:自己免疫性腎炎症候群、重金属腎毒性、太陽輻
射、温熱性損傷、ポルフィリン症 胃腸管:炎症性および免疫性傷害、糖尿病、膵炎、ハロ
ゲン化炭化水素肝障害 眼:白内障発生、退行性網膜傷害、黄斑変性 肺:肺癌(煙草の煙)、気腫、オキシダント汚染因子
(O3、NO2)、気管支肺嚥下困難、アスベストの発癌
性 神経系障害:高圧酸素、パーキンソン病、ニューロンセ
ロイドリポフスチン沈着症、アルツハイマー病、筋ジス
トロフィー、多発性硬化症 赤血球:マラリア、鎌状赤血球貧血、ファンコニ型貧
血、早熟溶血性貧血 鉄過剰:特発性血色素症、食事過剰、サラセミア(地中
海貧血) 虚血血流再開状態:発作 炎症性免疫損傷:糸球体腎炎、自己免疫疾患、慢性関節
リウマチ 肝:アルコール性病変、アルコール性鉄過剰損傷 その他の酸化ストレス障害:AIDS、放射線誘発損傷
(事故および放射線療法)、一般の低度炎症性障害、臓
器移植、炎症性リウマチ様関節、不整脈、心筋梗塞
【0006】至適健康および動作が年齢に依存して普通
に衰退すること(正常老化として知られている)は、そ
の主要原因因子の一つであるROSの結果であるように
思われる。さらに、多くの異なるタイプの細菌、真菌お
よびウイルスによる感染が、生体内で産生されるROS
の量を増加させる。この増加はときには劇的である(A
IDSの場合など)が、多くの低度の細菌および真菌感
染症におけるように、きわめてわずかなこともありう
る。
【0007】酸化ストレス(OS)は、ROSによって
惹起される細胞、組織または器官内での酸化損傷の定常
状態レベルであると定義される。所与の生体系中に存在
する酸化ストレスの程度または酸化ストレス状態(OS
S)は、3つの主要因子の最終結果によって決定され
る。図1に明らかにしたこれら3つの因子は、つぎのも
のである。
【0008】(1)ROS生成の初期速度 (2)抗酸化性保護プロセスのレベル (3)核酸、蛋白質および脂質を包含する酸化された標
的の修復および代謝回転の速度または除去速度
【0009】全身を通じて産生された酸化損傷成分の多
くは、図1に(4)で示した通り、血清、尿または息へ
と運ばれる。OSSは、図1に(5)で示したように、
個体の全身、器官、組織、細胞または細胞成分分画など
のあらゆる成分または系について言及することができ
る。OSS値を決定するのは、損傷入力〔(6)によっ
て示されている〕対損傷出力〔(7)によって示されて
いる〕の比である。この比は、大部分が、「寿命決定遺
伝子」として知られている特定の一組の遺伝子によって
支配される。どの食物要素がもっとも重要で、かつ各個
体にとって最適であるかが知られていれば、食事も有効
な制御手段を提供する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】OSSの概念は、それ
が、図1に(8)で示されているように、異常な機能や
疾患の初期化が、時間の経過とともに発生する確率を決
定するため、ヒトの健康維持を理解する上で基礎とな
る。年齢に伴って主要疾患の進行の開始および速度が個
人個人の特有のOSSと強く関連しているので、OSS
の制御は、ヒトの健康および寿命を制御する上で必須で
ある。この目的を達成するために、(a)OSSの微妙
な変化を測定するのに有効である、特異的で、信頼で
き、非侵襲的で、費用効果の高い分析および(b)個人
個人のOSSをもっとも効果的に算出するのに用いうる
無類で統合された一組の分析の必要性が科学や臨床医学
の分野で増している。
【0011】本発明の目的とするところは、酸化ストレ
ス状態を効果的に算出して視覚的に評価することができ
る、分析実験測定から導かれた酸化ストレス評価のため
の健康指標としての酸化ストレス診断分析図を使用して
酸化ストレスを評価する方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく様々な検討を重ねた結果、2つの鍵パラメー
タを特徴付ける分析実験測定から導かれた酸化ストレス
評価のための健康指標としての酸化ストレス診断分析図
を使用することにより、上記目的を達成することを見い
出し、本発明をするに至った。
【0013】即ち、本発明は、全アルケナール、水溶性
ヒドロペルオキシド、脂質ヒドロペルオキシド、自己抗
体により酸化されたリボ蛋白質、8−ヒドロキシデオキ
シグアノシン、8−エピプロスタグランジンF、(イ
ソプロスタン)、クレアチニン、全鉄、有効鉄結合能、
全鉄結合能、鉄飽和百分率、フェリチン、銅、セルロプ
ラスミンのうちの8−10の酸化損傷および酸化促進ポ
テンシャルの分析実験から算出され、100%平均レベ
ルに対する酸化損傷の平均レベルにより表される、ジェ
ノックス酸化ストレス特性指数(GOSPI)を縦軸と
し、酸素ラジカル吸収能、水溶性酸素ラジカル吸収能、
脂質酸素ラジカル吸収能、脂質過酸化阻害能、ビタミン
C、チオール類、尿酸、直接型および全ビリルビン、ル
テイン、ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、リ
コペン、α−カロテン、β−カロテン、レチノール、パ
ルミチン酸レチニル、カロテノイド類、α−トコフェロ
ール、δ−トコフェロール、γ−トコフェロール、トコ
フェロール/(コレステロール+トリグリセリド類)
比、ユビキノール、コレステロール、トリグリセリド
類、アルブミン、全蛋白質、アルブミン/グロブリン比
のうちの20−30の抗酸化剤の分析実験から算出さ
れ、100%平均レベルに対する酸化損傷の平均レベル
により表される、ジェノックス抗酸化剤特性指数(GA
PI)を横軸とした、第I象限から第IV象限からな
る、酸化ストレス評価のための健康指標としての酸化ス
トレス診断分析図を使用して酸化ストレスを評価する方
法である。
【0014】また、本発明は、82の分析実験測定から
導かれた酸化ストレス評価のための健康指標としての酸
化ストレス診断分析図を使用して酸化ストレスを評価す
る方法である。
【0015】酸化ストレス特性(OSP)は、個人のO
SSを評価すべく企図されたもっとも完全な一揃えの分
析を提供する。
【0016】これらの分析は、(a)基礎研究に携わっ
ている科学分野、(b)開業臨床医および医師および
(c)個人的に自身の健康および寿命をもっとも効果的
に利用することに関心のある個人によって利用されるべ
く設計されている。
【0017】OSPは10の成分から構成され、その各
々は2〜22の健康バイオマーカーからなる。これら1
0の成分および各成分に特異的なバイオマーカーの数を
以下に明らかにする。
【0018】 1.斑点スクリーニング(バイオマーカー#1−7) 2.酸化促進ポテンシャル(バイオマーカー#8−1
4) 3.糖化ポテンシャル(バイオマーカー#15−16) 4.全抗酸化剤(バイオマーカー#17−20) 5.水溶性抗酸化剤(バイオマーカー#21−24) 6.脂溶性抗酸化剤(バイオマーカー#25−38) 7.脂質および蛋白質(バイオマーカー#39−43) 8.心疾患危険因子パネル(バイオマーカー#44−5
