以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施例で用いられる複数の視差画像を生成可能な撮像装置は、撮像光学系の瞳のうち互いに異なる領域を通過した複数の光束を撮像素子における互いに異なる受光部(画素)に導いて光電変換を行わせる撮像系を有する。
図1は、本実施形態の撮像系における撮像素子の受光部と撮像光学系の瞳との関係を示す図である。図1において、MLはマイクロレンズであり、CFはカラーフィルタである。EXPは撮像光学系の射出瞳(瞳)であり、P1、P2は射出瞳EXPの領域である。G1、G2、G3、G4は画素(受光部)であり、画素G1〜G4で1組の画素(画素組)を構成する。撮像素子には、画素G1〜G4の画素組が複数配列されている。画素G3は画素G1の紙面の奥側に、画素G4は画素G2の紙面の奥側に、各画素が2次元的に配置されている。画素G1〜G4は、共通の(すなわち、画素組ごとに1つずつ設けられた)マイクロレンズMLを介して、射出瞳EXPと共役な関係を有する。本実施形態において、撮像素子に配列された複数の画素G1〜G4を、それぞれ、まとめて画素群G1〜G4という場合がある。
図2は、撮像している物点OSPと射出瞳EXPと撮像素子との結像関係を示している。画素G1は、射出瞳EXPのうち領域P1を通過した光束を受光する。画素G2は、射出瞳EXPのうち領域P2を通過した光束を受光する。また、領域P3は領域P1の紙面の奥側に、領域P4は領域P2の紙面の奥側に、2次元的に存在する。物点OSPには、必ずしも物体が存在している必要はない。物点OSPを通った光束は、その光束が通過する瞳(射出瞳EXP)内での位置(本実施形態では領域P1〜P4)に応じて、画素G1〜G4のいずれかの画素に入射する。瞳内の互いに異なる領域を光束が通過することは、物点OSPからの入射光が角度(視差)によって分離されることに相当する。すなわち、各マイクロレンズMLに対して設けられた画素G1〜G4のうち、画素G1〜G4からの出力信号を用いて生成された4つの画像は、互いに視差を有する複数の視差画像となる。以下の説明において、瞳内の互いに異なる領域を通過した光束を互いに異なる受光部(画素)により受光することを、瞳分割という場合がある。図3は、射出瞳EXPをマイクロレンズML側から見た図である。
また、図2および図3に示される射出瞳EXPの位置ずれなどにより、前述の共役関係が完全でなくなる場合や、例えば領域P1、P2が部分的に互いに重複(オーバーラップ)する場合でも、以下の各実施例において、得られた複数の画像を視差画像として扱う。
図4を参照して、本発明の実施例1における画像処理方法を実行する撮像装置について説明する。図4は、本実施例における撮像装置200の構成を示すブロック図である。撮像光学系201は、絞り201aおよびフォーカスレンズ201bを含み、不図示の被写体からの光を撮像素子202上に結像(集光)させる。撮像素子202は、CCDセンサやCMOSセンサなどの光電変換素子により構成され、図1および図2を参照して説明した瞳内の互いに異なる領域を通過した光束を、各領域に対応する画素(受光部)にて受光する(瞳分割を行う)。このようにして、撮像素子202は、被写体像(光学像)を光電変換して複数の視差画像としての画像信号(アナログ電気信号)を出力する。A/Dコンバータ203は、撮像素子202から出力されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号を画像処理部204に出力する。
画像処理部204は、デジタル信号に対して、一般的に行われる画像処理を行うとともに、不要光の決定処理および不要光を低減または除去する補正処理を行う。本実施例において、画像処理部204は、撮像装置200に搭載された画像処理装置に相当する。また画像処理部204は、第一不要成分検出部204a、方向成分生成部204b、マスク作成部204c、第二不要成分検出部204d、および、不要成分低減部204eを有する。
第一不要成分検出部204a(第一不要成分決定手段)は、複数の視差画像を生成(取得)し、各視差画像から第一不要成分を検出(決定)する。方向成分生成部204b(方向成分決定手段)は、検出された複数の第一不要成分同士を比較して、複数の第一不要成分における同一座標位置における共通輝度成分を抽出し、方向成分情報を決定する。ここで「共通輝度成分の抽出」とは、検出された複数の第一不要成分のうち任意の2つの第一不要成分について、同一座標位置の輝度値を比較した場合、輝度値が同一の部分のみを抽出する処理をいう。または、ある程度の誤差を許容して、輝度値を比較した際に±X%の輝度差であれば共通輝度成分であるというように所定の輝度差(閾値)をパラメータとして持ち、それに応じて共通輝度成分を抽出する処理をいう。マスク作成部204c(マスク作成手段)は、方向成分に基づいてマスク(マスク画像)を作成する。第二不要成分検出部204d(第二不要成分決定手段)は、第一不要成分およびマスクに基づいて各視差画像の第二不要成分を決定する。不要成分低減部204e(不要成分低減手段)は、第二不要成分に基づいて不要成分(ゴースト成分)を各視差画像から低減させる。
