JP2018102730A - 肌分析方法及び肌分析装置 - Google Patents

肌分析方法及び肌分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018102730A
JP2018102730A JP2016254140A JP2016254140A JP2018102730A JP 2018102730 A JP2018102730 A JP 2018102730A JP 2016254140 A JP2016254140 A JP 2016254140A JP 2016254140 A JP2016254140 A JP 2016254140A JP 2018102730 A JP2018102730 A JP 2018102730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
redness
skin
information
subject
index
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016254140A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7040890B2 (ja
Inventor
記子 羽毛田
Kiko Umoda
記子 羽毛田
真史 高田
Masashi Takada
真史 高田
修敏 米田
Osatoshi Yoneda
修敏 米田
昌則 棚橋
Masanori Tanahashi
昌則 棚橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2016254140A priority Critical patent/JP7040890B2/ja
Publication of JP2018102730A publication Critical patent/JP2018102730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7040890B2 publication Critical patent/JP7040890B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

【課題】肌トラブルの要因を容易に把握可能とする技術を提供する。【解決手段】肌分析方法は、医療行為を除く方法であって、被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程(S11)と、前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて、前記被験者の肌トラブルの体内要因を推定する推定工程(S12)と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、肌の分析技術に関する。
肌や肌の状態は、気温や湿度、紫外線などの気候(外的要因)により日々変化している。そのため、肌の荒れ具合や肌色等の情報により被験者の美容や健康に役立てる試みがなされている。例えば、特許文献1には、鏡の使用者の顔画像から使用者の顔の肌状態を分析して、その分析結果を通知する手法が開示されている。この手法は、鏡に埋設された撮像手段でその鏡の使用者の顔画像を撮像し、その顔画像に独立成分分析を適用することでヘモグロビン色素成分情報を抽出する。額部領域のヘモグロビン色素成分量を基準にして鼻部領域のヘモグロビン量を比較分析することで、交感神経系活性度が分析結果として得られる。
特開2009−153609号公報
D.J.Heeger, J.R.Bergen, COMPUTER GRAPHICS PROCEEDINGS, p229-238(1995)
特許文献1の手法は、動静脈吻合血管が多く分布する鼻部と自律神経系の影響による血流量の変化がほとんどみられない額部とで、ヘモグロビン色素成分量を比較することにより、交感神経系活性度を判断するものであり、肌トラブルに関する判断をしているわけではない。一方、体調に影響する体内要因を測定する場合には、専用の装置が必要であったり、採血等侵襲による診断が必要になる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、非侵襲の簡便な方法により、美容上の肌トラブルの要因を容易に把握可能とする技術を提供する。
本発明の各態様では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
第一の態様は、医療行為を除く肌分析方法に関する。第一の態様に係る肌分析方法は、被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて、前記被験者の肌トラブルの体内要因を推定する推定工程と、を含む。
第二の態様は、肌美容カウンセリング方法に関する。第二の態様に係る肌美容カウンセリング方法は、被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて推定される前記被験者の肌トラブルの体内要因を示す要因情報、及び当該体内要因の改善提案情報の少なくとも一方を前記被験者に提示する提示工程と、を含む。
第三の態様は、飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法に関する。第三の態様に係る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法は、被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて推定される前記被験者の肌トラブルの体内要因を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を提示する提示工程と、を含む。
なお、本発明の別態様としては、赤み取得手段、推定手段、及び出力処理手段の中の少なくとも複数を備えて、上記各態様に係る方法を実行する肌分析装置、肌美容カウンセリング支援装置、又は、飲食品若しくは生活習慣改善手法の推奨装置であってもよい。また、上記各態様に係る方法を少なくとも一つのコンピュータに実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
上記各態様によれば、非侵襲の簡便な方法により、肌トラブルの要因を容易に把握可能とする技術を提供することができる。
第一実施形態の肌分析方法を示すフローチャートである。 ヘモグロビン成分画像の目視による赤み濃度値及び赤みムラ値の評価手法(第一の手法)を概念的に示す図である。 被験者の肌画像に対する画像解析による赤み濃度値及び赤みムラ値の算出手法(第三の手法)を概念的に示す図である。 第一実施形態の肌分析装置のハードウェア構成例を概念的に示す図である。 第一実施形態の肌分析装置の処理構成例を概念的に示す図である。 第二実施形態の肌分析方法を示すフローチャートである。 第二実施形態の肌分析装置の処理構成例を概念的に示す図である。 BMI値及び赤み指標値の2軸による肌トラブルの体内要因の推定手法を概念的に示す図である。 第三実施形態に係る肌美容カウンセリング方法を示すフローチャートである。 第三実施形態の肌美容カウンセリング支援装置の処理構成例を概念的に示す図である。 第四実施形態に係る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法を示すフローチャートである。 第四実施形態の飲食品又は生活習慣改善手法の推奨装置の処理構成例を概念的に示す図である。 「調査1」の結果として、赤み濃度値又は赤みムラ値と、BMI及び血液検査値との関係を示す表である。 図14(a)は、25以上のBMI値を有する被験者群のグラフであり、図14(b)は、18.5以上25未満のBMI値を有する被験者群のグラフであり、図14(c)は、18.5未満のBMI値を有する被験者群のグラフである。 「調査2」の結果として、赤み濃度値又は赤みムラ値と血液検査値との関係を示す表である。 図16(a)から(c)は、皮膚性状の変化とBMI及び血液検査値の変化との関係を示す表であり、図16(a)は、肌色指標、図16(b)は、皮脂量指標、図16(c)は、水分乾燥指標との関係を示す表である。 赤み濃度値を用いた肌美容カウンセリングの使用例である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に挙げる各実施形態はそれぞれ例示であり、本発明は以下の各実施形態の構成に限定されない。
まず、初めに、後述する各実施形態の概要について説明する。
各実施形態に係る肌分析方法は、医療行為を除く、美容のため等に用いられる方法であって、赤み取得工程と、推定工程とを含む。
赤み取得工程は、被験者の肌の赤み情報を取得する工程である。
ここで「肌の赤み情報」とは、被験者の肌の特定部位から視認される赤の色味を示す情報である。「肌の赤み情報」は、例えば、赤色の濃度、又は赤色のムラの度合を示す。
本方法では、肌の赤み情報の取得手法については限定されない。例えば、評価者が被験者の肌を直接目視することにより、肌の赤みを所定スケールで評価する手法であってもよい。また、被験者の肌が写る肌画像(顔画像や肌のみが写る肌画像であってもよい)が評価者により目視されてもよい。
赤み取得工程における他の具体的な取得手法については後述する。
推定工程は、赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて、被験者の肌トラブルの体内要因を推定する工程である。
ここで「肌トラブル」とは、潜在的又は顕在的に肌に何らかの問題が生じている状態を意味する。「肌トラブル」としては、例えば、顔色(明るさ、黄色み、赤みなど)、色ムラ、肌の乾燥、皮脂量、角層剥離量等の各肌症状が標準的な状態に対して増減している状態が該当する。但し、「肌トラブル」における問題の程度、即ち、正常状態からの乖離の程度は限定されない。肌の正常状態は、例えば、年齢層ごとに一般的に知られている健康な肌の状態とする。
また「体内要因」とは、肌トラブルに関与していると思われる人体の要因を意味する。「体内要因」としては、例えば、糖代謝、脂質代謝、炎症指標などの血液指標や、BMI(Body Mass Index)、体脂肪率などの体格指標などが該当する。各実施形態によれば、ヘモグロビン量などのように肌の見た目の赤さに直接的に関与する血液指標だけでなく、糖代謝、脂質代謝、炎症指標などのような肌の見た目の赤さに直接的に関与するわけではない血液指標を体内要因として推定することができる。
「血液指標」とは、血液に関する状態を分析することで得られる指標であり、例えば、血液検査で得られる各種指標(空腹時血糖、インスリンなど)などである。「血液指標」は、空腹時血糖、空腹時インスリン、HOMA−R、LDLC、HDLC、γ−GTなどのように詳細な指標であってもよいし、糖代謝、脂質代謝、炎症指標、肝機能などのように分類指標であってもよい。
「体格指標」とは、人の全体的な体つきに関する指標であり、例えば、体重、身長、BMI、体脂肪率、筋肉量、除脂肪量、体水分量、細胞外水分量などが挙げられる。
推定工程では、具体的な体内要因が推定されてもよい。例えば、被験者の肌トラブルの体内要因となり得る血液指標又は体格指標が特定されてもよい。また、推定工程では、その肌トラブルが体内の状態に起因しているか否かが推定されてもよい。例えば、被験者の肌トラブルに関して体内要因なし又は体内要因有りと推定してもよい。
