JP6207335B2 - 水出しコーヒー及び水出しコーヒー製造装置 - Google Patents
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- Apparatus For Making Beverages (AREA)
Description
このような水出しコーヒーを製造する従来の水出しコーヒー製造技術では、焙煎コーヒー豆を微粉砕してなるコーヒー粉末と常温水との混合液をフィルターで濾過して、水出しコーヒーを得るようにしている。更に、水出しコーヒーの抽出には、低温の常温水を利用するため、コーヒー成分を十分に抽出するためには、例えばフィルターで濾過後の抽出液を再度フィルターに循環させるなどのように、コーヒー粉末と抽出液とを長時間にわたって接触させる必要があった(例えば特許文献1を参照。)。
そこで、短時間で水出しコーヒーの抽出を行う従来の水出しコーヒー製造装置として、コーヒー粉末と常温水との混合液を減圧環境下に晒してコーヒー粉末への常温水の浸透を促進させ、その混合液を別途準備したフィルターで濾過してコーヒー成分が十分に抽出された水出しコーヒーを得るものが知られている(例えば特許文献2を参照。)。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、コーヒー成分が十分に抽出された水出しコーヒー、及び、合理的な装置構成を採用しつつ煩雑な作業を必要とすることなく短時間でそのような水出しコーヒーを得ることができる水出しコーヒー製造装置を提供する点にある。
焙煎コーヒー豆を微粉砕してなるコーヒー粉末と常温水との混合液をフィルター部で濾過してコーヒー抽出液を得る水出しコーヒー製造装置であって、
その特徴構成は、
上部にコーヒー粉末と常温水とが投入される投入口が形成され、底部にコーヒー抽出液を払い出す払出口が形成された筒状の収容容器を備えると共に、前記フィルター部が、前記収容容器内に貯留する混合液に浸漬されて前記投入口と前記払出口とを区画する姿勢で配置され、且つ、
前記投入口及び前記払出口が開閉自在に構成され、
前記収容容器内の空気を吸引する吸引手段と、
運転を制御する運転制御手段とを備え、
前記運転制御手段が、
前記投入口を開放すると共に前記払出口を閉鎖して、前記投入口を介して前記収容容器内へのコーヒー粉末と常温水の投入を受け付ける材料投入処理を実行し、
次に、前記投入口を閉鎖した状態で、前記吸引手段を作動させて、前記収容容器内を減圧させる抽出処理を実行し、
次に、前記吸引手段を停止すると共に、前記払出口を開放する払出処理を実行し、
前記フィルター部を振動可能な振動手段を備え、
前記運転制御手段が、前記抽出処理において、前記振動手段を作動させ、
前記フィルター部が有底筒状に形成され、
前記振動手段としての超音波素子が、前記投入口を開閉する蓋部の下面に、前記投入口を前記蓋部で閉鎖した状態において前記フィルター部の上方外周縁に接触する位置に配置される点にある。
また、この目的を達成するための本発明に係る水出しコーヒーは、
焙煎コーヒー豆を微粉砕してなるコーヒー粉末と常温水との混合液をフィルター部で濾過してコーヒー抽出液として得られる水出しコーヒーであって、
その特徴構成は、
本発明に係る水出しコーヒー製造装置で製造された点にある。
即ち、材料投入処理を実行することで、収容容器内に、開放された投入口から、コーヒー粉末と常温水とを投入することができる。すると、収容容器内には、混合液が貯留され、それに浸漬する状態で配置されたフィルター部の上面にコーヒー粉末が堆積することになる。
次に、抽出工程を実行することで、投入口及び排出口の両方が閉鎖され収容容器内が気密に維持された状態で、吸引手段が作動して、収容容器内が減圧される。すると、混合液の溶存空気が除去されると共に、コーヒー粉末の粒子に形成された空隙から空気が除去されることで、常温水のコーヒー粉末の浸透が促進され、結果、常温水に対してコーヒー粉末からコーヒー成分が良好に抽出され、コーヒー成分が十分に抽出されたコーヒー抽出液を短時間で生成することができる。
次に、払出工程を実行することで、払出口が開放されることで、投入口等から収容容器内への空気の導入を伴って、フィルター部により混合液からコーヒー粉末を濾過しつつ、収容容器内のコーヒー抽出液を水出しコーヒーとして払出口から払い出すことができる。
従って、本発明により、コーヒー成分が十分に抽出された水出しコーヒー、及び、合理的な装置構成を採用しつつ煩雑な作業を必要とすることなく短時間でそのような水出しコーヒーを得ることができる水出しコーヒー製造装置を提供することができる。