0) 9.年齢関連ホルモンパネル(バイオマーカー#51−
60) 10.鉱質(無機)および微量元素パネル(バイオマー
カー#61−82) 使用される分析試験の各々はその特性の他の分析試験と
相補的であり、従って確認情報を提供するかまたは総合
された新情報を提供する。かくして、OSPに用いられ
る分析試験の総計の診断上の価値は、個々のものよりず
っと大きい。
【0019】OSPからの分析試験データを解釈するた
めに、ジェノックス(Genox)酸化ストレス特性診
断分析図(GOSP診断分析図)と呼ぶ新規手法を開発
した。GOSP診断分析図は、個々のOSPから2つの
鍵となるパラメータを算出することに基づいている。
【0020】第一のパラメータは、ジェノックス酸化ス
トレス特性指数(GSOPI)と呼ばれる。それは、8
−10の酸化損傷および酸化促進ポテンシャルの分析実
験から算出され、100%平均レベルに対する酸化損傷
の平均レベルにより表される。
【0021】すなわち: GOSPI=1/nΣ(平均百分率−100%)、ここ
にnは総体中の分析実験の数に等しい。
【0022】第二のパラメータはジェノックス抗酸化特
性指数(GAPI)と呼ばれる。それは、20−30の
抗酸化剤の分析実験から算出され、100%平均レベル
に対する抗酸化剤による保護の平均レベルを表す。
【0023】すなわち: GAPI=1/nΣ(平均百分率−100%)、ここに
nは総体中の分析実験の数である。
【0024】つぎに、類似するGOSP診断分析図がも
つ約300の参照個体との関係を明らかにするため、G
OSPIおよびGAPIをXY軸にプロットする。これ
を図2に示す。
【0025】該診断分析図は、各々顕著な特性をもつ4
つの象限からなる。
【0026】第I象限:この象限にある個体は、低い抗
酸化剤レベルに伴う高い予測酸化ストレスレベルをも
つ、それゆえ、それらの人は、それらのOSSを低下さ
せるための説明通りの相対的に高い抗酸化剤の用量に反
応するものと期待される。
【0027】第II象限:この象限にある個体は、上記
平均レベルの抗酸化剤保護にもかかわらず、高いOSS
レベルをもっている。実験的研究から得られたデータ
は、この状態が、まったく普通のものであり、OSPの
もっとも重要な適用の一つを表していることを示唆して
いる。この状態は、ストレスが下記によって生じる結果
として発生しうるであろう。
【0028】(a)高いレベルの鉄および/または銅ス
トレス (b)微生物感染(細菌、ウイルスによる低度感染;例
はAIDSおよびマラリア)により惹起されるごとき高
いレベルの炎症性関連疾患 (c)抗酸化剤の吸収または合成を妨害するかまたはR
OSを発生させる薬物 (d)アルコール症 (e)微量金属、アスベストなどの毒性環境因子への暴
露 (f)糖尿病などの酸化ストレス関連疾患
【0029】第III象限:この象限にある個体は、正
常より低いOSSを有し、抗酸化状態は低い。これは、
至適健康状態を表し、抗酸化剤レベルの増大によって将
来の改善さえも実現できることを示唆している。かかる
症例は、関連する抗酸化剤のすべて(それらのほとんど
は血液以外の組織中にある)が測定されているわけでは
ないことをも示している。
【0030】第IV象限:この象限にある個体は、正常
よりも低いOSSを有し、正常レベルよりも高い抗酸化
剤による保護を伴うものと予測される。いかなる処置が
最良であるかは、個体のOSPの詳細によって示される
であろう。
【0031】要約すれば、OSPの特定の細部ととも
に、ジェノックスOSP診断分析図を利用することによ
って、医師らは、患者らを適切に処置する上での助けと
なる強力な手段をもつことになるであろう。各々の人
は、遺伝形質、生活様式および環境への暴露に関して独
特であるから、それらの人のニーズも独特である。ジェ
ノックスOSP診断分析図は、ヒトにおける酸化ストレ
スを評価するべく設計された独特の手段である。
【0032】
【発明の実施の形態】酸化損傷の正確な測定 酸化損傷は、年齢に関連した退行性疾患発症の上での主
たる原因因子である。ヒトの健康および寿命を最大限に
活用する診断手段として用いうる多くの異なるタイプの
酸化損傷を測定する分析試験は、個人個人の酸化ストレ
ス状態を評価する上で必須である。多くの異なるバイオ
マーカーを集合的に測定することによって、患者の酸化
ストレスの一般的基準のもっとも正確かつ包括的な徴候
の輪郭を描くことができる。各個のタイプの損傷を解析
すれば、正確な危険度および指示可能な予防方策のより
明確な指標を得ることができる。
【0033】OSPの成分およびこれらの成分の各々を
構成するバイオマーカーを以下に簡単に記述する。
【0034】スポットスクリーニング 1.全アルケナール(血清および尿中)− 細胞脂質膜
およびリポ蛋白質(すなわちLDL)に対するフリーラ
ジカルの攻撃による過酸化脂質の生産物(マロンアルデ
ヒドおよび4−ヒドロキシノネナール)を測定する。血
清過酸化脂質量の測定は、体内のフリーラジカルによる
傷害の量を反映する。
【0035】2.水溶性ヒドロペルオキシド(血清中)
− プロオキシダント金属と反応し、きわめて反応性の
ヒドロキシラジカルを生じうる過酸化水素などの水溶性
のものを直接測定する。血清ヒドロペルオキシド量の測
定は、そのときに体内で産生されているフリーラジカル
の量を反映する。
【0036】3.脂質ヒドロペルオキシド(血清中およ
び尿中)− 脂質ヒドロペルオキシド〔過酸化水素や過
酸化脂質傷害の生産物、すなわちアルデヒド類(MD
A)ではない〕を直接測定する。血清脂質ヒドロペルオ
キシド量の測定は、そのときに体内で産生されているフ
リーラジカルの量を反映する。
【0037】4.自己抗体により酸化されたLDL(血
清中)− 心血管疾患の進展に関する現在の有力な理論
は、LDLが酸化され、単核細胞によって飲み込まれ、
単核細胞は「泡沫」細胞となり、それがつぎに動脈細胞
壁に付着して、脂肪酸線条傷害(プラーク)を惹起する
というものである。免疫反応は、全身を通じて存在する
Ox−LDLの量に正比例する。Ox−LDLのほとん
どは動脈細胞壁中にあるので、血清中のそれを測定する
ことはあまり効果的ではない;それゆえ、現在では、O
x−LDLに対する自己免疫抗体アッセイが心血管疾患
のきわめて強力な危険度予測手段であると認識されてい
る。
【0038】5.8−ヒドロキシデオキシグアノシン
〔8−OH dG〕(尿中)− 細胞内での染色体DN
AおよびミトコンドリアDNAに対する酸化損傷を測定
するための「黄金の」基準である。8−OH dGは、
エンドヌクレアーゼ修復酵素によって切り出されたヒド
ロキシラジカル損傷グアニンヌクレオチドであって、ヒ
トのDNA変異可能性を、従って癌の危険度を反映す
る。修復は通常は速やかに、効率的に行われることが知
られているので、血清および尿中の切り出されたDNA
付加物の量は、全身における損傷の量を直接的に反映す
る。
【0039】6.8−エピプロスタグランジンF2 〔イ
ソプロスタン〕(尿中)− 細胞膜およびリポ蛋白質