また、推定工程では、その血液指標として、被験者の血液検査値が推定されてもよいし、その体格指標として、被験者の体格指標値が推定されてもよい。血液検査値としては、例えば、空腹時血糖値、空腹時インスリン、HOMA−R、HMW−Ad、高感度CRP、白血球数などがある。体格指標値としては、BMIの値、体脂肪率の値などがある。
本発明者らは、人の肌の赤み状態と健康状態(血液指標、体格指標など)とに関連性があり、かつ、健康状態と皮膚性状との間に関連性があることを検証し、これら関連性を用いて、人の肌の赤み情報から肌トラブルの体内要因を推定可能であることを見出した。
推定工程では、このような着想に基づく各種手法により、肌の赤み情報を用いた被験者の肌トラブルの体内要因の推定が行われる。推定工程における具体的推定手法については、後述する。
本方法によれば、被験者は、自身の肌の赤み情報から、血液検査などをすることなく、自身の肌のトラブルの要因を容易に把握することができる。
また、本発明の実施形態としては、上述の肌分析方法を実行する肌分析装置、又は上述の肌分析方法を少なくとも一つのコンピュータに実行させる肌分析プログラムが実現され得る。
以下、各実施形態についてより詳細にそれぞれ説明する。
[第一実施形態]
〔肌分析方法〕
図1は、第一実施形態の肌分析方法を示すフローチャートである。
第一実施形態の肌分析方法は、工程(S11)、工程(S12)、及び工程(S13)を含む。
工程(S11)は、上述の赤み取得工程に相当する。第一実施形態に係る肌分析方法は、工程(S11)において、被験者の肌画像を処理することにより、赤色の濃さ指標及びムラ指標の少なくとも一方の指標値を赤み情報として取得する。
被験者の肌画像は、被験者の肌が写る画像であればよく、全顔画像のように肌の或る程度広い範囲が写る画像であってもよいし、頬の一部といった肌の局部が写る画像であってもよい。
赤色の濃さ指標の指標値は、赤色の濃さの程度を示す値であり、以降、赤み濃度値と表記される場合もある。赤み濃度値は、濃いか薄いかを2値で示してもよいし、3段階以上の濃さスケールを3値以上で示してもよい。また、赤み濃度値は、肌における赤色の平均的な濃さを示すものであってもよいし、肌の対象範囲の中で最も濃い部分の濃さを示すものであってもよい。
赤色のムラ指標の指標値は、赤色のムラの程度を示す値であり、以降、赤みムラ値と表記される場合もある。赤色のムラとは、目視可能な赤色の部分的な濃淡を意味する。赤みムラ値は、ムラが多いか少ないかを2値で示してもよいし、3段階以上のムラスケールを3値以上で示してもよい。例えば、赤みムラ値は、人が目視し得る赤色の部分的な濃淡の分散の程度を示す。
即ち、本方法は、工程(S11)において、赤み濃度値、赤みムラ値、又は赤み濃度値及び赤みムラ値を赤み情報として取得する。以下、工程(S11)における各指標値の取得手法を例示する。
第一の手法は、被験者の肌画像からヘモグロビン成分画像を抽出し、このヘモグロビン成分画像を専門評価者が目視で評価する手法である。
図2は、ヘモグロビン成分画像の目視による赤み濃度値及び赤みムラ値の評価手法(第一の手法)を概念的に示す図である。図2の例では、被験者の全顔のカラー画像に対して独立成分分析を適用することによりヘモグロビン成分画像が抽出される。この抽出手法には、上述の特許文献1に開示される手法など公知の手法を利用すればよい。一方で、肌の赤みの濃度及びムラ度合が異なる複数人から同様の手法でヘモグロビン成分画像を予め抽出しておき、ヘモグロビン成分の濃度とムラとの2軸でフォトスケール(図2下部に例示)を作成しておく。このフォトスケールを用いて、専門評価者に被験者のヘモグロビン成分画像の赤み濃度と赤みムラとを評価させることにより、被験者の赤み濃度値及び赤みムラ値が取得される。
第二の手法は、被験者の肌画像からヘモグロビン成分画像を抽出し、このヘモグロビン成分画像内の検査領域の輝度値(画素値)を用いて赤み濃度値を算出する手法である。例えば、この手法は、偏光板を用いて被験者にS偏光を投射しP偏光を撮像することで被験者の全顔のSP偏光画像を取得し、このSP偏光画像に対して独立成分分析を適用することによりヘモグロビン成分画像を抽出する。SP偏光画像は、内部反射光成分が強い画像であるため、高精度のヘモグロビン成分画像を抽出することができる。抽出されたヘモグロビン成分画像の頬の部位を検査領域として所定サイズ(例えば、256×256ピクセル)で切り取り、その検査領域の平均輝度値を算出し、最高輝度値(255)に対するその平均輝度値の比率により赤み濃度値を算出する。
赤み濃度値=log(255/平均輝度値)
第三の手法は、被験者のヘモグロビン成分画像内の検査領域を画像ピラミッド法により空間周波数帯域の異なる複数の画像に分解し、分解された各画像の輝度値(画素値)を用いて赤み濃度値及び赤みムラ値を算出する手法である。
画像ピラミッド法には、ガウシアンピラミッド、ラプラシアンピラミッド、スティーラブルピラミッド等、様々な種類が存在し、赤みムラの分布特性などに応じて適切な手法が選択されればよい。また、空間周波数帯域は、撮影倍率等に応じて適宜定めることができる。画像ピラミッド法の詳細については上記非特許文献1に記載されている。
図3は、被験者の肌画像に対する画像解析による赤み濃度値及び赤みムラ値の算出手法(第三の手法)を概念的に示す図である。図3に例示される手法は、被験者の全顔のSP偏光画像から検査領域を切り出し、この検査領域に対して独立成分分析を適用することにより当該検査領域のヘモグロビン成分画像を抽出する。このヘモグロビン成分画像をグレースケール化した後、画像ピラミッド法により空間周波数帯域の異なる5層の画像L1からL5に分解し、分解された画像における必要な画像の輝度の標準偏差又は平均輝度値を算出する。一方で、肌の赤みの濃度及びムラ度合が異なる複数人のヘモグロビン成分画像から同様の手法で5層の画像をそれぞれ抽出し、各画像の輝度の標準偏差及び平均輝度値を説明変数候補とし、各人の赤み濃度値又は赤みムラ値を目的変数とする回帰式を求めておく。各人の赤み濃度値及び赤みムラ値は、例えば、目視スコアで決められる。本実施形態では、赤み濃度値を目的変数とする重回帰式及び赤みムラ値を目的変数とする重回帰式が算出される。例えば、前者は、画像L5の平均輝度値及び輝度の標準偏差を目的変数とする重回帰式であり、後者は、画像L4及びL5の輝度の標準偏差を目的変数とする重回帰式である。各重回帰式に、所定の空間周波数帯域の被験者の画像から上述のように得られた輝度の標準偏差又は平均輝度値を適用することにより、被験者の赤み濃度値及び赤みムラ値を算出する。
第四の手法は、被験者の肌画像に主成分分析を適用することにより所定の複数の赤み主成分画像の各々に対する寄与率をそれぞれ算出し、算出された寄与率により赤み濃度値及び赤みムラ値を算出する手法である。この手法では、肌の赤みの濃度及びムラ度合が異なる複数人の肌画像に対する主成分分析により複数の赤み主成分画像を予め導出しておく。その上で、例えば、赤み濃度と相関の高い赤み主成分の次数と、赤みムラと相関の高い赤み主成分の次数とを特定しておき、特定された各次数の寄与率を説明変数とし、赤み濃度値又は赤みムラ値を目的変数とする回帰式を導出しておく。この場合の赤み濃度値及び赤みムラ値は、上述のような他の手法で決められれば良い。この回帰式に被験者から抽出された各次数の寄与率をそれぞれ適用することにより、赤み濃度値及び赤みムラ値を算出することができる。
また、肌画像の特定された赤み主成分の次数を赤み指数にすることもできる。
このように、第一実施形態では、被験者の肌画像を処理することにより被験者の赤み情報が取得されるが、工程(S11)におけるこの取得手法は、肌画像を用いなくてもよく、上述の例に限定されない。
例えば、評価者が被験者の肌を直接目視することにより、濃さ又はムラを所定スケールで評価する手法であってもよい。また、この手法では、被験者の肌が写る肌画像(顔画像や肌のみが写る局部肌画像であってもよい)が評価者により目視されてもよい。この手法では、評価者により決められた目視スコアが赤み濃度値又は赤みムラ値とされる。
工程(S12)は、皮膚性状と相関のある血液指標の状態を推定する工程である。
「皮膚性状」とは、皮膚の性質及び状態を意味する。本発明者らは、実施例の項において述べるとおり、人の「皮膚性状」と相関のある「血液指標」の特定に成功した。例えば、角層水分量又は鱗屑状態と糖代謝に関わる血液指標(空腹時血糖、空腹時インスリンなど)とに相関があり、b値や皮脂量と脂質代謝に関わる血液指標(LDLC、TGなど)とに相関があることが確認されている。
工程(S12)で推定される「血液指標の状態」は、指標値で示されてもよいし、良し悪しなどのような評価結果で示されてもよい。前者の一例として、工程(S12)では、被験者の血液検査値が推定される。
ここで「血液検査値」とは、血液自体を検査する血液検査で得られる一種以上の検査項目の検査結果を示す値である。
工程(S12)における血液指標の状態推定には、母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液状態サンプルデータの統計情報、並びに、工程(S11)で取得された赤み情報が用いられる。
「赤みサンプルデータ」は、母集団を形成する各人から予め取得された、肌の赤みに関連するデータである。「赤みサンプルデータ」は、血液指標状態の推定精度を高めるためには、工程(S11)で取得される赤み情報と同種の情報のデータであることが好ましい。例えば、工程(S11)で取得される赤み情報が被験者の肌を目視評価することで得られる赤みの強度情報である場合、「赤みサンプルデータ」は、母集団を形成する各人の肌が同様に目視評価されることで得られた赤みの強度情報のデータであることが好ましい。但し、「赤みサンプルデータ」は、工程(S11)で取得される赤み情報とは他種の、その赤み情報と相関のある情報のデータであってもよい。例えば、工程(S11)で取得される赤み情報が被験者の肌を目視評価することで得られる赤みの強度情報である場合、「赤みサンプルデータ」は、母集団を形成する各人の肌画像を画像処理することで得られる赤み濃度情報であってもよい。
「血液状態サンプルデータ」は、母集団を形成する各人から予め取得された、皮膚性状と相関のある血液指標の状態を示すデータである。「血液状態サンプルデータ」は、血液指標状態の推定精度を高めるためには、工程(S12)で推定される血液指標と同指標のデータであることが好ましい。例えば、工程(S12)において血液検査値が推定される場合、「血液状態サンプルデータ」は、母集団を形成する各人から測定された血液検査値であることが好ましい。但し、「血液状態サンプルデータ」は、工程(S12)で推定される血液指標とは異なる種類の、当該血液指標と相関のある他のデータであってもよい。
「赤みサンプルデータ及び血液状態サンプルデータの統計情報」は、肌の赤みと血液指標の状態との相関関係に基づいて、赤みサンプルデータと血液状態サンプルデータとを統計処理することにより得られた情報である。肌の赤みと血液指標の状態との相関関係は、本発明者らにより新たに見出されたものであり、例えば、このような相関関係に基づく回帰分析により得られる回帰式が当該統計情報の一例として挙げられる。この例では、当該統計情報は、肌の赤み情報を説明変数とし、血液指標の状態(例えば、血液検査値など)を目的変数とする単回帰式又は重回帰式に該当する。「赤みサンプルデータ及び血液状態サンプルデータの統計情報」がそのような回帰式である場合、工程(S11)で取得された肌の赤み情報をその回帰式の説明変数に代入することにより、被験者に関する血液指標の状態を算出することができる。
例えば、工程(S11)で赤み情報として赤み濃度値及び赤みムラ値の少なくとも一方が取得され、工程(S12)で血液指標の状態として血液検査値が取得される場合、工程(S12)では次のようにして実行されてもよい。