又、本特徴構成によれば、抽出工程を実行することで、振動手段が作動して、フィルター部が振動するので、コーヒー粉末のフィルター部への目詰まりが抑制される。よって、次の払出工程において、フィルター部に対するコーヒー抽出液の通過が促進されるので、コーヒー抽出液の収容容器内からの払い出しを迅速に行うことができる。
前記収容容器内へ空気を圧送する圧送手段を備え、
前記運転制御手段が、前記払出処理において、前記圧送手段を作動させて、前記収容容器内を昇圧させる点にある。
前記収容容器内において前記フィルター部上面に沿って撹拌翼を回転可能な撹拌手段を備え、
前記運転制御手段が、前記抽出処理において、前記撹拌手段を作動させる点にある。
更に、フィルター部の上面においてコーヒー粉末が液相とともに対流するので、コーヒー粉末のフィルター部への目詰まりが抑制される。よって、次の払出工程において、フィルター部に対するコーヒー抽出液の通過が促進されるので、コーヒー抽出液の収容容器内からの払い出しを迅速に行うことができる。
前記コーヒー粉末の平均粒子径が1〜1000μmの範囲内である点にある。
本実施形態の水出しコーヒー製造装置は、図1〜図4、特に図3を参照して、焙煎コーヒー豆を微粉砕してなるコーヒー粉末CPと常温水Wとの混合液MWをフィルター部2で濾過してコーヒー抽出液CWを得るものであって、合理的な装置構成を採用しつつ煩雑な作業を必要とすることなく短時間でコーヒー成分が十分に抽出されたコーヒー抽出液CWを得るものとして構成されている。
収容容器1は、有底円筒状に形成された金属製の圧力容器として構成されており、図1及び図2に示すように、その上部にはコーヒー粉末CPと常温水Wとが投入される投入口10が形成され、更に、図4に示すように、底部にはコーヒー抽出液CWを水出しコーヒーとして払い出す払出口15が形成されている。
ここで、本実施形態の水出しコーヒー製造装置では、コーヒー粉末CPから常温水Wへのコーヒー成分の抽出を促進させるべく、細胞レベルまで粉砕されて平均粒子径が1〜30μmの範囲内となるコーヒー粉末CPが利用される。尚、このような微小粒子径のコーヒー粉末CPは、コーヒー豆を凍結粉砕することにより得ることができる。
そして、フィルター部2は、このような微小粒子径のコーヒー粉末CPを濾過することができる程度の濾過精度(例えば0.8μm〜24μm)を有するものを利用することが望ましい。
尚、コーヒー粉末の平均粒子径やフィルター部2の濾過精度は、コーヒー成分の抽出し易さ許容できる抽出時間等に合わせて適宜変更可能である。例えば、コーヒー粉末の平均粒径を1〜1000μmとしても構わない。
一方、収容容器1の払出口15は、収容容器1の底部に接続された管路として構成されており、その管路に設けられた払出口開閉弁16が開閉動作することにより、開閉自在に構成されている。
即ち、投入口10を蓋部7で閉鎖した状態において、図3に示すように、吸引ポンプ11を作動させれば、収容容器1内の空気を吸引して外部へ排出することができ、一方、図4に示すように、押込みポンプ12を作動させれば外部の空気を収容容器1内へ圧送することができる。
撹拌手段5は、蓋部7の中心に固定された撹拌用モータ5aと、その撹拌用モータ5aにより回転駆動されて有底円筒状のフィルター部2と同軸上に配置された回転軸5bと、その回転軸5bから放射状に設けられた撹拌翼5cとを備える。
そして、投入口10を蓋部7で閉鎖した状態において、図3及び図4に示すように、撹拌用モータ5aを作動させると、撹拌翼5cが回転軸5bを中心にフィルター部2上面に沿って回転することになる。
即ち、超音波振動子8は、投入口10を蓋部7で閉鎖した状態においてフィルター部2の上方外周縁に接触する位置に配置されており、その状態で作動することで、フィルター部2に対して機械的な振動を付加して、フィルター部2を振動させることができる。
そして、この制御部20は、吸引ポンプ11、押込みポンプ12、撹拌用モータ5a、蓋部開閉用アクチュエータ4、払出口開閉弁16の作動を制御することで、後述する材料投入処理、抽出処理、及び、払出処理を実行し、水出しコーヒーとなるコーヒー抽出液CWを製造することができる。
以下、この制御部20により実行される処理フローの詳細について説明する。
この状態で、図1に示すように、投入口10から収容容器1内にコーヒー粉末CPが投入されて、そのコーヒー粉末CPがフィルター部2の上面に堆積し、続いて、図2に示すように、投入口10から収容容器1内に常温水Wが投入されて、その常温水Wが収容容器1内に貯留することになる。
