以下、本発明について、図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態である段ボールシート加工装置の概要を示す説明図である。段ボールシート加工装置は、シート状材料の一種である矩形の段ボールシートSに、打ち抜き加工、罫線入れ加工、溝切り加工、折り曲げ加工などを施して、直方体又は立方体の箱状に組み立て可能な形態(つまり、折り畳まれた状態の段ボール箱)へと段ボールシートSを加工する。
段ボールシート加工装置は、加工される段ボールシートSを積載すると共に、一枚ずつ送り出す給紙部(1)と、給紙部(1)から送られた段ボールシートSに印刷処理を行う第1プリンタ(2)と第2プリンタ(3)とを備えている。これらプリンタ(2)(3)で印刷された段ボールシートSには、ロータリーダイカッタ(4)にて切断又は切込み加工が施される。ロータリーダイカッタ(4)で処理された段ボールシートSは、クリーザ(10)に送られて罫線入れ加工を施される。クリーザ(10)で処理された段ボールシートSは、ダブルスロッタ(11)に送られて溝切り加工を施される。ダブルスロッタ(11)で処理された段ボールシートSは、フォルダグルア(12)にて、組み立て可能な形態へと加工されて、カウンタエジェクタ(13)にて、所定枚数単位で結束される。
図1には、給紙部(1)からダブルスロッタ(11)に至るまでの段ボールシートSの搬送方向矢印PLで示されている。本明細書では、段ボールシート加工装置の各種構成要素の位置や向きに言及するために、段ボールシートSの搬送方向に基づいて「上流側」及び「下流側」なる文言を使用することがある。例えば、クリーザ(10)は、ロータリーダイカッタ(4)の下流側に位置しており、ロータリーダイカッタ(4)は、クリーザ(10)の上流側に位置している。
給紙部(1)では、図示を省略したキッカによって、載置された段ボールシートSにおける最下層に位置する段ボールシートSが下流側に押し出される。押し出された段ボールシートSは、上下一対のフィードロール(14)(15)の間に送られる。フィードロール(14)(15)は、図1に示す矢印の方向に回転しており、フィードロール(14)(15)の間に入れられた段ボールシートSは、第1プリンタ(2)へと送られる。
第1プリンタ(2)は、印刷シリンダ(21)と、その下方に配置されたプレスシリンダ(22)と、印刷シリンダ(21)の上方に配置されたインキ付けロール(23)及び絞りロール(24)とを備えている。インキ付けロール(23)と絞りロール(24)の間にはインキ貯留部が形成されており、インキ貯留部に入れられたインキがインキ付けロール(23)を介して印刷シリンダ(21)の表面に設けられた印版(図示せず)に付着する。印刷シリンダ(21)及びプレスシリンダ(22)は、図1に示す矢印の方向に回転しており、印刷シリンダ(21)及びプレスシリンダ(22)の間を段ボールシートSが通ることで段ボールシートSに印刷が施される。その後、段ボールシートSは、第1プリンタ(2)のフィードロール(25)(26)の間に送られる。
段ボールシートSは、第1プリンタ(2)のフィードロール(25)(26)から第2プリンタ(3)へと送られる。第1プリンタ(2)と同様に、第2プリンタ(3)は、印刷シリンダ(31)と、プレスシリンダ(32)と、インキ付けロール(33)と、絞りロール(34)と、フィードロール(35)(36)とを備えているが、段ボールシートSに印刷されるインキの色と、印刷シリンダ(31)の印版のパターンとが第1プリンタ(2)とは異なる。
第2プリンタ(3)から出た段ボールシートSは、ロータリーダイカッタ(4)に送られる。ロータリーダイカッタ(4)は、段ボールシートSを切る複数の刃部材が設けられるダイシリンダ(41)と、ダイシリンダ(41)の下方にて、ダイシリンダ(41)の平行に配置されたアンビルシリンダ(42)とを備えている。ダイシリンダ(41)及びアンビルシリンダ(42)は、図1に示す矢印の方向に互いに反対方向に回転しており、ダイシリンダ(41)及びアンビルシリンダ(42)の間を段ボールシートSが通ることで段ボールシートSに切断や切込み加工が施される。ロータリーダイカッタ(4)のフィードロール(43)(44)を介してクリーザ(10)に送られる。
クリーザ(10)は、アンビルロール(101)と罫線付けロール(102)とを備えており、図1に示す矢印の方向に回転しているアンビルロール(101)と罫線付けロール(102)の間を段ボールシートSが通ることで段ボールシートSに罫線付け加工が施される。段ボールシートSには、段ボールシートSの搬送方向PLに平行な複数の罫線が刻設される。その後、段ボールシートSは、クリーザ(10)のフィードロール(103)(104)を介してダブルスロッタ(11)へと送られる。