まずは、母集団から赤み濃度値群及び赤みムラ値群を取得し、更に、各種検査により血液検査値群を取得する。そしてこれらを統計解析することにより、赤み濃度値又は赤みムラ値のいずれか一方を説明変数とし、血液検査値を目的変数とする単回帰式、又は、赤み濃度値及び赤みムラ値の両方を説明変数とし、血液検査値を目的変数とする重回帰式を導出することができる。
本方法は、工程(S12)において、このように導出された回帰式に工程(S11)で取得された赤み濃度値及び赤みムラ値の少なくとも一方を適用することにより、血液検査値を推定することができる。
両サンプルデータの取得元である母集団は、特に制限されない。その母集団は、男性のみ又は女性のみで形成されていてもよいし、特定の年齢層のみで形成されていてもよいし、特定の体格を持つ人のみで形成されていてもよい。
また、工程(S12)の推定手法は、上述のような手法に限定されない。
当該統計情報は、血液指標の軸と赤み情報の軸との2軸に、上述のように母集団から得られたサンプルデータに対する統計解析により得られる回帰直線を重畳したグラフであってもよい。この場合、工程(S12)は、工程(S11)で得られた赤み情報とそのグラフ上の回帰直線とを比べることにより、被験者の血液指標の状態を推定することができる。
更に、肌画像の特定された赤み主成分の次数の寄与率からその対象者の血中成分を推定することもできる。この場合は、複数人の肌画像に対する主成分分析により複数の赤み主成分画像とその寄与率を予め導出しておき、その上で、あらかじめ測定しておいた血中成分値のうち特定の血中成分値と相関の高い赤み主成分の次数を特定しておく。評価対象者については、肌画像の特定された赤み主成分の次数の寄与率からその対象者の血中成分を推定することができる。
工程(S13)は、工程(S12)で推定された状態に基づいて、被験者の肌トラブルの体内要因となり得る血液指標を特定する工程である。工程(S12)で状態が推定される血液指標は皮膚性状と相関があるため、その推定された状態が問題のある状態を示す場合には、その肌には、その血液指標と相関のある皮膚性状に関して顕在的又は潜在的な美容上の問題が生じている可能性がある。そこで、本方法は、工程(S13)において、工程(S12)で推定された血液指標の状態の中で問題のある状態を示す血液指標を被験者の肌トラブルの体内要因となり得るとして特定する。例えば、血液指標の状態として良し悪しが推定されている場合には、悪い状態と推定された血液指標が肌トラブルの体内要因として特定される。また、血液指標の状態として血液検査値が推定されている場合には、基準値を超える血液指標が肌トラブルの体内要因として特定される。
第一実施形態の肌分析方法には、上述のように人によって実施される工程が含まれてもよい。本方法は、肌の赤みと血液指標との間の相関性を用いることにより、血液検査のように時間と労力のかかる検査を行うことなく、被験者の肌の赤み情報から皮膚性状と相関のある血液指標の状態を推定し、被験者の肌トラブルの体内要因となり得る血液指標を、非侵襲かつ容易に特定することができるという一定の効果を反復継続して実現することができる。従って、例え、人によって実施される工程が含まれていたとしても、本方法は、全体として、自然法則を利用した技術的思想と言える。
〔肌分析装置〕
次に、第一実施形態の肌分析装置について図4及び図5を用いて説明する。
図4は、第一実施形態の肌分析装置10のハードウェア構成例を概念的に示す図である。
肌分析装置10は、いわゆるコンピュータであり、例えば、バスで相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、入出力インタフェース(I/F)13、通信ユニット14等を有する。肌分析装置10を形成する各ハードウェア要素の数はそれぞれ制限されず、これらハードウェア要素は情報処理回路と総称することもできる。また、肌分析装置10は、図4に図示されないハードウェア要素を含んでもよく、そのハードウェア構成は制限されない。
CPU11は、一般的なCPU以外に、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等で構成してもよい。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
入出力I/F13は、出力装置15、入力装置16等のユーザインタフェース装置と接続可能である。出力装置15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、CPU11等により処理された描画データに対応する画面を表示する装置、印刷装置などの少なくとも一つである。入力装置16は、キーボード、マウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。出力装置15及び入力装置16は一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。
通信ユニット14は、他のコンピュータとの通信網を介した通信や、他の機器との信号のやりとり等を行う。通信ユニット14には、可搬型記録媒体等も接続され得る。また、通信ユニット14には、被験者の肌を撮影するカメラ(図示せず)が接続されてもよい。
また、肌分析装置10、カメラを内蔵する機器であってもよい。
図5は、第一実施形態の肌分析装置10の処理構成例を概念的に示す図である。
肌分析装置10は、赤み取得部21、推定部22、出力処理部23等を有する。これら処理モジュールは、ソフトウェア要素であり、例えば、メモリ12に格納されるプログラムがCPU11により実行されることにより実現される。このプログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから入出力I/F13又は通信ユニット14を介してインストールされ、メモリ12に格納されてもよい。
肌分析装置10は、赤み取得部21、推定部22及び出力処理部23の動作により上述の肌分析方法を実現する。換言すれば、肌分析装置10は、インストールされたプログラムを実行することにより上述の肌分析方法を実行することができる。
赤み取得部21は、上述の工程(S11)を実行する。
赤み取得部21は、被験者に関する赤み濃度値又は赤みムラ値を外部のコンピュータ、機器などから入出力I/F13又は通信ユニット14を介して取得することができる。
また、赤み取得部21は、被験者の肌画像又はその肌画像を処理することで得られた画像(ヘモグロビン成分画像、画像ピラミッド法で分解された画像など)を外部から取得し、取得された画像を工程(S11)における取得手法と同様に処理することにより、被験者に関する赤み濃度値又は赤みムラ値を算出することもできる。
推定部22は、上述の工程(S12)及び工程(S13)を実行する。
推定部22は、母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液状態サンプルデータの統計情報を予め保持していてもよいし、外部のコンピュータが保持するその統計情報を通信により参照利用してもよい。
出力処理部23は、推定部22により推定された、肌トラブルの体内要因に関する情報を出力する。具体的には、出力処理部23は、工程(S13)で特定された血液指標の情報を肌トラブルの体内要因であるとして出力する。また、出力処理部23は、工程(S12)で推定された被験者の血液指標の状態を合わせて出力してもよい。この出力される血液指標の状態は、肌トラブルの体内要因とされた根拠情報となる。
出力処理部23による出力形態は制限されない。例えば、出力処理部23は、当該情報を電子ファイルとして出力可能に保持してもよいし、その電子ファイルを通信ユニット14を介して他のコンピュータに送信してもよい。また、出力処理部23は、当該情報を入出力I/F13を介して出力装置15に表示又は印刷させてもよい。
このように、第一実施形態では、被験者の肌画像を処理することにより、被験者の肌に関して、赤み濃度値及び赤みムラ値の少なくとも一方が赤み情報として取得される。そして、皮膚性状と相関のある血液指標の状態とこの赤み情報との間の相関関係に基づいて、その取得された被験者の肌の赤み情報から被験者の血液指標の状態が推定される。そして、この推定された状態に基づいて、被験者の肌トラブルの体内要因としての血液指標が特定される。
従って、第一実施形態によれば、被験者は、自身の肌画像を提供するだけで、血液検査を受けることもなく、被験者の肌トラブルの要因を容易に把握することができる。
[第二実施形態]
第二実施形態は、被験者の体格指標情報(例えば、BMI)を更に用いることで、被験者の血液指標状態の推定精度を向上させる。以下、第二実施形態に係る肌分析方法及び肌分析装置について、第一実施形態と異なる内容を中心説明する。以下の説明では、第一実施形態と同様の内容については適宜省略する。
〔肌分析方法〕
図6は、第二実施形態の肌分析方法を示すフローチャートである。
図6に示されるように、第二実施形態の肌分析方法は、被験者の体格指標情報を取得する工程(S21)と、被験者の肌の赤み情報を取得する工程(S22)と、被験者における皮膚性状と相関のある血液指標の状態を推定する工程(S23)と、被験者の肌トラブルの体内要因となり得る血液指標を特定する工程(S24)とを含む。但し、本方法において、工程(S21)と工程(S22)とは並列に実行されてもよいし、逆の順番で実行されてもよい。
工程(S21)において、本方法は、被験者の体格指標情報を取得する。
「体格指標」については第一実施形態にて述べた通りである。工程(S21)で取得される被験者の体格指標情報は、BMIのみ、体脂肪率のみなどといった一種の指標値であってもよいし、BMI及び体脂肪率といった複数種の指標値であってもよい。
工程(S21)は、被験者の体格指標を測定することを含んでもよいし、含まなくてもよい。本方法がコンピュータにより実行される場合、工程(S21)では、ユーザの入力操作に応じて当該体格指標情報を取得することができる。また、体格指標情報がBMIである場合、工程(S21)では、ユーザ操作で入力されたBMI値そのものを取得してもよいし、ユーザ操作で入力された身長データ及び体重データを取得し、それらに基づいて、BMI値を算出してもよい。
このように工程(S21)における体格指標情報の取得手法は制限されない。
工程(S22)は、第一実施形態の工程(S11)と同様である。
工程(S23)において、本方法は、母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液状態サンプルデータの統計情報、工程(S21)で取得された体格指標情報、並びに工程(S22)で取得された被験者の赤み情報を用いて、被験者における、皮膚性状と相関のある血液指標の状態を推定する。例えば、工程(S23)では、当該統計情報に加えて、工程(S22)で取得された被験者の赤み濃度値及び赤みムラ値の少なくとも一方、及び工程(S21)で取得された被験者のBMI値を用いて、被験者の血液検査値を推定する。
工程(S23)における体格指標情報の利用の仕方は様々である。
例えば、工程(S23)において、本方法は、体格指標情報が属する体格指標範囲と赤み情報が属する赤み範囲との組み合わせに基づいて、一種以上の血液指標の異常可能性を血液指標の状態として推定する。
ここで「血液指標の異常可能性」は、異常の可能性が高いか低いかを示してもよいし、異常の可能性の程度(異常の可能性60%など)であってもよい。
実施例の項で説明しているとおり、本発明者らは、体格指標情報に関する体格指標範囲と赤み情報に関する赤み範囲との特定の組み合わせにおいて、血液検査値が基準値範囲外(異常値)となる被験者の割合に一定の関係性があることを見出した。