画像処理部204で処理された出力画像(画像データ)は、半導体メモリや光ディスクなどの画像記録媒体209に保存される。また、画像処理部204からの出力画像を表示部205に表示することもできる。記憶部208は、画像処理部204による画像処理に必要な画像処理プログラムや各種情報などを記憶している。
システムコントローラ210(制御手段)は、撮像素子202の動作、画像処理部204での処理、および、撮像光学系201(絞り201aおよびフォーカスレンズ201b)の制御を行う。撮像光学系制御部206は、システムコントローラ210からの制御指示に応じて、撮像光学系201の絞り201aおよびフォーカスレンズ201bの機械的な駆動を行う。絞り201aは、設定された絞り値(Fナンバー)に応じて、その開口径が制御される。フォーカスレンズ201bは、被写体距離に応じてピント調整(フォーカス制御)を行うために、不図示のオートフォーカス(AF)システムやマニュアルフォーカス機構によってその位置が制御される。状態検知部207は、システムコントローラ210の制御指示に応じて、現在の撮影条件情報を取得する。なお本実施例において、撮像光学系201は、撮像素子202を備えた撮像装置200の一部として(撮像装置200と一体的に)構成されているが、これに限定されるものではない。一眼レフカメラのように、交換式の撮像光学系(交換レンズ)を撮像装置本体に着脱可能に構成された撮像システムであってもよい。
図5は、撮像光学系201の構成および撮像光学系201にて発生する不要光の説明図である。図5(a)は、撮像光学系201の具体的な構成例を示す。図5(a)において、STPは絞り(絞り201aに相当)、IMGは撮像面である。撮像面IMGの位置には、図4に示される撮像素子202が配置される。図5(b)は、撮像光学系201に高輝度物体の例としての太陽SUNから強い光が入射し、撮像光学系201を構成するレンズの界面で反射した光が不要光(ゴーストやフレア)として撮像面IMGに到達する様子を示している。
図6は、絞りSTPのうち、図2に示される画素G1〜G4に入射する光束が通過する領域P1〜P4(瞳領域または瞳分割領域)を示している。なお、絞りSTPは、撮像光学系201の射出瞳EXPに相当するものとして考えることができるが、実際には絞りSTPと射出瞳EXPは互いに異なることが多い。高輝度物体(太陽SUN)からの光束は、絞りSTPのほぼ全域を通過するが、画素G1〜G4に入射する光束が通過する領域は、領域P1〜P4(瞳領域)に分割される。
次に、図7乃至図15を参照して、不要光が光電変換されることにより撮影画像中に現れる不要成分(ゴースト成分)の決定処理(画像処理)の手順について説明する。
図7は、瞳分割を行わない撮像により生成された撮影画像Im0を示している。図7の撮影画像Im0には、3つの被写体(被写体A、被写体B、被写体C)、および、不図示の光源により発生したゴーストが写っている。また、図7の撮影画像Im0は、被写体Aにピントが合っており、被写体Bおよび被写体Cはボケている画像の例である。また、撮影画像中に白い四角部分として示されるゴーストは、不要成分である。なお図7において、不要成分(ゴースト)を白く塗りつぶして示されているが、実際には背景がある程度透けている。また不要成分は、撮影被写体に不要光がかぶった状態であるため、撮影被写体よりも高輝度化する部分である。このことは、後述する他の実施例においても同様である。
図8は、視差画像を示す図である。図8(a)〜(d)は、それぞれ、領域P1、P2、P3、P4(瞳領域)を通過した光束を画素群G1、G2、G3、G4にて光電変換した結果として得られた視差画像Im1〜Im4の概念図を示している。視差画像Im1〜Im4には、近距離被写体の場合、画像成分に視差に対応する差(視差成分)が含まれている。図7に示されるような近距離被写体(被写体A)にピントが合い、後方にある被写体Bおよび被写体Cがボケている場合、被写体Bおよび被写体Cに視差成分が含まれる。視差画像Im3には、白い四角として模式的に示される不要成分(ゴースト)が含まれている。ここでは、不要成分(ゴースト)が互いにオーバーラップすることなく分離された状態の例を示しているが、不要成分が互いにオーバーラップして輝度差がある状態であってもよい。すなわち、白い四角の不要成分の位置や輝度が互いに異なる状態であればよい。