ダブルスロッタ(11)は、上下一対の第1スロッタロール(111)(112)とそれらの下流側に配置された上下一対の第2スロッタロール(113)(114)と、第1スロッタロール(111)(112)と第1スロッタロール(113)(114)の間に配置されたフィードロール(115)(116)とを備えている。上側に配置された第1スロッタロール(111)と第2スロッタロール(113)とには、溝切り刃(図示省略)が設けられており、下側に配置された第1スロッタロール(112)と第2スロッタロール(114)とには、溝切り刃に対応した受け刃(図示省略)が設けられている。図1に示す矢印の方向に回転している第1スロッタロール(111)(112)の間を、段ボールシートSが通過すると、段ボールシートSの上流側の部分に溝切り加工が施される。その後、段ボールシートSは、フィードロール(115)(116)を介して第2スロッタロール(113)(114)に送られる。図1に示す矢印の方向に回転している第2スロッタロール(113)(114)の間を、段ボールシートSが通過すると、段ボールシートSの下流側の部分に溝切り加工が施される。
フォルダグルア(12)は、段ボールシートSを搬送する搬送機構に加えて、ダブルスロッタ(11)から送られた段ボールシートSの一端に形成されている糊代部(203)(図15b参照)に糊付けする糊付け機構と、当該糊代部(203)が段ボールシートSの多端側のパネル部に接合されるようにボールシートSを折り曲げる折り曲げ機構等(何れも図示せず)とを備えている。フォルダグルア(12)で加工されることで、段ボールシートSは、箱形へと組み立て可能な形態へと加工されて、カウンタエジェクタ(13)に送られる。
カウンタエジェクタ(13)は、例えば、カウンタエジェクタ(13)から投入された段ボールシートSを積み重ねて収容するホッパ機構と、ホッパ機構に積み重ねられた段ボールシートSが所定枚数に至ると搬出するコンベア機構と、コンベア機構から搬出された所定枚数の段ボールシートSを紐で結束する結束機構等(何れも図示せず)とを備えている。カウンタエジェクタ(13)では、箱形へと組み立て可能な形態へと加工された所定枚数の段ボールシートSが結束されて、出荷可能な状態にされる。
図2は、本発明の実施形態であるロータリーダイカッタ(4)を上流側から見た正面図である。図3は、図3は、図2におけるA−A線を含む鉛直面に沿って破断し矢視したロータリーダイカッタ(4)の断面図である。図4は、図2におけるB−B線を含む鉛直面に沿って破断し矢視したロータリーダイカッタ(4)の断面図である。
ロータリーダイカッタ(4)は、フロアFLに立設されたコ字状のフレーム(45)を備えている。ダイシリンダ(41)は、段ボールシートSの搬送方向PLに直交するように、且つ水平に配置された(つまり、ロータリーダイカッタ(4)の機械幅方向に沿って配置された)軸体(46)を含んでおり、その両端は、フレーム(45)の対向する鉛直壁部に軸受を介して軸止されている。
ロータリーダイカッタ(4)には、第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)が、ダイシリンダ(41)又は軸体(46)の回転軸G方向に沿って互いに近接離間自在に設けられている。軸体(46)は、第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)を貫通している。第1刃装着部(5a)、第3刃装着部(5c)、及び第5刃装着部(5e)は(後述するように、装着される刃部材の構成を除けば)同様な構造を有しており、第2刃装着部(5b)及び第4刃装着部(5d)は同様な構造を有している。第2刃装着部(5b)は、第1刃装着部(5a)と第3刃装着部(5c)の間に配置され、第4刃装着部(5d)は、第3刃装着部(5c)と第5刃装着部(5e)の間に配置される。
フレーム(45)の上側部材における上流側と下流側の面には、一対のレール部材(47)(47)がダイシリンダ(41)の回転軸G方向に平行に配置されている。第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の各々は、鉛直方向に沿って配置された第1支持板(51)を備えており、第1支持板(51)の上側に設けられた一対のLMブロック(52)(52)が、レール部材(47)(47)に沿って摺動自在にレール部材(47)(47)に嵌め込まれている。第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の各々の第1支持板(51)には、軸体(46)を通すための開口が設けられている。
第1支持板(51)の一方の主面には、モータ(53)が配置されている。第1支持板(51)の他方の主面側には、モータ(53)の駆動軸と結合された歯車(54)と、当該歯車(54)と噛合する歯車(55)とが設けられている(図8参照)。歯車(55)は、第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の第1支持板(51)を貫通するように設けられたねじ軸(56)に螺合するボールねじ(57)と結合されている。ねじ軸(56)は、ダイシリンダ(41)の回転軸Gに平行にフレーム(45)の鉛直部間に設けられており、第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の各々のモータ(53)が正又は逆方向に回転することで、モータ(53)の回転方向に歯車(55)及びボールねじ(57)が回転してねじ軸(56)に沿って移動し、その結果、第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の各々は、ダイシリンダ(41)の回転軸G方向に(図2にて右又は左に)独立に移動する。