そこで、本方法では、この一定の関係性に基づいて、複数の体格指標範囲及び複数の赤み範囲の中の特定の組み合わせの各々について、一種以上の血液指標の異常可能性を示す情報が関連付けられたデータテーブルが予め生成される。工程(S23)では、このデータテーブルを参照することで、被験者の体格指標情報が属する体格指標範囲と、被験者の肌の赤み情報が属する赤み範囲とを選択し、この選択された組み合わせに関連付けられた一種以上の血液指標における異常可能性を特定することができる。
更に、本発明者らにより、肥満体格を含む特定体格群における、肌の赤みと血液検査で得られる情報との間に相関が見出された。そこで、体格指標情報は、次のように利用されてもよい。
即ち、本方法は、被験者の体格指標情報に基づいて、その被験者が肥満体格を含む特定体格群に属するか否かを判定する工程を更に含み、この判定結果に応じて、工程(S23)の推定を実行するかしないかを決める。具体的には、本方法は、被験者が当該特定体格群に属する場合に、工程(S23)を実行し、被験者が当該特定体格群に属さない場合には、工程(S23)を実行しない。体格指標情報としてBMIが利用される場合、例えば、特定体格群は、推定精度の観点から、25以上のBMI値範囲により特定されることが好ましい。
このようにすることで、血液指標の状態を高精度に推定できる特定体格群に属する被験者に絞って本方法を適用することができるため、本方法の信頼性を高く維持することができる。
この場合、特定体格群に属するか否かの判定工程は、図6の例では、工程(S22)の前に実行されることが好ましい。但し、この判定工程は、少なくとも工程(S23)の前に実行されればよい。
工程(S24)は、第一実施形態の工程(S13)と同様である。例えば、工程(S23)において血液指標の状態として、血液指標の異常可能性の程度が推定された場合、工程(S24)において、本方法は、異常可能性の程度が所定閾値を超えている血液指標を被験者の肌トラブルの体内要因となり得るとして特定してもよい。
〔肌分析装置〕
図7は、第二実施形態の肌分析装置10の処理構成例を概念的に示す図である。第二実施形態の肌分析装置10は、第一実施形態の構成に加えて、体格指標取得部25を更に有する。体格指標取得部25についても他の処理モジュールと同様に実現される。
体格指標取得部25は、被験者の体格指標情報を取得する。即ち、体格指標取得部25は、上述の工程(S21)を実行する。
体格指標取得部25は、入出力I/F13又は通信ユニット14に体格指標の測定器(体重計、体脂肪計など)が接続されている場合、その測定器から当該体格指標情報を取得することができる。また、体格指標取得部25は、可搬型記録媒体、他のコンピュータ等から通信ユニット4を経由して当該体格指標情報を取得することもできる。体格指標取得部25は、体格指標情報の入力画面に対する入力装置16を用いたユーザ操作に応じて入力された体格指標情報を取得してもよい。また、体格指標取得部25は、体重データ及び身長データを取得して、体格指標情報としてのBMI値を算出することもできる。
赤み取得部21は、上述の工程(S22)を実行する。赤み取得部21は、第一実施形態と同様であればよい。
推定部22は、上述の工程(S23)及び工程(S24)を実行する。
推定部22は、複数の体格指標範囲及び複数の赤み範囲の中の特定の組み合わせの各々について一種以上の血液指標における異常可能性を示す情報が関連付けられたデータテーブルを予め保持していてもよいし、他のコンピュータに格納されているそのデータテーブルを参照してもよい。
また、推定部22は、上述のように、被験者が肥満体格を含む特定体格群に属するか否かを判定し、この判定結果で血液指標の状態を推定するか否かを切り替えてもよい。
出力処理部23は、第一実施形態と同様に、推定された肌トラブルの体内要因に関する情報を出力する。また、出力処理部23は、被験者が上述の特定体格群に属さないと判定された場合、推定をしないことを出力してもよい。また、出力処理部23は、体格指標情報の入力画面を出力装置15に表示させることもできる。
このように、第二実施形態によれば、被験者の体格指標情報と赤み情報とを用いて、被験者の血液指標が肌トラブルに係わる可能性を高精度に推定することができる。
[第二実施形態の変形例]
上述の第二実施形態の肌分析方法において、皮膚性状と相関のある血液指標の状態を推定する工程(S23)は省かれてもよい。
実施例の項で述べるように、本発明者らにより、BMIの変化と、鱗屑、皮脂量、及び角層剥離量の変化とに相関があることが認められた。そして、BMI値が高く、かつ、赤み指標値が大きい(濃度が高い又はムラが多い)場合には、鱗屑、皮脂量、角層剥離量などの要因となり得る代謝機能(糖代謝、脂質代謝)が低下している可能性が高いことが見出された。赤み指標値は、赤み濃度値若しくは赤みムラ値又はそれら両方を意味するものとする。
そこで、当該肌分析方法は、工程(S23)を実行することなく、工程(S24)において、工程(S21)で取得された体格指標情報と工程(S22)で取得された赤み情報との2軸により、被験者の肌トラブルの体内要因を推定することもできる。例えば、図8の例に示されるように、工程(S24)において、本方法は、代謝機能低下リスクの高低の判定を行うこともできる。
図8は、BMI値及び赤み指標値の2軸による肌トラブルの体内要因の推定手法を概念的に示す図である。図8に例示される推定手法では、赤み指標値とBMI値とが共に大きくなるにつれて、代謝機能の低下リスクが高いと推定される。この例では、代謝機能の低下リスクが高いと推定するための赤み指標値の閾値とBMI値の閾値とが予め決められ、代謝機能の低下リスクが中位であると推定するための各閾値がそれぞれ予め決められる。図8の例において工程(S24)で特定される肌トラブルの体内要因となる血液指標は、代謝機能となる。
[第三実施形態]
以下、上述の第一実施形態又は第二実施形態の一応用例として、肌美容カウンセリング方法及び肌美容カウンセリング支援装置について、第三実施形態として説明する。以下の説明では、上述の各実施形態と異なる内容を中心に説明し、上述の各実施形態と同様の内容については適宜省略する。
〔肌美容カウンセリング方法〕
第三実施形態に係る肌美容カウンセリング方法は、被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて推定される当該被験者の肌トラブルの体内要因を示す要因情報、及び当該体内要因の改善提案情報の少なくとも一方を当該被験者に提示する提示工程と、を含む。
「要因情報」は、被験者の肌トラブルの体内要因を示す情報である。
「改善提案情報」は、被験者の肌トラブルの体内要因の改善に関する情報である。「改善提案情報」は、対象となる体内要因の改善を促す情報であってもよいし、その改善方法を示す情報であってもよい。後者の改善提案情報では、例えば、推定された体内要因に適応した、適度の運動、ダイエットの推奨、食事改善などが提案される。
図9は、第三実施形態に係る肌美容カウンセリング方法を示すフローチャートである。
図9には、第二実施形態の肌分析方法を含む場合のフローが例示されている。即ち、工程(S31)、工程(S32)、工程(S33)、及び工程(S34)は、図6に示される工程(S21)、工程(S22)、工程(S23)、及び工程(S24)と同様である。なお、上述の赤み取得工程は、工程(S32)に相当する。更に、上記提示工程は、図9の工程(S35)に相当する。
要因情報は、工程(S34)で特定された血液指標に関する情報を含んでもよい。この場合、この要因情報の提示により、工程(S34)で特定された血液指標が被験者の肌トラブルの体内要因であることが被験者に提示される。更に、要因情報には、工程(S33)で推定された血液指標の状態(血液検査値など)が含まれてもよい。
また、推定され得る要因ごとに改善方法情報が関連付けられた対応表が予め用意されており、工程(S35)では、この対応表を用いて、改善提案情報を提示することができる。例えば、その対応表では、工程(S34)で特定され得る血液指標ごとにその血液指標の状態を改善するための方法の情報が関連付けられていてもよい。工程(S35)では、当該対応表がそのまま「改善提案情報」として提示されてもよいし、工程(S34)で特定された血液指標に対応する改善方法の情報のみが「改善提案情報」として提示されてもよい。
第三実施形態は、工程(S35)での提示手法を制限しない。
工程(S35)がコンピュータにより実行される場合には、要因情報又は改善提案情報のいずれか一方又はその両方が、表示装置に表示されてもよいし、印刷されてもよいし、音声で読み上げられてもよい。また、要因情報と改善提案情報とが異なる提示手法によりそれぞれ提示されてもよい。例えば、血液指標ごとにその血液指標の状態を改善するための方法の情報が関連付けられた対応表が予め印刷されており、その印刷物が被験者に提示されると共に、要因情報として工程(S34)で特定された血液指標に関する情報がコンピュータ出力されてもよい。
第三実施形態に係る肌美容カウンセリング方法は、第二実施形態の変形例に係る肌分析方法を含んでもよい。この場合、工程(S33)が省かれ、工程(S34)において、工程(S31)で取得された体格指標情報と工程(S32)で取得された赤み情報との2軸により、被験者の肌トラブルの体内要因として、代謝機能の低下リスクの高低を推定してもよい。そして、工程(S35)において、代謝機能の改善を促す又は代謝機能の改善方法を示す改善提案情報が提示される。工程(S35)では、図8のグラフ上の、被験者のBMI値及び赤み指標値に対応する位置にマーキングされた画像が要因情報として提示されてもよい。
〔肌美容カウンセリング支援装置〕
第三実施形態に係る肌美容カウンセリング支援装置は、被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得手段と、赤み取得手段で取得された赤み情報を用いて推定される当該被験者の肌トラブルの体内要因を示す要因情報及び当該体内要因の改善提案情報の少なくとも一方を出力する出力処理手段とを有する。
第三実施形態の肌美容カウンセリング支援装置のハードウェア構成は、制限されず、例えば、図4に例示される肌分析装置10の構成と同様であればよい。
図10は、第三実施形態の肌美容カウンセリング支援装置30の処理構成例を概念的に示す図である。第三実施形態の肌美容カウンセリング支援装置30は、赤み取得部31、体格指標取得部32、推定部33、出力処理部34等を有する。これら処理モジュールは、ソフトウェア要素であり、例えば、メモリ12に格納されるプログラムがCPU11により実行されることにより実現される。このプログラムは、例えば、CD、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから入出力I/F13又は通信ユニット14を介してインストールされ、メモリ12に格納されてもよい。
肌美容カウンセリング支援装置30は、赤み取得部31、体格指標取得部32、推定部33、及び出力処理部34の動作により上述の肌美容カウンセリング方法を実現する。換言すれば、肌美容カウンセリング支援装置30は、インストールされたプログラムを実行することにより上述の肌美容カウンセリング方法を実行することができる。
なお、体格指標情報が利用されない場合には、肌美容カウンセリング支援装置30は、体格指標取得部32を有していなくてもよい。
赤み取得部31は、上述の赤み取得手段に相当し、上述の工程(S32)を実行する。赤み取得部31の処理内容は、上述の赤み取得部21と同様であってもよい。
