JP6198527B2 - 複合構造体の空隙率を低減するための方法およびシステム - Google Patents

複合構造体の空隙率を低減するための方法およびシステム Download PDF

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Description

本発明は概して、複合構造体に関し、具体的には、航空機の複合材部品等の複合構造体の空隙率を低減するための方法およびシステムに関する。
炭素繊維強化ポリマー(CFRP)材料等の複合材料が、その強度性および剛性、軽量性、耐腐食性、および他の好ましい特性を理由として、様々な構造体およびコンポーネント部品の製造に幅広く使用されている。特に、航空機の製造において、CFRPの複合構造体および複合コンポーネント部品が、航空機の機体、翼、尾部、外板パネル、および他のコンポーネント部品の形成のため、ますます大量に使用されている。
CFRP複合構造体の製造段階において、製造プロセスまたはエンジニアリング設計における諸問題に起因して、複合材料内に予期しない空隙、すなわち空領域が作成されることがある。たとえば、CFRP複合構造体の硬化サイクル前の積層処理中に、封じ込められた空気によって、このような空隙が作成され得る。またたとえば、CFRP複合構造体の硬化サイクル中、このような空隙は封じ込められた空気及び/又は吸収された水分や気体反応生成物等の揮発性物質の拡張によって作成され得る。
空隙率とは、パーセンテージなど、材料内の空隙量の度合いであり、全容積に対する空隙容積の割合である。せん断強度等の優れた機械的特性を達成し、複合構造体の性能を確保するには、空隙の軽減および低レベルの空隙率、すなわち2%〜5%未満等の低い空隙量が望ましい。
さらに、複合材の層間に封じ込められ得る空気を除去または実質的に除去するため、大型複合材部品の製造中、このような大型複合材部品は通常、真空圧力下での硬化前の真空保持を12〜24時間以上もの長時間、受ける可能性がある。このような硬化前の真空保持によって、製造処理全体に多大な時間が加算され、大型複合材部品の製造コスト全体が増加する。
したがって、当該技術分野において、既知の方法とシステムに対する利点をもたらす、複合構造体の空隙率を低減するための改善された方法およびシステムに対するニーズが存在する。
複合構造体の空隙率を低減するための改善された方法およびシステムに対するこのようなニーズは達成される。以下の詳細な説明の記載のとおり、複合構造体の空隙率を低減するための改善された方法およびシステムに係る実施形態は、既存の方法とシステムに対して有意義な利点をもたらし得る。
本発明の一実施形態では、複合構造体の空隙率を低減するための方法がもたらされる。前記方法は、添加物/樹脂混合物を形成するため、樹脂材料に添加物を追加することを含む。前記添加物は、前記樹脂材料の樹脂硬化温度より高い添加物相転移温度を有する相転移材料を含む。前記方法はさらに、複合プリプレグ材料を形成するため、前記添加物/樹脂混合物を複数の強化繊維と結合することを含む。前記方法はさらに、前記複合プリプレグ材料を複合構造体に形成することを含む。前記方法はさらに、前記樹脂材料の粘性を低下させるために十分な樹脂硬化温度で、有効な時間、有効な真空圧力の真空デバイス下において加熱装置内で前記複合構造体を熱硬化することを含む。前記方法はさらに、前記複合構造体を加熱して、前記添加物相転移温度および前記樹脂硬化温度を超える温度まで温度を上昇させ、かつ前記添加物が相転移を経て前記複合構造体からの1つ以上の気体を実質的に置き換える添加ガスを形成するために十分な時間にわたり前記上昇させた温度を維持することを含む。前記方法はさらに、前記添加ガスが相転移を経て凝縮相となる結果、前記複合構造体内の真空圧力が実質的に低下して前記複合構造体の空隙率が低減するよう、前記上昇させた温度を元の前記樹脂硬化温度まで下げることを含む。前記方法はさらに、前記複合構造体を冷却することを含む。
本発明の別の実施形態では、航空機の複合材部品の空隙率を低減するための方法がもたらされる。前記方法は、添加物/樹脂混合物を形成するため、樹脂材料に添加物を追加することを含む。前記添加物は、前記樹脂材料の樹脂硬化温度より高い添加物相転移温度を有する相転移材料を含む。前記方法はさらに、複合プリプレグ材料を形成するため、前記添加物/樹脂混合物を複数の強化炭素繊維と結合することを含む。前記方法はさらに、手動積層または自動積層を含む形成プロセスを介して、前記複合プリプレグ材料を積層することを含む。前記方法はさらに、真空圧力下において、真空バッグ下で前記航空機の複合材部品を囲むことを含む。前記方法はさらに、前記樹脂材料の粘性を低下させるために十分な前記樹脂硬化温度まで、オートクレーブまたはオーブンを含む加熱装置内で、有効な時間、有効な真空圧力で、前記真空バッグ下で囲まれた前記航空機の複合材部品を熱硬化することを含む。前記方法はさらに、有効な樹脂硬化時間、前記樹脂硬化温度を維持することを含む。前記方法はさらに、前記添加物相転移温度および前記樹脂硬化温度を約華氏5度から約華氏20度上回る範囲内の温度まで、前記航空機の複合材部品を加熱して温度を上昇させることを含む。前記方法はさらに、前記添加物が液体から気体への相移転を経て、かつ、前記航空機の複合材部品からの1つ以上の気体を実質的に置き換える添加ガスを形成するために十分な時間、前記上昇させた温度を維持することを含む。前記方法はさらに、前記添加ガスが相転移を経て凝縮相となる結果、前記航空機の複合材部品内の真空圧力が実質的に低下して、前記航空機の複合材部品の空隙率が約80%〜約99%の範囲で低減するよう、前記上昇させた温度を元の前記樹脂硬化温度まで下げることを含む。前記方法はさらに、前記航空機の複合材部品を冷却することを含む。前記方法はさらに、冷却された航空機の複合材部品を前記オートクレーブから除去することを含む。
本発明の別の実施形態では、複合構造体の空隙率を低減するためのシステムがもたらされる。前記システムは、複合プリプレグ材料を含む。前記複合プリプレグ材料は、添加物/樹脂混合物を予め含侵させた複数の強化繊維を含む。添加物/樹脂混合物の添加物は、前記樹脂材料の樹脂硬化温度より高い添加物相転移温度を有する相転移材料を含む。前記システムはさらに、前記複合プリプレグ材料を複合構造体内へ積層するよう適合された積層マシンを含む形成装置を含む。前記システムはさらに、真空バッグを含む真空デバイスを含む。前記真空デバイスは、有効な真空圧力で、真空下で前記複合構造体を囲むよう適合される。前記システムはさらに、オートクレーブおよびオーブンを含む加熱装置を含む。前記加熱装置は、前記真空デバイスで囲まれた前記複合構造体を、有効な樹脂硬化温度まで熱硬化し、かつ、前記樹脂材料の粘性を低下させるために十分な有効時間、前記樹脂硬化温度を維持するよう適合されている。前記加熱装置はさらに、前記複合構造体を加熱して、前記添加物相転移温度および前記樹脂硬化温度を超える温度まで温度を上昇させ、かつ前記添加物が液体から気体への相移転を経て前記複合構造体からの1つ以上の気体を実質的に置き換える添加ガスを形成するために十分な時間、前記上昇させた温度を維持するよう適合されている。前記加熱装置はさらに、前記添加ガスが相転移を経て凝縮相となる結果、前記複合構造体内の真空圧力が実質的に低下して前記複合構造体の空隙率が低減するよう、前記上昇させた温度を元の前記樹脂硬化温度まで下げるよう適合されている。