ロータリーダイカッタ(4)の上側のフィードロール(43)は、第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の各々の第1支持板(51)の下流側に設けられている(つまり、本実施形態では、合計で5つのフィードロール(43)がある)。これらのフィードロール(43)は、環状に形成されており、ダイシリンダ(41)の回転軸G方向に平行に配置された支持軸体(48)に摺動自在に挿入されている。また、第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の各々の第1支持板(51)の下流側に設けられた係合部材(58)は、各フィードロール(43)の外周面に周方向に形成された溝(図示せず)に挿入されており、第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の各々の移動に伴って、それに対応するフィードロール(43)も支持軸体(48)に沿って移動する。
図5は、第2刃装着部(5b)を、図3におけるC−C線を含む鉛直面に沿って破断し矢視した断面図である(軸体(46)と、後述する凸条(49)及び長歯車(72)は図示省略。図7も同様)。図3及び図5を参照すると、第2刃装着部(5b)は、軸体(46)に環装される略円環状の第1刃ホルダ部材(61)を備えている(図8も参考のこと)。図2、図3等に示すように軸体(46)の外面には、回転軸方向に沿って凸条(49)が設けられており、第1刃ホルダ部材(61)の内面には、凸条(49)に嵌まる溝が形成されている。これによって、第1刃ホルダ部材(61)は、凸条(49)をガイドとして軸体(46)上を摺動自在と構成されると共に、軸体(46)に対する回転を規制されている。
第1刃ホルダ部材(61)の外周面には、扇状の第1木型支持部材(62)が固定されている。第1木型支持部材(62)の湾曲した外側の面には、湾曲した第1木型板材(63)がねじ(図示省略)で着脱自在に装着される。第1木型板材(63)には、段ボールシートSに切込み又は切れ目を形成するための第1刃ユニット(64)が設けられている。なお、第1刃ユニット(64)の周囲には、先行技術に関連して説明した弾性部材が配置されている(図示省略)。
第2刃装着部(5b)は更に、略円環状の第2刃ホルダ部材(65)を備えている。第2刃ホルダ部材(65)は、第1支持板(51)に対して平行に固定配置された第2支持板(66)に形成された開口に固定された軸受(67)に嵌められる円環部と、当該円環部から外方に延出するフランジ部とを備えており、フランジ部における第1支持板(51)側の面には、扇状の第2木型支持部材(68)が固定されている。第2木型支持部材(68)の湾曲した外側の面には、湾曲した第2木型板材(69)がねじ(図示省略)で着脱自在に装着される。第2木型板材(69)には、段ボールシートSに切込みを形成するための第2刃ユニット(71)が設けられている。なお、第2刃ユニット(71)の周囲には、先行技術に関連して説明した弾性部材が配置されている(図示省略)。
第2刃ホルダ部材(65)は内歯車であって、その内面には内歯が形成されている。当該内歯は、ダイシリンダ(41)の軸体(46)又はその回転軸Gと平行に設けられた長歯車(72)(図2、図3、図8等参照)と歯合しており、且つ、第2刃ホルダ部材(65)は、長歯車(72)に沿って摺動自在にされている。軸体(46)には、長歯車(72)を部分的に収納する長溝が軸方向に沿って形成されており(図3、図8等参照)、第1刃ホルダ部材(61)には、長歯車(72)と干渉しないように切欠きが形成されている。
図2に示すように、長歯車(72)の一端は、ダイシリンダ(41)の軸体(46)の一端に固定された第1フランジ部(73)に設けられた軸受(図示せず)に軸止されている。図6は、ロータリーダイカッタ(4)の他方の端部を示す部分断面図である。長歯車(72)の他端は、ダイシリンダ(41)の軸体(46)の他端に固定された第2フランジ部(74)内に設けられた軸受(75)に軸止されている。第2フランジ部(74)には、外歯と内歯を有する歯車(76)が環設されており、その内歯は、長歯車(72)と歯合している。歯車(76)の外歯は、図示を省略したモータと連結された駆動歯車(77)と歯合しており、ダイシリンダ(41)の軸体(46)が静止している状態で当該モータが正逆回転することで、長歯車(72)を介して第2刃ホルダ部材(65)が共に軸体(46)の回転軸回りで回転する。これによって、なお、第2刃ホルダ部材(65)は、ダイシリンダ(41)の軸体(46)回りで回転移動し、第1木型支持部材(62)又は第1刃ユニット(64)に対する第2木型支持部材(68)又は第2刃ユニット(71)の相対位置が変化する。ロータリーダイカッタ(4)の動作中は、ダイシリンダ(41)の軸体(46)に対する歯車(76)の回転を抑制するように、ダイシリンダ(41)の軸体(46)の回転に同期して駆動歯車(77)が回転することで、周方向について、ダイシリンダ(41)の軸体(46)又は第1刃ユニット(64)に対する第2刃ユニット(71)の相対位置は保持される。