体格指標取得部32は、上述の工程(S31)を実行する。体格指標取得部32の処理内容は、上述の体格指標取得部25と同様であってもよい。
推定部33は、上述の工程(S33)及び工程(S34)を実行する。推定部33の処理内容は、上述の推定部22と同様であってもよい。
出力処理部34は、上述の出力処理手段に相当し、上述の工程(S35)を実行する。即ち、出力処理部34は、赤み取得部31で取得された赤み情報を用いて推定される被験者の肌トラブルの体内要因を示す要因情報及び当該体内要因の改善提案情報の少なくとも一方を出力する。
出力処理部34による出力形態は制限されない。例えば、出力処理部34は、要因情報と改善提案情報との少なくとも一方を電子ファイルとして出力可能に保持してもよいし、その電子ファイルを通信ユニット14を介して他のコンピュータに送信してもよい。また、出力処理部34は、当該情報を入出力I/F13を介して出力装置15に表示又は印刷させてもよい。
このように、第三実施形態によれば、被験者は、血液検査などをすることなく、肌トラブルの体内要因に関する情報やその改善情報を容易に取得することができる。
[第四実施形態]
以下、上述の第一実施形態又は第二実施形態の一応用例として、飲食品や生活習慣改善手法の推奨方法及び推奨装置について、第四実施形態として説明する。以下の説明では、上述の各実施形態と異なる内容を中心に説明し、上述の各実施形態と同様の内容については適宜省略する。
〔飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法〕
第四実施形態に係る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法は、被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて推定される当該被験者の肌トラブルの体内要因を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を提示する提示工程と、を含む。
ここでの「飲食品」とは、飲料若しくは食品又はその両方を意味する。この「飲食品」には、水に溶かして摂取するサプリメントと呼ばれる栄養補助食品なども含まれる。また、「生活習慣改善手法」とは、生活習慣を改善させるために被験者に提案する生活習慣メニューであり、例えば、一日の食事メニューや運動メニュー、食事時間や食事回数、運動時間などである。
「飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報」とは、肌トラブルの体内要因を改善させるのに推奨される飲食品又は生活習慣改善手法に関する情報である。
図11は、第四実施形態に係る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法を示すフローチャートである。
図11には、第二実施形態の肌分析方法を含む場合のフローが例示されている。即ち、工程(S41)、工程(S42)、工程(S43)、及び工程(S44)は、図6に示される工程(S21)、工程(S22)、工程(S23)、及び工程(S24)と同様である。なお、上述の赤み取得工程は、工程(S42)に相当する。
上記提示工程は、図11の工程(S45)に相当する。
工程(S44)で特定され得る血液指標ごとにその指標に係る血液状態を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法のリストを予め用意しておき、工程(S45)では、このリストを用いて、当該推奨情報を特定してもよい。このリストでは、例えば、炎症指標(高感度CRPなど)に関して炎症指標を調整し得る飲食品又は生活習慣改善手法が関連つけられ、糖代謝指標(空腹時血糖など)に関して糖代謝を調整し得る飲食品又は生活習慣改善手法が関連付けられ、脂質代謝指標(LDLCなど)に関して脂質代謝を調整し得る飲食品又は生活習慣改善手法が関連付けられる。本方法は、工程(S44)で特定された血液指標に関連付けられた飲食品又は生活習慣改善手法の情報を当該リストから抽出し、その情報を推奨情報に含めて提示する。また、工程(S45)では、工程(S44)で特定された血液指標に関する情報と当該リストとを合わせて当該推奨情報として提示してもよい。工程(S45)で提示される推奨情報では、一種の飲食品又は一種の生活習慣改善手法が示されてもよいし、複数種の飲食品又は複数種の生活習慣改善手法が示されてもよい。
工程(S45)で提示される推奨情報は、推奨すべき飲食品又は生活習慣改善手法を特定可能な情報(名称、写真、改善メニュー内容など)を少なくとも含むものであればよい。その推奨情報は、そのような識別情報に加えて、原材料や摂取方法、効能などのその飲食品に関する詳細情報又は生活習慣改善手法の詳細情報を更に含んでもよい。
第四実施形態においても、工程(S45)での提示手法を制限しない。
工程(S45)がコンピュータにより実行される場合には、当該推奨情報が、表示装置に表示されてもよいし、印刷されてもよいし、音声で読み上げられてもよい。また、当該推奨情報は、上述したように、複数種の情報から形成され、各情報が異なる提示手法によりそれぞれ提示されてもよい。
第四実施形態に係る当該推奨方法は、第二実施形態の変形例に係る肌分析方法を含んでもよい。この場合、工程(S43)が省かれ、工程(S44)において、工程(S41)で取得された体格指標情報と工程(S42)で取得された赤み情報との2軸により、被験者の肌トラブルの体内要因として、代謝機能の低下リスクの高低を推定してもよい。そして、工程(S45)において、代謝機能を改善し得る飲食品の推奨情報が提示される。工程(S45)では、図8のグラフ上の、被験者のBMI値及び赤み指標値に対応する位置にマーキングされた画像も合わせて提示されてもよい。
〔飲食品又は生活習慣改善手法の推奨装置〕
第四実施形態に係る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨装置(以降、単に推奨装置と略称する場合もある)は、被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得手段と、赤み取得手段で取得された赤み情報を用いて推定される当該被験者の肌トラブルの体内要因を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を出力する出力処理手段とを有する。
第四実施形態の推奨装置のハードウェア構成は、制限されず、例えば、図4に例示される肌分析装置10の構成と同様であればよい。
図12は、第四実施形態の飲食品又は生活習慣改善手法の推奨装置40の処理構成例を概念的に示す図である。第三実施形態の推奨装置40は、赤み取得部41、体格指標取得部42、推定部43、出力処理部44等を有する。これら処理モジュールは、ソフトウェア要素であり、例えば、メモリ12に格納されるプログラムがCPU11により実行されることにより実現される。このプログラムは、例えば、CD、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから入出力I/F13又は通信ユニット14を介してインストールされ、メモリ12に格納されてもよい。
推奨装置40は、赤み取得部41、体格指標取得部42、推定部43、及び出力処理部44の動作により上述の飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法を実現する。換言すれば、推奨装置40は、インストールされたプログラムを実行することにより上述の飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法を実行することができる。
なお、体格指標情報が利用されない場合には、推奨装置40は、体格指標取得部42を有していなくてもよい。
赤み取得部41は、上述の赤み取得手段に相当し、上述の工程(S42)を実行する。赤み取得部41の処理内容は、上述の赤み取得部21と同様であってもよい。
体格指標取得部42は、上述の工程(S41)を実行する。体格指標取得部42の処理内容は、上述の体格指標取得部25と同様であってもよい。
推定部43は、上述の工程(S43)及び工程(S44)を実行する。推定部43の処理内容は、上述の推定部22と同様であってもよい。
出力処理部44は、上述の出力処理手段に相当し、上述の工程(S45)を実行する。即ち、出力処理部44は、赤み取得部41で取得された赤み情報を用いて推定される被験者の肌トラブルの体内要因を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を出力する。
出力処理部44による出力形態は制限されない。例えば、出力処理部44は、推奨情報を電子ファイルとして出力可能に保持してもよいし、その電子ファイルを通信ユニット14を介して他のコンピュータに送信してもよい。また、出力処理部44は、推奨情報を入出力I/F13を介して出力装置15に表示又は印刷させてもよい。
このように、第四実施形態によれば、被験者は、血液検査などをすることなく、肌トラブルの体内要因を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の情報を容易に取得することができる。
以下に実施例を挙げ、上述の内容を更に詳細に説明する。本発明は、以下の実施例の記載に限定されない。
本発明者らは、30代から40代の女性362名(調査1)、及び50代前後の女性33名(調査2)の2群を対象に、肌の赤みと血液検査で得られる情報との関係を調査した。
肌の赤みを示す情報としては、第一実施形態における第一の手法、第二の手法、及び第三の手法で得られる赤み濃度値又は赤みムラ値が用いられ、母集団の各人から赤み濃度値、BMI、及び血液検査値が取得された。以下の説明では、このような血液検査値及びBMIを調査指標値と表記する場合もある。
図13は、赤み濃度値及び赤みムラ値(第一、第二、及び第三の手法)と、BMI及び血液検査値との関係を示す表である。
本調査では、次のような複数手法により複数タイプの肌の赤み情報が取得された。
「赤み評価法A」は、上述の第一の手法(図2参照)で取得された赤み濃度値である。
「赤み評価法B」は、上述の第一の手法(図2参照)で取得された赤みムラ値である。
「赤み評価法C」は、上述の第二の手法で取得された赤み濃度値である。
「赤み評価法D」は、上述の第三の手法(図3参照)で取得された赤み濃度値である。
「赤み評価法E」は、上述の第三の手法(図3参照)で取得された赤みムラ値である。
図13には、体格指標値としてBMIが示されており、空腹時血糖、空腹時インスリン、HOMA−Rなど、BMI以外の指標値が血液検査値として示されている。
図13の表中の数値は、各タイプの肌の赤み情報と各調査指標値との相関係数であり、5%有意水準で有意な値及び10%有意水準で有意な値の背景には、パターンが付されている。
図13に示されるように、当該赤み濃度値又は赤みムラ値は、体格指標、糖代謝、脂質代謝、血液一般等の生理指標と相関があること、特に、BMI、空腹時インスリン、HOMA−R、LDLC、non−HDLC、TG、ヘモグロビンは5%有意水準において相関があるこことが確認された。この相関性を用いることで、上述の実施形態で述べたように、被験者の肌の赤み濃度値又は赤みムラ値に基づいて、その被験者の血液指標の状態(血液検査値)を推定することができる。
図14(a)、図14(b)及び図14(c)は、異なるBMI値範囲のグラフであり、図14(a)は、25以上のBMI値を有する被験者群のグラフであり、図14(b)は、18.5以上25未満のBMI値を有する被験者群のグラフであり、図14(c)は、18.5未満のBMI値を有する被験者群のグラフである。