図9は、本実施例における画像処理方法の手順を示す図である。図9(e)〜(p)は、図9(a)〜(d)に示される視差画像Im1〜Im4のそれぞれと基準画像との差分である画像(相対差分画像Im1−2〜Im4−3)を示している。例えば図9(e)は、図9(a)の視差画像Im1(基準画像)から図9(b)の視差画像Im2を差し引いた結果(相対差分画像Im1−2)を示している。また図9(f)は、図9(b)の視差画像Im2(基準画像)から図9(a)の視差画像Im1を差し引いた結果(相対差分画像Im2−1)を示している。図9(g)〜(p)も、同様の考え方に従って得られた結果である。差し引いた結果の画像(相対差分画像)には、視差画像が有する差分(相対差分情報)として、被写体の視差成分および前述の不要成分(ゴースト)が含まれている。また、前記差分計算により、不要成分が負の値として算出されることがあるが、後述の不要成分低減処理の簡易化のため、図9(e)〜(p)では、負の値を切り捨てている。そのため、図9(c)の視差画像Im3に含まれる不要成分(ゴースト)は、図9(g)、(k)、(o)にのみ現れる。
図9(q)、(r)、(s)、(t)は、相対差分画像同士を比較して、輝度値が高い部分を集めてまとめた画像を示している。具体的には、図9(q)は、図9(e)、(i)、(m)の各相対差分画像の同一座標をそれぞれ比較し、最も大きい輝度値を抽出して生成された画像MAX1である。図9(r)は、図9(f)、(j)、(n)の各相対差分画像の同一座標をそれぞれ比較し、最も大きい輝度値を抽出して生成された画像MAX2である。図9(s)、(t)は、同様に、図9(g)〜(p)の各相対差分画像に基づいて生成された画像MAX3、MAX4である。このような画像処理により、視差画像Im1〜Im4から不要成分を残存させる(換言すると、視差画像から不要成分を分離または抽出する)ことができる。
ところで、図9(q)〜(t)の画像においては、不要成分(ゴースト)だけでなく視差成分も残存している(抽出されている)。そこで、図9(q)〜(t)の画像に残存している視差成分と不要成分(ゴースト)とを分離する必要がある。次に、図10および図11を参照して、視差成分と不要成分(ゴースト)とを分離する方法について説明する。図10は、視差成分と不要成分とを分離する方法の説明図である。
図10(a)、(b)、(c)、(d)(図9(q)、(r)、(s)、(t)とそれぞれ同一の画像)は、前述の不要成分(ゴースト)と視差成分とが混在した画像である。図10(a)〜(d)をそれぞれ比較して共通輝度成分(共通輝度部分)を抽出する。ここで、共通輝度部分として、前述のように、輝度値が同一の部分のみを抽出してもよい。または、ある程度の誤差を許容し、輝度値を比較した際に±X%の輝度差であれば共通輝度部分であると判定するように、所定の輝度差(閾値)をパラメータとして備えていてもよい。例えば図10(e)は、図10(a)、(b)の画像MAX1、MAX2を比較して、これらの画像の共通輝度部分を抽出した結果(画像COM1)である。図10(f)は、図10(c)、(d)の画像MAX3、MAX4を比較して、これらの画像の共通輝度部分を抽出した結果(画像COM2)である。図10(g)は、図10(b)、(d)の画像MAX2、MAX4を比較して、これらの画像の共通輝度部分を抽出した結果(画像COM3)である。図10(h)は、図10(a)、(c)の画像MAX1、MAX3を比較して、共通輝度部分を抽出した結果(画像COM4)である。
図10(i)は、図10(e)〜(h)の画像COM1〜COM4(方向成分画像)を加算して生成された画像COMtotalである。図10(i)の画像COMtotalにおいては、既に、不要成分(ゴースト)と視差成分とが分離されている。また本実施例のように瞳分割数が縦方向に2分割、横方向に2分割というように分割数が比較的少ない場合、斜め方向の視差成分が取り切れない場合がある。このような場合、図10(i)の画像COMtotalから抽出された視差成分の領域を拡張する処理を加えることが好ましい。