上述した構成を有することで、第2刃装着部(5b)の第1刃ユニット(64)がダイシリンダ(41)の軸体(46)に固定される一方で、第2刃ユニット(71)は、軸体(46)の回転軸回りで回転移動自在に構成されている。ロータリーダイカッタ(4)で加工される段ボールシートSの寸法等に合わせて、第1刃ユニット(64)に対する第2刃ユニット(71)の相対位置は適宜調整される。
本実施形態では、ロータリーダイカッタ(4)の第4刃装着部(5d)は、第2刃装着部(5b)と同様に構成されていることから、第4刃装着部(5d)についての詳細な説明を省略する。
図7は、ロータリーダイカッタ(4)の第5刃装着部(5e)を、(後述するシート送り部材(81)の回転軸が最も高い位置にある状態にて)図4におけるD−D線を含む鉛直面に沿って破断し矢視した断面図であり、図8は、第5刃装着部(5e)の幾つかの構成要素を示す分解斜視図である。図4、図7及び図8に示すように、第5刃装着部(5e)には、第2刃装着部(5b)と同様な第1刃ホルダ部材(61)、第1木型支持部材(62)、第1刃ユニット(64)、第2支持板(66)、軸受(67)、第2木型支持部材(68)、第2木型板材(69)、及び第2刃ユニット(71)が設けられている。
しかしながら、第5刃装着部(5e)は、シート送り部材(81)と、シート送り部材(81)をその回転軸回りで回転駆動する駆動手段と、シート送り部材(81)の回転軸を、ダイシリンダ(41)の回転軸Gに対して上下に移動させる調節手段とが設けられている点で、第2刃装着部(5b)とは異なっている。
シート送り部材(81)は、ロータリーダイカッタ(4)に送られた段ボールシートSをアンビルシリンダ(42)のアンビル(142)(図3、図4、図6参照)との間で挟むことで、ロータリーダイカッタ(4)で加工される段ボールシートSを安定に搬送するために設けられる。シート送り部材(81)は、円環状の部材であって、シート送り部材用取付部材(82)に固定される。取付部材(82)は、円環部と、当該円環部から外向きに延出するフランジ部とを備えている。この円環部の内側に、軸体(46)と長歯車(72)とが配置される。シート送り部材(81)の内縁に沿って窪みが形成されており、当該窪みに、取付部材(82)のフランジ部が嵌められると共に、シート送り部材(81)は、フランジ部にねじ止め固定されて、取付部材(82)の円環部と同軸状に配置される。
上述の駆動手段は、取付部材(82)の円環部の外周面に嵌まる第2軸受(83)と、取付部材(82)の円環部と連結されるシート送り部材用第1駆動歯車(84)と、第1駆動歯車(84)に形成された外歯と歯合する内歯が形成されたシート送り部材用第2駆動歯車(85)と、第2駆動歯車(85)に嵌められる第3軸受(86)と、第2駆動歯車(85)に形成された外歯と歯合する伝達歯車(87)と、伝達歯車(87)が取り付けられた長歯車であるシート送り部材用駆動軸(88)とを含んでいる。
シート送り部材用駆動軸(88)は、図2等に示すように、第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の各々の第1支持板(51)を貫通するように、ダイシリンダ(41)の回転軸Gに平行に配置されている。シート送り部材用駆動軸(88)の一端は、フレーム(45)に設けられた軸受(図示せず)に軸止されており、シート送り部材用駆動軸(88)の他端は、図2、図6にて模式的に示す同期駆動機構(121)に連結されている。
伝達歯車(87)は、上述したモータ(53)が作動するとシート送り部材用駆動軸(88)に沿って摺動して、第1支持板(51)と共に移動するように構成されている。伝達歯車(87)の一方の側から円筒部材(89)が延出しており、円筒部材(89)は、第1支持板(51)に回動自在に固定される。
第5刃装着部(5e)は、第1支持板(51)に対して平行にボルト等で固定された第3支持板(91)を備えている。第3支持板(91)には、軸体(46)と長歯車(72)とが通る開口が形成されると共に、環状の取付用部材(92)(92)(92)とねじ等を用いて、第3軸受(86)が取り付けられている。シート送り部材用第2駆動歯車(85)は、内側に第3軸受(86)が嵌められると共に、外歯が形成された第1円環部と、第1円環部に同軸状に結合しており、内歯が形成された第2円環部とを備えている。
第1駆動歯車(84)は、第2駆動歯車(85)の第2円環部に形成された内歯と歯合する外歯が形成された第1円環部と、第1円環部に同軸状に結合している第2円環部とを備えている。当該第2円環部は、第1円環部から僅かに突出しており、第2軸受(83)の内側に部分的に挿入されて、取付部材(82)の円環部と結合される。
上記の調節手段は、シート送り部材の回転軸調整用歯車(93)と、回転軸調整用歯車(93)に形成された外歯と歯合する中間伝達歯車(94)と、中間伝達歯車(94)と歯合する回転軸調整用駆動軸(95)とを備えている。中間伝達歯車(94)は、第1支持板(51)に枢着されると共に、回転軸調整用駆動軸(95)に沿って摺動自在に構成されており、モータ(53)が作動すると、第1支持板(51)と共に移動する。
図2等に示すように、回転軸調整用駆動軸(95)は、第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の各々の第1支持板(51)を貫通するように、ダイシリンダ(41)(又は軸体(46))の回転軸Gに平行に配置されている。回転軸調整用駆動軸(95)の一端は、フレーム(45)に設けられた軸受(図示せず)に軸止されており、回転軸調整用駆動軸(95)の他端は、図2に示す回転軸調整用駆動機構(122)に連結されている。