(すなわちLDL)中のアラキドン酸の、フリーラジカ
ルが触媒となった非酵素的過酸化によって生体内で生成
される。損傷過酸化脂質は細胞壁から血清中へ除去さ
れ、つぎに尿中へ排泄される。反応性アルデヒドと異な
り、いったんイソプロスタン類が形成されると、それら
は化学的に安定であり、血清または尿中で正確に測定で
きる。8−エピPGF2 の生成は、アスピリン摂取によ
って影響されず、酸化ストレスおよび抗酸化剤補充の有
効性の敏感な尺度であることが示されている。
【0040】7.クレアチニン(尿中)− 患者の代謝
効率〔利用されたエネルギー(ATP合成)に対するフ
リーラジカル産生(損傷)の量〕を算出するために用い
る。クレアチニンは、ATP/クレアチニン利用の分解
産物であって、尿中へ排泄される。12〜24時間クレ
アチニン値を用いて、その人のエネルギーまたは活動の
量に対する発生中の損傷の量(比)を算出する。12〜
24時間クレアチニン値は、その人の基礎代謝率を反映
する。クレアチニンをその人の除脂肪体重で割ると、所
与の時間にわたる細胞当たりの代謝活性(ATP利用)
量が得られる。
【0041】酸化促進ポテンシャル 8.全鉄− 結合されていない鉄は、過酸化水素および
アスコルビン酸またはホモシステインなどの強い還元剤
からのきわめて反応性のヒドロキシラジカルの産生(フ
ェントン反応)の触媒となることによって、酸化促進剤
として働くことができる。高レベルの鉄(過負荷)は、
フリーラジカル損傷量が高いことおよび糖尿病、心疾
患、癌などの年齢関連疾患の多くの発生危険度が高いこ
とと関連している。
【0042】9.有効鉄結合能(AIBC)− トラン
スフェリン、フェリチンおよび鉄を結合していないアル
ブミンの量であり、従って、遊離鉄分子を受け入れる
(捕捉)することができる。鉄結合蛋白質は、鉄が触媒
となるフリーラジカル産生のきわめて効果的な予防手段
であることが知られている。高いAIBCは、酸化損傷
反応の開始に対する良好な保護を与えるものである。A
IBC蛋白質は、肝中で合成され、血清中でかなり一定
した定常状態レベルに保たれている;一般に、鉄(蛋白
質結合鉄)レベルが高いほど、AIBCは低い。
【0043】10.全鉄結合能(TIBC)− AIB
C+全鉄の値によって表される。この値は、鉄結合蛋白
質をつくる肝の能力を反映させるために用いる。
【0044】11.鉄飽和百分率− (全鉄/TIB
C)の百分率。これは、鉄結合能に対する鉄の相対比で
ある;鉄飽和度が高いほど、フリーラジカル種の触媒と
なる作用に鉄が関与する危険度が高い。
【0045】12.フェリチン− 血清中の鉄の量に応
じて肝により合成される鉄結合蛋白質である。フェリチ
ンは、身体の鉄貯蔵および可能な長期鉄過負荷の指標と
なる。血清中の高いフェリチンレベルが、フリーラジカ
ル損傷量が高いことおよび糖尿病、心疾患、癌などの年
齢関連疾患の多くの発生危険度が高いことと関連付けら
れている。
【0046】13.銅− 結合されていない銅は、とく
にアスコルビン酸(ビタミンC)やホモシステインなど
の強力な還元剤の存在下では、鉄よりも一層反応性の酸
化促進剤であることが知られている。血清中の高い銅レ
ベルは、高レベルの酸化損傷を惹起することができ、そ
れと関連している。CuZnスーパーオキシドジスムタ
ーゼおよびセルロプラスミンのために少量が必要とされ
る。
【0047】14.セルロプラスミン− 血清中に見い
だされる銅の95%までを結合する。正常患者では、セ
ルロプラスミンの量は、血清中の銅の量に正比例し、高
い銅濃度は普通高い量の脂質過酸化および心血管疾患の
リスクと関連している。セルロプラスミンは、フェロオ
キシダーゼとして働き(遊離鉄を酸化する)、それによ
って鉄が酸化促進剤として関与するのを妨げ、身体から
過剰の鉄を除去するのに必須であることから、抗酸化剤
であると考えられる。セルロプラスミンはまた、スーパ
ーオキシドジスムターゼとして働く。セルロプラスミン
の減少は、ウィルソン病において見られる。
【0048】糖化ポテンシャル 15.グルコース− グルコースレベルは、患者が絶食
していることを示すかまたは制御されない真性糖尿病ま
たは低血糖症を示すことができる。
【0049】16.糖化蛋白質(フルクトサミン)−
試料採取時に先立つ最後の1〜3週間にわたる平均血糖
レベルを測定するために用いる。このアッセイは、血清
中の糖化蛋白質のすべて〔アルブミンを含む全蛋白質、
ただし、全血中にのみ存在するヘモグロビン(RBC)
を含まない〕を測定する。糖化蛋白質の量は、酸化スト
レスおよび加齢とともに増加する。
【0050】全抗酸化剤 17.酸素ラジカル吸収能〔ORAC〕(血清および唾
液中)− 試料中の全抗酸化能を測定する。95%OR
AC値は、防御の第一線を構成する血清中即効性抗酸化
剤を表わす。これらにはアスコルビン酸、チオール類、
尿酸、バイオフラボノイド類、ポリフェノール類などが
包含される。50%ORAC値は、血清により利用され
る速効性および中速作用性抗酸化剤を表し、アルブミン
および脂質などの活性が穏やかな抗酸化剤を包含する。
【0051】18.水溶性ORAC− 血清試料中の、
蛋白質および脂質を除去後の抗酸化剤を測定する。多量
に存在することから、全血清ORAC値のほとんど半分
が蛋白質および脂質からのものである。ほとんどの蛋白
質および脂質はあまり活性ではない抗酸化剤(犠牲的)
であり、それほど多量には存在していない、しかしより
活性な抗酸化剤を測定するに当たってのORAC分析実
験の感度を低下させる。血清試料から脂質および蛋白質
を除去することは、他の水溶性抗酸化剤を測定するとき
のORACアッセイの感度を上昇させる。
【0052】19.脂質ORAC− 血清試料中の、試
料の蛋白質および水層を除去後の抗酸化剤を測定する。
多量に存在するために、全血清ORACの半分以上が、
蛋白質および水溶性抗酸化剤からのものである。血清試
料から蛋白質および水溶性抗酸化剤を除去することによ
り、脂溶性抗酸化剤を測定する分析実験の感度が向上す
る。
【0053】20.脂質過酸化阻害能〔LPIC〕分析
実験− 血漿抗酸化剤はつぎの2つの主要タイプに分類
できる:(a)セルロプラスミン、トランスフェリンな
どの、酸化促進金属に結合することによって脂質過酸化
の開始速度を低下させる一次抗酸化剤および(b)トコ
フェロールなどの、脂質過酸化の連鎖伝播および増幅を
低減させる二次抗酸化剤。尿酸などの多くの抗酸化剤
が、多くの酸化促進金属に結合でき、また酸化された種
を直接除去する複合的抗酸化性を有する。LPICの分
析実験は、試料中で一緒に働いている一次および二次の
両抗酸化剤系の活性を測定する。ヒトでは、低い血清L
PIC値は、成人型糖尿病の発生を強く予測させること
が示されている。
【0054】水溶性抗酸化剤 21.ビタミンC〔アスコルビン酸〕(血清および唾液
中)− アスコルビン酸は、酸化性の種を直接除去で
き、またビタミンEなどの他の酸化された抗酸化剤を産
生させることができる。しかし、鉄、銅などの、遊離の
酸化促進金属がまわりに存在する条件下では、ビタミン