本発明の一態様によると、複合構造体の空隙率を低減するための方法がもたらされる。前記方法は、添加物/樹脂混合物を形成するため、樹脂材料に添加物を追加することであって、前記添加物は前記樹脂材料の樹脂硬化温度より高い添加物相転移温度を有する相転移材料を含んでいる、前記追加すること、複合プリプレグ材料を形成するため、前記添加物/樹脂混合物を複数の強化繊維と結合すること、前記複合プリプレグ材料を複合構造体に形成すること、前記樹脂材料の粘性を低下させるために十分な樹脂硬化温度で、有効な時間、有効な真空圧力の真空デバイス下において加熱装置内で前記複合構造体を熱硬化すること、前記複合構造体を加熱して、前記添加物相転移温度および前記樹脂硬化温度を超える温度まで温度を上昇させること、および前記添加物が相移転を経て、前記複合構造体からの1つ以上の気体を実質的に置き換える添加ガスを形成するために十分な時間、前記上昇させた温度を維持すること、前記添加ガスが相転移を経て凝縮相となる結果、前記複合構造体内の真空圧力が実質的に低下して前記複合構造体の空隙率が低減するよう、前記上昇させた温度を元の前記樹脂硬化温度まで下げること、および前記複合構造体を冷却することを含む。
前記樹脂材料に前記添加物を追加することがさらに、1気圧で約250°F(華氏)から約950°Fの範囲の温度の沸点を有する9つ以上の炭素原子を有するアルカン、1気圧で約392°Fから約500°Fの範囲の温度の沸点を有するフェニルプロペン、および1気圧で約422°Fから約980°Fの範囲の温度の沸点を有する多環式芳香族炭化水素、およびトリアシルグリセリドからなる群から選択される添加物を追加することを含むと有利である。前記樹脂材料に前記添加物を追加することがさらに、前記添加物を前記添加物/樹脂混合物の容積全体に基づき、0.01容積パーセントから約1.5容積パーセントの分量で追加することを含むことが有利である。また、前記樹脂材料に前記添加物を追加することがさらに、前記添加物をエポキシ樹脂、エポキシアミン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイド樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される樹脂材料に追加することを含むことが有利である。

前記複合プリプレグ材料を前記複合構造体に形成することがさらに、手動積層または積層マシンを使用する自動積層を含む形成プロセスを介して、前記複合プリプレグ材料を積層することを含むことが有利である。
前記複合構造体を熱硬化することがさらに、オートクレーブまたはオーブンを含む加熱装置内で前記複合構造体を熱硬化することを含むことが有利である。また、前記複合構造体を熱硬化することがさらに、密封された可撓性の真空バッグを含む真空デバイス下で、前記複合構造体を熱硬化することを含むことが有利である。
前記複合構造体を加熱して温度を上昇させることがさらに、前記樹脂硬化温度および前記添加物相転移温度を約華氏5度から約華氏20度の範囲だけ上回る温度まで、前記複合構造体を加熱して温度を上昇させることを含むことが有利である。また、前記添加物相転移温度を超える温度まで前記複合構造体を加熱することがさらに、約1分から約15分の範囲の時間にわたり、前記上昇させた温度を維持することを含むことが有利である。前記添加物相転移温度を超える温度まで前記複合構造体を加熱することがさらに、1つ以上の気体を実質的に置き換える添加ガスを形成することを含み、前記1つ以上の気体は封じ込められた空気および吸収された水分、溶存水、および樹脂アウトガスを含む揮発性物質を含むことが有利である。
前記上昇させた温度を元の前記樹脂硬化温度まで前記下げることが、前記複合構造体の空隙率の低減率を約80%〜約99%の空隙率低減の範囲でもたらすことが有利である。
本発明のさらなる別の態様によると、航空機の複合材部品の空隙率を低減するための方法がもたらされる。前記方法は、添加物/樹脂混合物を形成するため、樹脂材料に添加物を追加することであって、前記添加物は前記樹脂材料の樹脂硬化温度より高い添加物相転移温度を有する相転移材料を含んでいる、前記追加すること、複合プリプレグ材料を形成するため、前記添加物/樹脂混合物を複数の強化炭素繊維と結合すること、手動積層または自動積層を含む形成プロセスを介して、前記複合プリプレグ材料を積層すること、真空圧力下において、真空バッグ下で前記航空機の複合材部品を囲むこと、前記樹脂材料の粘性を低下させるために十分な前記樹脂硬化温度まで、オートクレーブまたはオーブンを含む加熱装置内で、有効な時間、有効な真空圧力で、前記真空バッグ下で囲まれた前記航空機の複合材部品を熱硬化すること、有効な樹脂硬化時間、前記樹脂硬化温度を維持すること、前記添加物相転移温度および前記樹脂硬化温度を約華氏5度から約華氏20度の範囲だけ上回る温度まで、前記航空機の複合材部品を加熱して温度を上昇させること、前記添加物が液体から気体への相移転を経て前記航空機の複合材部品からの1つ以上の気体を実質的に置き換える添加ガスを形成するために十分な時間、前記上昇させた温度を維持すること、前記添加ガスが相転移を経て凝縮相となる結果、前記航空機の複合材部品内の真空圧力が実質的に低下して、前記航空機の複合材部品の空隙率が約80%〜約99%の範囲で低減するよう、前記上昇させた温度を元の前記樹脂硬化温度まで下げること、前記航空機の複合材部品を冷却すること、および前記冷却された航空機の複合材部品を前記オートクレーブから除去することを含む。
前記樹脂材料に前記添加物を追加することがさらに、1気圧で約250°F(華氏)から約950°Fの範囲の温度の沸点を有する9つ以上の炭素原子を有するアルカン、1気圧で約392°Fから約500°Fの範囲の温度の沸点を有するフェニルプロペン、および1気圧で約422°Fから約980°Fの範囲の温度の沸点を有する多環式芳香族炭化水素、およびトリアシルグリセリドからなる群から選択される添加物を追加することを含むと有利である。また、前記樹脂材料に前記添加物を追加することがさらに、前記添加物をエポキシ樹脂、エポキシアミン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイド樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される樹脂材料に追加することを含むことが有利である。

