JP6198303B2 - スペーサ - Google Patents
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Description
これによれば、第1係合部を、冷却媒体の流通方向と直交する方向に沿って長尺とすることができるので、スペーサ片と冷却流路の外壁との間における冷却媒体の流通をより抑制することができる。
これによれば、第1係合部における冷却流路の外壁に係合する部位が可撓性を有するため、スペーサを冷却流路内に挿入する際におけるスペーサの組付け性を向上させることができる。
これによれば、第2係合部が冷却流路の内壁に当接することで、スペーサ片と冷却流路の内壁との間における冷却媒体の流通が抑制され、冷却媒体の流通を制御することができる。
これによれば、第1係合部及び第2係合部は、スペーサ片と機械的に結合されることになるため、スペーサ片からの分離が抑制される。
これによれば、第1係合部を弾性変形する材料から構成しているので、スペーサの組み付け性をより向上させることができる。
これによれば、スペーサ片の誘導凹所によって、孔から冷却流路内に流入された冷却媒体が所望の方向に向かって流れるように、冷却媒体の流通方向を制御することができる。
図1〜図4は、第1実施形態に係るスペーサ1の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係るスペーサ1は、図1に示すように、内燃機関2における環状の冷却流路3内に部分的に配置されて冷却媒体の流通流量を調整する。また、本実施形態に係るスペーサ1は、図2に示すように、冷却流路3に沿うように形成されたスペーサ片10と、スペーサ片10における冷却流路3の外壁3a側の面(外面)10aに設けられた一対の第1係合部13,13と、を備えている。また、本実施形態では、この一対の第1係合部13,13は、張り出し部4を冷却媒体の流通方向に沿って挟むように外壁3aに当接し係合可能とされ、スペーサ1の冷却媒体の流通方向への移動を規制するよう構成されている。
また、シリンダブロック2におけるこれら3個のシリンダボア5,5,5のシリンダボア壁6の外周面側には、一連状のオープンデッキタイプの冷却流路(以下、ウォータジャケットと言う)3が設けられている。
このウォータジャケット3は、シリンダブロック2の上面(不図示のシリンダヘッドと合体される側の面)に向けて開口するように形成されている。また、このウォータジャケット3は、内壁(シリンダボア壁6の外周面)3b、外壁3a及び底部3cによって区画されている。
なお、シリンダブロック2は、アルミニウム合金等の鋳造品からなるものとしてもよい。また、冷却媒体としては、不凍液が混合された冷却水(LLC)等としてもよい。
張り出し部4は、シリンダブロック2におけるウォータジャケット3の開口から底部3cまでの略全域に亘って設けられたものとしてもよく、または、ウォータジャケット3の開口から底部3cまでの一部分に設けられたものとしてもよい。
誘導凹所11は、図3に示すように、スペーサ片10の外面10aに設けられている。また、図例では、冷却媒体が矢印aの方向(図1参照)に流れるように設けた誘導凹所11を示している。
本実施形態では、誘導凹所11を、スペーサ片10における冷却媒体の流通方向(矢印a方向)先側の部位に設けた例を示している。
誘導凹所11は、スペーサ片10における給水口7に対向する部位を含み、この部位より上端部10c側及び右側端部10d側にかけてスペーサ片10の厚みを薄くすることにより形成されている。
誘導凹所11は、ウォータジャケット3の外壁3a側を向く底部11aと、冷却媒体の流通方向(矢印a方向)先側を向く壁部11bと、スペーサ1の挿入方向の一方向側(図例では、上方側)を向く壁部11cと、によって区画されている。壁部11cは、図3において、下方側に凹むような湾曲状に形成されている。
連通孔12は、スペーサ片10の厚さ方向に貫通するように設けられている。また、この連通孔12は、スペーサ片10の上下方向の途中位置に設けられている。
一対の第1係合部13,13は、互いに略同寸同形状とされている。また、本実施形態では、これら一対の第1係合部13,13を、冷却媒体の流通方向に沿う方向に互いに間隔を空けて設けている。一対の第1係合部13,13は、スペーサ片10における誘導凹所11の冷却媒体の流通方向の後側に設けられている。