Cの強い還元能が酸化性フリーラジカル産生の触媒とな
るであろう。
【0055】22.チオール類(血清および唾液中)−
きわめて活性な抗酸化剤であり、還元剤である。ほと
んどの血清中チオール類はアルブミン中に見出され、遊
離システインおよびグルタチオンがそれに続く。アルブ
ミンチオール類は、損傷されることの生物学的重要性が
ほとんどない犠牲的抗酸化剤として働くと考えられる。
高い抗酸化反応性および高い濃度のために、アルブミン
チオール類は、フリーラジカル損傷に対する細胞膜のた
めの主な防御手段として働く。
【0056】23.尿酸(血清および唾液中)− 尿酸
は脳の活性を刺激するメチルキサンチン(カフェイン類
似の)である。それは、酸化性の種を直接除去し、酸化
促進金属をキレート化することが知られている。
【0057】24.直接型および全ビリルビン:− ヘ
ム代謝の廃棄物であると考えられる。ビリルビンは、き
わめて活性な脂質であり、水溶性血清抗酸化剤であるこ
とが知られている。直接型(複合)ビリルビンは、吸収
されて身体から胆汁中へと除去されうる形のビリルビン
である。
【0058】脂溶性抗酸化剤 25.ルテイン:− きわめて活性な(ビタミンEより
も2.3倍高い)脂溶性カロテノイド抗酸化剤であり、
血清中へ容易に吸収される。ルテインおよびゼアキサン
チンは、ヒトでの全盲目の10%に相当し、高年者にお
ける失明の主原因である黄斑変性を阻止する主要因子で
ある。
【0059】26.ゼアキサンチン:− きわめて活性
な(ビタミンEよりも2.8倍高い)脂溶性カロテノイ
ド抗酸化剤であり、血清中へ容易に吸収される。ルテイ
ンおよびゼアキサンチンは、ヒトでの全盲目の10%に
相当し、高年者における失明の主原因である黄斑変性の
阻止に関係している。
【0060】27.β−クリプトキサンチン:− 恐ら
くはもっとも活性な(ビタミンEよりも3.1倍高い)
脂溶性抗酸化剤であり、血清中へ容易に吸収される。
【0061】28.リコペン:− もっとも活性な脂溶
性抗酸化剤の一つ(ビタミンEよりも2.8倍高い)。
研究によって、リコペンが前立腺癌を予防する上できわ
めて重要でありうることが示されている。
【0062】29.α−カロテン:− 既知の抗酸化剤
であり、ビタミンAの前駆体である。実験による証拠
が、α−カロテンがβ−カロテンよりも強力な抗酸化剤
であり、細胞分化剤であることを示しており、従って癌
予防によりよいかもしれない。
【0063】30.β−カロテン:− 既知の抗酸化剤
であり、ビタミンAの前駆体であり、食事補充剤として
きわめて広範に研究されており、広く用いられている。
それは強力な細胞分化剤であり、それゆえ癌を防止する
かもしれない。
【0064】31.レチノール〔ビタミンA〕:− 既
知の抗酸化剤であり、細胞分化剤であり、それゆえ癌お
よび老化の多くの局面を防止するかもしれない。
【0065】32.パルミチン酸レチニル:− 食事補
充剤および食品中にビタミンAの源としてもっとも普通
に用いられているレチノールのエステルである。
【0066】33.カロテノイド類:− このカロテノ
イド群は、健康にとってきわめて有益と思われる多くの
未だ特性の記述されていないカロテノイド類を含んでい
る。これの値は、消費されている果物および野菜の量の
良い総合値を提供してくれる。
【0067】34.α−トコフェロール(ビタミン
E):− もっともよく特性描写されている食事補充用
脂溶性抗酸化剤の一つである。その抗酸化能とは別に、
それは細胞分化性を有しており、それらの性質は癌の予
防によいと思われる。
【0068】35.δ−トコフェロール(ビタミン
E):− 普通、食品およびヒト血清中に相対的に低い
量が見出されるが、δ−トコフェロールのヒトに対する
有益な作用については、あまり知られていない。
【0069】36.γ−トコフェロール(ビタミン
E):− 心臓中に見出されるビタミンEの主要なタイ
プであり、それゆえ、抗酸化剤としてまたは分化剤とし
てのその独特の性質のゆえに、身体のために選択してよ
い。
【0070】37.トコフェロール/(コレステロール
+トリグリセリド):− 保護されるべき脂質の量に対
する脂質抗酸化剤の比である。このタイプのパラメータ
は、これらのバイオマーカーを単独で評価することによ
るよりも、心血管疾患発生の危険度をずっとよく示すこ
とが見出されている。
【0071】38.ユビキノール〔補酵素Q10〕:−
通常、ミトコンドリアの酸化的燐酸化系の一部として
細胞中で合成され、脂質膜中に存在している。CoQ1
0は、食事を通じて吸収されることもでき、LDLを酸
化から保護するきわめて活性な抗酸化剤として働くこと
ができる。
【0072】脂質および蛋白質 39.コレステロール:− コレステロールは、酸化さ
れる可能性のある脂質の量を示すことによって心血管疾
患の危険を予測する周知の因子である。心血管疾患の発
生に関する現行の理論は、LDLが酸化され、単核細胞
によって包み込まれ、その細胞は「泡沫」細胞となり、
動脈細胞壁に付着し、脂肪酸条斑傷害(プラーク)を惹
起する。
【0073】40.トリグリセリド類:− トリグリセ
リド類は、リポ蛋白質と呼ばれる蛋白質に結合した脂肪
酸とグリセリンとのエステルである。トリグリセリド類
およびコレステロールの双方は、血清中のリポ蛋白質の
総量を測定するものであり、この量は心血管疾患危険度
のおおざっぱな指標となりうる。トリグリセリド類およ
びコレステロールそれら自体によってもたらされる関連
心血管疾患危険度の予測は、実際には低い(44%);
しかし、ビタミンAおよびEと組み合わせれば、(コレ
ステロール+トリグリセリド類)/(ビタミンAおよび
E)の比は、危険度予測力の正確さを85%まで上昇さ
せる。
【0074】41.アルブミン:− 各々のアルブミン
分子は、強力な抗酸化剤として働くきわめて活性なチオ
ール基を多く含んでいる。アルブミンは、それがリサイ
クル経路を持たず、それの損傷の結果が細胞機能に直接
には影響しないので、犠牲的抗酸化剤として知られてい
る。アルブミンは高い回転速度を有する;損傷されたア
ルブミンは分解され、身体がそれらの良いアミノ酸を利
用する。他のほとんどの抗酸化機構は、ある種の直接再
生系(すなわちビタミンE、ビタミンCおよびグルタチ
オンペルオキシダーゼ)を利用している。
【0075】42.全蛋白質:− アルブミンおよび免
疫グロブリン類を包含する。従って、血清試料中のグロ
ブリン類の量はつぎの単純な式から算出できる:グロブ
リン量=全蛋白質−アルブミン量 43.アルブミン/グロブリン比:− 健康・安寧の一
般的マーカーとして用いる。理想的な比は1.85以上
である。高い免疫グロブリンレベルは、自己免疫疾患発
生の危険を増加させる可能性のある長期間の感染の歴史
を知らせることができる。
【0076】心疾患危険因子パネル 44.ホモシステイン:− ホモシステインは強力な還
元剤であり、酸化促進金属が触媒となったフリーラジカ
ル産生を促進することができる。上昇したホモシステイ