これら各図は、赤みムラ値(第三の手法)の高低と血液検査値の基準値範囲外者の割合との関係を示している。各図では、赤みムラ値の中央値で高グループと低グループとに区分けされている。
図示されるように、BMIの低いグループよりもBMIの高いグループのほうが、赤みムラ値の高低での血液検査値の基準値範囲外者の割合の差が大きくなっている。特に、25以上のBMIグループにおいて、血液検査値の基準値範囲外者の割合の差が、赤みムラ値の高低で顕著になっている。なお、18.5未満のBMIは低体重と定義され、18.5以上25.0未満のBMIは標準体重と定義され、25.0以上のBMIは肥満と定義される。
図14(a)、図14(b)及び図14(c)によれば、肥満体格を示すBMI値(25.0以上)を持つ被験者において、それよりも低いBMI値を持つ者に比べて、肌の赤み情報から血液検査で得られる情報を高精度に推定可能であることが確認できる。
更に、本発明者らは、50代前後で比較的肥満体格である(BMIが23.7から32.9の範囲)女性33名を母集団とした調査2において、赤み濃度値、赤みムラ値(第一、第二及び第三の手法)と血液検査値との関係を調査した。その結果が図15である。
図15で示されるように、当該赤み濃度値又は赤みムラ値は、高感度CRPやHMW−Adと10%有意水準において相関があることが確認された。この相関性を用いることで、上述の実施形態で述べたように、比較的肥満体格の被験者では、肌の赤み濃度値又はムラ値に基づいて、その被験者の血液指標の状態(血液検査値)も推定することができる。
更に、本発明者らは、調査2の母集団について、同一被験者に関する調査指標値の変化と肌状態の変化との関連性を調査した。この調査では、初期(0M)時から4M時までの4ヵ月間に栄養面及び運動面の各専門家により指導を4回行った。更に、初期時から12ヵ月後の12M時に33名中の25名を最終母集団として、25人から赤み濃度値又は赤みムラ値、及び調査指標値を取得した。
この調査の結果が、図16及び図17に示されている。
図16(a)、図16(b)、及び図16(c)には、皮膚性状を表す指標として、L値、b値、皮脂量、水分蒸散量、角層水分量、角層剥離量、及び鱗屑が例示されている。L値は、肌の明るさの程度を示し、b値は、肌の黄色みの程度を示す。鱗屑とは、角質細胞がはがれかかって皮膚に付着している状態の多さを示す。角層剥離量とは、角化の健常性を示し、その量が少ない場合、角化が正常な状態を示している。
なお、図16において、5%及び10%有意水準の背景には、パターンが付されている。
図16の各図に示されるように、BMI値の変化が、b値、皮脂量、及び角層剥離量の変化と相関があることが認められる。また、図16(a)から、L値及びb値のような肌色に由来する皮膚性状の変化が、TC、LDLC、non−HDLC、TG等の脂質代謝に関連する血液指標の変化、又は高感度CRPのような炎症指標に関連する血液指標の変化と5%或いは10%有意で相関があることが認められる。図16(b)から、皮脂量の変化が、LDLC、TGのような脂質代謝、及びHMW−Adのような血液指標の変化に関連する血液指標の変化と5%或いは10%有意で相関があることが認められる。更に図16(c)からは、角層水分量、水分蒸散量及び鱗屑のような水分及び乾燥に由来する皮膚性状の変化、並びに角層剥離量の変化が、空腹時血糖、空腹時インスリン、HOMA−Rのような糖代謝、及びLDLC、TGのような脂質代謝に関連する血液指標の変化と5%或いは10%有意で相関があることが認められる。
図16によれば、血液指標の変化が皮膚性状の変化に関連していることが確認できる。
図17は、肌美容カウンセリングの例を示す。被験者(ID)S1からS6のように同世代平均値より角層水分量の低い測定値を示す被験者群に対して、BMI及び赤み評価法Dを使用して評価すると、被験者S1からS3は比較的BMI及び赤み濃度値ともに低いのに対し、被験者S4からS6は、BMI及び赤み濃度値ともに比較的高いことがわかった。この結果から、被験者S1からS3には、スキンケア方法の指導のみを実施し、被験者S4からS6には、スキンケア方法の指導の他に、糖代謝の改善手法又は糖代謝の改善剤の推奨を実施できることがわかった。また、検証のために、このときの糖代謝の指標である空腹時血糖やHOMA−Rを評価すると、被験者S1からS3のいずれの指標も医学的な基準と比較すると正常範囲内である。一方、被験者S4からS6は、いずれの指標も基準値を超えていたり、被験者S1からS3と比べて、その検査値が高いことがわかる。これらの結果からこの推定は妥当であることが確認できた。
上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
上記の内容の一部又は全部は、次のようにも特定され得る。但し、上述の内容が以下の記載に制限されるものではない。
<1> 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、
前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて、前記被験者の肌トラブルの体内要因を推定する推定工程と、
を含む肌分析方法(医療行為を除く)。
<2> 前記赤み取得工程では、前記被験者の肌画像を処理することにより、赤色の濃さ指標及びムラ指標の少なくとも一方の指標値を前記赤み情報として取得する、
<1>に記載の肌分析方法(医療行為を除く)。
<3> 前記推定工程では、
母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液状態サンプルデータの統計情報、及び前記赤み情報を用いて、皮膚性状と相関のある血液指標の状態を推定し、
前記推定された状態に基づいて、前記被験者の前記肌トラブルの体内要因となり得る前記血液指標を特定する、
<1>又は<2>に記載の肌分析方法(医療行為を除く)。
<4> 前記推定工程は、前記皮膚性状と相関のある血液指標の状態として、前記被験者の血液検査値を推定する、
<3>に記載の肌分析方法(医療行為を除く)。
<5> 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、
前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて推定される前記被験者の肌トラブルの体内要因を示す要因情報、及び当該体内要因の改善提案情報の少なくとも一方を前記被験者に提示する提示工程と、
を含む肌美容カウンセリング方法。
<6> <1>から<4>のいずれか一つに記載の肌分析方法を含み、
前記推定工程で推定された、前記被験者の肌トラブルの体内要因を示す要因情報及び当該体内要因の改善提案情報の少なくとも一方を前記被験者に提示する提示工程、
を更に含む肌美容カウンセリング方法。
<7> 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、
前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて推定される前記被験者の肌トラブルの体内要因を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を提示する提示工程と、
を含む飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法。
<8> <1>から<4>のいずれか一つに記載の肌分析方法を含み、
前記推定工程で推定された、前記被験者の肌トラブルの体内要因を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を提示する提示工程、
を更に含む飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法。
<9> 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得手段と、
前記赤み取得手段で取得された赤み情報を用いて、前記被験者の肌トラブルの体内要因を推定する推定手段と、
を備える肌分析装置。
<10> 前記赤み取得手段は、前記被験者の肌画像を処理することにより、赤色の濃さ指標及びムラ指標の少なくとも一方の指標値を前記赤み情報として取得する、
<9>に記載の肌分析装置。
<11> 前記推定手段は、
母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液状態サンプルデータの統計情報、及び前記赤み情報を用いて、皮膚性状と相関のある血液指標の状態を推定し、
前記推定された状態に基づいて、前記被験者の前記肌トラブルの体内要因となり得る前記血液指標を特定する、
<9>又は<10>に記載の肌分析装置。
<12> 前記推定手段は、前記皮膚性状と相関のある血液指標の状態として、前記被験者の血液検査値を推定する、
<11>に記載の肌分析装置。
<13> 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得手段と、
前記赤み取得手段で取得された赤み情報を用いて推定される前記被験者の肌トラブルの体内要因を示す要因情報及び当該体内要因の改善提案情報の少なくとも一方を出力する出力処理手段と、
を備える肌美容カウンセリング支援装置。
<14> 前記赤み取得手段で取得された赤み情報を用いて、前記被験者の肌トラブルの体内要因を推定する推定手段、
を更に備え、
前記推定手段は、
母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液状態サンプルデータの統計情報、及び前記赤み情報を用いて、皮膚性状と相関のある血液指標の状態を推定し、
前記推定された状態に基づいて、前記被験者の前記肌トラブルの体内要因となり得る前記血液指標を特定し、
前記出力処理手段は、前記特定された血液指標を示す前記要因情報及び前記特定された血液指標の改善提案情報の少なくとも一方を出力する、
<13>に記載の肌美容カウンセリング支援装置。
<15> 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得手段と、
前記赤み取得手段で取得された赤み情報を用いて推定される前記被験者の肌トラブルの体内要因を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を出力する出力処理手段と、
を備える飲食品又は生活習慣改善手法の推奨装置。
<16> 前記赤み取得手段で取得された赤み情報を用いて、前記被験者の肌トラブルの体内要因を推定する推定手段、
を更に備え、
前記推定手段は、
母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液状態サンプルデータの統計情報、及び前記赤み情報を用いて、皮膚性状と相関のある血液指標の状態を推定し、
前記推定された状態に基づいて、前記被験者の前記肌トラブルの体内要因となり得る前記血液指標を特定し、
前記出力処理手段は、前記特定された血液指標を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を出力する、
<15>に記載の飲食品又は生活習慣改善手法の推奨装置。
10、30 肌分析装置
11 CPU
12 メモリ
13 入出力I/F
14 通信ユニット
15 出力装置
16 入力装置
21、31、41 赤み取得部
22、33、43 推定部
23、34、44 出力処理部
25、32、42 体格指標取得部
30 肌美容カウンセリング支援装置
40 飲食品又は生活習慣改善手法の推奨装置