第1係合部13は、スペーサ片10の厚さ方向に沿う方向に突出するように設けられている。また、一対の第1係合部13,13は、張り出し部4を間に挟む程度の間隔を空けて配設されている。つまり、一対の第1係合部13,13における後記する可撓部15,15間の距離d2は、張り出し部4の幅寸法d1よりも大きい。従って、第1係合部13は、ウォータジャケット3の外壁3aに当接し係合可能とされている。
また、本実施形態では、この突条(第1係合部13)を、スペーサ片10に固定される基端部14と、ウォータジャケット3の外壁3aに当接する可撓部15とからなるものとしている。
可撓部15は、図3に示すように、基端部14のウォータジャケット3の外壁3a側の面に設けられている。また、可撓部15は、ウォータジャケット3の外壁3a側に向けて突出するとともに、基端部14の上下方向の全域に亘って延びる突状とされている。また、図例では、基端部14の幅方向(冷却媒体の流通方向に沿う方向)の略中央に設けた可撓部15を示している。可撓部15は、横断面形状が突出方向先側に向かうに従い幅狭となるようなリップ状とされている。また、可撓部15は、スペーサ片10の上下方向の全域に亘って、その冷却媒体の流通方向に沿う寸法(幅寸法)が略同寸法とされている。また、可撓部15の幅寸法は、基端部14の幅寸法よりも十分に小さい寸法とされている。ここで、第1係合部13が張り出し部4に係合する場合、可撓部15の側面が張り出し部4の側面に当接し係合する。
第2係合部16は、第1係合部13と概ね同様の構成とされている。また、本実施形態では、第2係合部16を、第1係合部13と略同寸同形状としている。
この第2係合部16は、ウォータジャケット3の内壁3bに当接可能とされている。
本実施形態では、一対の第2係合部16,16をスペーサ片10に設けている。また、本実施形態では、一対の第2係合部16,16を、その固定位置が冷却媒体の流通方向に沿う方向において一対の第1係合部13,13と略一致するように、スペーサ片10の内面10bに設けている。
また、本実施形態では、図4に示すように、第1係合部13及び第2係合部16は、スペーサ片10と一体に成形される弾性材からなる。
上記した第1係合部13、第2係合部16及び連結部19は、例えば、EPDM等のエラストマー系材料等の弾性変形が可能とされた材料からなるものとしてもよい。
また、上記構成とされたスペーサ片10は、合成樹脂系材料等から形成されたものとしてもよい。
また、これらスペーサ片10、第1係合部13、第2係合部16及び連結部19は、上記材料から2色成形によって一体に成形されたものとしてもよい。
また、第1係合部13,13を、スペーサ片10と一体に成形される弾性材からなるものとした例を示しているが、この態様に限定されない。例えば、第1係合部13,13をスペーサ片10とは別体に成形した後、接着剤等を用いて第1係合部13,13をスペーサ片10に固定するようにしてもよい。
また、スペーサ片10に連通孔12を設け、第1係合部13と第2係合部16とを連通孔12を介して一体に成形した例を示しているが、この態様に限定されない。このような連通孔12を設けずに、例えば、接着剤等を用いてこれら第1係合部13と第2係合部16をそれぞれスペーサ片10に固定するようにしてもよい。
図5は、第2実施形態に係るスペーサ1Aを模式的に示す図である。なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係るスペーサ1Aは、主に、第1係合部13A及び第2係合部16Aが、スペーサ片10Aの係止部10Aa,10Aaに圧入される点、及びスペーサ片10Aに連通孔12が設けられていない点が、上記第1実施形態と異なる。
スペーサ片10Aは、その外面10a及び内面10bに、それぞれ第1係合部13A及び第2係合部16Aを係止する係止部10Aa,10Aaを設けた構造とされている。本実施形態では、2個の第1係合部13A,13A及び2個の第2係合部16A,16Aのそれぞれが係止される4個の係止部10Aa,10Aa,10Aa,10Aaを設けた例を示している。これら係止部10Aa,10Aa,10Aa,10Aaは、略同様の構成とされているので、以下では、スペーサ片10Aの外面10aに設けられる係止部10Aaについて説明する。
この空洞部Sは、第1係合部13Aの基端部14をその長手方向に沿って圧入し得る大きさとされている。