ンレベルは、心血管疾患の高い危険性と高度に関連して
いる。ほとんどの患者において、高いホモシステインレ
ベルは葉酸および/またはビタミンB12の不足によって
惹起される。
【0077】45.葉酸:− 葉酸は、DNA合成、赤
血球再生およびホモシステイン代謝に関与している。低
いレベルは、先天性欠損、DNA損傷およびホモシステ
インの蓄積と関連している。不足は、高く上昇したDN
A変異率、酸化されたLDL、不可逆性神経変性および
貧血という結果となる。葉酸およびビタミンB12はそれ
ぞれの作用において共働作用する。
【0078】46.ビタミンB12〔シアノコバラミ
ン〕:− ビタミンB12は、DNA合成、赤血球再生お
よびホモシステイン代謝に関与している。低いレベル
は、先天性欠損、DNA損傷およびホモシステインの蓄
積と関連している。不足は、高く上昇したDNA変異
率、酸化されたLDL、不可逆性神経変性および貧血と
いう結果となる。ビタミンB12および葉酸はそれぞれの
作用において共働作用する。
【0079】47.低密度リポ蛋白質(LDL):−
通俗的文献では「悪玉」コレステロールとして知られて
いるLDLは、心疾患の危険と直接的に関連している。
LDLの酸化からの防止は、遊離の酸化促進性金属を減
少させ、水溶性抗酸化剤(アルブミン、尿酸およびビタ
ミンC)および脂溶性抗酸化剤(ビタミンA、ビタミン
E、CoQ10およびカロテノイド類)を増加させるこ
とによって達成できる。
【0080】48.高密度リポ蛋白質(HDL):−
通俗的文献では「善玉」コレステロールとして知られて
いるHDLは、心疾患の危険と逆に関連している。
【0081】49.アポリポ蛋白質B:− 主としてL
DL表面に見出される蛋白質であり、それゆえ実際にL
DLの尺度である。
【0082】50.アポリポ蛋白質A1:− 主として
HDL表面に見出される蛋白質であって、それゆえ実際
にHDLの尺度である。
【0083】年齢関連ホルモンパネル 51.5−ジヒドロテストステロン:− 毒性のある形
態のテストステロンであって、若禿げ(男性型脱毛)を
惹起し、前立腺細胞を損傷し、前立腺癌の危険を増大さ
せることが知られている。
【0084】52.硫酸6−ヒドロキシメラトニン〔6
−SM〕(尿中):− 循環メラトニンレベルは、年齢
とともに低下することが知られており、それゆえ最近で
は老化防止方策のための、また自然な睡眠を誘発するた
めの、きわめて通俗的な補給物となっている。メラトニ
ンはまた、ニューロンへと向けられうる抗酸化作用を有
することが証明されている。血清メラトニンレベルは、
日夜を通じて多くの周期的ピークを有する;血清/唾液
メラトニンの単独の測定は、メラトニンの不適切なまた
は過剰の放出を測定する上であまり正確ではない。メラ
トニンは硫酸6−ヒドロキシメラトニンに代謝される
が、これは高度に安定な最終生成物であり、尿中へ排泄
される。12時間または24時間の時間を定めた採尿
が、ヒトのメラトニン排泄レベルを測定するもっとも正
確な方法である。
【0085】53.コルチゾール:− コルチゾール
は、酸化ストレスを含めて多くの異なるタイプのストレ
スの間に増加するステロイドホルモンである。上昇した
コルチゾールレベルへの長期の暴露は、老化の徴候を加
速することが示されている。
【0086】54.硫酸デヒドロエピアンドロステロン
〔DHEA−S〕:− DHEAは、他の多くのホルモ
ンの合成の前駆体であるゆえに、マスターホルモンとし
て知られている。DHEA−Sレベルは年齢とともに減
少することが証明されているので、それは、最近では、
生涯の若年期に見られる範囲にまでホルモンレベルを上
昇させるために用いられるきわめて通俗的な食事への補
給物となっている。DHEA−Sは身体中に普通に貯蔵
されている形態であり、従って、これの補給は、直接D
HEAを補充するのと比較して、負の副作用が少ない。
【0087】55.エストラジオール:− エストラジ
オールは、とくに過剰の補給物を摂取している閉経後の
女性における、乳癌発生の高い危険度と結びついてい
る。他の形態のエストロゲンはより安全でありことが報
告されている。循環エストラジオール量が慢性的に高い
女性は、通常よりもずっと早く閉経に達することが知ら
れている。
【0088】56.インスリン様成長因子−1〔IGF
−1〕またはソマトメジン−C:−IGF−1は、細胞
の更新、修復および成長を刺激するなど、ヒト成長ホル
モン(HGH)の作用に介在する。正常な患者では、I
GF−1は肝中で成長ホルモンに正比例する量だけ産生
される。その半減期が長いために、IGF−1を、その
前の48時間のうちに放出された成長ホルモンの平均量
を測定するのに利用できる。HGHは日夜を通じて多く
の周期的ピークを有するので、単一の血清HGHの定量
は、HGHの不適切なまたは過剰の放出を測定する上で
あまり正確ではない。HGHおよびIGF−1の注射
は、高齢者が筋肉および力を取り戻すのを助け、それに
より彼らの生活の質を改善することが示されている。
【0089】57.プロゲステロン:− プロゲステロ
ンは、現在では、記憶および認知機能を増強すると考え
られている通俗的な補給物である。
【0090】58.テストステロン:− テストステロ
ンは、顔面の毛や筋肉成長などのほとんどの成人男性特
性の発現および維持の原因となっている。しかし、テス
トステロンは、毛包、前立腺細胞などの若干の細胞中で
毒性形態(ジヒドロテストステロン、DHT)に転化さ
れることができ、これがそれらの細胞タイプを損傷して
いる。
【0091】59.甲状腺刺激ホルモン(TSH)第三
世代:− TSHは甲状腺細胞による沃素の取り込みを
刺激する。
【0092】60.チロキシン(T4):− チロキシ
ンは、代謝率を調整し、適正な甲状腺機能を示す包括的
なステロイドホルモンである。沃素からのチロキシンの
合成によって、過酸化水素が副産物として生じる。甲状
腺機能亢進のある者は加速された老化の徴候をもつこと
が示されている。
【0093】鉱質および微量元素パネル 61.アルミニウム:− 脳中でのアルミニウムの蓄積
は、アルツハイマー病の発症と強く関連付けられてい
る。これは、原因であるよりも、該疾患の結果であると
考えられる。
【0094】62.アンチモン:− アンチモンは毒素
であり、ヒトにとっての必要性は知られていない。
【0095】63.砒素:− 砒素は、呼吸を阻害する
周知の毒物である。
【0096】64.カドミウム:− カドミウムは、水
銀に類似の周知の毒素であり、ヒトにとっての必要性は
知られていない。
【0097】65.カルシウム:− カルシウムは、ア
ポトーシス、血液凝固および神経シグナル伝達を助け
る。血清中の量が低いと、骨粗しょう症、骨および歯の
成長および維持の低下を惹起することが知られている。
【0098】66.クロム:− 産業用のクロム〔Cr
+6〕はきわめて毒性のプロオキシダントである。糖耐性
蛋白質および血糖レベル調整機能に少量のCr+3が必要
とされる。
【0099】67.コバルト:− コバルトはビタミン