Claims (11)

  1. 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、
    前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて、前記被験者の肌トラブルの体内要因を推定する推定工程と、
    を含む肌分析方法(医療行為を除く)。
  2. 前記赤み取得工程では、前記被験者の肌画像を処理することにより、赤色の濃さ指標及びムラ指標の少なくとも一方の指標値を前記赤み情報として取得する、
    請求項1に記載の肌分析方法(医療行為を除く)。
  3. 前記推定工程では、
    母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液状態サンプルデータの統計情報、及び前記赤み情報を用いて、皮膚性状と相関のある血液指標の状態を推定し、
    前記推定された状態に基づいて、前記被験者の前記肌トラブルの体内要因となり得る前記血液指標を特定する、
    請求項1又は2に記載の肌分析方法(医療行為を除く)。
  4. 前記推定工程は、前記皮膚性状と相関のある血液指標の状態として、前記被験者の血液検査値を推定する、
    請求項3に記載の肌分析方法(医療行為を除く)。
  5. 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、
    前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて推定される前記被験者の肌トラブルの体内要因を示す要因情報、及び当該体内要因の改善提案情報の少なくとも一方を前記被験者に提示する提示工程と、
    を含む肌美容カウンセリング方法。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の肌分析方法を含み、
    前記推定工程で推定された、前記被験者の肌トラブルの体内要因を示す要因情報及び当該体内要因の改善提案情報の少なくとも一方を前記被験者に提示する提示工程、
    を更に含む肌美容カウンセリング方法。
  7. 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、
    前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて推定される前記被験者の肌トラブルの体内要因を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を提示する提示工程と、
    を含む飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法。
  8. 請求項1から4のいずれか一項に記載の肌分析方法を含み、
    前記推定工程で推定された、前記被験者の肌トラブルの体内要因を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を提示する提示工程、
    を更に含む飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法。
  9. 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得手段と、
    前記赤み取得手段で取得された赤み情報を用いて、前記被験者の肌トラブルの体内要因を推定する推定手段と、
    を備える肌分析装置。
  10. 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得手段と、
    前記赤み取得手段で取得された赤み情報を用いて推定される前記被験者の肌トラブルの体内要因を示す要因情報及び当該体内要因の改善提案情報の少なくとも一方を出力する出力処理手段と、
    を備える肌美容カウンセリング支援装置。
  11. 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得手段と、
    前記赤み取得手段で取得された赤み情報を用いて推定される前記被験者の肌トラブルの体内要因を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を出力する出力処理手段と、
    を備える飲食品又は生活習慣改善手法の推奨装置。
JP2016254140A 2016-12-27 2016-12-27 肌分析方法及び肌分析装置 Active JP7040890B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016254140A JP7040890B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 肌分析方法及び肌分析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016254140A JP7040890B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 肌分析方法及び肌分析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018102730A true JP2018102730A (ja) 2018-07-05
JP7040890B2 JP7040890B2 (ja) 2022-03-23