また、一対の係止片部10Aa1,10Aa1の互いに対向する先端間の寸法は、第1係合部13Aの可撓部15が挿通され得る寸法とされている。
また、第1係合部13Aと第2係合部16Aとは、上記第1実施形態とは異なり、それぞれが別々に形成されている。すなわち、第1係合部13Aと第2係合部16Aとは、それぞれが一単位の係合部とされている。
また、本実施形態では、第1係合部13Aを、係止部10Aaとスペーサ片10Aの外面10aとによって構成される空洞部Sに嵌め込んで、スペーサ片10Aに固定するようにしている。また、第2係合部16Aを、係止部10Aaとスペーサ片10Aの内面10bとによって構成される空洞部Sに嵌め込んで、スペーサ片10Aに固定するようにしている。従って、例えば、スペーサ片10A、第1係合部13A及び第2係合部16Aを一体に成形するような場合と比べて、比較的に簡易に第1係合部13A及び第2係合部16Aをスペーサ片10Aに固定することができる。また、第1係合部13A及び第2係合部16Aを、それぞれ単一の部材として製造することができるので、取扱性を向上させることができる。
図6は、第3実施形態に係るスペーサ1Bを模式的に示す図である。なお、上記第1実施形態及び第2実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係るスペーサ1Bは、主に、一連状とされた第1係合部13B及び第2係合部16Bがスペーサ片10Bに固定されている点が、上記第1実施形態及び第2実施形態と異なる。
スペーサ片10Bには、第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、連通孔12が形成されておらず、また、第1係合部13Bと第2係合部16Bとは、スペーサ片10Bの連通孔12を介して一体に成形されてはいない。
本実施形態では、それぞれの固定位置が冷却媒体の流通方向に沿う方向において互いに一致するように設けられた第1係合部13Bと第2係合部16Bとは、それぞれの上端部同士及び下端部同士が、連結部19a,19aによって連結されている。
これら連結部19a,19aは、スペーサ片10Bの上端面及び下端面を覆うように設けられている。
また、本実施形態では、第1係合部13Bと第2係合部16Bとは、連結部19a,19aを介して一連状に形成されている。従って、これら第1係合部13Bと第2係合部16Bを、スペーサ片10Bの外面10a、内面10b及び上下端面を締め付けるようにスペーサ片10Bに固定することができ、比較的強固にスペーサ片10Bに固定することができる。また、例えば、スペーサ片10B、第1係合部13B及び第2係合部16Bを一体に成形するような場合と比べて、比較的に簡易に第1係合部13B及び第2係合部16Bをスペーサ片10Bに固定することができる。また、これら第1係合部13Bと第2係合部16Bとを、両者が結合された単一の部材として製造することができるので、取扱性を向上させることができる。
図7は、第3実施形態に係るスペーサ1Bの一変形例としてのスペーサ1Cを模式的に示す図である。なお、上記第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本変形例に係るスペーサ1Cは、主に、スペーサ片10Cにゴム材等からなる突条10eを設けた点が、上記第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態と異なる。
本変形例では、スペーサ片10Cにおける誘導凹所11よりも下方側の部位に、外壁3a側に向かって突出する突条10eが設けられている。この突条10eは、第1係合部13B側から右側端部10d側に向かうに従い上方側に向かって延びるような略湾曲形状とされている。また、この突条10eは、スペーサ片10Cに固着される固着部10eaと、固着部10eaから外壁3a側に向かって突出するように設けられる突部10ebとを備えている。
上記のような構成により、冷却媒体は、給水口7からウォータジャケット3内に流入しスペーサ1Cの誘導凹所11に衝突すると、一部が突条10e側に向かうこともある。しかし、突条10e側に向かった冷却媒体は、突条10eの突部10ebによってその流れが流通方向の一方向に変化するようにガイドされる。つまり、冷却媒体は、突条10eが設けられていることによって、冷却却媒体の流通方向の一方向により流れ易くなるよう誘導される。
なお、このような突条10eを、上記第1実施形態のスペーサ片10や、第2実施形態のスペーサ片10Aに設けるようにしてもよい。