回転軸調整用歯車(93)は、中間伝達歯車(94)と歯合する外歯が形成された第1円環部と、第1円環部から側方に延出した第2円環部とを備えている。第2円環部は、第1支持板(51)に形成された開口に嵌められると共に、その内側には、第2軸受(83)が嵌められて、第2軸受(83)は、取付部材(82)の円環部と回転軸調整用歯車(93)の第2円環部の間に介装される。第2軸受(83)は、略円環状の押さえ部材(96)を第2円環部に固定することで、第2円環部に装着される。
回転軸調整用歯車(93)の第2円環部の外周面は、その第1円環部と同軸状に配置されている。回転軸調整用歯車(93)の第2円環部の内周の中心は、当該第2円環部の外周の中心と、例えば10mm程度の偏心距離Eだけずれている。故に、回転軸用調整歯車(93)又はその第1円環部の回転中心軸J(回転軸調整用歯車(93)の第2円環部の外周の中心に対応)に対して、第2軸受(83)の軸受中心軸K(回転軸調整用歯車(93)の第2円環部の内周の中心に対応)は、偏心距離Eで偏心するように構成されている。なお、図8には、開口が偏心した押さえ部材(96)の形状が示されているが、第2円環部は、その鉛直断面が、図8に示す押さえ部材(96)の側面と同様な形状になるように形成されている。
上述した構成では、シート送り部材(81)の回転中心軸は、第2軸受(83)の軸受中心軸Kと同じとなる。回転軸調整用駆動機構(122)は、回転軸調整用駆動軸(95)を駆動するためのモータや減速機等を備えており、当該モータが駆動することで、回転軸調整用駆動軸(95)が回転すると、中間伝達歯車(94)を介して回転軸調整用歯車(93)が回転し、回転軸調整用歯車(93)の回転に伴い、第2軸受(83)の軸受中心軸Kは移動する。回転軸調整用歯車(93)が回転すると、第2軸受(83)の軸受中心軸K、つまりシート送り部材(81)の回転中心軸は、回転軸調整用歯車(93)の回転中心軸Jを中心として、且つ偏心距離Eを半径として回転することとなる。
本実施形態では、回転軸調整用歯車(93)の回転中心軸Jは、ダイシリンダ(41)又は軸体(46)の回転軸Gと一致又は同一直線上に配置されている。故に、回転軸調整用歯車(93)が回転すると、第2軸受(83)の軸受中心軸K、つまりシート送り部材(81)の回転中心軸は、ダイシリンダ(41)の回転軸Gを中心として、且つ偏心距離Eを半径として回転することとなる。従って、回転軸調整用歯車(93)を正逆回転させることで、シート送り部材(81)の回転中心軸をダイシリンダ(41)の回転軸Gに対して上下に調整できる。シート送り部材(81)の回転中心軸をダイシリンダ(41)の回転軸Gに対して上下に調整するためには、シート送り部材(81)が最も高い位置にある状態と最も低い位置にある状態とを両端とする180度の角度範囲内で、回転軸調整用歯車(93)を正逆回転させればよい。なお、本発明の実施において、回転軸調整用歯車(93)の回転中心軸Jと、ダイシリンダ(41)の回転軸Gとが一致することは必須の要件ではないことに留意のこと。
図7は、第5刃装着部(5e)のシート送り部材(81)の回転軸(第2軸受(83)の軸受中心軸K)が最も高い位置にある状態を示している。図9は、(図7にて左方から見た)当該状態におけるシート送り部材(81)、取付部材(82)、回転軸調整用歯車(93)、軸体(46)の位置関係を示す説明図である。図9では、回転軸調整用歯車(93)の外歯と、第1円環部の内周縁とが実線で、回転軸調整用歯車(93)の第2円環部の内周縁が一点鎖線で、シート送り部材(81)の外周縁と、取付部材(82)の内周縁とが二点鎖線で示されている。
図10は、図9に示す状態から回転軸調整用歯車(93)が時計回りに90度回転した状態を示している。第2軸受(83)の軸受中心軸K、つまりシート送り部材(81)の回転中心軸は、ダイシリンダ(41)又は軸体(46)の回転軸G(又は、回転軸調整用歯車(93)の回転中心軸J)と同じ高さにある。なお、図4では、シート送り部材(81)が図9に示す位置にある模様を示されている。
図11は、図10に示す状態から回転軸調整用歯車(93)が時計回りに90度回転した状態を示しており、第2軸受(83)の軸受中心軸K、つまりシート送り部材(81)の回転中心軸は、最も低い位置にある。
図12は、図9に示したシート送り部材(81)の回転軸が最も高い位置にある状態にて、シート送り部材(81)、取付部材(82)、第1駆動歯車(84)、第2駆動歯車(85)、軸体(46)の位置関係を示す説明図である。図12では、第1駆動歯車(84)の外歯と、第2駆動歯車(85)の内歯及び外歯と、第2駆動歯車(85)の第1円環部の内周縁とが実線で、シート送り部材(81)の外周縁と、取付部材(82)の内周縁とが二点鎖線で示されている。
図12に示す状態では、第1駆動歯車(84)の外歯は、第2駆動歯車(85)の内歯における上側に位置する内歯と歯合している。図7等に示すように、第3軸受(86)の軸受中心軸は、回転軸調整用歯車(93)の回転中心軸Jと同じ又は同一直線上に位置している。図2に示す同期駆動機構(121)が作動して、シート送り部材用駆動軸(88)が回転すると、第2駆動歯車(85)が、回転軸調整用歯車(93)又はその第1円環部の回転中心軸J或いはダイシリンダ(41)の回転軸G回りで回転する。