本発明のさらなる別の態様によると、複合構造体の空隙率を低減するためのシステムがもたらされる。前記システムは、添加物/樹脂混合物を予め含侵させた複数の強化繊維を含む複合プリプレグ材料であって、前記添加物は前記樹脂材料の樹脂硬化温度より高い添加物相転移温度を有する相転移材料を含んでいる複合プリプレグ材料、前記複合プリプレグ材料を複合構造体内へ積層するよう適合された積層マシンを含む形成装置、真空バッグを含む真空デバイスであって、前記真空デバイスは有効な真空圧力で、真空下で前記複合構造体を囲むよう適合された真空デバイス、オートクレーブおよびオーブンを含む加熱装置であって、前記加熱装置は、前記真空デバイスで囲まれた前記複合構造体を、有効な樹脂硬化温度まで熱硬化し、かつ、前記樹脂材料の粘性を低下させるために十分な有効時間、前記樹脂硬化温度を維持するよう適合されており、前記加熱装置はさらに、前記複合構造体を加熱して、前記添加物相転移温度および前記樹脂硬化温度を超える温度まで温度を上昇させ、かつ前記添加物が液体から気体への相移転を経て前記複合構造体からの1つ以上の気体を実質的に置き換える添加ガスを形成するために十分な時間にわたり前記上昇させた温度を維持するよう適合されており、前記加熱装置はさらに、前記添加ガスが相転移を経て凝縮相となる結果、前記複合構造体内の真空圧力が実質的に低下して前記複合構造体の空隙率が低減するよう、前記上昇させた温度を元の前記樹脂硬化温度まで下げるよう適合されている加熱装置を含む。
前記樹脂材料に前記添加物を追加することがさらに、1気圧で約250°F(華氏)から約950°Fの範囲の温度の沸点を有する9つ以上の炭素原子を有するアルカン、1気圧で約392°Fから約500°Fの範囲の温度の沸点を有するフェニルプロペン、および1気圧で約422°Fから約980°Fの範囲の温度の沸点を有する多環式芳香族炭化水素、およびトリアシルグリセリドからなる群から選択される添加物を追加することを含むと有利である。
前記樹脂材料はさらに、エポキシ樹脂、エポキシアミン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイド樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されることが有利である。

前記上昇させた温度は、前記添加物相転移温度および前記樹脂硬化温度を約華氏5度から約華氏20度の範囲だけ上回る温度であることが有利である。
前記複合構造体の前記空隙率の前記低減が約80%〜約99%の空隙率低減の範囲であることが有利である。
前記添加物は、前記添加物/樹脂混合物の容積全体に基づき、0.01容積パーセントから約1.5容積パーセントの分量であることが有利である。
前述の特徴、機能および利点は、本発明の様々な実施形態で独立に実現可能であるか、さらなる別の実施形態で組み合わせることが可能であり、さらなる別の実施形態の詳細は、以下の説明および図面を参照すると理解できる。
本発明は、好ましい実施形態および例示の実施形態を示す添付図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することでよりよく理解できる。添付図面は必ずしも正確な縮尺で描かれているわけではない。
本発明の方法の各種実施形態のうちの一実施形態のフロー図である。 本発明のシステムの各種実施形態のうちの一実施形態のブロック図であり、硬化前サイクルの形態のシステム部分を示す。 本発明のシステムの各種実施形態のうちの一実施形態のブロック図であり、硬化サイクルの形態のシステム部分を示す。 本発明のシステムの各種実施形態のうちの一実施形態のブロック図であり、硬化後サイクルの形態のシステム部分を示す。 本発明の方法に係る各種実施形態のうちの一実施形態によって作成される複合構造体を組み込むことができる例示の航空機の斜視図である。
添付図面を参照して本発明の実施形態について以下にさらに詳細に説明するが、添付図面には本発明のすべての実施形態ではなく、一部の実施形態が示されている。実際には、幾つかの種々の実施形態が提供可能であり、本明細書で説明した実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的かつ完全となるよう、また当業者に本発明の範囲が十分伝わるように、提供されている。
図を参照すると、図1は複合構造体26(図2A参照)の空隙率134(図2B参照)を低減するための方法30の一例示の実施形態のフロー図である。図2Aは、本発明のシステム50の各種実施形態のうちの一実施形態のブロック図であり、硬化前サイクル52の形態のシステム部分50aを示す。図2Bは、本発明のシステム50の各種実施形態のうちの一実施形態のブロック図であり、硬化サイクル84の形態のシステム部分50bを示す。図2Cは、本発明のシステム50の各種実施形態のうちの一実施形態のブロック図であり、硬化後サイクル140の形態のシステム部分50cを示す。
図1と2Aに示すように、前記方法30は、添加物/樹脂混合物58(図2A参照)を形成するため、添加物54(図2A参照)を樹脂材料56(図2A参照)に追加するステップ32を含む。図2Aのとおり、前記システム50は、前記硬化前サイクル52の形態の前記システム部分50aを含む。さらに図2Aのとおり、前記硬化前サイクル52は、添加物/樹脂混合物の調製部分53を含み、当該調製部分において前記添加物/樹脂混合物58は、前記添加物54と前記樹脂材料56を一緒に混合することで調製される。図2Aに詳細に示されるとおり、前記添加物54は添加物相転移温度64を有する相転移材料60を含む。前記方法30と前記システム50において、前記添加物相転移温度64は、前記樹脂材料56の樹脂硬化温度66より高い。
この出願の意図として、前記「添加物相転移温度」とは、前記添加物がある相、すなわちある物質の状態から、別の相、すなわち別の物質の状態へと変化する温度を意味しており、たとえば、添加物が液体から気体へ、気体から液体へ、固体から気体へ、または気体から固体へと変化する温度である。前記添加物54は可逆性の相転移材料60を含み、前記添加物は、前記方法30と前記システム50における前記硬化サイクル84中、添加物の液体から気体への相転移62(図2B参照)と添加物の気体から液体への相転移126(図2B参照)を経ることが好ましい。
前記方法30に係る前記添加物54(図2A参照)を前記樹脂材料56(図2A参照)に追加することの前記ステップ32はさらに、次の1つ以上を含む添加物54を追加することを含む。次の1つ以上とは、すなわち、1気圧で約250°F〜約950°F(華氏)/394Kから783K(ケルビン)/121℃〜510℃(摂氏)の範囲の温度、より好ましくは約303°F〜914°F/424K〜763K/151℃〜490℃の範囲の温度での沸点(bp)を有する9つ以上の炭素原子を有するアルカン、1気圧で約392°F〜500°F/473K〜533K/200℃〜260℃の範囲の温度での沸点(bp)を有するフェニルプロペン、1気圧で約422°F〜980°F/490K〜800K/217℃〜527℃の範囲の温度での沸点(bp)を有する多環式芳香族炭化水素、トリアシルグリセリド(グリセロール基剤に結合された3脂肪酸)、たとえば、(E)‐4-ヒドロキシフェネチル4‐-ホルミル‐3‐(2‐オキソエチル)ヘキス‐4‐エノエート (オリーブオイル)(1気圧で約355°F/452K/179℃での沸点(bp)を有する)等のある種のグリセロ脂質等のアルケニル基とアルキル基の両方を有するトリグリセリド、または別の適切な添加物である。