また、このような誘導凹所11を設けない態様としてもよい。
また、上記各実施形態では、第1係合部13,13A,13Bを、スペーサ片10,10A,10B,10Cに固定される基端部14と、ウォータジャケット3の外壁3aに当接する可撓部15とからなるものとした例を示しているが、この態様に限定されない。第1係合部13,13A,13Bを、例えば、ウォータジャケット3の外壁3aに当接する部位が可撓性を有するとともに略一定の幅寸法(流通媒体の流通方向に沿う寸法)となるようにしてもよい。なお、第2係合部16,16A,16Bについても同様の態様となるように変更してもよい。
また、上記各実施形態では、第1係合部13,13A,13Bを、スペーサ片10,10A,10B,10Cの冷却媒体の流通方向と直交する方向の全域に亘って延びる突条とした例を示しているが、この態様に限定されない。第1係合部13,13A,13Bを、スペーサ片10,10A,10B,10Cの冷却媒体の流通方向と直交する方向の一部分に設けるようにしてもよい。または、複数の第1係合部13,13A,13Bを、スペーサ片10,10A,10B,10Cの冷却媒体の流通方向と直交する方向に互いに間隔を空けて設けるようにしてもよい。
また、スペーサ片10,10A,10B,10Cの形状は、湾曲した形状に限定されない。例えば、スペーサ片10,10A,10B,10Cが張り出し部4aに位置決めされるように配置される場合、それに伴って、ウォータジャケット3に沿う形状となるようにスペーサ片10,10A,10B,10Cの形状を適宜変更してもよい。
2 内燃機関
3 ウォータジャケット(冷却流路)
3a 外壁
4,4a 張り出し部
7 給水口(孔)
10,10A,10B,10C スペーサ片
10a 外面(冷却流路の外壁側の面)
10b 内面(冷却流路の内壁側の面)
11 誘導凹所
12 連通孔
13,13A,13B 第1係合部
14,17 基端部
15,18 可撓部
16,16A,16B 第2係合部
Claims (7)
- 内燃機関の冷却流路内に部分的に配置されて冷却媒体の流通流量を調整するスペーサであって、
前記冷却流路に沿うように形成されたスペーサ片と、該スペーサ片における前記冷却流路の外壁側の面に設けられるとともに該スペーサ片の厚さ方向に突出する第1係合部と、を備え、
前記第1係合部は、前記冷却流路の外壁から冷却流路内に突出するよう張り出す張り出し部に当接し係合可能とされ、且つ、前記張り出し部を前記冷却媒体の流通方向に沿って間に挟むように一対設けられており、当該スペーサの前記冷却媒体の流通方向への移動を規制するよう構成されていることを特徴とするスペーサ。 - 請求項1に記載のスペーサにおいて、
前記第1係合部は、前記スペーサ片の前記冷却媒体の流通方向と直交する方向の全域に亘って延びる突条とされていることを特徴とするスペーサ。 - 請求項1又は請求項2に記載のスペーサにおいて、
前記第1係合部は、前記スペーサ片に固定される基端部と、前記冷却流路の外壁に当接する可撓部とからなり、前記可撓部は前記基端部の幅寸法より小さい幅寸法に形成されていることを特徴とするスペーサ。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
前記スペーサ片における前記冷却流路の内壁側の面に、前記内壁に当接する第2係合部が設けられたことを特徴とするスペーサ。 - 請求項4に記載のスペーサにおいて、
前記スペーサ片には、厚み方向に貫通する連通孔が設けられ、前記第1係合部と前記第2係合部とは、前記連通孔を介して一体に成形されていることを特徴とするスペーサ。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
前記第1係合部は、前記スペーサ片と一体に成形される弾性材からなることを特徴とするスペーサ。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のスペーサにおいて、
前記スペーサ片は、冷却媒体を導入するために前記冷却流路の外壁に設けられた孔に対向するように配置され、
前記スペーサ片に、前記冷却媒体が該冷却媒体の流通方向の一方向に流れるように誘導する誘導凹所を設けたことを特徴とするスペーサ。
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