図11(a)は、図10(i)の画像COMtotalにおいて視差成分が含まれる領域を拡張処理した画像でCOMtotal2である。本実施例の目的は、視差成分と不要成分(ゴースト)との混在画像(画像MAX1〜MAX4)から、視差成分と不要成分(ゴースト)とを分離することである。このため、視差成分または不要成分のいずれか一方を後述するマスク処理により消去できればよい。したがって、必ずしも厳密に視差成分の領域を抽出する必要はなく、大雑把な領域を特定するだけでもある程度の効果が得られる。また、視差成分が含まれる領域を拡張処理する際に、被写体までの距離情報を使用して、被写体距離に応じて拡張する度合いを変更するようにマスクを修正してもよい。これにより、ボケの大きさに応じて拡張量を変更することができるため、より精密に視差成分を分離することが可能となり、大きな効果が得られる。
図11(b)は、図10(a)〜(d)の画像MAX1〜MAX4(視差成分と不要成分(ゴースト)とが混在した画像)の合成画像(画像MAX1〜MAX4の平均を取った画像)から、図11(a)の画像COMtotal2を減算して得られた画像である。すなわち図11(b)の画像は、図11(a)の画像をマスク(マスク画像)として用いて、図10(a)〜(d)の画像MAX1〜MAX2の合成画像(平均化画像)から視差成分のみを差し引いて生成された画像MAXtotal−COMtotal2である。図11(b)では、理解が容易になるように、不要成分(ゴースト)の輝度値は図10(c)と同様であるように描かれているが、実際には図10(a)〜(d)の平均値を算出しているため、その分だけ暗くなる。以上の手順を経ることにより、視差画像(図9(a)〜(d))から視差成分と不要成分(ゴースト)とを分離することができる。
そして、出力すべき画像において、前述のようにして決定された不要成分(ゴースト)を除去または低減する補正処理を行う。これにより、図12に示されるように、不要成分(ゴースト)が概ね無くなった(除去または低減された)各視差画像を得ることができる。図12(a)〜(d)は、図9(a)〜(d)のそれぞれか不要成分が除去または低減された視差画像Im10〜Im40を示している。また、不要成分(ゴースト)を低減させた各視差画像を合成することにより、図13に示されるように、不要成分(ゴースト)の低減された瞳分割を行わない撮像により生成された撮影画像と同等の画像を生成することができる。
次に、図14を参照して、本実施例における不要成分(ゴースト成分)の決定処理(画像処理)の手順について説明する。図14は、本実施例における画像処理方法(不要成分の決定方法)を示すフローチャートである。図14の各ステップは、主に、図4に示されるシステムコントローラ210または画像処理部204により、コンピュータプログラムとしての画像処理プログラムに従って実行される。
まず、ステップS11において、システムコントローラ210は、撮像光学系201および撮像素子202により構成される撮像部を制御して被写体の撮像を行う(撮影画像としての入力画像を取得する)。そしてステップS12において、システムコントローラ210は、画像処理部204を制御し、撮像素子202(画素群G1〜G4)から出力されてA/Dコンバータ203にてA/D変換されたデジタル信号を用いて、入力画像としての一対の視差画像を生成する。ここで、画像処理部204は視差画像の生成のため、通常の現像処理や各種の画像補正処理を実施してもよい。
続いてステップS13において、画像処理部204の第一不要成分検出部204aは、各視差画像の相対差分情報(相対差分画像)を求める。すなわち第一不要成分検出部204aは、図9(a)〜(d)の視差画像Im1〜Im4のそれぞれを基準画像として、図9(e)〜(p)の相対差分画像Im1−2〜Im4−3を生成する。撮像面に到達した不要光が撮像光学系201の瞳のうち互いに異なる瞳領域を通過する場合、図9(a)〜(d)に示されるように、視差画像ごとに不要成分(ゴースト)の発生の有無や発生位置が異なる。そのため、単純な相対差分画像では、不要成分(ゴースト)の差分値は正および負の値をとる。例えば本実施例において、図9(g)の相対差分画像Im3−1を生成するために図9(c)の視差画像Im3から図9(a)の視差画像Im1を差し引くと、図9(c)の視差画像Im3に含まれる不要成分は正の値となる。また、図9(p)の相対差分画像Im4−3を生成するために図9(d)の視差画像Im4から図9(c)の視差画像Im3を差し引くと、図9(c)の視差画像Im3に含まれる不要成分は負の値となる。
本実施例において、第一不要成分検出部204aは、後述の不要成分低減処理の簡易化のため、前記負の値を切り捨てて0値とする処理を実施する。そのため、図9(g)、(k)、(o)の相対差分画像Im3−1、Im3−2、Im3−4には、図9(c)の視差画像Im3に含まれる不要成分が正の値として検出される。他の相対差分画像についても同様の処理を実施することにより、図9(a)〜(d)の視差画像Im1〜Im4に含まれる不要成分(ゴースト)と視差成分のみが正の値として検出されることになる。