圧力を下げることで沸点が下がり、前記方法30とシステム50は0.2気圧未満の圧力および約355°F/453K/180℃の温度で動作できることが好ましい。前記沸点は、液体の蒸気圧が液体を囲む圧力と等しくなり、液体が蒸気に変化する温度をいう。真空内の液体は、その液体が大気圧にあるときより、低い沸点を有する。高圧での液体は、その液体が大気圧にあるときより、高い沸点を有する。液体の沸点は、周囲の環境圧によって異なる。特定の圧力では、異なる液体は異なる温度で沸点に達する。
9つ以上の炭素原子を有する好ましいアルカンとしては、ノナン(C9H20)、
デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘニコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコタン、ドトリアコタン、トリトリアコタン、テトラトリアコンタン、ペンタトリアコンタン、ヘキサトリアコンタン、ヘプタトリアコンタン、オクタトリアコンタン、ノナトリアコンタン、テトラコンタン、ヘンテトラコンタン、およびドテトラコンタン(C42H86)が挙げられる。たとえば、テトラデカンは1気圧で約482°F/523K/250℃の温度での沸点を有し、かつ、0.013気圧で約251°F/395K/122℃の温度の沸点を有する。よって、テトラデカンの好ましい沸点は約0.013気圧から約1気圧の範囲の気圧での温度におけるものである。
好ましいフェニルプロペンとしては、1気圧で約491°F/528K/255℃の温度の沸点を有するオイゲノール、1気圧で約460°F/511K/238℃の温度の沸点を有するカビコール、1気圧で約451°F/506K/233℃の温度の沸点を有するサフロール、および1気圧で約421°F/489K/216℃の温度の沸点を有するエストラゴールが挙げられる。より好ましいフェニルプロペンはオイゲノールである。
上述のように、多環式芳香族炭化水素は1気圧で約422°F〜980°F/490K〜800K/217℃〜527℃の範囲の温度の沸点を有する。よって、好ましい多環式芳香族炭化水素は、0.2気圧で、この範囲の温度における沸点を有する可能性がある。好ましい多環式芳香族炭化水素の一部としては、1気圧で702°F/605K/372℃で昇華するペンタセン、1気圧で820°F/711K/438℃の沸点を有するトリフェニレン、1気圧で630°F/605K/332℃の沸点を有するフェナントレンが含まれ得る。多環式芳香族炭化水素の一部は、室温で固体の可能性があり、これは処理に悪影響を与える。好ましい多環式芳香族炭化水素は機能的であるが、何らかの有機体を損害の可能性にさらし得る複合構造体に組み込まれることは意図されていない。
本明細書に開示の前記方法30とシステム50で使用される前記添加物は、前記添加物/樹脂混合物の容積全体に基づき、約0.01容積パーセントから約1.5容積パーセントの分量で追加されることが好ましい。前記添加物は、前記添加物/樹脂混合物の容積全体に基づき、約1.0容積パーセントの分量で追加されることがさらに好ましい。
方法30に係る前記添加物54(図2A参照)を前記樹脂材料56(図2A参照)に追加するステップ32はさらに、1つ以上のエポキシ樹脂、エポキシアミン樹脂、ビスマレイド樹脂もしくは他の適切なポリイミド樹脂等のポリイミド樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、これらの組み合わせ、または他の適切な樹脂材料を含む樹脂材料56に前記添加物54を追加することを含む。前記樹脂材料56は熱硬化性材料であることが好ましい。前記樹脂材料56は、約212°F〜950°F/373K〜783K/100℃〜510℃の範囲の温度での樹脂硬化温度を有することが好ましい。前記樹脂材料は、約248°F〜410°F/393K〜483K/120℃〜210℃の範囲の温度での樹脂硬化温度を有することがより好ましい。前記樹脂材料は、約248°F〜356°F/393K〜453K/120℃〜180℃の範囲での温度での樹脂硬化温度を有することが最も好ましい。

図1に示すように、前記方法30はさらに、複合プリプレグ材料70(図2A参照)を形成するため、前記添加物/樹脂混合物58(図2A参照)を複数の強化繊維68(図2A参照)と結合するステップ34を含む。図2Aに示すように、前記硬化前サイクル52はさらに、複合プリプレグ材料の準備部分59を含んでおり、当該準備部分において、前記複合プリプレグ材料70は前記添加物/樹脂混合物58を前記複数の強化繊維68と結合することによって準備される。前記複数の強化繊維68は、プリプレグ材料を形成するための当該技術分野で既知の装置とプロセスを使用して、前記未硬化の添加物/樹脂混合物58を予め含侵させることが好ましい。前記強化繊維68は好ましくは、炭素繊維、グラファイト繊維、アラミド繊維、繊維ガラス繊維、ガラス繊維、KEVLAR繊維(KEVLARはデラウェア州ウィルミントンのE.I.Du Pont De Nemours and Company Corporationの登録商標)、これらの組み合わせ、または他の適切な炭素繊維もしくは非炭素繊維を含むことが好ましい。前記複合プリプレグ材料70は、単向性の(配向された)もしくは繊維(織物)の形態であって、所望の量の前記添加物/樹脂混合物58もしくはマトリックスを含侵させた強化繊維68を含むことができる。前記複合プリプレグ材料70は、積層板等のラミネート82(図2A参照)の形態であることが好ましい。しかしながら、前記複合プリプレグ材料70はテープの形態または他の適切な形態であってもよい。前記添加物/樹脂混合物58またはマトリックスは、前記強化繊維68間の応力を転移し、それによって前記強化繊維68を機械的応力及び/又は環境応力から保護することが好ましい。
図1に示すように、前記方法30はさらに、前記複合プリプレグ材料70(図2A参照)を複合構造体26(図2A参照)に形成するステップ36を含む。図2Aに示すように、前記硬化前サイクル52はさらに、複合構造体の形成部分71を含んでおり、当該形成部分において、前記複合構造体26は前記複合プリプレグ材料70を形成すること72によって、形成または準備される。前記形成すること72は、積層マシン76(図2A参照)の形態等の形成装置74(図2A参照)を用いて、前記複合プリプレグ材料70を形成または成形することを含むことができる。たとえば、当該技術分野で既知の自動テープ積層マシンを使用すると、組み立て時間を短縮できる。前記形成すること72は、手動積層プロセス80(図2A参照)の形態等の形成プロセス78(図2A参照)または積層マシン76を使用する自動積層プロセスを用いて、前記未硬化の複合プリプレグ材料70を形成または成形することを含むことができる。マシンまたは手動による積層プロセスには、積層板の形態等の未硬化の複合プリプレグ材料70を成形された金型もしくは工具(図示せず)の表面に配置することを伴い、成形された金型もしくは工具は離型剤もしくは離型フィルムで扱うことができる。最大の強度と性能をもたらすよう、前記複合プリプレグ材料70の複数のレイヤを順に重ねて適用し、所望の厚みを達成し、かつ、所望の強化繊維の向きを達成することができる。