B12の成分である。それは高いレベルでは毒性をもちう
る。
【0100】68.銅:− 結合されていない銅は、と
くにアスコルビン酸やホモシステインなどの強力な還元
剤の存在下では、鉄よりもさらに反応性の酸化促進剤で
あることが知られている。高レベルの銅は酸化損傷を惹
起しうる。CuZnスーパーオキシドジスムターゼおよ
びセルロプラスミンに少量が必要である。
【0101】69.沃素:− 沃素は、甲状腺ホルモン
であるチロキシンの合成のために必要であるが、過酸化
水素を副生物として生じさせる。沃素はハロゲンであり
(弗素や塩素と同様に)、容易にフリーラジカル発生剤
として働きうる。高い量の沃素はきわめて有毒でありう
る。
【0102】70.鉄:− 結合されていない鉄は、過
酸化水素とアスコルビン酸やホモシステインなどの強力
な還元剤とからのきわめて反応性のヒドロキシラジカル
の産生の触媒となることによって、酸化促進剤として働
きうる。高レベルの鉄(過負荷)は高量のフリーラジカ
ル損傷と、また糖尿病、心疾患、癌などの年齢関連疾患
の多くを発生させる相対的に高い危険と、関連してい
る。
【0103】71.鉛:− 鉛は周知の神経毒であり、
ヒトにとっての必要性は知られていない。
【0104】72.マグネシウム:− マグネシウム
は、RNA/DNA合成、蛋白質合成、ADP合成およ
び筋肉収縮に必要である。それは+2という固定された
外部電子価をもつので、鉄をその結合部位から置換する
ことによって、鉄に基づく多くのフリーラジカル生成反
応を阻害することができる。マグネシウムは、心疾患の
予防に役立つことが示されている。
【0105】73.マンガン:− 結合されていないマ
ンガンは、とくにアスコルビン酸やホモシステインなど
の強力な還元剤の存在下では、強力な酸化促進剤である
ことが知られている。高レベルでは、それは毒性を示
す。
【0106】74.水銀:− 水銀は周知の神経毒であ
り、ヒトにとっての必要性は知られていない。
【0107】75.モリブデン:− モリブデンは、キ
サンチン類を尿酸に転化する際に、キサンチンオキシダ
ーゼによって要求される。それは、アルデヒドオキシダ
ーゼおよび亜硫酸オキシダーゼにおいても、それらの毒
性物質をより反応性の低い産物に酸化するに際して必要
とされる。オキシダーゼ類は、それらの反応の副生物と
して、過酸化水素を産生する。
【0108】76.ニッケル:− 結合されていないニ
ッケルは強力な酸化促進剤であることが知られており、
高レベルでは毒性がある。赤血球および肝機能のために
少量が必要とされる。
【0109】77.セレン:− 結合されていないセレ
ンは、酸素と類似の原子価をもつ酸化促進剤であること
が知られている。高レベルでは毒性がある。グルタチオ
ンペルオキシダーゼのために少量が必要とされる。
【0110】78.硫黄:− 硫黄は蛋白質の構造およ
び酵素の活性にとって必須である;それはまた、多くの
解毒反応において必要とされ、ヒトの発癌の危険度を低
下させることができる。
【0111】79.ストロンチウム:− ストロンチウ
ムはビタミンD合成を阻害することが知られている;そ
れゆえ、それは、骨粗しょう症および発育中の小児にお
ける骨の奇形の重大な危険因子となりうる。
【0112】80.錫:− 錫は、骨および歯の正常な
代謝および成長に必要とされる。
【0113】81.バナジウム:− バナジウムは脂質
代謝に関与している。バナジウム不足はコレステロール
レベルを上昇させることが示されている(高用量は、通
常の設定値を過ぎたコレステロールを低下させなかっ
た)。現在の研究は、癌細胞を殺すバナジウムの能力を
評価中である。高レベルでは、バナジウムは毒性を示し
うる。
【0114】82.亜鉛:− 亜鉛は、代謝、RNAポ
リメラーゼ類およびCuZnスーパーオキシドジスムタ
ーゼにとって必要である。それは、+2という固定され
た外部電子価をもつので、鉄をその結合部位から置換す
ることによって、多くの鉄に基づくフリーラジカル反応
を阻害することができる。高レベルでは、亜鉛は毒性を
示しうる。
【0115】82のバイオマーカー(試験試料から直接
測定する)のほとんど全てを、もっとも正確な、最近確
立された生化学的な分析実験法により、精巧な、自動化
された装置を用いて、定量する。
【0116】これらの分析実験の特別な細目を以下に列
挙する。
【0117】 バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法 スポットスクリーニング 1.全アルケナール 分光光度法/化学的 2.水溶性ヒドロペルオキシド 分光光度法/化学的 3.脂質ヒドロペルオキシド 分光光度法/化学的 4.自己抗体酸化LDL 分光光度法/免疫化学的 5.8−ヒドロキシデオキシグアノシン 分光光度法/免疫化学的 6.8−エピプロスタグランジンF2 分光光度法/免疫化学的 〔イソプロスタン〕 7.クレアチニン 分光光度法/化学的
【0118】 バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法 酸化促進ポテンシャル 8.全鉄 9.有効鉄結合能〔AIBC〕 分光光度法 10.全鉄結合能〔TIBC〕 11.鉄飽和% 12.フェリチン 均一系EIA/化学的 13.銅 バソクプロイン法またはICP−MS 14.セルロプラスミン 免疫沈降法(比濁法)
【0119】 バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法 グリケーションポテンシャル 15.グルコース 分光光度法/化学的 16.糖化蛋白質(フルクトサミン) 分光光度法/化学的
【0120】 バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法 総合抗酸化剤 17.酸素ラジカル吸収能〔ORAC〕 蛍光法/化学的 18.水溶性ORAC 蛍光法/化学的 19.脂質ORAC 蛍光法/化学的 20.脂質過酸化阻害能〔LPIC〕 分光光度法/化学的
【0121】 バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法 水溶性抗酸化剤 21.ビタミンC〔アスコルビン酸〕 分光光度法/化学的 22.チオール類 分光光度法/化学的 23.尿酸 分光光度法/化学的 24.直接型および全ビリルビン 分光光度法/化学的
【0122】 バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法 脂溶性抗酸化剤 25.ルテイン HPLC 26.ゼアキサンチン HPLC 27.β−クリプトキサンチン HPLC 28.リコペン HPLC 29.β−カロテン HPLC 30.α−カロテン HPLC
【0123】 バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法 31.レチノール〔ビタミンA〕 HPLC 32.パルミチン酸レチニル HPLC 33.カロテノイド類別 HPLC 34.α−トコフェロール〔ビタミンE〕 HPLC 35.δ−トコフェロール〔ビタミンE〕 HPLC 36.γ−トコフェロール〔ビタミンE〕 HPLC 37.トコフェロール/(コレステロール+TG)比 38.ユビキノール〔補酵素Q10〕 HPLC