更に、この抽出処理では、超音波振動子8の作動が開始されて、フィルター部2が振動される。すると、コーヒー粉末CPのフィルター部2への目詰まりが一層抑制されることになる。
また、この払出処理では、押込みポンプ12の作動が開始されて、外部から収容容器1内へ空気が強制的に圧送されることで、収容容器1内が昇圧される。すると、収容容器1内の液面に係る圧力が増加して、コーヒー粉末CPによる目詰まりが発生するフィルター部2に対するコーヒー抽出液CWの通過が促進されて、コーヒー抽出液CWの払出口15からの払い出しが迅速に行われることになる。
更に、この払出処理でも、撹拌用モータ5aの作動が継続されて、収容容器1内に対流が発生される。すると、フィルター部2の上面においてコーヒー粉末CPの対流が維持された状態となってコーヒー粉末CPのフィルター部2への目詰まりが抑制されるので、結果、フィルター部2に対するコーヒー抽出液CWの通過が一層促進されて、コーヒー抽出液CWの払出口15からの払い出しが一層迅速に行われることになる。
更に、この払出処理でも、超音波振動子8の作動が継続されて、フィルター部2が振動される。すると、コーヒー粉末CPのフィルター部2への目詰まりが一層抑制されるので、結果、コーヒー抽出液CWの払出口15からの払い出しが一層迅速に行われることになる。
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、払出処理において、圧送手段としての押込みポンプ12を作動させて、収容容器1内を昇圧させて、払出口15からのコーヒー抽出液CWの払出を迅速に行うように構成したが、自然落下によりコーヒー抽出液CWを払い出す場合には、圧送手段としての押込みポンプ12により昇圧する構成を省略しても構わない。
2 :フィルター部
5 :撹拌手段
5c :撹拌翼
7 :蓋部
8 :超音波振動子(振動手段)
10 :投入口
11 :吸引ポンプ(吸引手段)
12 :押込みポンプ(圧送手段)
15 :払出口
16 :払出口開閉弁
20 :制御部(運転制御手段)
CP :コーヒー粉末
CW :コーヒー抽出液(水出しコーヒー)
MW :混合液
W :常温水
Claims (5)
- 焙煎コーヒー豆を微粉砕してなるコーヒー粉末と常温水との混合液をフィルター部で濾過してコーヒー抽出液を得る水出しコーヒー製造装置であって、
上部にコーヒー粉末と常温水とが投入される投入口が形成され、底部にコーヒー抽出液を払い出す払出口が形成された筒状の収容容器を備えると共に、前記フィルター部が、前記収容容器内に貯留する混合液に浸漬されて前記投入口と前記払出口とを区画する姿勢で配置され、且つ、
前記投入口及び前記払出口が開閉自在に構成され、
前記収容容器内の空気を吸引する吸引手段と、
運転を制御する運転制御手段とを備え、
前記運転制御手段が、
前記投入口を開放すると共に前記払出口を閉鎖して、前記投入口を介して前記収容容器内へのコーヒー粉末と常温水の投入を受け付ける材料投入処理を実行し、
次に、前記投入口を閉鎖した状態で、前記吸引手段を作動させて、前記収容容器内を減圧させる抽出処理を実行し、
次に、前記吸引手段を停止すると共に、前記払出口を開放する払出処理を実行し、
前記フィルター部を振動可能な振動手段を備え、
前記運転制御手段が、前記抽出処理において、前記振動手段を作動させ、
前記フィルター部が有底筒状に形成され、
前記振動手段としての超音波素子が、前記投入口を開閉する蓋部の下面に、前記投入口を前記蓋部で閉鎖した状態において前記フィルター部の上方外周縁に接触する位置に配置される水出しコーヒー製造装置。 - 前記収容容器内へ空気を圧送する圧送手段を備え、
前記運転制御手段が、前記払出処理において、前記圧送手段を作動させて、前記収容容器内を昇圧させる請求項1に記載の水出しコーヒー製造装置。 - 前記収容容器内において前記フィルター部上面に沿って撹拌翼を回転可能な撹拌手段を備え、
前記運転制御手段が、前記抽出処理において、前記撹拌手段を作動させる請求項1又は2に記載の水出しコーヒー製造装置。 - 前記コーヒー粉末の平均粒子径が1〜1000μmの範囲内である請求項1〜3の何れか1項に記載の水出しコーヒー製造装置。
- 焙煎コーヒー豆を微粉砕してなるコーヒー粉末と常温水との混合液をフィルター部で濾過してコーヒー抽出液として得られる水出しコーヒーであって、
請求項1〜4の何れか1項に記載の水出しコーヒー製造装置で製造された水出しコーヒー。
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