第2駆動歯車(85)が回転すると、第1駆動歯車(84)が、第2軸受(83)の軸受中心軸K回りで回転する。第1駆動歯車(84)が回転することでそれに結合された取付部材(82)及びシート送り部材(81)が、第2軸受(83)の軸受中心軸K回りで回転する。
回転軸調整用歯車(93)が回転すると、第1駆動歯車(84)の位置が、回転軸調整用歯車(93)の回転中心軸J又はダイシリンダ(41)の回転軸G回りで変位することで、第1駆動歯車(84)の外歯と歯合する第2駆動歯車(85)の内歯の領域が変化する。例えば、図11に示した第2軸受(83)の軸受中心軸K、つまりシート送り部材(81)の回転中心軸が最も低い位置にある状態では、第1駆動歯車(84)の外歯は、第2駆動歯車(85)の内歯における下側に位置する内歯と歯合することとなる。
本実施形態では、ロータリーダイカッタ(4)の第1刃装着部(5a)及び第3刃装着部(5c)は、第1刃ユニット(64)及び第2刃ユニット(71)の形状が第5刃装着部(5e)のものとは異なっている点を除いて、第5刃装着部(5e)と同様に構成されていることから、第1刃装着部(5a)及び第3刃装着部(5c)についての詳細な説明を省略する。なお、第1刃装着部(5a)、第3刃装着部(5c)、第5刃装着部(5e)の第2軸受(83)の軸受中心軸K、つまり第1刃装着部(5a)、第3刃装着部(5c)、第5刃装着部(5e)のシート送り部材(81)の回転中心軸は、同一直線上に配置される。また、第1刃装着部(5a)、第3刃装着部(5c)、第5刃装着部(5e)の回転軸調整用歯車(93)又はその第1円環部の回転中心軸Jも、同一直線(本実施例では、ダイシリンダ(41)の回転軸G)上に配置される。第1刃装着部(5a)、第3刃装着部(5c)、第5刃装着部(5e)のシート送り部材(81)の高さ、或いは、ダイシリンダ(41)又は軸体(46)の回転軸G回りの位置は常に同一されている。
図13は、ロータリーダイカッタ(4)の第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)における第1刃ユニット(64)及び第2刃ユニット(71)の構成を示す説明図である。第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の第1木型支持部材(62)及び第1木型板材(63)は、ダイシリンダ(41)又は軸体(46)の回転軸G回りについて同じ位置に配置される。第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の第2木型支持部材(68)及び第2木型板材(69)についても同様である。
第5刃装着部(5e)の第1刃ユニット(64)は、(刃部材の上方からその刃先を見て)「ノ」字状に湾曲した刃部材で構成されており、第5刃装着部(5e)の第2刃ユニット(71)は、第5刃装着部(5e)の第1刃ユニット(64)の刃部材を、図13の紙面において上下に反転させたような形状を(当該刃部材の上方からその刃先を見て)有している(図8も参照のこと)。第1刃装着部(5a)の第1刃ユニット(64)及び第2刃ユニット(71)は夫々、第5刃装着部(5e)の第1刃ユニット(64)及び第2刃ユニット(71)を、図13の紙面において左右に反転させたような形状を有している。
第2刃装着部(5b)乃至第4刃装着部(5d)の第1刃ユニット(64)は、第1刃装着部(5a)の第1刃ユニット(64)の刃部材(右側)と第5刃装着部(5e)の第1刃ユニット(64)の刃部材(左側)とを組み合わせて「ハ」字状に構成されている。第2刃装着部(5b)乃至第4刃装着部(5d)の第2刃ユニット(71)は、第1刃装着部(5a)の第2刃ユニット(71)の刃部材(右側)と第5刃装着部(5e)の第2刃ユニット(71)の刃部材(左側)とを組み合わせて逆「ハ」字状に構成されている。
図2等に示す同期駆動機構(121)には、シート送り部材用駆動軸(88)の一端に加えて、ダイシリンダ(41)の軸体(46)の一端も連結されている。同期駆動機構(121)は、シート送り部材用駆動軸(88)の回転と軸体(46)の回転の同期を取るための減速機等と、駆動モータとを備えており(何れも図示せず)、当該駆動モータが駆動すると、同期駆動機構(121)は、ダイシリンダ(41)の軸体(46)を、図1に示した向きに回転させると共に、シート送り部材(81)が軸体(46)と同じ向き(図1にて時計回り)に回転するようにシート送り部材用駆動軸(88)を回転させる。シート送り部材用駆動軸(88)の回転速度は、軸体(46)が一回転するとシート送り部材(81)も一回転するように調整される。