続いてステップS14において、第一不要成分検出部204aは、ステップS13にて生成された相対差分画像中に残存する成分を第一不要成分として決定する。具体的には、第一不要成分検出部204aは、図9(a)の視差画像Im1を基準画像として得られた図9(e)、(i)、(m)の相対差分画像Im1−2、Im1−3、Im1−4をそれぞれ比較する。そして不要成分検出部204aは、各画像の同一座標上での輝度の最大値を抽出して第一不要成分(画像MAX1)を決定する。また第一不要成分検出部204aは、図9(b)〜(d)の視差画像Im2、Im3、Im4をそれぞれ基準画像として得られた相対差分画像についても同様の処理を行うと、図9(r)〜(t)の画像MAX2〜MAX4(第一不要成分)が得られる。
続いてステップS15において、画像処理部204の方向成分生成部204bは、ステップS14にて決定された第一不要成分同士(画像MAX1〜MAX4)をそれぞれ比較する。そして方向成分生成部204bは、各第一不要成分(各画像)の同一座標上における共通輝度成分を抽出して方向成分画像(例えば、図10(e)〜(h)の画像COM1〜COM4)を生成する。このとき、同一の輝度値の成分のみを抽出してもよく、または、ある程度の誤差を許容して、輝度値を比較した際に±X%の輝度差であれば共通輝度部分(共通輝度成分)であると決定するように所定の閾値をパラメータとして備えていてもよい。このとき本実施例において、輝度差が±X%(0≦X≦50)である場合に共通輝度成分と決定されるように、Xを設定することが好ましい。誤差の許容量をより小さくする場合、例えば0≦X≦30となるようにXを設定してもよい。
続いてステップS16において、画像処理部204のマスク作成部204cは、ステップS15にて生成された方向成分画像(方向成分情報)に基づいてマスク(マスク画像)を生成する。このとき、マスク作成部204cは、方向成分画像そのものをマスクとして使用することができ(例えば、図10(i)の画像COMtotal)、または、領域拡大などの処理を施してマスクを修正してもよい(例えば、図11(a)の画像COMtotal2)。
続いてステップS17において、画像処理部204の第二不要成分検出部204dは、第一不要成分およびマスクに基づいて第二不要成分を決定する。第二不要成分検出部204dは、例えば、第一不要成分(図10(a)〜(d)の画像MAX1〜MAX4の平均化画像)からマスク(図11(a)の画像COMtotal2)を減算する。その結果、第二不要成分(図11(b)の画像MAXtotal−COMtotal2)が生成される。これにより、視差成分と不要成分(ゴースト)とが混在した画像から視差成分のみを除去または低減することができる。
続いてステップS18において、画像処理部204の不要成分低減部204eは、出力すべき画像から不要成分を低減または除去する補正処理を行う。不要成分低減部204eは、出力すべき画像として、例えば図12(a)〜(d)に示されるように、画素G1〜G4をそれぞれ1画素とすることで得られる複数の視差画像Im10〜Im40を生成する。ここで、ステップS13にて負の値を切り捨てて0値とすることにより、各視差画像に含まれる不要成分(ゴースト)のみが正の値として検出される。このため、不要成分低減部204eは、単純に各視差画像からそれぞれの第二不要成分を差し引くことにより、不要成分(ゴースト成分)を除去または低減することができる。不要成分低減部204eは、例えば図15(a)〜(d)の視差画像Im1〜Im4から図15(e)〜(h)の第二不要成分(画像MAX10〜MAX40)を差し引く。これにより、不要成分低減部204eは、不要成分(ゴースト成分)が除去または低減された、図15(i)から(l)の視差画像Im10〜Im40を生成することができる。
最後にステップS19において、システムコントローラ210は、図15(i)〜(l)に示されるように不要成分(ゴースト成分)が除去または低減された視差画像Im10〜Im40を出力画像として出力する。そしてシステムコントローラ210は、これらの出力画像を、画像記録媒体209に保存し、または、表示部205に表示する。また、不要成分(ゴースト成分)を除去または低減した視差画像Im10〜Im40を合成し、図13に示される不要成分が除去または低減された瞳分割を行わない撮像により生成された撮影画像と同等の画像を出力画像として出力することもできる。