【0124】 バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法 脂質および蛋白質 39.コレステロール アッベル−ケンダルアッセイ/化学的 40.トリグリセリド類〔TG〕 分光光度法/化学的 41.アルブミン 分光光度法/化学的 42.全蛋白質 分光光度法/化学的 43.アルブミン/グロブリン比
【0125】 バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法 心疾患危険因子パネル 44.ホモシステイン HPLC 45.葉酸 均一系EIA/化学的 46.シアノコバラミン 均一系EIA/化学的 〔ビタミンB12〕 47.低密度リポ蛋白質〔LDL〕 フリーデワルトの式により算出 48.高密度リポ蛋白質〔HDL〕 アッベル−ケンダルアッセイ/化学的 49.アポリポ蛋白質B 比濁法/化学的 50.アポリポ蛋白質A1 比濁法/化学的
【0126】 年齢関連ホルモンパネル 51.5−ジヒドロテストステロン 分光光度法/免疫化学的 52.硫酸6−ヒドロキシメラトニン 分光光度法/免疫化学的 〔6−SM〕 53.コルチゾール 分光光度法/免疫化学的 54.硫酸デヒドロエピアンドロステ 分光光度法/免疫化学的 ロン〔DEHA−S〕 55.エストラジオール 分光光度法/免疫化学的 56.インスリン様成長因子1 分光光度法/免疫化学的 〔IGF−1〕
【0127】 バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法 57.プロゲステロン 分光光度法/免疫化学的 58.テストステロン 分光光度法/免疫化学的 59.甲状腺刺激ホルモン〔TSH〕 分光光度法/免疫化学的 60.チロキシン〔T4〕 分光光度法/免疫化学的
【0128】 バイオマーカー 定量に用いられる分析実験法 鉱質および微量元素パネル 61.アルミニウム ICP−MS 62.アンチモン ICP−MS 63.砒素 ICP−MS 64.カドミウム ICP−MS 65.カルシウム ICP−MS 66.クロム ICP−MS 67.コバルト ICP−MS 68.銅 ICP−MS 69.沃素 ICP−MS 70.鉄 ICP−MS 71.鉛 ICP−MS 72.マグネシウム ICP−MS 73.マンガン ICP−MS 74.水銀 ICP−MS 75.モリブデン ICP−MS 76.ニッケル ICP−MS 77.セレン ICP−MS 78.硫黄 ICP−MS 79.ストロンチウム ICP−MS 80.錫 ICP−MS 81.バナジウム ICP−MS 82.亜鉛 ICP−MS
【0129】EIA=酵素免疫分析;HPLC=高速液
体クロマトグラフィー; ICP−MS=誘導結合プラズマ質量分析。
【0130】ある患者について得られた包括的酸化スト
レス特性を図3および表1に示す。
【0131】
【表1】
【0132】
【表2】
【0133】
【表3】
【0134】
【表4】
【0135】典型的な心血管疾患危険因子特性を図4お
よび表2に示す。
【0136】
【表5】
【0137】年齢関連ホルモン特性を図5および表3に
示す。
【0138】
【表6】
【0139】尿および血清の典型的試料についての微量
元素特性をそれぞれ図6aおよび6bに示す。毛および
飲料水の典型的試料についての微量元素特性をそれぞれ
図7aおよび7bに示す。
【0140】これらの一次データから、図2に示したよ
うに、ジェノックス酸化ストレス特性指数(GOSP
I)を縦軸に、ジェノックス抗酸化剤特性指数(GAP
I)を横軸にとって、酸化ストレス特性診断分析図を描
くことができる。患者の特別なOSP状態を、この診断
プロットの4つの象限の一つに位置させることができ
る。図8、9および10は、患者のOSP状態の典型的
な例を示しており、そこでは、患者のOSP状態が39
の参照OSP値と比較されている。
【0141】少量の尿、血清および唾液試料を用いてヒ
トの酸化ストレス状態(OSS)を測定する新規技術。
この新規技術は、異なる、しかし相補的な生化学的分析
の統合に基づいている。結果は、個人の酸化ストレスお
よび抗酸化剤状態の測定における例外的に高い信頼度で
ある。医師は、その患者のためにいかなる介入処置が適
切であるかを決定するに当たって、この情報をより大き
い信頼性を置いて利用することができる。
【0142】個人の酸化ストレス状態に関する例外的に
高い信頼しうるデータを、また可能な介入療法を示唆す
る詳細な情報を得るための特性描写という概念の適用。
個人の酸化ストレスおよび抗酸化剤状態の双方を測定す
るために、この操作では、正確さ、信頼性およびコスト
(大量生産経済の適用能力)に基づいて選ばれた82の
異なる生化学的分析が用いられる。これらの分析の特有
な配列の選択は、信頼しうる代表的な最終結果を得るた
めのデータの統合や分析手順の削減を可能とする。
【0143】包括的酸化ストレス特性の読み取りおよび
解釈において医師を助け、患者の酸化ストレス状態と抗
酸化剤状態との間の関係を理解するための診断プロッ
ト。個人の身体が個人のOSSを制御する諸因子にどう
対処しているかは、きわめて複雑である。個人の遺伝形
質、生活様式および環境因子が重要な制御要素であるこ
とは明らかである。遺伝的特質が反応性酸素種の内因性
産生のレベルならびに組織中での保護・修復過程のレベ
ルを大いに左右する。抗酸化剤の組織中レベルを制御し
て、恒常性酸化ストレス状態を維持する個人の補償機構
は、いまなお、患者の酸化ストレス状態と抗酸化剤状態
との間の関係において認識されなければならない複雑な
因子である。多くの個人において、抗酸化剤状態のレベ
ルが彼らがもつ酸化損傷の量または彼らの酸化ストレス
状態と、否定的にではなくて、肯定的に相関していると
いうことこそが、我々の知見である。この知見は、抗酸
化剤の高い組織中レベルは、過去にいくつかの診断試験
所がしばしば考えたようにより低いレベルではない、組
織の酸化損傷の高い内因性レベルを示しているかもしれ
ないことを暗に意味している。多数の分析実験から情報
を引出し、その意味を解釈し、患者らに彼らの酸化スト
レス状態を低下させるにはどう処置をとるのが最適であ
るかを知らせるために、診断分析図と呼ぶ新規技術を開
発したのである。
【0144】これは、ジェノックス酸化ストレス特性診
断分析図(GOSP診断分析図)として記述されている
ものである。それは、個人のOSSから2つの鍵となる
パラメータを算出することに基づいている。導入したそ
れら2つの鍵となるパラメータは、ジェノックス酸化ス
トレス特性指数(GOSPI)とジェノックス抗酸化剤
特性指数(GAPI)とである。これら2つのパラメー
タはつぎのように算出する。
【0145】 GOSPI=1/nΣ(平均に対する%−100%) GAPI=1/nΣ(平均に対する%−100%) GOSPIおよびGAPIの両者において、nは全体の