図3等に示すように、アンビルシリンダ(42)は、アンビルシリンダ軸体(141)とそれに巻装されたアンビル(142)とを含んでいる。本実施形態のロータリーダイカッタ(4)では、アンビルシリンダ(42)の鉛直方向の位置、或いはダイシリンダ(41)の回転軸に対するアンビルシリンダ(42)の回転軸の位置を調整可能に構成されている。図6に示すように、アンビルシリンダ軸体(141)の一端は、フレーム(45)に設けられた偏心軸受(143)に軸止されている。アンビルシリンダ軸体(141)の他端も同様に構成されている(図示省略)。偏心軸受(143)が180度の範囲で正逆回転することでアンビルシリンダ軸体(141)の回転軸は、偏心軸受(143)の回転軸を中心とし且つ偏心距離を半径として正逆回転し、アンビルシリンダ(42)の位置は上下に調節される。この偏心距離、つまり、偏心軸受(143)の回転軸に対するアンビルシリンダ軸体(141)の回転軸の偏心距離は、例えば、先の偏心距離E(例えば10mm)と同じ程度にされる。アンビルシリンダ軸体(141)も、図2等に示す同期駆動機構(121)に連結されており、当該駆動機構に含まれるモータが回転することで図1に示すようにアンビルシリンダ(42)が回転する。ダイシリンダ(41)が一回転するとアンビルシリンダ(42)も一回転するように、アンビルシリンダ(42)の回転は調整される。
次に、本実施形態のロータリーダイカッタ(4)を含む段ボールシート加工装置で段ボールシートSが加工される模様について説明する。
図14aは、給紙部(1)における段ボールシートSの形状を示している。段ボールシート加工装置で処理される段ボールシートSは、矩形の形状を有しており、長手方向に沿った2本の罫線K1及びK2(破線で示す)が予め形成されている。段ボールシートSは、給紙部(1)から段ボールシートSの短手方向が段ボールシートSの搬送方向PLと平行になるように第1プリンタ(2)へと送られる。第1プリンタ(2)、さらには第2プリンタ(3)では、段ボールシートSの上面に印刷が施される(図14b、図15a−cでは印刷された模様は図示されていない)。
第2プリンタ(3)から排出された段ボールシートSは、本実施形態のロータリーダイカッタ(4)で切込み又は切れ目を入れられるか、切断される。図14bは、ロータリーダイカッタ(4)で加工された後の段ボールシートSを示している。まず、段ボールシートSの下流側の端部に、第1刃装着部(5a)乃至第4刃装着部(5d)の第1刃ユニット(64)が作用することで、各第1刃ユニット(64)に対応した湾曲した切込みN1乃至N4が形成されると共に、段ボールシートSの上流側の端部の隅N5は、第5刃装着部(5e)の第1刃ユニット(64)で角取りされて丸状にされる。
次に、段ボールシートSの上流側の端部に、第1刃装着部(5a)乃至第4刃装着部(5d)の第2刃ユニット(71)が作用することで、各第2刃ユニット(71)に対応した湾曲した切込みN1’乃至N4’が形成されると共に、段ボールシートSの下流側の端部の隅N5’は、第5刃装着部(5e)の第2刃ユニット(71)で角取りされて丸状にされる。
図14bに示した形態の段ボールシートSは、クリーザ(10)に送られる。クリーザ(10)の罫線付けロール(102)には、4本の罫入れ用エッジ(図示省略)が機械幅方向に離間して設けられており、クリーザ(10)では、これらの罫入れ用エッジによって、段ボールシートSの短手方向に沿った罫線Q1乃至Q4が、図15aに示すように刻設される。罫入れ用エッジの各々の位置は、機械幅方向に自在に変更可能である。罫線Q1は、切込みN1と切込みN1’の端の領域と接するか交差するように形成される。罫線Q2は、逆ハ字状の切込みN2の間と、ハ字状の切込みN2’の間とを通るように形成される。罫線Q3は、逆ハ字状の切込みN3の間と、ハ字状の切込みN3’の間とを通るように形成される。罫線Q2は、逆ハ字状の切込みN4の間と、ハ字状の切込みN4’の間とを通るように形成される。
図15aに示した形態の段ボールシートSは、ダブルスロッタ(11)に送られる。図15bは、ダブルスロッタ(11)で加工された後の段ボールシートSを示す。上側の第1スロッタロール(111)には、4つの溝切り刃(図示せず)が機械幅方向に離間して設けられており、下側の第1スロッタロール(112)には、4つの溝切り刃に夫々対応する4つの受け刃(図示せず)が設けられている。第1スロッタロール(111)(112)の間を、段ボールシートSが通過することで、段ボールシートSの上流側の部分に溝切り(切断)加工が施される。段ボールシートSの上流側の部分では、罫線Q2乃至Q4が部分的に削除されるように溝切り加工がなされる。また、罫線Q1に沿って溝の縁が形成されるように溝切り加工がなされる。当該溝の縁が切込みN1’と交わることで、図15bに示すように、切込みN1’に対応した丸状の角部が形成される。第1スロッタロール(111)(112)の溝切り刃と受け刃の位置は、機械幅方向に自在に変更可能である。
その後、段ボールシートSは、フィードロール(115)(116)を介して第2スロッタロール(113)(114)に送られる。上側の第2スロッタロール(113)には、4つの溝切り刃(図示せず)が機械幅方向に離間して設けられており、下側の第2スロッタロール(114)には、4つの溝切り刃に夫々対応する4つの受け刃(図示せず)が設けられている。第2スロッタロール(113)(114)の間を、段ボールシートSが通過することで、段ボールシートSの下流側の部分に溝切り(切断)加工が施される。段ボールシートSの下流側の部分では、罫線Q2乃至Q4が部分的に削除されるように溝切り加工がなされる。また、罫線Q1に沿って溝の縁が形成されるように溝切り加工がなされる。当該溝の縁が切込みN1と交わることで、図15bに示すように、切込みN1に対応した丸状の角部が形成される。第2スロッタロール(113)(114)の溝切り刃と受け刃の位置は、機械幅方向に自在に変更可能である。