本実施例によれば、1回の撮像で得られた複数の視差画像に基づく複数の相対差分画像から不要光により形成された不要成分(ゴースト成分)を決定することができる。すなわち、複数回の撮像を行うことなく撮影画像に含まれる不要成分を決定することができる。また、相対差分画像を生成する際に、負の値を切り捨てているため、単純な差分計算のみで決定した不要成分を良好に除去または低減した高画質の撮影画像を得ることができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例における撮像装置の基本構成は、図4を参照して説明した実施例1の撮像装置200と同様であるため、その説明は省略する。
図16は、本実施例の撮像系における撮像素子202aの受光部を示している。図16において、MLはマイクロレンズであり、G11〜G55は受光部(画素G11〜G55)であり、互いに組をなしている。撮像素子202aには、画素G11〜G55の画素組が複数配列されている。この画素組は、共通の(すなわち画素組ごとに1つずつ設けられた)マイクロレンズMLを介して、射出瞳EXPと共役な関係を有する。なお本実施例において、撮像光学系の具体的な構成例も、図5を参照して説明した実施例1の撮像光学系201と同様であるため、その説明は省略する。
図17は、絞りSTP(すなわち撮像光学系の射出瞳EXP、ただし実際には絞りSTPと射出瞳EXPは異なることが多い)のうち、図16の画素G11〜G55に入射する光束が通過する領域P11〜P55(瞳領域)を示している。高輝度物体からの光束は、絞りSTPのほぼ全域を通過するが、各画素に入射する光束が通過する領域は、瞳領域P11〜P55に分割される。
続いて、図18および図19を参照して、撮像装置により生成される撮影画像において、不要光が光電変換されることにより現れる不要成分(ゴースト成分)を決定する方法について説明する。図18は、本実施例における撮像素子の受光部を示す図である。図19は、本実施例における画像処理方法の手順を示す図である。
図19(a)は、瞳分割を行わない撮像により生成された撮影画像Im51を示しており、図7の撮影画像Im0と同様である。そして、画素群G11〜G55にて光電変換した結果として得られた一組の視差画像を用いて、相対差分画像を取得するなどの一連の手順についても、実施例1と同様の部分の説明は省略する。本実施例は、斜め方向の瞳分割数を増やしたことで、斜め方向の視差成分も分離できる点で、実施例1とは異なる。例えば、不要成分(ゴースト)が理想的に瞳分割領域の一部分だけを通過し、図18の画素G42に入射した場合を考える(黒い四角部分がゴースト)。
図19(b)、(a)は、画素G42に対応する視差画像Im42と、その外側の画素G51に対応する視差画像Im51の画像をそれぞれ示している。そして、図14のフローチャートに示されるようなステップS11〜S16を経ることにより、図19(c)の画像COMtotal10のようなマスクを作成することができる。このマスクに基づいて第二不要成分を決定し、視差画像から不要成分(ゴースト)を低減させると、図19(d)に示されるような不要成分を低減させた出力画像Im00が得られる。
本実施例によれば、斜め方向(第一方向(縦方向)と第二方向(横方向)とは異なる第三方向)の視差成分についても分離することが可能となる。ただし、瞳分割数を多くしても、最も周辺部に関する情報を分離することはできない。これは、最も周辺部の瞳位置からしか見えない視差情報が含まれているためであり、いずれの瞳分割位置基準で得られた第一不要成分画像と比較しても、共通輝度成分が存在しないからである。
そこで、これを回避するためには、第二不要成分を決定するための画素領域を、出力画像を生成するための画素領域よりも広く設定することが好ましい。例えば図18に示されるように、撮影に利用する画素(出力画像を生成するための画素領域)は、中心の3×3の領域とする。一方、最も周辺部における不要成分(ゴースト)を低減させるため、撮影に利用する画素よりも更に周辺の画素部分を設ける。例えば、不要成分(ゴースト)を低減させるための画素領域(第一不要成分または第二不要成分を決定するための画素領域)は、5×5の領域とする。
次に、本発明の実施例3について説明する。Ren.Ng等の「Light Field Photography with a Hand−held Plenoptic Camera」(Stanford Tech Report CTSR 2005−2)において、「Plenoptic Camera」が提案されている。「Plenoptic Camera」において「Light Field Photography」という手法を用いることで、物体側からの光線の位置と角度の情報を取り込むことができる。