各種の既知の複合材製造プロセスと異なり、前記複合プリプレグ材料70を複合構造体26に形成することの前記ステップの後、前記複合構造体26は、真空圧力下での硬化前の真空保持を必要としないことが好ましく、特に、大型の航空機の複合材部品28もしくは他の適切な複合構造体等の大型の複合構造体26に対する、真空圧力下での硬化前の真空保持を必要としないことが好ましい。よって、本発明に係る前記方法30は、前記複合構造体26を硬化前の真空保持下で保持するための追加の12〜24時間もしくはそれ以上を避けることが好ましい。これによって、前記複合構造体26の製造時間全体とコスト全体を低減できる。
図1と図2Bに示すように、前記方法30はさらに、前記樹脂材料56(図2A参照)の粘性を低下させるために十分な樹脂硬化温度66(図2A参照)で、有効な時間、有効な真空圧力94(図2B参照)で、真空デバイス96(図2B参照)下において加熱装置88(図2B参照)内で前記複合構造体26を熱硬化すること86のステップ38を含む。図2Bのとおり、前記システム50は、前記硬化サイクル84の形態の前記システム部分50bを含む。前記硬化サイクル84は、前記複合構造体26を前記熱硬化すること86を含む。
図2Bに詳細に示すとおり、前記熱硬化すること84は、前記加熱装置88、好ましくはオートクレーブ90もしくはオーブン92の形態、を使用することを含む。図2Bに詳細に示すとおり、前記熱硬化すること84は、前記真空デバイス96、好ましくは真空バッグ98の形態で、有効な真空圧力94を有するものを含む。好ましくは、前記複合構造体26は前記真空バッグ98で囲まれまたは覆われ、前記真空バッグ98は典型的には密封された可撓性の真空バッグであって、真空が前記真空バッグ98内に適用される。前記複合構造体26を前記真空バッグ98下で囲むプロセスは、当該技術分野において「真空引き」として知られている。その後、前記真空バッグ98は、前記複合構造体26を硬化するため、真空を維持しつつ、高温および真空圧力を受けることができる。好ましくは、オートクレーブ90(図2B参照)または、対流式オーブン等のオーブン92(図2B参照)を使用して、必要な温度と圧力を適用して、前記複合構造体26を生成できる。前記真空バッグ98で囲まれたまたは覆われた前記複合構造体26を前記オートクレーブ90または前記オーブン92内に配置できる。前記熱硬化すること86は前記オートクレーブ90または前記オーブン92内で行われ、その結果、前記オートクレーブ90または前記オーブン92内部で前記真空圧力94を得られるだけでなく、前記オートクレーブ90または前記オーブン92内部で外圧も得られる。前記真空圧力と外圧は共に、前記複合構造体26を構成する前記複合プリプレグ材料70のレイヤに圧力をかけ、つまり連結する。
図2Bに詳細に示すとおり、前記硬化サイクル84は第1加熱ステップ100を含む。前記第1加熱ステップ100は、前記複合構造体26を前記樹脂硬化温度66まで加熱すること102を含む。使用される前記樹脂硬化温度66は、どの樹脂材料56を使用するかどうかで異なる。前記温度は、約1°F〜約10°F(華氏)/分の範囲の速度で、室温もしくは気温またはさらに低い温度から所望の樹脂硬化温度66まで、増加もしくは上昇させることができる。この温度の増加もしくは上昇は、達成すべき樹脂硬化温度66によって、約30分〜約90分もしくはそれ以上の範囲の時間で行うことができることが好ましい。
いったん前記複合構造体26が前記樹脂硬化温度66まで加熱されると、前記第1加熱ステップ100はさらに、前記樹脂硬化温度66を有効な時間、維持すること104または保持することを含む。前記有効な時間は、前記複合構造体26の最も冷たい箇所が前記樹脂硬化温度66まで加熱されるよう、約2時間から約4時間の範囲であることが好ましい。理由は、前記複合構造体26は、より冷たい箇所より、素早く温まる、より温かい箇所を有している可能性があるためである。より大型の複合構造体26の場合、前記複合構造体26の前記より温かい箇所と前記複合構造体26の前記最も冷たい箇所の温度差によって、前記樹脂硬化温度66は、4時間より長い間、維持もしくは保持される必要がある可能性がある。
前記硬化サイクル84中の前記樹脂硬化温度66を維持すること104または保持することの間、前記樹脂材料56が最低樹脂粘度108に近い、低下した樹脂粘性106(図2B参照)を有するとき、前記樹脂材料56がゲル化しないよう、前記硬化サイクル84は第2加熱ステップ110を含む。図1と2Bに示すように、前記方法30はさらに、前記添加物54が添加物の液体から気体への相転移62等の相転移を経て、かつ、前記複合構造体26からの1つ以上の気体118(図2B参照)を実質的に置き換える添加ガス116(図2B参照)を形成するために十分な時間にわたり、前記複合構造体26を前記樹脂硬化温度66を超える前記添加物相転移温度64まで加熱するステップ40を含む。
図2Bに詳細に示すとおり、前記硬化サイクル84は第2加熱ステップ110を含む。前記第2加熱ステップ110は、前記複合構造体26の熱を、前記添加物相転移温度64を超える上昇後温度113(図2B参照)まで上げるステップ112を含む。使用される前記添加物相転移温度64は、どの添加物54を使用するかで異なる。前記上昇後温度113は、前記樹脂硬化温度66を約5°F(華氏)から約20°Fの範囲だけ上回る温度を含むことができ、好ましくは前記添加物相転移温度64を約5°Fから約10°F上回る温度、より好ましくは前記添加物相転移温度64を約5°F上回る温度である。使用される前記添加物54および添加物相転移温度64によって、前記第2加熱ステップ110はさらに、前記上昇後温度113を約1分から約15分の範囲の有効な時間にわたって維持するステップ114を含む。
図1に詳細に示すように、前記方法30はさらに、前記複合構造体26(図2A参照)を加熱して前記添加物相転移温度64(図2A参照)および前記樹脂硬化温度66(図2A参照)を超える上昇後温度113(図2B参照)まで温度を上昇させること、および前記添加物54が添加物の液体から気体への相移転62(図2B参照)等の相転移を経て、前記複合構造体26からの1つ以上の気体118(図2B参照)を実質的に置き換える添加ガス116(図2B参照)を形成するために十分な時間にわたり前記上昇後温度113を維持するステップ40を含む。前記1つ以上の気体118は、吸収された水分、溶存水、樹脂アウトガスもしくは他の樹脂副生成物、気体反応生成物、または他の適切な気体を含め、既存の封じ込められた空気および揮発性物質を含むことができる。前記複合構造体26を加熱して前記添加物相転移温度64を超える前記上昇後温度113まで温度を上昇させることがさらに、約1分から約15分の範囲の時間114(図2B参照)にわたり、前記上昇させた温度を維持することを含むことが好ましい。好ましくは、前記複合構造体26を加熱して前記添加物相転移温度64を超える前記上昇後温度113まで温度を上昇させることがさらに、前記樹脂硬化温度66を約華氏5度から約華氏20度の範囲だけ上回る温度、好ましくは前記添加物相転移温度64を約5°F〜10°F上回る温度、より好ましくは前記添加物相転移温度64を約5°F上回る温度である上昇後温度113まで加熱することを含む。