中のアッセイの数に等しい。GOSPIは、酸化損傷お
よび酸化促進テンシャル分析実験のうちの8−10から
算出する。GAPIは抗酸化剤の分析実験のうちの20
−30から算出する。結果としての、図2に示したごと
き、GOSPIを縦軸に、GAPIを横軸にとったプロ
ットを、ジェノックス酸化ストレス特性診断分析図と称
する。
【0146】心血管系障害のある患者の酸化ストレスの
特別な解析に当たって医師を助けるための診断分析図で
は、心血管系に関係のある酸化ストレスおよび抗酸化剤
因子のみを考慮に入れる。結果は、示唆された介入療法
に加えて、心血管疾患について知られている正確な危険
性分析を医師に提供する。
【0147】
【発明の効果】本発明により、心血管系、年齢関連ホル
モンおよび微量金属の諸パネルに関する指標の全体のデ
ータの統合に基づいた、個人の一般的健康状態を推定す
ることができる。
【0148】また、本発明により、診断分析図を構成す
る4つの象限中で参照OSP諸値と比較して、患者の酸
化ストレス状態を視覚的に評価することができ、医師そ
の他の保健医療専門家は、彼らの患者らに、酸化ストレ
ス関連疾患の予防ならびに早期老化過程の遅延のために
守る必要のある食事および生活様式の変化に関して賢明
な助言を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸化ストレス状態(OSS)を示すプロトコ
ルである。
【図2】 酸化ストレス特性診断分析図を示すプロトコ
ルである。
【図3】 総合的酸化ストレス特性である。 図3中、 [1] 全アルケナール(1A) [2] ヒドロペルオキシドI(水溶性) [3] ヒドロペルオキシドII(脂質) [4] 8−OH dG/クレアチニン [5] 8−OH dG/Kg/時 [6] 全アルケナール/クレアチニン [7] 全アルケナール/Kg/時 [8] 8−エピPGF2□/クレアチニン [9] 8−エピPGF2□/Kg/時 [10] ヒドロペルオキシド/クレアチニン [11] ヒドロペルオキシド/Kg/時 [12] 鉄 [13] 有効鉄結合能(AIBC) [14] 全鉄結合能(TIBC) [15] 鉄飽和% [16] フェリチン [17] 銅 [18] セルロプラスミン [19] グルコース [20] 糖化蛋白質 [21] 全ORAC(全体) [22] 速いものの% [23] 遅いものの% [24] 全ORAC(水溶性) [25] 速いものの% [26] 遅いものの% [27] 全ORAC(脂溶性) [28] 速いものの% [29] 遅いものの% [30] 脂質過酸化阻害能 [31] アスコルビン酸 [32] チオール類 [33] 尿酸 [34] 抱合ビリルビン [35] 全ビリルビン [36] ルテイン [37] ゼアキサンチン [38] β−クリプトキサンチン [39] リコペン [40] α−カロテン [41] β−カロテン [42] レチノール [43] レチノールおよび関連化合物 [44] キサントフィル類 [45] リコペンおよび異性体 [46] カロテン類 [47] α、β−カロテンおよび関連化合物 [48] 全カロテノイド [49] α−トコフェロール [50] δ−トコフェロール [51] γ−トコフェロール [52] 全トコフェロール/(コレステロール+ドリグ
リセリド類) [53] 補酵素Q10 [54] コレステロール [55] トリグリセリド類 [56] アルブミン [57] 全蛋白質 [58] グロブリン類 [59] アルブミン/グロブリン類 である。
【図4】 心血管疾患危険因子特性である。
【図5】 年齢関連ホルモン特性である。
【図6】 (a)は、尿に関する微量元素特性であり、
(b)は血清に関する微量元素特性である。図6(a)
中、 [1] セレン/クレアチニン [2] 亜鉛/クレアチニン [3] クロム/クレアチニン [4] マンガン/クレアチニン [5] モリブデン/クレアチニン [6] 鉄/クレアチニン [7] 銅/クレアチニン [8] カドミウム/クレアチニン [9] ニッケル/クレアチニン [10] 水銀/クレアチニン [11] アンチモン/クレアチニン [12] ヒ素/クレアチニン [13] 鉛/クレアチニン [14] アルミニウム/クレアチニン [15] バリウム/クレアチニン [16] スズ/クレアチニン [17] コバルト/クレアチニン である。
【図7】 (a)は、毛髪に関する微量元素特性であ
り、(b)は水に関する微量元素特性である。
【図8】 酸化ストレス特性(OSP)診断分析図1:
全身酸化ストレスである。
【図9】 酸化ストレス特性(OSP)診断分析図2:
心血管系酸化ストレス(CVSOS)、である。
【図10】 酸化ストレス特性(OSP)診断分析図
3:全身酸化ストレス(CVSOSを除く)である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全アルケナール、水溶性ヒドロペルオキ
    シド、脂質ヒドロペルオキシド、自己抗体により酸化さ
    れたリボ蛋白質、8−ヒドロキシデオキシグアノシン、
    8−エピプロスタグランジンF、(イソプロスタ
    ン)、クレアチニン、全鉄、有効鉄結合能、全鉄結合
    能、鉄飽和百分率、フェリチン、銅、セルロプラスミン
    のうちの8−10の酸化損傷および酸化促進ポテンシャ
    ルの分析実験から算出され、100%平均レベルに対す
    る酸化損傷の平均レベルにより表される、ジェノックス
    酸化ストレス特性指数(GOSPI)を縦軸とし、酸素
    ラジカル吸収能、水溶性酸素ラジカル吸収能、脂質酸素
    ラジカル吸収能、脂質過酸化阻害能、ビタミンC、チオ
    ール類、尿酸、直接型および全ビリルビン、ルテイン、
    ゼアキサンチン、β−クリプトキサンチン、リコペン、
    α−カロテン、β−カロテン、レチノール、パルミチン
    酸レチニル、カロテノイド類、α−トコフェロール、δ
    −トコフェロール、γ−トコフェロール、トコフェロー
    ル/(コレステロール+トリグリセリド類)比、ユビキ
    ノール、コレステロール、トリグリセリド類、アルブミ
    ン、全蛋白質、アルブミン/グロブリン比のうちの20
    −30の抗酸化剤の分析実験から算出され、100%平
    均レベルに対する酸化損傷の平均レベルにより表され
    る、ジェノックス抗酸化剤特性指数(GAPI)を横軸
    とした、第I象限から第IV象限からなる、酸化ストレ
    ス評価のための健康指標としての酸化ストレス診断分析
    図を使用して酸化ストレスを評価する方法。
  2. 【請求項2】 82の分析実験測定から導かれた酸化ス
    トレス評価のための健康指標としての酸化ストレス診断
    分析図を使用して酸化ストレスを評価する方法。
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