図20は、本実施例における撮像装置の撮像系を示す図であり、「Plenoptic Camera」の撮像系の構成を示している。撮像光学系301は、主レンズ(撮影レンズ)301bと開口絞り301aとを備えて構成される。撮像光学系301の結像位置には、マイクロレンズアレイ301cが配置されており、さらにその後方(像側)に撮像素子302が配置されている。マイクロレンズアレイ301cは、例えば点Aのような被写体空間のある一点を通る光線群と、点Aの近傍の点を通る光線とが撮像素子302上で混ざらないようにセパレータ(分離手段)としての機能を有する。図20から分かるように、点Aからの上線、主光線および下線は、それぞれ異なる画素によって受光される。このため、点Aを通る光線群を光線の角度ごとに分離して取得することができる。
また、Todor Georgive等による「Full Resolution Light Field Rendering」(Adobe Technical Report January 2008)が知られている。この文献では、光線の位置と角度の情報(Light Field)を取得する方法として、図21および図22に示される撮像系を提案している。
図21に示される撮像系の構成では、マイクロレンズアレイ301cを主レンズ301bの結像位置よりも後方(像側)に配置し、点Aを通る光線群を撮像素子302上に再結像させることで、光線群を光線の角度ごとに分離して取得することができる。また、図22に示される撮像系の構成では、マイクロレンズアレイ301cを主レンズ301bの結像位置よりも前方(物体側)に配置し、点Aを通る光線群を撮像素子302上に結像させることで、光線群を光線の角度ごとに分離して取得することができる。いずれの構成も、撮像光学系301の瞳を通過する光束を瞳内での通過領域(通過位置)に応じて分割する点は同じである。そして、これらの構成では、撮像素子302は、図23に示されるように、1つのマイクロレンズMLと1つの受光部G1とカラーフィルタCFを介して対になっている従来の撮像素子を用いることができる。
図20に示される撮像光学系301を用いると、図24(a)に示されるような画像が得られる。図24(b)は、図24(a)中に多数並んだ円のうち1つを拡大して示している。1つの円は絞りSTPに相当し、その内側は複数の画素Pj(j=1、2、3、…)により分割されている。これにより、1つの円内で瞳の強度分布が得られる。また、図21および図22に示される撮像光学系301を用いると、図25に示されるような視差画像が得られる。図24(a)に示される画像において、各円(絞りSTP)内の複数の画素Pjを並べて再構成することによっても、図25に示すような複数の視差画像が得られる。
実施例1、2で説明したように、ゴーストなどの不要光は、瞳内で偏りを持って瞳を通過する。このため、本実施例のように瞳を分割して撮像する撮像装置において実施例1、2にて説明した画像処理方法を使用することにより、不要成分を決定することもできる。
また、別の例として、図26に示されるような複数のカメラを用いて同一被写体を撮像する場合でも、視差画像が得られる。このため、このような複数のカメラにおいても、実施例1、2にて説明した画像処理方法を用いることができる。C1、C2、C3は、実際には別々の撮像装置であるが、大きな瞳を3つに分割して撮像する一体の撮像装置と見なすことができる。また、図27に示されるように、1つの撮像装置に複数の撮像光学系OSj(j=1、2、3、…)を設けることで瞳分割を行うことも可能である。
次に、本発明の実施例4について説明する。前述の各実施例では、画像全域において不要成分(ゴースト成分)を決定し、または除去する場合について説明したが、図7に示されるように、多くの場合、不要成分は画像の一部にのみ生じる。画像中の不要成分領域は、ユーザが判定することが容易であるため、ユーザに低減処理を行う画像領域を指定させることにより、各実施例での処理負荷を低減させることができる。また、領域を限定することにより、前述の近距離被写体撮影の場合に生じる被写体視差成分の影響を低減することもできる。
図28は、不要成分の低減処理を行う領域の説明図である。図28(a)は、画像中でユーザが不要成分(ゴースト)を除去しようとする領域(画像領域)を選択した場合の画像を示している。図28(b)は、実線の画像領域(選択領域)内の不要成分(ゴースト)を低減処理した出力画像を示している。このように不要成分を除去する画像領域を一部の画像領域に限定した場合でも、実施例1、2と同様の画像処理方法を用いて、視差画像から不要成分(ゴースト)を決定または除去することができる。