図1に詳細に示すように、前記方法30はさらに、前記添加ガス116が相転移を経て凝縮相127(図2B参照)となり、前記複合構造体26内の真空圧力94(図2B参照)を実質的に低下させて、前記複合構造体26の空隙率134(図2B参照)を低減させることができるよう、前記上昇後温度113(図2B参照)を元の前記樹脂硬化温度66まで下げるステップ42を含む。前記添加ガス116が相転移を経て凝縮相127(図2B参照)となり、前記複合構造体26内の真空圧力94を実質的に低下させ、前記上昇後温度113を元の前記樹脂硬化温度まで下げることが、約80%〜約99%の範囲で前記複合構造体26の空隙率低減率135(図2B参照)をもたらすことが好ましい。前記方法30は、2%未満の空隙率等、空隙率の低い航空機の複合材部品28等の複合構造体26を生成することが好ましい。
前記方法30はさらに、前記複合構造体26を冷却するステップ44を含む。図2Cに示すように、前記システム50は硬化後サイクル140を含むシステム部分50cを含む。図2Cに示すように、前記硬化後サイクル140は、有効な時間、複合構造体26を冷却するステップ142を含む。前記複合構造体26はそれ自身で冷却してもよいし、冷却ユニットもしくは他の適切な冷却装置等、冷却装置144(図2C参照)を用いて冷やしてもよい。前記硬化後サイクル140はさらに、前記硬化された複合構造体を、前記加熱装置88から除去するステップ146を含む。前記硬化された複合構造体26を除去することは、熱防護ハンド手袋もしくは防護トング等の除去装置148(図2C参照)を用いて行うことができる。図2Cに示すように、前記硬化後サイクル140はさらに、前記硬化された複合構造体26を機械加工152、接合154、またはコーティング156する等、完了処理のステップ150を含むことができる。
よって、前記方法30(図1参照)とシステム50(図2A〜2C)は、前記オートクレーブ90もしくはオーブン92で硬化された複合プリプレグ材料70の前記樹脂材料56に追加される添加物54を提供する。前記添加物54は、前記硬化真空圧力94において、前記複合構造体26の前記樹脂材料56の目的の樹脂硬化温度66より上で、前記添加物の液体から気体への相転移62(図2B参照)を経ることが好ましい。硬化サイクル84中、前記複合構造体26が通常、有意な時間、ある温度に保持される場合、低下した樹脂粘性106(図2B参照)が最低樹脂粘度に近い108(図2B参照)状態で、かつ、前記樹脂材料56がまだゲル化されていない場合、前記複合構造体26の熱は、前記添加物相転移温度64および前記樹脂硬化温度66を超える上昇後温度113まで一時的に上げられる。前記添加物54は、添加物の液体から気体への相転移62を経て、その容積を数百倍増加させる。この新しい添加ガス116は、吸収された水分、溶存水、樹脂アウトガス、もしくは他の樹脂副生成物、気体反応生成物、または前記複合構造体26からの他の適切な気体を含め、封じ込められた空気および揮発性物質を含む他の既存の1つ以上の気体118(図2B参照)を置き換えるもしくは押し出す。前記添加ガス放出の質量率が低下122(図2B参照)した段階で、前記熱低下ステップ120は、添加ガス116が凝縮相127への相転移または添加物の気体から液体への相転移126(図2B参照)を経るようにさせるため、前記熱および前記上昇後温度113を元の前記樹脂硬化温度66まで下げる。これによって、空隙130(図2B参照)とガスチャネル132(図2B参照)内の真空圧力94を実質的に減少もしくは低減させ、空隙130とガスチャネル132の崩壊をさらにずっと迅速かつ完全に生じさせ、これによって今度は、前記複合構造体26内の正味空隙量136、すなわち空隙率134の低減を生じさせる。追加の利点として、内圧に対する外圧の増加率138(図2B参照)は、オーブン92内等、オートクレーブ90からの複合構造体26の処理を提供する。
本発明の別の実施形態において、前記方法30(図1参照)は、航空機の複合材部品28(図2A参照)における空隙率134(図2B参照)を低減する。前記方法30は、添加物/樹脂混合物58(図2A参照)を形成するため、添加物54(図2A参照)を樹脂材料56(図2A参照)に追加するステップ32を含む。前記添加物54は、前記樹脂材料56の樹脂硬化温度66(図2A参照)より高い添加物相転移温度64(図2A参照)を有する相転移材料60(図2A参照)を含む。前記添加物54は、1気圧で約250°F(華氏)から約950°Fの範囲の温度の沸点を有する9つ以上の炭素原子を有するアルカン、1気圧で約392°Fから約500°Fの範囲の温度の沸点を有するフェニルプロペン、1気圧で約422°Fから約980°Fの範囲の温度の沸点を有する多環式芳香族炭化水素、および前述のトリアシルグリセリドまたは他の適切な添加物を含む相転移材料60であることが好ましい。前記樹脂材料56は、エポキシ樹脂、エポキシアミン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイド樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、およびこれらの組み合わせを含むことが好ましい。

前記航空機の複合材部品28の空隙率134(図2B参照)を低減するための前記方法30はさらに、複合プリプレグ材料70(図2A参照)を形成するため、前記添加物/樹脂混合物58を複数の強化繊維68、好ましくは複数の強化炭素繊維と結合することを含む。前記方法はさらに、手動積層80または積層マシン76(図2A参照)を用いる等の自動積層を含む形成プロセス78を介して、前記複合プリプレグ材料70を積層すること、および前記複合プリプレグ材料70を航空機の複合材部品28に形成することを含む。前記方法はさらに、真空圧力94(図2B参照)下において、真空バッグ98(図2B参照)下で前記航空機の複合材部品28を囲むことを含む。前記方法30はさらに、前記樹脂材料56の低下した樹脂粘性106(図2B参照)を達成するために十分な樹脂硬化温度66まで、オートクレーブ90またはオーブン92を含む加熱装置88内で、有効な時間、有効な真空圧力94で、前記真空バッグ98下で囲まれた前記航空機の複合材部品28を熱硬化するステップ38を含む。前記方法30はさらに、有効な樹脂硬化時間、前記樹脂硬化温度66を維持すること104(図2B参照)を含む。前記方法30はさらに、前記航空機の複合材部品28を加熱して、前記添加物相転移温度64および前記樹脂硬化温度66を約華氏5度から約華氏20度の範囲だけ上回る上昇後温度113(図2B参照)まで温度を上昇させるステップ40を含む。前記方法はさらに、前記添加物54が相移転を経て、かつ、前記航空機の複合材部品28からの1つ以上の気体118(図2B参照)を実質的に置き換える添加ガス116(図2B参照)を形成するために十分な時間、前記上昇後温度113を維持するステップ114を含む。前記方法30はさらに、前記添加ガス116が相転移を経て凝縮相127(図2B参照)となる結果、前記航空機の複合材部品28内の真空圧力94が実質的に低下して前記航空機の複合材部品28の前記空隙率134が約80%〜約99%の範囲で低減するよう、前記上昇後温度113を元の前記樹脂硬化温度66まで下げるステップ42を含む。前記方法30はさらに、前記複合構造体26、好ましくは前記航空機の複合材部品28を冷却するステップ44を含む。前記方法はさらに、前記冷却された航空機の複合材部品を前記オートクレーブ90から除去することを含む。