Family

ID=62786098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016254140A Active JP7040890B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 肌分析方法及び肌分析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7040890B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020014710A (ja) * 2018-07-26 2020-01-30 ポーラ化成工業株式会社 肌状態の鑑別法
KR20220149107A (ko) * 2021-04-30 2022-11-08 성균관대학교산학협력단 피부영상, 또는 건강 정보 및 신체 정보를 이용하여 헤모글로빈 농도를 추정하는 방법 및 상기 방법을 수행하는 헤모글로빈 농도 추정 장치
WO2024085120A1 (ja) * 2022-10-18 2024-04-25 株式会社資生堂 血管推定装置、血管推定方法、およびプログラム

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003093351A (ja) * 2001-09-26 2003-04-02 Kao Corp 肌のカウンセリングシステム
JP2006271815A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Kao Corp 肌の酸素飽和度計測方法及び計測システム
JP2011118655A (ja) * 2009-12-03 2011-06-16 Kao Corp 画像処理装置および画像処理方法
JP2011118671A (ja) * 2009-12-03 2011-06-16 Kao Corp 画像処理装置、画像処理方法、画像処理システム、肌評価方法
JP2012205855A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Kao Corp 体表評価方法および体表評価装置
JP2013141605A (ja) * 2012-01-10 2013-07-22 Cnoga Holdings Ltd カラー画像から化粧品および栄養食品のレジメンを提供するウェブサイト
WO2014002255A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 株式会社 東芝 健康管理支援装置、方法およびプログラム
JP2016529953A (ja) * 2013-06-27 2016-09-29 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 外照射療法における皮膚火傷のリアルタイム定量化
JP2016533786A (ja) * 2013-11-01 2016-11-04 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 患者の生命状態を取得するための患者インタフェースを具備する治療システム

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003093351A (ja) * 2001-09-26 2003-04-02 Kao Corp 肌のカウンセリングシステム
JP2006271815A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Kao Corp 肌の酸素飽和度計測方法及び計測システム
JP2011118655A (ja) * 2009-12-03 2011-06-16 Kao Corp 画像処理装置および画像処理方法
JP2011118671A (ja) * 2009-12-03 2011-06-16 Kao Corp 画像処理装置、画像処理方法、画像処理システム、肌評価方法
JP2012205855A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Kao Corp 体表評価方法および体表評価装置
JP2013141605A (ja) * 2012-01-10 2013-07-22 Cnoga Holdings Ltd カラー画像から化粧品および栄養食品のレジメンを提供するウェブサイト
WO2014002255A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 株式会社 東芝 健康管理支援装置、方法およびプログラム
JP2016529953A (ja) * 2013-06-27 2016-09-29 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 外照射療法における皮膚火傷のリアルタイム定量化
JP2016533786A (ja) * 2013-11-01 2016-11-04 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 患者の生命状態を取得するための患者インタフェースを具備する治療システム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020014710A (ja) * 2018-07-26 2020-01-30 ポーラ化成工業株式会社 肌状態の鑑別法
JP7442960B2 (ja) 2018-07-26 2024-03-05 ポーラ化成工業株式会社 肌状態の鑑別法
KR20220149107A (ko) * 2021-04-30 2022-11-08 성균관대학교산학협력단 피부영상, 또는 건강 정보 및 신체 정보를 이용하여 헤모글로빈 농도를 추정하는 방법 및 상기 방법을 수행하는 헤모글로빈 농도 추정 장치
KR102540755B1 (ko) * 2021-04-30 2023-06-07 성균관대학교산학협력단 피부영상, 또는 건강 정보 및 신체 정보를 이용하여 헤모글로빈 농도를 추정하는 방법 및 상기 방법을 수행하는 헤모글로빈 농도 추정 장치
WO2024085120A1 (ja) * 2022-10-18 2024-04-25 株式会社資生堂 血管推定装置、血管推定方法、およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7040890B2 (ja) 2022-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Dimauro et al. A new method and a non-invasive device to estimate anemia based on digital images of the conjunctiva
Babayan et al. A mind-brain-body dataset of MRI, EEG, cognition, emotion, and peripheral physiology in young and old adults
Mayer et al. BMI and WHR are reflected in female facial shape and texture: a geometric morphometric image analysis
Everett et al. Making sense of skin color in clinical care
Pinna et al. Heart rate variability measures: a fresh look at reliability
KR101535432B1 (ko) 콘텐츠 평가 시스템 및 이를 이용한 콘텐츠 평가 방법
Benedetto et al. Remote heart rate monitoring-Assessment of the Facereader rPPg by Noldus
Pham et al. Effectiveness of consumer-grade contactless vital signs monitors: a systematic review and meta-analysis
CA2735656A1 (en) An objective model of apparent age, methods and use
JP2018504174A (ja) アレルギー検査で使用するための方法及び機器
Bountziouka et al. Statistical methods used for the evaluation of reliability and validity of nutrition assessment tools used in medical research
Thorstenson The social psychophysics of human face color: Review and recommendations
JP7040890B2 (ja) 肌分析方法及び肌分析装置
GB2565036A (en) Adaptive media for measurement of blood glucose concentration and insulin resistance
Hoffman et al. Smartphone camera oximetry in an induced hypoxemia study
WO2020158804A1 (ja) 血圧測定装置、モデル設定装置、および血圧測定方法
CN104970797B (zh) 皮肤分类方法、化妆品的推荐方法以及皮肤分类卡
Iuchi et al. Stress levels estimation from facial video based on non-contact measurement of pulse wave
West et al. Altered task-induced cerebral blood flow and oxygen metabolism underlies motor impairment in multiple sclerosis
WO2018155447A1 (ja) 脳情報解析装置及び脳情報模倣演算装置
Adibuzzaman et al. Assessment of pain using facial pictures taken with a smartphone
Park et al. Reliability and validity of tongue color analysis in the prediction of symptom patterns in terms of East Asian Medicine
JP7062359B2 (ja) 生理指標の推定方法及び推定装置並びに健康情報の推定方法及び推定装置
TWI489306B (zh) Health status assessment methods and the use of the method of health assessment system
Nwankwo et al. Comparison of blood pressure measurements obtained in the home setting: analysis of the Health Measures at Home Study

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200929

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210615

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210813

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211013

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220310

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7040890

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151