図15bに示すように、ダブルスロッタ(11)で加工された後の段ボールシートSは、4つのパネル部(201a-d)と、角が丸くされた8つのフラップ部(202)と、一端側に設けられた糊代部(203)とを備えている。なお、第1スロッタロール(111)(112)と第2スロッタロール(113)(114)における罫線Q1に沿って溝切り加工をするための溝切り刃と受け刃は、糊代部(203)の下流側と上流側の縁を斜めに形成するように構成されている。
図15bに示す形態の段ボールシートSは、ダブルスロッタ(11)からフォルダグルア(12)に送られる。フォルダグルア(12)では、糊代部(203)の上面に接着剤が塗布されると共に、罫線Q2及びQ4に沿って段ボールシートSの両端のパネル部(201a)(201d)が略180度折り曲げられて、糊代部(203)の上面は、パネル部(201d)の裏面と接合される。これによって、段ボールシートSは、図15cに示すような直方体状又は箱状に組み立て可能な形態へと加工される。図15cに示す段ボールシートSは、フォルダグルア(12)からカウンタエジェクタ(13)に送られて、所定枚数毎に結束される。
図15cに示す段ボールシートSは、図15b又は図15cに示すように8つのフラップ部(202)の角が丸くされているので安全である。また、段ボールシートSは、隣接するフラップ部(202)の角が丸くされているので、直方体状又は箱状に組み立てる際に、隣接するフラップ部(202)の隅どうしが干渉して引っかかる事態は起こらない。例示した段ボールシート加工装置では、段ボールシートSは、図15cに示す形態で、フォルダグルア(12)からカウンタエジェクタ(13)に送られるが、フォルダグルア(12)の後に段ボールシートSを箱状に組み立てる自動製函装置が設けられる場合には、自動製函装置における組み立て加工がスムーズに行われるであろう。
隣接するフラップ部(202)の隅どうしが干渉を避けるためには、一方の隣接するフラップ部(202)の角が丸くされていれば足りる場合もあり得る。この場合、図13に示す、第2刃装着部(5b)乃至第4刃装着部(5d)の第1刃ユニット(64)と第2刃ユニット(71)の各々において、何れか一方の刃部材が省略されてもよい。
上述したように、本実施形態のロータリーダイカッタ(4)は、各々が第1刃ユニット(64)と第2刃ユニット(71)を有する5つの第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)を備えており、各第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)は、独立してダイシリンダ(41)又はアンビルシリンダ(42)の回転軸方向に、又はロータリーダイカッタ(4)の機械幅方向に移動可能に構成されると共に、第1刃ユニット(64)と第2刃ユニット(71)の相対位置もダイシリンダ(41)の回転軸回りで自在に調整可能である。故に、天面側と底面側の両方に4つのフラップ部を有する一般的な段ボール箱の基礎となる段ボールシートの加工において、段ボールシートのサイズやパネル部(201)の長さの変更等が生じても、第1刃ユニット(64)と第2刃ユニット(71)を交換することなく、図14b等に示したような切込みの形成や段ボールシートの隅の切除が可能である。
本実施形態のロータリーダイカッタ(4)では、第1刃装着部(5a)、第3刃装着部(5c)及び第5刃装着部(5e)にシート送り部材(81)が設けられていたが、第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の全てにシート送り部材(81)が設けられてもよい。シート送り部材(81)の作用効果と利益が得られる限りにおいて、シート送り部材(81)が設けられる第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の組合せは限定されない。
上述したように、本実施形態のロータリーダイカッタ(4)は、フラップ部の角取りがされた(箱型に組立て可能な)段ボールシートを製造する段ボールシート用加工装置で使用されるのに好適である。しかしながら、本実施形態のロータリーダイカッタ(4)は、このような段ボールシートの製造においてのみ使用可能なものではない。ダイシリンダ(41)の回転軸方向に沿った第1刃装着部(5a)乃至第5刃装着部(5e)の位置や、第1刃ユニット(64)に対する第2刃ユニット(71)の相対位置を変更することで、段ボールシートのある仕様から異なる仕様への変更に対応可能であれば、本発明において、各刃装着部(5a-e)の第1刃ユニット(64)と第2刃ユニット(71)を構成する刃部材の形状や数(例えば、刃装着部(5a-e)の幾つかでは、刃部材の数はゼロでもよい)は特に限定されない。
本実施形態のロータリーダイカッタ(4)では、ダイシリンダ(41)の下側にアンビルシリンダ(42)が配置されているが、本発明は、アンビルシリンダ(42)の下側にダイシリンダ(41)が配置されているようなロータリーダイカッタに適用されてよい。
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。