本発明の別の実施形態では、前述のとおり、複合構造材26(図2A参照)の空隙率134(図2B参照)を低減するためのシステム50(図2A〜2C参照)がもたらされる。前記システム50は複合プリプレグ材料70(図2A参照)を含む。前記複合プリプレグ材料70は、複数の強化繊維68(図2A参照)、好ましくは添加物/樹脂混合物58(図2A参照)を予め含侵させた複数の強化炭素繊維を含む。前記添加物/樹脂混合物58の前記添加物54(図2A参照)は、前記樹脂材料58の樹脂硬化温度66(図2A参照)より高い添加物相転移温度64(図2A参照)を有する相転移材料60(図2A参照)を含む。前記添加物54は、前記方法30に照らし詳述したコンポーネントと構成物を含む相転移材料60を含むことが好ましい。前記樹脂材料56は、エポキシ樹脂、エポキシアミン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイド樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、およびこれらの組み合わせ、または別の適切な樹脂を含むことが好ましい。
前記システム50はさらに、前記複合プリプレグ材料70を複合構造体26(図2A参照)に積層するよう適合された積層マシン76(図2A参照)を含む形成装置74(図2A参照)を含む。前記システム50はさらに、真空バッグ98(図2B参照)を含む真空デバイス96(図2B参照)を含む。前記真空デバイス96は、有効な真空圧力94(図2B参照)の真空下で前記複合構造体26を囲むまたは覆うよう適合される。
前記システム50はさらに、オートクレーブ90(図2B参照)もしくはオーブン92(図2B参照)を含む加熱装置88(図2B参照)を含む。前記加熱装置88は、前記真空デバイス96で囲まれた前記複合構造体26を、有効な樹脂硬化温度66まで熱硬化し、かつ、前記樹脂材料58の低下した樹脂粘性106(図2B参照)を達成するために十分な有効時間、前記樹脂硬化温度66を維持するよう適合されている。前記加熱装置88はさらに、前記複合構造体26を加熱して、前記添加物相転移温度64および前記樹脂硬化温度66を超える上昇後温度113(図2B参照)まで温度を上昇させ、かつ前記添加物54が相移転を経て前記複合構造体26からの1つ以上の気体118(図2B参照)を実質的に置き換える添加ガス116(図2B参照)を形成するために十分な時間にわたり前記上昇後温度113を維持するよう適合されている。前記加熱装置88はさらに、前記添加ガス116が凝縮相127(図2B参照)へと相転移を経て、前記複合構造体26内の実質的に低下された真空圧力94をもたらし、かつ、前記複合構造体26の空隙率134(図2B参照)を低減させることができるよう、前記上昇後温度113を元の前記樹脂硬化温度66まで下げるよう適合されている。前記上昇後温度113は、前記樹脂硬化温度66を約華氏5度から約華氏20度の範囲だけ上回る温度であることが好ましく、好ましくは前記添加物相転移温度64を約華氏5度から約華氏10度上回る温度であり、さらに好ましくは前記添加物相転移温度64を約華氏5度上回る温度である。前記複合構造体26の前記空隙率134の前記低減が、約80%〜約99%の空隙率低減135(図2B参照)の範囲であることが好ましい。
図3は、本発明の方法30(図1参照)に係る各種実施形態のうちの一実施形態によって作成される複合構造体26を組み込むことができる例示の航空機10の斜視図である。図3に示すとおり、前記航空機10は機体12、機首14、コックピット16、翼18、1つ以上の推進ユニット20、垂直尾部22、および水平尾部24を含む。前記複合構造体26は航空機の複合材部品28であることが好ましい。図3に示す航空機10は概して、1つ以上の複合構造体26を有する民間旅客機を表したものであるが、本発明の実施形態の教示内容は、他の旅客機、貨物航空機、軍用機、回転翼航空機、およびその他の種類の航空機もしくは高所作業車に加え、航空宇宙機、衛星、航空打ち上げ機、ロケット、およびその他の航空宇宙機、およびボートとその他の船、列車、自動車、トラック、バス、または複合構造体を有する他の適切なビークルもしくはアイテムに適用することができる。
当該技術分野の当業者に認識できるように、前記複合構造体26を形成するために使用される前記複合プリプレグ材料70に、前記添加物54を組み込むことは、多数の大きな効果をもたらす。前記方法30(図1参照)と前記システム50(図2A〜2C参照)に係る開示の実施形態は、複合構造体の製造プロセスに大きな変化を必要とせず、特に、前記複合プリプレグ材料を前記複合構造体に形成した後、大型の複合構造体等の前記複合構造体が、長時間(12〜24時間またはそれ以上)にわたる真空圧力下での硬化前の真空保持を受ける必要がないことが好ましい。このような硬化前の真空保持を排除することで、全体の製造プロセス時間を縮小でき、これによって、製造コスト全体の低減につながり、特に大型の複合材部品の製造コスト全体の低減を可能にする。
また、前記複合構造体26の熱を前記上昇後温度113まで上げること、および前記添加物54が添加物の液体から気体への相移転62を経て、かつ、前記複合構造体26からの1つ以上の気体118を実質的に置き換える添加ガス116を形成するために十分な時間、前記上昇後温度113を維持することの第2加熱ステップ110(図2B参照)を有する硬化サイクル84全体に対し、追加の時間は増えない。さらに、前記方法30(図1参照)と前記システム50(図2A〜2C参照)に係る開示の実施形態は、好ましくは前記複合構造体26の製造中に、前記空隙率134、すなわち空隙量136(図2B参照)を、約80%から約99%の範囲の空隙率低減135、すなわち空隙量低減137(図2B参照)で、低減する方法30とシステム50をもたらす。このような空隙率と空隙の低減または軽減によって、2%未満等の低レベルの空隙率または低い空隙量がもたらされ、これによって、航空機の複合材部品28等の複合構造体26の製造が、せん断強度等の改善された機械的特性、および強化性能を有することを実現する。このことによって、処理中の問題、見落とし、誤りを原因として生じる、複合構造体もしくは部品の不適合品の廃棄が減り、結果的に、製造コストおよび、複合構造体もしくは部品の追加品または交換品を製造しなければならないことに関連するコストの低減につながる。
上述の説明および関連する図面に示した教示の利点に接した、当該発明の属する技術分野の当業者であれば、本発明の多数の変形例および他の実施形態が想起されるであろう。本明細書に記載した実施形態は、例示を意図したものであって、限定的または網羅的であることを意図していない。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは、一般的および説明的な意味でのみ使用されており、限定を意図するものではない。
10 航空機
12 機体
14 機首
16 コックピット
18 翼
20 推進ユニット
22 垂直尾部
24 水平尾部