また、各実施例では、第二不要成分(ゴースト成分)を除去または低減する場合について説明したが、決定した不要成分(ゴースト成分)に関する情報を用いて、別の不要成分(第三不要成分)を付加(または強調)する補正処理を行うようにしてもよい。例えば、図25に示される複数の視差画像のそれぞれについて、不要成分(ゴースト成分)が存在する画像と存在しない画像が生じる。再構成後の画像にも、不要成分(ゴースト成分)を残したい場合、決定した不要成分(ゴースト成分)を各視差画像に付加してもよい。また、再構成した画像に対して不要成分(ゴースト成分)を付加することもできる。
各実施例では、本発明の画像処理方法を使用する(画像処理装置を搭載した)撮像装置について説明したが、本発明の画像処理方法は、パーソナルコンピュータにインストールされる画像処理プログラムによっても実施することができる。この場合、パーソナルコンピュータが本発明の画像処理装置に相当する。パーソナルコンピュータは、撮像装置により生成された画像回復処理前の画像(入力画像)を取り込み(取得し)、画像処理プログラムによって画像回復処理を行って、その結果得られた画像を出力する。
このように各実施例において、画像処理装置(画像処理部204)は、第一不要成分決定手段(第一不要成分検出部204a)および方向成分決定手段(方向成分生成部204b)を有する。また画像処理装置は、マスク作成手段(マスク作成部204c)および第二不要成分決定手段(第二不要成分検出部204d)を有する。第一不要成分決定手段は、複数の視差画像の相対差分情報に基づいて複数の視差画像のそれぞれに関する複数の第一不要成分を決定する(ステップS14)。方向成分決定手段は、複数の第一不要成分に基づいて方向成分情報(方向成分画像)を決定する(ステップS15)。マスク作成手段は、方向成分情報に基づいてマスク(マスク画像)を作成する(ステップS16)。第二不要成分決定手段は、複数の第一不要成分およびマスクに基づいて第二不要成分を決定する(ステップS17)。
好ましくは、方向成分情報は、複数の第一不要成分における同一座標位置での輝度成分を比較して決定される。より好ましくは、方向成分情報は、同一座標位置での輝度成分が共通輝度成分であるか否かに基づいて決定される。また好ましくは、同一座標位置での輝度成分の輝度差が所定の輝度差の範囲内である場合、輝度成分は共通輝度成分であると決定される。より好ましくは、所定の輝度差は、±X%(0≦X≦50)である。
好ましくは、画像処理部は、1回の撮像動作により複数の視差画像を生成する(ステップS12)。また好ましくは、画像処理部は、複数の視差画像のそれぞれを基準画像として設定し、複数の視差画像のうち基準画像を除く他の視差画像と基準画像との差分を算出して複数の相対差分情報を求める(ステップS13)。
好ましくは、第一不要成分決定手段は、複数の視差画像のうち、前記第一不要成分を決定する対象となる視差画像を基準画像として得られた前記複数の相対差分情報を負の値を切り捨てた2次元データとして取得する。そして第一不要成分決定手段は、2次元データの各位置における複数の相対差分情報の間の最大値を抽出し、基準画像における第一不要成分の位置および量を決定する。
好ましくは、画像処理部は、不要成分低減手段(不要成分低減部204e)を有する。不要成分低減手段は、複数の視差画像から複数の視差画像に対応する第二不要成分を減算して出力画像を生成する(ステップS19)。より好ましくは、第二不要成分を決定するための画素領域は、出力画像を生成するための画素領域よりも広い。
好ましくは、画像処理部は、第二不要成分の判定対象領域を選択する。そして第二不要成分決定手段は、選択された判定対象領域において第二不要成分を決定する。また好ましくは、複数の視差画像は、撮像光学系の瞳のうち互いに異なる領域を通過した複数の光束に基づいて生成された複数の画像である。また好ましくは、画像処理部は、第二不要成分に関する情報を用いて、複数の視差画像の少なくとも一つに第三不要成分を付加する補正処理を行う。また好ましくは、マスク作成手段は、被写体距離に応じてマスクを修正する。
好ましくは、方向成分情報は、第一方向(縦方向)および第一方向とは異なる第二方向(横方向)における視差情報(または、視差情報に対応する情報)を含む。より好ましくは、方向成分情報は、第一方向と第二方向のいずれとも異なる第三方向(斜め方向)における視差情報(または、視差情報に対応する情報)を更に含む。
各実施例によれば、複数の撮像を行うことなく(1回の撮像動作で)撮影画像に含まれる視差成分と不要成分とを分離可能な画像処理方法、画像処理装置、撮像装置、画像処理プログラム、および、記憶媒体を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。