26 複合構造体

Claims (15)

  1. 複合構造体の空隙率を低減するための方法であって、
    添加物/樹脂混合物を形成するために樹脂材料に、前記樹脂材料の樹脂硬化温度より高い添加物相転移温度を有する相転移材料を含んでいる添加物を追加すること、
    複合プリプレグ材料を形成するために前記添加物/樹脂混合物を複数の強化繊維と結合すること、
    前記複合プリプレグ材料を複合構造体に形成すること、
    前記樹脂材料の粘性を低下させるために十分な前記樹脂硬化温度で、有効な時間にわたり、有効な真空圧力の真空デバイス下において、加熱装置内で前記複合構造体を熱硬化すること、
    前記複合構造体を加熱して、前記添加物相転移温度および前記樹脂硬化温度を超える温度まで温度を上昇させて、前記添加物が相転移を経て前記複合構造体からの1つ以上の気体に実質的に置き換わる添加ガスを形成するために十分な時間にわたり、前記上昇させた温度を維持すること、
    前記添加ガスが相転移を経て凝縮相となる結果、前記複合構造体内の真空圧力が実質的に低下して前記複合構造体の空隙率が低減するよう、前記上昇させた温度を元の前記樹脂硬化温度まで下げること、ならびに
    前記複合構造体を冷却すること
    を含む方法。
  2. 前記樹脂材料に前記添加物を追加することがさらに、1気圧で121°C(250°F)から510°C(950°F)の範囲の温度の沸点を有する9つ以上の炭素原子を有するアルカン、1気圧で200°C(392°F)から260°C(500°F)の範囲の温度の沸点を有するフェニルプロペン、および1気圧で217°C(422°F)から527°C(980°F)の範囲の温度の沸点を有する多環式芳香族炭化水素、ならびにトリアシルグリセリドからなる群から選択される添加物を追加することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記樹脂材料に前記添加物を追加することがさらに、前記添加物を前記添加物/樹脂混合物の容積全体に基づき、0.01容積パーセントから1.5容積パーセントの分量で追加することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記樹脂材料に前記添加物を追加することがさらに、前記添加物を、エポキシ樹脂、エポキシアミン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される樹脂材料に追加することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記複合プリプレグ材料を前記複合構造体に形成することがさらに、手動積層または積層マシンを使用する自動積層を含む形成プロセスを介して前記複合プリプレグ材料を積層することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記複合構造体を熱硬化することがさらに、オートクレーブまたはオーブンを含む加熱装置内で前記複合構造体を熱硬化することを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記複合構造体を熱硬化することがさらに、密封された可撓性の真空バッグを含む真空デバイス下で前記複合構造体を熱硬化することを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記複合構造体を加熱して温度を上昇させることがさらに、前記複合構造体を加熱して、前記樹脂硬化温度および前記添加物相転移温度を2.8°C(5°F)から11°C(20°F)の範囲だけ上回る温度まで温度を上昇させることを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記複合構造体を加熱して前記添加物相転移温度を上回る温度まで温度を上昇させることがさらに、1分から15分の範囲の時間にわたり、前記上昇させた温度を維持することを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記複合構造体を加熱して前記添加物相転移温度を上回る温度まで温度を上昇させることがさらに、1つ以上の気体に実質的に置き換わる前記添加ガスを形成することを含み、前記1つ以上の気体は封じ込められた空気と、吸収された水分、溶存水、および樹脂アウトガスを含む揮発性物質とを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記上昇させた温度を元の前記樹脂硬化温度まで下げることにより、前記複合構造体の空隙率を80%〜99%の範囲で低減させる、請求項1に記載の方法。
  12. 前記複合構造体は航空機の複合材部品である、請求項1に記載の方法。
  13. 複合構造体の空隙率を低減するためのシステムであって、
    添加物/樹脂混合物を予め含侵させた複数の強化繊維を含む複合プリプレグ材料であって、前記添加物が、前記樹脂材料の樹脂硬化温度より高い添加物相転移温度を有する相転移材料を含んでいる、複合プリプレグ材料、
    前記複合プリプレグ材料を複合構造体内へ積層するよう適合された積層マシンを含む形成装置、
    真空バッグを含む真空デバイスであって、有効な真空圧力の真空下で前記複合構造体を囲むよう適合されている真空デバイス、ならびに
    オートクレーブおよびオーブンを含む加熱装置であって、
    前記真空デバイスで囲まれた前記複合構造体を、有効な樹脂硬化温度まで熱硬化し、かつ前記樹脂材料の粘性を低下させるために十分な有効時間にわたり、前記樹脂硬化温度を維持するよう適合されており、
    さらに、前記複合構造体を加熱して、前記添加物相転移温度および前記樹脂硬化温度を超える温度まで温度を上昇させ、かつ前記添加物が液体から気体へ相移転して前記複合構造体からの1つ以上の気体に実質的に置き換わる添加ガスを形成するために十分な時間にわたって前記上昇させた温度を維持するよう適合されており、
    さらに、前記添加ガスが相転移を経て凝縮相となる結果、前記複合構造体内の真空圧力が実質的に低下して前記複合構造体の空隙率が低減するよう、前記上昇させた温度を元の前記樹脂硬化温度まで下げるよう適合されている前記加熱装置
    を含むシステム。
  14. 記添加物、1気圧で121°C(250°F)から510°C(950°F)の範囲の温度の沸点を有する9つ以上の炭素原子を有するアルカン、1気圧で200°C(392°F)から260°C(500°F)の範囲の温度の沸点を有するフェニルプロペン、1気圧で217°C(422°F)から527°C(980°F)の範囲の温度の沸点を有する多環式芳香族炭化水素、ならびにトリアシルグリセリドからなる群から選択される、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記樹脂材料はさらに、エポキシ樹脂、エポキシアミン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載のシステム。
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